JP2004351961A - 車両用荷室構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】トランクスルー開口を通して、室内側からトレイ内の荷物等を出し入れする場合、トレイの周壁部が邪魔になって、室内側からの物の出し入れが困難である。
【解決手段】トレイ20の前、後壁部の一つを可倒壁31で構成し、この可倒壁31を倒した状態で、この可倒壁31側を車両前後方向イに対して前方に向けてトレイ20を荷室1内に格納した状態では、トランクスルー開口5の下縁部5aがトレイ20の底面部22及び倒された可倒壁31の面部と略同一平面内に位置するようになり、リヤシート3を倒した状態にして、トランクスルー開口5を通して、室内F側からトレイ20内の荷物等を出し入れする。
【選択図】 図2
【解決手段】トレイ20の前、後壁部の一つを可倒壁31で構成し、この可倒壁31を倒した状態で、この可倒壁31側を車両前後方向イに対して前方に向けてトレイ20を荷室1内に格納した状態では、トランクスルー開口5の下縁部5aがトレイ20の底面部22及び倒された可倒壁31の面部と略同一平面内に位置するようになり、リヤシート3を倒した状態にして、トランクスルー開口5を通して、室内F側からトレイ20内の荷物等を出し入れする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などの車両に適用される車両用荷室構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用荷室構造として図17に示すものがある。この車両用荷室構造では、車両の後部に設定された荷室40にトレイ41が格納してある。このトレイ41は、長方形状の底面部42の周部に周壁部43を立上げ、上部が開放された箱形状である。そして、このトレイ42の周壁部43の左、右両側部の外部には、車両前後方向に沿うガイド44が突出形成してある。
【0003】
また、荷室40を構成するトランクルームトリム45の左右のサイドトリム部45B、45Cには、それぞれにガイドレール46が水平状態で且つ車両前後方向に沿って平行に設けてあり、また、フロントトリム部45Aの中央部にはトランクスルー開口47が形成してある。
【0004】
トレイ41は、その左右のガイド44を、ガイドレール46に挿入することで荷室40内に格納してある。
【0005】
そして、トレイ41内に荷物、洗車道具等(図示せず)を入れると共に、トランクスルー開口47を通して、室内側からトレイ41内の荷物等を出し入れするようにしてある(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−260756号公報(段落0015及至0043,図5)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の車両用荷室構造にあっては、トレイ41が底面部42の周部に周壁部43を立上げた、上部が開放された箱形状であるために、トランクスルー開口47側に周壁部43が位置することになり、トランクスルー開口47を通して、室内側からトレイ41内の荷物等を出し入れする場合、周壁部43が邪魔になって、室内側からの物の出入れが困難になるという問題点があった。
【0008】
本発明は、上記の問題点に着目して成されたものであって、その目的とするところは、トランクスルー開口を通して、室内側からトレイ内の荷物等を出し入れすることが容易になり、本来デッドスペースであった荷室奥の上部を活用できるようにした車両用荷室構造を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る車両用荷室構造は、車両の荷室内にトレイを車両前後方向に移動可能に格納した車両用荷室構造であって、トレイは、少なくとも底面部と、この底面部の、車両前後方向に対応する前、後部に設けた前、後壁部とを有しており、前、後壁部の少なくとも一つが底面部に対して可倒する可倒壁で構成してあるものである。
【0010】
かかる構成により、荷室に、可倒壁を倒した状態で、この可倒壁側を車両前後方向に対して前方に向けてトレイを格納した状態では、たとえばトランクスルー開口に障害となる壁部が無くなる等のために、室内側からトレイ内の荷物等が容易に出し入れできるようになるし、また、たとえばトランクスルー開口に一部を通して長尺状の荷物を荷室に入れることができる。このように、本来デッドスペースであった荷室奥の上部が活用できるようになる。
【0011】
また、トレイに仕切り壁が必要な場合には、荷室に、可倒壁側を車両前後方向に対して後方に向けてトレイを格納し、可倒壁を起立させ、トレイに仕切り壁を作るようにする。このために、仕切り壁によりトレイ外への荷物等の落下を防ぐことができる。
【0012】
また、本発明に係る車両用荷室構造は、上記した本発明に係る車両用荷室構造において、トレイは、前、後壁部の一つが可倒壁で構成してあり、他の一つが固定壁部で構成してあって、この固定壁部に切欠き部を設けたものである。
【0013】
かかる構成により、荷室に、可倒壁側を車両前後方向に対して後方に向けてトレイを格納した場合に、切欠き部がたとえばトランクスルー開口に重なるようになり、また、可倒壁を起立させ、トレイに仕切り壁を作るようにすることができる。
【0014】
このために、トランクスルー開口を通して、室内側からトレイ内の荷物等が容易に出し入れできるようになるし、トランクスルー開口に一部を通して長尺状の荷物を荷室に入れることができるばかりか、仕切り壁によりトレイ外への荷物等の落下を防止することができる。
【0015】
また、本発明に係る車両用荷室構造は、上記した本発明に係る車両用荷室構造において、トレイは、前、後側壁部の双方が可倒壁で構成してあるものである。
【0016】
かかる構成により、たとえばトランクスルー開口側に位置する可倒壁を倒した状態にすることにより、トランクスルー開口に障害となる壁部が無くなるために、トランクスルー開口を通して、室内側からトレイ内の荷物等が容易に出し入れできるようになるし、また、可倒壁を起立させてトレイの前後に仕切り壁を作ることにより、トレイをボックス形状にすることができるし、仕切り壁によりトレイ外への荷物等の落下を防ぐことができる。
【0017】
また、本発明に係る車両用荷室構造は、上記した本発明に係る車両用荷室構造において、トレイは、底面部の両側に位置する側壁部を有しており、これらの側壁部に、可倒壁を起立した状態に保持する可倒壁起立保持手段を設けたものである。
【0018】
かかる構成により、可倒壁を引き起こして、この可倒壁を可倒壁起立保持手段で起立状態に保持することができる。
【0019】
また、本発明に係る車両用荷室構造は、上記した本発明に係る車両用荷室構造において、可倒壁起立保持手段は、側壁部に設けられ、且つ可倒壁の引き起こしで、この可倒壁に接触して車両前後方向に直交する方向に変位し可倒壁の通過後に弾性で元に復帰する爪部と、側壁部に設けたストッパー部とを有しており、爪部とストッパー部とで可倒壁を挟持して、可倒壁を起立した状態に保持するようにしたものである。
【0020】
かかる構成により、可倒壁を引き起こすことで、可倒壁の端部で爪部を押してこの爪部を車両前後方向に直交する方向に変位させ、可倒壁の端部の通過後に、再び、爪部を元の位置に復帰させて、爪部とストッパー部とで可倒壁を挟持して、可倒壁を起立状態に保持することができる。
【0021】
また、本発明に係る車両用荷室構造は、上記した本発明に係る車両用荷室構造において、トレイの両側部にガイドを設け、荷室に、上下複数段に亘ってトレイ格納用ガイドレールを配置し、トレイ格納用ガイドレールを用いて、前記トレイを上下複数段に選択的に格納できるように構成したものである。
【0022】
かかる構成により、上、下複数段のトレイ格納用ガイドレールのいずれかに、選択的にトレイを挿入することにより、本来デッドスペースであった荷室奥側上部を有効利用できる。
【0023】
また、上、下段のトレイ格納用ガイドレールのいずれかに、前、後側壁部の双方が可倒壁で構成してあるトレイを挿入して、トレイを荷室内に格納し、トレイ格納保持手段でトレイの格納保持を行うことができる。この状態では、トランクスルー開口側に位置する可倒壁を倒した状態にすれば、トランクスルー開口に障害となる壁部が無くなるために、トランクスルー開口を通して、室内側からトレイ内の荷物等が容易に出し入れできるようになる。また、可倒壁を起立させてトレイの後部に仕切り壁を作ることで、仕切り壁によりトレイ外への荷物等の落下を防ぐことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1は本発明に係る車両用荷室構造において、トレイを荷室に格納する直前の状態の斜視図、図2は同車両用荷室構造において、トレイを荷室に格納した状態の斜視図である。
【0026】
図1及び図2に示すように、本発明の実施の形態における車両用荷室構造では、車両後部に設定された荷室1にトレイ20が格納してある。
【0027】
荷室1は、トランクルームT内にトランクルームトリム2を設けることにより構成してあり、このトランクルームトリム2は、リヤシート3の裏側に位置するフロントトリム部2Aと、車体パネル4の左右のリヤフェンダー部(図示せず)の内側に位置する左右のサイドトリム部2B、2Cと、車体パネル4のリヤ部4Aの内側に位置するリヤトリム部(図示せず)とで構成してある。そして、フロントトリム部2Aの中央部にはトランクスルー開口5が形成してある。
【0028】
また、左右のサイドトリム部2B、2Cは、その前壁部2aに対して後壁部2bが外方に変位しており、前壁部2aと後壁部2bとの中間壁部2cは段部に成されている。
【0029】
そして、左右のサイドトリム部2B、2Cの前壁部2aの内側には、それぞれに上下にガイドレール6、7とが水平状態で且つ車両前後方向イに沿って平行に設けてあり、これらのガイドレール6、7は、荷室1の中心側に開口する断面コ字形状を成しており、ガイドレール6、7のレール端末部6a、7aは中間壁部2cに達しており、これらのレール端末部6a、7aは、中間壁部2cの面部側に回り込む回り込み部6b、7bに連なっている。
【0030】
そして、左右一対のガイドレール6が上段のトレイ格納用ガイドレール6−1を構成しており、左右一対のガイドレール7が下段のトレイ格納用ガイドレール7−1を構成している。
【0031】
そして、図1及び図3に示すように、上、下段のトレイ格納用ガイドレール6−1、7−1の右側のレール端末部6a、7aには、トレイ格納保持手段であるトレイロック機構部8が設けてある。これらのトレイロック機構部8は、図4及び図5に示すように、ロック部材9を備えている。このロック部材9の先端部には爪部10が形成してあり、また、後端面部にばね受部11が形成してある。また、ロック部材9の側部には軸部12aを介してロック解除用摘み12が取付けてある。
【0032】
上、下段のトレイ格納用ガイドレール6−1、7−1のレール端末部6a、7aの底面部にはロック部材収容体13が取付けてあり、このロック部材収容体13は、レール端末部6a、7aの底面部に開口しており、ロック部材収容体13の側部には長孔部14が形成してある。また、ガイドレール6、7の回り込み部6b、7bには長孔部15が形成してある。
【0033】
そして、ロック部材収容体13には、ロック部材9と、このロック部材9をレール端末部6a、7a側に付勢するばね部材16とが収容してあり、また、ロック部材9のロック解除用摘み12は回り込み部6b、7b内に収容してある。この場合、軸部12aは長孔部14、15を貫通しており、ばね部材16のばね力でロック部材9は、レール端末部6a、7a側に付勢されていて、ロック部材9の先端の爪部10がレール端末部6a、7a内に突入している(図3参照)。
【0034】
図6乃至図8に示すように、トレイ20はトレイ本体21を備えており、このトレイ本体21は、車幅方向ロに対応する辺が長い長方形状の底面部22と、この底面部22の長手方向(車幅方向ロに対応する方向)の両側部及び底面部22の短手方向(車両前後方向イに対応する方向)の一側部にそれぞれ立上げられた壁部23とで構成してある。
【0035】
そして、壁部23の、底面部22の長手方向(車幅方向ロに対応する方向)の両端部に対応する部分が側壁部23aであり、壁部23の、底面部22の短手方向(車両前後方向イに対応する方向)の端部に対応する部分が固定壁部23bである。そして、底面部22には、後述するように、固定壁部23bに対向する可倒壁31が設けてあり、この可倒壁31と固定壁部23bとは、底面部22の、車両前後方向イに対応する前、後部に設けた前、後壁部を構成するものである。そして、底面部22の上面部には、可倒壁31側に寄せて可倒壁収容凹部24が形成してある。
【0036】
側壁部23aの外面部には車両前後方向イに対応する方向に沿うガイド26が形成してある。そして、これらのガイド26には、その車両前後方向イに対応する方向の前、後側に位置させて係合凹部27が形成してある。また、側壁部23aの開放端部にはストッパー部25が形成してある。
【0037】
また、側壁部23aの開放端部には可倒壁起立保持手段である可倒壁起立保持機構部28が設けてある。この可倒壁起立保持機構部28は、図9乃至図11に示すように、側壁部23aに側面視で横U字形状に切込み28aを入れて片持ち状のばね片部29を形成して、このばね片部29の内面部に球面形状の爪部30を形成して構成してある。
【0038】
また、図6乃至図8に示すように、側壁部23aの開放端部間には可倒壁31が設けてあり、この可倒壁31は、図9に示すように、支承軸32により側壁部23aに取付けてあり、この可倒壁31は、支承軸32を支点にして底面部22側に倒すことで、可倒壁収容凹部24に収容されるものである。この場合、この可倒壁収容凹部24の面部が底面部22と同一平面内に位置するようになる。また、図7に示すように、爪部30が可倒壁31に干渉していて、この可倒壁31が固定状態になっている。
【0039】
また、可倒壁31を、支承軸32を支点にして底面部22側から引き起こすと、図9及び図10に示すように、可倒壁31の両端部31aが爪部30を押してばね片部29を撓ませ、可倒壁31の両端部31aの通過後に、再び、ばね片部29の弾性で爪部30が元の位置に復帰し、この爪部30が可倒壁31の両端部31aに干渉して、この爪部30とストッパー部25とで可倒壁31を挟持して、可倒壁31を起立状態に保持する。
【0040】
そして、上記のように構成されたトレイ20は、図1及び図2に示すように、その左右のレール26を、上段のトレイ格納用ガイドレール6−1の一対のガイドレール6に挿入し荷室1に格納してある。この場合、トレイロック機構部8において、ロック部材9の先端の爪部10がガイド26の一方の係合凹部27に係合して、トレイ20がロックされる(図4参照)。
【0041】
また、トレイ20を荷室1より外す場合には、図4に示すようにロック解除用摘み12を指Nで矢印方向に引くことで、ロック部材9をばね部材16のばね力に抗して矢印方向に移動させて、図5に示すようにロック部材9の先端の爪部10をレール26の一方の係合凹部27から外し、トレイ20を引き出すことで行われる。
【0042】
図2に示すように、上段のトレイ格納用ガイドレール6−1に、可倒壁31側を車両前後方向イに対して前方に向けてトレイ20を挿入し、トレイロック機構部8でロックして、このトレイ20を荷室1に格納した状態では、トランクスルー開口5の下縁部5aがトレイ20の底面部22及び倒された可倒壁31の面部と略同一平面内に位置するようになる。
【0043】
したがって、トレイ20内に荷物、洗車道具等(図示せず)を入れると共に、リヤシート3を倒した状態にして、トランクスルー開口5を通して、室内F側からトレイ20内の荷物等が容易に出し入れできるようになるし、また、トランクスルー開口5に一部を通して長尺状の荷物を荷室1に入れることもできる。このように、本来デッドスペースであった荷室1奥の上部が活用できる。
【0044】
また、下段のトレイ格納用ガイドレール7−1に、可倒壁31側を車両前後方向イに対して前方に向けてトレイ20を挿入し、トレイロック機構部8でロックしてトレイ20を荷室1に格納することもできる。
【0045】
また、図12に示すように、下段のトレイ格納用ガイドレール7−1に、可倒壁31側を車両前後方向イに対して後方に向けてトレイ20を挿入し、トレイロック機構部8でロックしてトレイ20を荷室1に格納し、図13に示すように、可倒壁31を起立させてトレイ20に仕切り壁を作る。
【0046】
したがって、トレイ20内に荷物、洗車道具等(図示せず)を入れると共に、リヤシート3を倒した状態にして、トランクスルー開口5を通して、室内F側からトレイ20内の荷物等が容易に出入れできるようになるばかりか、仕切り壁によりトレイ20外への荷物、洗車道具等の落下を防止することができる。
【0047】
図12に示すように、可倒壁31を倒した状態とすれば、トランクルームTの車両前後方向イに長い荷物を収納する場合に、可倒壁31が邪魔にならない。
【0048】
また、図14にトレイの変形例を示す。このトレイ20−1は、そのトレイ本体21の固定壁23bの中央部に切欠き部33を設け、他の構成を上記したトレイ20と同様にしたものであって、このトレイ20と同じ部品及び部位については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0049】
このトレイ20−1は、図15に示すように、上段のトレイ格納用ガイドレール6−1に、可倒壁31側を車両前後方向イに対して後方に向けてトレイ20−1を挿入し、トレイロック機構部8でロックして、このトレイ20−1を荷室1に格納すると、切欠き部33がトランクスルー開口5に重なるようになる。
【0050】
したがって、トレイ20−1内に荷物、洗車道具等(図示せず)を入れると共に、リヤシート3を倒した状態にして、トランクスルー開口5を通して、室内F側からトレイ20−1内の荷物等が容易に出し入れできるようになるし、トランクスルー開口5に一部を通して長尺状の荷物を荷室1に入れることもできる。
【0051】
また、図16にトレイの他の変形例を示す。このトレイ20−2は、その底面部22の長手方向の両端部にそれぞれ側壁部34を立上げて成るトレイ本体21−1を有しており、側壁部34の外面部には車両前後方向イに対応する方向に沿うガイド34aが形成してあり、これらのガイド34aには、その前、後側に位置させて係合凹部35が形成してある。また、側壁部34の前、後端部にはストッパー部36が設けてある。
【0052】
また、側壁部34の前、後部には、上記した可倒壁起立保持機構部28と同様な可倒壁起立保持機構部28−1が設けてある。そして、相対向する側壁部34の前、後部の間には、それぞれ可倒壁31が設けてあり、これらの可倒壁31は、その長手方向の両端部31aにおいて支承軸32により側壁部34に取付けてあり、この可倒壁31は、支承軸32を支点にして底面部22側に倒すことで、底面部22上に収容してある。この場合、可倒壁起立保持機構部28の爪部30が可倒壁31に干渉していて、この可倒壁31が固定状態になっている。
【0053】
また、可倒壁31を、図16の矢印に示すように、支承軸32を支点にして底面部22側から引き起こすことで、上記したトレイ20と同様に、この爪部30とストッパー部36とで可倒壁31を挟持して、この可倒壁31を起立状態に保持し、トレイ20−2をボックス形状にすることができる。
【0054】
また、上、下段のトレイ格納用ガイドレール6−1、7−1のいずれかに、トレイ20−2を挿入して、このトレイ20−2を荷室1内に格納し、トレイロック機構部8でトレイ20−2の格納保持を行った場合、トランクスルー開口5側に位置する可倒壁31を倒した状態にすれば、トランクスルー開口5に障害となる壁部が無くなるために、トランクスルー開口5を通して、室内F側からトレイ20−2内の荷物等が容易に出し入れできるようになるし、また、トランクスルー開口5に一部を通して長尺状の荷物を荷室1に入れることができる。また、可倒壁31を起立させてトレイ20−2の後部に仕切り壁を作ることで、仕切り壁によりトレイ20−2外への荷物等の落下を防ぐことができる。
【0055】
なお、上記した本発明の実施の形態は、車両後部のトランクルームT内の荷室1を対象とした車両用荷室構造であるが、これに限定されるものでなく、荷室をラゲージルームで構成する車両にも適用でき、この場合トレイ20はトノボードに代わることになる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る車両用荷室構造によれば、荷室に、可倒壁を倒した状態で、この可倒壁側を車両前後方向に対して前方に向けてトレイを格納した状態では、たとえばトランクスルー開口に障害となる壁部が無くなるために、トランクスルー開口を通して、室内側からトレイ内の荷物等が容易に出し入れできるようになるし、また、トランクスルー開口に一部を通して長尺状の荷物を荷室に入れることができる。このように、本来デッドスペースであった荷室奥の上部が活用できるようになる。
【0057】
また、トレイに仕切り壁が必要な場合には、荷室に、可倒壁側を車両前後方向に対して後方に向けてトレイを格納し、可倒壁を起立させ、トレイに仕切り壁を作るようにする。このために、仕切り壁によりトレイ外への荷物等の落下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用荷室構造において、トレイを荷室に格納する直前の状態の斜視図である。
【図2】同車両用荷室構造において、トレイを荷室に格納した状態の斜視図である。
【図3】図1のA部の拡大図である。
【図4】図3のB−B線に沿う断面であって、トレイ格納保持手段における格納保持状態の断面図である。
【図5】同トレイ格納保持手段における格納保持を解除した状態の断面図である。
【図6】トレイを、その固定壁側から見た斜視図である。
【図7】トレイを、その可倒壁側から見た斜視図である。
【図8】可倒壁を立ち起こした状態にして、この可倒壁側から見たトレイの斜視図である。
【図9】図8のC−C線に沿う断面図である。
【図10】図9のD−D線に沿う断面図である。
【図11】図10のE−E線に沿う断面図である。
【図12】本発明に係る車両用荷室構造において、トレイを荷室の下段のトレイ格納用ガイドレールに挿入して格納した状態の斜視図である。
【図13】同車両用荷室構造において、トレイを荷室の下段のトレイ格納用ガイドレールに挿入して格納した後、可倒壁を起立させた状態の斜視図である。
【図14】トレイの第1の変形例であって、このトレイを、その可倒壁側から見た斜視図である。
【図15】第1の変形例のトレイを、荷室の上段のトレイ格納用ガイドレールに挿入して格納した状態の斜視図である。
【図16】トレイの第2の変形例であって、このトレイの斜視図である。
【図17】従来の車両用荷室構造において、トレイを荷室に格納した状態の斜視図である。
【符号の説明】
1 荷室
5 トランクスルー開口
6 ガイドレール
7 ガイドレール
10 爪部
20 トレイ
22 底面部
23 壁部
23a 側壁部
23b 固定壁部
24 可倒壁収容凹部
25 ストッパー部
26 ガイド
28 可倒壁起立保持機構部(可倒壁起立保持手段)
28−1 可倒壁起立保持機構部(可倒壁起立保持手段)
31 可倒壁
33 切欠き部
34 側壁部
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などの車両に適用される車両用荷室構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用荷室構造として図17に示すものがある。この車両用荷室構造では、車両の後部に設定された荷室40にトレイ41が格納してある。このトレイ41は、長方形状の底面部42の周部に周壁部43を立上げ、上部が開放された箱形状である。そして、このトレイ42の周壁部43の左、右両側部の外部には、車両前後方向に沿うガイド44が突出形成してある。
【0003】
また、荷室40を構成するトランクルームトリム45の左右のサイドトリム部45B、45Cには、それぞれにガイドレール46が水平状態で且つ車両前後方向に沿って平行に設けてあり、また、フロントトリム部45Aの中央部にはトランクスルー開口47が形成してある。
【0004】
トレイ41は、その左右のガイド44を、ガイドレール46に挿入することで荷室40内に格納してある。
【0005】
そして、トレイ41内に荷物、洗車道具等(図示せず)を入れると共に、トランクスルー開口47を通して、室内側からトレイ41内の荷物等を出し入れするようにしてある(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−260756号公報(段落0015及至0043,図5)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の車両用荷室構造にあっては、トレイ41が底面部42の周部に周壁部43を立上げた、上部が開放された箱形状であるために、トランクスルー開口47側に周壁部43が位置することになり、トランクスルー開口47を通して、室内側からトレイ41内の荷物等を出し入れする場合、周壁部43が邪魔になって、室内側からの物の出入れが困難になるという問題点があった。
【0008】
本発明は、上記の問題点に着目して成されたものであって、その目的とするところは、トランクスルー開口を通して、室内側からトレイ内の荷物等を出し入れすることが容易になり、本来デッドスペースであった荷室奥の上部を活用できるようにした車両用荷室構造を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る車両用荷室構造は、車両の荷室内にトレイを車両前後方向に移動可能に格納した車両用荷室構造であって、トレイは、少なくとも底面部と、この底面部の、車両前後方向に対応する前、後部に設けた前、後壁部とを有しており、前、後壁部の少なくとも一つが底面部に対して可倒する可倒壁で構成してあるものである。
【0010】
かかる構成により、荷室に、可倒壁を倒した状態で、この可倒壁側を車両前後方向に対して前方に向けてトレイを格納した状態では、たとえばトランクスルー開口に障害となる壁部が無くなる等のために、室内側からトレイ内の荷物等が容易に出し入れできるようになるし、また、たとえばトランクスルー開口に一部を通して長尺状の荷物を荷室に入れることができる。このように、本来デッドスペースであった荷室奥の上部が活用できるようになる。
【0011】
また、トレイに仕切り壁が必要な場合には、荷室に、可倒壁側を車両前後方向に対して後方に向けてトレイを格納し、可倒壁を起立させ、トレイに仕切り壁を作るようにする。このために、仕切り壁によりトレイ外への荷物等の落下を防ぐことができる。
【0012】
また、本発明に係る車両用荷室構造は、上記した本発明に係る車両用荷室構造において、トレイは、前、後壁部の一つが可倒壁で構成してあり、他の一つが固定壁部で構成してあって、この固定壁部に切欠き部を設けたものである。
【0013】
かかる構成により、荷室に、可倒壁側を車両前後方向に対して後方に向けてトレイを格納した場合に、切欠き部がたとえばトランクスルー開口に重なるようになり、また、可倒壁を起立させ、トレイに仕切り壁を作るようにすることができる。
【0014】
このために、トランクスルー開口を通して、室内側からトレイ内の荷物等が容易に出し入れできるようになるし、トランクスルー開口に一部を通して長尺状の荷物を荷室に入れることができるばかりか、仕切り壁によりトレイ外への荷物等の落下を防止することができる。
【0015】
また、本発明に係る車両用荷室構造は、上記した本発明に係る車両用荷室構造において、トレイは、前、後側壁部の双方が可倒壁で構成してあるものである。
【0016】
かかる構成により、たとえばトランクスルー開口側に位置する可倒壁を倒した状態にすることにより、トランクスルー開口に障害となる壁部が無くなるために、トランクスルー開口を通して、室内側からトレイ内の荷物等が容易に出し入れできるようになるし、また、可倒壁を起立させてトレイの前後に仕切り壁を作ることにより、トレイをボックス形状にすることができるし、仕切り壁によりトレイ外への荷物等の落下を防ぐことができる。
【0017】
また、本発明に係る車両用荷室構造は、上記した本発明に係る車両用荷室構造において、トレイは、底面部の両側に位置する側壁部を有しており、これらの側壁部に、可倒壁を起立した状態に保持する可倒壁起立保持手段を設けたものである。
【0018】
かかる構成により、可倒壁を引き起こして、この可倒壁を可倒壁起立保持手段で起立状態に保持することができる。
【0019】
また、本発明に係る車両用荷室構造は、上記した本発明に係る車両用荷室構造において、可倒壁起立保持手段は、側壁部に設けられ、且つ可倒壁の引き起こしで、この可倒壁に接触して車両前後方向に直交する方向に変位し可倒壁の通過後に弾性で元に復帰する爪部と、側壁部に設けたストッパー部とを有しており、爪部とストッパー部とで可倒壁を挟持して、可倒壁を起立した状態に保持するようにしたものである。
【0020】
かかる構成により、可倒壁を引き起こすことで、可倒壁の端部で爪部を押してこの爪部を車両前後方向に直交する方向に変位させ、可倒壁の端部の通過後に、再び、爪部を元の位置に復帰させて、爪部とストッパー部とで可倒壁を挟持して、可倒壁を起立状態に保持することができる。
【0021】
また、本発明に係る車両用荷室構造は、上記した本発明に係る車両用荷室構造において、トレイの両側部にガイドを設け、荷室に、上下複数段に亘ってトレイ格納用ガイドレールを配置し、トレイ格納用ガイドレールを用いて、前記トレイを上下複数段に選択的に格納できるように構成したものである。
【0022】
かかる構成により、上、下複数段のトレイ格納用ガイドレールのいずれかに、選択的にトレイを挿入することにより、本来デッドスペースであった荷室奥側上部を有効利用できる。
【0023】
また、上、下段のトレイ格納用ガイドレールのいずれかに、前、後側壁部の双方が可倒壁で構成してあるトレイを挿入して、トレイを荷室内に格納し、トレイ格納保持手段でトレイの格納保持を行うことができる。この状態では、トランクスルー開口側に位置する可倒壁を倒した状態にすれば、トランクスルー開口に障害となる壁部が無くなるために、トランクスルー開口を通して、室内側からトレイ内の荷物等が容易に出し入れできるようになる。また、可倒壁を起立させてトレイの後部に仕切り壁を作ることで、仕切り壁によりトレイ外への荷物等の落下を防ぐことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1は本発明に係る車両用荷室構造において、トレイを荷室に格納する直前の状態の斜視図、図2は同車両用荷室構造において、トレイを荷室に格納した状態の斜視図である。
【0026】
図1及び図2に示すように、本発明の実施の形態における車両用荷室構造では、車両後部に設定された荷室1にトレイ20が格納してある。
【0027】
荷室1は、トランクルームT内にトランクルームトリム2を設けることにより構成してあり、このトランクルームトリム2は、リヤシート3の裏側に位置するフロントトリム部2Aと、車体パネル4の左右のリヤフェンダー部(図示せず)の内側に位置する左右のサイドトリム部2B、2Cと、車体パネル4のリヤ部4Aの内側に位置するリヤトリム部(図示せず)とで構成してある。そして、フロントトリム部2Aの中央部にはトランクスルー開口5が形成してある。
【0028】
また、左右のサイドトリム部2B、2Cは、その前壁部2aに対して後壁部2bが外方に変位しており、前壁部2aと後壁部2bとの中間壁部2cは段部に成されている。
【0029】
そして、左右のサイドトリム部2B、2Cの前壁部2aの内側には、それぞれに上下にガイドレール6、7とが水平状態で且つ車両前後方向イに沿って平行に設けてあり、これらのガイドレール6、7は、荷室1の中心側に開口する断面コ字形状を成しており、ガイドレール6、7のレール端末部6a、7aは中間壁部2cに達しており、これらのレール端末部6a、7aは、中間壁部2cの面部側に回り込む回り込み部6b、7bに連なっている。
【0030】
そして、左右一対のガイドレール6が上段のトレイ格納用ガイドレール6−1を構成しており、左右一対のガイドレール7が下段のトレイ格納用ガイドレール7−1を構成している。
【0031】
そして、図1及び図3に示すように、上、下段のトレイ格納用ガイドレール6−1、7−1の右側のレール端末部6a、7aには、トレイ格納保持手段であるトレイロック機構部8が設けてある。これらのトレイロック機構部8は、図4及び図5に示すように、ロック部材9を備えている。このロック部材9の先端部には爪部10が形成してあり、また、後端面部にばね受部11が形成してある。また、ロック部材9の側部には軸部12aを介してロック解除用摘み12が取付けてある。
【0032】
上、下段のトレイ格納用ガイドレール6−1、7−1のレール端末部6a、7aの底面部にはロック部材収容体13が取付けてあり、このロック部材収容体13は、レール端末部6a、7aの底面部に開口しており、ロック部材収容体13の側部には長孔部14が形成してある。また、ガイドレール6、7の回り込み部6b、7bには長孔部15が形成してある。
【0033】
そして、ロック部材収容体13には、ロック部材9と、このロック部材9をレール端末部6a、7a側に付勢するばね部材16とが収容してあり、また、ロック部材9のロック解除用摘み12は回り込み部6b、7b内に収容してある。この場合、軸部12aは長孔部14、15を貫通しており、ばね部材16のばね力でロック部材9は、レール端末部6a、7a側に付勢されていて、ロック部材9の先端の爪部10がレール端末部6a、7a内に突入している(図3参照)。
【0034】
図6乃至図8に示すように、トレイ20はトレイ本体21を備えており、このトレイ本体21は、車幅方向ロに対応する辺が長い長方形状の底面部22と、この底面部22の長手方向(車幅方向ロに対応する方向)の両側部及び底面部22の短手方向(車両前後方向イに対応する方向)の一側部にそれぞれ立上げられた壁部23とで構成してある。
【0035】
そして、壁部23の、底面部22の長手方向(車幅方向ロに対応する方向)の両端部に対応する部分が側壁部23aであり、壁部23の、底面部22の短手方向(車両前後方向イに対応する方向)の端部に対応する部分が固定壁部23bである。そして、底面部22には、後述するように、固定壁部23bに対向する可倒壁31が設けてあり、この可倒壁31と固定壁部23bとは、底面部22の、車両前後方向イに対応する前、後部に設けた前、後壁部を構成するものである。そして、底面部22の上面部には、可倒壁31側に寄せて可倒壁収容凹部24が形成してある。
【0036】
側壁部23aの外面部には車両前後方向イに対応する方向に沿うガイド26が形成してある。そして、これらのガイド26には、その車両前後方向イに対応する方向の前、後側に位置させて係合凹部27が形成してある。また、側壁部23aの開放端部にはストッパー部25が形成してある。
【0037】
また、側壁部23aの開放端部には可倒壁起立保持手段である可倒壁起立保持機構部28が設けてある。この可倒壁起立保持機構部28は、図9乃至図11に示すように、側壁部23aに側面視で横U字形状に切込み28aを入れて片持ち状のばね片部29を形成して、このばね片部29の内面部に球面形状の爪部30を形成して構成してある。
【0038】
また、図6乃至図8に示すように、側壁部23aの開放端部間には可倒壁31が設けてあり、この可倒壁31は、図9に示すように、支承軸32により側壁部23aに取付けてあり、この可倒壁31は、支承軸32を支点にして底面部22側に倒すことで、可倒壁収容凹部24に収容されるものである。この場合、この可倒壁収容凹部24の面部が底面部22と同一平面内に位置するようになる。また、図7に示すように、爪部30が可倒壁31に干渉していて、この可倒壁31が固定状態になっている。
【0039】
また、可倒壁31を、支承軸32を支点にして底面部22側から引き起こすと、図9及び図10に示すように、可倒壁31の両端部31aが爪部30を押してばね片部29を撓ませ、可倒壁31の両端部31aの通過後に、再び、ばね片部29の弾性で爪部30が元の位置に復帰し、この爪部30が可倒壁31の両端部31aに干渉して、この爪部30とストッパー部25とで可倒壁31を挟持して、可倒壁31を起立状態に保持する。
【0040】
そして、上記のように構成されたトレイ20は、図1及び図2に示すように、その左右のレール26を、上段のトレイ格納用ガイドレール6−1の一対のガイドレール6に挿入し荷室1に格納してある。この場合、トレイロック機構部8において、ロック部材9の先端の爪部10がガイド26の一方の係合凹部27に係合して、トレイ20がロックされる(図4参照)。
【0041】
また、トレイ20を荷室1より外す場合には、図4に示すようにロック解除用摘み12を指Nで矢印方向に引くことで、ロック部材9をばね部材16のばね力に抗して矢印方向に移動させて、図5に示すようにロック部材9の先端の爪部10をレール26の一方の係合凹部27から外し、トレイ20を引き出すことで行われる。
【0042】
図2に示すように、上段のトレイ格納用ガイドレール6−1に、可倒壁31側を車両前後方向イに対して前方に向けてトレイ20を挿入し、トレイロック機構部8でロックして、このトレイ20を荷室1に格納した状態では、トランクスルー開口5の下縁部5aがトレイ20の底面部22及び倒された可倒壁31の面部と略同一平面内に位置するようになる。
【0043】
したがって、トレイ20内に荷物、洗車道具等(図示せず)を入れると共に、リヤシート3を倒した状態にして、トランクスルー開口5を通して、室内F側からトレイ20内の荷物等が容易に出し入れできるようになるし、また、トランクスルー開口5に一部を通して長尺状の荷物を荷室1に入れることもできる。このように、本来デッドスペースであった荷室1奥の上部が活用できる。
【0044】
また、下段のトレイ格納用ガイドレール7−1に、可倒壁31側を車両前後方向イに対して前方に向けてトレイ20を挿入し、トレイロック機構部8でロックしてトレイ20を荷室1に格納することもできる。
【0045】
また、図12に示すように、下段のトレイ格納用ガイドレール7−1に、可倒壁31側を車両前後方向イに対して後方に向けてトレイ20を挿入し、トレイロック機構部8でロックしてトレイ20を荷室1に格納し、図13に示すように、可倒壁31を起立させてトレイ20に仕切り壁を作る。
【0046】
したがって、トレイ20内に荷物、洗車道具等(図示せず)を入れると共に、リヤシート3を倒した状態にして、トランクスルー開口5を通して、室内F側からトレイ20内の荷物等が容易に出入れできるようになるばかりか、仕切り壁によりトレイ20外への荷物、洗車道具等の落下を防止することができる。
【0047】
図12に示すように、可倒壁31を倒した状態とすれば、トランクルームTの車両前後方向イに長い荷物を収納する場合に、可倒壁31が邪魔にならない。
【0048】
また、図14にトレイの変形例を示す。このトレイ20−1は、そのトレイ本体21の固定壁23bの中央部に切欠き部33を設け、他の構成を上記したトレイ20と同様にしたものであって、このトレイ20と同じ部品及び部位については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0049】
このトレイ20−1は、図15に示すように、上段のトレイ格納用ガイドレール6−1に、可倒壁31側を車両前後方向イに対して後方に向けてトレイ20−1を挿入し、トレイロック機構部8でロックして、このトレイ20−1を荷室1に格納すると、切欠き部33がトランクスルー開口5に重なるようになる。
【0050】
したがって、トレイ20−1内に荷物、洗車道具等(図示せず)を入れると共に、リヤシート3を倒した状態にして、トランクスルー開口5を通して、室内F側からトレイ20−1内の荷物等が容易に出し入れできるようになるし、トランクスルー開口5に一部を通して長尺状の荷物を荷室1に入れることもできる。
【0051】
また、図16にトレイの他の変形例を示す。このトレイ20−2は、その底面部22の長手方向の両端部にそれぞれ側壁部34を立上げて成るトレイ本体21−1を有しており、側壁部34の外面部には車両前後方向イに対応する方向に沿うガイド34aが形成してあり、これらのガイド34aには、その前、後側に位置させて係合凹部35が形成してある。また、側壁部34の前、後端部にはストッパー部36が設けてある。
【0052】
また、側壁部34の前、後部には、上記した可倒壁起立保持機構部28と同様な可倒壁起立保持機構部28−1が設けてある。そして、相対向する側壁部34の前、後部の間には、それぞれ可倒壁31が設けてあり、これらの可倒壁31は、その長手方向の両端部31aにおいて支承軸32により側壁部34に取付けてあり、この可倒壁31は、支承軸32を支点にして底面部22側に倒すことで、底面部22上に収容してある。この場合、可倒壁起立保持機構部28の爪部30が可倒壁31に干渉していて、この可倒壁31が固定状態になっている。
【0053】
また、可倒壁31を、図16の矢印に示すように、支承軸32を支点にして底面部22側から引き起こすことで、上記したトレイ20と同様に、この爪部30とストッパー部36とで可倒壁31を挟持して、この可倒壁31を起立状態に保持し、トレイ20−2をボックス形状にすることができる。
【0054】
また、上、下段のトレイ格納用ガイドレール6−1、7−1のいずれかに、トレイ20−2を挿入して、このトレイ20−2を荷室1内に格納し、トレイロック機構部8でトレイ20−2の格納保持を行った場合、トランクスルー開口5側に位置する可倒壁31を倒した状態にすれば、トランクスルー開口5に障害となる壁部が無くなるために、トランクスルー開口5を通して、室内F側からトレイ20−2内の荷物等が容易に出し入れできるようになるし、また、トランクスルー開口5に一部を通して長尺状の荷物を荷室1に入れることができる。また、可倒壁31を起立させてトレイ20−2の後部に仕切り壁を作ることで、仕切り壁によりトレイ20−2外への荷物等の落下を防ぐことができる。
【0055】
なお、上記した本発明の実施の形態は、車両後部のトランクルームT内の荷室1を対象とした車両用荷室構造であるが、これに限定されるものでなく、荷室をラゲージルームで構成する車両にも適用でき、この場合トレイ20はトノボードに代わることになる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る車両用荷室構造によれば、荷室に、可倒壁を倒した状態で、この可倒壁側を車両前後方向に対して前方に向けてトレイを格納した状態では、たとえばトランクスルー開口に障害となる壁部が無くなるために、トランクスルー開口を通して、室内側からトレイ内の荷物等が容易に出し入れできるようになるし、また、トランクスルー開口に一部を通して長尺状の荷物を荷室に入れることができる。このように、本来デッドスペースであった荷室奥の上部が活用できるようになる。
【0057】
また、トレイに仕切り壁が必要な場合には、荷室に、可倒壁側を車両前後方向に対して後方に向けてトレイを格納し、可倒壁を起立させ、トレイに仕切り壁を作るようにする。このために、仕切り壁によりトレイ外への荷物等の落下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用荷室構造において、トレイを荷室に格納する直前の状態の斜視図である。
【図2】同車両用荷室構造において、トレイを荷室に格納した状態の斜視図である。
【図3】図1のA部の拡大図である。
【図4】図3のB−B線に沿う断面であって、トレイ格納保持手段における格納保持状態の断面図である。
【図5】同トレイ格納保持手段における格納保持を解除した状態の断面図である。
【図6】トレイを、その固定壁側から見た斜視図である。
【図7】トレイを、その可倒壁側から見た斜視図である。
【図8】可倒壁を立ち起こした状態にして、この可倒壁側から見たトレイの斜視図である。
【図9】図8のC−C線に沿う断面図である。
【図10】図9のD−D線に沿う断面図である。
【図11】図10のE−E線に沿う断面図である。
【図12】本発明に係る車両用荷室構造において、トレイを荷室の下段のトレイ格納用ガイドレールに挿入して格納した状態の斜視図である。
【図13】同車両用荷室構造において、トレイを荷室の下段のトレイ格納用ガイドレールに挿入して格納した後、可倒壁を起立させた状態の斜視図である。
【図14】トレイの第1の変形例であって、このトレイを、その可倒壁側から見た斜視図である。
【図15】第1の変形例のトレイを、荷室の上段のトレイ格納用ガイドレールに挿入して格納した状態の斜視図である。
【図16】トレイの第2の変形例であって、このトレイの斜視図である。
【図17】従来の車両用荷室構造において、トレイを荷室に格納した状態の斜視図である。
【符号の説明】
1 荷室
5 トランクスルー開口
6 ガイドレール
7 ガイドレール
10 爪部
20 トレイ
22 底面部
23 壁部
23a 側壁部
23b 固定壁部
24 可倒壁収容凹部
25 ストッパー部
26 ガイド
28 可倒壁起立保持機構部(可倒壁起立保持手段)
28−1 可倒壁起立保持機構部(可倒壁起立保持手段)
31 可倒壁
33 切欠き部
34 側壁部
Claims (6)
- 車両の荷室内にトレイを車両前後方向に移動可能に格納した車両用荷室構造であって、
前記トレイは、少なくとも底面部と、この底面部の、前記車両前後方向に対応する前、後部に設けた前、後壁部とを有しており、前記前、後壁部の少なくとも一つが前記底面部に対して可倒する可倒壁で構成してあることを特徴とする車両用荷室構造。 - 前記トレイは、前記前、後壁部の一つが前記可倒壁で構成してあり、他の一つが固定壁部で構成してあって、この固定壁部に切欠き部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両用荷室構造。
- 前記トレイは、前記前、後側壁部の双方が前記可倒壁で構成してあることを特徴とする請求項1に記載の車両用荷室構造。
- 前記トレイは、前記底面部の両側に位置する側壁部を有しており、これらの側壁部に、前記可倒壁を起立した状態に保持する可倒壁起立保持手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の車両用荷室構造。
- 前記可倒壁起立保持手段は、前記側壁部に設けられ、且つ前記可倒壁の引き起こしで、この可倒壁に接触して前記車両前後方向に直交する方向に変位し前記可倒壁の通過後に弾性で元に復帰する爪部と、前記側壁部に設けたストッパー部とを有しており、前記爪部と前記ストッパー部とで前記可倒壁を挟持して、前記可倒壁を起立した状態に保持するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の車両用荷室構造。
- 前記トレイの両側部にガイドを設け、
前記荷室に、上下複数段に亘ってトレイ格納用ガイドレールを配置し、トレイ格納用ガイドレールを用いて、前記トレイを選択的に格納できるように構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかの一に記載の車両用荷室構造。
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