JP2004345332A - インクジェット記録材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶融押出し加工が可能で短時間の耐水性を有する一方で、最終的に水中でパルプ繊維と容易に分離出来、且つ自然環境で容易に分解されるインクジェット記録材料を提供すること。
【解決手段】樹脂被覆紙上にインク受容層を設けたインクジェット記録材料に於いて、該樹脂被覆紙の少なくとも一方の樹脂層に内部可塑化ポリビニルアルコールを含有せしめる。
【選択図】 なし
【解決手段】樹脂被覆紙上にインク受容層を設けたインクジェット記録材料に於いて、該樹脂被覆紙の少なくとも一方の樹脂層に内部可塑化ポリビニルアルコールを含有せしめる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録材料に関しており、詳しくは地球環境の保全に関する配慮が強化されたインクジェット記録材料に関している。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録は、騒音がなく、高速印字が可能であり、端末プリンターなどに採用され近年急速に普及している。また、複数個のインクノズルを使用することにより、多色記録を行うことも容易であり、各種のインクジェット記録方式による多色インクジェット記録が行われている。特にコンピューターにより作成した文字や各種図形及び写真等の画像情報のハードコピー作成装置として、複雑な画像を迅速で正確に形成する事ができるインクジェットプリンターの利用が注目されている。更に、これらコンピューターで作成した画像情報をインクジェットプリンターにより透明な記録材料に記録し、これをOHP(オーバーヘッドプロジェクター)等の原稿としても利用されている。また、続いて発展したインクジェットプリンターの利用分野としては、写真に近い画質が要求される印刷分野におけるカラー版下の用途やデザイン部門でのデザインイメージのアウトプットと大型のインクジェットプロッターを用いて簡便に作成することができる大判のポスター、ディスプレー、旗等である。さらに、近年デジタルカメラの急速な普及により、デジタル写真画像が身近になりこれらの画像を安価なインクジェットプリンターで出力する写真専用のモードやインクを具備したインクジェットプリンターも同様に急速に普及している。
【0003】
インクジェット記録方式に使用される記録材料として当初は、通常の紙やインクジェット記録用紙と称される支持体上に非晶質シリカ等の顔料をポリビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク吸収層を設けてなる記録材料が使用されてきた。
【0004】
しかし、これら従来の記録材料を高い解像性と光沢が求められる写真、版下原稿やデザイン原稿に用いた場合にはいくつかの大きな問題点があった。すなわち、発色性を高めるため多量のインクが打ち込まれ、しかも絵柄に応じて部分的にインク量が異なるため、インク由来の水分が基層の紙に浸透した時に不揃いな膨潤が生じ、乾燥した後にもボコツキが残り、写真らしさを損ねた。
【0005】
そのため、耐水性を求めて銀塩写真印画紙用の支持体として普及していたポリオレフィン樹脂被覆紙と同様の支持体を用いたインクジェット記録材料が開発され、写真様インクジェット記録用紙として普及している。
【0006】
このような写真様インクジェット記録材料を用いたプリントはそのまま保存される場合は良いが、その一部は時期が来れば整理されることになる。特に近年、一般家庭にも普及して来たパーソナルコンピューター及び画像処理ソフトとの組み合わせの使い方では、自由にトリミングしたり、色調を調製したり、構図やフレ−ムを選べることから試行のプリントが増え、プリントアウト直後から不要になる場合も出てきている。
【0007】
また、このインクジェット記録材料を用いたプリントはポスター等の形で野外に展示される場合も有り、その場合は誤って直接自然環境に排出される可能性が有った。
【0008】
従来の樹脂被覆紙は耐水性であり、本来の目的のためには好都合であったが、一旦不要になると樹脂と紙の分離が困難であるため、古紙回収しても再資源化出来なかったり、誤って自然環境に排出された場合は樹脂が生分解等の分解性をほとんど持たないため長期に亘って形状を保ち見苦しいものとなった。
【0009】
従って、本来の長所を維持しながら再資源化が容易で且つ、生分解等の分解性をも併せ持つインクジェット記録材料の開発は社会的要請であった。
【0010】
そのような要請に応える支持体として一酸化炭素とエチレン等の共重合で光分解性を持たせたポリオレフィン誘導体や、ポリカプロラクタムや澱粉等生分解性物質を混合したポリエチレンの被覆(例えば特許文献1参照)が提案されている。
【0011】
しかしながら、この方法では自然環境下で樹脂が分解するにしても古紙回収してパルプと樹脂を分離して再資源化するには不十分であった。
【0012】
紙基体そのものを耐水化する方法として、ビニルアルコール系重合体と有機チタン化合物の混合物の塗布により耐水化(例えば特許文献2参照)する技術の提案が有るが、水性塗工のため、光沢感に問題を生じたし、光沢を確保するためにキャスト加工をすると生産性の面で不都合が生じた。
【0013】
耐水性が有り、溶融押出し加工可能なインク受容層(例えば特許文献3参照)が提案されているが、インク受容性と耐水性という相反する要請を1つの層で達成しようとするため、性能的には中途半端なものに成らざるを得なかった。
【0014】
【特許文献1】
特開平06−222500号公報(2〜3頁)
【特許文献2】
特開2001−347754号公報(2頁)
【特許文献3】
特開平09−216456号公報(実施例3)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の課題は高いインクジェット性能を維持し且つ、短時間の耐水性を有する一方で、最終的に水中でパルプ繊維と容易に分離出来、且つ自然環境で容易に分解される樹脂被覆紙を支持体とするインクジェット記録材料を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は以下の発明によって達成される。
【0017】
1.樹脂被覆紙上にインク受容層を設けたインクジェット記録材料に於いて、該樹脂被覆紙の少なくとも一方の樹脂層が内部可塑化ポリビニルアルコールを含有して成るインクジェット記録材料。
【0018】
2.インク受容層が該内部可塑化ポリビニルアルコールを含有する樹脂被覆層の面上に有り、該インク受容層が空孔容積0.5ml/g以上の無機粒子を15g/m2以上含んで成る上記1記載のインクジェット記録材料。
【0019】
3.該内部可塑化ポリビニルアルコールを含む層がインク受容層とは樹脂被覆紙の反対側の面にある上記1記載のインクジェト記録材料。
【0020】
4.該内部可塑化ポリビニルアルコー7ルを含有する層中の、該内部可塑化ポリビニルアルコールの含有量が、50質量%以上である上記1、2又は3記載のインクジェット記録材料。
【0021】
5.該内部可塑化ポリビニルアルコールがオキシアルキレン繰り返し単位を側鎖に有するポリビニルアルコールである上記1、2、3又は4記載のインクジェット記録材料。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明に於いて内部可塑化とは、高分子化合物の主鎖或いは側鎖に、何らかのグループを導入し熱可塑化を助長する事を意味している。
本発明の実施に於いて用いる内部可塑化ポリビニルアルコールは、紙上への塗工に際し、基紙のボコツキを発生させないために水を使わない塗工という意味で溶融押出し加工が可能であること、支持体からパルプ繊維を容易に回収するために水に溶解可能であること、インクジェット記録中にインクによる膨潤を避けるために短時間の耐水性を有することが求められている。
【0023】
溶融押出し加工可能であることと水可溶性であることを両立する樹脂としては、特定共重合比率のエチレン−酢酸ビニル共重合体の鹸化物や内部可塑化ポリビニルアルコール等が有るが、エチレン−酢酸ビニル共重合体系の水溶性は限定的であるので実際的ではない。
【0024】
本発明で用いる内部可塑化ポリビニルアルコールの可塑化手段はポリビニルアルコールの結晶性を阻害出来れば何でも良いが、水溶性を維持しつつ過疎化するという点でオキシアルキレン繰り返し単位を側鎖に導入する方法が最善である。
【0025】
このポリマーが水に出会うと、まず表面から膨潤が起こり始め、次いで更に水を吸収することで可塑化が起こり、最終的に水に溶解することになる。従ってこのポリマーの面上にインクジェット記録層が有る場合も、インクジェット記録に際し、このポリマー層に到達する水分が限定的な量に止まり、水による可塑化が起きなければ十分に使用可能である事が判る。
【0026】
本発明のインクジェット記録材料に於いて、内部可塑化ポリビニルアルコールを含む層は、樹脂被覆紙の両面の樹脂層の内、インク受容層と同じ側でも、反対側でも、両側でも良いが、インク受容層に隣接する樹脂層は通常のポリオレフィンの方が、インク受容層の処方として、既成の写真様インクジェット記録材料の処方をそのまま適用出来るという意味では有利である。
【0027】
本発明の実施に於いて内部可塑化ポリビニルアルコールのその層内に於ける含有量としては50質量%以上であることが、古紙回収時にパルプ離解液が浸透しやすいという点で好ましい。この内部可塑化ポリビニルアルコールを含む樹脂層は離解液に完全に溶解するとは限らないが、この層の未溶解物及び通常のポリオレフィン樹脂層の未溶解物は紙層に離解液が浸透し解れて分散すれば、スクリーン等のパルプ処理工程で一般的な異物分離手段で取り除けるので問題は無い。
【0028】
オキシアルキレン繰り返し単位を側鎖に有するポリビニルアルコールの具体例としては、クラレポバールCPシリーズ((株)クラレ製)、エコマティ(日本合成化学工業(株)製)等が有る。
【0029】
これらの樹脂の加工温度としては、樹脂の品番毎に若干の差は有るが150〜250℃、好ましくは180〜230℃、より好ましくは200〜220℃の範囲が良い。
【0030】
これらの樹脂の溶融加工被覆量としては、溶融加工精度の面から10g/m2以上、平滑性確保の意味では20g/m2以上、望ましくは25g/m2以上が良い。
【0031】
本発明の実施に於いて、これらの耐水性樹脂の紙基体への適用方法としては、溶融押し出しコーティング方式によるが、その層は単層であっても多層であっても良い。多層である場合は共押し出し方式でも逐次押し出し方式で良い。
【0032】
また、溶融押し出しコーティングの際、スリットダイとしてはT型ダイ、L型ダイ、フィッシュテイル型ダイもしくはコートハンガー型ダイ等のフラットダイが好ましくスリットの開口径は0.1mm〜2mmであることが望ましい。また、多層共押し出しダイのタイプとしては、フィードブロックタイプ、マルチマニホールドタイプ、マルチスロットタイプ等のいずれのタイプでも良い。また、溶融フィルムの温度は、樹脂の種類にもよるが、ポリエチレンの場合であれば、280〜340℃である事が好ましい。
【0033】
裏面に樹脂加工する場合は、表裏の加工が連続して行われる所謂タンデム方式が望ましい。
【0034】
本発明の実施に於いて、これらの耐水性樹脂層を設けるに先だって、紙基体の表面はコロナ放電処理、フレーム処理等の活性化処理を施しておく事が望ましい。
【0035】
これら樹脂加工するための基紙としては特に制限は無いが、写真並の画像品質を追求するためには平滑性が良いこと好ましく、そのためには繊維径が細い広葉樹パルプや繊維が柔らかいサルファイトパルプの配合比率が高いことがより好ましく、適切な濾水度に叩解したパルプスラリーから抄紙された紙匹をカレンダー処理されているものであることが好ましい。
【0036】
パルプスラリーに添加される抄紙薬品としては、各種のサイズ剤、乾燥強度剤、湿潤強度剤、填料、歩留向上剤、pH調製剤、色相調製用の染料、顔料、蛍光増白剤等随意加えることが出来るが、古紙回収の観点からはあまりに強いサイズ性や湿潤強度は望ましくない。
【0037】
オキシアルキレン繰り返し単位を側鎖に有するポリビニルアルコール層がインク吸収による可塑化を起こさないためには、その上に設けるインク受容層は十分なインク保持力、十分な空孔容積を持たなければならない。
【0038】
本発明の実施に於いてインク受容層の面積当たりの空孔容積としては、7.5ml/m2以上、好ましくは15ml/m2以上、更に好ましくは30ml/m2以上が良いが、単に面積当たりの空孔容積が大きければ良いという訳ではなく、体積当たりの空孔容積が極端に小さい場合には必要なインク受容層の厚みが大きく成りすぎ現実的でないというだけでなく、インク吸収速度が遅くなり実用上問題が有る。
【0039】
本発明に於いて上記面積当たりの空孔容積を実現するために、空孔容積0.5ml/g以上の無機粒子を15g/m2以上含むインク受容層が必要であるが、該無機粒子の空孔容積としては、好ましくは1.0ml/g以上、更に好ましくは2.0ml/g以上が良い。該インク受容層中の該空孔容積0.5ml/g以上の無機粒子の含有量としては好ましくは20g/m2以上、更に好ましくは25g/m2以上が良い。
【0040】
空孔容積0.5ml/g以上の無機粒子としては、気相法シリカ、沈降法シリカ、ゲル法シリカ等の凝集シリカ、ベーマイト、擬ベーマイト等のアルミナ水和物の凝集体等が有り、その中から所望の性能の無機粒子を選択すれば良い。
【0041】
これら無機粒子はそのままでは粗大粒子を含んでいて、インク受容層に用いた時に写真様インクジェット記録材料としては光沢不足であるばかりでなく、ザラツキを感じることが多い。
【0042】
従って粉砕、分級を単独であるいは組み合わせて用いて、最適粒子径の無機粒子として使用することが望ましい。粉砕装置としては高圧ホモジナイザー、高速アジテーターミル等が有る。粉砕効率の点で高速アジテーターミルの方が有利である。
【0043】
高速アジテーターミルはビ−ズ、ビーズを充填するベッセル、ビーズを撹拌する撹拌羽根(ディスク)及びビーズと粉砕処理後のスラリーを分離する機構を必須構成要素とする粉砕機である。
【0044】
ビーズの粒子径としては0.1〜0.65mm、好ましくは0.2〜0.4mmの範囲が粉砕効率が良く、望ましい。
【0045】
ビーズの材質としては硬度が十分高いことが求められ、代表的には純度90%以上のZrO2やAl2O3が挙げられる。その充填率は嵩高で50〜95%、好ましくは70〜90%が良い。ディスクの周速としては8〜15m/sが代表的運転条件である。
【0046】
高速アジテーターミルでは発熱が有り、そのままではスラリー温度が上昇し、剪断力低下等で粉砕効率が悪くなる。従って冷却しながら運転することになる。そのため、ベッセルは熱伝導率の良いものが望まれる。また、ベッセルは摩擦等にも耐えなければならない。そのような要求からジルコニア強化アルミナが素材として有利である。
【0047】
分級装置としては強制撹拌により遠心分離する装置が有利である。バスケットその他の撹拌子を高速で回転させることで最大1万Gを超える遠心力が得られるので分級点は100nm前後まで可能と言われている装置で、例としてはマイクロカットECA1000、ECA2000、ナノカットNCS3000(以上KRETTEK VERFAHRENSTECHNIK GMBH製)High−Gデカンタ、BDN型デカンタ(以上巴工業(株)製)等が挙げられる。
【0048】
凝集シリカの粉砕時にはカチオン性分散剤を共存させると有利である。
本発明の有利な態様で粉砕時に共存させるカチオン性分散剤はアミン、アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリン等カチオンサイトを持つポリマーであり、重合成分として少なくともカチオンサイトとビニル性不飽和結合基を有するモノマーを含むポリマーであっても良いし、ポリマーに付加反応でカチオンサイトを結合させたポリマーであっても良い。分散剤のカチオン価当たりの分子量としては50〜300程度が良い。
【0049】
上記カチオン性ポリマーの中でも、特にポリジアリルアミン誘導体の構成単位を有するカチオン性ポリマーが好ましく、下記一般式(1)、(2)、(3)又は(4)で表される構造を構成単位とするカチオンポリマーである。これらのカチオン性ポリマーは、シャロールDC902P(第一工業製薬)、ジェットフィックス30(里田化工)、PAS(日東紡績社)として市販されている。
【0050】
【化1】
【0051】
【化2】
【0052】
【化3】
【0053】
【化4】
【0054】
一般式(1)、(2)、(3)及び(4)において、R1及びR2は各々、水素原子、メチル基、エチル基等のアルキル基、またはヒドロキシエチル基等の置換アルキル基を表し、Yはラジカル重合可能なモノマー(例えば、スルホニル、アクリルアミド及びその誘導体、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等)を表す。また、n/m=9/1〜2/8、l=5〜10000である。Xはアニオンを表す。
【0055】
一般式(3)又は(4)で示されるポリジアリルアミンの誘導体の具体的な例としては、特開昭60−83882号公報記載のSO2基を繰り返し単位に含むもの、特開平1−9776号公報に記載されているアクリルアミドとの共重合体等が挙げられる。
【0056】
分散剤の添加量としては、対シリカ1〜10質量%の範囲が好ましくは2〜6質量%の範囲が良い。この範囲にすることにより、シリカの微粒子化が促進され、また、インク受容層の強度も維持出来る。
【0057】
粉砕後の無機粒子の粒子径としては0.05〜0.5μm、好ましくは0.08〜0.3μm、更に好ましくは0.1〜0.25μmの範囲がインク吸収層用塗液の物性及びインク吸収層の表面光沢を両立させる観点から望ましい。
【0058】
無機粒子のスラリーにはバインダーその他を加えてインク受容層用塗液を調製する。バインダーとしては澱粉誘導体、セルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコール又はその誘導体;ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、各種重合体ラテックス或いは各種重合体のカルボキシ基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス;或いは各種重合体にカチオン基を用いてカチオン化したもの等各種のバインダー等を挙げることができる。
【0059】
本発明のインク受容層に好ましく使用される親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したもので、皮膜形成性及び皮膜脆弱性を改良する観点から平均重合度200〜5000、好ましくは500〜4000のものが用いられる。また、カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールである。
【0060】
塗布液中におけるポリビニルアルコールの含有量は、無機粒子に対して10〜35質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。また、他の親水性バインダーも併用することができるが、ポリビニルアルコールに対して20重量%以下であることが好ましい。
【0061】
インク受容層用塗液には他にインク定着剤、バインダーの架橋剤、画像保存剤、着色剤、増粘剤、界面活性剤等適宜加えることが出来る。
【0062】
本発明において、インク受容層の塗布方法は、特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スライドリップ方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等がある。
【0063】
【実施例】
以下に、本発明の実施例をあげて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例、及び比較例において「部」及び「%」は、特に明示しない限り質量部及び質量%を示す。
【0064】
実施例1
<紙基体の調製>
広葉樹漂白クラフトパルプを水中に4重量%の濃度に調整し、パルプ繊維長0.6mm、カナディアンスタンダードフリーネス350mlになるように叩解した。叩解後、パルプ100部に対して、カチオン化澱粉3部、アニオン化ポリアクリルアミド0.2部、アルキルケテンダイマー乳化物(ケテンダイマー分として)0.1部、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン樹脂0.1部及び適当量の蛍光増白剤、青色染料、赤色染料を添加して紙料スラリーを調製した。その後、紙料スラリ−を200m/分で走行している長網抄紙機にのせ適切なタービュレンスを与えつつ紙匹を形成し、ウェットパートで15〜100Kgf/cmの範囲で線圧が調整された3段のウェットプレスを行った後、スムージングロールで処理し、引き続く乾燥パートで30〜70Kgf/cmの範囲で線圧が調整された2段の緊度プレスを行った後、乾燥した。緊度プレスの後、乾燥の途中でカルボキシ変性ポリビニルアルコール4部、蛍光増白剤0.05部、青色染料0.002部、塩化ナトリウム4部及び水92部から成るサイズプレス液を25g/m2サイズプレスし、最終的に得られる紙基体水分が8%になるように乾燥し、線圧70Kgf/cmでマシンカレンダー処理して、坪量170g/cm2の、密度が1.04g/cm3である紙基体を製造した。
【0065】
<樹脂被覆紙a、b、cの調製>
上記紙基体の裏面にコロナ放電処理後、高密度ポリエチレン(密度0.96g/m3、MFR7.0g/10分)60部と低密度ポリエチレン(密度0.918g/m3、MFR9.0g/10分)40部の混合物を32g/m2の塗布量で溶融押出し被覆し、次いで表側に低密度ポリエチレン(密度0.918g/m3、MFR9.0g/10分)を22g/m2の塗布量で溶融押出し被覆し樹脂被覆紙aとした。樹脂被覆紙の表側の樹脂をエコマティAX−400TN(日本合成化学工業(株)製オキシアルキレン変性ポリビニルアルコール、MFR9.0g/10分)に代え、裏側の樹脂の低密度ポリエチレンを上記エコマティAX−400TNに代えて、樹脂被覆紙bとした。樹脂被覆紙bの裏側の樹脂を全量上記エコマティAX−400TNに代えて樹脂被覆紙cとした。
【0066】
比較例1〜6
樹脂被覆紙aにファインシールX37B((株)トクヤマ製、空孔容積1.6ml/gの沈降法シリカ)を主成分とする塗液を無機粒子として20g/m2の塗布量で塗布し比較例1の試料とした。
【0067】
比較例1の樹脂被覆紙を樹脂被覆紙bに代え、無機粒子をDISPERAL 23N4−80(サソールジャパン(株)製、空孔容積0.4ml/gのベーマイト型アルミナ)20g/m2に代えて比較例2の試料とした。
【0068】
比較例2の無機粒子をニップジェルCY−200(日本シリカ(株)製、空孔容積1.1ml/gのゲル法シリカ)10g/m2に代えて比較例3の試料とした。
【0069】
比較例2の樹脂被覆紙を樹脂被覆紙cに代えて比較例4の試料とした。同様に比較例3の樹脂被覆紙を樹脂被覆紙cに代えて比較例5の試料とした。また、樹脂被覆紙cに何も塗らずに比較例6の試料とした。
【0070】
実施例1〜6
比較例3の無機粒子塗布量を20g/m2に代えて実施例1の試料とした。また、比較例4の無機粒子をDISPERAL HP14/2(サソールジャパン(株)製、空孔容積0.9ml/gのベーマイト型アルミナ)20g/m2に代えて実施例2の試料とした。
【0071】
実施例2の無機粒子を夫々ニップシールVN−3(日本シリカ(株)製、空孔容積1.2ml/gの沈降法シリカ)、ファインシールX37B、ニップジェルCY−200、ニップジェルAZ−201(日本シリカ(株)製、空孔容積2.0ml/gのゲル法シリカ)20g/m2に代えて夫々実施例3、4、5、6の試料とした。
【0072】
なお、比較例、実施例に用いた無機粒子の塗液は、夫々無機粒子を0.3mmのジルコニアビーズを嵩高で85%充填したダイノミルKDL−PILOT型アジテーターミル(Willy A.Bachofen AG Maschinenfabrik製)を周速14m/sの条件で運転しながら2回通し、この前処理済み無機粒子の固形分100部当たり、ポリビニルアルコール(PVA235、(株)クラレ製、ケン化度88%、平均重合度3500)15部(net量)、硼酸3部(net量)、両性界面活性剤(SWAM AM−2150、日本サ−ファクタント製)0.3部(net量)を夫々10%の溶液の形で加えて調製した。
【0073】
試料の評価
<膜面強度>試料をインクジェットプリンター(エプソン社製PM800C)を用いてC,M,Yを夫々100%で印字を行い、印字直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着して擦り、表面の変形の程度を目視で観察し、下記の基準で評価した。
◎:全く変形しない。
○:僅かに変形するが、実用上問題ない。
△:やや変形する。
×:変形が著しく、一部表層が脱落する。
【0074】
<離解容易性>
夫々の試料の古紙回収容易性を評価するため、5cm四方に裁断した試料10〜11gを1規定苛性ソーダ溶液1000mlに分散し、50℃で1時間撹拌して結果を観察した。
◎:樹脂は完全に溶解し、繊維が解れて分散している。
○:未溶解の樹脂は残るが、繊維は解れて分散している。
△:一部繊維が解れて分散するが、原型をとどめている部分が有る。
×:完全に原型をとどめている。
【0075】
<生分解性>
土中に埋没させて6ヶ月間放置し、目視により判定した。
◎:完全に分解している。
○:ある程度分解している。
△:少々分解している。
×:全く分解していない。
結果を表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
オキシアルキレン変性ポリビニルアルコールを少なくとも一方に有する試料は離解出来るが、紙の両面をポリエチレンで被覆した試料は離解出来ない。一方、オキシアルキレン変性ポリビニルアルコールの樹脂層に直接記録したり、新たにインク受容層をその上に設けても無機粒子の空孔容積が小さ過ぎたり、塗布量が少な過ぎたりすると、インクを供給して記録した時の膜面強度が弱く成ってしまう。それに対して、樹脂層の上に十分な空孔容積の無機粒子を十分な塗布量で塗布してインク受容層を形成すると全く問題無いことが判る。また、両面の被覆樹脂がポリエチレン100%の場合は生分解されないのに対し、それに代えて全量オキシアルキレン変性ポリビニルアルコールを用いた場合や一部だけポリエチレンを混合した場合はよく分解が進んでいることが判る。
【0078】
<樹脂被覆紙d、eの調製>
上記紙基体の裏面にコロナ放電処理後、エコマティAX−400TN(日本合成化学工業(株)製オキシアルキレン変性ポリビニルアルコール、MFR9.0g/10分)50部と低密度ポリエチレン(密度0.918g/m3、MFR9.0g/10分)50部の混合物及びエコマティAX−400TN(日本合成化学工業(株)製オキシアルキレン変性ポリビニルアルコール、MFR9.0g/10分)を夫々32g/m2の塗布量で溶融押出し被覆し、次いで表側に低密度ポリエチレン(密度0.918g/m3、MFR9.0g/10分)を22g/m2の塗布量で溶融押出し被覆し夫々樹脂被覆紙d、eとした。
【0079】
実施例7、8
比較例1の樹脂被覆紙を夫々樹脂被覆紙d、eに代えて実施例7及び8の試料とし、試料の評価を行った。結果を表2に示す。
【0080】
【表2】
【0081】
オキシアルキレン変性ポリビニルアルコールを裏面に有する試料は離解出来るし、生分解性も有るが、紙の両面をポリエチレンで被覆した試料は離解出来ないし、生分解性も無い。また、オキシアルキレン変性ポリビニルアルコールの配合比は多い方がより有利である。
【0082】
【発明の効果】
本発明を実施すると写真様インクジェット記録材料として最適の性能を保ったまま、生分解性も獲得出来ると同時に容易に離解出来る古紙回収に有利な材料とすることが出来る。
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録材料に関しており、詳しくは地球環境の保全に関する配慮が強化されたインクジェット記録材料に関している。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録は、騒音がなく、高速印字が可能であり、端末プリンターなどに採用され近年急速に普及している。また、複数個のインクノズルを使用することにより、多色記録を行うことも容易であり、各種のインクジェット記録方式による多色インクジェット記録が行われている。特にコンピューターにより作成した文字や各種図形及び写真等の画像情報のハードコピー作成装置として、複雑な画像を迅速で正確に形成する事ができるインクジェットプリンターの利用が注目されている。更に、これらコンピューターで作成した画像情報をインクジェットプリンターにより透明な記録材料に記録し、これをOHP(オーバーヘッドプロジェクター)等の原稿としても利用されている。また、続いて発展したインクジェットプリンターの利用分野としては、写真に近い画質が要求される印刷分野におけるカラー版下の用途やデザイン部門でのデザインイメージのアウトプットと大型のインクジェットプロッターを用いて簡便に作成することができる大判のポスター、ディスプレー、旗等である。さらに、近年デジタルカメラの急速な普及により、デジタル写真画像が身近になりこれらの画像を安価なインクジェットプリンターで出力する写真専用のモードやインクを具備したインクジェットプリンターも同様に急速に普及している。
【0003】
インクジェット記録方式に使用される記録材料として当初は、通常の紙やインクジェット記録用紙と称される支持体上に非晶質シリカ等の顔料をポリビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク吸収層を設けてなる記録材料が使用されてきた。
【0004】
しかし、これら従来の記録材料を高い解像性と光沢が求められる写真、版下原稿やデザイン原稿に用いた場合にはいくつかの大きな問題点があった。すなわち、発色性を高めるため多量のインクが打ち込まれ、しかも絵柄に応じて部分的にインク量が異なるため、インク由来の水分が基層の紙に浸透した時に不揃いな膨潤が生じ、乾燥した後にもボコツキが残り、写真らしさを損ねた。
【0005】
そのため、耐水性を求めて銀塩写真印画紙用の支持体として普及していたポリオレフィン樹脂被覆紙と同様の支持体を用いたインクジェット記録材料が開発され、写真様インクジェット記録用紙として普及している。
【0006】
このような写真様インクジェット記録材料を用いたプリントはそのまま保存される場合は良いが、その一部は時期が来れば整理されることになる。特に近年、一般家庭にも普及して来たパーソナルコンピューター及び画像処理ソフトとの組み合わせの使い方では、自由にトリミングしたり、色調を調製したり、構図やフレ−ムを選べることから試行のプリントが増え、プリントアウト直後から不要になる場合も出てきている。
【0007】
また、このインクジェット記録材料を用いたプリントはポスター等の形で野外に展示される場合も有り、その場合は誤って直接自然環境に排出される可能性が有った。
【0008】
従来の樹脂被覆紙は耐水性であり、本来の目的のためには好都合であったが、一旦不要になると樹脂と紙の分離が困難であるため、古紙回収しても再資源化出来なかったり、誤って自然環境に排出された場合は樹脂が生分解等の分解性をほとんど持たないため長期に亘って形状を保ち見苦しいものとなった。
【0009】
従って、本来の長所を維持しながら再資源化が容易で且つ、生分解等の分解性をも併せ持つインクジェット記録材料の開発は社会的要請であった。
【0010】
そのような要請に応える支持体として一酸化炭素とエチレン等の共重合で光分解性を持たせたポリオレフィン誘導体や、ポリカプロラクタムや澱粉等生分解性物質を混合したポリエチレンの被覆(例えば特許文献1参照)が提案されている。
【0011】
しかしながら、この方法では自然環境下で樹脂が分解するにしても古紙回収してパルプと樹脂を分離して再資源化するには不十分であった。
【0012】
紙基体そのものを耐水化する方法として、ビニルアルコール系重合体と有機チタン化合物の混合物の塗布により耐水化(例えば特許文献2参照)する技術の提案が有るが、水性塗工のため、光沢感に問題を生じたし、光沢を確保するためにキャスト加工をすると生産性の面で不都合が生じた。
【0013】
耐水性が有り、溶融押出し加工可能なインク受容層(例えば特許文献3参照)が提案されているが、インク受容性と耐水性という相反する要請を1つの層で達成しようとするため、性能的には中途半端なものに成らざるを得なかった。
【0014】
【特許文献1】
特開平06−222500号公報(2〜3頁)
【特許文献2】
特開2001−347754号公報(2頁)
【特許文献3】
特開平09−216456号公報(実施例3)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の課題は高いインクジェット性能を維持し且つ、短時間の耐水性を有する一方で、最終的に水中でパルプ繊維と容易に分離出来、且つ自然環境で容易に分解される樹脂被覆紙を支持体とするインクジェット記録材料を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は以下の発明によって達成される。
【0017】
1.樹脂被覆紙上にインク受容層を設けたインクジェット記録材料に於いて、該樹脂被覆紙の少なくとも一方の樹脂層が内部可塑化ポリビニルアルコールを含有して成るインクジェット記録材料。
【0018】
2.インク受容層が該内部可塑化ポリビニルアルコールを含有する樹脂被覆層の面上に有り、該インク受容層が空孔容積0.5ml/g以上の無機粒子を15g/m2以上含んで成る上記1記載のインクジェット記録材料。
【0019】
3.該内部可塑化ポリビニルアルコールを含む層がインク受容層とは樹脂被覆紙の反対側の面にある上記1記載のインクジェト記録材料。
【0020】
4.該内部可塑化ポリビニルアルコー7ルを含有する層中の、該内部可塑化ポリビニルアルコールの含有量が、50質量%以上である上記1、2又は3記載のインクジェット記録材料。
【0021】
5.該内部可塑化ポリビニルアルコールがオキシアルキレン繰り返し単位を側鎖に有するポリビニルアルコールである上記1、2、3又は4記載のインクジェット記録材料。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明に於いて内部可塑化とは、高分子化合物の主鎖或いは側鎖に、何らかのグループを導入し熱可塑化を助長する事を意味している。
本発明の実施に於いて用いる内部可塑化ポリビニルアルコールは、紙上への塗工に際し、基紙のボコツキを発生させないために水を使わない塗工という意味で溶融押出し加工が可能であること、支持体からパルプ繊維を容易に回収するために水に溶解可能であること、インクジェット記録中にインクによる膨潤を避けるために短時間の耐水性を有することが求められている。
【0023】
溶融押出し加工可能であることと水可溶性であることを両立する樹脂としては、特定共重合比率のエチレン−酢酸ビニル共重合体の鹸化物や内部可塑化ポリビニルアルコール等が有るが、エチレン−酢酸ビニル共重合体系の水溶性は限定的であるので実際的ではない。
【0024】
本発明で用いる内部可塑化ポリビニルアルコールの可塑化手段はポリビニルアルコールの結晶性を阻害出来れば何でも良いが、水溶性を維持しつつ過疎化するという点でオキシアルキレン繰り返し単位を側鎖に導入する方法が最善である。
【0025】
このポリマーが水に出会うと、まず表面から膨潤が起こり始め、次いで更に水を吸収することで可塑化が起こり、最終的に水に溶解することになる。従ってこのポリマーの面上にインクジェット記録層が有る場合も、インクジェット記録に際し、このポリマー層に到達する水分が限定的な量に止まり、水による可塑化が起きなければ十分に使用可能である事が判る。
【0026】
本発明のインクジェット記録材料に於いて、内部可塑化ポリビニルアルコールを含む層は、樹脂被覆紙の両面の樹脂層の内、インク受容層と同じ側でも、反対側でも、両側でも良いが、インク受容層に隣接する樹脂層は通常のポリオレフィンの方が、インク受容層の処方として、既成の写真様インクジェット記録材料の処方をそのまま適用出来るという意味では有利である。
【0027】
本発明の実施に於いて内部可塑化ポリビニルアルコールのその層内に於ける含有量としては50質量%以上であることが、古紙回収時にパルプ離解液が浸透しやすいという点で好ましい。この内部可塑化ポリビニルアルコールを含む樹脂層は離解液に完全に溶解するとは限らないが、この層の未溶解物及び通常のポリオレフィン樹脂層の未溶解物は紙層に離解液が浸透し解れて分散すれば、スクリーン等のパルプ処理工程で一般的な異物分離手段で取り除けるので問題は無い。
【0028】
オキシアルキレン繰り返し単位を側鎖に有するポリビニルアルコールの具体例としては、クラレポバールCPシリーズ((株)クラレ製)、エコマティ(日本合成化学工業(株)製)等が有る。
【0029】
これらの樹脂の加工温度としては、樹脂の品番毎に若干の差は有るが150〜250℃、好ましくは180〜230℃、より好ましくは200〜220℃の範囲が良い。
【0030】
これらの樹脂の溶融加工被覆量としては、溶融加工精度の面から10g/m2以上、平滑性確保の意味では20g/m2以上、望ましくは25g/m2以上が良い。
【0031】
本発明の実施に於いて、これらの耐水性樹脂の紙基体への適用方法としては、溶融押し出しコーティング方式によるが、その層は単層であっても多層であっても良い。多層である場合は共押し出し方式でも逐次押し出し方式で良い。
【0032】
また、溶融押し出しコーティングの際、スリットダイとしてはT型ダイ、L型ダイ、フィッシュテイル型ダイもしくはコートハンガー型ダイ等のフラットダイが好ましくスリットの開口径は0.1mm〜2mmであることが望ましい。また、多層共押し出しダイのタイプとしては、フィードブロックタイプ、マルチマニホールドタイプ、マルチスロットタイプ等のいずれのタイプでも良い。また、溶融フィルムの温度は、樹脂の種類にもよるが、ポリエチレンの場合であれば、280〜340℃である事が好ましい。
【0033】
裏面に樹脂加工する場合は、表裏の加工が連続して行われる所謂タンデム方式が望ましい。
【0034】
本発明の実施に於いて、これらの耐水性樹脂層を設けるに先だって、紙基体の表面はコロナ放電処理、フレーム処理等の活性化処理を施しておく事が望ましい。
【0035】
これら樹脂加工するための基紙としては特に制限は無いが、写真並の画像品質を追求するためには平滑性が良いこと好ましく、そのためには繊維径が細い広葉樹パルプや繊維が柔らかいサルファイトパルプの配合比率が高いことがより好ましく、適切な濾水度に叩解したパルプスラリーから抄紙された紙匹をカレンダー処理されているものであることが好ましい。
【0036】
パルプスラリーに添加される抄紙薬品としては、各種のサイズ剤、乾燥強度剤、湿潤強度剤、填料、歩留向上剤、pH調製剤、色相調製用の染料、顔料、蛍光増白剤等随意加えることが出来るが、古紙回収の観点からはあまりに強いサイズ性や湿潤強度は望ましくない。
【0037】
オキシアルキレン繰り返し単位を側鎖に有するポリビニルアルコール層がインク吸収による可塑化を起こさないためには、その上に設けるインク受容層は十分なインク保持力、十分な空孔容積を持たなければならない。
【0038】
本発明の実施に於いてインク受容層の面積当たりの空孔容積としては、7.5ml/m2以上、好ましくは15ml/m2以上、更に好ましくは30ml/m2以上が良いが、単に面積当たりの空孔容積が大きければ良いという訳ではなく、体積当たりの空孔容積が極端に小さい場合には必要なインク受容層の厚みが大きく成りすぎ現実的でないというだけでなく、インク吸収速度が遅くなり実用上問題が有る。
【0039】
本発明に於いて上記面積当たりの空孔容積を実現するために、空孔容積0.5ml/g以上の無機粒子を15g/m2以上含むインク受容層が必要であるが、該無機粒子の空孔容積としては、好ましくは1.0ml/g以上、更に好ましくは2.0ml/g以上が良い。該インク受容層中の該空孔容積0.5ml/g以上の無機粒子の含有量としては好ましくは20g/m2以上、更に好ましくは25g/m2以上が良い。
【0040】
空孔容積0.5ml/g以上の無機粒子としては、気相法シリカ、沈降法シリカ、ゲル法シリカ等の凝集シリカ、ベーマイト、擬ベーマイト等のアルミナ水和物の凝集体等が有り、その中から所望の性能の無機粒子を選択すれば良い。
【0041】
これら無機粒子はそのままでは粗大粒子を含んでいて、インク受容層に用いた時に写真様インクジェット記録材料としては光沢不足であるばかりでなく、ザラツキを感じることが多い。
【0042】
従って粉砕、分級を単独であるいは組み合わせて用いて、最適粒子径の無機粒子として使用することが望ましい。粉砕装置としては高圧ホモジナイザー、高速アジテーターミル等が有る。粉砕効率の点で高速アジテーターミルの方が有利である。
【0043】
高速アジテーターミルはビ−ズ、ビーズを充填するベッセル、ビーズを撹拌する撹拌羽根(ディスク)及びビーズと粉砕処理後のスラリーを分離する機構を必須構成要素とする粉砕機である。
【0044】
ビーズの粒子径としては0.1〜0.65mm、好ましくは0.2〜0.4mmの範囲が粉砕効率が良く、望ましい。
【0045】
ビーズの材質としては硬度が十分高いことが求められ、代表的には純度90%以上のZrO2やAl2O3が挙げられる。その充填率は嵩高で50〜95%、好ましくは70〜90%が良い。ディスクの周速としては8〜15m/sが代表的運転条件である。
【0046】
高速アジテーターミルでは発熱が有り、そのままではスラリー温度が上昇し、剪断力低下等で粉砕効率が悪くなる。従って冷却しながら運転することになる。そのため、ベッセルは熱伝導率の良いものが望まれる。また、ベッセルは摩擦等にも耐えなければならない。そのような要求からジルコニア強化アルミナが素材として有利である。
【0047】
分級装置としては強制撹拌により遠心分離する装置が有利である。バスケットその他の撹拌子を高速で回転させることで最大1万Gを超える遠心力が得られるので分級点は100nm前後まで可能と言われている装置で、例としてはマイクロカットECA1000、ECA2000、ナノカットNCS3000(以上KRETTEK VERFAHRENSTECHNIK GMBH製)High−Gデカンタ、BDN型デカンタ(以上巴工業(株)製)等が挙げられる。
【0048】
凝集シリカの粉砕時にはカチオン性分散剤を共存させると有利である。
本発明の有利な態様で粉砕時に共存させるカチオン性分散剤はアミン、アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリン等カチオンサイトを持つポリマーであり、重合成分として少なくともカチオンサイトとビニル性不飽和結合基を有するモノマーを含むポリマーであっても良いし、ポリマーに付加反応でカチオンサイトを結合させたポリマーであっても良い。分散剤のカチオン価当たりの分子量としては50〜300程度が良い。
【0049】
上記カチオン性ポリマーの中でも、特にポリジアリルアミン誘導体の構成単位を有するカチオン性ポリマーが好ましく、下記一般式(1)、(2)、(3)又は(4)で表される構造を構成単位とするカチオンポリマーである。これらのカチオン性ポリマーは、シャロールDC902P(第一工業製薬)、ジェットフィックス30(里田化工)、PAS(日東紡績社)として市販されている。
【0050】
【化1】
【0051】
【化2】
【0052】
【化3】
【0053】
【化4】
【0054】
一般式(1)、(2)、(3)及び(4)において、R1及びR2は各々、水素原子、メチル基、エチル基等のアルキル基、またはヒドロキシエチル基等の置換アルキル基を表し、Yはラジカル重合可能なモノマー(例えば、スルホニル、アクリルアミド及びその誘導体、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等)を表す。また、n/m=9/1〜2/8、l=5〜10000である。Xはアニオンを表す。
【0055】
一般式(3)又は(4)で示されるポリジアリルアミンの誘導体の具体的な例としては、特開昭60−83882号公報記載のSO2基を繰り返し単位に含むもの、特開平1−9776号公報に記載されているアクリルアミドとの共重合体等が挙げられる。
【0056】
分散剤の添加量としては、対シリカ1〜10質量%の範囲が好ましくは2〜6質量%の範囲が良い。この範囲にすることにより、シリカの微粒子化が促進され、また、インク受容層の強度も維持出来る。
【0057】
粉砕後の無機粒子の粒子径としては0.05〜0.5μm、好ましくは0.08〜0.3μm、更に好ましくは0.1〜0.25μmの範囲がインク吸収層用塗液の物性及びインク吸収層の表面光沢を両立させる観点から望ましい。
【0058】
無機粒子のスラリーにはバインダーその他を加えてインク受容層用塗液を調製する。バインダーとしては澱粉誘導体、セルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコール又はその誘導体;ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、各種重合体ラテックス或いは各種重合体のカルボキシ基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス;或いは各種重合体にカチオン基を用いてカチオン化したもの等各種のバインダー等を挙げることができる。
【0059】
本発明のインク受容層に好ましく使用される親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したもので、皮膜形成性及び皮膜脆弱性を改良する観点から平均重合度200〜5000、好ましくは500〜4000のものが用いられる。また、カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールである。
【0060】
塗布液中におけるポリビニルアルコールの含有量は、無機粒子に対して10〜35質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。また、他の親水性バインダーも併用することができるが、ポリビニルアルコールに対して20重量%以下であることが好ましい。
【0061】
インク受容層用塗液には他にインク定着剤、バインダーの架橋剤、画像保存剤、着色剤、増粘剤、界面活性剤等適宜加えることが出来る。
【0062】
本発明において、インク受容層の塗布方法は、特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スライドリップ方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等がある。
【0063】
【実施例】
以下に、本発明の実施例をあげて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例、及び比較例において「部」及び「%」は、特に明示しない限り質量部及び質量%を示す。
【0064】
実施例1
<紙基体の調製>
広葉樹漂白クラフトパルプを水中に4重量%の濃度に調整し、パルプ繊維長0.6mm、カナディアンスタンダードフリーネス350mlになるように叩解した。叩解後、パルプ100部に対して、カチオン化澱粉3部、アニオン化ポリアクリルアミド0.2部、アルキルケテンダイマー乳化物(ケテンダイマー分として)0.1部、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン樹脂0.1部及び適当量の蛍光増白剤、青色染料、赤色染料を添加して紙料スラリーを調製した。その後、紙料スラリ−を200m/分で走行している長網抄紙機にのせ適切なタービュレンスを与えつつ紙匹を形成し、ウェットパートで15〜100Kgf/cmの範囲で線圧が調整された3段のウェットプレスを行った後、スムージングロールで処理し、引き続く乾燥パートで30〜70Kgf/cmの範囲で線圧が調整された2段の緊度プレスを行った後、乾燥した。緊度プレスの後、乾燥の途中でカルボキシ変性ポリビニルアルコール4部、蛍光増白剤0.05部、青色染料0.002部、塩化ナトリウム4部及び水92部から成るサイズプレス液を25g/m2サイズプレスし、最終的に得られる紙基体水分が8%になるように乾燥し、線圧70Kgf/cmでマシンカレンダー処理して、坪量170g/cm2の、密度が1.04g/cm3である紙基体を製造した。
【0065】
<樹脂被覆紙a、b、cの調製>
上記紙基体の裏面にコロナ放電処理後、高密度ポリエチレン(密度0.96g/m3、MFR7.0g/10分)60部と低密度ポリエチレン(密度0.918g/m3、MFR9.0g/10分)40部の混合物を32g/m2の塗布量で溶融押出し被覆し、次いで表側に低密度ポリエチレン(密度0.918g/m3、MFR9.0g/10分)を22g/m2の塗布量で溶融押出し被覆し樹脂被覆紙aとした。樹脂被覆紙の表側の樹脂をエコマティAX−400TN(日本合成化学工業(株)製オキシアルキレン変性ポリビニルアルコール、MFR9.0g/10分)に代え、裏側の樹脂の低密度ポリエチレンを上記エコマティAX−400TNに代えて、樹脂被覆紙bとした。樹脂被覆紙bの裏側の樹脂を全量上記エコマティAX−400TNに代えて樹脂被覆紙cとした。
【0066】
比較例1〜6
樹脂被覆紙aにファインシールX37B((株)トクヤマ製、空孔容積1.6ml/gの沈降法シリカ)を主成分とする塗液を無機粒子として20g/m2の塗布量で塗布し比較例1の試料とした。
【0067】
比較例1の樹脂被覆紙を樹脂被覆紙bに代え、無機粒子をDISPERAL 23N4−80(サソールジャパン(株)製、空孔容積0.4ml/gのベーマイト型アルミナ)20g/m2に代えて比較例2の試料とした。
【0068】
比較例2の無機粒子をニップジェルCY−200(日本シリカ(株)製、空孔容積1.1ml/gのゲル法シリカ)10g/m2に代えて比較例3の試料とした。
【0069】
比較例2の樹脂被覆紙を樹脂被覆紙cに代えて比較例4の試料とした。同様に比較例3の樹脂被覆紙を樹脂被覆紙cに代えて比較例5の試料とした。また、樹脂被覆紙cに何も塗らずに比較例6の試料とした。
【0070】
実施例1〜6
比較例3の無機粒子塗布量を20g/m2に代えて実施例1の試料とした。また、比較例4の無機粒子をDISPERAL HP14/2(サソールジャパン(株)製、空孔容積0.9ml/gのベーマイト型アルミナ)20g/m2に代えて実施例2の試料とした。
【0071】
実施例2の無機粒子を夫々ニップシールVN−3(日本シリカ(株)製、空孔容積1.2ml/gの沈降法シリカ)、ファインシールX37B、ニップジェルCY−200、ニップジェルAZ−201(日本シリカ(株)製、空孔容積2.0ml/gのゲル法シリカ)20g/m2に代えて夫々実施例3、4、5、6の試料とした。
【0072】
なお、比較例、実施例に用いた無機粒子の塗液は、夫々無機粒子を0.3mmのジルコニアビーズを嵩高で85%充填したダイノミルKDL−PILOT型アジテーターミル(Willy A.Bachofen AG Maschinenfabrik製)を周速14m/sの条件で運転しながら2回通し、この前処理済み無機粒子の固形分100部当たり、ポリビニルアルコール(PVA235、(株)クラレ製、ケン化度88%、平均重合度3500)15部(net量)、硼酸3部(net量)、両性界面活性剤(SWAM AM−2150、日本サ−ファクタント製)0.3部(net量)を夫々10%の溶液の形で加えて調製した。
【0073】
試料の評価
<膜面強度>試料をインクジェットプリンター(エプソン社製PM800C)を用いてC,M,Yを夫々100%で印字を行い、印字直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着して擦り、表面の変形の程度を目視で観察し、下記の基準で評価した。
◎:全く変形しない。
○:僅かに変形するが、実用上問題ない。
△:やや変形する。
×:変形が著しく、一部表層が脱落する。
【0074】
<離解容易性>
夫々の試料の古紙回収容易性を評価するため、5cm四方に裁断した試料10〜11gを1規定苛性ソーダ溶液1000mlに分散し、50℃で1時間撹拌して結果を観察した。
◎:樹脂は完全に溶解し、繊維が解れて分散している。
○:未溶解の樹脂は残るが、繊維は解れて分散している。
△:一部繊維が解れて分散するが、原型をとどめている部分が有る。
×:完全に原型をとどめている。
【0075】
<生分解性>
土中に埋没させて6ヶ月間放置し、目視により判定した。
◎:完全に分解している。
○:ある程度分解している。
△:少々分解している。
×:全く分解していない。
結果を表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
オキシアルキレン変性ポリビニルアルコールを少なくとも一方に有する試料は離解出来るが、紙の両面をポリエチレンで被覆した試料は離解出来ない。一方、オキシアルキレン変性ポリビニルアルコールの樹脂層に直接記録したり、新たにインク受容層をその上に設けても無機粒子の空孔容積が小さ過ぎたり、塗布量が少な過ぎたりすると、インクを供給して記録した時の膜面強度が弱く成ってしまう。それに対して、樹脂層の上に十分な空孔容積の無機粒子を十分な塗布量で塗布してインク受容層を形成すると全く問題無いことが判る。また、両面の被覆樹脂がポリエチレン100%の場合は生分解されないのに対し、それに代えて全量オキシアルキレン変性ポリビニルアルコールを用いた場合や一部だけポリエチレンを混合した場合はよく分解が進んでいることが判る。
【0078】
<樹脂被覆紙d、eの調製>
上記紙基体の裏面にコロナ放電処理後、エコマティAX−400TN(日本合成化学工業(株)製オキシアルキレン変性ポリビニルアルコール、MFR9.0g/10分)50部と低密度ポリエチレン(密度0.918g/m3、MFR9.0g/10分)50部の混合物及びエコマティAX−400TN(日本合成化学工業(株)製オキシアルキレン変性ポリビニルアルコール、MFR9.0g/10分)を夫々32g/m2の塗布量で溶融押出し被覆し、次いで表側に低密度ポリエチレン(密度0.918g/m3、MFR9.0g/10分)を22g/m2の塗布量で溶融押出し被覆し夫々樹脂被覆紙d、eとした。
【0079】
実施例7、8
比較例1の樹脂被覆紙を夫々樹脂被覆紙d、eに代えて実施例7及び8の試料とし、試料の評価を行った。結果を表2に示す。
【0080】
【表2】
【0081】
オキシアルキレン変性ポリビニルアルコールを裏面に有する試料は離解出来るし、生分解性も有るが、紙の両面をポリエチレンで被覆した試料は離解出来ないし、生分解性も無い。また、オキシアルキレン変性ポリビニルアルコールの配合比は多い方がより有利である。
【0082】
【発明の効果】
本発明を実施すると写真様インクジェット記録材料として最適の性能を保ったまま、生分解性も獲得出来ると同時に容易に離解出来る古紙回収に有利な材料とすることが出来る。
Claims (5)
- 樹脂被覆紙上にインク受容層を設けたインクジェット記録材料に於いて、該樹脂被覆紙の少なくとも一方の樹脂層が内部可塑化ポリビニルアルコールを含有して成るインクジェット記録材料。
- インク受容層が該内部可塑化ポリビニルアルコールを含有する樹脂被覆層の面上に有り、該インク受容層が空孔容積0.5ml/g以上の無機粒子を15g/m2以上含んで成る請求項1記載のインクジェット記録材料。
- 該内部可塑化ポリビニルアルコールを含む層がインク受容層とは樹脂被覆紙の反対側の面にある請求項1記載のインクジェト記録材料。
- 該内部可塑化ポリビニルアルコールを含有する層中の、該内部可塑化ポリビニルアルコールの含有量が、50質量%以上である請求項1、2又は3記載のインクジェット記録材料。
- 該内部可塑化ポリビニルアルコールがオキシアルキレン繰り返し単位を側鎖に有するポリビニルアルコールである請求項1、2、3又は4記載のインクジェット記録材料。
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