JP2004344874A - 血漿もしくは血清分離膜、及び血漿もしくは血清分離膜を用いたフィルタ装置 - Google Patents

血漿もしくは血清分離膜、及び血漿もしくは血清分離膜を用いたフィルタ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 遠心分離を省略することができ、赤血球の破壊による溶血を引き起こすことなく、血液から血漿もしくは血清を容易にかつ速やかに分離することを可能とする血漿もしくは血清分離膜及び血漿もしくは血清分離膜を用いたフィルタ装置を提供する。
【解決手段】 血液から血漿もしくは血清を分離するための膜であり、空隙率が30%以下である血漿もしくは血清分離膜5、並びに血球よりも血漿を速やかに移動させるフィルタ部材4と、フィルタ部材の後段に直列に接続されている血漿もしくは血清分離膜5とを備えるフィルタ装置1。
【選択図】 図1

Description

本発明は、血球成分を含む血液から血漿もしくは血清成分を分離するために用いられる血漿もしくは血清分離膜に関し、より詳細には、赤血球の破壊を生じさせることなく、血漿もしくは血清成分を分離することを可能とする血漿もしくは血清分離膜、及びフィルタ装置に関する。
従来、血液から血球成分を除去し、臨床検査に必要な血清もしくは血漿を得るために様々な分離膜が提案されてきている。
例えば、下記の特許文献1には、直径0.05〜1μmの細孔を有し、外面開口率が40%以下であり、内面開口率が60%以上の中空繊維を用いて、血液から血漿を採取する方法が開示されている。
また、特許文献2には、平均直径0.2〜5.0μm及び密度0.1〜0.5g/cm3の繊維層により血漿もしくは血清を分離する方法が提案されている。
他方、特許文献3には、高分子極細繊維集合体または多孔質ポリマーを用いて、血球成分と血漿もしくは血清成分との移動速度差により分離を行う方法が開示されている。ここでは、繊維表面に親水性ポリマーが固定化されており、該親水性ポリマーが血漿もしくは血清分離後に膨潤し、フィルタを閉塞することによりろ過が自動停止される。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、中空繊維を用いているため、ディスポーザブル製品を構成した場合、コストが高くつき、経済的でないという問題があった。
また、特許文献2に記載の方法では、血漿もしくは血清を分離し得るものの、ろ過速度が遅かった。また、ろ過速度を高めるために圧力を加えた場合には、血球が破壊し、溶血したり、あるいは赤血球が漏れ出し分離した血漿もしくは血清に混入することがあった。また、フィブリンなどが析出した血液では、分離過程で容易に目詰まりが生じるため、さらに溶血が生じ易かった。
特許文献3に記載の方法では、ヘマトクリットや粘度などが異なる血液では、ろ過速度が変化するため、血漿もしくは血清のろ過が終了した時点で常にろ過を確実に停止させることはできなかった。
特公平2−23831号 特公平6−64054号 特開平11−285607号
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、赤血球の破壊を引き起こすことなく、血液から血漿もしくは血清成分を確実かつ速やかに分離することを可能とする血漿もしくは血清分離膜、及び該血漿もしくは血清分離膜を用いたフィルタ装置を提供することにある。
本願発明者らは、血液から血漿もしくは血清成分と血球成分とを分離するために種々検
討した結果、特定の構造の孔を有する分離膜を用いれば、溶血を引き起こすことなく血球と血漿もしくは血清成分とを分離し得ることを見出し、本発明をなすに至った。
本発明の血漿もしくは血清分離膜は、血液から血漿もしくは血清を分離するための膜であり、空隙率が30%以下とされていることを特徴とする。
本発明に係る血漿もしくは血清分離膜のさらに他の特定の局面では、膜の一方面から他方面に貫通する複数の貫通孔が設けられている。
本発明のより特定的な局面では、上記貫通孔の径は、0.05〜2.0μmの範囲とされる。
本発明に係る血漿もしくは血清分離膜のさらに別の特定の局面では、平均の表面粗さが100nm以下とされている。
本発明に係る血漿もしくは血清分離膜のさらに他の特定の局面では、該血漿もしくは血清分離膜は、血球の混入を防止する血球成分停止膜として用いられる。
また、本発明に係るフィルタ装置は、血球よりも血漿を速く移動させる第1のフィルタ部材と、該第1のフィルタ部材の後段に直列に接続された本発明の血漿もしくは血清分離膜とを備えることを特徴とする。
なお、本明細書において「直列に接続され」とは、直接に連ねられている構成に限定されず、間に他の部材が介在していてもよい。
本発明に係るフィルタ装置のある特定の局面では、上記フィルタ部材が第1のフィルタ部材であり、上記血漿もしくは血清分離膜が第2のフィルタ部材であり、第1のフィルタ部材の前段に、平均繊維径が3.0μm以上、嵩密度が0.3g/cm3以下の繊維から
なる第3のフィルタ部材が設けられている。
本発明に係るフィルタ装置のさらに他の特定の局面では、前記第1のフィルタ部材が、繊維からなり、平均繊維径が0.2〜3.0μmかつ充填密度が0.1〜0.5g/cm3である。
本発明に係るフィルタ装置の別の広い局面では、一端に開口を有する容器本体と、前記容器本体の開口に液密的に固定された筒状部材と、前記筒状部材内に配置されており、血球よりも血漿を速く移動させる第1のフィルタ部材と、前記筒状部材内において第1のフィルタ部材の後段に直列に接続されており、本発明に従って構成された血漿もしくは血清分離膜からなる第2のフィルタ部材とを備え、第1,第2のフィルタ部材がフィルタ収容部に配置されており、フィルタ収容部の前段に血液収容部が、フィルタ収容部の下流側に血漿もしくは血清収納部が構成されている。
本発明に係るフィルタ装置のさらに他の特定の局面では、前記第1のフィルタ部材の前段に設けられており、平均繊維径が3.0μm以上、嵩密度が0.3g/cm3以下の繊
維からなる第3のフィルタ部材がさらに備えられる。
本発明に係るフィルタ装置のさらに他の特定の局面では、前記血球成分よりも血漿成分を速く移動させる第1のフィルタ部材が、血液、血漿またはフィブリノーゲン溶液中のフィブリノーゲンを吸着する性質を有する。
本発明に係るフィルタ装置のさらに他の特定の局面では、前記フィルタ装置内部の少なくとも一部に抗凝固成分が収納されている。
本発明に係るフィルタ装置のさらに他の特定の局面では、内部の少なくとも一部に血液の凝固を促進させる凝固促進剤が収納されている。
本発明に係るフィルタ装置のさらに他の特定の局面では、血液収容部から第1,第2のフィルタ部材に至る部分の少なくとも一部に、浸透圧が200〜300mOsm/kgの水溶液が添加されている。好ましくは、この水溶液には、水溶液による血液希釈倍率を確認するための内標準物質が含有される。
本発明に係るフィルタ装置のさらに別の局面では、血液収容部、フィルタ収容部、血漿もしくは血清収納部の容積比が、0.5〜2:1:1〜10の範囲にある。
本発明に係る血液検査用容器のさらに他の特定の局面では、血液検査用容器内に、分離された血漿もしくは血清に添加されるイムノクロマト診断薬ストリップが収納されている。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係る血漿もしくは血清分離膜は、空隙率が30%以下、好ましくは25%以下とされる。空隙率が30%を超えると、赤血球に負荷がかかりやすくなり、溶血を引き起こしやすくなることがある。
本発明で用いられる血漿もしくは血清分離膜は、好ましくは、膜の一方の面から他方の面に貫通する複数の貫通孔を有することを特徴とする。貫通孔の開口部平面形状及び貫通孔の横断面形状は特に限定されないが、鋭い角を有する形状は好ましくない。従って、貫通孔の開口部の平面形状及び横断面形状は円または楕円などの曲線状の形状が好ましい。
また、貫通孔の延びる方向に沿う縦断面形状についても特に限定されず、該縦断面において内壁は直線状または曲線状であってもよい。さらに、貫通孔の延びる方向は膜表面に直交する方向であってもよく、あるいは該直交方向から傾いた方向であってもよい。また、貫通孔の縦断面は切断円錐台状であってもよい。
さらに、上記貫通孔の形成方法についても特に限定されず、成膜後に、イオンビーム照射などのエネルギー線の照射、あるいはアルカリ浸食などの化学処理による方法などを挙げることができる。すなわち、本発明に係る血漿もしくは血清分離膜では、成膜後に、上記のような適宜の手段により一方面から他方面に貫通している貫通孔が形成される。
上記貫通孔の径は、0.05〜2.0μmの範囲が望ましい。0.05μm未満では、血液中のタンパク質や脂質などが目詰まりしやすくなることがあり、2.0μmより大きいと、赤血球がその変形能により容易に膜を通過することがある。より好ましくは、0.1〜1.5μmである。
また、好ましくは、上記血漿もしくは血清分離膜では、表面の平均表面粗さが100nm以下とされる。100nmを超えると、赤血球に負荷がかかりやすくなり、溶血を起こしやすくなりがちとなるからである。
上記血漿もしくは血清分離膜の材質は特に限定されず、合成高分子または天然高分子のいずれからなる膜を用いてもよい。このような材料としては、例えば、セルロース混合エステル、ポリビニリデンジフルオライド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ガラス、アルミナなどを挙げることができる。
本発明において分離作業の対象となる血液は全血でもよく、希釈された血液試料であってもよい。また、血液は人の血液に限定されず、動物の血液であってもよい。さらに、血液は、新鮮血であってもよく、ヘパリン、エチレンジアミン四酢酸塩またはクエン酸などの抗凝固剤が添加された血液であってもよい。
上記血漿もしくは血清分離膜を用いて、血液から、血球成分と、血漿もしくは血清とを分離するに際しては、膜の一方面に血液が供給され、ろ過により上記分離が果たされる。ろ過に際しての血液の流れ方向とろ過の方向は任意に選択することができる。もっとも、全血から血漿もしくは血清と血球成分とを分離する場合には、血液の流れ方向とろ過方向とを異ならせることが好ましく、両方向を直交する方向とすることがより望ましい。これらの方向を異ならせることにより、分離効率が高められる。
また、血液の流れ方向とろ過方向とが同一方向の場合には、貫通孔において目詰まりを起こすことがある。もっとも、希釈された血液から血球を分離する場合には、目詰まりが生じ難いため、血液の流れ方向とろ過方向を同一とした場合でも、目詰まりを引き起こすことなく確実に分離を行うことができる。すなわち、本発明に係る血漿もしくは血清分離膜は、血球成分停止膜としても機能するものである。
上記分離作業に際しては、赤血球が目詰まりすることにより、ろ過が終了する。この場合、過大な圧力を加えると、溶血を引き起こすおそれがある。しかしながら、通常の孔を有する分離膜では、僅かな圧力を加えた場合でも溶血が生じるのに対し、本発明に係る血漿もしくは血清分離膜を用いた場合には、より大きな圧力を加えた場合であっても溶血が生じ難い。すなわち、60kPa以下の圧力を加えてろ過したとしても、溶血が生じ難い。これは、血漿もしくは血球分離膜の形状が貫通孔であるため、また、好ましくは、空隙率が30%以下であり膜表面が滑らかとなるため、赤血球に対するダメージが小さくなるからである。
60kPaよりも大きな圧力を加えた場合には、赤血球が徐々に破壊されることがある。従って、好ましくは、60kPa以下の圧力を加えることが望ましく、それによって得られた血漿もしくは血清を用いて正確な検査値を得ることができる。
本発明に係るフィルタ装置では、上記血漿もしくは血清分離膜の前段に、血球よりも血漿を速く移動させる第1のフィルタ部材が直列に接続されている。血液凝固していない血液が供給されると、まず血液が該第1のフィルタ部材を通過するが、その際に血漿が速やかに血漿もしくは血清分離膜側に向かって移動し、本発明の血漿もしくは血清分離膜において血漿が速やかに血漿もしくは血清分離膜を通過する。従って、血球と血漿とを効率良く分離することができる。このフィルタ装置においては、血漿がろ過された後、赤血球が血漿もしくは血清分離膜の貫通孔を閉鎖した時点でろ過が終了される。
上記血球よりも血漿を速く移動させる性質の第1のフィルタ部材については、特に限定されないが、例えば細い繊維径を有する合成高分子もしくはガラスからなる繊維または多孔性高分子などを用いることができる。もっとも、血液中の測定成分を吸着してしまう場合には、第1のフィルタ部材を構成する材料を表面処理しておくことが望ましい。表面処理剤としては、特に限定されないが、ポリエーテル系もしくはシリコーン系などの潤滑剤
、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドンなどの親水性高分子類もしくは天然の親水性高分子類、または高分子界面活性剤などを用いることができる。
上記第1のフィルタ部材が合成高分子またはガラスからなる繊維の場合、平均繊維径は0.2〜3.0μmの範囲が好ましい。0.2μm未満では溶血が生じやすくなり、3.0μmを超えると、血球と血漿もしくは血清とを分離するために繊維を高密度に充填する必要があり、またフィルタ部材の量が多くなるため、コストが高くなることがある。より好ましくは、繊維径は0.5〜2.5μmの範囲とされる。
また、第1のフィルタ部材は繊維径0.2〜3.0μm、充填密度0.1〜0.5g/cmの範囲内で2段以上の複数段構成とされていてもよい。その場合は、上流側より下流側の充填密度を高くするか、あるいは、上流側よりも下流側の繊維径を細くすることが好ましい。これによって、さらに血漿あるいは血清の分離効率を高めることができる。
本発明においては、好ましくは、上記血球よりも血漿を速く移動させる第1のフィルタ部材は、フィブリノーゲンを吸着する性質を有する。フィブリノーゲン吸着性のフィルタとしては、材質は特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ナイロン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体または共重合体からなる樹脂、ポリエチレンと酢酸ビニルまたは(メタ)アクリル酸(エステル)などとの共重合体からなる樹脂などを用いることができる。これらの樹脂は複数種用いられてもよい。中でも、ポリエステル系樹脂は、フィブリノーゲン吸着性能と、検査値に対する影響のバランスにおいて優れているため、好適に用いられる。
フィブリノーゲンを吸着除去することにより得られた検体は、血清と同様に扱うことができるため、各種臨床検査に対する汎用性を高くすることができる。また、放置したとしても、検体が凝固することがないため、自動分析装置に安心して適用することができる。例えば採血管内に構成されてもよく、その場合には、採血管内を減圧することにより、採血した血液をそのまま分離し、測定に必要な血漿または血清を得ることができる。
本発明に係るフィルタ装置のある特定の局面では、一端に開口を有する容器本体と、容器本体の開口に液密的に取り付けられた筒状部材とが備えられ、筒状部材内に、血球よりも血漿もしくは血清を速く移動させる第1のフィルタ部材と、フィルタ部材の下方に直列に接続された上記血漿もしくは血清分離膜からなる第2のフィルタ部材とが備えられる。このようなフィルタ装置の一例を、図1〜図3に示す。
図1に示すフィルタ装置1は、上端に開口2aを有する容器本体2と、容器本体2の開口2aに気密的に挿入された筒状部材3とを有する。容器本体2は、例えば採血管や試験管などにより構成することができ、該容器本体2を構成する材料としては、合成樹脂やガラスなどを適宜用いることができる。筒状部材3についても、合成樹脂またはプラスチックなどの適宜の材料により構成され得る。筒状部材3の下端の外周面には雄ねじが形成されており、他方、容器本体2の開口近傍内周面には、雌ねじが形成されており、上記雌ねじと雄ねじとにより筒状部材3が容器本体2に押し込まれて固定される。この雌ねじと雄ねじの螺合部分を気密シール性を有するように構成することにより、筒状部材3の外周面が容器本体2の内周面に気密的に固定される。
筒状部材3内には、上方にフィルタ部材4が収納されており、フィルタ部材4の下方に、すなわちフィルタ部材4の後段に直列に血漿もしくは血清分離膜5が配置されている。血漿もしくは血清分離膜5の外周縁は筒状部材3の内周縁に密着している。また、フィルタ部材4の上方では筒状部材3の上端開口に栓体6が取り付けられており、それによって
筒状部材3の上端開口が密栓されている。
上記容器本体2内を減圧することにより、筒状部材3内に採集された血液がろ過され、それによって本発明に従って血球成分と、血漿もしくは血清とを分離することができる。
図2に示すフィルタ装置7では、ゴム弾性を有するリング状シール部材8を用いて筒状部材9が容器本体2に気密的に固定されている。筒状部材9では、フィルタ部材4及び血漿もしくは血清分離膜5が挿入されている部分よりも下方において段差9aを介して小径部9bが連ねられている。この段差9aが容器本体2の上端2bに対向されており、段差9aと上端2bとの間にオーリングなどからなるリング状シール部材8が配置されている。他方、筒状部材9の小径部9bの径は、容器本体2の開口2aに圧入され得る大きさとされている。従って、筒状部材9を容器本体2に圧入し、段差9aと容器本体2の上端2bとの間のリング状シール部材8を圧縮するようにして、筒状部材9の外周面を容器本体2の内周面に対して気密的に固定することができる。筒状部材9の小径部9bよりも径の大きな大径部9c内には、フィルタ部材4及び血漿もしくは血清分離膜5が配置されている。また、筒状部材9の上端は栓体6により密栓されている。
図3に示すフィルタ装置10では、容器本体2内に筒状部材3が挿入されており、栓体11により容器本体2に対して気密的に固定されている。すなわ
ち、栓体11は、把持部11aと、把持部11aよりも径の小さな中間部11bと、中間部11bよりもさらに径の小さな小径部11cとを有する。栓体11は、合成ゴムや天然ゴムなどのゴム弾性を有する材料で構成されている。小径部11cは、筒状部材3の上端開口に圧入され得る径とされている。また、中間部11bは、容器本体2に圧入される径とされている。把持部11aは容器本体2の外径よりも大きな径を有するように構成されている。
従って、図3に示されているように、小径部11cを筒状部材3に圧入し、さらに中間部11bを容器本体2の開口2aから容器本体2に圧入することにより、筒状部材3が容器本体2内において固定的に配置されている。
図1〜図3に示したフィルタ装置1,7,10から明らかなように、本発明における上記フィルタ装置は、様々な構造を有するように構成され得る。なお、容器本体及び筒状部材等の形状については図示のものに限定されるものではない。
本発明に係るフィルタ装置では、好ましくは、血球成分よりも血漿もしくは血清を速く移動させる上記第1のフィルタ部材と、血漿もしくは血清分離膜からなる第2のフィルタ部材とが直列に接続されており、第1のフィルタ部材の上流側に、平均繊維径が3.0μm以上、嵩密度が0.3g/cm3以下の繊維からなる第3のフィルタ部材が設けられる
第3のフィルタ部材は、平均繊維径3.0μm以上かつ嵩密度0.3g/cm3以下の
繊維からなるフィルタである限り、特に限定されない。平均繊維径が3.0μm以上かつ嵩密度0.3g/cm3以下であればよいが、平均繊維径は20μm以下であることが望
ましい。平均繊維径が20μmを超えると、血液中に微量に析出したフィブリンなどを捕捉することができないことがある。平均繊維径が3.0μm未満では、溶血が生じ易くなる。また、嵩密度が0.3g/cm3よりも大きくなると、目詰まりを起こし易くなる。
上記第1〜第3のフィルタ部材を備える場合、第1のフィルタ部材と第2のフィルタ部材とが第2のフィルタ部材が下流側となるように直列に接続されており、第1のフィルタ部材の上流側に上記第3のフィルタ部材が設けられている。
従って、血液から、血球成分と、血漿または血清とを分離するに際しては、血液が第3のフィルタ部材上に供給される。第3のフィルタ部材に供給された血液が、第3のフィルタ部材、第1のフィルタ部材を順に通過する。この場合、粘度の高い血液やフィブリンが析出しやすい血液を供給した場合においても、第3のフィルタ部材において、フィブリン等が捕捉され、第1のフィルタ部材における目詰まりが生じ難くなる。従って、第1のフィルタ部材において、赤血球に過剰な圧力が加わり難いため、溶血の発生を抑制することができる。第1のフィルタ部材では、血球成分よりも血漿または血清が速やかに移動する。従って、血漿もしくは血清が第2のフィルタ部材を通過し、血液から分離される。また、第1のフィルタ部材を通過して来た血球は、第2のフィルタ部材において捕捉され、第2のフィルタ部材の下流には漏洩しない。
上記のように、第1,第2のフィルタ部材を直列に接続した構成において、第1のフィルタ部材の上流側に第3のフィルタ部材が配置されているため、本発明に係る血液分離フィルタでは、赤血球の破壊を抑制しつつ、血液から血漿または血清を確実に分離することができる。
本発明に係るフィルタ装置は、上記本発明の血液分離フィルタを収容してなることを特徴とし、血液分離フィルタを収容する具体的な構造については特に限定されない。
図4は、本発明の他の実施形態に係るフィルタ装置を示す略図的正面断面図である。フィルタ装置21は、注射用シリンジ22を用いて構成されている。シリンジ22内に、第1のフィルタ部材23、第2のフィルタ部材24が第2のフィルタ部材24が下流側となるように配置されている。そして、第1のフィルタ部材23上に第3のフィルタ部材25が配置されている。
図5に示すように、フィルタ装置21の使用に際しては、シリンジ22の上部から血液を供給し、シリンジのピストン26を押し込む。それによって、血液に圧力が加えられ、シリンジの先端22a側から分離された血漿または血清を採取することができる。
また、ピストン26を用いる方法に代えて、シリンジ22の先端22a側から吸引することによって血漿または血清を分離することもできる。例えば、シリンジ22の先端に注射針を取り付け、該注射針を図示しない真空採血管の栓体に刺通させることにより、シリンジの先端側から吸引し、血漿または血清を該真空採血管に採取することができる。
図6は、さらに他の実施形態のフィルタ装置を示す正面断面図である。フィルタ装置31は、ケース32,33からなるカートリッジを有する。ケース32とケース33とは、ネジ止め等により着脱自在にかつ液密的に固定されている。上記フィルタ31内に、第1〜第3のフィルタ部材23〜25が、図4に示した実施形態と同様に配置されている。フィルタ31は、血液が供給される入口ポート32aと、分離された血漿もしくは血清が排出される出口ポート33aとを有する。
使用に際しては、入口ポート32aをシリンジと接続し、シリンジに採取された血液をピストンで押圧することにより、血漿または血清を第1〜第3のフィルタ部材23〜25において血液から分離し、出口ポート33aから採取することができる。フィルタ装置31においても、出口ポートと33a側を吸引することにより、血漿または血清の分離を行ってもよい。
上記フィルタ装置31を構成しているケース32,33としては、市販のフィルタカートリッジを用いることも可能である。
また、第1,第2の実施形態では、第1,第2のフィルタ部材が直接接触するようにして、第1,第2のフィルタ部材が直列に接続されていたが、第1のフィルタ部材と第2のフィルタ部材は、上流側から下流側に向かって直列に接続される限り、直接接触される必要は必ずしもない。図7は、このように、第1,第2のフィルタ部材が隔てられて配置されている本発明のさらに他の実施形態のフィルタ装置を備えた血液検査用システムを示す略図的正面断面図である。
血液検査用システム41では、シリンジ42及びフィルタホルダー43によりフィルタ装置44が構成されている。シリンジ42内に、第1,第3のフィルタ部材23,25が、第3のフィルタ部材25が上流側となるように収納されている。そして、シリンジ42の先端42aに、フィルタホルダー43の入口ポート43aが液密的に連結されている。フィルタホルダー43内には、第2のフィルタ部材24がセットされている。フィルタホルダー43内に移動してきた血液中の血球が、第2のフィルタ部材24により捕捉される。従って、フィルタホルダー43の出口ポート43bから、分離された血漿もしくは血清が採取される。
血液検査用システム41では、フィルタホルダー43の出口ポート43bに注射針45が取り付けられている。そして、注射針45の針先が、血漿または血清収納容器46に取り付けられた栓体47を刺通している。栓体47は、弾性材料からなり、収納容器46の上端開口を気密封止するように取り付けられている。
他方、栓体47には、定圧吸引ポンプ48に接続された流路49が挿入されている。図8に示すように、血液Aがシリンジ42内に供給された後に、定圧吸引ポンプ48を駆動することにより、収納容器46内が減圧され、この減圧により血液が吸引され、第3のフィルタ部材25、第1のフィルタ部材23及び第2のフィルタ部材24を順に通過し、分離された血漿または血清が収納容器45内に採取される。
従って、収納容器46から注射針45及び流路49を取り除くことにより、収納容器46内に分離された血漿もしくは血清を得ることができる。
図9は、本発明に係る血液検査用容器の一実施形態の略図的正面断面図である。血液検査用容器51は、外管52と、外管52に挿入された筒状部材53とを有する。外管52は、有底であり、上端に開口52aを有する筒状容器により構成されている。筒状部材53は、円筒状の形状を有し、上端に開口53aを有する。また、筒状部材53の下端には、筒状部材53と着脱自在に固定された下方突出部53bが設けられている。筒状部材53内には、本発明の血液分離フィルタを構成する、第3のフィルタ部材25、第1のフィルタ部材23及び第2のフィルタ部材24が上方から下方に順に配置されている。それによって、筒状部材53内に、本発明に従って構成された血液分離フィルタが収納されている。また、第2のフィルタ部材24の下方には、濾過された血清もしくは血漿を保持する血清または血漿保持部53cが形成されている。血液検査用容器51内は減圧されており、かつ外管52及び筒状部材53の上端開口52a,53aが栓体54により気密封止されている。
従って、血液検査用容器51では、栓体54を真空採血針などで刺通することにより、血液分離フィルタの上方の血液収納部56に血液が採取される。また、真空採血針を除去した後に、栓体54に採血針を挿入したり、栓体54を貫通する孔を設けることにより、筒状部材53内と大気とを連通すれば、採取された血液の血液分離フィルタによる濾過が進行する。そして、濾過された血漿または血清が、血漿または血清保持部53cを介して、下方の血漿または血清収納部57に流下される。
なお、本発明に係る血液検査用容器は、上述した血液分離フィルタを有する限り、その具体的な構造については図9に示した構造に限定されない。すなわち、分離された血漿または血清が収納される収納容器内に、上記第1〜第3のフィルタ部材23〜25が配置されているものであってもよく、また第1〜第3のフィルタ部材が収納された容器が、分離された血漿または血清を収納する容器内に挿入されている2重構造の血液検査用容器など、様々な構造とすることができる。
図10は、本発明の一実施形態に係る血液検査用容器を示す縦断面図である。血液検査用容器61は、容器本体62と筒状部材63とを有する採血容器を用いて構成されている。容器本体62は、上端に開口部62aを有する有底管状容器で構成されている。
他方、容器本体62の上端の開口部62aの近傍においては、内周面に雌ねじ62bが形成されている。
筒状部材63は、容器本体62の開口部62aにねじ込まれて、容器本体62に気密的に固定されている。この固定を果たすために、筒状部材63の下方外周面部分には、雌ねじ62bに噛み合う雄ねじ63aが形成されている。
筒状部材63は、上端に開口63bを有する。また、筒状部材63の下方には、血漿もしくは血清流下部63cが下方に突出するように形成されている。血漿もしくは血清流下部63cは、先端が容器本体62の内壁に向かうように屈曲されている。血漿もしくは血清流下部63cの先端は、容器本体62内に配置された血液検査用試薬ストリップ64の検体供給部64a近傍に位置している。
なお、上記容器本体62及び筒状部材63を構成する材料としては、特に限定されず、合成樹脂やガラス等を用いることができる。もっとも、検査結果を目視により外部から確認することを容易とするために、少なくとも容器本体62が透明な材料で形成されていることが望ましく、血液分離過程を目視により確認するためには、筒状部材63も透明な材料で構成されていることが望ましい。
筒状部材63の開口63bを気密封止するように、栓体65が開口63bに取付けられている。
栓体65は、例えば、ゴムやエラストマーなどの弾性材料で構成されている。使用し得る弾性材料は、開口63bを気密封止し、かつ容器本体62及び筒状部材63で構成される採血容器内の減圧を維持し得る限り、適宜の弾性材料を用いることができる。
筒状部材63内には、フィルタ装置56が配置されている。フィルタ装置56は、前述した第1のフィルタ部材23及び第2のフィルタ部材24を直列に接続した構造を有する。
本実施形態では、上記容器本体62と、筒状部材63とにより採血容器が構成されている。そして、この採血容器内が減圧されている。減圧度は、栓体65を真空採血針で刺通し、内外の圧力差により血液を採取する程度の大きさとされる。具体的には、1〜90kPa程度とされる。
また、本実施形態では、容器本体62と、筒状部材63とで構成される採血容器は、内部に第1の内部空間Aと、第2の内部空間Bとを有することになる。すなわち、第1の内部空間Aと第2の内部空間Bとの境界に、上述した第1,第2のフィルタ部材23,24
からなるフィルタ66が配置されていることになる。そして、第2の空間B内には、血液検査用試薬ストリップ64が配置されている。本実施形態では、血液検査用試薬ストリップ64は、容器本体62内において上下方向に延び、かつ上端側に検体供給部64aが位置するように配置されている。
上記血液検査用試薬ストリップ64としては、血漿もしくは血清中の成分や血漿もしくは血清に含まれている物質等の検出に用いられ得る適宜の血液検査用試薬ストリップを用いることができる。
本実施形態では、上記血液検査用試薬ストリップとして、イムノクロマト診断薬ストリップが用いられている。従って、免疫クロマトグラフィーにより、血漿もしくは血清中の特定の成分が血液検査用試薬ストリップ64を用いて検出され得る。
また、本実施形態では、血液検査用試薬ストリップ64が用いられているが、血液検査用試薬ストリップ64に代えて、他の形態の血液検査用試薬が第2の空間Bに配置されていてもよい。
次に、本実施形態の血液検査用容器61を用いた血液検査方法を説明する。
血液検査に際しては、栓体65を真空採血針で刺通する。この場合、血液検査用容器61内が減圧されているため、真空採血針を通り、血液が血液検査用容器61の第1の空間Aに導かれる。そして、採血後においては、血液が第1のフィルタ部材23に供給されると、血球成分に比べて血漿もしくは血清が速やかに移動するため、血漿もしくは血清が速やかに第2のフィルタ部材24に導かれる。そして、第2のフィルタ部材24では、血漿もしくは血清は前述した貫通孔を通過し、血漿もしくは血清流下部63cを通り、血液検査用試薬ストリップ64の検体供給部64aに供給される。この血液のろ過は、第1,第2の内部空間A,B間の圧力差により速やかに行なわれる。
すなわち、第1の内部空間Aは、真空採血針により採血を行なった後、採血針などを栓体に刺通し、外部と内部空間Aとを連通させると、その減圧度が低下するので、第1の内部空間Aと第2の内部空間Bとに圧力差が生じ、該圧力差、すなわち第2の内部空間Bの残圧によってろ過が速やかに行なわれる。そして、赤血球が第2のフィルタ部材24の貫通孔を閉鎖した時点でろ過は終了する。
上記のように、本実施形態の血液検査方法では、血液検査用容器61の第1の内部空間Aに真空採血針などを用いて血液を採取した後、遠心分離等の煩雑を作業を必要とすることなく、血液から血漿もしくは血清が速やかにろ過され、かつ該血漿もしくは血清が第2の内部空間Bに配置された血液検査用試薬ストリップ64に供給される。よって、感染のおそれを引き起こすことなく、血液の採取から血液検査の終了までを自動的に、かつ安全に行なうことができる。
図11は、本発明のさらに他の実施形態に係る血液検査用容器を示す縦断面図である。図10に示した血液検査用容器61では、筒状部材63が容器本体62の上方に連結されていたが、本実施形態の血液検査用容器80では、筒状部材83が容器本体82内に挿入されている。そして、筒状部材83の開口を閉栓する栓体81が筒状部材83の開口83bを閉栓しているだけでなく、容器本体82の開口部82aをも閉栓している。
栓体81は、把持部81aと、把持部81aの下方に突出しており、把持部81aよりも径の小さな大径部81bと、大径部81bの下面から下方に突出されており、大径部81bよりも小さな径の小径部81cとを有するように構成されている。大径部81bが開
口部82aに挿入され、小径部81cが筒状部材83の開口83bに圧入されている。このようにして、筒状部材83と容器本体82とからなる採血容器内が所定の減圧度を維持し得るように気密封止されている。
その他の構成については、図10に示した実施形態の血液検査用容器61と同様であるため、同一部分については、同一の参照番号を付することにより、その詳細な説明は省略する。
第2の血液検査用容器80においても、内部が予め減圧されているため、血液検査用容器61と同様に真空採血針を栓体に刺通し、血液を採取した後、導通治具を栓体に刺通することにより自動的に血液のろ過が進行し、かつ血液検査用試薬ストリップ64に検体としての血漿もしくは血清が供給される。従って、血液検査用容器61と同様に、遠心分離装置や遠心分離作業を要することなく、安全に血液の採取から血液検査までの作業を完了することができる。
上述したように、本発明に係る血液検査用容器は、様々な形態とされ得る。この場合、血液検査用容器の、開口を有し、採取された血液が収容される部分である血液収容部と、上述した第1,第2のフィルタ部材または第1〜第3のフィルタ部材が収容されているフィルタ収容部と、フィルタ収容部の後段に配置されており、血漿もしくは血清が収容される血漿もしくは血清収容部を有する場合、好ましくは、血液収容部、フィルタ収容部及び血漿もしくは血清収納部の容積比率は、0.5〜2:1:1〜10の範囲とされる。血液収容部とフィルタ収容部の容積比が0.5:2.0:1であることが望ましいのは、血液収容部の割合が0.5未満であると、フィルタの量に対して血液量が不足し、分離後の検体の量が少なくなったり、あるいは全く得られないおそれはあることによる。また、血液収容部の容積が上記比率で2.0より大きくなると、フィルタによる血液分離能力以上の血液が供給され、被験者への負担が大きくなくおそれがあるからである。
また、本発明に係る血液検査用容器では、上述したように、血液を圧力差を利用して分離することができる。この場合、血液をフィルタに流入させて分離が行われるが、その駆動力は血液収容部と、血漿もしくは血清収容部との圧力差による。血液の分離が進行するにつれて、血漿もしくは血清収容部の内圧は上昇し、すなわちろ過の駆動力は低下する。上記圧力差は、血漿もしくは血清収容部の容積によって決定される。血漿もしくは血清収容部の容積が、上述した比率で1未満の場合には、血液分離に際しての駆動力が不足し、分離後の検体量が少なくなったり、あるいは全く得られないおそれがある。逆に、血漿もしくは血清収容部の容積比率が10より大きくなると、血液分離に際しての駆動力は十分な大きさとされるが、必要以上に寸法が大きくなり、コストが高くなったり、使用後の廃棄物量が多くなったりするため、好ましくない。
また、本発明に係る血液検査用容器では、採取された血液が供給される血液収容部から、フィルタ収容部に至る少なくとも一箇所に、浸透圧200〜350mOsm/kgの水溶液が添加されていることが望ましい。この場合は、採取された血液が、血液分離の終了までの過程において、上記水溶液と混和され、血液の血球成分濃度が小さくなる。すなわちヘマトクリット値が小さくなる。フィルタ装置を用いて血液を分離する際、ヘマトクリットが小さいほど分離効率は高くなり、分離後に得られる検体量は飛躍的に増加する。しかしながら、臨床検査では、血漿もしくは血清を希釈することにより、検査値が希釈倍率通りに変化しないことがある。従って、希釈には注意を要する。
本発明においては、採血する血液量を1とすると、上記水溶液の添加量は0.2〜5とすることが好ましい。添加する水溶液の割合が0.2未満では、得られる検体量の増加がほとんど期待できず、添加する水溶液量の割合が5より多くなると、血液が希釈されすぎ
るため、臨床検査値に異常をきたすことがあるからである。より好ましくは、採取する血液量を1とした場合、上記水溶液の添加量は0.5〜3の範囲とすることが望ましい。
また、添加する水溶液は、血液と混和される時に、血球成分、特に赤血球を破壊することがないように、血液の浸透圧と同等であることが好ましい。従って、上記水溶液の浸透圧は200〜350mOsm/kgとすることが望ましい。200mOsm/kg未満では、浸透圧により赤血球が膨張し、破壊するおそれがあり、350mOsm/kgより大きくなると、浸透圧により赤血球の内容物が溶出し、臨床検査値に異常をきたすことがある。より好ましくは、250〜300mOsm/kgである。
上記水溶液中の溶質は特に限定されないが、水溶液が強い酸性またはアルカリ性を示すもの、あるいは血液中の成分と反応するものは好ましくない。pHを安定化させるには、緩衝作用を有する無機物の組み合わせが好ましい。特に限定されるわけではないが、クエン酸−リン酸水素二ナトリウム、イミダゾール−塩酸、トリメチルピリジン−塩酸、トリエタノールアミン−塩酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸などの組み合わせを用いることができるが、pHが6〜8において緩衝作用を有するものであれば特に限定されるものではない。また、pHに影響がないような食塩などの塩類も好適に用いられる。
また、採血後の血液が上記水溶液と混和された際に、その容量比が明確となるように水溶液内に、内標準物質を添加してもよい。内標準物質は血液を分離して血漿もしくは血清が得られた際に、その希釈倍率を正確に算出する際に有用となる。これによって、臨床検査値を正確に算出することが可能となる。内標準物質としては特に限定されないが、血液中に存在しない成分であること、水溶性であること、特定の紫外可視吸収、赤外線吸収、近赤外吸収、蛍光波長などの特性を有し、一般的な測定方法で血漿もしくは血清中の濃度を測定可能であることが必要である。このような内標準物質としては、ベンゾトリアゾール系化合物、p−ジメチル安息香酸メチル、p−ジメチルアミノ安息香酸オクチルなどの安息香酸系化合物、オキソベンゾン、安息香酸、サリチル酸などの紫外可視吸収を有する物質、〔Co(H2O)62+、〔Co(NH352+、〔Fe(η−C552〕などの
水溶性金属錯体も用いることができる。またさらに、インジゴ、エオシン、β−カロチン、マラカイトグリーン、メチレンブルーなどの色素類も使用可能である。また蛍光物質としては、エリトロシン、硫酸ローダミン、ローダミンB、ピナシアノールなどを例に挙げることができる。しかし、生体内に存在せず、測定物質への共雑がなければ、いかなる物質を使用しても問題はなく、上記に記載の内標準物質に限定されるわけではない。
本発明に係るフィルタ装置においては、該フィルタ装置の少なくとも一部に好ましくは抗凝固成分が添加される。この場合、抗凝固成分は、血液の凝固を防止するために付加される。従って、好ましくは、フィルタ装置において、抗凝固成分は、フィルタ部材が収容されている部分、例えば前述したフィルタ装置の第1,第2のフィルタ部材や第1〜第3のフィルタ部材が収容されている部分、あるいは該フィルタ部材が収容されている部分よりも上流側の血液収容部に添加される。血液収容部に抗凝固成分が添加されている場合には、フィルタ装置や該フィルタ装置を有する血液検査用容器において、まず検体としての血液が収容される部分に抗凝固成分が添加されている。従って、検体としての血液の凝固を直ちに防止することができる。もっとも、血液収容部に連なっているフィルタ収容部に抗凝固成分が添加されていても同様に血液の凝固を効果的に防止することができる。さらに、フィルタ部材によるろ過が速やかに行われる場合には、抗凝固成分はフィルタ収容部よりも後段に添加されていてもよい。
上記抗凝固成分としては、実質的に血液の凝固を抑制する機能を有するものである限り特に限定されない。例えば、抗トロンビン作用を有する抗凝固成分として、ヘパリンナト
リウム、ヘパリンリチウムなどのヘパリン金属塩が挙げられる。また、脱カルシウム作用を有する抗凝固成分として、クエン酸ナトリウム、エチレンジアミン4酢酸塩、臭酸塩、フッ化ナトリウムなどを挙げることができる。
抗凝固成分の添加量はその種類によっても異なるが、ヘパリン金属塩の場合、採血量1mLにたいし0.5〜50単位を添加することが好ましい。また、クエン酸ナトリウム、エチレンジアミン4酢酸塩、臭酸塩、フッ化ナトリウムなどでは、採血量1mLに対し、0.5〜20mg程度添加することが好ましい。
また、本発明に係るフィルタ装置や血液検査用容器では、抗凝固成分とは逆に、少なくとも一部に血液の凝固を促進させる凝固促進剤を添加しておいてもよい。凝固促進剤を添加することにより、血液を凝固させることができ、血清を試料として採取することができる。凝固促進剤を添加することにより、フィルタ装置において血液から血清を分離する過程において除去しきれなかったフィブリノーゲンがフィルタを通過し、血漿もしくは血清収納部に流下することを防止することができる。従って、フィブリノーゲンが除去された血清を確実に得ることができ、検体が後で凝固するという不具合をなくすことができる。
凝固促進剤としては、特に限定されず、シリカなどの吸着性無機物、トロンビン及びヘビ毒、パパインなどのトロンビン様酵素などを挙げることができる。
なお、トロンビンなどの酵素系の凝固促進剤を添加する場合には、凝固促進剤は、フィルタの下流側において添加することが望ましい。フィルタの上流側に凝固促進剤を添加した場合、血液の凝固が急速に進行し、凝固した血液によりフィルタが閉塞し、血液の分離を停止するおそれがある。これに対して、フィルタ収容部内の下流側付近において凝固促進剤を添加した場合には、フィルタで除去しきれなかったフィブリノーゲンだけを凝固促進剤の作用により凝固させることができ、フィルタ部材内部で確実にフィブリノーゲンを除去することができる。
以下、本発明の具体的な実施例を説明することにより本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
膜厚10μmのポリカーボネート製分離膜(ミリポア社製、品番:GTTP04700、孔径0.2μmの横断面形状が円形の多数の貫通孔を有する分離膜)を用意した。上記分離膜を直径13mmに切断し、市販のフィルタカートリッジ(ミリポア社製、品名:スフィネクスフィルタホルダー S×0130000)にセットした。
(実施例2)
貫通孔の径を0.6μmに変更したことを除いては、実施例1と同様にして評価サンプルを用意した。
(実施例3)
貫通孔の径を2.0μmに変更したことを除いては、実施例1と同様にして評価サンプルを用意した。
(実施例4)
内径14.5mmの10mL用シリンジ(JMS社製、材質:ポリプロピレン)内に孔径0.2μmの多数の貫通孔を有する実施例1で用いたポリカーボネート製分離膜をセットし、さらに該分離膜上に平均繊維径1.8μmのポリエステル繊維1.0gを充填し、
4.0cm3の体積に圧縮してフィルタ部材を構成した。このようにして用意されたシリ
ンジを評価用サンプルとした。
(実施例5)
貫通孔の径を0.8μmに変更したことを除いては、実施例4と同様にして評価用サンプルを得た。
(比較例1)
孔径0.22μmの連続通気孔を多数有するポリビニリデンジフルオライド製分離膜(ミリポア社製、品名:デュラポア、膜厚125μm)を直径13mmにカットし、実施例1と同様にして、フィルタカートリッジにセットし、評価用サンプルを得た。
(比較例2)
孔径を0.65μmとした変更したことを除いては、比較例1と同様にして評価用サンプルを得た。
(比較例3)
孔径を3.0μmに変更したことを除いては、実施例1と同様にして評価用サンプルを得た。
(比較例4)
内径14.5mmの10mL用シリンジ(JMS社製、材質:ポリプロピレン)に孔径0.22μmの連続通気孔を有する比較例1で用いた分離膜をセットし、さらに平均繊維径1.8μmのポリエステル繊維1.0gを充填し、4.0cm3の体積に圧縮されたフ
ィルタ部材を分離膜上にセットし、評価用サンプルとした。
(比較例5)
比較例3で用いた孔径3.0μmの貫通孔を有する分離膜を用いたことを除いては、実施例4と同様にして評価用サンプルを得た。
〔実験例1〕
実施例1〜3及び比較例1〜3の各評価用サンプルを用いた。ヘマトクリットが10%の希釈血液100μLを用いて、下記の表1に示す圧力をかけてろ過を行った。得られた血漿の状態を、上記希釈血液を遠心分離(3000rpm×10分の遠心分離)して得られた血漿と比較し、溶血の有無を確認した。
結果を下記の表1に示す。
Figure 2004344874

〔実験例2〕
実施例4,5及び比較例4,5の評価用サンプルを用い、ヘマトクリット46.7%のヒト血液4mLを供給し、下記の表2に示す圧力でろ過を行った。このようしにて得られた血漿を、遠心分離(3000rpm×10分)により同じ血液から得られた血漿と比較し、溶血の有無を目視により確認した。結果を下記の表2に示す。
Figure 2004344874
(実施例6)
貫通孔の孔径が0.2μmであり、空隙率14%のポリカーボネート製血球成分停止膜を用意した。この血球成分停止膜はミリポア社製、品名:アイソポア GTTPであり、膜厚は10μmである。上記血球成分停止膜を直径13mmに切断し、市販のフィルタホルダー(ミリポア社製、スフィネクスフィルタホルダー、有効ろ過面積約0.7cm2
にセットしたものを評価用サンプルとした。
(実施例7)
孔径を0.8μm及び空隙率を15%に変更したことを除いては、実施例6と同様にして評価用サンプルを得た。使用した血球成分停止膜は、ミリポア社製、品名:アイソポア
ATTPである。
(実施例8)
孔径を1.2μm及び空隙率を23%に変更したことを除いては、実施例6と同様にして評価用サンプルを得た。使用した血球成分停止膜は、ミリポア社製、品名:アイソポア
RTTPである。
(実施例9)
孔径を2.0μm及び空隙率を8%に変更したことを除いては、実施例6と同様にして評価用サンプルを得た。使用した血球成分停止膜は、ミリポア社製、品名:アイソポア TTTPである。
(実施例10)
内径14.5mmの10mLシリンジに、孔径0.2μm及び空隙率14%の実施例6で用いた血球成分停止膜を14.5mm径に切断したものをセットし、さらに平均繊維径1.8μmのポリエステル製繊維1.0gを充填して4.0cm3の体積に圧縮してフィ
ルタ部材をセットしたものを評価用サンプルとした。
(実施例11)
孔径0.8μm及び空隙率16%に変更したことを除いては、実施例10と同様にして評価用サンプルを得た。
(実施例12)
孔径を2.0μm及び空隙率を8%に変更したことを除いては、実施例10と同様にして評価用サンプルを得た。
(比較例6)
複数の孔を有する膜厚125μmのポリビニリデンジフルオライド膜(ミリポア社製、品名:デュラポア GVWP、孔径が0.22μm及び空隙率70%)を血球成分停止膜を用いたことを除いては、実施例6と同様にして評価用サンプルを得た。
(比較例7)
複数の孔を有する膜厚150μmのセルロース混合エステルフィルム(ミリポア社製、品名:MF−ミリポア DAWP、孔径が0.65μm及び空隙率81%)を血球成分停止膜を用いたことを除いては、実施例6と同様にして評価用サンプルを得た。
(比較例8)
孔径を5.0μm及び空隙率を70%に変更したことを除いては、比較例6と同様にして評価用サンプルを得た。
(比較例9)
孔径を3.0μm及び空隙率を14%に変更したことを除いては、実施例6と同様にして評価用サンプルを得た。
(比較例10)
孔径0.22μm、空隙率70%及び膜厚125μmのポリビニリデンジフルオライド製血球成分停止膜、すなわち比較例6で用いた血球成分停止膜を用いたことを除いては、実施例10と同様にして評価用サンプルを得た。
(比較例11)
孔径0.65μm、空隙率81%及び膜厚150μmのセルロース混合エステル製血球成分停止膜、すなわち比較例7で用いた血球成分停止膜を用いたことを除いては、実施例10と同様にして評価用サンプルを得た。
(比較例12)
複数の孔を有する膜厚9μmのポリカーボネートフィルム(ミリポア社製、品名:アイソポア TSTP、孔径3.0μm及び空隙率14%)を血球成分停止膜として用いたことを除いては、実施例10と同様にして評価用サンプルを得た。
〔実験例3〕
健常人から採血して得た血液を遠心分離し、血漿と血球成分とに分離した。実施例6〜9及び比較例6〜8の血球成分停止膜を用い、遠心分離で得られた血漿成分200μLを加えて、下記の表3に記載の圧力でろ過を行った。ろ過が終了するまでに、遠心分離されていない新たな血液を200μL追加し、ろ過を継続した。10分後にろ過された血漿の状態を、遠心分離された血漿と比較し、溶血の有無を確認した。結果を表3に示す。
Figure 2004344874
表3から明らかなように、実施例5〜9では60kPaもしくは40kPaの圧力を加えた場合でも溶血が生じていない血漿が得られたのに対し、比較例6〜8では、圧力が20kPaでも溶血もしくは赤血球の漏洩がみられた。
〔実験例4〕
実施例10〜12及び比較例10〜12の血球成分停止膜を内蔵したフィルタ装置を用い、ヘマトクリット46.7%のヒト血液4mLを下記の表4に示す圧力でろ過した。10分間放置後、得られた血漿の状態を、遠心分離(3000rpm×10分)された血漿と比較し、溶血の有無を確認した。
Figure 2004344874
なお、実施例10〜12では溶血が起こっておらず、血漿がろ過された後自動的にろ過が停止したのに対し、比較例10〜12では血漿がろ過された後、徐々に溶血した血漿がろ過されたり、あるいは赤血球がそのままろ過されてきた。
次に、具体的な実施例につき説明する。
(実施例13)
図7に示した血液検査用システム41を構成した。シリンジ42内に、第1のフィルタ部材用の材料として平均繊維径1.8μmのポリエチレンテレフタレート繊維を1.0gと、第3のフィルタ部材を構成する材料として、その上に平均繊維径3.5μm、嵩密度0.1g/cm3のポリエチレンテレフタレートからなる繊維0.02gを充填し、両者
の合計の体積が4cm3となるように圧縮し、第1,第3のフィルタ部材23,25を作
製した。
また、フィルタホルダー43として、ミリポア社製、商品名:スフィネックスフィルタホルダーを用い、第2のフィルタとして、孔径0.4μm及び空隙率13%のフィルタ(ミリポア社製、商品名:アイソポアHTTP)を直径13mmに打ち抜きセットした。上記シリンジ42とフィルタホルダー43を図7に示すように連結し、フィルタ装置を構成した。
(実施例14)
第3のフィルタ部材を構成する材料として、平均繊維径6.0μmかつ嵩密度0.1g/cm3の繊維0.02gを用いたことを除いては、実施例13と同様にしてフィルタ装
置を構成した。
(実施例15)
第3のフィルタ部材を構成する材料として、平均繊維径10.0μmかつ嵩密度0.1g/cm3の繊維0.05gを用いたことを除いては、実施例13と同様にしてフィルタ
装置を構成した。
(比較例13)
第3のフィルタ部材を構成しなかったことを除いては、実施例13と同様にしてフィルタ装置を作製した。
〔実験例5〕
実施例13〜15及び比較例13の各フィルタ装置を用い、図7及び図8に示したように血漿または血清収納容器46及び吸引ポンプ48を連結し、ヘマトクリット約40%の血液4mLをシリンジ42内に添加し、50kPaの圧力で吸引濾過した。このようにして得られた血漿、同じ血液を遠心分離して得られた血漿と比較し、溶血の有無を確認した。
〔実験例6〕
実施例13〜15及び比較例13のフィルタ装置を用い、ヘマトクリット約40%の血液をガラス容器に入れ、2分間放置し凝固反応を促進した後、凝固反応を促進された血液を各フィルタ装置に4mL添加し、実験例5と同様に50kPaの圧力で吸引濾過した。このようにして得られた血漿、同じ血液を遠心分離することにより得られた血漿と比較し、溶血の有無を確認した。
結果を下記の表5に示す。なお、溶血の有無の判定は以下の通りとした。
溶血なし:遠心分離により得られた血漿と比べて差が認められなかった。
微溶血 :遠心分離により得られた血漿よりも僅かに血漿が赤みを帯びていた。
弱溶血 :遠心分離により得られた血漿に比べて血漿が明瞭に赤みを帯びていた。
Figure 2004344874
次に述べる実施例16〜実施例21及び比較例14,15では、以下の要領で、血漿もしくは血清分離膜の表面粗さを測定した。
すなわち、走査型プローブ顕微鏡を用い、AFM及びDFMによるフィルタ表面の形状として、平均面粗さRa値を測定した。ここでの平均面粗さRaは、JIS B 0601の規格に基づく中心線平均面粗さRaを測定面に対して適用できるように3次元に拡張したものであって、基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値としている。使用した装置は、SII社製、SPI3800N及びSPA400。プローブは以下の通りである。
Figure 2004344874
また、測定に際しての走査周波数は1Hz、取得データ数X/Yは256/256とした。
(実施例16)
孔径0.4μm、空隙率18%、平均面粗さ58.62nmのポリカーボネート製のフィルタを直径13mmにカットし、これを市販のフィルタカートリッジにセットしたものを評価サンプルとした。
(実施例17)
孔径0.4μm、空隙率15%、平均面粗さ24.63nmのポリカーボネート製のフィルタを直径13mmにカットし、これを市販のフィルタカートリッジにセットしたものを評価サンプルとした。
(実施例18)
孔径0.4μm、空隙率15%、平均面粗さ27.53nmのポリエチレンテレフタレート製のフィルタを直径13mmにカットし、これを市販のフィルタカートリッジにセットしたものを評価サンプルとした。
(実施例19)
10mLの市販のプラスチック製シリンジに、繊維径1.8μmのポリエステル製繊維1.0gを体積4mLとなるように圧縮して充填し、その下流側に実施例16のフィルタサンプルをセットして評価用サンプルとした。
(実施例20)
10mLの市販のプラスチック製シリンジに、繊維径1.8μmのポリエステル製繊維1.0gを体積4mLとなるように圧縮して充填し、その下流側に実施例17のフィルタサンプルをセットして評価用サンプルとした。
(実施例21)
10mLの市販のプラスチック製シリンジに、繊維径1.8μmのポリエステル製繊維1.0gを体積4mLとなるように圧縮して充填し、その下流側に実施例18のフィルタサンプルをセットして評価用サンプルとした。
(比較例14)
孔径0.45μm、空隙率70%、平均面粗さ147.70nmのポリビニリデンジフルオライド製のフィルタを直径13mmにカットし、これを市販のフィルタカートリンジにセットしたものを評価サンプルとした。
(比較例15)
10mLの市販のプラスチック製シリンジに、繊維径1.8μmのポリエステル製繊維1.0gを体積4mLとなるように圧縮して充填し、その下流側に比較例14のフィルタサンプルをセットして評価用サンプルとした。
〔実験例7〕
実施例16〜18、比較例14の分離膜を用い、ヘマトクリットを10%の血液500μLを分離膜上に展開し、それぞれ以下の表7及び表8に記載した圧力でろ過を行った。そのときに得られた血漿の状態を遠心分離した血漿と比較し溶血を確認した。
Figure 2004344874
〔実験例8〕
実施例19〜21、比較例15の分離フィルタを用い、健常人ボランティアから採血した血液4mlをそれぞれ分離フィルタ上に展開し、それぞれ表8に記載した圧力でろ過を行った。そのときに得られた血漿の状態を遠心分離した血漿と比較し溶血を確認した。
Figure 2004344874
本発明に係る血漿もしくは血清分離膜では、膜の一方面から他方面に貫通する複数の貫通孔が設けられているため、赤血球の溶血を引き起こすことなく血漿もしくは血清を血液から容易にかつ確実に分離することができる。特に、60kPa以下の圧力を加えた場合であっても、赤血球の破壊を引き起こすことなく、血漿もしくは血清を確実に分離することができる。従って、血漿もしくは血清分離作業の効率を高めることも可能となる。
本発明に係るフィルタ装置は、本発明に従って構成された血漿もしくは血清分離膜の前段に血漿を速く移動させるフィルタ部材を備えるため、血液からまず血漿が血漿もしくは血清分離膜側に速やかに移動するため、分離作業の効率をより一層高めることができる。加えて、ヘマトクリット値が高い全血試料を用いた場合であっても、上記フィルタ部材において血漿が速やかに移動されるため、血漿の分離を確実かつ速やかに行うことができる。
加えて、遠心分離を不要とすることができるため、本発明に係る血漿もしくは血清分離膜あるいはフィルタ装置を用いることにより、検体を迅速に得ることができるので、本発明は緊急を要する検査に極めて有用である。
本発明のフィルタ装置の一構造例を示す縦断面図。 本発明に係るフィルタ装置の他の構造例を示す縦断面図。 本発明に係るフィルタ装置のさらに他の構造例を示す縦断面図。 本発明の他の実施形態に係る血液分離フィルタが収納されたフィルタ装置の略図的正面断面図。 図4に示したフィルタ装置において血漿または血清を分離する工程を説明するための略図的正面断面図。 本発明のさらに他の実施形態に係るフィルタ装置を示す略図的正面断面図。 本発明のさらに別の実施形態に係るフィルタ装置を用いた血液検査用システムの略図的正面断面図。 図7に示した血液検査用システムを用いた血漿分離方法を説明するための略図的正面断面図。 本発明に係る血液検査用容器の略図的正面断面図。 本発明の他の実施形態に係る血液検査用容器を示す縦断面図。 本発明のさらに他の実施形態に係る血液検査用容器を示す縦断面図。
符号の説明
1…フィルタ装置
2…容器本体
2a…開口
3…筒状部材
4…フィルタ部材
5…血漿もしくは血清分離膜
7…フィルタ装置
8…シール部材
9…筒状部材
9a…段差
9b…小径部
10…フィルタ装置
11…栓体
11a…把持部
11b…中間部
11c…小径部
21…フィルタ装置
22…シリンジ
23…第1のフィルタ部材
24…第2のフィルタ部材
25…第3のフィルタ部材
26…ピストン
31…フィルタ装置
32,33…ケース
32a…入口ポート
33a…出口ポート
41…血液検査用システム
42…シリンジ
43…フィルタホルダー
43a…入口ポート
43b…出口ポート
44…フィルタ装置
45…注射針
46…収納容器
51…血液検査用容器
52…外観
52a,53a…開口
54…栓体
61…血液検査用容器
62…容器本体
62a…開口部
63…筒状部材
63a…雄ねじ
63b…開口
63c…血漿もしくは血清流下部
64…血液検査用試薬ストリップ
64a…検体供給部
65…栓体
66…フィルタ装置
80…血液検査用容器
81…栓体
81a…把持部
81b…大径部
81c…小径部
82…容器本体
82a…開口部
83…筒状部材

Claims (17)

  1. 血液から血漿もしくは血清を分離するための膜であって、空隙率が30%以下とされていることを特徴とする、血漿もしくは血清分離膜。
  2. 膜の一方面から他方面に貫通する複数の貫通孔が設けられている、請求項1に記載の血漿もしくは血清分離膜。
  3. 前記貫通孔の径が0.05〜2.0μmの範囲にある、請求項2に記載の血漿もしくは血清分離膜。
  4. 表面の平均粗さが100nm以下とされている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の血漿もしくは血清分離膜。
  5. 血球の混入を防止する血球成分停止膜に用いられる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の血漿もしくは血清分離膜。
  6. 血球よりも血漿を速く移動させる第1のフィルタ部材と、該第1のフィルタ部材の後段に直列に接続されており、かつ請求項1〜5のいすれか1項に記載の血漿もしくは血清分離膜とを備えることを特徴とする、フィルタ装置。
  7. 上記フィルタ部材が第1のフィルタ部材であり、前記血漿もしくは血清分離膜が第2のフィルタ部材であり、前記第1のフィルタ部材の前段に、平均繊維径が3.0μm以上、嵩密度が0.3g/cm3以下の繊維からなる第3のフィルタ部材が設けられている、請
    求項6に記載のフィルタ装置。
  8. 前記第1のフィルタ部材が、繊維からなり、平均繊維径が0.2〜3.0μmかつ充填密度が0.1〜0.5g/cm3である、請求項6または7に記載のフィルタ装置。
  9. 一端に開口を有する容器本体と、前記容器本体の開口に液密的に固定された筒状部材と、前記筒状部材内に配置されており、血球よりも血漿を速く移動させる第1のフィルタ部材と、前記筒状部材内において第1のフィルタ部材の後段に直列に接続されており、請求項1〜5のいずれか1項に記載の血漿もしくは血清分離膜からなる第2のフィルタ部材とを備え、第1,第2のフィルタ部材がフィルタ収容部に配置されており、フィルタ収容部の前段に血液収容部が、フィルタ収容部の下流側に血漿もしくは血清収納部が構成されている、フィルタ装置。
  10. 前記第1のフィルタ部材の前段に設けられており、平均繊維径が3.0μm以上、嵩密度が0.3g/cm3以下の繊維からなる第3のフィルタ部材をさらに備える、請求項9
    に記載のフィルタ装置。
  11. 前記血球成分よりも血漿成分を速く移動させる第1のフィルタ部材が、血液、血漿またはフィブリノーゲン溶液中のフィブリノーゲンを吸着する性質を有する、請求項6〜9のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
  12. 前記フィルタ装置内部の少なくとも一部に抗凝固成分が収納されている、請求項6〜11のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
  13. 内部の少なくとも一部に血液の凝固を促進させる凝固促進剤が収納されている、請求項6〜11のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
  14. 血液収容部から第1,第2のフィルタ部材に至る部分の少なくとも一部に、浸透圧が200〜300mOsm/kgの水溶液が添加されている、請求項6〜13のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
  15. 前記水溶液が内標準物質を含有している、請求項14に記載の血液検査用容器。
  16. 血液収容部、フィルタ収容部、血漿もしくは血清収納部の容積比が、0.5〜2:1:1〜10の範囲にある、請求項9〜15のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
  17. 請求項6〜16のいずれか1項に記載のフィルタ装置を含む血液検査用容器であって、該血液検査用容器内に、分離された血漿もしくは血清に添加されるイムノクロマト診断薬ストリップが収納されている、血液検査用容器。

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