JP2004344215A - 保温ポット - Google Patents
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Abstract
【課題】真空の密閉空間を有する容器において、保温時における消費電力の抑制を図ることができる保温ポットを提供することを目的とする。
【解決手段】容器1の側部に空間62を介して金属板61を設ける。外容器52と金属板61との間の空間62に形成された空気の層によって、外容器52から放出された熱が遮断されるとともに、金属板61が熱反射板として作用することによって容器1の外周面から空気中に放射される熱は金属板61により反射され、外部への放熱が防止される。そのため、保温時におけるヒータ2の消費電力の増加を最小限に抑制できる。
【選択図】 図1
【解決手段】容器1の側部に空間62を介して金属板61を設ける。外容器52と金属板61との間の空間62に形成された空気の層によって、外容器52から放出された熱が遮断されるとともに、金属板61が熱反射板として作用することによって容器1の外周面から空気中に放射される熱は金属板61により反射され、外部への放熱が防止される。そのため、保温時におけるヒータ2の消費電力の増加を最小限に抑制できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器内に収容される液体を加熱手段により加熱する保温ポットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の保温ポットは、容器内に収容される液体を高温(例えば98℃)に維持するために、容器を加熱する加熱手段が一定の電力を消費しているが、こうした保温時における消費電力の削減を意図したものとして、断熱性を必要とする容器を金属製の魔法瓶構造にしたもの、例えば特許文献1に開示されている金属製二重容器が知られている。この製造に際しては、ステンレス製の内容器の外側に、所定の隙間を形成しつつステンレス製の外容器を向かい合わせ、内容器と外容器の端部を全周囲溶接した二重容器とするとともに、内部空間を減圧して真空状態にしている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−223089号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術において、内容器と外容器とにより真空の密閉空間を有する容器を備えたものは、いわゆる一般的な魔法瓶とは異なり、加熱手段であるヒータを取り付ける容器の底部に真空の密閉空間を設けることができない。すなわち、容器の底部は真空層の存在しない一重構造のため、この容器の底部から、底部周辺→底部側面→外容器側面の順に熱伝導して、容器の外側に露出する外容器の側部全体が放熱面になってしまう。そのため、保温時の消費電力が少ない例えば容器の内容量が3リットルの保温ポットであっても、その消費電力は21〜23Wh程度が限界となっていた。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決しようとするものであり、真空の密閉空間を有する容器において、保温時における消費電力の抑制を図ることができる保温ポットを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1における保温ポットでは、容器に空間を介して設けた金属により、容器から放出される熱が反射されて放熱が防止される。そのため、保温時における加熱手段の消費電力の増加を最小限に抑制できる。
【0007】
本発明の請求項2における保温ポットでは、金属と容器の側部との間に静止空気層が形成されるため、熱滞留が起こらない。そのため、保温時における消費電力の増加をさらに最小限に抑制できる。
【0008】
本発明の請求項3における保温ポットでは、容器の側部に設けた真空断熱体と前記容器の位置が異なることで、容器の上端からの熱の放出を防止することができ、保温消費電力をさらに抑制できる。
【0009】
本発明の請求項4における保温ポットでは、容器の上部の外側にも真空断熱体を設けたので、容器の上端からの熱の放出を防止することができ、保温消費電力をさらに抑制できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における保温ポットの好ましい各実施例について、添付図面を参照しながら説明する。本発明の第1実施例を示す図1において、1は水または湯などの液体を収容する有底筒状の容器で、この容器1の底面下部には、容器1内の液体を沸騰および保温する加熱手段としてのヒータ2が一体的に組み込まれている。また3は、保温ポットの外郭となる本体で、これは外郭側面から底面の外周部を形成し、プラスチックなどの合成樹脂からなる略筒状のケース4と、このケース4の底面開口部を覆う底板5とにより構成される。前記ヒータ2付きの容器は、この本体3に隙間を有して吊設状態に収容される。その他に、容器1の底面下部には、容器1内の温度を検出する容器温度検出手段としての温度センサ7が設けられている。そして、温度センサ7で得られた容器1の温度情報に基づいて、後述する操作表示部21の内部に設けられた制御基板(図示せず)が、ヒータ2の通断電を制御するようになっている。
【0011】
前記容器1の底部には、液体の流出口11が開口形成される一方で、前記ケース4の前方上部には嘴状の突出部12が形成されており、この突出部12の下側には、容器1内の液体を本体3の外部に吐出する吐出口13が下向きに突出して設けられる。そして、流出口11と吐出口13との間には、容器1から吐出口13に通じる液体通路14が設けられるとともに、液体通路14は、容器1の底部に位置して流出口11に直接連通する送液手段としての電動ポンプ15と、電動ポンプ15の出口に継手16を介して接続された透明な水位パイプ(図示せず)と、水位パイプの出口から吐出口13に通じる逆流防止部18とにより構成される。
【0012】
21は、突出部12の上部に設けられた操作表示部であり、この操作表示部21の出液キーを押動操作すると、前記電動ポンプ15が作動し、容器1内の液体が液体通路14を通して吐出口13から外部に流出するようになっている。なお、前記操作表示部21には、他に保温温度を切換え設定する保温温度設定キーや、湯沸かし動作を開始させるための湯沸かしキーなどが設けられている。
【0013】
24は、容器1を含むケース4の上部開口を覆う開閉可能な蓋である。この蓋24は、ケース4の後部一端に設けられたヒンジ部25により回動自在に支持される。また蓋24の前部には、蓋24を閉状態に固定する蓋開閉レバー26が設けられており、この蓋開閉レバー26を操作すると、蓋24とケース4との係合が解除され、蓋24を開けることができるようになる。蓋24の下面には、蓋閉時において容器1の上面開口部28より外方に形成されたフランジ部29に密着当接する円環状の蓋パッキンが設けられる。さらに蓋24の内部空間には、前記容器1の上端開口28からの放熱を抑制するために、例えば発泡ポリプロピレンなどの蓋断熱材31が設けられる。なお、32はケース4の両側面に回動自在に支持されるU字状のハンドルである。
【0014】
また、本実施例における容器1は、容器1の内面をなす有底状の内容器51と、容器1の外面をなす外容器52の端部どうしを接合して形成される真空容器である。この内容器51と外容器52との間には、容器1の側部に位置して真空の密閉空間53が形成される。一方、加熱手段であるヒータ2が密着して取り付けられた容器1の底部は、このヒータ2からの熱を効率よく容器1内に伝えるために、密閉空間53が存在しない内容器51だけで形成される。すなわち、容器1の側部は内容器51と外容器52との間に密閉空間を介在させた二重構造であるのに対し、容器1の底部は内容器51のみの一重構造となっている。
【0015】
さらに、容器1の外容器52の側部は、筒状に形成された金属たる金属板61により囲まれている。この金属板61は、厚さが0.15〜0.3mmの薄い光輝アルミの板であって、その表面は光沢処理が施されて鏡面となっている。そして、金属板61は、外容器52の側部から3〜5mmの空間62を介して設けられている。なお、空間62を3〜5mmとすることによって外容器52と金属板61との間に空気の対流を生じない静止空気断熱層が形成されるようになっている。
【0016】
次に、上記構成についてその作用を説明すると、湯沸かしを行なうには、最初に蓋開閉レバー26に手を差し入れて、蓋24とケース4との係合を解除し、蓋24を開ける。そして、容器1内に液体である水を入れ、蓋24を再び閉じた後に、電源コンセントに接続した器具用差込プラグ(図示せず)を本体3に装着すると、ヒータ2が通電して容器1ひいては容器1内の水が加熱される。その後、温度センサ7からの温度情報により、容器1内の液体が沸騰温度に達したと判断すると、それまでの湯沸かしの代わりに保温が開始し、容器1内の湯が操作表示部21の保温温度設定キーで予め設定した設定温度(例えば98℃)になるような保温制御を開始する。
【0017】
保温時などにおいて、容器1の外周面から放射される熱は、容器1の外周を取り囲むようにして設けられた金属板61により遮断される。この場合、金属板61は、外容器52の側部から3〜5mmの空間62を介して設けられ、外容器52と金属板61との間に空気の対流を生じない静止空気断熱層が形成されているので、外容器52まで伝わった熱は、この静止空気断熱層により遮断される。さらに、光輝アルミからなる金属板61が熱反射板として作用し、外容器52から空気中に放出される熱が反射されて放熱が防止される。なお、金属板61は鏡面に加工されているため、熱の反射率は極めて高い。このため、内容器51の底部→外容器52の側面→外容器52の周囲の空気中という熱経路による熱伝達の速度が遅くなって放熱が抑えられ、容器1内の保温効率は一層向上する。
【0018】
以上のように本実施例では、内容器51により底部を形成し、内容器51および外容器52により真空の密閉空間53を有する側部を形成した容器1と、容器1の底部に設けた加熱手段であるヒータ2とからなる保温ポットにおいて、容器1の側部に空間62を介して金属板61を設けている。
【0019】
この場合、外容器52と金属板61との間の空間62に形成された空気の層によって、外容器52から放出された熱が遮断されるとともに、金属板61が熱反射板として作用することによって容器1の外周面から空気中に放射される熱は金属板61により反射され、外部への放熱が防止される。そのため、保温時におけるヒータ2の消費電力の増加を最小限に抑制できる。
【0020】
また、金属板61を容器1の側部に3〜5mmの空間を介して設けている。この場合、外容器52と金属板61との間の空間62に空気の対流を生じない静止空気断熱層が形成され、外容器52から放出された熱は、この静止空気断熱層により遮断される。そのため、保温時におけるヒータ2の消費電力の増加を最小限に抑制できる。
【0021】
次に、本発明の第2実施例を図2,図3に基づき説明する。なお、前記第1実施例と同一部分には同一符号を付し、その共通する箇所の説明は重複するため省略する。
【0022】
本実施例における容器1の外周には、真空断熱体としての真空断熱材41が密着状態で設けられている。真空断熱材41は、容器1の側部からの放熱を極力抑制するために、容器1の略全周を隙間なく覆っている。そして、真空断熱材41の上端部は、容器1の上端部よりも上方まで位置し、容器1のフランジ部29を支える枠部6の外周まで達している。ここで真空断熱材の41の構造を図3の断面図に基づき説明すると、42は真空断熱材41の芯材であり、この芯材42を真空状態で包み込む素材として、ポリプロピレンやオレフィンなどのシール層43と、フィルムにアルミニウム蒸着を施したアルミ蒸着層44と、ポリエステルやナイロン(登録商標)などの保護層を兼ねたバリア層45を積層してなる一対のラミネートフィルム46が設けられる。ラミネートフィルム46の最内層にあるシール層43は、ラミネートフィルム46を張り合わせて内部の真空を保持するためのものであり、またラミネートフィルム46の最外層にあるバリア層45は、ラミネートフィルム46を透過する気体を遮断するためのものである。ラミネートフィルム46の端部は、真空断熱材41の内部に真空の密閉空間47を形成するために、シール層43を利用して密着封止される。
【0023】
前記内容器51の内面上部には、内容器51の内径よりも小さな径の小径部55が、容器1の中心に向けて円環フランジ状に膨出形成される。この小径部55により囲まれた開口部を覆うようにして、前記蓋24が回動自在に支持されている。本実施例における蓋24の下面にある円環状の蓋パッキン30は、蓋閉時において容器1の上端にあるフランジ部29ではなく、このフランジ部29よりも下方にある小径部55の上面に密着当接する。
【0024】
小径部55から容器1の上端開口部にかけては、蓋閉時において蓋24の下部側面に臨む略垂直な内壁56が形成される。また、本実施例における蓋24内部の蓋断熱材31は、蓋24の上面直下のみならず、内壁56に対応して蓋24の下面直上にも一体若しくは分割して設けられる。
【0025】
一方、前記密閉空間53は、容器1の底部よりもさらに下方に延びて形成される。これにより、容器1の底部周辺にある接合部から容器1の最下端部に至る間には、内壁56と同様に熱の伝達速度を遅くする略垂直な壁部57が形成される。その他の構成は、第1実施例のものと共通している。
【0026】
上記構成において、蓋24を開けた状態で容器1内に水を入れ、蓋24を再び閉じた後に、電源コンセントに接続した器具用差込プラグ(図示せず)を本体3に装着すると、ヒータ2が通電して容器1ひいては容器1内の水が加熱される。その後、温度センサ7からの温度情報により、容器1内の液体が沸騰温度に達したと判断すると、それまでの湯沸かしの代わりに保温が開始し、容器1内の湯が操作表示部21の保温温度設定キーで予め設定した設定温度(例えば98℃)になるような保温制御を開始する。
【0027】
ここで、保温中の湯の熱は、内容器51の内面を伝って開口した小径部55の周囲から上方へ逃げようとするが、熱の伝導速度は水平方向より垂直方向のほうが遅く、小径部55の上部外周に形成される内容器51内面の内壁56の部分で熱伝導の速度が抑制される。
【0028】
また、容器1の側部は真空の密閉空間53を有する二重構造になっているので、外部への熱の放散を密閉空間53により効果的に抑制できるものの、一重構造の容器1の底部にある熱は、容器1の底部周辺にある接合部から二重構造である容器1の外側部へ逃げようとする。しかし本実施例では、この接合部と容器1の外側部との間に略垂直な壁部57が設けられているので、ここでも熱の伝導速度が抑えられ、結局は容器1の上部のみならず下部からの熱伝導が同時に抑制される。
【0029】
また本実施例では、内壁56に対向して蓋24の内部に蓋断熱材31を設けているので、内壁56に達した熱が蓋24の内部に伝わることを防止できると共に、蓋断熱材31によってこの内壁56の熱は行き場を失うので、容器1内の湯の保温効率を更に向上することが可能になる。
【0030】
さらに、容器1の外側面から放射される熱は、容器1の外周を取り囲むようにして設けられた真空断熱材41により遮断される。この場合、真空断熱材41は、容器1の外周に密着状態で設けられているので、容器1の側部まで伝わった熱は、大気と直接触れないまま真空断熱材41とにより遮断され、容器1内の保温効率は一層向上する。そして、真空断熱材41の上端部は、容器1の上端部よりも上方まで位置し、容器1のフランジ部29を支える枠部6の外周まで達しているので、内容器51の側面から小径部55の上方を経て枠部6まで伝わった熱は、真空断熱材41により遮断され、外部に放射されることがなく、容器1内の保温効率は更に向上する。
【0031】
以上のように本実施例では、内容器51により底部を形成し、内容器51および外容器52により真空の密閉空間53を有する側部を形成した容器1と、容器1の底部に設けた加熱手段であるヒータ2とからなる保温ポットにおいて、容器1の側部に真空断熱材41を設けるとともに、真空断熱体41の上端部が容器1の上端部よりも上方に位置するように構成している。
【0032】
この場合、容器1の外側面から放射される熱が大気と直接触れないまま真空断熱材41とにより遮断されるとともに、容器1の上端からの熱の放出が遮断される。このため、保温消費電力をさらに抑制できる。
【0033】
次に、本発明の第3実施例を図4に基づき説明する。なお、前記第1実施例や第2実施例と同一部分には同一符号を付し、その共通する箇所の説明は重複するため省略する。
【0034】
ここでの容器1は、第2実施例のものと同様に、容器1の内面をなす有底状の内容器51と、容器1の外面をなす外容器52の端部どうしを接合して形成される。真空容器からなる容器1の外周には、真空断熱体としての真空断熱材41aが密着状態で設けられている。真空断熱材41aは、容器1の側部からの放熱を極力抑制するために、容器1の略全周を隙間なく覆っている。また、これとは別の真空断熱材41bが容器1のフランジ部29を支える枠部6の外周に設けられている。これら真空断熱材41a,41bは、前記第2実施例で示したとおり(図3参照)、芯材42と、この芯材42を真空状態で包み込むラミネートフィルム46からなり、ラミネートフィルム46は、ポリプロピレンやオレフィンなどのシール層43と、フィルムにアルミニウム蒸着を施したアルミ蒸着層44と、ポリエステルやナイロン(登録商標)などの保護層を兼ねたバリア層45を積層して構成される。その他の構成は、第1実施例や第2実施例のものと共通している。
【0035】
上記構成において、蓋24を開けた状態で容器1内に水を入れ、蓋24を再び閉じた後に、電源コンセントに接続した器具用差込プラグ(図示せず)を本体3に装着すると、ヒータ2が通電して容器1ひいては容器1内の水が加熱される。その後、温度センサ7からの温度情報により、容器1内の液体が沸騰温度に達したと判断すると、それまでの湯沸かしの代わりに保温が開始し、容器1内の湯が操作表示部21の保温温度設定キーで予め設定した設定温度(例えば98℃)になるような保温制御を開始する。
【0036】
ここで、保温中の湯の熱は低い温度のほうへ移動しようとするが、内容器51の側部に伝わった熱は、外容器52との間に形成された密閉空間53により容器の外方に逃げることはない。一方、容器1の底部は、ヒータ2によって容器1内の液体を加熱する関係で、真空構造にできないため、湯の熱が容器1の底部に直接伝導し、そこから底部空間に放散すると共に、容器1の底部周辺から外容器52の側部を伝って、この側部全体から大気中に放散しようとする。しかし、本実施例では外容器52の側部全体を密着するように真空断熱材41aが覆っているので、外容器52の側部から周辺の空気中への放熱経路が遮断され、真空構造の容器1単独の場合よりもさらに保温効率を向上できる。そして、真空断熱材41bが容器1のフランジ部29を支える枠部6の外周に設けられているので、内容器51の側面から小径部55の上方を経て枠部6まで伝わった熱は、真空断熱材41bにより遮断され、外部に放射されることがなく、容器1内の保温効率は更に向上する。
【0037】
以上のように本実施例では、内容器51により底部を形成し、内容器51および外容器52により真空の密閉空間53を有する側部を形成した容器1と、容器1の底部に設けた加熱手段であるヒータ2とからなる保温ポットにおいて、容器1の側部に真空断熱材41aを設けるとともに、容器1の上端部の外周に別の真空断熱体41bを設けている。
【0038】
この場合、容器1の外側面から放射される熱が大気と直接触れないまま真空断熱材41aとにより遮断されるとともに、容器1の上端からの熱の放出が真空断熱材41bにより遮断される。このため、保温消費電力をさらに抑制できる。
【0039】
なお本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で適宜変更が可能である。例えば、容器1は本体3より着脱可能な構造としてもよい。
【0040】
【発明の効果】
本発明の請求項1における保温ポットによれば、容器に空間を介して設けた金属により、容器から放出される熱が反射されて放熱が防止され、保温時における加熱手段の消費電力の増加を最小限に抑制できる。
【0041】
本発明の請求項2における保温ポットによれば、金属と容器の側部との間に静止空気層が形成されるため、熱滞留が起こず、保温時における消費電力の増加をさらに最小限に抑制できる。
【0042】
本発明の請求項3における保温ポットによれば、容器の側部に設けた真空断熱体と前記容器の位置が異なることで、容器の上端からの熱の放出を防止することができ、保温消費電力をさらに抑制できる。
【0043】
本発明の請求項4における保温ポットによれば、容器の上部の外側にも真空断熱体を設けたので、容器の上端からの熱の放出を防止することができ、保温消費電力をさらに抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における保温ポットの断面図である。
【図2】本発明の第2実施例における保温ポットの断面図である。
【図3】同上、真空断熱材の断面図である。
【図4】本発明の第3実施例における保温ポットの断面図である。
【符号の説明】
1 容器
2 ヒータ(加熱手段)
41,41a,41b 真空断熱材(真空断熱体)
51 内容器
52 外容器
53 密閉空間
61 金属板(金属)
62 空間
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器内に収容される液体を加熱手段により加熱する保温ポットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の保温ポットは、容器内に収容される液体を高温(例えば98℃)に維持するために、容器を加熱する加熱手段が一定の電力を消費しているが、こうした保温時における消費電力の削減を意図したものとして、断熱性を必要とする容器を金属製の魔法瓶構造にしたもの、例えば特許文献1に開示されている金属製二重容器が知られている。この製造に際しては、ステンレス製の内容器の外側に、所定の隙間を形成しつつステンレス製の外容器を向かい合わせ、内容器と外容器の端部を全周囲溶接した二重容器とするとともに、内部空間を減圧して真空状態にしている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−223089号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術において、内容器と外容器とにより真空の密閉空間を有する容器を備えたものは、いわゆる一般的な魔法瓶とは異なり、加熱手段であるヒータを取り付ける容器の底部に真空の密閉空間を設けることができない。すなわち、容器の底部は真空層の存在しない一重構造のため、この容器の底部から、底部周辺→底部側面→外容器側面の順に熱伝導して、容器の外側に露出する外容器の側部全体が放熱面になってしまう。そのため、保温時の消費電力が少ない例えば容器の内容量が3リットルの保温ポットであっても、その消費電力は21〜23Wh程度が限界となっていた。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決しようとするものであり、真空の密閉空間を有する容器において、保温時における消費電力の抑制を図ることができる保温ポットを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1における保温ポットでは、容器に空間を介して設けた金属により、容器から放出される熱が反射されて放熱が防止される。そのため、保温時における加熱手段の消費電力の増加を最小限に抑制できる。
【0007】
本発明の請求項2における保温ポットでは、金属と容器の側部との間に静止空気層が形成されるため、熱滞留が起こらない。そのため、保温時における消費電力の増加をさらに最小限に抑制できる。
【0008】
本発明の請求項3における保温ポットでは、容器の側部に設けた真空断熱体と前記容器の位置が異なることで、容器の上端からの熱の放出を防止することができ、保温消費電力をさらに抑制できる。
【0009】
本発明の請求項4における保温ポットでは、容器の上部の外側にも真空断熱体を設けたので、容器の上端からの熱の放出を防止することができ、保温消費電力をさらに抑制できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における保温ポットの好ましい各実施例について、添付図面を参照しながら説明する。本発明の第1実施例を示す図1において、1は水または湯などの液体を収容する有底筒状の容器で、この容器1の底面下部には、容器1内の液体を沸騰および保温する加熱手段としてのヒータ2が一体的に組み込まれている。また3は、保温ポットの外郭となる本体で、これは外郭側面から底面の外周部を形成し、プラスチックなどの合成樹脂からなる略筒状のケース4と、このケース4の底面開口部を覆う底板5とにより構成される。前記ヒータ2付きの容器は、この本体3に隙間を有して吊設状態に収容される。その他に、容器1の底面下部には、容器1内の温度を検出する容器温度検出手段としての温度センサ7が設けられている。そして、温度センサ7で得られた容器1の温度情報に基づいて、後述する操作表示部21の内部に設けられた制御基板(図示せず)が、ヒータ2の通断電を制御するようになっている。
【0011】
前記容器1の底部には、液体の流出口11が開口形成される一方で、前記ケース4の前方上部には嘴状の突出部12が形成されており、この突出部12の下側には、容器1内の液体を本体3の外部に吐出する吐出口13が下向きに突出して設けられる。そして、流出口11と吐出口13との間には、容器1から吐出口13に通じる液体通路14が設けられるとともに、液体通路14は、容器1の底部に位置して流出口11に直接連通する送液手段としての電動ポンプ15と、電動ポンプ15の出口に継手16を介して接続された透明な水位パイプ(図示せず)と、水位パイプの出口から吐出口13に通じる逆流防止部18とにより構成される。
【0012】
21は、突出部12の上部に設けられた操作表示部であり、この操作表示部21の出液キーを押動操作すると、前記電動ポンプ15が作動し、容器1内の液体が液体通路14を通して吐出口13から外部に流出するようになっている。なお、前記操作表示部21には、他に保温温度を切換え設定する保温温度設定キーや、湯沸かし動作を開始させるための湯沸かしキーなどが設けられている。
【0013】
24は、容器1を含むケース4の上部開口を覆う開閉可能な蓋である。この蓋24は、ケース4の後部一端に設けられたヒンジ部25により回動自在に支持される。また蓋24の前部には、蓋24を閉状態に固定する蓋開閉レバー26が設けられており、この蓋開閉レバー26を操作すると、蓋24とケース4との係合が解除され、蓋24を開けることができるようになる。蓋24の下面には、蓋閉時において容器1の上面開口部28より外方に形成されたフランジ部29に密着当接する円環状の蓋パッキンが設けられる。さらに蓋24の内部空間には、前記容器1の上端開口28からの放熱を抑制するために、例えば発泡ポリプロピレンなどの蓋断熱材31が設けられる。なお、32はケース4の両側面に回動自在に支持されるU字状のハンドルである。
【0014】
また、本実施例における容器1は、容器1の内面をなす有底状の内容器51と、容器1の外面をなす外容器52の端部どうしを接合して形成される真空容器である。この内容器51と外容器52との間には、容器1の側部に位置して真空の密閉空間53が形成される。一方、加熱手段であるヒータ2が密着して取り付けられた容器1の底部は、このヒータ2からの熱を効率よく容器1内に伝えるために、密閉空間53が存在しない内容器51だけで形成される。すなわち、容器1の側部は内容器51と外容器52との間に密閉空間を介在させた二重構造であるのに対し、容器1の底部は内容器51のみの一重構造となっている。
【0015】
さらに、容器1の外容器52の側部は、筒状に形成された金属たる金属板61により囲まれている。この金属板61は、厚さが0.15〜0.3mmの薄い光輝アルミの板であって、その表面は光沢処理が施されて鏡面となっている。そして、金属板61は、外容器52の側部から3〜5mmの空間62を介して設けられている。なお、空間62を3〜5mmとすることによって外容器52と金属板61との間に空気の対流を生じない静止空気断熱層が形成されるようになっている。
【0016】
次に、上記構成についてその作用を説明すると、湯沸かしを行なうには、最初に蓋開閉レバー26に手を差し入れて、蓋24とケース4との係合を解除し、蓋24を開ける。そして、容器1内に液体である水を入れ、蓋24を再び閉じた後に、電源コンセントに接続した器具用差込プラグ(図示せず)を本体3に装着すると、ヒータ2が通電して容器1ひいては容器1内の水が加熱される。その後、温度センサ7からの温度情報により、容器1内の液体が沸騰温度に達したと判断すると、それまでの湯沸かしの代わりに保温が開始し、容器1内の湯が操作表示部21の保温温度設定キーで予め設定した設定温度(例えば98℃)になるような保温制御を開始する。
【0017】
保温時などにおいて、容器1の外周面から放射される熱は、容器1の外周を取り囲むようにして設けられた金属板61により遮断される。この場合、金属板61は、外容器52の側部から3〜5mmの空間62を介して設けられ、外容器52と金属板61との間に空気の対流を生じない静止空気断熱層が形成されているので、外容器52まで伝わった熱は、この静止空気断熱層により遮断される。さらに、光輝アルミからなる金属板61が熱反射板として作用し、外容器52から空気中に放出される熱が反射されて放熱が防止される。なお、金属板61は鏡面に加工されているため、熱の反射率は極めて高い。このため、内容器51の底部→外容器52の側面→外容器52の周囲の空気中という熱経路による熱伝達の速度が遅くなって放熱が抑えられ、容器1内の保温効率は一層向上する。
【0018】
以上のように本実施例では、内容器51により底部を形成し、内容器51および外容器52により真空の密閉空間53を有する側部を形成した容器1と、容器1の底部に設けた加熱手段であるヒータ2とからなる保温ポットにおいて、容器1の側部に空間62を介して金属板61を設けている。
【0019】
この場合、外容器52と金属板61との間の空間62に形成された空気の層によって、外容器52から放出された熱が遮断されるとともに、金属板61が熱反射板として作用することによって容器1の外周面から空気中に放射される熱は金属板61により反射され、外部への放熱が防止される。そのため、保温時におけるヒータ2の消費電力の増加を最小限に抑制できる。
【0020】
また、金属板61を容器1の側部に3〜5mmの空間を介して設けている。この場合、外容器52と金属板61との間の空間62に空気の対流を生じない静止空気断熱層が形成され、外容器52から放出された熱は、この静止空気断熱層により遮断される。そのため、保温時におけるヒータ2の消費電力の増加を最小限に抑制できる。
【0021】
次に、本発明の第2実施例を図2,図3に基づき説明する。なお、前記第1実施例と同一部分には同一符号を付し、その共通する箇所の説明は重複するため省略する。
【0022】
本実施例における容器1の外周には、真空断熱体としての真空断熱材41が密着状態で設けられている。真空断熱材41は、容器1の側部からの放熱を極力抑制するために、容器1の略全周を隙間なく覆っている。そして、真空断熱材41の上端部は、容器1の上端部よりも上方まで位置し、容器1のフランジ部29を支える枠部6の外周まで達している。ここで真空断熱材の41の構造を図3の断面図に基づき説明すると、42は真空断熱材41の芯材であり、この芯材42を真空状態で包み込む素材として、ポリプロピレンやオレフィンなどのシール層43と、フィルムにアルミニウム蒸着を施したアルミ蒸着層44と、ポリエステルやナイロン(登録商標)などの保護層を兼ねたバリア層45を積層してなる一対のラミネートフィルム46が設けられる。ラミネートフィルム46の最内層にあるシール層43は、ラミネートフィルム46を張り合わせて内部の真空を保持するためのものであり、またラミネートフィルム46の最外層にあるバリア層45は、ラミネートフィルム46を透過する気体を遮断するためのものである。ラミネートフィルム46の端部は、真空断熱材41の内部に真空の密閉空間47を形成するために、シール層43を利用して密着封止される。
【0023】
前記内容器51の内面上部には、内容器51の内径よりも小さな径の小径部55が、容器1の中心に向けて円環フランジ状に膨出形成される。この小径部55により囲まれた開口部を覆うようにして、前記蓋24が回動自在に支持されている。本実施例における蓋24の下面にある円環状の蓋パッキン30は、蓋閉時において容器1の上端にあるフランジ部29ではなく、このフランジ部29よりも下方にある小径部55の上面に密着当接する。
【0024】
小径部55から容器1の上端開口部にかけては、蓋閉時において蓋24の下部側面に臨む略垂直な内壁56が形成される。また、本実施例における蓋24内部の蓋断熱材31は、蓋24の上面直下のみならず、内壁56に対応して蓋24の下面直上にも一体若しくは分割して設けられる。
【0025】
一方、前記密閉空間53は、容器1の底部よりもさらに下方に延びて形成される。これにより、容器1の底部周辺にある接合部から容器1の最下端部に至る間には、内壁56と同様に熱の伝達速度を遅くする略垂直な壁部57が形成される。その他の構成は、第1実施例のものと共通している。
【0026】
上記構成において、蓋24を開けた状態で容器1内に水を入れ、蓋24を再び閉じた後に、電源コンセントに接続した器具用差込プラグ(図示せず)を本体3に装着すると、ヒータ2が通電して容器1ひいては容器1内の水が加熱される。その後、温度センサ7からの温度情報により、容器1内の液体が沸騰温度に達したと判断すると、それまでの湯沸かしの代わりに保温が開始し、容器1内の湯が操作表示部21の保温温度設定キーで予め設定した設定温度(例えば98℃)になるような保温制御を開始する。
【0027】
ここで、保温中の湯の熱は、内容器51の内面を伝って開口した小径部55の周囲から上方へ逃げようとするが、熱の伝導速度は水平方向より垂直方向のほうが遅く、小径部55の上部外周に形成される内容器51内面の内壁56の部分で熱伝導の速度が抑制される。
【0028】
また、容器1の側部は真空の密閉空間53を有する二重構造になっているので、外部への熱の放散を密閉空間53により効果的に抑制できるものの、一重構造の容器1の底部にある熱は、容器1の底部周辺にある接合部から二重構造である容器1の外側部へ逃げようとする。しかし本実施例では、この接合部と容器1の外側部との間に略垂直な壁部57が設けられているので、ここでも熱の伝導速度が抑えられ、結局は容器1の上部のみならず下部からの熱伝導が同時に抑制される。
【0029】
また本実施例では、内壁56に対向して蓋24の内部に蓋断熱材31を設けているので、内壁56に達した熱が蓋24の内部に伝わることを防止できると共に、蓋断熱材31によってこの内壁56の熱は行き場を失うので、容器1内の湯の保温効率を更に向上することが可能になる。
【0030】
さらに、容器1の外側面から放射される熱は、容器1の外周を取り囲むようにして設けられた真空断熱材41により遮断される。この場合、真空断熱材41は、容器1の外周に密着状態で設けられているので、容器1の側部まで伝わった熱は、大気と直接触れないまま真空断熱材41とにより遮断され、容器1内の保温効率は一層向上する。そして、真空断熱材41の上端部は、容器1の上端部よりも上方まで位置し、容器1のフランジ部29を支える枠部6の外周まで達しているので、内容器51の側面から小径部55の上方を経て枠部6まで伝わった熱は、真空断熱材41により遮断され、外部に放射されることがなく、容器1内の保温効率は更に向上する。
【0031】
以上のように本実施例では、内容器51により底部を形成し、内容器51および外容器52により真空の密閉空間53を有する側部を形成した容器1と、容器1の底部に設けた加熱手段であるヒータ2とからなる保温ポットにおいて、容器1の側部に真空断熱材41を設けるとともに、真空断熱体41の上端部が容器1の上端部よりも上方に位置するように構成している。
【0032】
この場合、容器1の外側面から放射される熱が大気と直接触れないまま真空断熱材41とにより遮断されるとともに、容器1の上端からの熱の放出が遮断される。このため、保温消費電力をさらに抑制できる。
【0033】
次に、本発明の第3実施例を図4に基づき説明する。なお、前記第1実施例や第2実施例と同一部分には同一符号を付し、その共通する箇所の説明は重複するため省略する。
【0034】
ここでの容器1は、第2実施例のものと同様に、容器1の内面をなす有底状の内容器51と、容器1の外面をなす外容器52の端部どうしを接合して形成される。真空容器からなる容器1の外周には、真空断熱体としての真空断熱材41aが密着状態で設けられている。真空断熱材41aは、容器1の側部からの放熱を極力抑制するために、容器1の略全周を隙間なく覆っている。また、これとは別の真空断熱材41bが容器1のフランジ部29を支える枠部6の外周に設けられている。これら真空断熱材41a,41bは、前記第2実施例で示したとおり(図3参照)、芯材42と、この芯材42を真空状態で包み込むラミネートフィルム46からなり、ラミネートフィルム46は、ポリプロピレンやオレフィンなどのシール層43と、フィルムにアルミニウム蒸着を施したアルミ蒸着層44と、ポリエステルやナイロン(登録商標)などの保護層を兼ねたバリア層45を積層して構成される。その他の構成は、第1実施例や第2実施例のものと共通している。
【0035】
上記構成において、蓋24を開けた状態で容器1内に水を入れ、蓋24を再び閉じた後に、電源コンセントに接続した器具用差込プラグ(図示せず)を本体3に装着すると、ヒータ2が通電して容器1ひいては容器1内の水が加熱される。その後、温度センサ7からの温度情報により、容器1内の液体が沸騰温度に達したと判断すると、それまでの湯沸かしの代わりに保温が開始し、容器1内の湯が操作表示部21の保温温度設定キーで予め設定した設定温度(例えば98℃)になるような保温制御を開始する。
【0036】
ここで、保温中の湯の熱は低い温度のほうへ移動しようとするが、内容器51の側部に伝わった熱は、外容器52との間に形成された密閉空間53により容器の外方に逃げることはない。一方、容器1の底部は、ヒータ2によって容器1内の液体を加熱する関係で、真空構造にできないため、湯の熱が容器1の底部に直接伝導し、そこから底部空間に放散すると共に、容器1の底部周辺から外容器52の側部を伝って、この側部全体から大気中に放散しようとする。しかし、本実施例では外容器52の側部全体を密着するように真空断熱材41aが覆っているので、外容器52の側部から周辺の空気中への放熱経路が遮断され、真空構造の容器1単独の場合よりもさらに保温効率を向上できる。そして、真空断熱材41bが容器1のフランジ部29を支える枠部6の外周に設けられているので、内容器51の側面から小径部55の上方を経て枠部6まで伝わった熱は、真空断熱材41bにより遮断され、外部に放射されることがなく、容器1内の保温効率は更に向上する。
【0037】
以上のように本実施例では、内容器51により底部を形成し、内容器51および外容器52により真空の密閉空間53を有する側部を形成した容器1と、容器1の底部に設けた加熱手段であるヒータ2とからなる保温ポットにおいて、容器1の側部に真空断熱材41aを設けるとともに、容器1の上端部の外周に別の真空断熱体41bを設けている。
【0038】
この場合、容器1の外側面から放射される熱が大気と直接触れないまま真空断熱材41aとにより遮断されるとともに、容器1の上端からの熱の放出が真空断熱材41bにより遮断される。このため、保温消費電力をさらに抑制できる。
【0039】
なお本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で適宜変更が可能である。例えば、容器1は本体3より着脱可能な構造としてもよい。
【0040】
【発明の効果】
本発明の請求項1における保温ポットによれば、容器に空間を介して設けた金属により、容器から放出される熱が反射されて放熱が防止され、保温時における加熱手段の消費電力の増加を最小限に抑制できる。
【0041】
本発明の請求項2における保温ポットによれば、金属と容器の側部との間に静止空気層が形成されるため、熱滞留が起こず、保温時における消費電力の増加をさらに最小限に抑制できる。
【0042】
本発明の請求項3における保温ポットによれば、容器の側部に設けた真空断熱体と前記容器の位置が異なることで、容器の上端からの熱の放出を防止することができ、保温消費電力をさらに抑制できる。
【0043】
本発明の請求項4における保温ポットによれば、容器の上部の外側にも真空断熱体を設けたので、容器の上端からの熱の放出を防止することができ、保温消費電力をさらに抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における保温ポットの断面図である。
【図2】本発明の第2実施例における保温ポットの断面図である。
【図3】同上、真空断熱材の断面図である。
【図4】本発明の第3実施例における保温ポットの断面図である。
【符号の説明】
1 容器
2 ヒータ(加熱手段)
41,41a,41b 真空断熱材(真空断熱体)
51 内容器
52 外容器
53 密閉空間
61 金属板(金属)
62 空間
Claims (4)
- 内容器により底部を形成し、前記内容器および外容器により真空の密閉空間を有する側部を形成した容器と、この容器の底部に設けた加熱手段とからなる保温ポットにおいて、前記容器に空間を介して金属を設けたことを特徴とする保温ポット。
- 前記金属を前記容器の側部に空間を介して設けたことを特徴とする請求項1記載の保温ポット。
- 内容器により底部を形成し、前記内容器および外容器により真空の密閉空間を有する側部を形成した容器と、この容器の底部に設けた加熱手段とからなる保温ポットにおいて、前記容器の側部に真空断熱体を設けるとともに、この真空断熱体と前記容器の位置が異なるように構成したことを特徴とする保温ポット。
- 内容器により底部を形成し、前記内容器および外容器により真空の密閉空間を有する側部を形成した容器と、この容器の底部に設けた加熱手段とからなる保温ポットにおいて、前記容器の側部に真空断熱体を設けるとともに、前記容器の上部の外側に真空断熱体を設けたことを特徴とする保温ポット。
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