JP6782998B2 - 装置 - Google Patents

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Description

本特許出願は、2013年11月19日に出願された米国特許出願第14/084,385号の一部継続出願であり、2013年2月26日に出願された米国仮特許出願第61/769,672号の優先権を主張し、その内容の全体をこの開示において参照として援用する。
本開示は、概して、サンプル調製の分野に関する。より詳しくは、本開示は、その後の分析方法の感度を高めるために粒子を自動的に濃縮する方法および装置に関する。
液体中の希薄材料の検出および定量の困難性は良く知られている。既存のシステムは、全て、検体濃度が低下すると失敗し始め、ひいては、非常に低い濃度において検体が検出されないことになる。これは国家の安全に重大な問題を引き起こし、例えば、2001年の郵便による炭疽菌攻撃およびその後の対テロ戦争が、生物学的脅威のサンプル採取および検出の欠陥を明らかにした。医療技術は、環境科学でそうであるように、現在の検出制限により、同様に影響を受ける。
溶液中の粒子の量を測定する既存の分析システムの検出限界は、これらの限界を下回る検体または粒子の研究におけるそれらの使用の権利を奪うものではない。むしろ、分析前に粒子を濃縮するための方法が必要とされている。
液体中の粒子の濃縮は、従来から遠心分離を用いて行われている。混合物中に存在する個々の成分の密度の違いにより混合物を分離するために遠心力が用いられる。この力は混合物を分離して、比較的密度の高い材料のペレットを管の底部に形成する。残りの溶液は、上澄み又は上澄み液と呼ばれるが、次に、ペレットをかき乱すことなく管から注意深く傾瀉する、またはパスツールピペットを用いて引き出すことができる。遠心分離の速度は、サンプルに加えられる加速度により定められ、典型的には、毎分回転数(rpm)または重力で測る。遠心分離における粒子沈降速度は、粒子の寸法および形状、遠心加速度、存在する固形物の体積分率、粒子と液体との間の密度の相違および液体の粘度の関数である。
遠心分離技術に関わる問題は、その適用性を制限する。ミクロン範囲の寸法の粒子の沈降速度はかなり遅く、その結果、これらの粒子の遠心分離濃縮は数分から数時間かかる。実際の時間は、サンプルの体積、用いられる装置、および操作者の技術により変わる。遠心分離技術および遠心分離を行うために用いられる装置の特質は、熟練操作者を必要とし、そのため、自動化および他のシステムへの組み込みが困難になる。
遠心分離技術は、各々が操作者の高度の集中を必要とする複数の工程から普通はなる点において退屈である。大部分の微生物学研究所において、毎日多数のサンプルを遠心分離により加工することが一般的である。退屈な性質のために人的過誤の可能性が高く、先に述べたように、これらの技術の自動化は困難であり費用がかかる。
他の濃縮技術が研究され、主に、微小流体/電気泳動、濾過、および捕捉に基づく三種類の技術群に分類される。これらの技術の各々が、有利な点と不利な点とを有する。
通常はスクリーンまたはフリット基板により支えられたフラットフィルター上に液体からの粒子を捕捉するために、伝統的フラット濾過法が用いられる。多くの異なる濾過法が存在するが、全て、二つ以上の物質の分離を達成することを意図している。これは、除去される物質または目的物とフィルターとの間のなんらかの相互作用により達成される。フィルターを通過すべき物質は流体、すなわち、液体または気体でなくてはならない。最も単純な濾過法は、固形物と流体との溶液を、固形物は捕捉され、一方、流体は通過するように多孔質界面を通過させることである。この原理は、流体に含まれている粒子と、固形物を形成している粒子との間の寸法の違いに依存する。実験室においては、これは、多孔質障壁としての役目を果たす濾紙を有するブフナー漏斗を用いて行われることが多い。
物理的障壁濾過法の一つの不利益は、流体から濾過される物質が、時間が経つにつれ、フィルターを通るチャンネルを詰まらせることである。フィルター流通への抵抗が、例えば、真空クリーナーバッグのように、時間とともに次第に大きくなる。従って、このことが起こることを防止するための方法が開発された。大部分のそのような方法は、フィルターを交換することを含むが、連続的プロセスにフィルターが必要な場合、この交換の必要性は大きな問題である。掻把およびその場での清浄化機構を用いてよいが、これらは不必要に複雑で費用がかかり得る。
一例において、ブフナー漏斗に支えられたフィルターを通過させてフラットフィルター上の細菌を捕捉することにより、水から細菌を除去することができる。生物学的材料を含むエアロゾル粒子も、同様にして捕捉することができる。分析のために、捕捉された材料を、既知の体積の液体中に再懸濁させることが多い。これにより、最初のエアロゾル濃度が逆算される。Edgewood Chemical Biological Centerにより認証されている一つの方法は、47mmガラス繊維フィルターを用いて、生物学的分析のための参照サンプルを捕捉する。20mLの緩衝生理食塩溶液にフィルターを一晩浸し、次に、ボルテックスに3分間かけることによりフィルター材料を完全に分裂させることにより、細菌を抽出する。次に、これらの懸濁液の副サンプルまたは少量を、生存培養、PCRまたは他の方法による分析のために提供する。
生物学的微粒子状材料を濃縮するための他の技術が存在する。サンディア国立研究所、マサチューセッツ工科大学および他の組織が、誘電泳動または電気泳動により粒子を分離し濃縮する微小流体装置を開発した。これらの装置は、マイクロチャンネルおよび電場を用いて粒子を動かすまたは集める。サンディア国立研究所は、二つの非混和性液体の間の界面において粒子を濃縮させるシステムも開発した。細菌の分離および濃縮において用いるために、免疫磁性粒子が市販されている。
検出の前に液体中の生物を濃縮するために種々の方法が存在する。歴史的に、最も一般的な方法は、栄養ブロス中のサンプルを濃縮し、次に、寒天プレート上で少量のブロスを培養することである。この方法の最大の不利益は、時間がかかることである。通常、プレート上で生物を数えることができる前に5日〜7日かかる。他の濃縮方法としては、種々の濾過による方法、吸着−溶出、免疫捕捉、凝集および遠心分離が挙げられる。今までに、大容積の水を非常に小さなサンプル体積に迅速に濃縮し、この作業を効率的に行うことができる自動化方法が開発されていなかったことが問題である。実際、これらの方法の大部分が、これらの領域の各々、最も著しくは、濃縮の効率、および使用し易さにおいて失敗している。
大容積の水から細菌、ウイルスおよび原生動物を濃縮するために中空繊維限外濾過を用いてかなりの研究がなされた。記載した方法の大部分が自動化されていない。通常、これらのシステムは、10〜100Lの水を100〜500mLの濃縮サンプルに濃縮することができるが、示した技術のいずれも、100mLを下回る体積への濃縮を提供しないことが、さらに問題である。この体積でも、濃縮システムを下流の検出装置と組み合わせたときに最高の可能な検出のために望まれるよりもかなり大きい。これは、最終的サンプルを所望の体積にするために、費用がかかり時間を消費する第二の手動濃縮工程が必要であることを意味する。
先に記載の別の濃縮システムは、自動化はされているが、微生物学、バイオテクノロジーおよび臨床生物学の研究所を含む多くの研究所にとって、従来の遠心分離に対する著しい利点は提供しない。これらの研究所は、サンプルからサンプルへの汚染が起こらないことの高度の確実性が必要である。別の自動化濃縮システムは、サンプルがさらされ、多くの場合、よくても費用がかかり、最悪の場合、サンプル間で流体ラインを交換することができない意義深い流体工学を有する。
一つのサンプルから別のサンプルへの意図する粒子または特徴の持ち越しの可能性、およびシステムの流体中での細菌の成長の可能性が、臨床的研究所へのそれらの適用性を著しく制限する。通常、微生物学およびバイオテクノロジーの研究所は、ほとんど全ての作業において使い捨て成分の使用を採用している。
比較的大きな体積の液体から生物学的材料を濃縮することができる使い捨て流体経路を有する濃縮システムは、臨床診断および微生物学およびバイオテクノロジーの研究所への顕著な適用性を有する。限外フィルターまたはマイクロフィルター型薄膜フィルターを含み、遠心分離機内に配することができるまたは一部の場合には液体を流通させるために陽圧を用いるスピンカラムは、これらの研究所において現在使用が広がりつつある比較的新しい装置である。
これら遠心分離スピンカラムは、他の濃縮システムに関わる汚染問題を克服し、生物学的材料を濃縮するために遠心分離を用いることに関わる問題の多くも克服するが、スピンカラムは、その複雑さのために費用がかかり、さらに、著しい手動の操作および操作中のピペット操作を必要とする。その使用のために、かなり高度の技術も必要である。
本開示は、概要を説明した問題に取り組み、使い捨てチップに梱包されたサンプル流体ラインとフィルターを有する効率の良い濾過系濃縮システムを提供することにより当該技術を進歩させるものである。使い捨てチップが器具に結合する全ての導管は、チップの上端において単一接続点に一体化される。さらに、チップの下端における先細りチップは、プレフィルターおよび/またはさらなる管類への接続を可能にする。システムを操作するために、新しい清潔なチップを濃縮装置に結合し、下側の開口を、適切なサンプル容器に含まれている液体サンプル中に浸し、装置を作動させる。次に、サンプルはチップ内に吸引され、そこで、フィルターと接触する。液体が流通し、一方、フィルター細孔径より大きな粒子および分子は捕捉され維持される。全てのサンプルが処理されると、チップの下側開口が適切なサンプル容器内に入れられ、溶出流体または泡状物を用いて捕捉材料を溶出し、それが分出されて小さな体積となる。
濃縮サンプルを分出する前に、洗浄工程、標識化工程、細胞溶解または他の操作を行うこともでき、少量の流体を繊維内腔に押し込むまたは吸引し、フィルター壁を通過させてそれを引き出す、または、引き出す前に所定時間、繊維内腔内に残しておく。
一つの例示的態様において、本開示は、ハウジングに囲まれたフィルターを含んでなり、ハウジングはその下端に位置する流体サンプルを吸引するための開口とその上端に位置する溶出ポートとを含み、フィルターは垂直方向に配されると共に上端から下端までのハウジングの長さに及んでおり、流体サンプル中の複数の粒子がフィルターの被保持物面から溶出され開口を通って分出されて流体体積が減少することを特徴とする装置である。装置は、さらに、溶出ポートを濃縮ユニットに接続するための接続部分を含む。
もう一つの例示的態様において、本開示は、第一フィルターに結合されたハウジングの前半を含み、第一フィルターは垂直に向けられると共にハウジングの前半の長さに及び、第二フィルターに結合されたハウジングの後半を含み、第二フィルターは垂直に向けられると共にハウジングの後半の長さに及び、ハウジングの前半と後半とは一緒にされて濃縮ピペットチップを形成し、流体サンプル中の複数の粒子が、第一および第二フィルターの被保持物面から溶出され、ハウジングの下端に隣接して配された開口を介して分出されて流体体積が減少することを特徴とする装置である。
もう一つの例示的態様において、本開示は、溶出流体が流入する溶出ポートと、透過ポートとを含み、第一フラットフィルター薄膜からなる第一フィルターに結合されたハウジングの前半を含み、前記第一フィルターは垂直に向けられると共に前記ハウジングの前半の長さに及び、第二フラットフィルター薄膜からなる第二フィルターに結合されたハウジングの後半を含み、前記第二フィルターは垂直に向けられると共に前記ハウジングの後半の長さに及び、前記ハウジングの前半と後半とが一緒にされ、前記ハウジングの下端に隣接して配された開口を介して吸引される液体サンプル中の複数の粒子が、前記第一および第二フィルターの被保持物面から溶出され、前記開口を介して分出されて流体体積が減少し、前記第一および第二フィルターの各々の被保持物面の間の体積から被保持物チャンバーが形成されることを特徴とする装置である。また、前記各フィルターと前記ハウジングのそれぞれの半分との間の体積から透過チャンバーが形成される装置である。
さらにもう一つの例示的態様において、本開示は、ハウジングを含み;ハウジングに囲まれたフィルターを含み、フィルターは垂直に向けられると共にハウジングの長さに及び;流体サンプルを吸引するためにハウジングの下端に隣接して配された開口を含み;溶出流体を受け取るためにハウジングの上端に隣接して配された溶出ポートを含み;および、ハウジングの上端に隣接して配された透過ドローを含み、透過ドローはハウジングを減圧源に結合するためのものであり;流体サンプル中の複数の粒子が、フィルターの被保持物面から接線方向に溶出され開口を通って分出されることを特徴とする装置である。
本開示の例示的態様に従う、濃縮ピペットチップ(CPT)を示す。 本開示の例示的態様に従う、濃縮ピペットチップ(CPT)を示す。 本開示の例示的態様に従う、空気を通過させない中空繊維フィルターについて同様の構造を示す。 本開示の例示的態様に従う、空気を通過させない中空繊維フィルターについて同様の構造を示す。 本開示の例示的態様に従う、濃縮ピペットチップ(CPT)を濃縮ユニットに接続させる別の構造を示す。 本開示の例示的態様に従う、濃縮ユニットに接続させるための環状構造を含むCPTを示す。 本開示の例示的態様に従う、ピンタイプコネクターを有するCPTを示す。 本開示の例示的態様に従う、主オスコネクターを含むCPTを示す。 本開示の例示的態様に従う、主オスコネクターを含むCPTを示す。 本開示の例示的態様に従う、主オスコネクターを含むCPTを示す。 本開示の例示的態様に従う、CPTについての一つの構造を示す。 本開示の例示的態様に従う、CPTについての一つの構造を示す。 本開示の例示的態様に従う、CPTについての一つの構造を示す。 本開示の例示的態様に従う、CPTについてのもう一つの可能な構造を示す。 本開示の例示的態様に従う、チップを上側部分と下側部分に分割するフラット多孔質面を有し、下端に開口を有し、上端にコネクターを有するCPTについての構造を示す。 本開示の例示的態様に従う、CPTについてのもう一つの構造を示す。 本開示の例示的態様に従う、CPTについてのもう一つの構造を示す。 本開示の例示的態様に従う、CPTについてのもう一つの構造を示す。 本開示の例示的態様に従う、CPTを通してサンプルを収集する濃縮ユニットを示す。 本開示の例示的態様に従う、CPTを有する濃縮ユニットを用いる方法を示す。 本開示の例示的態様に従う、CPTについての別の構造を示す。 本開示の例示的態様に従う、CPTについての別の構造を示す。 本開示の例示的態様に従う、CPTを通してサンプルを収集するためのもう一つの濃縮ユニットを示す。 本開示の例示的態様に従う、CPTを通してサンプルを収集するためのもう一つの濃縮ユニットを示す。 本開示の例示的態様に従う、CPTを通してサンプルを収集するためのシステムを示す。 本開示の例示的態様に従う、フラットフィルターを有するCPTの外観図を示す。 本開示の例示的態様に従う、フラットフィルターを有するCPTの水平断面を示す。 本開示の例示的態様に従う、フラットフィルターを有するCPTの垂直断面を示す。 本開示の例示的態様に従う、中空繊維フィルターを有するCPTの図を示す。 本開示の例示的態様に従う、中空繊維フィルターを有するCPTの図を示す。 本開示の例示的態様に従う、中空繊維フィルターを有するCPTの垂直断面を示す。 本開示の例示的態様に従う、中空繊維フィルターを有するCPTの水平断面を示す。 本開示の例示的態様に従う、二つのフィルターを有するCPTの等角図を示す。 本開示の例示的態様に従う、二つのフィルターを有するCPTの分解図を示す。 本開示の例示的態様に従う、二つのフィルターを有するCPTの断面図を示す。
本開示は、使い捨て濃縮ピペットチップ中に梱包されたサンプル流体ラインとフィルターとを有する高効率濾過系濃縮システムである。使い捨て濃縮ピペットチップが濃縮ユニット装置に結合する導管の全てが、濃縮ピペットチップの上端において単一接合点に一体化される。濃縮ユニットと液体サンプルとを含むシステムとともに、濃縮ピペットチップ(CPT)が機能する。システムを操作するために、新しい清潔な濃縮ピペットチップが濃縮ユニットに結合され、濃縮ピペットチップの下側開口が適切なサンプル容器内に含まれた液体サンプルに浸され、濃縮ユニットが作動する。新しい清潔な濃縮ピペットチップを用いることにより、サンプルからサンプルへの持ち越しが無くなることが保証される。次に、サンプルがCPTに吸引されて、そこでフィルターと接触する。液体がフィルターを通過し、一方、フィルター細孔径より大きな粒子および分子は捕捉され維持される。全てのサンプルがフィルターを通過して、流体が除去され、捕捉材料が残ると、チップの下側開口を適切なサンプル容器内に入れ、溶出流体または泡状物を用いて捕捉材料を溶出し、それを分出して小さな体積にする。
濃縮サンプルを分出する前に、洗浄工程、標識化工程、細胞溶解または他の操作を行うこともでき、少量の流体を繊維内腔に押し込み、フィルター壁を通過させてそれを引き出す、または、引き出す前に所定時間、繊維内腔内に残しておく。
分出された後、免疫磁気分離、電気泳動または誘電泳動分離技術または他の微小流体濃縮技術により分析される前に、濃縮サンプルをさらに濃縮してよい。多くの場合、これらの技術は有用であるが、通常、体積が大きくなると不可能になる、または、大容積で行うと、法外に費用がかかるもしくは遅くなる。CPTを用いて初期濃縮を迅速に行うことにより、サンプル体積が低下して、これらの技術を用いてより容易に取り扱われる体積になる。
さらに、いったん分出された濃縮サンプルに、さらなるサンプル調製技術を適用することができる。適用することができるさらなるサンプル調製技術としては、細胞溶解、洗浄工程、阻害物質または干渉物質除去技術および標識化工程の種々の方法が挙げられる。これらの技術を行う前にサンプル体積を低下させると、通常、速さおよび効率が向上し、一方、これらの技術を行う費用が減少する。
濃縮サンプルの分析は、任意の数の一般的に用いられる伝統的分析または微生物学的分析方法または迅速微生物学的技術を含む迅速分析技術を用いて行うことができる。特に興味深い分析技術は、数例を挙げると、培養および最確数の列挙、免疫アッセイ法、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、電気化学、ミクロアッセイ、フローサイトメトリー、バイオセンサー、ラボオンチップ、および迅速成長系検出技術の従来法が挙げれらる。
病原体および腐敗性生物を含む微生物を、フルーツジュース、野菜ジュース、炭酸飲料およびアルコール飲料を含む任意の数の飲料から、および固形食品から作られる均質物または液体サンプルから濃縮することができる。分析前に1mL〜10L以上の範囲の大きなサンプル体積を濃縮することにより、以前には、サンプルの一部を長期間培養した後にしか検出できなかった水準の微生物を迅速に検出することができる。
さらに、表面を手でモップ掃除して得られる湿潤モップ、パッドまたはフィルター材料の断片のサンプルを試験することができ、バイオテロ安全性モニタリングに利用されることが多い。サンプルは、典型的には、初期サンプル2〜20mLになる液体体積に抽出される。このようなサンプルは、物質がより容易に検出されるように4〜400μLの範囲のかなり小さな体積に迅速に濃縮することができる。
さらに別の局面において、バイオテロ物質を探すため、または、公衆衛生および安全性のために、特に、社会的混乱および経済的損失を生じさせる、ヒト、動物または植物の健康の脅威と考えられる標的物質をサンプルが含んでいるかも知れない場合、サンプルを水サンプリングのために濃縮することができる。農業産物および家畜の環境を、ここに開示の装置により評価することもできる。
本開示により利益を受けることもできる環境研究としては、空気力学径が2.5ミクロンを下回る吸引された粒状物質(PM2.5)中の種々の材料に関する研究、または少量の粒状物が集められ研究のために濃縮しなくてはならない高い高度でのエアロゾル研究による健康への影響の評価のような環境研究の分野のために行われる多くのタイプのサンプリングおよび分析が挙げられる。これらの装置は、非常に低いエアロゾル濃度のエアロゾル粒子が、供給源制御を意図するモニタリングのために集められるクリーンルームの利益となり得る。
法医学科学は、大きな表面、衣類、空気サンプル、液体または他の法医学型サンプルから集められたDNAを検出することにより、本開示から利益を得ることもできる。大きなサンプル体積を、分析体積により近く適する体積まで濃縮することにより、タッチDNAおよび低テンプレートDNA技術をさらに拡張させることができる。
これらのタイプのサンプリングおよび分析は、国家防衛、企業安全および軍隊保護の分野のために有利に行われる。さらなる使用分野には、医学研究および診断がある。例えば、サンプル濃縮は、カテーテルまたは他の医療器具が細菌で汚染されているかどうか決めるために有用である。これらの器具は、通常は、病院環境で汚染される。しかしながら、どの器具が汚染を起こしているか決めることは困難であることが多い。これらの器具からの洗浄流体の濃縮は、感染生物の迅速検出を可能にする。体液または尿中の非常に低濃度の実験薬が分析の標的である癌研究において、および少量の特異抗原が体液中での分析の標的であるアレルギー診断において、サンプル濃縮は有用である。空気力学径が2.5ミクロンを下回る吸引粒状物質(PM2.5)中の種々の材料により引き起こされることが知られている健康への影響を決めることにより、健康への影響の研究に利することもできる。低濃度のDNA、毒素または毒が体液中での分析の標的である法医学の分野で利益が見られる。使用の他の局面としては、表面抽出用の操作室の研究、および病原菌の空気モニタリング、並びに、米国食品医薬品局により生物学的エアロゾル粒状物質濃度が規制される薬品製造が挙げられる。
以下の記載において、幾つかの図面(例えば、132と232、等)にわたって最も同じ標識の構造は、同じ特性を有し、同じ構造および機能のものであると見なすことができる。対応して標識された要素の間に指摘していない相違がある場合、この相違により、特定の態様の要素の対応していない構造または機能が生じ、よって、その特定の態様に与えられた矛盾する記載は調節される。
以下の図面において、生物学的粒子を小さな流体体積に濃縮するために用いることができる使い捨て濃縮ピペットチップの複数の構造が示され説明される。
図1Aおよび1Bは、本開示の例示的態様に従う、濃縮ピペットチップ(CPT)100を示す。図1Aは、開口105、中空繊維フィルター101、透過パージ107および透過ドロー109を含むCPT100を示す。開口105、中空繊維フィルター101、透過パージ107および透過ドロー109を含むCPT100は、サンプル間で取り換えられ、システム中での交差汚染の可能性を除く。サンプルが一つの装置を用いて吸引され、濃縮され分出されるので、研究所での作業流れが向上し、要求される操作者の技術水準が著しく低くなる。自動化ピペット操作ワークステーションで用いられるものと類似のプラットフォームを通るシステムを自動化することにより、操作が著しく向上しており効率の高い自動化遠心分離システムに対する低コスト代替手段が提供される。本開示のような複数チップ濃縮システムは、これらの自動化システムのスピードを桁違いに早くする。
CPT100は、プラスチック成型技術により構成することができる使い捨てチップである。CPT100は、例えば、エッペンドルフepT.I.Ps 10mLチップと寸法が同等である。CPT100は、接続部分113および開口105を含む。接続部分113は、CPT100の操作のために、CPT100を濃縮ユニットに接続させる。接続部分113には、三つのポートが含まれる。図1Bは、透過パージ107に接続された第一ポート115、繊維フィルター101に接続された第二ポート117および透過ドロー109に接続された第三ポート119を含む三つのポートを示している。濃縮ユニットに接続されると、第二ポート117は、濃縮ユニットに始まる溶出流体ラインと流体接続される。第一ポート115は、濃縮ユニット中に含まれる弁と流体接続されている。第三ポート119は、濃縮ユニット中に含まれるポンプと流体接続されている。開口105は、CPT100に、サンプルを繊維フィルター101中に吸引させる。開口105は、繊維フィルター101の内腔への単一開口を有する小さな尖端を提供する。CPT100は、繊維フィルター101、透過パージ107および透過ドロー109を固定するための埋込材103も含む。
この構造において、繊維フィルター101は空気を通過させる単一の中空繊維フィルター101(例えば、マイクロフィルター)であり、繊維フィルター101の内腔が開口105をつくるように埋込材103を用いてCPT100中にその両端において固定されている。繊維フィルター101は、例えば、Spectrum Laboratories X1AB−300−04Nモジュールにおいて用いられているような内径0.5mmのSpectrum Laboratories, Inc.製100kDポリスルホン中空繊維であってよい。繊維フィルター101の接続部分113は透過パージ107のための管取り付け部分および透過ドロー109のための管取り付け部分に沿って、全て、CPT100の接続部分113の近くで、埋込材103で密封されている。一つの局面において、繊維フィルター101は、CPT100の中に含まれている一つ以上の中空繊維フィルターであり、CPT100は不透過性材料から構成されている。繊維フィルター101の一つ以上とCPT100とは、CPT100の不透過性壁と繊維フィルター101の中空繊維壁との間に透過チャンバーを形成している。
繊維フィルター101のような中空繊維フィルターおよび他の薄膜型フィルターは、主に、精密濾過、限外濾過およびナノ濾過の三つの群に分けられる。これらの群の各々は、サンプルから除去すべき異なるタイプの物質に有用である。ナノ濾過フィルターはここであまり重要でなく、説明しない。精密濾過は、細孔径が0.1μm以上のフィルターを示す。限外濾過は、細孔径が0.1μm未満であり、細孔径が、通常は、分画分子量によって定められるフィルターを示す。薄膜型フィルターは、また、通常、親水性と特定されるものと、疎水性と特定されるものに分類される。通常、約0.65μm未満の疎水性細孔径は、湿潤剤または溶媒を用いなければ、水性サンプルを通過させることができない。親水性フィルターは容易に水を通過させるが、より小さい細孔径の場合、いったん湿ると、フィルターが再び乾燥するまで、容易に空気を通過させることができない。通常、湿った親水性限外濾過フィルターを水性サンプルを通過させるように充分に乾燥させることは非常に困難であり、それに加えて、限外濾過フィルターを乾燥させると、フィルターが損傷して細孔径が大きくなる場合がある。
適用の特別の理由から、異なる材料からなる中空繊維フィルターが用いられる。そのような繊維は、一般的に、混合セルロースエステル(ME)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリアクリロニトリル(PAN)、親水性ポリジビニリデンフルオライド(PVDF)、および、ステンレス鋼およびセラミックのような他の材料からなる。種々の利益および不利益が、各タイプのフィルターに生じる。一部の設計基準は、孔径、生体適合性、平滑さ、汚染性および物理的強度である。
透過パージ107は、CPT100と繊維フィルター101の外側との間に形成される透過チャンバーを、第一ポート115を通して濃縮ユニット中の透過弁に接続させる管である。透過パージ107は、空気を透過チャンバー内に流入させるためのポートを提供する。処理中に透過チャンバー内に集まった液体を透過チャンバーから引き出すことができ、透過チャンバー内の陰圧を迅速に大気圧に戻すことができるように、空気を透過チャンバー内に流入させることが必要である。別の態様において、透過パージは透過弁と流体が行き来しないが、むしろ、小さな開口ポートである。このように、ポートを通る漏れは、サンプルを処理できるように充分な減圧を透過ポンプが引くことができる程度に充分小さいが、サンプルを処理した後、空気の内側漏れにより、残りの流体を透過チャンバーから引き出すことができる程度に充分大きい。溶出中、透過ポンプも、透過パージの漏れを克服し、透過チャンバー内の圧力を上げるのに充分な程度に大きい。
透過ドロー109は、サンプルを繊維フィルター101を通して引き出し、濃縮チップ102と繊維フィルター101の外側との間に形成された透過チャンバーから透過物を除去するための手段を提供する。透過物は繊維フィルター101を流通した後、透過ドロー109を用いて除去される。透過ドロー109は、濃縮チップ100の内側の底面の近くから伸びて、第三ポート119を通過して、濃縮ユニット内のポンプ中に入る。透過物は、透過物の全てが除去されるまで、この位置から除去される。
透過パージ107のための第一ポート115、繊維フィルター101のための第二ポート117および透過ドロー109のための第三ポート119が、各々、CPT100の上端の接続部分113に含まれる。操作のために、第一ポート115、第二ポート117および第三ポート119が前述のように濃縮ユニットに接続されるように、CPT100が濃縮ユニットに接続される。流体サンプルは、第三ポート119を通して透過ドロー109に接続されている濃縮ユニット内に含まれるポンプを利用して、開口105の中に吸引され、繊維フィルター101の多孔質表面を通過する。この態様において、繊維フィルター101または他の薄膜型フィルターは乾燥親水性フィルター、グリセリン充填親水性フィルター、または、初めに空気を通過させ、接触した場合は液体を通過させる他のタイプのフィルターである。すなわち、流体が開口105の中に吸引され繊維フィルター101と接触して多孔質表面を通過するまで、空気が開口105の中に引き込まれ繊維フィルター101の多孔質表面を通過する。
サンプル体積の全てが開口105を通過すると、繊維フィルター101上の捕捉粒子は、既知の体積の溶出緩衝液または湿潤泡状物で繊維フィルター101を接線方向に洗い流すことにより溶出される。あるいは、液体の逆洗い流しを用いて、液体、泡状物または気体により二回目の接線方向洗浄を行ってよい。多くの理由により、湿潤泡状物の使用が好ましい。泡状物が溶出に好ましい二つの主な理由は、(1)小さな体積の液体を用いて大きな体積の泡状物を作ることができ、それにより、溶出体積が小さくなること、および(2)作られた泡状物が最初の界面活性剤溶液よりも粘性が高く、それにより、泡状物の複数の繊維フィルターの通過が向上するからである。フィルターの接線方向溶出の直前に、透過パージ107を制御する弁が開き、透過ドロー109に接続されているポンプを、残っている流体が透過チャンバーから引き出されるように連続的に運転させる。残っている流体が引き出された後、透過ドロー109を制御するポンプを切り、透過パージ107に接続されている弁を閉じる。次に、透過チャンバーを周囲圧力に放置する、または、周囲圧力を0〜10psi上回る陽圧まで加圧することができる。透過チャンバー中に残っている流体を除去することにより、流体が繊維フィルター101の被保持物側に押し戻されることが避けられ、透過物を加圧することにより、溶出中に湿潤泡状物または溶出流体が繊維フィルター101を通過して透過物に入ることが避けられる。泡状物が繊維フィルター101を通過するときに、泡状物が、CPT100を通って濃縮物を一掃し、開口105から出る。泡状物がCPT100を出ると、迅速に崩壊して液体に戻り、液体体積が大幅に小さくなった最終的濃縮産物が残る。この体積は、5μL未満から1mLの範囲であり得る。もっとも簡単な状態では、泡状物が別の容器内で作られ、次に、注入されてサンプルをCPT100からサンプル収集ポートに掃き入れる。しかしながら、泡状物を作るために用いられた液体の量を測るためにサンプルループを用いることもできる。空気と界面活性剤溶液とを混合することにより生じた界面活性剤泡状物に加えて、泡状物は、炭酸を含む界面活性剤溶液を用いて発生させることもできる。炭酸化に続いて、溶液は、オリフィス、フリット、フィルターまたは毛細管を通して分出することにより攪拌される。ここに記載の界面活性剤泡状物抽出法を用いて、エアロゾルサンプラーおよび収集器における他の収集面を抽出および清浄化することもできる。これらの表面を抽出するために泡状物を使用すると、抽出効率を著しく上昇させ、最終的サンプル体積を著しく縮小することができる。好ましい態様において、緩衝界面活性剤溶液を二酸化炭素の上部圧力下に保持し、次に、時限弁を開くことにより所定体積を放出することにより、泡状物が生成される。二酸化炭素の圧力と弁が開く時間の両方を制御することにより、分出される液体の体積を厳重に制御することができる。
限外濾過および精密濾過フィルターを用いる中空繊維濃縮ピペットチップについては、細胞成分、DNA、ウイルス、細菌および他の病原体を液体サンプルから濃縮するために用いられるように、サンプルは単に透過チャンバーに陰圧を引くことにより吸引される。この場合、空気は容易に繊維フィルター壁を通過して引き出され、流体は繊維フィルターの内腔に吸引され、次に繊維フィルター壁を通過する。
濃縮ピペットチップの効率をさらに改善するために、Triton X−100のような生体適合性界面活性剤を、0.1〜0.01体積%のような低いレベルで供給材料に添加することができる。この液体の添加体積は僅かであるが、40%〜65%の範囲から100%近くまで処理能力効率を高くすることができる。0.01〜0.1%のTriton X−100またはTween 20を加えた25mMトリス緩衝食塩水(TBS)または燐酸緩衝食塩水(PBS)のような緩衝界面活性剤溶液が、一般的に、バイオエアロゾルサンプラーの収集流体において用いられる。
処理能力効率および処理速度を上げるために、振動機モーターまたは超音波ホーンにより発生されるような機械的剪断力も用いられる。
CPTで用いられる中空繊維薄膜フィルターは、処理されるサンプル中での粒子負荷によって見えなくなる。見えなくなることを減らす方法は広く記載されており、接線方向流動、高周波逆鼓動(HFB)、振動および他の機能が挙げられる。接線方向流動が最も一般的に使用されているが、CPTにおいて標準的形状では実行できない。CPTシステムにおいて、HFBは湿潤泡状物溶出システムからの二酸化炭素を用いて実行されて、中空繊維の透過物側に背圧を作る。背圧は、捕捉粒子をフィルター孔から押し出すように作用する。背圧工程は、短時間の非常に短い鼓動で、従って、高周波で行われる。単一の0.05μm中空繊維CPTを通してリンゴ果汁を処理する70分間の試験において、処理開始後約10分以内に、流速が2mL/分から1mL/分に約50%低下した。HFBは、流速を2mL/分の初期流速に回復させることができ、70分間の処理の残りの時間を通して1.3mL/分を超える流速を維持することができた。HFBサイクルの無い2回の短期間には、フィルター流速が著しく低下した。2回目のこれらのギャップが約47分に見られ、フィルター流速が約50%低下した。
HFBと接線方向流とを合わせて用いることは産業分離において良く知られており、HFBにより除去された粒子を接線方向流により運び去らせることにより、これらのシステムに最も安定した流速を提供する。伝統的接線方向流はCPTで実施することができないので、新規振動接線方向流(OTF)法を用いることができる。流体を迅速に上下に動かすように濃縮セル中空繊維の内側に流体が通るように接続された定量ポンプを用いることにより、流体を中空繊維孔から除去することなく接線方向流がシステム中に樹立される。垂直に配されたフィルターへのそのような流れによって、フィルター流速が著しく向上するが、サンプルの処理は困難である。中空繊維そのものを振動させるのではなくCPT中の流体を振動させるために定量ポンプを用いることは、この発想のより実用的な実行であると思われる。この方法を実行することは容易であると期待され、母体の処理は困難であるが、サンプル処理流速を改善する。
さらに、CPTの上端、すなわち、濃縮機への接続点に隣接した位置から伸びる垂直に配されたフラットまたは中空薄膜/フィルターを用いることは、上端から下端への移動方向において、ここに記載の接線方向洗い流しにより粒子を回収させることができる。そのような上端から下端への接線方向流により非常に大きな薄膜表面積が得られ、大きな体積を迅速に処理することが可能となるが、被保持物の非常に小さな断面積故に、粒子を回収するために用いられる液体(または湿潤泡状物)を非常に少量体積しか用いない。これは、さらに、濃縮係数を大きく増加させ、未濃縮サンプルが底部開口を通して引き込まれ濃縮サンプルが同じ開口を通って分出されることによりピペット内での使用を可能する。前述の接線方向洗い流しを利用しない既存の水平に配されたシステムは、優れた処理速度を提供するために濾過媒体がかなり広いことを必要とし、その結果、溶出体積が小さくなる、すなわち、最初のサンプル体積と同じくらいであって、濃縮係数が非常に小さくなる。
さらに、サンプルを処理後、開示CPTは、ピペットチップ中にサンプル体積を維持する必要がない。CPTを通過する分離した透過ポートは、処理されるサンプル体積を、薄膜表面積/薄膜流速および処理にかかる時間によってのみ制御させ、それに対して、現状技術により開示されるチップの体積に基づいて体積が制限されている。
図2Aおよび2Bは、本開示の例示的態様に従う、空気を通過させない中空繊維フィルター201についての同様の構造を示す。図2Aは、開口205、繊維フィルター201、透過パージ207および透過ドロー209を含むCPT200を示す。この構造において、繊維フィルター201は、上側疎水性通気部分211を有し、下側は親水性部分201である。親水性フィルターは、水を容易に通すが、細孔径が小さくなると、いったん濡れると、再び乾燥するまで空気を容易に通さない。疎水性通気部分211を加えることにより、親水性中空繊維201の全体が液体サンプルで満たされそれを通過させることができるまでは、空気は通気部を通過することができる。この利点に加えて、疎水性通気部分211を用いると、繊維フィルター201を空気で満たして流れを止めることなく、操作が開始された後、空気をCPT200に導入させることができる。疎水性通気部分211は、空気を通過させ、液体を繊維フィルター201に再び引き込む。接続部分213は、CPT200の操作のために、CPT200を濃縮ユニットに接続させる。接続部分213の中に、三つのポートが含まれる。図2Bは三つのポートを示し、透過パージ207に接続された第一ポート215、繊維フィルター201に接続された第二ポート217および透過ドロー209に接続された第三ポート219が含まれる。図2に示されるCPT200の残りは、構造が、図1Aおよび1Bに示すものと同じである。操作のために、CPT200は濃縮ユニットに接続され、流体が入口205に吸引され、繊維フィルター201の多孔質表面を通過する。サンプルの全体積が入口205を通過すると、捕捉粒子は、既知の体積の溶出緩衝液または湿潤泡状物を用いた繊維フィルター201の接線方向洗い流しにより溶出される。あるいは、液体の逆洗い流しを用いて良く、液体、泡状物または気体により二回目の接線方向一掃が成される。
図3は、本開示の例示的態様に従う、濃縮ピペットチップ(CPT)300を濃縮ユニットに接続する別の構造を示す。この構造において、主メスコネクター313中の環状部分が、濃縮ユニットのオスコネクターの接続部分に一致する。接続部分315、317および319の環状部分は、方向に拘わらず接続部分の間に流体を流させる。環状接続部分の主な利点は、CPT300が特定の方法に方向付ける必要がなく、壊れることなく使用中に回転または他の方法で方向を変えてよいことである。この特別のCPT300において、通気のために疎水性フラットフィルター部分311が用いられる。
図4は、本開示の例示的態様に従う、濃縮ユニットに接続するための環状構造を含むCPT400を示す。この構造において、主メスコネクター413内の環状部分が、濃縮ユニットのオスコネクターの接続部分に一致する。接続部分415、417および419の環状部分が、方向に拘わらず接続部分の間に液体を流させる。図4は、中空繊維フィルター401の一部が加工されて、中空繊維内腔と透過チャンバーとの間で疎水性通気層411となっていることを除いて図3に示す構造と同じ構造を示す。透過チャンバーに陰圧をかけると、疎水性通気フィルター411を通して空気が引き込まれ、次に、流体が繊維フィルター401の繊維内腔に吸引される。流体が疎水性通気フィルター411に接触すると、流れが直ちに止まる。疎水性通気フィルター411は、繊維内腔と透過チャンバーとの間において中空繊維401の最上部におけるフラットフィルターである、または中空繊維フィルターであって、約1インチ以下の上側疎水性部分を有し、繊維の残りの部分は親水性である。
湿潤状態で梱包しなくてはならない限外濾過薄膜フィルターのような空気がフィルターに引き込まれない濃縮チップについて、サンプル流体を繊維内腔に接触させるが、流体が使い捨てチップを出て濃縮ユニットに接触することはない方法が開示される。第一の方法は、図2および図4で説明したような疎水性通気フィルターの部分を用いる。
流体を中空繊維に接触させるもう一つの方法は、繊維内腔に接続されているシリンジポンプを用いて、繊維内腔の内側体積に相当する体積の空気をシリンジ体に引き込みそれにより繊維フィルターの繊維内腔に液体を吸引するものである。このように、流体は使い捨てチップの上側まで行かず、中空繊維フィルターの頂上またはその近くで止まる。
流体を中空繊維フィルターに接触させるもう一つの方法は、ポンプを用いて所定体積の空気を繊維内腔から引き出し、光学的または他のセンサーを用いて中空繊維フィルターの頂上において流体の流れを止めることである。光学的センサーは、使い捨てチップよりも濃縮装置に取り付けることができ、中空繊維フィルターの上側の使い捨てチップの透明部分をモニターする。このように、流体は使い捨てチップの上側まで行かない。
流体を中空繊維フィルターに接触させるもう一つの方法は、濃縮装置からの所定体積の綺麗な希薄流体を分出して、中空繊維フィルターに入れ、開口から出し、サンプル容器に入れることである。このように、中空繊維の被保持物側全体を流体で満たし、透過ポンプをここで作動させてサンプルをCPTに引き込むことができる。
図5は、本開示の例示的態様に従う、ピン型接続部分515、517および519を有するCPT500を示す。CPT500は、接続部分513、透過パージ507、透過ドロー509および中空繊維フィルター501も含む。図5のCPTは、環状接続に対して三つのピン型接続部分により流体接続がなされることを除いて図3に示すものと同様の構造を有する。これらの接続は特定の方向付けを必要とするが、それらは、図3の環状接続よりも信頼性が高く費用が効率的である。
図6は、本開示の例示的態様に従う、主オスコネクター613を含むCPT600を示す。CPT600は、中空繊維フィルター601、透過パージ607および透過ドロー609も含む。接続部分613は、上端から種々の長さにおいて流体接続615、617および619を含む。このチップは、濃縮ユニット上の一体化環状接続を用いて、メスコネクターに接続する。中空繊維フィルター601は、最上部近くで疎水性通気フィルター611を含む。
図7は、本開示の例示的態様に従う、主オスコネクター713を含むCPT700を示す。CPT700は、中空繊維フィルター701、透過パージ707および透過ドロー709も含む。接続部分713は、上端から種々の長さにおいて流体接続715、717および719を含む。CPT700は、濃縮ユニット上の一体化環状接続を用いて、メスコネクターに接続する。中空繊維フィルター701は、開始で補助するために一体化導電センサー711で疎水性通気フィルターを置き換えたことを除いて図6の中空繊維フィルターと類似である。
図8は、本開示の例示的態様に従う、主オスコネクター813を含むCPT800を示す。CPT800は、中空繊維フィルター801、透過パージ807および透過ドロー809も含む。接続部分813は、上端から種々の長さにおいて流体接続815、817および819を含む。CPT800は、濃縮ユニット上の一体化環状接続を用いて、メスコネクターに接続する。中空繊維フィルター801は、濃縮ユニット中の光学的流体センサー811に流体移動を感知させる光学的センサー部分で導電センサーを置き換えたことを除いて図7に示す構造と同様である。
図9〜11は、本開示の例示的態様に従う、CPTの一つの構造を示す。図9は完全CPT900を示す。図10は、CPT1000の分解図を示す。図11は、製造中に繊維の下端を埋め込むために用いられるポートを示す。
図9は、本開示の例示的態様に従う、完全CPT900を示す。CPT900は、接続部分913、中空繊維フィルター901、透過パージ907および透過ドロー909を含む。接続部分913は、流体接続915、917および919を含む。
図10は、本開示の例示的態様に従う、CPT1000の分解図を示す。二つの半体を一緒にして、接続部分1013、透過パージ1007、透過ドロー1009、中空繊維フィルター1001用貫通孔、疎水性通気部1011および埋込材1003を作る。CPT1000は、留め具を用いてかみ合う。この開示を読んで当業者に明白になる二つの半体を結合させる多くの他の方法がある。
図11は、本開示の例示的態様に従う、CPT1100用の埋込ポート1104を示す。いったん組み立てられると、埋込ポート1104はユーザーに埋込材をCPT1100のチップに投入させ、そこで、中空繊維フィルター1101を所定の位置に保持する。埋込材は、埋込材を埋込ポート1104に挿入することができるシリンジまたは他の器具を用いて注入される。濃縮ピペットチップを集めた機械も、埋込材を挿入するためにシリンジまたは他の器具を用いてよい。
図12は、本開示の例示的態様に従う、CPT1200のもう一つの可能性のある構造を示す。一つの構造の使い捨て濃縮チップは、チップを長手方向に分割して、透過物側と被保持物チャンネル1203を含む側とにするためにフラット多孔質表面1201を用いる。被保持物チャンネル1203は、多孔質表面1201による一つの長手側およびチップの不透過性壁による三つの側の上で囲まれる。チャンネル1203は両端が開いており、CPT1200の底部開口1205と、接続部分1213内に含まれる被保持物ポート1217を形成する。透過物側は、透過パージ1207を含むための管と、透過ドロー1209を含むための管とを含む。透過パージ1207および透過ドロー1209のための開口が、接続部分1213内に含まれるそれぞれのポート1215および1219の中に含まれる。操作するために、CPT1200が濃縮ユニットに接続され、流体がCPT1200に吸引されて多孔質表面1201を通過する。サンプルの全体積がCPT1200を通過すると、既知の体積の溶出緩衝液または湿潤泡状物を用いてフラット多孔質表面1201を接線方向に洗い流すことにより捕捉粒子が溶出される。あるいは、液体の逆洗い流しを用いてよく、液体、泡状物または気体での二回目の接線方向一掃が行われる。
図13は、本開示の例示的態様に従う、CPT1300の構造を示し、フラット多孔質表面1306がチップを上側部分と下側部分に分割しており、下端に開口1305を有し、上端に接続部分1310を有する。多孔質表面1306は、デプスフィルター、エレクトレットフィルター、微小篩、帯電フィルター、薄膜、多孔質メディアまたは他の多孔質表面であってよい。操作のために、CPT1300が濃縮ユニットに接続され、流体が開口1305に吸引され多孔質表面1306を通過する。サンプルの全体積が開口1305を通過すると、捕捉粒子は、既知の体積の湿潤泡状物または液体を用いてフィルターを逆洗い流しすることにより溶出される。
図14Aは、本開示の例示的態様に従う、CPT1400のもう一つの構造を示す。図14Aは、接続部分1413、二つの中空繊維フィルター1401、透過ドロー1409および、中空フィルターを固定するための埋込材1403を含むCPT1400を示す。接続部分1413は、さらに、流体接続1415、1417および1419を含む。接続部分1413の下側で図面から隠れているのは透過パージである。透過パージは、図14Bにおいて、より明確に見ることができる。
図14Bは、本開示の例示的態様に従う、CPTの接続部分1413を有する端部を示す。接続部分1413は、流体接続1417、1415および1419を含む。流体接続1415は、透過パージ1407および濃縮ユニットの透過パージラインに接続する。流体接続1419は、透過ドロー1409からの流体を濃縮ユニットの透過ポンプに送る。流体接続1417は、濃縮ユニットからの抽出泡状物または流体を中空繊維フィルターに送る。埋込材1403は、中空繊維1401をCPT中に固定する。
図14Cは、本開示の例示的態様に従う、CPTの開口1405を有する端部を示す。開口1405は、濃縮のためのサンプルからの流体を受け入れる。中空繊維フィルター1401は、開口1405において埋込材1403により所定の位置に保持される。透過ドロー1409は、サンプルから透過物を引き出す。
図15は、本開示の例示的態様に従う、CPT1500を通してサンプル1523を集める濃縮ユニット1521を示す。サンプル1523は、アーム1527が上がったときにトレイ1525に乗せられる。CPT1500がアーム1527に接続され、CPT1500がサンプル1523中に沈むようにアーム1527が下げられる。次に、操作者は濃縮ユニット1521を開始させ、サンプルがCPT1500に吸引される。全サンプルが処理されると、濃縮サンプルがサンプル容器内に分出される。
図16は、本開示の例示的態様に従う、CPTを有する濃縮ユニットを用いる方法を示す。まず、アームを上げS1631、それによりCPTをアームに挿入できるS1632。レバーを押し、CPTがCPTポートに押し込まれる。CPTポートは、CPTポートを所定の位置に保持し接続部分を漏れないように密封するために、ガスケットで密封した面とバネで支えられた面とを含む。この密封面は、三つのCPT接続ポートのための接続部分を含む。次に、サンプルをトレイに乗せるS1633。次に、濃縮ユニットのアームを下げS1634、CPTをサンプルの底部に沈めるが、繊維開口は塞がない。使用者は、スタートを押して真空をかけS1635、CPT内でサンプルが濃縮を始める。サンプルがいったんCPTから引き出されると、使用者は、濃縮器の上のボタンを押すことによりサンプル処理を停止することができる、または濃縮器はチップを通る流れの停止を検出し、自動的にサンプル処理を停止する。次に、使用者は濃縮物を最初のサンプル容器内に分出することを選択する、または使用者は最初のサンプル容器を新しい抽出サンプル容器と交換することができる。次に、使用者は抽出ボタンを押しS1636、抽出サイクルを作動させる。次に、抽出プロセスを作動させて、捕捉粒子を回収してS1637、濃縮最終体積とする。
一つの局面において、粒子を捕捉するために用いられる多孔質表面は、フラット繊維型フィルター、フラット薄膜型フィルター、または、微小篩もしくはヌクレオポアフィルターのようなフラット多孔質表面である。このフラットフィルターは、使い捨てチップの内側空間を被保持物側と透過物側とに分けるように使い捨てチップ内に縦方向に配置する。意図する粒子の捕捉および溶出流体を用いる回収は、粒子の捕捉および回収が中空繊維フィルター内腔ではなくフラット薄膜の被保持物側で行われることを除いて、先に述べた中空繊維フィルター使い捨てチップとほとんど同じ方法で行われる。この場合、被保持物の長さは、多孔質表面により一つの壁の上で囲まれ、使い捨てチップの不透過性壁により残りの三つの壁の上で囲まれる。この構造および中空繊維フィルター構造の場合、意図する粒子は、泡状物または液体の溶出流体を用いて多孔質表面の接線方向において被保持物を掃くことにより回収される。あるいは、多孔質表面を流体で逆洗い流しすることにより、または液体もしくは気体を用いて逆洗い流しまたは接線方向洗い流しを任意に組み合わせることにより、粒子を回収することができる。
もう一つの構造において、粒子を捕捉するために用いられる多孔質表面は、使い捨てチップを下側被保持物貯蔵部と上側透過物貯蔵部とに分けるフィルターまたは多孔質表面である。この場合、意図する粒子は、底面の上に、および多孔質表面の構造中に捕捉される。前記粒子は、次に、湿潤泡状物または液体の流出流体を用いて多孔質表面を逆洗い流しすることにより回収される。この構造の好ましい態様は、湿潤泡状物で逆洗い流しすることにより回収が成される帯電フィルターである。
図17Aおよび17Bは、本開示の例示的態様に従う、CPT1700についての別の構造を示す。図17Aは、開口1705、繊維フィルター1701および透過ドロー1709を含むCPT1700を示す。この態様において、透過パージはない。この態様によれば、他の態様における透過パージの長さと同程度に、透過ドロー1709が短くなっている。繊維フィルター1701および透過ドロー1709の各々が、埋込材1703を用いてCPT1700内に固定されている。接続部分1713が、CPT1700の操作のために、CPT1700を濃縮ユニットに接続させる。接続部分1713内には、二つのポートが含まれている。図17Bは、繊維フィルター1701に接続されているポート1717と透過ドロー1709に接続されているポート1719とを含む二つのポートを示す。操作中、透過チャンバーは流体で満たされ、サンプル処理の全体を通して満たされたままである。繊維フィルター1701の溶出中、透過チャンバーを加圧する代わりに、透過ドロー1709上で弁を閉じて透過チャンバーが液体で満たされたままにする。溶出中、流体が動いて透過物側に入るための空間があるので透過チャンバーを加圧する必要はなく、そのために溶出流体または泡状物が繊維フィルター1701を容易に通過しない。
この構造の一つの局面において、濃縮ユニット中に透過弁を用いるのではなく、CPTのために単一接続を用いることができるように逆止弁が透過ドロー1709に一体化される。このように、透過ポンプを接続部分1713に適用することにより、サンプルがCPTに吸引されフィルターを通過する。透過チャンバーは流体で満たされ、サンプル処理の全体を通してその状態である。繊維フィルター1701の溶出中、溶出流体または泡状物が接続部分1713内に分出され、それにより、透過ドロー1709内の逆止弁が閉じられ、それにより、溶出流体または泡状物が繊維フィルター1701を通過する。
図18Aおよび18Bは、本開示の例示的態様に従う、CPTを通してサンプルを集めるためのもう一つの濃縮ユニットを示す。図15に示す装置と同様に、この例示態様は、CPT1800を通してサンプル1823を集めるための濃縮ユニット1821を示している。流体が最初にある場合またはアーム1827が上げられたときにサンプル1823がトレイ1825に乗せられる。CPT1800は、CPTインターフェース1813を介してアーム1827に接続される。図18Bにおいて、CPT1800がサンプル1823中に沈むようにアーム1827が下げられる。次に、操作者は、ユーザーインターフェース1824を介してコマンドを入力することにより濃縮ユニット1821をスタートさせ、サンプルがCPT1800に吸引される。全サンプルがここに記載のように処理されると、濃縮サンプルが、サンプル容器1835内に分出される。アーム1827は、CPT1800を保持し、透過物およびCPT1800上の溶出流体ポートと接続される簡易脱着固定具を有する。アーム1827は、上げることにより、サンプル容器をサンプルプラットフォーム1825の上に乗せさせ、下げることにより、CPT1800をサンプル容器1823の底部に達するようにすることができる。真空ポンプ(図示せず)が、装置1821の主要筐体内に配される。柔軟アンビリカルケーブルを用いて、アーム1827を、流体および電気ラインを有する主要筐体に接続させることができる。透過出口ポート1839を用いて、CPT1800から抽出された透過物を分出することができる。外部コンピューターからのコマンドを受け取り、情報をそこに出力するように、コンピューターインターフェース1837が提供される。電源スイッチ1836および電源インターフェース1838も提供される。
図19は、本開示の例示的態様に従う、CPT1900を通してサンプルを集めるためのシステムを示す。この例示態様は、溶出流体ポート1917と透過ポート1919との二つのポートしか必要としない点において、先の態様に示したものと異なる。しかしながら、基本的概念は先に述べた態様の概要と同様である:すなわち、粒子の濃度が低い比較的多量の液体サンプルを引き込むサンプルポートを有する一回のみ使う使い捨てフィルターカートリッジを利用するシステムであって、粒子がフィルター表面に捕捉される一方で液体は引き出されて透過物となり、次に、溶出工程において、粒子を再懸濁させて粒子の濃度が高い比較的少量体積の液体を得て、サンプルが引き込まれた同じポートを通して放出する。本例示的態様は、フィルター1901の透過物側1908に陽圧を要求することなく、必要な溶出流体の体積を小さくする。簡単に説明すると、溶出流体が被保持物側1906に留まるように、透過物側1908への陽圧を維持するために三方透過弁1928を閉じる。過剰な圧力を用いることなく弁1928を閉じることができるので、ポート1905を通って分出される溶出流体のより一貫した最終的体積が可能となる。
初期状態においては、溶出流体弁1926が閉じられ、三方透過弁1928が透過ポート1919を減圧源1934に結合させており、逆止弁1930へ至るポートは閉じられており、減圧源1934が失活する。まず、CPT1900の溶出流体ポート1917および透過ポート1919をCPTインターフェース1913に挿入することにより、未使用CPT1900がシステムに結合される。CPTサンプルポート1905がサンプル容器内まで、従って、そこの液体サンプル中まで下げられる。この時点において、例えばユーザーの入力により自動化濃縮プロセスが開始する。減圧源1934が活性化され、CPT1900の透過物側1908中の空気が排出される。この時点において、空気がフィルター1901(前述したような親水性フィルター)を通って移動し、従って、CPT1900の被保持物側1906も空気が排出され、その結果、液体サンプルがサンプルポート1905を通って引き出されCPT1900の被保持物側1906中に入る。液体は、フィルター1901を通過し、CPT1900の透過物側1908に入り、透過ポート1919を通過し、透過弁1928を通過し、減圧源1934を通過し、透過出口を通過する。さらに、サンプルは、フィルター1901の露出領域と同じ高さまでCPT1900の被保持物側1906を満たす。サンプルは、溶出流体弁1926が閉じられているので被保持物側1906をそれ以上満たさず、結果として、空洞部分が溶出流体ポート1917中に捕捉される。これは、サンプルが、濃縮ユニットの装置の流体部分や、オリフィス1922および弁1926に接触することを妨げるので、濃縮ユニットを清浄化または滅菌する必要なく使い捨てCPTを複数回連続的に使用することが可能である。
サンプルがフィルター1901を通過して引き出されると、CPT1900の被保持物側1906においてフィルター1901の表面上に、液体サンプル中に懸濁している粒子が捕捉される。減圧1934のためにサンプル全てが、いったん、フィルターを通って引き出されると、周囲の空気が、サンプルポート1905を通って入り続ける。疎水性フィルター1815を用いる場合、空気が、液体サンプルの背後でフィルター1901を通って引き込まれ透過物側1908に入る。親水性フィルター1901を用いる場合、湿った親水性薄膜フィルターの孔に空気を引き込むために必要な大きな膜通過圧力故に、空気は湿っているフィルターを通過することができない。この場合、フィルター1901の被保持物側1906が空気で満たされ、フィルター1901は空気を通過させられず、透過物側1908が液体で満たされたまたは部分的に満たされたままとなる。減圧源1934はここで不活性化し、溶出プロセスが始まる。透過弁1928は、透過ポート1919を、逆止弁1930を通って周囲空気ライン1932に接続させるように切り替えられる。これにより、空気が、CPT1900の透過物側1908内に流れ込み、大気圧に戻す。
フィルターから粒子を溶出するために溶出泡状物が用いられる。溶出流体は、高圧で溶出流体弁1926内に押し込まれる。溶出弁1926が開くと、高圧液体がオリフィス1922を通過する。オリフィスを横断する圧力低下は、溶出流体の流れを制御し、界面活性剤と二酸化炭素を含む溶出流体を用いる場合、湿潤泡状物を生成させる。湿潤泡状物は、溶出ポート1917を通ってCPT1900に入る。次に、湿潤泡状物は、フィルター1901の表面上に捕捉された粒子を再懸濁させる。一方、逆止弁1930は、CPT1900の透過物側1908から周囲空気ポート1932への流れを妨げ、それにより、透過物側1908に陽圧を維持し、フィルター1901を通って進む溶出流体の量を最低限に維持する。フィルター1901に接線方向である泡状物の流れは、フィルター1901の被保持物側1906からの粒子の収集を可能にし、結果として、粒子を運ぶ泡状物が得られ、サンプルポート1905を出て、それにより、分析の準備ができている最終的濃縮サンプルが提供される。
先の態様に示した三ポートCPTにおいて、CPTの透過物側の最も低い面まで届くさらなる透過ラインは、空気が最も上の透過ポートを通過して浄化させ、透過物側の底に届くラインに液体を掃き入れることにより、操作の最後において、フィルターの透過物側中の流体の全てを除去させることができる。透過物側からの液体の全てを除去することは有益である。何故なら、それにより、気体の圧力を透過物側にかけて、それにより、溶出流体がフィルターを通過することを妨げるからである。これにより、最終的濃縮体積が小さくなり、最終体積の一貫性が増す。最初に液体の全てを除去することなく透過物に圧力をかけると、被保持物側に流れて戻り、それにより、被保持物流体体積と被保持物流体体積の多様性が増す。しかしながら、本例示的態様において示される二ポートCPTは、製造費用が安く、最終的濃縮体積がわずかに増えるのみであるが、その意図する目的には充分である。
図20は、本開示の例示的態様に従う、フラットフィルターを有するCPT2000の外観図を示す。CPT2000は、フィルターハウジング2002、溶出流体ポート2017、透過ポート2019およびサンプルポート2005を含む。フラットフィルターを示したが、後の態様に開示するような他のフィルター型またはフラットフィルターを有するCPTの操作における相違はない。
図21は、本開示の例示的態様に従う、フラットフィルターを有するCPTの水平断面図を示す。フィルターハウジング2102はフィルターハウジング密封領域2103を含み、フィルターハウジング2102の両側を結合可能にすることができる。フィルター密封領域2104はフィルター2101を所定の位置に保持し、これはフラット薄膜フィルターとして示されているが、任意のフィルター型であり得る。フラット薄膜フィルターの場合、フィルターサポートリブ2110がフィルターを中心に留まらせることができ、フィルター2101の被保持物側2106およびフィルター2101の透過物側2108のための空間を提供する。
図22は、本開示の例示的態様に従う、フラットフィルターを有するCPTの短くした垂直断面を示す。この例示的態様によれば、CPTはフィルターハウジング2202、溶出流体ポート2217、透過ポート2219を含み、フラット薄膜フィルター2201を収容する。フィルターの被保持物側2206は溶出流体ポート2217およびサンプルポート2205に結合され、フィルター2201の透過物側2208は透過ポート2219に結合される。
図23Aおよび23Bは、本開示の例示的態様に従う、中空繊維フィルターを有するCPTの図を示す。この例示的態様によれば、CPT2300はフィルターハウジング2302、溶出流体ポート2317、透過ポート2319、サンプル端部2305、および、埋込材に封入された一つ以上の中空繊維フィルター要素2301を含む。中空繊維フィルター要素2301は、図1のような先の態様に記載されているものと同様である。
図24は、本開示の例示的態様に従う、中空繊維フィルターを有するCPT2400の垂直断面を示す。この態様によれば、CPT2400はフィルターハウジング2402、溶出流体ポート2417、透過ポート2419、およびフィルター埋込材2403により所定の位置に保持されている一つ以上の中空繊維フィルター要素2401を含む。三つの中空繊維フィルター要素2401を示しているが、この開示を考慮して当業者はそれ以上または以下も考えることができる。中空繊維フィルター要素2401における開いた端部は、サンプル液体を引き込むためのサンプルポート2405として役立つ。
図25は、本開示の例示的態様に従う、中空繊維フィルターを有するCPTの水平断面を示す。フィルターハウジング2502は、複数の中空繊維フィルター要素2501を収容する。中空繊維フィルター要素2501の内側面は、フィルター被保持物側2506として役立ち、中空繊維フィルター要素2501の外側はフィルター透過物側2508として役立つ。
図19〜25の前記態様における垂直に向けられたフラットおよび中空繊維フィルターは、CPTの上端、すなわち、濃縮器への接合点における溶出および透過ポートに隣接している位置からフィルターの底まで伸びる。図1について説明したように、そのような方向および長さによって、非常に大きな薄膜表面積にわたって、頂上から底までの移動の方向において、ここに記載の接線方向洗い流しにより粒子を回収することが可能となり、また、被保持物の非常に小さな断面積故に、粒子を回収するために用いられる液体(または湿潤泡状物)の非常に少量体積のみを用いて大きな体積を迅速に処理することが可能になる。これにより、さらに、濃縮係数が著しく増加し、底部開口を通して引き込まれる非濃縮サンプルおよび同じ開口を通して分出される濃縮サンプルによってピペット内での使用が可能になる。さらに、最近の技術により開示されているように、別の透過ポートは、処理されるサンプル体積を、薄膜表面積/薄膜流速および処理にかかる時間によって制御できるようにし、これに対して、チップそのものの体積に基づいて制限を受ける。
さらに、ここに記載されているように、フィルターの被保持物面の外側の体積は、溶出中に溶出ポートと流体が行き来する状態であり、溶出中のこの側への加圧は、溶出中にフィルターの透過物側に移すことができる。例えば、フィルター溶出プロセス中に、溶出流体または湿潤泡状物を導入することは、被保持物側への圧力の著しい上昇を引き起こすことができる。この圧力の増加は、溶出流体または泡状物がフィルター表面に対して接線方向に被保持物体積を通過するように押される比較的速い速度に対して、被保持物の断面積が比較的小さいことが原因である。この瞬間的な圧力増加は、溶出流体または湿潤泡状物の一部を被保持物側から透過物側へフィルターを通過して流れさせることができ、その結果、溶出効率が低下し、溶出体積が様々になる。
被保持物側から透過物側への溶出流体または湿潤泡状物の流れを減少させるために、フィルターの透過物側に同じまたはほとんど同じ圧力をかけなくてはならない。この圧力を適用することができる複数の方法がある。サンプルの処理後、しかし溶出前に、1気圧に近い陰圧が、フィルターの透過物側に残る。一つの態様において、この陰圧は、ここに記載のような透過ドローの上に三方弁および逆止弁を用いることにより緩和することができる。サンプル処理中、透過ドローラインを流れが通るように三方弁が配される。サンプルの処理後、しかし溶出前に、透過ドローが閉じられるように三方弁が作動されるが、空気は逆止弁を通って流れ透過チャンバーに入る。溶出プロセス中、三方弁はこの位置に放置され、逆止弁は透過チャンバーを閉じる。このように、透過チャンバーは大気圧近くに維持されるが、溶出流体または湿潤泡状物が透過物側にほとんど流通しないように閉じられる。
もう一つの態様において、被保持物ラインと透過物ラインとの間のリンクとして作用するように、別の弁を加えることができる。サンプルを処理後、透過チャンバーを大気圧に戻すために三方弁および逆止弁が用いられる。次に、溶出プロセス中に別の弁を開き、それにより、フィルターの両側において同じまたはほとんど同じ圧力が維持されるように、溶出流体または湿潤泡状物を一時的に透過チャンバーの方に流す(被保持物側の圧力が増加するからである)。
もう一つの態様において、ポンプ、住宅空気、圧縮ガス、または濃縮ユニットに結合された溶出流体容器からの圧力のような外部圧力供給源を用いて透過チャンバーに圧力をかけることができる。さらにもう一つの態様において、溶出流体または湿潤泡状物が透過チャンバーまで流通するために利用できる空間が無いように、透過チャンバーを透過流体または別の非圧縮性流体で満たすまたは意図的に満たさせ、弁を閉じる。このように、溶出流体または湿潤泡状物の全てを、溶出プロセス中に、フィルターの被保持物側に作用させる。
本開示の例示的態様において、濃縮ピペットチップ(CPT)は一つではなく二つのフィルターを含み、それにより、カートリッジハウジングの寸法を大きくすることなく、フィルターの表面積を大きくする。図26〜28は、本開示の例示的態様に従う、二つのフィルターを有するCPTを説明している。図26は、本開示の例示的態様に従う、二つのフィルターを有するCPT2600の等角図を示す。CPT2600は二つのハウジング半体2602Aおよび2602Bを用いて構築され、その各々が、透過物側と被保持物側とを有するフィルターを収容している。CPT2600は、さらに、泡状物をCPT2600に入れることを可能にする溶出流体ポート2617、透過流体ポート2619、および、サンプルを入れることおよび被保持物流体へのチャンネルを提供することを可能にするサンプル端部2605を含む。
図27は、本開示の例示的態様に従う、二つのフィルターを有するCPT2700の分解図を示す。CPT2700は、一緒になってフラットフィルター薄膜2701Aおよび2601Bを収容することができる二つのハウジング半体2702Aおよび2702B、透過ポート2719と流体が行き来する状態である透過流体チャンネル2743、フィルターサポートリブ2710、および溶出流体入口ポート2717と流体が行き来する状態である被保持物流体チャンネル2742を含む。被保持物チャンネル2742は、密封して合わせられる二つの半体2702Aと2702Bとの間の空間により形成される。さらに、透過チャンネルを覆うために、前方および後方透過チャンネルカバー2741Aおよび2741Bが用いられ、透過チャンネルを排液させる。
前述のように、二つのフィルターの存在は、単一フィルター設計と比較すると大きな表面積を提供し、それにより、サンプル流速が増し、粒子負荷の影響が低下する。単一フィルターと同程度の表面積を達成するには、著しく大きなハウジングが必要となり、溶出効率が低下することになる。さらに、単一フィルター設計と比較して、断面形状が向上している。図28は、本開示の例示的態様に従う、二つのフィルターを有するCPT2800の断面図を示す。図26および27と同様に、CPT2800は、透過ドローおよび透過流体チャンネル2843と流体が行き来する状態である透過ライン2819を収容するように一緒に合わさることができる二つのハウジング半体2802Aおよび2802B、フィルター封止領域2804Aおよび2804Bによってハウジング半体の頂上部に結合されると共にフィルターサポートリブ2810により所定の位置に保持されている一対のフィルター2801Aおよび2801B、および、二つのハウジング半体2802Aと2802Bとの間の空間により形成される被保持物流体チャンネル2843を有する。フィルターハウジング封止領域2803は、二つのハウジング半体2802Aおよび2802Bを結合するための接触点を提供する。
図26〜28の上記態様における一対の垂直に向けられたフィルターは、CPTの上端、すなわち、濃縮器への接合点における溶出および透過ポートに隣接した位置から、フィルターの底部、すなわち、サンプル引き出し/被保持物流体ポートに隣接した位置まで伸びる。図1について記載したように、そのような方向および長さは、非常に大きな薄膜表面積にわたって、最上部から底面までの移動の方向において、ここに記載の接線方向洗い流しにより粒子を回収することを可能にし、被保持物の非常に小さい断面積故に、粒子を回収するために用いられる液体(または湿潤泡状物)の非常に小さい体積しか用いないで、大きな体積を迅速に処理することを可能にする。二フィルターCPTにより得られる大きな表面積に加えて、垂直配向は、さらに、大きく増加した濃縮係数を可能にし、サンプル中で引き出し同じ開口を通して被保持物流体を分出することにより使い捨てまたは一回のみ使用するCPTの効率的使用を可能にする。
この開示の目的において、透過チャンバーは、薄膜の透過表面とCPTのハウジングとの間に形成される体積であり、被保持物チャンバーは、薄膜の被保持物表面と前記ハウジングとお間に形成される体積である。二フィルターCPTについては、被保持物チャンバーは、被保持物表面の間に形成され、透過チャンバーは、各透過表面とそれぞれのハウジングとの間に形成される。中空繊維フィルターCPTにおいて、透過チャンバーは、各中空繊維フィルターの外側の合わせた体積により形成され、被保持物チャンバーは、各中空繊維フィルターの合わせた内側体積により形成される。別の態様において、透過および被保持物チャンバーの位置および構造を逆にすることができる。
ここに開示の態様は、選択された分析または検出法に適合性のある新しい清潔流体中に標的粒子を溶出する前に、その後の分析および検出手段を阻害するかもしれない非標的粒子および可溶性および不溶性成分を除去することを含む、自動化濃縮および同時清潔緩衝液交換を可能にする。さらに、サンプルを薄膜を通して処理した後、しかしサンプル溶出前に、洗浄流体がサンプルに対して洗浄され、フィルター上に保持され、フィルターを通過して透過物に至るように洗浄流体を処理することにより洗浄工程を実施することができる。ここに示すように緩衝液を交換しおよび/または可能性のある阻害剤を除去するようにサンプルを洗浄することは、時間および労力を節約し、検出器または分析器に高品質のサンプルを提供する。さらに、サンプルがいつ充分に処理されたか検出するためにフローセンサー、圧力センサーまたは泡センサーを濃縮装置に組み込むことにより、異なる濃度、粘度または組成を有するサンプルを動的に処理することができる。通常、一回のみ使用するCPTにおいて用いることが最も適しているフィルタータイプは、意図する寸法範囲の粒子の濃縮に必要な細孔径範囲の親水性薄膜フィルターである。この細孔径範囲の親水性薄膜フィルターは、いったん水で湿ると空気を薄膜を流通し始めさせるための大きな膜透過圧力を必要とするという独自の特徴を有する。この独自の特徴は、フィルターを通過する流速を著しく低下させ、また、その結果として、多くの場合、陰圧が増加し、および、増加した陰圧が原因で透過物側での泡の形成が増える。これらの変化は前述したようにセンサーを用いて検出することができ、このようにして、サンプル体積がチップを通って完全に処理された時点を決めることができ、サンプル処理工程を自動的に完了し溶出プロセスを自動的に行うことができる、または、使用者に溶出を開始する信号を送ることができる。市販されている多くのタイプの液体フローセンサーおよびスイッチがあり、それらは当業者に良く知られており、この出願に適用することができる。さらに、サンプルの最後を決めるために圧力センサーおよび泡センサーを用いることができる。さらに、親水性薄膜が、一回のみの操作を保証する、すなわち、CPTを一回以上の使用で操作できなくし、それにより、安全性を確保し、サンプル間の交差汚染を防止する。
前記装置は、医療、環境または安全用途において大きな有用性を有する。例示的態様において、記載したように濃縮することは、分析のために液体サンプル中に置かれることに耐えられるバイオテロ脅威物質または病原体についてのエアロゾルサンプリングを容易にする。例えばアメリカ疾病予防管理センター(CDC)により承認されているような、そのような病原体のリストを提供する。これらの生物は、前述のようにサンプルを濃縮することにより容易化される従来技術を用いて研究することができる。
Figure 0006782998
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この開示で用いられる濃縮フィルターチップ(CPT)は、いかなる使い捨てフィルターチップでもよく、例えば、指定代理人によって品番CC8001−10およびCC8001−60で販売されている0.1ミクロンポリエーテルスルホンフィルター、またはCC8000−10またはCC8000−60として販売されている0.4ミクロンポリカーボネート製のトラックがエッチングされた薄膜であってよい。100+mL/分の流速が支持されており、サンプルを入れる体積範囲は2Lまでであり、最終的濃縮サンプル体積範囲は、使用者が選択することができ、例えば、200〜1000μLである。例示的な粒径の可能性は用いられるCPTに依存し、細菌、寄生虫、黴、胞子および全細胞については0.1μm〜0.4μmの範囲であり得る。この開示を参考にして、当業者は、ウイルスおよび遊離DNAについて限外濾過することも考えられる。さらに、標準的範囲の限外濾過または精密濾過薄膜フィルター、および繊維フィルター、並びにゼータ電位フィルターのような引き寄せ機能のあるフィルターに含まれる任意のフィルターまたは薄膜フィルターを、1kD未満の分子量のまたは0.001μm未満の粒子から直径が1mmの大きな粒子または生物までを捕捉するためにCPT装置で用いることができる。タンパクおよび他の可溶性および不溶性材料および発熱物質を含む小さな粒子を含む種々の濃縮用途のために、1kD〜1000kDの範囲の限外濾過薄膜をCPTで用いることができる。遊離DNAおよび遊離RNAを、0.001μm〜0.02μmまたは1kD〜300kDのおよその範囲のフィルターを用いて捕捉および濃縮することができる。ウイルスは、通常、0.001μm〜0.1μmの物理的または効果的細孔径範囲の、または、1kD〜1000kDの一般的分画分子量の範囲のフィルターを用いて捕捉および濃縮することができる。細菌は、通常、0.01〜0.5μmの範囲の薄膜を用いて濃縮することができる。さらに、意図する粒子を捕捉するのに充分小さな物理的または効果的細孔径を有する膜を用いてよく、一部の例では、異なる寸法の複数の標的を単一濃縮サンプルに濃縮することができるように、標的粒子よりも著しく小さな細孔径を選択することができる。さらに、当業者により認識できるように、新規薄膜およびフィルター、およびここで述べたのもの以外の薄膜およびフィルターは、意図する特定の粒子を保持する目的に役立ち、CPTで用いるための信頼性のあるフィルターを提供することができる。
さらに、細菌の濃縮を開示したが、赤血球等のような血液成分を除去することにより血液サンプルを調製した後、例示的態様において血液中の病原細菌を濃縮するために開示した態様のいずれかを用いることができる。他の用途としては、食品および飲料の処理、(プロセス水、食品調製表面からの液体サンプルおよび産物洗浄水からの腐敗性生物および病原体の)安全性モニタリング、環境モニタリング(レクリエーション水モニタリング、排水モニタリング、レジオネラモニタリング)、飲料水、法医学、薬品製造および生物兵器防衛が挙げられる。
本開示の例示的態様の前記開示は、解説および説明の目的で提示した。対象を開示した正確な状態に制限することは意図していない。ここに記載の態様の多くの変形および修飾が、前記開示に照らして当業者には明らかである。対象開示の範囲は、ここに添付の請求の範囲およびその同等物の範囲によってのみ定義される。
さらに、本開示の典型的態様の記載において、明細書は、本開示の方法および/またはプロセスを工程の特定の配列として提示した。しかしながら、方法またはプロセスが、ここに提示の工程の特定の順番に依存しない限り、方法または工程は、記載した工程の特定の配列に制限すべきではない。当業者が理解するように、工程の他の配列が可能である。従って、明細書に提示された工程の特定の順番は、請求の範囲を制限すると見なすべきでない。さらに、本開示の方法および/またはプロセスに係わる請求の範囲は、記載した順番の工程の実施に制限されず、当業者は、その配列は変えてもよく、それでも本開示の精神および範囲内に留まることを容易に理解する。

Claims (2)

  1. 溶出流体が流入する溶出ポートと、透過ポートとを含み、
    第一フラットフィルター薄膜からなる第一フィルターに結合されたハウジングの前半を含み、前記第一フィルターは垂直に向けられると共に前記ハウジングの前半の長さに及び、第二フラットフィルター薄膜からなる第二フィルターに結合されたハウジングの後半を含み、前記第二フィルターは垂直に向けられると共に前記ハウジングの後半の長さに及び、
    前記ハウジングの前半と後半とが一緒にされ、
    前記ハウジングの下端に隣接して配された開口を介して吸引される液体サンプル中の複数の粒子が、前記第一および第二フィルターの被保持物面から溶出され、前記開口を介して分出されて流体体積が減少し、
    前記第一および第二フィルターの各々の被保持物面の間の体積から被保持物チャンバーが形成されることを特徴とする装置。
  2. 前記各フィルターと前記ハウジングのそれぞれの半分との間の体積から透過チャンバーが形成される請求項1に記載の装置。
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