JP2004343543A - ナースコールシステムとそのアダプタ装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】既存の移動通信システムを利用しつつ高機能のナースコールを実現する。
【解決手段】ナースコール親機2と、PBX4との間にアダプタ装置8を設け、このアダプタ装置8により、ナースコール親機2から送られるナースコール用の呼出信号に含まれる情報から呼出種別を判定し、この判定結果をもとに緊急呼出先或いは通常呼出先として予め設定されている携帯端末を記憶部83から選択する。そして、着番号情報要素に上記選択された携帯端末の電話番号を挿入すると共に、発番号情報要素に上記呼出種別及び呼出元の患者又は病室番号を挿入した呼設定メッセージを作成し、この呼設定メッセージを携帯端末71〜7mに向け送信するようにしたものである。
【選択図】 図2
【解決手段】ナースコール親機2と、PBX4との間にアダプタ装置8を設け、このアダプタ装置8により、ナースコール親機2から送られるナースコール用の呼出信号に含まれる情報から呼出種別を判定し、この判定結果をもとに緊急呼出先或いは通常呼出先として予め設定されている携帯端末を記憶部83から選択する。そして、着番号情報要素に上記選択された携帯端末の電話番号を挿入すると共に、発番号情報要素に上記呼出種別及び呼出元の患者又は病室番号を挿入した呼設定メッセージを作成し、この呼設定メッセージを携帯端末71〜7mに向け送信するようにしたものである。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、病院や介護老人ホーム等で使用されるナースコールシステムとそのアダプタ装置及びプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ナースコールシステムは、各病室に呼出ボタンを有する呼出子機をそれぞれ設置すると共に、ナースセンタにナースコール親機を設置している。そして、患者が呼出ボタンを操作した場合に、呼出子機からナースコール親機へ呼出信号を送信し、ナースコール親機で鳴音を発生すると共に呼出元の病室或いは患者の番号等を表示するように構成されている。ところが、このシステムでは、患者から呼出が発生した場合に、その旨がナースコール親機において鳴音等により報知される。このため、看護師が例えば病棟内を巡回している場合のように、ナースセンタに不在の場合には、上記呼出に看護師が気付くまでに時間がかかるという問題がある。
【0003】
そこで最近では、看護師に携帯電話機等の携帯端末を所持させ、患者から呼出が発生した場合にナースコール親機から上記携帯端末を呼び出すシステムが開発されている。このようなシステムであれば、看護師は巡回中においても患者の呼出を把握して迅速に対応することが可能となる。しかし、このシステムはナースコール親機が携帯端末を直接呼び出すものであるため、ナースコール対応の専用の携帯端末を用意しなければならず、システムのコストアップを招くという問題がある。
【0004】
一方、ナースコール親機を、変換装置を介して、コードレス電話機を収容する既存の無線主装置に対し接続し、ナースコール親機から出力される呼出信号を上記変換装置でダイヤル信号に変換して無線主装置に供給することにより、コードレス電話機を呼び出すシステムが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0005】
このようなシステムであれば、汎用のコードレス無線電話システムを利用することで、新たにシステムを構築する場合にシステムを安価に提供できる利点がある。また、既設のナースコールシステムにコードレス無線電話システムを増設する場合にも、変換装置を追加するだけで容易に接続することができる。
【0006】
【特許文献1】
特許第2738481号公報。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところがこの種のシステムは、既設のコードレス電話システムを利用することからシステム価格を安価に抑えることができる反面、呼出元の病室や患者の番号等の付加情報をコードレス電話機に表示させることができず、要求されるナースコール機能を十分に発揮できないという問題点があった。
【0008】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、既存の移動通信システムを利用しつつ高機能のナースコールを実現できるようにしたナースコールシステムとそのアダプタ装置及びプログラムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためにこの発明は、ナースコール親機と、呼出応対者が所持する携帯端末を呼び出す移動通信主装置と、上記ナースコール親機と移動通信主装置との間を接続するアダプタ装置とを備えるシステムにあって、上記ナースコール親機により、患者から呼出が発生した場合に呼出者を認識すると共に呼出の緊急度を判定し、上記認識された呼出者を表す識別情報及び上記緊急度を表す情報を含む呼出信号を生成してアダプタ装置へ送信する。一方、アダプタ装置においては、上記ナースコール装置から到来した呼出信号から呼出者を表す識別情報及び緊急度を表す情報を抽出し、この抽出された情報をもとに呼出先として適切な呼出応対者又は携帯端末の識別情報を選択する。そして、この選択された呼出応対者又は携帯端末の識別情報を着番号情報として含むと共に、上記抽出された呼出者を表す識別情報及び緊急度を表す情報を発番号情報として含む、上記移動通信主装置の規格に対応する発呼信号を生成し、この生成された発呼信号を移動通信主装置へ送出するようにしたものである。
【0010】
したがってこの発明によれば、アダプタ装置では、ナースコール親機と移動通信主装置との間の単なる呼出信号の変換に止まらず、呼出者又は呼出の緊急度に応じた最適な呼出先の選択と、移動通信主装置への呼出者を表す識別情報及び緊急度を表す情報の転送がそれぞれ行われる。このため携帯端末では、既存の発番号表示機能を利用することで、着呼時において呼出者を表す識別情報及び緊急度を表す情報を表示することが可能となる。したがって、看護師や介護師等の呼出応対者は呼出の発生のみならず、呼出元の病室又は患者の番号或いは名前を確認することが可能となり、さらに呼出の緊急度を確認することが可能となる。
【0011】
すなわち、既存の移動通信システムを利用するものでありながら、高機能のナースコールを実現できる。また、呼出者又は呼出の緊急度に応じた呼出先の選択をアダプタ装置で分担処理しているので、すべての処理をナースコール親機で行う場合に比べ、ナースコール親機の処理負担を低減することが可能となる。
【0012】
上記呼出先の選択手段及び発呼信号の送信手段としては、次の各種構成が考えられる。
第1の構成は、抽出された緊急度を表す情報をもとに緊急呼出であるか通常呼出であるかを判定し、この判定結果に基づいて緊急呼出先及び通常呼出先としてそれぞれ定められている携帯端末の識別情報を記憶手段から選択するものである。このように構成すると、携帯端末が複数台使用されている場合に、これらの携帯端末に対し緊急呼出と通常呼出とを自動分配することができる。
【0013】
第2の構成は、緊急呼出と判定された場合に、緊急呼出先として予め定められている複数の携帯端末の識別情報を記憶手段から選択し、この選択された複数の携帯端末に対し一斉に発呼信号を送出するものである。このように構成すると、緊急呼出の場合に複数の看護師又は介護師を一斉呼び出することが可能となり、これにより担当看護師又は介護師が手を離せないような状況にあっても、他の看護師又は介護師が速やかに対応することが可能となる。
【0014】
第3の構成は、緊急呼出と判定された場合に、緊急呼出先として予め決められている複数の携帯端末の識別情報を選択し、この選択された複数の携帯端末に対し発呼信号を着呼応答が検出されるまで所定の順序に従い順次送出するものである。このような構成であれば、最初に呼び出した看護師又は介護師からの着呼応答がない場合に次の看護師又は介護師が呼び出されるため、看護師又は介護師の効率を保持した上で緊急呼出に対応することが可能となる。
【0015】
第4の構成は、一定期間内にナースコール親機から複数の呼出信号が到来した場合に、これら複数の呼出信号に対応する発呼信号を緊急度の高い順に送信するものである。このように構成することで、複数の呼出が集中した場合に、緊急度の高い呼出から順に携帯端末を呼び出すことができ、これにより緊急呼出に対し遅れることなく迅速に対応することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、この発明に係わるナースコールシステムの第1の実施形態を示す概略構成図である。
【0017】
このナースコールシステムは、各病室にそれぞれ設置される病室ユニット11〜1nと、ナースセンタに設置されるナースコール親機2とを備え、これらの病室ユニット11〜1nとナースコール親機2との間はそれぞれ通信線路を介して接続される。またナースコールシステムは、例えば病院内の通信センタに設置される構内交換機(PBX:Private Branch Exchange)4を備える。このPBX4の内線インタフェースには無線ユニット6が接続され、またPBX4の局線インタフェースは公衆回線3を介して公衆網5に接続される。
【0018】
病室ユニット11〜1nは、病室の天井等に設置されたマイクロホン101及びスピーカ102と、トイレ・浴室用押しボタン103と、代表廊下灯104と、復旧ボタン105とを備え、これらはI/Oユニット106を介して個別情報廊下灯107に接続される。また病室ユニット11〜1nは、ハンド型子機109及び握り押しボタン110を備え、これらは病床の壁に設けられた壁埋め込み型子機108を介して上記個別情報廊下灯107に接続される。
【0019】
このうち、握り押しボタン110及びトイレ・浴室用押しボタン103は患者が看護師や介護師等の呼出応対者を呼び出す際に使用するもので、その操作信号はそれぞれ壁埋め込み型子機108又はI/Oユニット106を介して個別情報廊下灯107に伝えられる。また、壁埋め込み型子機108に設けられた押しボタンが押下された場合にも、操作信号が個別情報廊下灯107に伝えられる。個別情報廊下灯107は、上記各押しボタンの操作信号を受信すると、自身の表示部に呼出の発生を表示する。またそれと共に、呼出信号を生成してナースコール親機2へ送信する。呼出信号には、押しボタンの番号又はアドレス情報が挿入される。
【0020】
マイクロホン101とスピーカ102、ハンド型子機109、及び壁埋め込み型子機108は、患者が呼出に対し応答した看護師又は介護師と通話を行うために使用するもので、その通話信号は通話路を介してナースコール親機2へ送信される。通話路は、ナースコール親機2において看護師又は介護師が患者の呼出に対し応答操作することにより確立される。なお、復旧ボタン105は上記呼出をリセットする場合に使用される。
【0021】
ナースコール親機2は、例えばマイクロコンピュータを使用する制御部と、上記各病室ユニット11との間で信号の伝送を行うための通信インタフェースと、マイクロホン及びスピーカを有する通話部と、キー操作部及び表示部とを備えている。
【0022】
このうち制御部は、ナースコール親機2の動作を統括的に制御するもので、呼出表示制御機能や通話制御機能等の通常のナースコール制御機能に加え、呼出転送制御機能を備えている。呼出転送制御機能は、病室ユニット11〜1nから呼出信号が到来した場合に、この呼出が緊急呼出であるか通常呼出であるかを判定する。そして、上記呼出元の患者を識別する識別番号を含み、かつ上記緊急/通常の判定結果を付加情報として含む呼出信号を作成し、この呼出信号をPBX4に向け送信する。
【0023】
PBX4は、構内PHS(Personal Handyphone System)に対応する機能を備えたもので、交換制御部やタイムスイッチの他に、複数の内線インタフェースと、局線インタフェースとを備える。内線インタフェースには、図示しない複数の内線有線端末と共に、無線ユニット6の無線基地局61,62が接続される。無線基地局61,62はそれぞれ無線エリアを形成し、この無線エリア内に存在する携帯端末71〜7mとの間で無線回線を介して接続される。局線インタフェースには公衆回線3を介して公衆網5が接続される。
【0024】
ところで、前記ナースコール親機2とPBX4との間にはアダプタ装置8が設けてある。このアダプタ装置8は、ナースコール親機2とPBX4との間で通信プロトコル及び各種信号の変換処理を行うもので、例えば次のように構成される。図2はその機能構成を示すブロック図である。
【0025】
すなわちアダプタ装置8は、制御系として、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)と、プログラムメモリ82と、記憶部83と、RAM84と、通信インタフェース85と、入力部86及び表示部87とを備える。また、通話系としてスピーチコーデック(CODEC)88と、ISDN(Integrated Services Digital Network)インタフェース89と、通話増幅器91,92とを備えている。
【0026】
記憶部83は、例えばフラッシュメモリ又はハードディスク装置等の不揮発性記憶媒体を使用する。この記憶部83には、呼出種別を表す情報、つまり緊急呼出であるか通常呼出であるかを表す識別コードに対応付けて、緊急呼出先及び通常呼出先の携帯端末の電話番号が格納されている。RAM84は、ナースコール親機2或いはPBX4から送られた制御信号を一時保持するためのバッファとして使用される。
【0027】
通信インタフェース85は、CPU81の制御の下、ナースコール親機2及びPBX4との間で各種制御信号の送受信を行う機能を有する。入力部86は、例えばキースイッチ又はディップスイッチからなり、アダプタ装置8の動作モードを指定入力するために使用される。表示部87は、例えば複数のLED(Light Emitting Diode)からなり、CPU81の制御の下、アダプタ装置8の動作状態を表示する。
【0028】
スピーチコーデック88は、ナースコール親機2とPBX4との間で伝送される通話信号の信号変換を行う。具体的には、ナースコール親機2から到来したアナログ通話信号を、ISDN対応のディジタル通話信号に変換する。一方、PBX4から到来したISDN対応のディジタル通話信号を、ナースコール親機2で取り扱うことが可能なアナログ通話信号に変換する。
【0029】
ISDNインタフェース89は、PBX4との間で、ISDNで規定される信号フォーマットに従いディジタル通話信号の送受信動作を行う。通話増幅器91は、上記ナースコール親機2から到来したアナログ通話信号を、上記スピーチコーデック88のA/D変換処理に必要な信号レベルに増幅する。通話増幅器92は、スピーチコーデック88から出力されたアナログ通話信号を、ナースコール親機2で受信可能な信号レベルに増幅する。
【0030】
ところで、プログラムメモリ82には、この発明を実施するために必要なプログラムとして、呼出種別判定プログラム82aと、呼出先選択プログラム82bと、発呼信号送信制御プログラム82cとが格納されている。
【0031】
呼出種別判定プログラム82aは、ナースコール親機2から呼出信号が到来した場合に、この呼出信号から呼出種別を表す情報を抽出し、この抽出された呼出種別情報をもとに当該呼出が緊急呼出であるか通常呼出であるかを判定する。
【0032】
呼出先選択プログラム82bは、上記呼出種別の判定結果をもとに記憶部83をアクセスし、この記憶部83から緊急呼出先或いは通常呼出先の携帯端末の電話番号を読み出す。
【0033】
発呼信号送信制御プログラム82cは、携帯端末71〜7mを呼び出すためのPHS対応の発呼信号、つまり呼設定メッセージを作成する。この呼設定メッセージの作成では、上記呼出先選択プログラム82bにより選択された呼出先となる携帯端末の電話番号が着番号エリアに挿入され、また上記呼出信号から抽出された呼出種別を表す情報及び呼出元の患者を識別する識別番号が発番号エリアに挿入される。そして発呼信号送信制御プログラム82cは、上記作成された呼設定メッセージを、通信インタフェース85からPBX4へ向け送信する。
【0034】
次に、以上のように構成されたナースコールシステムの動作を、アダプタ装置8の動作を中心に説明する。図3は、アダプタ装置8における発呼制御処理の手順と内容を示すフローチャートである。
【0035】
いま仮に、病室11において患者が、握り押しボタン110或いはトイレ・浴室用押しボタン103を押下したとする。そうすると、その操作信号が壁埋め込み型子機108或いはI/Oユニット106を介して個別情報表示灯107に伝送される。個別情報表示灯107は、上記操作信号が受信されると、表示ランプ又はLEDを点灯することにより呼出の発生を表示する。またそれと共に、呼出元である上記握り押しボタン110の番号又はアドレス情報を含む呼出信号を作成し、この作成された呼出信号をナースコール親機2に向け送信する。
【0036】
ナースコール親機2は、病室ユニット11から呼出信号が到来すると、先ずこの呼出が緊急呼出であるか通常呼出であるかを判定する。この呼出種別の判定は、上記呼出信号に含まれる押しボタンの識別番号或いはアドレス情報をもとに行われる。例えば、識別番号が握り押しボタン110の番号であれば通常呼出と判定され、一方識別番号がトイレ・浴室用押しボタン103であれば緊急呼出と判定される。また、壁埋め込み子機108に設けられた押しボタンが押された場合にも、緊急呼出と判定される。
【0037】
続いてナースコール親機2は、上記呼出種別の識別コードと、呼出元の患者を識別する識別番号とを含む呼出信号を作成する。例えば、通常呼出の場合には、図5に示すように通常呼出であることを示す“000”と、呼出元の患者の識別番号「0123」とを含む呼出信号を作成する。これに対し緊急呼出の場合には、図5に示すように緊急呼出であることを示す“001”と、呼出元の患者の識別番号「0123」とを含む呼出信号を作成する。そして、この作成された呼出信号をPBX4に向け送信する。
【0038】
一方アダプタ装置8は、ステップ3aにおいてナースコール親機2からの制御信号の到来を監視している。そして、この状態でナースコール親機2から制御信号が到来すると、続いてステップ3bにおいて上記到来した制御信号が呼出信号であるか否かを判定する。
【0039】
この判定の結果、呼出信号の到来が検出されると、アダプタ装置8はステップ3cに移行し、このステップ3cにおいて上記到来した呼出信号の呼出種別を判定する。この呼出種別の判定は、呼出信号に含まれる呼出種別の識別コードをもとに行われる。そしてアダプタ装置8は、この呼出種別の判定結果に従い、呼出先の選択処理と発呼信号の作成及び送信処理を実行する。
【0040】
例えば、いま到来した呼出信号に含まれる呼出種別の識別コードが「通常呼出」だったとする。この場合アダプタ装置8は、ステップ3fに移行して、記憶部83から通常呼出先として予め設定されている携帯端末の電話番号(例えば携帯端末71の電話番号)を読み出す。すなわち、通常呼出先の携帯端末71を選択する。
【0041】
続いてステップ3gに移行し、PHS対応の発呼信号、つまり呼設定メッセージを作成する。例えば、図4に示すようにメッセージ種別を「呼設定」に設定し、さらに着番号を表す情報要素エリアに、上記読み出された携帯端末71の電話番号を挿入する。また、発番号を表す情報要素エリアに、上記到来した呼出信号から抽出された「通常呼出」であることを示す“000”と、呼出元の患者の識別番号「0123」とを挿入する。そして、ステップ3hにより、上記作成された呼設定メッセージを通信インタフェース85からPBX4へ向け送信する。
【0042】
PBX4は、アダプタ装置8から呼設定メッセージが到来すると、この呼設定メッセージの内容に従い着呼メッセージを作成し、この作成された着呼メッセージを無線基地局61を介して着信先の携帯端末71に向け送信する。このとき、着呼メッセージの発番号情報要素エリアには、「通常呼出」であることを示す“000”と、呼出元の患者の識別番号「0123」が挿入される。
【0043】
この結果、携帯端末71では着信が発生し、着信報知がなされる。また、このとき携帯端末71の表示部には、「通常呼出」であることを示す情報と、呼出元の患者の識別番号「0123」が表示される。したがって看護師又は介護師は、上記携帯端末71を所持することにより、病棟内のどこにいても呼出の発生と呼出元の患者を認識することができる。
【0044】
上記着信報知に対し携帯端末71を所持する看護師又は介護師が着信応答操作を行うと、当該携帯端末71と病室ユニット11のハンド型子機109との間に、ナースコール親機2、アダプタ装置8及びPBX4を介して通話路が形成され、以後看護師又は介護師は呼出元の患者との間で通話が可能となる。
【0045】
これに対し、ナースコール親機2から到来した呼出信号に含まれる呼出種別の識別コードが「緊急呼出」だったとする。この場合アダプタ装置8は、ステップ3dに移行して記憶部83から緊急呼出先として予め設定されている携帯端末の電話番号(例えば携帯端末73の電話番号)を読み出す。
【0046】
続いてステップ3eに移行し、ここで上記「通常呼出」の場合と同様に、図4に示すようにPHS対応の呼設定メッセージを作成する。すなわち、着番号を表す情報要素エリアに、上記読み出された携帯端末73の電話番号を挿入する。また、発番号を表す情報要素エリアには、上記到来した呼出信号から抽出された「緊急呼出」であることを示す“001”と、呼出元の患者の識別番号「0123」とを挿入する。そして、ステップ3hにおいて、上記作成された呼設定メッセージを、通信インタフェース85からPBX4へ向け送信する。
【0047】
PBX4は、アダプタ装置8から呼設定メッセージが到来すると、この呼設定メッセージの内容に応じて着呼メッセージを作成し、この作成された着呼メッセージを無線基地局61を介して着信先の携帯端末73へ送信する。このとき、着呼メッセージの発番号情報要素エリアには、「緊急呼出」であることを示す“001”と、呼出元の患者の識別番号「0123」が挿入される。
【0048】
この結果、緊急呼出先として予め設定された携帯端末73に着信が発生し、着信報知がなされる。また、このとき携帯端末73の表示部には、「緊急呼出」であることを示す情報と、呼出元の患者の識別番号「0123」が表示される。したがって看護師又は介護師は、例えば休憩中或いは病棟内を巡回中であっても、上記携帯端末73への着信により呼出の発生を知ることができ、しかも表示された情報から「緊急呼出」であることと呼出元の患者を認識することができる。
【0049】
上記着信報知に対し携帯端末73を所持する看護師又は介護師が着信応答操作を行うと、当該携帯端末73と病室ユニット11のマイクロホン101及びスピーカ102との間に、ナースコール親機2、アダプタ装置8及びPBX4を介して通話路が形成され、以後看護師又は介護師は呼出元の患者との間で通話が可能となる。
【0050】
以上述べたように第1の実施形態では、ナースコール親機2と、PBX4との間にアダプタ装置8を設ける。そして、このアダプタ装置8により、ナースコール親機2から送られるナースコール用の呼出信号に含まれる情報から呼出種別を判定し、この判定結果をもとに緊急呼出先或いは通常呼出先として予め設定されている携帯端末を記憶部83から選択する。また、着番号情報要素に上記選択された携帯端末の電話番号を挿入すると共に、発番号情報要素に上記呼出種別及び呼出元の患者又は病室番号を挿入した呼設定メッセージを作成し、この呼設定メッセージを携帯端末71〜7mに向け送信するようにしている。
【0051】
したがって第1の実施形態によれば、アダプタ装置8では、ナースコール親機2と、構内PHS交換機能を有する汎用のPBX4との間の単なる呼出信号の変換に止まらず、呼出の緊急度に応じた最適な携帯端末71〜7mの選択が行われる。このため、ナースコール親機2が着信先を特に指定しなくても、緊急度に応じて最適な携帯端末71〜7mを呼び出すことが可能となる。すなわち、既存のナースコール親機2の機能変更を行うことなく、緊急度に応じた携帯端末の選択呼出を実現できる。
【0052】
また、呼出種別を表す情報と、呼出元の患者又は病室の識別番号が、PBX4を介して呼出先の携帯端末71〜7mに通知され表示される。このため、看護師又は介護師は呼出の発生のみならず、呼出元の患者又は病室又は患者の番号或いは名前を確認することが可能となり、さらに呼出の緊急度を確認することが可能となる。
【0053】
(第2の実施形態)
この発明の第2の実施形態は、緊急呼出発生時にアダプタ装置が、携帯端末を呼び出すための発呼モードとして、一斉呼出モードと、順次呼出モードとを備える。そして、一斉呼出モードが選択されている場合には、緊急呼出先として選択された複数の携帯端末に対し一斉に発呼し、一方順次呼出モードが選択されている場合には、緊急呼出先として選択された複数の携帯端末に対し、着信応答が検出されるまで所定の順序に従い順次発呼するようにしたものである。
【0054】
図6は、この発明の第2の実施形態に係わるアダプタ装置の発呼制御処理手順とその内容を示すフローチャートである。なお、ナースコールシステム及びアダプタ装置のハードウエア構成については、前記第1の実施形態と同一なので前記図1及び図2を引用して説明を行う。
【0055】
図6に示すように、ステップ3cによる呼出種別の判定の結果、到来した呼出信号が緊急呼出であると判定すると、アダプタ装置8はステップ6aにより発呼モードを判定する。発呼モードは、病棟ごとの看護のシステム等に応じてシステムオペレータ、医師、看護師又は介護師が事前に指定入力することにより設定される。なお、例えば昼間と夜間により発呼モードが自動的に変更されるように構成することも可能である。
【0056】
いま仮に、発呼モードとして一斉呼出モードが設定されていたとする。この場合アダプタ装置8は、ステップ6bに移行してここで記憶部83から緊急呼出先として予め記憶されている複数の携帯端末の電話番号を読み出す。そして、この読み出された複数の携帯端末に対し発呼するための構内PHS対応の呼設定メッセージをステップ6cによりそれぞれ作成する。このとき、各呼設定メッセージの発番号を表す情報要素エリアには、「緊急呼出」であることを示す“001”と、呼出元の患者の識別番号「0123」とが挿入される。そして、ステップ6dにより、上記作成された各呼設定メッセージを通信インタフェース85からPBX4へ向け一斉に送信する。
【0057】
一方、発呼モードとして順次呼出モードが設定されていたとする。この場合アダプタ装置8は、ステップ6eに移行して記憶部83から緊急呼出先として予め記憶されている複数の携帯端末の電話番号のうちの1つを読み出す。読み出し順序は予め設定した優先順位に従う。続いてアダプタ装置8は、ステップ6fにより、上記読み出された携帯端末に対し発呼するための構内PHS対応の呼設定メッセージを作成する。このとき、呼設定メッセージの発番号を表す情報要素エリアには、上記一斉呼出モードの場合と同様に、「緊急呼出」であることを示す“001”と、呼出元の患者の識別番号「0123」とが挿入される。そして、ステップ6gにより、上記作成された呼設定メッセージを通信インタフェース85からPBX4へ向け送信する。
【0058】
次にアダプタ装置8は、ステップ6iにより一定時間の経過を監視しながら、ステップ6hにより上記呼設定メッセージの着信先となる携帯端末からの着呼応答を監視する。そして、上記一定時間内に着呼応答が検出されると、緊急呼出処理を終了する。
【0059】
これに対し、上記一定時間内に着呼応答が検出されない場合には、アダプタ装置8はステップ6jに移行して未選択の緊急呼出先がまだ残っているか否かを判定する。この判定の結果、未選択の緊急呼出先がまだ残っている場合にはステップ6eに戻り、記憶部83から優先順位が次の携帯端末の電話番号を読み出す。そして、この読み出された携帯端末の電話番号に従いステップ6fにより呼設定メッセージを作成し、この作成された呼設定メッセージをステップ6gによりPBX4に向け送信する。以後、携帯端末からの着信応答が検出されるまで、上記ステップ6e〜ステップ6jによる順次発呼制御を繰り返す。
【0060】
また、上記緊急呼出先として予め記憶されている複数の携帯端末のいずれからも着呼応答が検出されなかったとする。この場合アダプタ装置8は、ステップ6kに移行して、緊急呼出先として設定されていないすべての携帯端末を選択し、この選択された各携帯端末に対し一斉に呼設定メッセージを送信する。なお、このとき緊急呼出先として設定されていないすべての携帯端末に加え、緊急呼出先として設定されているすべての携帯端末に対しても、一斉に発呼するようにしてもよい。
【0061】
なお、通常呼出の場合には、先に述べた第1の実施形態と同様に通常呼出先として設定された携帯端末が1つ選択されて発呼が行われる。
【0062】
以上述べたように第2の実施形態では、緊急呼出が発生した場合の発呼モードとして、一斉呼出モードと、順次呼出モードとを備える。そして、一斉呼出モードが選択されている場合には、緊急呼出先として選択された複数の携帯端末に対し一斉に発呼する。一方、順次呼出モードが選択されている場合には、緊急呼出先として選択された複数の携帯端末に対し、着信応答が検出されるまで所定の優先順位に従い順次発呼するようにしている。
【0063】
したがって、一斉呼出モードが設定されている場合には、緊急呼出が発生すると緊急呼出担当の複数の看護師又は介護師が一斉に呼び出されることになる。このため、一部の看護師又は介護師が他の患者の看護又は介護業務から手を離せない状態にあっても、残りのいずれかの看護師又は介護師が上記緊急呼出に対し迅速に対応することが可能となる。
【0064】
一方順次呼出モードが設定されている場合には、緊急呼出担当の複数の看護師又は介護師が着信応答するまで一人ずつ順次呼び出される。このため、看護師又は介護師の看護効率を高く保った上で緊急呼出に対し確実に対応することが可能となる。
【0065】
また第2の実施形態では、順次呼出により緊急呼出担当の看護師又は介護師が一人も応答しなかった場合に、緊急呼出担当以外の看護師又は介護師に対し一斉呼出を行うようにしている。このため、緊急呼出に対しより一層確実に対応することが可能となる。
【0066】
(その他の実施形態)
前記各実施形態では、ナースコール親機2において、操作された押しボタンの種類に応じて緊急呼出か通常呼出かを判定するようにした。しかし、患者データベースに記憶されている患者の容体等を表す情報を考慮して判定するようにしてもよい。このようにすると、例えば同じ握り押しボタン110を操作した場合でも、そのときの患者の容体等により緊急呼出と通常呼出とを判定することができる。
【0067】
また、前記各実施形態では呼出種別、つまり緊急呼出であるか通常呼出であるかに応じて、呼出先となる携帯端末を選択するようにした。しかし、それに限るものではなく、呼出種別と呼出者のIDとをもとに呼出先の携帯端末を選択するようにしてもよい。例えば、病棟又は病室ごとに複数の担当看護師又は介護師が配置されている場合に、これら複数の担当看護師又は介護師の中から緊急呼出担当又は通常呼出担当の看護師又は介護師をそれぞれ選択する。このようにすると、患者からの呼出に対し当該患者を熟知する看護師又は介護師によりさらに適切な処置を講じることが可能となる。
【0068】
さらに前記各実施形態では、緊急呼出と通常呼出の2種類の呼出に応じて呼出先の携帯端末を選択し、呼設定メッセージの作成及び送信を行うようにした。しかし、緊急度の異なる3種類以上の呼出に応じて呼出先の携帯端末を選択し、呼設定メッセージの作成及び送信を行うようにしてもよい。
【0069】
さらに前記各実施形態では、携帯端末71〜7mにおいて患者又は病室の識別番号を表示するようにした。しかし、携帯端末71の電話帳に患者の名前を患者の識別番号に対応付けて記憶しておき、着呼メッセージに含まれる患者又は病室の識別番号をもとに電話帳から対応する患者の名前を読み出して表示するようにしてもよい。このようにすると、携帯端末71の表示部には患者又は病室の識別番号に代わって患者の氏名を表示することができる。このため、看護師又は介護師は自身の担当外の患者からの呼出に対しても、患者を名前により的確に認識することが可能となる。
【0070】
さらに前記各実施形態では、呼出信号に付加情報として呼出の緊急度を表す情報を含めるようにしたが、付加情報としては例えば呼出者の用件メッセージを含めるようにしてもよい。これは、例えば呼出子機に呼出用件に対応する複数の用件選択ボタンを設けておき、呼出者がこれらの用件選択ボタンのいずれかを押した場合に、この操作されたボタンに対応する用件メッセージ又はそれに代わる用件識別情報をメモリから読み出し、この用件メッセージ又は用件識別情報を付加情報として呼出信号に含めることにより実現できる。
【0071】
その他、ナースコールシステムの構成、移動通信主装置と携帯端末との間の無線アクセス方式、アダプタ装置の構成及び処理手順と内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0072】
要するに、この発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0073】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明では、ナースコール親機において、患者から呼出が発生した場合に呼出者を認識すると共に呼出の緊急度を判定し、上記認識された呼出者を表す識別情報及び上記緊急度を表す情報を含む呼出信号を生成してアダプタ装置へ送信する。一方、アダプタ装置においては、上記ナースコール装置から到来した呼出信号から呼出者を表す識別情報及び緊急度を表す情報を抽出し、この抽出された情報をもとに呼出先として適切な呼出応対者又は携帯端末の識別情報を選択する。そして、この選択された呼出応対者又は携帯端末の識別情報を着番号情報として含み、かつ上記抽出された呼出者を表す識別情報及び緊急度を表す情報を発番号情報として含む発呼信号を生成し、この生成された発呼信号を移動通信主装置へ送出するようにしている。
【0074】
したがってこの発明によれば、既存の移動通信システムを利用しつつ高機能のナースコールを実現することができるナースコールシステムとそのアダプタ装置及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係わるナースコールシステムの概略構成図。
【図2】図1に示したナースコールシステムのアダプタ装置の機能構成を示すブロック図。
【図3】図2に示したアダプタ装置による呼出信号の転送処理手順及びその処理内容を示すフローチャート。
【図4】図2に示すアダプタ装置により生成される発呼信号の構成を示す図。
【図5】ナースコール親機から送出される呼出信号の構成の一例を示す図。
【図6】この発明の第2の実施形態に係わるアダプタ装置による呼出信号の転送処理手順及びその処理内容を示すフローチャート。
【符号の説明】
11〜1n…病室ユニット、2…ナースコール親機、3…公衆回線、4…構内交換機(PBX)、5…公衆網、6…無線ユニット、8…アダプタ装置、61,62…無線基地局、71〜7m…携帯端末、81…中央処理ユニット(CPU)、82…プログラムメモリ、82a…呼出種別判定プログラム、82b…呼出先選択プログラム、82c…発呼信号送信制御プログラム、83…記憶部、84…RAM、85…通信インタフェース、86…入力部、87…表示部、88…スピーチコーデック(CODEC)、89…ISDNインタフェース、91,92…通話増幅器、101…スピーカ、102…マイクロホン、103…トイレ・浴室用押しボタン、104…代表廊下灯、105…復旧ボタン、106…I/Oユニット、107…個別情報廊下灯、108…壁埋め込み型子機、109…ハンド型子機、110…握り押しボタン。
【発明の属する技術分野】
この発明は、病院や介護老人ホーム等で使用されるナースコールシステムとそのアダプタ装置及びプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ナースコールシステムは、各病室に呼出ボタンを有する呼出子機をそれぞれ設置すると共に、ナースセンタにナースコール親機を設置している。そして、患者が呼出ボタンを操作した場合に、呼出子機からナースコール親機へ呼出信号を送信し、ナースコール親機で鳴音を発生すると共に呼出元の病室或いは患者の番号等を表示するように構成されている。ところが、このシステムでは、患者から呼出が発生した場合に、その旨がナースコール親機において鳴音等により報知される。このため、看護師が例えば病棟内を巡回している場合のように、ナースセンタに不在の場合には、上記呼出に看護師が気付くまでに時間がかかるという問題がある。
【0003】
そこで最近では、看護師に携帯電話機等の携帯端末を所持させ、患者から呼出が発生した場合にナースコール親機から上記携帯端末を呼び出すシステムが開発されている。このようなシステムであれば、看護師は巡回中においても患者の呼出を把握して迅速に対応することが可能となる。しかし、このシステムはナースコール親機が携帯端末を直接呼び出すものであるため、ナースコール対応の専用の携帯端末を用意しなければならず、システムのコストアップを招くという問題がある。
【0004】
一方、ナースコール親機を、変換装置を介して、コードレス電話機を収容する既存の無線主装置に対し接続し、ナースコール親機から出力される呼出信号を上記変換装置でダイヤル信号に変換して無線主装置に供給することにより、コードレス電話機を呼び出すシステムが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0005】
このようなシステムであれば、汎用のコードレス無線電話システムを利用することで、新たにシステムを構築する場合にシステムを安価に提供できる利点がある。また、既設のナースコールシステムにコードレス無線電話システムを増設する場合にも、変換装置を追加するだけで容易に接続することができる。
【0006】
【特許文献1】
特許第2738481号公報。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところがこの種のシステムは、既設のコードレス電話システムを利用することからシステム価格を安価に抑えることができる反面、呼出元の病室や患者の番号等の付加情報をコードレス電話機に表示させることができず、要求されるナースコール機能を十分に発揮できないという問題点があった。
【0008】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、既存の移動通信システムを利用しつつ高機能のナースコールを実現できるようにしたナースコールシステムとそのアダプタ装置及びプログラムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためにこの発明は、ナースコール親機と、呼出応対者が所持する携帯端末を呼び出す移動通信主装置と、上記ナースコール親機と移動通信主装置との間を接続するアダプタ装置とを備えるシステムにあって、上記ナースコール親機により、患者から呼出が発生した場合に呼出者を認識すると共に呼出の緊急度を判定し、上記認識された呼出者を表す識別情報及び上記緊急度を表す情報を含む呼出信号を生成してアダプタ装置へ送信する。一方、アダプタ装置においては、上記ナースコール装置から到来した呼出信号から呼出者を表す識別情報及び緊急度を表す情報を抽出し、この抽出された情報をもとに呼出先として適切な呼出応対者又は携帯端末の識別情報を選択する。そして、この選択された呼出応対者又は携帯端末の識別情報を着番号情報として含むと共に、上記抽出された呼出者を表す識別情報及び緊急度を表す情報を発番号情報として含む、上記移動通信主装置の規格に対応する発呼信号を生成し、この生成された発呼信号を移動通信主装置へ送出するようにしたものである。
【0010】
したがってこの発明によれば、アダプタ装置では、ナースコール親機と移動通信主装置との間の単なる呼出信号の変換に止まらず、呼出者又は呼出の緊急度に応じた最適な呼出先の選択と、移動通信主装置への呼出者を表す識別情報及び緊急度を表す情報の転送がそれぞれ行われる。このため携帯端末では、既存の発番号表示機能を利用することで、着呼時において呼出者を表す識別情報及び緊急度を表す情報を表示することが可能となる。したがって、看護師や介護師等の呼出応対者は呼出の発生のみならず、呼出元の病室又は患者の番号或いは名前を確認することが可能となり、さらに呼出の緊急度を確認することが可能となる。
【0011】
すなわち、既存の移動通信システムを利用するものでありながら、高機能のナースコールを実現できる。また、呼出者又は呼出の緊急度に応じた呼出先の選択をアダプタ装置で分担処理しているので、すべての処理をナースコール親機で行う場合に比べ、ナースコール親機の処理負担を低減することが可能となる。
【0012】
上記呼出先の選択手段及び発呼信号の送信手段としては、次の各種構成が考えられる。
第1の構成は、抽出された緊急度を表す情報をもとに緊急呼出であるか通常呼出であるかを判定し、この判定結果に基づいて緊急呼出先及び通常呼出先としてそれぞれ定められている携帯端末の識別情報を記憶手段から選択するものである。このように構成すると、携帯端末が複数台使用されている場合に、これらの携帯端末に対し緊急呼出と通常呼出とを自動分配することができる。
【0013】
第2の構成は、緊急呼出と判定された場合に、緊急呼出先として予め定められている複数の携帯端末の識別情報を記憶手段から選択し、この選択された複数の携帯端末に対し一斉に発呼信号を送出するものである。このように構成すると、緊急呼出の場合に複数の看護師又は介護師を一斉呼び出することが可能となり、これにより担当看護師又は介護師が手を離せないような状況にあっても、他の看護師又は介護師が速やかに対応することが可能となる。
【0014】
第3の構成は、緊急呼出と判定された場合に、緊急呼出先として予め決められている複数の携帯端末の識別情報を選択し、この選択された複数の携帯端末に対し発呼信号を着呼応答が検出されるまで所定の順序に従い順次送出するものである。このような構成であれば、最初に呼び出した看護師又は介護師からの着呼応答がない場合に次の看護師又は介護師が呼び出されるため、看護師又は介護師の効率を保持した上で緊急呼出に対応することが可能となる。
【0015】
第4の構成は、一定期間内にナースコール親機から複数の呼出信号が到来した場合に、これら複数の呼出信号に対応する発呼信号を緊急度の高い順に送信するものである。このように構成することで、複数の呼出が集中した場合に、緊急度の高い呼出から順に携帯端末を呼び出すことができ、これにより緊急呼出に対し遅れることなく迅速に対応することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、この発明に係わるナースコールシステムの第1の実施形態を示す概略構成図である。
【0017】
このナースコールシステムは、各病室にそれぞれ設置される病室ユニット11〜1nと、ナースセンタに設置されるナースコール親機2とを備え、これらの病室ユニット11〜1nとナースコール親機2との間はそれぞれ通信線路を介して接続される。またナースコールシステムは、例えば病院内の通信センタに設置される構内交換機(PBX:Private Branch Exchange)4を備える。このPBX4の内線インタフェースには無線ユニット6が接続され、またPBX4の局線インタフェースは公衆回線3を介して公衆網5に接続される。
【0018】
病室ユニット11〜1nは、病室の天井等に設置されたマイクロホン101及びスピーカ102と、トイレ・浴室用押しボタン103と、代表廊下灯104と、復旧ボタン105とを備え、これらはI/Oユニット106を介して個別情報廊下灯107に接続される。また病室ユニット11〜1nは、ハンド型子機109及び握り押しボタン110を備え、これらは病床の壁に設けられた壁埋め込み型子機108を介して上記個別情報廊下灯107に接続される。
【0019】
このうち、握り押しボタン110及びトイレ・浴室用押しボタン103は患者が看護師や介護師等の呼出応対者を呼び出す際に使用するもので、その操作信号はそれぞれ壁埋め込み型子機108又はI/Oユニット106を介して個別情報廊下灯107に伝えられる。また、壁埋め込み型子機108に設けられた押しボタンが押下された場合にも、操作信号が個別情報廊下灯107に伝えられる。個別情報廊下灯107は、上記各押しボタンの操作信号を受信すると、自身の表示部に呼出の発生を表示する。またそれと共に、呼出信号を生成してナースコール親機2へ送信する。呼出信号には、押しボタンの番号又はアドレス情報が挿入される。
【0020】
マイクロホン101とスピーカ102、ハンド型子機109、及び壁埋め込み型子機108は、患者が呼出に対し応答した看護師又は介護師と通話を行うために使用するもので、その通話信号は通話路を介してナースコール親機2へ送信される。通話路は、ナースコール親機2において看護師又は介護師が患者の呼出に対し応答操作することにより確立される。なお、復旧ボタン105は上記呼出をリセットする場合に使用される。
【0021】
ナースコール親機2は、例えばマイクロコンピュータを使用する制御部と、上記各病室ユニット11との間で信号の伝送を行うための通信インタフェースと、マイクロホン及びスピーカを有する通話部と、キー操作部及び表示部とを備えている。
【0022】
このうち制御部は、ナースコール親機2の動作を統括的に制御するもので、呼出表示制御機能や通話制御機能等の通常のナースコール制御機能に加え、呼出転送制御機能を備えている。呼出転送制御機能は、病室ユニット11〜1nから呼出信号が到来した場合に、この呼出が緊急呼出であるか通常呼出であるかを判定する。そして、上記呼出元の患者を識別する識別番号を含み、かつ上記緊急/通常の判定結果を付加情報として含む呼出信号を作成し、この呼出信号をPBX4に向け送信する。
【0023】
PBX4は、構内PHS(Personal Handyphone System)に対応する機能を備えたもので、交換制御部やタイムスイッチの他に、複数の内線インタフェースと、局線インタフェースとを備える。内線インタフェースには、図示しない複数の内線有線端末と共に、無線ユニット6の無線基地局61,62が接続される。無線基地局61,62はそれぞれ無線エリアを形成し、この無線エリア内に存在する携帯端末71〜7mとの間で無線回線を介して接続される。局線インタフェースには公衆回線3を介して公衆網5が接続される。
【0024】
ところで、前記ナースコール親機2とPBX4との間にはアダプタ装置8が設けてある。このアダプタ装置8は、ナースコール親機2とPBX4との間で通信プロトコル及び各種信号の変換処理を行うもので、例えば次のように構成される。図2はその機能構成を示すブロック図である。
【0025】
すなわちアダプタ装置8は、制御系として、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)と、プログラムメモリ82と、記憶部83と、RAM84と、通信インタフェース85と、入力部86及び表示部87とを備える。また、通話系としてスピーチコーデック(CODEC)88と、ISDN(Integrated Services Digital Network)インタフェース89と、通話増幅器91,92とを備えている。
【0026】
記憶部83は、例えばフラッシュメモリ又はハードディスク装置等の不揮発性記憶媒体を使用する。この記憶部83には、呼出種別を表す情報、つまり緊急呼出であるか通常呼出であるかを表す識別コードに対応付けて、緊急呼出先及び通常呼出先の携帯端末の電話番号が格納されている。RAM84は、ナースコール親機2或いはPBX4から送られた制御信号を一時保持するためのバッファとして使用される。
【0027】
通信インタフェース85は、CPU81の制御の下、ナースコール親機2及びPBX4との間で各種制御信号の送受信を行う機能を有する。入力部86は、例えばキースイッチ又はディップスイッチからなり、アダプタ装置8の動作モードを指定入力するために使用される。表示部87は、例えば複数のLED(Light Emitting Diode)からなり、CPU81の制御の下、アダプタ装置8の動作状態を表示する。
【0028】
スピーチコーデック88は、ナースコール親機2とPBX4との間で伝送される通話信号の信号変換を行う。具体的には、ナースコール親機2から到来したアナログ通話信号を、ISDN対応のディジタル通話信号に変換する。一方、PBX4から到来したISDN対応のディジタル通話信号を、ナースコール親機2で取り扱うことが可能なアナログ通話信号に変換する。
【0029】
ISDNインタフェース89は、PBX4との間で、ISDNで規定される信号フォーマットに従いディジタル通話信号の送受信動作を行う。通話増幅器91は、上記ナースコール親機2から到来したアナログ通話信号を、上記スピーチコーデック88のA/D変換処理に必要な信号レベルに増幅する。通話増幅器92は、スピーチコーデック88から出力されたアナログ通話信号を、ナースコール親機2で受信可能な信号レベルに増幅する。
【0030】
ところで、プログラムメモリ82には、この発明を実施するために必要なプログラムとして、呼出種別判定プログラム82aと、呼出先選択プログラム82bと、発呼信号送信制御プログラム82cとが格納されている。
【0031】
呼出種別判定プログラム82aは、ナースコール親機2から呼出信号が到来した場合に、この呼出信号から呼出種別を表す情報を抽出し、この抽出された呼出種別情報をもとに当該呼出が緊急呼出であるか通常呼出であるかを判定する。
【0032】
呼出先選択プログラム82bは、上記呼出種別の判定結果をもとに記憶部83をアクセスし、この記憶部83から緊急呼出先或いは通常呼出先の携帯端末の電話番号を読み出す。
【0033】
発呼信号送信制御プログラム82cは、携帯端末71〜7mを呼び出すためのPHS対応の発呼信号、つまり呼設定メッセージを作成する。この呼設定メッセージの作成では、上記呼出先選択プログラム82bにより選択された呼出先となる携帯端末の電話番号が着番号エリアに挿入され、また上記呼出信号から抽出された呼出種別を表す情報及び呼出元の患者を識別する識別番号が発番号エリアに挿入される。そして発呼信号送信制御プログラム82cは、上記作成された呼設定メッセージを、通信インタフェース85からPBX4へ向け送信する。
【0034】
次に、以上のように構成されたナースコールシステムの動作を、アダプタ装置8の動作を中心に説明する。図3は、アダプタ装置8における発呼制御処理の手順と内容を示すフローチャートである。
【0035】
いま仮に、病室11において患者が、握り押しボタン110或いはトイレ・浴室用押しボタン103を押下したとする。そうすると、その操作信号が壁埋め込み型子機108或いはI/Oユニット106を介して個別情報表示灯107に伝送される。個別情報表示灯107は、上記操作信号が受信されると、表示ランプ又はLEDを点灯することにより呼出の発生を表示する。またそれと共に、呼出元である上記握り押しボタン110の番号又はアドレス情報を含む呼出信号を作成し、この作成された呼出信号をナースコール親機2に向け送信する。
【0036】
ナースコール親機2は、病室ユニット11から呼出信号が到来すると、先ずこの呼出が緊急呼出であるか通常呼出であるかを判定する。この呼出種別の判定は、上記呼出信号に含まれる押しボタンの識別番号或いはアドレス情報をもとに行われる。例えば、識別番号が握り押しボタン110の番号であれば通常呼出と判定され、一方識別番号がトイレ・浴室用押しボタン103であれば緊急呼出と判定される。また、壁埋め込み子機108に設けられた押しボタンが押された場合にも、緊急呼出と判定される。
【0037】
続いてナースコール親機2は、上記呼出種別の識別コードと、呼出元の患者を識別する識別番号とを含む呼出信号を作成する。例えば、通常呼出の場合には、図5に示すように通常呼出であることを示す“000”と、呼出元の患者の識別番号「0123」とを含む呼出信号を作成する。これに対し緊急呼出の場合には、図5に示すように緊急呼出であることを示す“001”と、呼出元の患者の識別番号「0123」とを含む呼出信号を作成する。そして、この作成された呼出信号をPBX4に向け送信する。
【0038】
一方アダプタ装置8は、ステップ3aにおいてナースコール親機2からの制御信号の到来を監視している。そして、この状態でナースコール親機2から制御信号が到来すると、続いてステップ3bにおいて上記到来した制御信号が呼出信号であるか否かを判定する。
【0039】
この判定の結果、呼出信号の到来が検出されると、アダプタ装置8はステップ3cに移行し、このステップ3cにおいて上記到来した呼出信号の呼出種別を判定する。この呼出種別の判定は、呼出信号に含まれる呼出種別の識別コードをもとに行われる。そしてアダプタ装置8は、この呼出種別の判定結果に従い、呼出先の選択処理と発呼信号の作成及び送信処理を実行する。
【0040】
例えば、いま到来した呼出信号に含まれる呼出種別の識別コードが「通常呼出」だったとする。この場合アダプタ装置8は、ステップ3fに移行して、記憶部83から通常呼出先として予め設定されている携帯端末の電話番号(例えば携帯端末71の電話番号)を読み出す。すなわち、通常呼出先の携帯端末71を選択する。
【0041】
続いてステップ3gに移行し、PHS対応の発呼信号、つまり呼設定メッセージを作成する。例えば、図4に示すようにメッセージ種別を「呼設定」に設定し、さらに着番号を表す情報要素エリアに、上記読み出された携帯端末71の電話番号を挿入する。また、発番号を表す情報要素エリアに、上記到来した呼出信号から抽出された「通常呼出」であることを示す“000”と、呼出元の患者の識別番号「0123」とを挿入する。そして、ステップ3hにより、上記作成された呼設定メッセージを通信インタフェース85からPBX4へ向け送信する。
【0042】
PBX4は、アダプタ装置8から呼設定メッセージが到来すると、この呼設定メッセージの内容に従い着呼メッセージを作成し、この作成された着呼メッセージを無線基地局61を介して着信先の携帯端末71に向け送信する。このとき、着呼メッセージの発番号情報要素エリアには、「通常呼出」であることを示す“000”と、呼出元の患者の識別番号「0123」が挿入される。
【0043】
この結果、携帯端末71では着信が発生し、着信報知がなされる。また、このとき携帯端末71の表示部には、「通常呼出」であることを示す情報と、呼出元の患者の識別番号「0123」が表示される。したがって看護師又は介護師は、上記携帯端末71を所持することにより、病棟内のどこにいても呼出の発生と呼出元の患者を認識することができる。
【0044】
上記着信報知に対し携帯端末71を所持する看護師又は介護師が着信応答操作を行うと、当該携帯端末71と病室ユニット11のハンド型子機109との間に、ナースコール親機2、アダプタ装置8及びPBX4を介して通話路が形成され、以後看護師又は介護師は呼出元の患者との間で通話が可能となる。
【0045】
これに対し、ナースコール親機2から到来した呼出信号に含まれる呼出種別の識別コードが「緊急呼出」だったとする。この場合アダプタ装置8は、ステップ3dに移行して記憶部83から緊急呼出先として予め設定されている携帯端末の電話番号(例えば携帯端末73の電話番号)を読み出す。
【0046】
続いてステップ3eに移行し、ここで上記「通常呼出」の場合と同様に、図4に示すようにPHS対応の呼設定メッセージを作成する。すなわち、着番号を表す情報要素エリアに、上記読み出された携帯端末73の電話番号を挿入する。また、発番号を表す情報要素エリアには、上記到来した呼出信号から抽出された「緊急呼出」であることを示す“001”と、呼出元の患者の識別番号「0123」とを挿入する。そして、ステップ3hにおいて、上記作成された呼設定メッセージを、通信インタフェース85からPBX4へ向け送信する。
【0047】
PBX4は、アダプタ装置8から呼設定メッセージが到来すると、この呼設定メッセージの内容に応じて着呼メッセージを作成し、この作成された着呼メッセージを無線基地局61を介して着信先の携帯端末73へ送信する。このとき、着呼メッセージの発番号情報要素エリアには、「緊急呼出」であることを示す“001”と、呼出元の患者の識別番号「0123」が挿入される。
【0048】
この結果、緊急呼出先として予め設定された携帯端末73に着信が発生し、着信報知がなされる。また、このとき携帯端末73の表示部には、「緊急呼出」であることを示す情報と、呼出元の患者の識別番号「0123」が表示される。したがって看護師又は介護師は、例えば休憩中或いは病棟内を巡回中であっても、上記携帯端末73への着信により呼出の発生を知ることができ、しかも表示された情報から「緊急呼出」であることと呼出元の患者を認識することができる。
【0049】
上記着信報知に対し携帯端末73を所持する看護師又は介護師が着信応答操作を行うと、当該携帯端末73と病室ユニット11のマイクロホン101及びスピーカ102との間に、ナースコール親機2、アダプタ装置8及びPBX4を介して通話路が形成され、以後看護師又は介護師は呼出元の患者との間で通話が可能となる。
【0050】
以上述べたように第1の実施形態では、ナースコール親機2と、PBX4との間にアダプタ装置8を設ける。そして、このアダプタ装置8により、ナースコール親機2から送られるナースコール用の呼出信号に含まれる情報から呼出種別を判定し、この判定結果をもとに緊急呼出先或いは通常呼出先として予め設定されている携帯端末を記憶部83から選択する。また、着番号情報要素に上記選択された携帯端末の電話番号を挿入すると共に、発番号情報要素に上記呼出種別及び呼出元の患者又は病室番号を挿入した呼設定メッセージを作成し、この呼設定メッセージを携帯端末71〜7mに向け送信するようにしている。
【0051】
したがって第1の実施形態によれば、アダプタ装置8では、ナースコール親機2と、構内PHS交換機能を有する汎用のPBX4との間の単なる呼出信号の変換に止まらず、呼出の緊急度に応じた最適な携帯端末71〜7mの選択が行われる。このため、ナースコール親機2が着信先を特に指定しなくても、緊急度に応じて最適な携帯端末71〜7mを呼び出すことが可能となる。すなわち、既存のナースコール親機2の機能変更を行うことなく、緊急度に応じた携帯端末の選択呼出を実現できる。
【0052】
また、呼出種別を表す情報と、呼出元の患者又は病室の識別番号が、PBX4を介して呼出先の携帯端末71〜7mに通知され表示される。このため、看護師又は介護師は呼出の発生のみならず、呼出元の患者又は病室又は患者の番号或いは名前を確認することが可能となり、さらに呼出の緊急度を確認することが可能となる。
【0053】
(第2の実施形態)
この発明の第2の実施形態は、緊急呼出発生時にアダプタ装置が、携帯端末を呼び出すための発呼モードとして、一斉呼出モードと、順次呼出モードとを備える。そして、一斉呼出モードが選択されている場合には、緊急呼出先として選択された複数の携帯端末に対し一斉に発呼し、一方順次呼出モードが選択されている場合には、緊急呼出先として選択された複数の携帯端末に対し、着信応答が検出されるまで所定の順序に従い順次発呼するようにしたものである。
【0054】
図6は、この発明の第2の実施形態に係わるアダプタ装置の発呼制御処理手順とその内容を示すフローチャートである。なお、ナースコールシステム及びアダプタ装置のハードウエア構成については、前記第1の実施形態と同一なので前記図1及び図2を引用して説明を行う。
【0055】
図6に示すように、ステップ3cによる呼出種別の判定の結果、到来した呼出信号が緊急呼出であると判定すると、アダプタ装置8はステップ6aにより発呼モードを判定する。発呼モードは、病棟ごとの看護のシステム等に応じてシステムオペレータ、医師、看護師又は介護師が事前に指定入力することにより設定される。なお、例えば昼間と夜間により発呼モードが自動的に変更されるように構成することも可能である。
【0056】
いま仮に、発呼モードとして一斉呼出モードが設定されていたとする。この場合アダプタ装置8は、ステップ6bに移行してここで記憶部83から緊急呼出先として予め記憶されている複数の携帯端末の電話番号を読み出す。そして、この読み出された複数の携帯端末に対し発呼するための構内PHS対応の呼設定メッセージをステップ6cによりそれぞれ作成する。このとき、各呼設定メッセージの発番号を表す情報要素エリアには、「緊急呼出」であることを示す“001”と、呼出元の患者の識別番号「0123」とが挿入される。そして、ステップ6dにより、上記作成された各呼設定メッセージを通信インタフェース85からPBX4へ向け一斉に送信する。
【0057】
一方、発呼モードとして順次呼出モードが設定されていたとする。この場合アダプタ装置8は、ステップ6eに移行して記憶部83から緊急呼出先として予め記憶されている複数の携帯端末の電話番号のうちの1つを読み出す。読み出し順序は予め設定した優先順位に従う。続いてアダプタ装置8は、ステップ6fにより、上記読み出された携帯端末に対し発呼するための構内PHS対応の呼設定メッセージを作成する。このとき、呼設定メッセージの発番号を表す情報要素エリアには、上記一斉呼出モードの場合と同様に、「緊急呼出」であることを示す“001”と、呼出元の患者の識別番号「0123」とが挿入される。そして、ステップ6gにより、上記作成された呼設定メッセージを通信インタフェース85からPBX4へ向け送信する。
【0058】
次にアダプタ装置8は、ステップ6iにより一定時間の経過を監視しながら、ステップ6hにより上記呼設定メッセージの着信先となる携帯端末からの着呼応答を監視する。そして、上記一定時間内に着呼応答が検出されると、緊急呼出処理を終了する。
【0059】
これに対し、上記一定時間内に着呼応答が検出されない場合には、アダプタ装置8はステップ6jに移行して未選択の緊急呼出先がまだ残っているか否かを判定する。この判定の結果、未選択の緊急呼出先がまだ残っている場合にはステップ6eに戻り、記憶部83から優先順位が次の携帯端末の電話番号を読み出す。そして、この読み出された携帯端末の電話番号に従いステップ6fにより呼設定メッセージを作成し、この作成された呼設定メッセージをステップ6gによりPBX4に向け送信する。以後、携帯端末からの着信応答が検出されるまで、上記ステップ6e〜ステップ6jによる順次発呼制御を繰り返す。
【0060】
また、上記緊急呼出先として予め記憶されている複数の携帯端末のいずれからも着呼応答が検出されなかったとする。この場合アダプタ装置8は、ステップ6kに移行して、緊急呼出先として設定されていないすべての携帯端末を選択し、この選択された各携帯端末に対し一斉に呼設定メッセージを送信する。なお、このとき緊急呼出先として設定されていないすべての携帯端末に加え、緊急呼出先として設定されているすべての携帯端末に対しても、一斉に発呼するようにしてもよい。
【0061】
なお、通常呼出の場合には、先に述べた第1の実施形態と同様に通常呼出先として設定された携帯端末が1つ選択されて発呼が行われる。
【0062】
以上述べたように第2の実施形態では、緊急呼出が発生した場合の発呼モードとして、一斉呼出モードと、順次呼出モードとを備える。そして、一斉呼出モードが選択されている場合には、緊急呼出先として選択された複数の携帯端末に対し一斉に発呼する。一方、順次呼出モードが選択されている場合には、緊急呼出先として選択された複数の携帯端末に対し、着信応答が検出されるまで所定の優先順位に従い順次発呼するようにしている。
【0063】
したがって、一斉呼出モードが設定されている場合には、緊急呼出が発生すると緊急呼出担当の複数の看護師又は介護師が一斉に呼び出されることになる。このため、一部の看護師又は介護師が他の患者の看護又は介護業務から手を離せない状態にあっても、残りのいずれかの看護師又は介護師が上記緊急呼出に対し迅速に対応することが可能となる。
【0064】
一方順次呼出モードが設定されている場合には、緊急呼出担当の複数の看護師又は介護師が着信応答するまで一人ずつ順次呼び出される。このため、看護師又は介護師の看護効率を高く保った上で緊急呼出に対し確実に対応することが可能となる。
【0065】
また第2の実施形態では、順次呼出により緊急呼出担当の看護師又は介護師が一人も応答しなかった場合に、緊急呼出担当以外の看護師又は介護師に対し一斉呼出を行うようにしている。このため、緊急呼出に対しより一層確実に対応することが可能となる。
【0066】
(その他の実施形態)
前記各実施形態では、ナースコール親機2において、操作された押しボタンの種類に応じて緊急呼出か通常呼出かを判定するようにした。しかし、患者データベースに記憶されている患者の容体等を表す情報を考慮して判定するようにしてもよい。このようにすると、例えば同じ握り押しボタン110を操作した場合でも、そのときの患者の容体等により緊急呼出と通常呼出とを判定することができる。
【0067】
また、前記各実施形態では呼出種別、つまり緊急呼出であるか通常呼出であるかに応じて、呼出先となる携帯端末を選択するようにした。しかし、それに限るものではなく、呼出種別と呼出者のIDとをもとに呼出先の携帯端末を選択するようにしてもよい。例えば、病棟又は病室ごとに複数の担当看護師又は介護師が配置されている場合に、これら複数の担当看護師又は介護師の中から緊急呼出担当又は通常呼出担当の看護師又は介護師をそれぞれ選択する。このようにすると、患者からの呼出に対し当該患者を熟知する看護師又は介護師によりさらに適切な処置を講じることが可能となる。
【0068】
さらに前記各実施形態では、緊急呼出と通常呼出の2種類の呼出に応じて呼出先の携帯端末を選択し、呼設定メッセージの作成及び送信を行うようにした。しかし、緊急度の異なる3種類以上の呼出に応じて呼出先の携帯端末を選択し、呼設定メッセージの作成及び送信を行うようにしてもよい。
【0069】
さらに前記各実施形態では、携帯端末71〜7mにおいて患者又は病室の識別番号を表示するようにした。しかし、携帯端末71の電話帳に患者の名前を患者の識別番号に対応付けて記憶しておき、着呼メッセージに含まれる患者又は病室の識別番号をもとに電話帳から対応する患者の名前を読み出して表示するようにしてもよい。このようにすると、携帯端末71の表示部には患者又は病室の識別番号に代わって患者の氏名を表示することができる。このため、看護師又は介護師は自身の担当外の患者からの呼出に対しても、患者を名前により的確に認識することが可能となる。
【0070】
さらに前記各実施形態では、呼出信号に付加情報として呼出の緊急度を表す情報を含めるようにしたが、付加情報としては例えば呼出者の用件メッセージを含めるようにしてもよい。これは、例えば呼出子機に呼出用件に対応する複数の用件選択ボタンを設けておき、呼出者がこれらの用件選択ボタンのいずれかを押した場合に、この操作されたボタンに対応する用件メッセージ又はそれに代わる用件識別情報をメモリから読み出し、この用件メッセージ又は用件識別情報を付加情報として呼出信号に含めることにより実現できる。
【0071】
その他、ナースコールシステムの構成、移動通信主装置と携帯端末との間の無線アクセス方式、アダプタ装置の構成及び処理手順と内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0072】
要するに、この発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0073】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明では、ナースコール親機において、患者から呼出が発生した場合に呼出者を認識すると共に呼出の緊急度を判定し、上記認識された呼出者を表す識別情報及び上記緊急度を表す情報を含む呼出信号を生成してアダプタ装置へ送信する。一方、アダプタ装置においては、上記ナースコール装置から到来した呼出信号から呼出者を表す識別情報及び緊急度を表す情報を抽出し、この抽出された情報をもとに呼出先として適切な呼出応対者又は携帯端末の識別情報を選択する。そして、この選択された呼出応対者又は携帯端末の識別情報を着番号情報として含み、かつ上記抽出された呼出者を表す識別情報及び緊急度を表す情報を発番号情報として含む発呼信号を生成し、この生成された発呼信号を移動通信主装置へ送出するようにしている。
【0074】
したがってこの発明によれば、既存の移動通信システムを利用しつつ高機能のナースコールを実現することができるナースコールシステムとそのアダプタ装置及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係わるナースコールシステムの概略構成図。
【図2】図1に示したナースコールシステムのアダプタ装置の機能構成を示すブロック図。
【図3】図2に示したアダプタ装置による呼出信号の転送処理手順及びその処理内容を示すフローチャート。
【図4】図2に示すアダプタ装置により生成される発呼信号の構成を示す図。
【図5】ナースコール親機から送出される呼出信号の構成の一例を示す図。
【図6】この発明の第2の実施形態に係わるアダプタ装置による呼出信号の転送処理手順及びその処理内容を示すフローチャート。
【符号の説明】
11〜1n…病室ユニット、2…ナースコール親機、3…公衆回線、4…構内交換機(PBX)、5…公衆網、6…無線ユニット、8…アダプタ装置、61,62…無線基地局、71〜7m…携帯端末、81…中央処理ユニット(CPU)、82…プログラムメモリ、82a…呼出種別判定プログラム、82b…呼出先選択プログラム、82c…発呼信号送信制御プログラム、83…記憶部、84…RAM、85…通信インタフェース、86…入力部、87…表示部、88…スピーチコーデック(CODEC)、89…ISDNインタフェース、91,92…通話増幅器、101…スピーカ、102…マイクロホン、103…トイレ・浴室用押しボタン、104…代表廊下灯、105…復旧ボタン、106…I/Oユニット、107…個別情報廊下灯、108…壁埋め込み型子機、109…ハンド型子機、110…握り押しボタン。
Claims (9)
- 呼出入力部から送られる第1の呼出信号を受信するナースコール親機と、呼出応対者が所持する携帯端末を呼び出す移動通信主装置と、前記ナースコール親機と移動通信主装置との間を接続するアダプタ装置とを具備し、
前記ナースコール親機は、
前記受信された第1の呼出信号をもとに呼出者を認識する手段と、
前記受信された第1の呼出信号による呼出の緊急度を判定する手段と、
前記認識された呼出者を表す識別情報と、前記緊急度の判定結果を表す情報とを含む第2の呼出信号を生成する手段と、
前記生成された第2の呼出信号を前記アダプタ装置へ送出する手段と
を備え、
前記アダプタ装置は、
前記呼出応対者又は携帯端末の識別情報を格納した記憶手段と、
前記第2の呼出信号を受信し、この受信された第2の呼出信号から呼出者を表す識別情報及び緊急度の判定結果を表す情報を抽出する手段と、
前記抽出された情報をもとに、前記記憶手段から呼出先として適切な呼出応対者又は携帯端末の識別情報を選択する手段と、
前記選択された呼出応対者又は携帯端末の識別情報を着番号情報として含むと共に、前記抽出された呼出者を表す識別情報及び緊急度の判定結果を表す情報を発番号情報として含む、前記移動通信主装置の規格に対応する発呼信号を生成する手段と、
前記生成された発呼信号を前記移動通信主装置へ送出する手段と
を備え、
前記移動通信主装置は、
前記アダプタ装置から到来する発呼信号を受信する手段と、
前記受信された発呼信号に対応する着呼信号を着信先の携帯端末へ送信する手段と
を備えることを特徴とするナースコールシステム。 - 患者からの呼出に応じて、当該呼出者を表す識別情報及び呼出の緊急度を表す情報を含む呼出信号を生成し送出するナースコール親機と、呼出応対者が所持する携帯端末を呼び出す移動通信主装置との間を接続するアダプタ装置において、
前記呼出応対者又は携帯端末の識別情報を格納した記憶手段と、
前記呼出信号を受信し、この受信された呼出信号から呼出者を表す識別情報及び緊急度を表す情報を抽出する手段と、
前記抽出された情報をもとに、前記記憶手段から呼出先として適切な呼出応対者又は携帯端末の識別情報を選択する選択手段と、
前記選択された呼出応対者又は携帯端末の識別情報を着番号情報として含むと共に、前記抽出された呼出者を表す識別情報及び緊急度を表す情報を発番号情報として含む、前記移動通信主装置の規格に対応する発呼信号を生成し、この生成された発呼信号を前記移動通信主装置へ送出する送信手段と
を具備することを特徴とするアダプタ装置。 - 前記選択手段は、前記抽出された緊急度を表す情報をもとに緊急呼出であるか通常呼出であるかを判定し、この判定結果に基づいて緊急呼出先及び通常呼出先としてそれぞれ定められている携帯端末の識別情報を前記記憶手段から選択することを特徴とする請求項2記載のアダプタ装置。
- 前記選択手段は、緊急呼出と判定された場合に、緊急呼出先として予め定められている複数の携帯端末の識別情報を前記記憶手段から選択し、
前記送信手段は、前記選択された複数の携帯端末に対し一斉に発呼信号を送出することを特徴とする請求項3記載のアダプタ装置。 - 前記選択手段は、緊急呼出と判定された場合に、緊急呼出先として予め決められている複数の携帯端末の識別情報を選択し、
前記送信手段は、前記選択された複数の携帯端末に対し発呼信号を着呼応答が検出されるまで所定の順序に従い順次送出することを特徴とする請求項3記載のアダプタ装置。 - 前記送信手段は、一定期間内にナースコール親機から複数の呼出信号が到来した場合に、これら複数の呼出信号に対応する発呼信号を緊急度の高い順に送信することを特徴とする請求項2記載のアダプタ装置。
- 患者からの呼出に応じて当該呼出者を表す識別情報及び呼出の緊急度を表す情報を含む呼出信号を生成し送出するナースコール親機と、呼出応対者が所持する携帯端末を呼び出す移動通信主装置との間で、コンピュータを用いて伝送信号の変換処理を行うアダプタ装置のプログラムであって、
前記呼出信号を受信し、この受信された呼出信号から呼出者を表す識別情報及び緊急度を表す情報を抽出する処理と、
前記抽出された情報をもとに、呼出先として適切な呼出応対者又は携帯端末の識別情報を選択する処理と、
前記選択された呼出応対者又は携帯端末の識別情報を着番号情報として含むと共に、前記抽出された呼出者を表す識別情報及び緊急度を表す情報を発番号情報として含む、前記移動通信主装置の規格に対応する発呼信号を生成する処理と、
前記生成された発呼信号を前記移動通信主装置へ送出する処理と
を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。 - 呼出入力部から送られる第1の呼出信号を受信するナースコール親機と、呼出応対者が所持する携帯端末を呼び出す移動通信主装置と、前記ナースコール親機と移動通信主装置との間を接続するアダプタ装置とを具備し、
前記ナースコール親機は、
前記受信された第1の呼出信号をもとに呼出者を認識する手段と、
前記認識された呼出者を表す識別情報を含む第2の呼出信号を生成する手段と、
前記生成された第2の呼出信号を前記アダプタ装置へ送出する手段と
を備え、
前記アダプタ装置は、
前記呼出応対者又は携帯端末の識別情報を格納した記憶手段と、
前記第2の呼出信号を受信し、この受信された第2の呼出信号から呼出者を表す識別情報を抽出する手段と、
前記抽出された呼出者を表す識別情報をもとに、前記記憶手段から呼出先として適切な呼出応対者又は携帯端末の識別情報を選択する手段と、
前記選択された呼出応対者又は携帯端末の識別情報を着番号情報として含むと共に、前記抽出された呼出者を表す識別情報を発番号情報として含む、前記移動通信主装置の規格に対応する発呼信号を生成する手段と、
前記生成された発呼信号を前記移動通信主装置へ送出する手段と
を備え、
前記移動通信主装置は、
前記アダプタ装置から到来する発呼信号を受信する手段と、
前記受信された発呼信号に対応する着呼信号を着信先の携帯端末へ送信する手段と
を備えることを特徴とするナースコールシステム。 - 呼出入力部から送られる第1の呼出信号を受信するナースコール親機と、呼出応対者が所持する携帯端末を呼び出す移動通信主装置と、前記ナースコール親機と移動通信主装置との間を接続するアダプタ装置とを具備し、
前記ナースコール親機は、
前記受信された第1の呼出信号をもとに呼出者を認識する手段と、
前記受信された第1の呼出信号から呼出に係わる付加情報を認識する手段と、
前記認識された呼出者を表す識別情報及び前記付加情報を含む第2の呼出信号を生成する手段と、
前記生成された第2の呼出信号を前記アダプタ装置へ送出する手段と
を備え、
前記アダプタ装置は、
前記呼出応対者又は携帯端末の識別情報を格納した記憶手段と、
前記第2の呼出信号を受信し、この受信された第2の呼出信号から呼出者を表す識別情報及び付加情報を抽出する手段と、
前記抽出された情報をもとに、前記記憶手段から呼出先として適切な呼出応対者又は携帯端末の識別情報を選択する手段と、
前記選択された呼出応対者又は携帯端末の識別情報を着番号情報として含むと共に、前記抽出された呼出者を表す識別情報及び付加情報を発番号情報として含む、前記移動通信主装置の規格に対応する発呼信号を生成する手段と、
前記生成された発呼信号を前記移動通信主装置へ送出する手段と
を備え、
前記移動通信主装置は、
前記アダプタ装置から到来する発呼信号を受信する手段と、
前記受信された発呼信号に対応する着呼信号を着信先の携帯端末へ送信する手段と
を備えることを特徴とするナースコールシステム。
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