以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
本開示に係る技術的特徴は、既存のナースコール機能が使用するプロトコロルと、新たに導入される見守りシステムで使用されるプロトコルが一致しない場合に適用される。より具体的には、ナースコール機能あるいは見守りシステムによる通信を管理するサーバーは、既存のナースコール機能によって発信される信号の形式を、当該見守りシステムで使用されるプロトコルに従う信号の形式に変換する。サーバーは、さらに、見守りシステムで使用されるナースコール(以下「ケアコール」ともいう。)を受信するセンサー装置に、当該変換後の信号を送信する。センサー装置は、その信号を受信すると、ケアコールによる呼び出しを受信した場合と同様に、呼び出し信号とセンサー装置のカメラにより取得される画像データとを当該サーバーに送信して、呼び出しを介護者に通知する。
<システムの概要>
図1を参照して、見守りシステム100の概要について説明する。図1は、見守りシステム100の構成の一例を示す図である。見守り対象の一例は、施設180の居室領域RMに設けられた各居室内の入居者である。図1の見守りシステム100では、居室領域RMに、居室110,120が設けられている。居室110は、入居者111に割り当てられている。居室120は、入居者121に割り当てられている。
見守りシステム100は、ゲートウェイサーバー130と、交換装置135と、アクセスポイント140と、管理サーバー200と、センサーボックス119と、センサーボックス119と通信する各種機器と、携帯端末161,162,163,164とを含む。
ゲートウェイサーバー130は、施設180の内部ネットワーク(イントラネット)と、施設180の外部ネットワーク16とを互いに接続する。外部ネットワーク16は、たとえば、インターネットや公衆電話回線網である。また、外部ネットワーク16には、クラウドサーバー150と、プッシュサーバー160と、無線基地局15とが接続されている。
交換装置135は、施設180の内部ネットワークの各機器を互いに接続する。ある局面において、ルーターやスイッチが交換装置135として使用されてもよい。図1に示される例では、交換装置135の数は2であるが、当該数はこれに限定されない。施設180の内部ネットワークは、複数の交換装置135の組み合わせによって構成されてもよい。
アクセスポイント140は、携帯端末161,162を施設180の内部ネットワークに接続するために使用される。ある局面において、Wi-Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)ルーターが、アクセスポイント140として使用され得る。
管理サーバー200は、施設180の中のセンサーボックス119からイベント情報を受信し、各居室の入居者の情報を管理する。また、管理サーバー200は、携帯端末161,162とも通信し、当該携帯端末を保持するスタッフを管理すると共に、各携帯端末に各種の通知を送信する。なお、管理サーバー200は、携帯端末161,162に通知を送信する場合、外部のプッシュサーバー160を使用してもよい。また、外部のクラウドサーバー150が、管理サーバー200の一部または全ての機能を備えていてもよい。
センサーボックス119は、その筐体に内蔵されたカメラおよびセンサーと、居室110,120内の他の各種センサーと連携することにより、居室110,120内の入居者111,121に関する情報をそれぞれ取得する。当該情報は、各入居者の歩行を示す画像、体温や脈拍その他のバイタル情報等を含み得る。また、センサーボックス119は、内部ネットワークを介して、管理サーバー200に、取得した入居者111,121に関する情報を送信する。センサーボックス119の詳細は後述する。
携帯端末161,162は、施設180で介護に従事する介護者その他のスタッフにより使用される。スタッフは、携帯端末161,162を用いて、介護記録等を入力できる。携帯端末161,162は、当該介護記録を管理サーバー200に送信する。また、入居者111,121に問題が発生した場合には、スタッフは、携帯端末161,162を用いて、管理サーバー200から通知を受信する。携帯端末161,162は、施設180の中ではアクセスポイント140と接続され、内部ネットワークを介して管理サーバー200と通信する。本明細書の例では、介護者141,142,143,144がそれぞれ携帯端末161,162,163,164を保持している。
携帯端末163,164は、施設180の外からは、無線基地局15等を介して、ゲートウェイサーバー130を経由して管理サーバー200と通信することができる。携帯端末163,164が施設180の外から管理サーバー200と通信する場合、管理サーバー200から携帯端末163,164に提供されるサービスの一部は、入居者の情報を保護するために制限される場合がある。
なお、携帯端末161,162、アクセスポイント140、交換装置135等の他の装置の数は、図1に例示される数に限定されない。
居室110,120は、それぞれ、設備として、家具112、ベッド113、および、トイレ114を含む。居室110,120のドアには、当該ドアの開閉を検出するドアセンサー118がそれぞれ設置されている。トイレ114のドアには、トイレ114の開閉を検出するトイレセンサー116が設置されている。ベッド113には、入居者111の排泄情報を取得する臭いセンサー117が設置されている。入居者111は、当該入居者111のバイタル情報を検出するバイタルセンサー290を装着している。検出されるバイタル情報の一例は、入居者の体温である。他の例は、入居者の呼吸である。さらに他の例は、入居者の心拍数である。さらに他の例は、これらの情報の中の2以上の種類の情報である。居室110では、入居者111はケアコール子機115を操作することができる。入居者111がケアコール子機115を操作すると、ケアコール子機115は、呼び出し信号を発信し、呼び出し信号は、センサーボックス119により受信される。センサーボックス119は、その受信した呼び出し信号を管理サーバー200に送信する。管理サーバー200は、入居者111から呼び出しを受けていることを通知する信号を携帯端末220に送信する。
センサーボックス119は、居室110,120内の物体の挙動を検出するためのセンサーを内蔵する。センサーの一例は、物体の動作を検出するためのドップラーセンサーである。他の例は、カメラである。さらに他の例は、ケアコール子機115、ドアセンサー118、トイレセンサー116、臭いセンサー117、または、バイタルセンサー290である。センサーボックス119は、センサーとして、これらのセンサー中の少なくとも一つを含み得る。
図2を参照して、見守りシステム100の構成要素について説明する。図2は、見守りシステム100の構成の概要を示すブロック図である。
[センサーボックス119]
センサーボックス119は、制御装置101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、通信インターフェイス104と、カメラ105と、ドップラーセンサー106と、無線通信装置107と、記憶装置108とを備える。
制御装置101は、センサーボックス119を制御する。制御装置101は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)その他のプロセッサー、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらの組み合わせなどによって構成される。
通信インターフェイス104には、アンテナ(図示しない)などが接続される。センサーボックス119は、当該アンテナを介して、外部の通信機器との間でデータをやり取りする。外部の通信機器は、たとえば、管理サーバー200、携帯端末161,162,163,164その他の端末、アクセスポイント140、クラウドサーバー150、その他の通信端末などを含む。
カメラ105は、一実現例では、近赤外カメラである。近赤外カメラは、近赤外光を投光するIR(Infrared)投光器を含む。近赤外カメラが用いられることにより、夜間でも居室110,120の内部を表わす画像が撮影され得る。他の実現例では、カメラ105は、可視光のみを受光する監視カメラである。さらに他の実現例では、カメラ105として、3Dセンサやサーモグラフィーカメラが用いられてもよい。センサーボックス119およびカメラ105は、一体として構成されてもよいし、個別の装置の組み合わせとして構成されてもよい。
ドップラーセンサー106は、体動センサーとして機能する。ドップラーセンサー106は、マイクロ波、超音波その他の電波を発信及び受信して、居室110,120内の物体(例えば入居者111や介護スタッフ等)の挙動(動作)を検出する。これにより、居室110,120の入居者111,121の生体情報が検出され得る。
より具体的には、ドップラーセンサー106は、制御装置101に接続され、制御装置101の制御に従って、入居者111の呼吸に伴う胸部の体表の動きを測定する。ドップラーセンサー106は、マイクロ波や超音波を送信し(以下「送信波」ともいう。)、物体で反射されたマイクロ波(以下「受信波」ともいう。)を受信し、送信波と受信波とに基づいて、ドップラー周波数成分のドップラー信号を出力する。物体が動いている場合、反射波の周波数が所謂ドップラー効果により当該物体の動いている速度に比例してシフトする。そのため、送信波の周波数と反射波の周波数とに差(ドップラー周波数成分)が生じる。ドップラーセンサー106は、このドップラー周波数成分の信号をドップラー信号として所定のサンプリングレートで生成し、制御装置101に当該ドップラー信号を出力する。制御装置101は、ドップラーセンサー106からドップラー信号を受信すると、この受信したドップラー信号を時系列に記憶装置108に格納する。なお、マイクロ波が送信波として使用されると、当該マイクロ波は、着衣を透過して入居者111の体表で反射する。そのため、入居者111が衣服を着ていても体表の動きを検知できる。
一例では、各ドップラーセンサー106は、24GHz帯のマイクロ波を各居室110,120のベッド113に向けて放射し、入居者111,121等で反射した反射波を受信する。反射波は、入居者111,121の動作により、ドップラーシフトしている。ドップラーセンサー106は、当該反射波から、入居者111,121の呼吸状態や心拍数を検出し得る。
無線通信装置107は、ケアコール子機115、ドアセンサー118、トイレセンサー116、臭いセンサー117、および、バイタルセンサー290からの信号を受信し、当該信号を制御装置101へ送信する。ケアコール子機115は、ケアコールボタン241を備える。ケアコールボタン241が操作されると、ケアコール子機115は、当該操作があったことを示す信号(例えば呼び出し信号)を発信する。発信された信号は、無線通信装置107によって受信される。ドアセンサー118、トイレセンサー116、臭いセンサー117、および、バイタルセンサー290は、それぞれの検出結果を送信すると、送信された信号は、無線通信装置107によって受信される。
記憶装置108は、たとえば、フラッシュメモリーまたはハードディスク等の固定記憶装置、あるいは、外付けの記憶装置などの記録媒体である。記憶装置108は、制御装置101によって実行されるプログラム、および、当該プログラムの実行に利用される各種のデータを格納する。各種のデータは、入居者111,121の行動情報を含んでいてもよい。行動情報の詳細は後述する。
上記のプログラムおよびデータのうち少なくとも一方は、制御装置101がアクセス可能な記憶装置であれば、記憶装置108以外の記憶装置(たとえば、制御装置101の記憶領域(たとえば、キャッシュメモリーなど)、ROM102、RAM103、外部機器(たとえば、管理サーバー200や携帯端末161,162,163,164等)に格納されていてもよい。
[行動情報]
次に、本実施の形態における行動情報について、説明する。行動情報は、たとえば入居者111,121が所定の行動を実行したことを表わす情報である。一例では、所定の行動は、入居者111,121が起きたことを表わす「起床」、入居者111,121がベッド(寝具)113から離れたことを表わす「離床」、入居者111,121がベッド(寝具)113から落ちたことを表わす「転落」、および、入居者111,121が倒れたことを表わす「転倒」の4つの行動を含む。
さらに、行動情報は、入居者が介護を受けることを拒否するために行なう動作を含み得る。例えば、行動情報は、手で介護者を振り払う動作、脚で介護者を蹴ろうとする動作、ベッド113にしがみついて着替えを拒否する動作等を含み得る。
ある実施の形態では、制御装置101が、各居室110,120に設置されたカメラ105が撮像した画像に基づいて、各居室110,120に関連付けられた入居者111,121の各行動情報を生成する。制御装置101は、たとえば、上記画像から入居者111,121の頭部を検出し、この検出した入居者111,121の頭部における大きさの時間変化に基づいて、入居者111,121の「起床」、「離床」、「転倒」および「転落」の通常の情報に加えて、「介護拒否」という情報を検出する。以下、行動情報の生成の一具体例を、より詳細に説明する。
まず、記憶装置108に、居室110,120における各ベッド113の所在領域、第1閾値Th1、第2閾値Th2、および、第3閾値Th3が格納される。第1閾値Th1は、ベッド113の所在領域内において、横臥姿勢にあるときと座位姿勢にあるときとの間で入居者の頭部の大きさを識別する。第2閾値Th2は、ベッド113の所在領域を除く居室110,120内において、入居者の頭部の大きさに基づいて、当該入居者が立位姿勢にあるか否かを識別する。第3閾値Th3は、ベッド113の所在領域を除く居室110,120内において、入居者の頭部の大きさに基づいて、当該入居者が横臥姿勢にあるか否かを識別する。
制御装置101は、対象画像から、例えば背景差分法やフレーム差分法によって、入居者111,121の人物の領域として、動体領域を抽出する。制御装置101は、さらに、当該抽出した動体領域から、例えば円形や楕円形のハフ変換によって、予め用意された頭部のモデルを用いたパターンマッチングによって、頭部検出用に学習したニューラルネットワークによって導出された閾値を用いて、入居者111,121の頭部領域を抽出する。制御装置101は、当該抽出された頭部の位置および大きさから、「起床」、「離床」、「転倒」および「転落」を検知する。
制御装置101は、上記のように抽出された頭部の位置がベッド113の所在領域内にあり、かつ、上記のように抽出された頭部の大きさが第1閾値Th1を用いることによって横臥姿勢の大きさから座位姿勢の大きさへと変化したことを検出した場合に、行動「起床」が発生したことを決定してもよい。
制御装置101は、上記のように抽出された頭部の位置がベッド113の所在領域内からベッド113の所在領域外へ移動した場合において、上記のように抽出された頭部の大きさに対して第2閾値Th2を適用することにより、頭部がある大きさから立位姿勢の大きさへと変化したことを検出したときには、行動「離床」が発生したと判定してもよい。
制御装置101は、上記のように抽出された頭部の位置がベッド113の所在領域内からベッド113の所在領域外へ移動した場合において、上記のように抽出された頭部の大きさに対して第3閾値Th3を適用することにより、頭部がある大きさから横臥姿勢の大きさへと変化したことを検出したときには、行動「転落」が発生したと判定してもよい。
制御装置101は、上記のように抽出された頭部の位置がベッド113の所在領域を除く居室110,120内に位置し、かつ、抽出された頭部の大きさが第3閾値Th3を用いることによって或る大きさから横臥姿勢の大きさへと変化したことを検出した場合には、行動「転倒」が発生したと決定してもよい。
さらに、制御装置101は、画像データから入居者に加えて介護者を検出し、入居者と介護者との間隔を推定する。制御装置は、当該間隔が予め定められた通常の間隔よりも短いと推定すると、介護拒否行動が行なわれていると判断し得る。さらに、制御装置101は、入居者の動作が通常と違う動きを示していると判断すると、当該入居者は介護者に対して、介護拒否行動を示していると判断し得る。
以上説明されたように、一具体例では、センサーボックス119の制御装置101が、入居者111,121の各行動情報を生成する。なお、他の局面に従う見守りシステム100では、居室110,120内の画像を用いて、制御装置101以外の他の要素(例えば、クラウドサーバー150)が入居者111,121の行動情報を生成してもよい。
[携帯端末220]
携帯端末220は、制御装置221と、ROM222と、RAM223と、通信インターフェイス224と、ディスプレイ226と、記憶装置228と、入力デバイス229とを含む。ある局面において、携帯端末161,162,163,164は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、腕時計型端末その他のウェアラブル装置等として実現される。
制御装置221は、携帯端末161,162,163,164を制御する。制御装置221は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのASIC、少なくとも1つのFPGA、またはそれらの組み合わせなどによって構成される。
通信インターフェイス224には、アンテナ(図示しない)などが接続される。携帯端末161,162,163,164は、当該アンテナおよびアクセスポイント140を介して、外部の通信機器との間でデータをやり取りする。外部の通信機器は、たとえば、センサーボックス119、管理サーバー200などを含む。
ディスプレイ226は、たとえば、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、液晶ディスプレイ等によって実現される。入力デバイス229は、たとえばディスプレイ226に設けられたタッチセンサーによって実現される。当該タッチセンサーは、携帯端末161,162,163,164に対するタッチ操作を受け付け、当該タッチ操作に応じた信号を制御装置221へ出力する。
記憶装置228は、たとえば、フラッシュメモリー、ハードディスクその他の固定記憶装置、あるいは、着脱可能なデータ記録媒体等により実現される。
図3を参照して、複数のシステムにおける呼び出し信号の送信について説明する。図3は、見守りシステム100とシステム300とが接続された状態を表わす図である。ある実施の形態において、見守りシステム100はシステム300と連携するように構成される。例えば、システム300が既存のシステムとして施設等で使用されている場合、新たに導入される見守りシステム100は、システム300に接続され得る。システム300は、呼び出し機構310と、構内PBX(Private Branch eXchange)350と、応答機構360と、外部応答機構370とを含む。
呼び出し機構310は、居室110,120と、トイレ・浴室330と、廊下340とに設けられる。例えば、居室110,120は、それぞれ、呼び出しボタン320と、呼び出し装置321と、各種センサー322と、電話機323とを含む。
呼び出しボタン320は、例えば、壁面に設けられたボタンである。呼び出しボタン320は、入居者等による押下あるいはタッチ操作に応答して、呼び出し信号を発信する。発信された呼び出し信号は、構内PBX350に送られる。呼び出しボタン320から発信される信号の構成は、ケアコール子機115から発信される信号の構成とは必ずしも同一ではない。
呼び出し装置321は、呼び出しボタン320以外に入居者の操作に応答して呼び出し信号を発信する。呼び出し装置321は、ケアコール子機115と同様の機器(例えば、ナースコール)であり得る。呼び出し装置321は、例えば、スマートフォン等の携帯電話機、あるいは、タブレット端末として実現され得る。
各種センサー322は、人感センサー、照度センサー、音センサー等を含む。各種センサー322は、予め設定された時間間隔毎にあるいは連続的に検出信号をPBX350に送信する。検出信号のレベルが予め定められた通常範囲を逸脱すると、管理サーバー200は、当該居室への呼び出しと判断し、スタッフに対して居室への巡回を示唆する。
電話機323は、居室に設けられた固定電話として実現される。入居者が受話器を上げると、構内PBX350を経由して、予め定められた発信先であるナースステーションその他のスタッフの管理事務所に呼び出し信号が通知される。
トイレ・浴室330にも、呼び出しボタン331が設置されている。呼び出しボタン331は、呼び出しボタン320と同様に、押下あるいはタッチ等の操作に応答して、呼び出し信号を発信する。呼び出し信号は、呼び出しボタン331が設置されている場所を表わす情報を含む。
廊下340には、廊下表示灯341と復旧ボタン342とが設置されている。ある局面において、廊下表示灯341は、人感センサー(図示しない)を含み、人感センサーの検知結果に応答して点灯する。廊下表示灯341は、点灯後予め定められた時間が経過すると、消灯する。復旧ボタン342は、ある局面において、各居室のドアの外側に設けられている。ある居室から呼び出し信号が発せられた場合にスタッフが当該居室に到着すると、スタッフは復旧ボタン342を操作して、呼び出し状態を解除し得る。
構内PBX350は、公衆交換電話網に構内電話機を接続する。構内PBX350は、さらに、管理サーバー200と通信可能に構成される。
応答機構360は、電話機361と、電話機+呼び出し表示器362と、スマートフォン363と、アンテナ364と、PHS(Personal Handy-phone System)365と、管理用PC(Personal Computer)366との少なくともいずれかによって実現される。電話機361は、電話機323と同じ電話機であり得る。電話機+呼び出し表示器362は、メッセージの表示機能を有する電話機として実現される。スマートフォン363は、入居者のスマートフォンおよび施設から貸与されるスマートフォンのいずれであってもよい。アンテナ364は、構内PBX350から発信される信号を発信する。PHS365は、アンテナ364から発信された応答信号を受信する。管理用PC366は、ナースステーション、ケアステーション等の管理事務所に設けられる。管理用PC366は、周知の構成を有するコンピューターシステムによって実現される。
外部応答機構370は、携帯端末371によって実現される。外部応答機構370は、構内PBX350から送信される信号が基地局(図示しない)によって発信されて、携帯端末371が、当該発信された信号を受信することにより実現される。
[クラウドサーバーの構成]
図4を参照して、コンピューターシステム400の構成について説明する。図4は、コンピューターシステム400のハードウェア構成を表わすブロック図である。コンピューターシステム400は、ゲートウェイサーバー130、クラウドサーバー150、プッシュサーバー160、または管理サーバー200として機能する。
コンピューターシステム400は、主たる構成要素として、プログラムを実行するCPU1と、コンピューターシステム400の使用者による指示の入力を受けるマウス2およびキーボード3と、CPU1によるプログラムの実行により生成されたデータ、又はマウス2若しくはキーボード3を介して入力されたデータを揮発的に格納するRAM4と、データを不揮発的に格納するハードディスク5と、光ディスク駆動装置6と、通信インターフェイス(I/F)7と、モニター8とを含む。各構成要素は、相互にデータバスによって接続されている。光ディスク駆動装置6には、CD-ROM9その他の光ディスクが装着される。
コンピューターシステム400における処理は、各ハードウェアおよびCPU1により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、ハードディスク5に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、CD-ROM9その他の記録媒体に格納されて、コンピュータープログラムとして流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なアプリケーションプログラムとして提供される場合もある。このようなソフトウェアは、光ディスク駆動装置6その他の読取装置によりその記録媒体から読み取られて、あるいは、通信インターフェイス7を介してダウンロードされた後、ハードディスク5に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU1によってハードディスク5から読み出され、RAM4に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU1は、そのプログラムを実行する。
図4に示されるコンピューターシステム400を構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、本開示に係る技術思想の本質的な部分の一つは、RAM4、ハードディスク5、CD-ROM9その他の記録媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。記録媒体は、一時的でない、コンピューター読取可能なデータ記録媒体を含み得る。なお、コンピューターシステム400の各ハードウェアの動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
なお、記録媒体としては、CD-ROM、FD(Flexible Disk)、ハードディスクに限られず、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、IC(Integrated Circuit)カード(メモリーカードを含む)、光カード、マスクROM、EPROM(Electronically Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリー等の固定的にプログラムを担持する媒体でもよい。
ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
[技術的特徴]
以下に詳細に開示される技術的特徴は、次のように要約され得る。
(1)ある局面において、管理サーバー200は、ケアコール子機115によって発信される第1の呼出信号を受信するセンサーボックス119から、第1の呼出信号の受信に応答して生成されるデータを受信する。管理サーバー200のCPU1は、データの受信に応答して、センサーボックス119が設けられている部屋から第1の呼出信号が発せられたことを通知する通知信号を、携帯端末220に送信する。管理サーバー200は、さらに、ケアコール子機115が使用する通信プロトコルとは異なる通信プロトコルを使用する既存のナースコール(例えば、呼び出し機構310)によって発信される第2の呼出信号を受信する。CPU1は、センサーボックス119の識別情報と、センサーボックス119が設置されている部屋(居室110等)で使用される既存のナースコール機能の識別情報とに基づいて、当該既存のナースコール機能による第2の呼出信号の形式を第1の呼出信号の形式に変換して、変換後の信号をセンサーボックス119に送信する。センサーボックス119は、信号を受信すると、ケアコール子機115によって発信された信号を受信した場合と同様に、管理サーバー200に呼び出しが行なわれていることおよび居室110の画像を送信する。管理サーバー200は、呼び出しおよび画像を携帯端末220に通知することで、ケアコール子機115による通知と同様に既存のナースコールによる通知を実現することができる。
(2)ある局面において、管理サーバー200のCPU1は、予め定められた設定に基づいて、ケアコール子機115および既存のナースコール機能(呼び出し機構310)のいずれかによる呼び出しを有効にする。例えば、CPU1は、ハードディスク5に格納される設定内容にしたがって、有効または無効を切り替える。
(3)ある局面において、CPU1は、センサーボックス119から当該センサーボックス119が設置されている部屋の画像を受信し、ケアコール子機115による呼び出しおよび既存のナースコール機能による呼び出しのいずれにも応答して、部屋の画像を携帯端末220に送信する。
(4)ある局面において、CPU1は、部屋の画像を携帯端末220に送信するために、部屋の様子を表わす動画像を携帯端末220に送信する。これにより、携帯端末220のユーザーは、居室110のライブ映像で入居者111の状況を速やかに確認することができる。
(5)ある局面において、CPU1は、ケアコール子機115による呼び出しおよび既存のナースコール機能による呼び出しのいずれかに応答した携帯端末220からの発呼を受けて、管理サーバー200に登録されている電話番号を参照して、居室の通信装置(例えば、スマートフォン等の電話機)に対して発呼を通知する。
(6)ある局面において、CPU1は、ケアコール子機115による呼び出しおよび既存のナースコール機能による呼び出しのいずれかに応答して、部屋における対応の完了を表わす信号を受信する。例えば、携帯端末220のユーザーが居室110に到着して入居者の状態を確認して必要な処置を執った場合には、携帯端末220は、ユーザーによるケア記録の入力に応答して、入力されたケア記録の内容を管理サーバー200に送信する。
(7)ある局面において、第1の呼出信号および第2の呼出信号は、それぞれ、センサーボックス119が設けられている部屋(例えば居室110)の識別情報を少なくとも含む。第1の呼出信号および第2の呼出信号の構成が同じ場合、管理サーバー200は、部屋の識別情報を含む通知信号を携帯端末220に送信できるので、携帯端末220のユーザーは、呼び出しが行なわれた部屋を容易に知ることができる。
ある実施の形態に従う形態において、携帯端末220のユーザー(介護者)は、通知を受信すると、携帯端末220に表示される画面から、対応、ライブ動画の確認、あるいは、声かけ通話等の応答メニューを選択できる。既存のナースコールを使用している場合の声かけ通話時には、介護者が声かけ通話を選択すると、通知時に受信している電話番号に発呼される。この場合の通話は、例えば、LTE(Long-Term Evolution)通信により実現される。他方、見守りシステム100のケアコール子機115を用いたケアコール機能が選択されている場合には、管理サーバー200は、SIP(Session Initiation Protocol)を用いて、携帯端末220とセンサーボックス119との間での通信を可能にする。
[ケアコール]
図5を参照して、ケアコールが行なわれる場合の処理について説明する。図5は、入居者がケアコール子機115を操作した場合に、呼び出し信号が介護者等のスタッフに伝わるまでの処理の一部を表わすフローチャートである。
ステップS510にて、ケアコール子機115は、ケアコールボタン241の押下を検出して呼び出し信号を発信する。呼び出し信号は、例えば、ブルートゥース(登録商標)規格に従う信号として発信される。
ステップS520にて、センサーボックス119は、ケアコール子機115から発信された呼び出し信号を受信する。
ステップS530にて、センサーボックス119は、当該信号の受信に応答して、当該受信時点での画像データと当該信号とを含む情報を、ケアコール信号として管理サーバー200に送信する。画像データは、例えば、記憶装置108にバッファデータとして蓄積されている。
ステップS540にて、管理サーバー200は、センサーボックス119から受信したケアコール信号から画像データを取得する。画像データは、RAM4に格納される。管理サーバー200は、ケアコール信号から、発信者の部屋情報と入居者情報とをさらに読み出す。管理サーバー200は、ケアコール信号が発せられた場合に通知すべき携帯端末220として登録されている携帯端末に送信するための信号を生成する。当該信号は、画像データと、部屋情報(部屋の番号)と、入居者情報(入居者の氏名)とを含む。
ステップS550にて、管理サーバー200は、画像データと部屋情報と入居者情報とを含む通知信号を介護者の携帯端末220に送信する。携帯端末220は、通知信号を受信すると、その旨を通知する。通知の態様は、音声の出力、振動、ディスプレイ226による表示等を含む。携帯端末220のユーザーである介護者は、その通知を確認すると、ディスプレイ226に表示される確認ボタンのアイコンあるいは確認ボタンとして機能する物理キーを押下する。
ステップS560にて、携帯端末220は、確認ボタンの押下に応答して、画像データを携帯端末220のディスプレイ226に表示する。
[信号の構造]
図6を参照して、見守りシステム100において伝送される信号の構造について説明する。図6は、信号の構造を概念的に表わす図である。
信号610は、ケアコール子機115によって発信されてセンサーボックス119によって受信される信号を表わす。より具体的には、信号610は、コール番号611と、操作時刻612と、発信端末番号613と、入居者ID614とを含む。
コール番号611は、ケアコール子機115によるケアコールを識別する。コール番号611は、例えば、ケアコール子機115によって採番される。操作時刻612は、ケアコール子機115が操作された時刻を表わす。ある局面において、操作時刻612は、入居者111によってケアコールボタン241が押下された時刻である。発信端末番号613は、ケアコール子機115の識別番号である。入居者ID614は、ケアコール子機115を操作した入居者111の名前あるいは番号を含む。
信号620は、センサーボックス119から管理サーバー200に送信される信号を表わす。信号620は、信号610を受信したセンサーボックス119の制御装置101によって生成される。信号620は、通知番号621と、入居者ID622と、操作時刻623と、画像データ624とを含む。
通知番号621は、センサーボックス119から管理サーバー200に送信される信号を識別する。入居者ID622は、当該信号のトリガーとなるケアコールを発した入居者111を識別する。操作時刻623は、操作時刻612に含まれる情報を含む。画像データ624は、信号610がセンサーボックス119によって受信された時に記憶装置108に蓄積されていたデータを含む。例えば、画像データ624は、信号610が受信された時に最も近い(最新の)画像データである。管理サーバー200は、信号620を受信すると、ハードディスク5に格納する。
信号630は、管理サーバー200から携帯端末220に送信される信号を表わす。信号630は、信号620を受信した管理サーバー200のCPU1によって生成される。信号630は、ケアコール番号631と、入居者ID632と、入居者名633と、部屋番号634と、画像データ635とを含む。
ケアコール番号631は、信号630を識別する。ケアコール番号631は、少なくとも、信号630がケアコールであることを示す情報を含む。入居者ID632は、入居者ID614に含まれる情報と同じ情報を含む。入居者名633は、入居者ID614で識別される入居者の名前を表わす。入居者名633は、ケアコール子機115を操作した入居者111である。部屋番号634は、入居者111の居室110を識別する。画像データ635は、画像データ624と同じである。画像データ635は、ケアコールが発せられた時点での居室110の画像を含む。
携帯端末220が信号630を受信すると、音声、振動あるいは表示による通知を行なう。携帯端末220のユーザーは、その通知を確認することで、居室110の入居者111がケアコールを発したことを認識することができる。ユーザーが当該通知を確認したことは、携帯端末220から管理サーバー200に送信され得る。
[機能構成]
図7を参照して、管理サーバー200によって実現される機能について説明する。図7は、ある実施の形態に従う管理サーバー200の構成を表わすブロック図である。管理サーバー200は、第1受信部710と、第1送信部720と、制御部730と、第2受信部740と、第2送信部750とを備える。制御部730は、取得部731と、信号生成部732とを含む。
第1受信部710と第1送信部720とは、センサーボックス119と通信する。第2受信部740は、構内PBX350から送られる信号を受信する。構内PBX350は、ナースコール760からの信号を受信する。ナースコール760は、ケアコール子機115とは異なる信号形式で入居者による呼び出しを送信する。第2送信部750は、携帯端末220に信号を送信する。
第1受信部710は、センサーボックス119から送られた信号(例えば、信号620)を受信する。第1送信部720は、ナースコール760から発せられた信号を受信し、その信号の形式をセンサーボックス119に適合した形式に変換し、変換後の信号をセンサーボックス119に送信する。第1受信部710および第1送信部720は、有線または無線の通信インターフェイスによって実現され得る。
制御部730は、管理サーバー200の動作を制御する。制御部730は、CPU1その他のプロセッサーによって、あるいは、各処理を実行するように構成された回路素子の組み合わせによって実現され得る。
取得部731は、ある局面において、第1受信部710によって受信された信号620から、通知番号621と、入居者ID622と、操作時刻623と、画像データ624とを取得する。他の局面において、取得部731は、ナースコール760から発せられた信号に含まれる情報を取得する。
信号生成部732は、ある局面において、信号620から取得した情報を用いて、携帯端末220にケアコールを通知するための信号630を生成する。他の局面において、信号生成部732は、第2受信部740によって受信された信号から取得された入居者IDに基づいて、当該入居者による呼び出しを携帯端末220に通知するための信号を生成する。この場合、信号生成部732は、センサーボックス119がケアコール子機115から受信する場合の信号の形式と同じ形式の信号を生成しする。当該同じ形式の信号は、センサーボックス119に送信される。センサーボックス119は、当該信号を受信すると、ケアコール子機115から受信した信号を用いて生成される信号620と同じ構成を有する信号620を生成する。センサーボックス119は、当該信号を管理サーバー200に送信するので、管理サーバー200は、その信号から信号630を生成する。
[データ構造]
図8を参照して、管理サーバー200のデータ構造について説明する。図8は、管理サーバー200が備えるハードディスク5におけるデータの格納の一態様を概念的に表わす図である。ハードディスク5は、テーブル810と、テーブル820とを含む。テーブル810とテーブル820とは、各入居者毎にハードディスク5に格納されている。
テーブル810は、部屋ID811と、部屋名称812と、センサーボックス名813と、有効/無効設定814と、センサーボックス種別815とを含む。部屋ID811は、当該入居者の居室110を識別する。部屋名称812は、居室110を識別する。部屋名称812は、例えば居室110の番号である。センサーボックス名813は、当該居室110に設置されているセンサーボックス119を識別する。有効/無効設定814は、当該センサーボックス119の動作が有効であるか無効であるかを規定する。例えば、同じ居室に他のセンサー装置が設置されている場合には、当該センサーボックス119の機能は無効に設定され得る。センサーボックス種別815は、居室110に設置されているセンサー装置を識別する。したがって、各居室に設置されるセンサー装置は一種類のセンサー装置に限られず、複数種類のセンサー装置のいずれかが使用可能とされてもよい。
テーブル820は、ブルートゥースID821と、スイッチ名822と、スイッチタイプ823と、解除スイッチ名824と、電話番号825とを含む。ブルートゥースID821は、センサーボックス119が他の機器とブルートゥース通信するためのチャネルを識別する。
例えば、図8に示される例では、8番のチャネルが、ケアコール子機115とブルートゥース通信するためのチャネルとして規定されている。スイッチ名822は、当該スイッチを識別する。スイッチ名822は、例えば、発信端末番号613に含まれる機器と同じ名称となる。スイッチタイプ823は、ブルートゥース通信する機器を識別する。解除スイッチ名824は、スイッチタイプ823で識別される機器からのコールを解除するためのスイッチを規定する。図8に示される例では、解除ボタンが押下された場合に、当該解除が有効になり、管理サーバー200への発呼呼び出しが終了する。電話番号825は、ケアコール子機115が電話機能を有する場合における当該電話番号を表わす。
図9を参照して、本実施の形態に係る見守りシステム100において伝送される信号の構成について説明する。図9は、見守りシステム100を構成する機器間で伝送される信号の構成を概念的に表わす図である。
信号910は、見守りシステム100の導入前から既に使用されているナースコールで使用される信号を表わす。例えば、信号910は、PBX350を介して管理サーバー200によって受信される。信号910は、イベント番号911と、開始時刻912と、シーケンス番号913と、発信端末番号914とを含む。イベント番号911は、当該ナースコールで発信される信号を識別する。開始時刻912は、当該ナースコールに対する操作(すなわち呼び出し操作)が行なわれた時刻を表わす。シーケンス番号913は、開始時刻912から予め定められた時間内に同様の操作が行なわれた場合の数を表わす。発信端末番号914は、当該発信端末の番号を表わす。
信号920は、管理サーバー200からセンサーボックス119に対して送信される信号を表わす。信号920は、ケアコール子機115からセンサーボックス119に送信される信号610と同様の構成を有する。すなわち、信号920は、コール番号921と、開始時刻922と、発信端末番号923と、入居者ID924とを含む。
コール番号921は、コール番号611と同様に、ナースコールを識別する。開始時刻922は、操作時刻612に相当する。発信端末番号923は、発信端末番号613と同様に、ナースコールを発した機器を識別する。入居者ID924は、入居者ID614と同様に、当該ナースコールを発した機器の入居者を識別する。管理サーバー200が信号920をセンサーボックス119に送信することにより、センサーボックス119は、ケアコール子機115とは別の機器からナースコールが発せられた場合でも、ケアコール子機115から信号610を受信した場合と同様の処理を実行する。
信号930は、センサーボックス119から管理サーバー200に送信される信号を表わす。信号930は、信号620が有する構成と同じ構成を有する。すなわち、信号930は、通知番号931と、入居者ID932と、操作時刻933と、画像データ934とを含む。通知番号931は、通知番号621に相当する。入居者ID932は、入居者ID622に相当する。操作時刻933は、操作時刻623に相当する。画像データ934は、画像データ624に相当する。
信号940は、管理サーバー200から携帯端末220に送信される信号を表わす。信号940は、信号630が備える構成と同様の構成を備える。すなわち、信号940は、ケアコール番号941と、入居者ID942と、入居者名943と、部屋番号944と、画像データ945とを含む。ケアコール番号941は、ケアコール番号631に相当する。入居者ID942は、入居者ID632に相当する。入居者名943は、入居者名633に相当する。部屋番号944は、部屋番号634に相当する。画像データ945は、画像データ635に相当する。
図9に示されるように、ナースコール760から発せられた信号910を受信した管理サーバー200は、信号920をセンサーボックス119に送信する。信号920は、ケアコール子機115と同様の構成を有する。したがって、信号930および信号940の構成から明らかなように、ケアコール子機115からケアコールが発せられた場合と同様の信号が生成されて、当該信号に基づく通知が携帯端末220に送信される。これにより、ケアコール子機115が発する信号の構成と異なる構成を有する信号を発するナースコール760が使用されている施設にも、ケアコール子機115による通知の仕組みを使用する見守りシステム100を容易に導入することができる。
[制御構造]
図10を参照して、見守りシステム100の制御構造について説明する。図10は、ある実施の形態に従って複数のコール機能が導入された見守りシステム100において実行される処理の一部を表わすフローチャートである。複数のコール機能とは、ケアコール子機115による呼び出し機能と、ナースコール760による呼び出し機能とを含み得る。以下、管理サーバー200による処理は、管理サーバー200として機能するコンピューターシステム400のCPU1によって実行される。
ステップS1010にて、ナースコール760は、ボタンの押下を検出して呼び出し信号(例えば信号910)を発信する。発信された信号は、構内PBX350に伝送される。
ステップS1020にて、構内PBX350は、呼び出し信号を管理サーバー200に送信する。
ステップS1030にて、管理サーバー200は、受信した呼び出し信号に基づき、内線着信を検知する。
ステップS1040にて、管理サーバー200は、受信した呼び出し信号から、発信元のナースコール760の識別情報(発信端末番号914)を取得する。
ステップS1050にて、管理サーバー200は、ナースコール760が使用された居室110を特定する。管理サーバー200は、その居室に設置されているセンサーボックス119に通知情報(信号920)を送信する。
ステップS1060にて、センサーボックス119は、当該通知情報の受信に応答して、当該受信時点での画像データと通知情報とを含む情報を、ケアコール信号(例えば信号930)として管理サーバー200に送信する。
ステップS1070にて、管理サーバー200は、センサーボックス119から受信したケアコール信号(信号930)から画像データ934を取得する。
ステップS1080にて、管理サーバー200は、信号940を生成して、画像データ945と部屋情報(例えば部屋番号944)と入居者情報(例えば入居者名943)とを、介護者の携帯端末220に送信する。
ステップS1090にて、携帯端末220は、確認ボタンの押下に応答して、画像データを携帯端末220のディスプレイ226に表示する。
以上詳述したように、ある実施の形態において、見守りシステム100は、既存のナースコール機能と連携できるようになる。そのため、ユーザー(介護者等)は、既存のナースコール機能と見守りシステム100が備えるナースコール機能(ケアコール)との間で、使用したいナースコールを選択できるようになる。また、ユーザーは、管理サーバー200に表示される画面において設定を変更することにより、使用するナースコール機能を容易に切り替えることができる。その結果、ハードウェアの構成を変える等の負担を伴うことなく、切り替えの煩わしさを無くすことができるので、見守りシステム100の利便性が向上し得る。
また、見守りシステム100の導入により、センサーボックス119から得られるデータを既存のナースコール機能にも利用可能となるので、より効率的な介護サポートができるようになる。例えば、ユーザーは、携帯端末220を用いて、既存の他のナースコール機能の使用時には利用できなかった静止画像、または、ライブ動画による状況確認も利用可能となる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。