JP2004346517A - 路面清掃車の騒音低減構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブロア6を駆動する作業用エンジン5をシャーシ2上のエンジンルーム25に収容する。ブロア6は、連通した箱状の騒音低減装置23を介して排風部21から空気流を外気に排出するようになっている。エンジンルーム25は、支柱32や左右部材等を枠組みしてこれに左右側カバー27,28と前カバー26と後カバーとしてホッパ前側部分前壁31と上カバーとして前記騒音低減装置23を取付けて構成してある。上カバーとして騒音低減装置23を兼用したので材料使用量が減り、構成簡易で安価にできる。また、騒音低減措置23が上方全体を覆うことになり、上方騒音を低減させ効果がある。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、シャーシ上のエンジンルームに作業用エンジンを収容した路面清掃車の騒音低減構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から還流式空気流清掃車では、シャーシ上に形成したエンジンルームに作業用エンジンを収容し、作業用エンジンの駆動時に発生する騒音をエンジンルームから車外へ漏れるのを防止することで騒音を低減している。特許文献1に記載のものは、ブロア排風部に連通する箱状の騒音低減装置を空気流清掃車の上面に別途取付けたものである。特許文献2に開示のものでは、車体上に設けられたエンジンとブロアとを車体とカバーとで密閉被覆し、カバーの上面にブロアの排気ダクトの開口を設けてあり、その開口に対向して邪魔板と周枠とから成る騒音低減構造をカバー上面外部に設けて清掃車の外部周囲への騒音伝播の低減を図っている。また、特許文献3に開示のものでは、特許文献3の図2のように、作業用エンジンを兼ねる走行用エンジンが運転席側に配置されており、また、ブロアとブロア用の消音器(騒音低減装置)とを車体内側に設けた構成となっている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−212924号公報
【特許文献2】
実公昭51−38221号公報
【特許文献3】
特公平6−59921号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の技術に記載のように、特許文献1では、清掃車の上面に箱状の騒音低減装置を別途設けたものであり、騒音低減装置がエンジンルームの天井を兼用しているものではない。また、特許文献2では、騒音低減構造をカバー外部上面に設けており、これも騒音低減装置がエンジンルームの天井を兼ねるものではない。また、特許文献3では、消音器が車体内側に設けてあり、消音器がエンジンルームの天井を兼ねるものではない。このように特許文献1〜3では、騒音低減装置がエンジンルームの天井とは別に設けられているので、材料使用量が多く、構成が複雑で製造コストが高い問題がある。
本願の課題は、構成が簡易で安価に製造できる路面清掃車の騒音低減構造を提供することである。また、他の課題として、エンジンルーム内に配置されたエンジンから発せられる騒音を一層低減できる路面清掃車の騒音低減構造を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題解決のため本願発明では、ホッパ内に空気流を作用させるブロアを有し、作業用エンジンにより駆動される前記ブロアの排風部に箱状の騒音低減装置を連通し、該騒音低減装置を介してブロア排風部からの空気流を外気に排出するようになっている路面清掃車において、作業用エンジンをシャーシ上に形成したエンジンルームに収容し、前記騒音低減装置がエンジンルームの天井を兼用するように取り付けてあることを特徴とする(請求項1)。これによれば、エンジンルームの天井と別に騒音低減装置を設ける場合に比較して、材料使用量が少なく、構成が簡易で安価に製造できる。
【0006】
前記騒音低減装置の幅が、エンジンルームの左右を規定する左右部材に跨る幅となっていることを特徴とする(請求項2)。これによれば、エンジンルーム全幅に亘って騒音低減装置がエンジンルーム上方を覆うこととなるので、エンジンの駆動による車両上部からの騒音をカバーのみで覆うものに比べて更に低減させる効果がある。
【0007】
前記運転席と前記エンジンルームとの間に燃料タンク室を配置したことを特徴とする(請求項3)。これによれば、運転席後方とエンジンルーム前方の間に配置された燃料タンク室によってエンジンルームから漏れる騒音が運転席へ伝播されるのが妨げられて低減するので、運転席内の作業者の作業環境が向上する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本願発明の実施の形態について図1〜図4に基づいて説明する。路面清掃車1は、シャーシ2上に前側から運転席3と燃料タンク室4と作業用エンジン5とブロア6とホッパ7とが配設されている。燃料タンク室4には、作業用エンジン5、走行用エンジンの燃料となるCNG(圧縮天然ガス)のボンベが収容されている。また、シャーシ2の下には、前後の車輪8,9の間に車幅方向に伸びるピックアップヘッド10と、左右の側ブラシ(ガッタブルーム)11とが配置されている。ピックアップヘッド10の車両幅方向一方側には、一端がブロア6の空気吹き出し側に接続され空気流を供給する圧送ダクト12の他端が接続されている。また、ピックアップヘッド10には、圧送ダクト12に近接して、吸引ダクト13の一端が接続されている。吸引ダクト13の他端はホッパ7に接続されており、ホッパ7はダストセパレータ(粉塵分離装置)14を介してブロア6に連通している。
【0009】
ダストセパレータ14は、シャーシ2上の車幅方向左右に立設された左右支持枠37a,37b上に設けられており、ダストセパレータ14の一端がブロア6の吸い込み側に接続され、ブロア6と一体にシャーシ2に固着されている。ブロア6は、シャーシ2上の左側に設置されており、ブロア6のインペラの回転軸に取付けたVプーリ17と作業用エンジン5の出力軸に取付けたVプーリ19とにベルト20が巻回されており、作業用エンジン5の駆動によりインペラを高速で回転して循環空気流を発生し、ブロア6の吹き出し側から空気を圧送ダクト12を介してピックアップヘッド10に流入し、路面上の塵埃と共に吸引ダクト13を介して負圧とされたホッパ7に流れ、ホッパ7からダストセパレータ14によって濾過された空気がブロア6の吸い込み側に流れて循環させる。また、ブロア6は、その排風部21を排風管22を介して騒音低減装置23に連通してあり、騒音低減装置23を介して前記循環空気流の一部を排風部21から外気に排出させ、循環空気流量の調整を行うようになっている。前記、Vプーリ17,19やベルト20の周囲は駆動伝達部カバー16に覆われている。
【0010】
騒音低減装置23は、周知のようにブロア駆動時に生じる循環空気流の排気による騒音を減音するものであり、箱状に形成され、車幅方向左側の後面に前記排風管22が接続し、内部で騒音を減音し、車幅方向右側の開口部24から循環空気流の一部を外気に排出する。ホッパ7は、図2に示すように、車両全幅と略同じ幅の後側部分に対して前側部分の幅が狭くなってブロア6と後述の右側カバー28との間に入り込んでダストセパレータ14の上方まで伸びており、ホッパ7の前側部分の開口がダストセパレータ14の開口に接続する。ホッパ7は、図示しないダンプ機構によって図1に示す非傾動状態と図示しない後方へのダンプ(傾動)状態とをとるようになっている。
【0011】
前記作業用エンジン5は、シャーシ2上に形成されたエンジンルーム25に収容されている。エンジンルーム25は、前カバー26と左右側カバー27,28と上カバーと後カバーとで囲まれて構成されている。上カバーは、箱状の騒音低減装置23が兼ねており、騒音低減装置23がエンジンルーム25の天井となっている。後カバーは、ブロア6と一体のダストセパレータ外周面30と非傾動状態のホッパ7の前側部分前壁31とが兼ねている。
【0012】
作業用エンジン5の前側でシャーシ2には左右の前支柱32、32が立設され、図4に示すように、左右前支柱32,32の上下方向中間には中間横枠33を、左右前支柱32,32の上端には上横枠34を横架、枠組みしてある。上横枠34の車幅方向長さは車幅全長より幾分か短く、上横枠34の車幅方向両端部分には、夫々車両後方に伸びる左右部材35,36の前端が固着されており、この左右部材35,36がエンジンルーム25の車幅方向左右の幅を規定している。左右部材35,36はブロア6より後方に伸びており、右部材36の後端部分はシャーシ2上に立設された右支持枠37bに後支柱29を介して接続されており、左部材35の後端部分はブロア6の後部外壁部38にブラケット15を介して接続されいる。左右部材35,36の中間には騒音低減装置23に連なる上面カバー部材39が横架、組み付けしてある。上面カバー部材39は、図4に示すように、ブロア6の上方部分が排風管22の形状に対応した排風管通過部40に形成され、排風管22が配置される。これら支柱32,32,と左右支持枠37a,37bと横枠33,34と左右部材35,36とブロア6とでエンジンルーム枠体41が枠組みされている。
【0013】
左右の前支柱32,32と横枠33,34との前面には、前記前側カバー26が取付られている。左右部材35,36には夫々左右側カバー27,28が取付けられている。左右側カバー27,28は、側板42の前後と上部が車両内側に向けて屈曲されて前後板43,44と上板45が形成されている。左右側カバー27,28は、前支柱32,32からブロア6の後端を越えて略ホッパ6の後側部分前壁46までを覆う。また、左右側カバー27,28は側板42と前後板43,44と上板45とにより車両幅方向左右端から左右部材35,36より車幅方向外側の空間を覆っている。上板45の車両内側端は下方に向けて屈曲し、その下端が車両内側に折り曲げられて左右部材35,36に取付けられる。左右部材35,36間及び、上横枠34と上面カバー部材39間には、騒音低減装置23が跨っており、前記のように上カバーとして作業用エンジン5の上方を覆う。このため、エンジンルーム25の上カバーを騒音低減装置23とは別に設ける場合に比べ、材料使用量が少なく、構成が簡易になる。この騒音低減装置23は、車幅方向が左右部材35,36に跨る幅となっており、車両全長方向が上横枠34と上面カバー部材39に跨る幅となっているので、作業用エンジン5の上方の略全体を覆うことになり、薄いプレートのみで覆う場合に比較して、上方から伝播する騒音の減音効果が高くなる。このエンジンルーム25と運転席3の間には、前記燃料タンク室4が配置されている。燃料タンク室4は箱状に形成されており、その幅は車両全幅と同程度であり、高さは運転席3と騒音低減装置23の上面より高くなっている。
【0014】
上記路面清掃車1において、路面清掃時には、作業用エンジン5の駆動により側ブラシ11やブロア6が駆動され、循環空気流によって路面上の塵埃がピックアップヘッド10からホッパ7に回収される。このとき作業用エンジン5の駆動で発生する騒音は、エンジンルーム25を構成する前カバー26、左右側カバー27,28、後カバー、騒音低減装置23により低減される。また、上カバーとして騒音低減装置23を設けて作業用エンジン5上方全体を覆うようにしたので、作業用エンジン5から発せられる上部騒音を低減する効果が高い。更に、エンジンルーム25と運転席3間に配置された燃料タンク室4により車両前方への騒音の伝播が妨げられる。これによって、運転席3への騒音が低減され、作業者の作業環境が改善される。
【0015】
【発明の効果】
以上のように本願発明によれば、作業用エンジンをシャーシ上に形成したエンジンルームに収容し、騒音低減装置をエンジンルームの天井を兼用するように取付けたので、エンジンルームの天井と別に騒音低減装置を設ける場合に比較して、材料使用量が少なく、構成が簡易で安価に製造できる。また、騒音低減装置の幅が、エンジンルームの左右を規定する左右部材に跨る幅となっているので、作業用エンジンから発せられる上部騒音を低減させる効果が高い。また、運転席とエンジンルームとの間に燃料タンク室を配置したので、エンジンルームから前方への騒音が燃料タンク室によって妨げられ、運転席へ伝播する騒音が低減され、作業環境が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の騒音低減構造を備えた路面清掃車の概略を示す側面図である。
【図2】本発明の騒音低減構造を備えた路面清掃車の概略を示す平面図である。
【図3】本発明の騒音低減構造を備えた路面清掃車のホッパを除いた概略を示す背面図である。
【図4】エンジンルーム枠体の概要を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 路面清掃車
2 シャーシ
3 運転席
4 燃料タンク室
5 作業用エンジン
6 ブロア
7 ホッパ
21 排風部
23 騒音低減装置
25 エンジンルーム
35 左部材
36 右部材
Claims (3)
- ホッパ内に空気流を作用させるブロアを有し、作業用エンジンにより駆動される前記ブロアの排風部に箱状の騒音低減装置を連通し、該騒音低減装置を介してブロア排風部からの空気流を外気に排出するようになっている路面清掃車において、作業用エンジンをシャーシ上に形成したエンジンルームに収容し、前記騒音低減装置がエンジンルームの天井を兼用するように取り付けてあることを特徴とする路面清掃車の騒音低減構造。
- 騒音低減装置の幅が、エンジンルームの左右を規定する左右部材に跨る幅となっていることを特徴とする請求項1記載の路面清掃車の騒音低減構造。
- 運転席と前記エンジンルームとの間に燃料タンク室を配置したことを特徴とする請求項1または2記載の路面清掃車の騒音低減構造。
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