JP2004340914A - ガス濃度センサの制御装置 - Google Patents

ガス濃度センサの制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は内燃機関の排気通路に配置されるガス濃度センサの制御装置に関し、ガス濃度センサの素子インピーダンスを検出する機能と、排気空燃比に関する情報を精度良く検知する機能とを共に実現することを目的とする。
【解決手段】 排気空燃比がリッチであるかリーンであるかを検出する酸素センサを設ける。素子インピーダンス算出間隔T1が経過する毎に(ステップ101)、酸素センサに電圧を印加して素子インピーダンスRsを算出する。Rsの算出後、センサ出力に残存する電圧印加の影響を早期に消滅させるべく、酸素センサに対して逆電圧を印加する(ステップ106,108)。以後、再び素子インピーダンス算出期間の経過が判定されるまで、サンプリング間隔毎に酸素センサのセンサ出力をサンプリングする(ステップ102)。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガス濃度センサの制御装置に係り、特に、内燃機関の排気通路に配置されるガス濃度センサの制御に好適なガス濃度センサの制御装置に関する。
従来、例えば特開2000−28575号公報に開示されるように、内燃機関の排気通路に酸素センサを備える装置が知られている。この装置において、酸素センサは、排気通路を流れる排気ガス中の酸素濃度に応じた出力を発生する。排気ガス中の酸素濃度は、排気空燃比と相関を有している。従って、従来の装置によれば、酸素センサの出力に基づいて、排気空燃比に関する情報を得ることができる。
この装置は、また、酸素センサに対する印加電圧V0を基準電圧から掃引電圧に変化させることにより、酸素センサの素子インピーダンスを検出する機能を有している。印加電圧V0にΔV0の変化が生ずると、そこに流れる電流Iに、素子インピーダンスRsに応じた変化ΔIが生ずる。このため、上記従来の装置は、印加電圧V0が基準電圧から掃引電圧に切り換えられることにより生ずる電圧変化ΔV0、および電流変化ΔIに基づいて素子インピーダンスRsを算出することとしている。
特開2000−28575号公報
既述した通り、上記従来の装置は、酸素センサの出力に基づいて排気空燃比に関する情報を取得すると共に、酸素センサに対して掃引電圧を印加することにより素子インピーダンスを検出する。酸素センサに対して掃引電圧が印加されている間は、その出力は、掃引電圧の影響を受けた値となる。このため、掃引電圧が印加されている間は、酸素センサの出力が排気空燃比と対応しない値となる。
酸素センサには、インピーダンス成分と容量成分とが含まれている。このため、酸素センサの出力は、掃引電圧の印加が停止された後、しばらくの間は排気空燃比に対応する値に復帰しない。このため、上記従来の装置においては、素子インピーダンスを検出するために酸素センサに対して掃引電圧を印加した後、その掃引電圧の影響が消滅するまでの間、排気空燃比の状態を誤検出する事態が生じ得る。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ガス濃度センサの素子インピーダンスを検出する機能と、排気空燃比に関する情報を精度良く検知する機能とを共に実現するガス濃度センサの制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、被検出ガス中の酸素濃度と相関を有する出力を発するガス濃度センサの制御装置であって、
インピーダンス検出用電圧を前記ガス濃度センサに印加して、当該ガス濃度センサの素子インピーダンスを検出するインピーダンス検出手段と、
前記インピーダンス検出用電圧が前記ガス濃度センサに印加された後、当該ガス濃度センサが自ら発するのと同じ電圧、或いはその電圧から見て前記インピーダンス検出用電圧と逆向きの電圧を、所定期間だけ前記ガス濃度センサに印加する逆電圧印加手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記素子インピーダンスが大きいほど、前記所定期間を長く設定する逆電圧印加期間設定手段を備えることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、前記逆電圧印加期間設定手段は、前記ガス濃度センサが自ら発する電圧と前記インピーダンス検出用電圧との差が小さいほど、前記所定期間を短く設定することを特徴とする。
また、第4の発明は、被検出ガス中の酸素濃度と相関を有する出力を発するガス濃度センサの制御装置であって、
インピーダンス検出用電圧を前記ガス濃度センサに印加して、当該ガス濃度センサの素子インピーダンスを検出するインピーダンス検出手段と、
前記インピーダンス検出用電圧が前記ガス濃度センサに印加された後、所定期間は、前記ガス濃度センサの出力を破棄するデータ破棄手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第5の発明は、第4の発明において、前記素子インピーダンスが大きいほど、前記所定期間を長く設定するデータ破棄期間設定手段を備えることを特徴とする。
また、第6の発明は、被検出ガス中の酸素濃度と相関を有する出力を発するガス濃度センサの制御装置であって、
所定間隔毎に、インピーダンス検出用電圧を前記ガス濃度センサに印加して、当該ガス濃度センサの素子インピーダンスを検出するインピーダンス検出手段と、
前記素子インピーダンスが大きいほど、前記所定間隔を長く設定するインピーダンス検出間隔設定手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第7の発明は、第6の発明において、
前記素子インピーダンスの検出後、所定期間が経過した時点から、前記ガス濃度センサに再び前記インピーダンス検出用電圧が印加されるまでの期間を、当該ガス濃度センサの出力取得期間とする出力取得期間設定手段と、
前記素子インピーダンスが大きいほど、前記所定期間を長く設定する出力非取得期間設定手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第8の発明は、第6または第7の発明において、前記インピーダンス検出間隔設定手段は、
前記素子インピーダンスが所定閾値以上である領域では、当該素子インピーダンスが大きいほど前記所定間隔を長く設定し、
前記素子インピーダンスが前記所定閾値を下回る領域では、前記所定間隔を、前記素子インピーダンスが前記所定閾値と一致する場合に設定される所定間隔に比して長く設定することを特徴とする。
この発明は以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
第1の発明によれば、ガス濃度センサに対してインピーダンス検出用電圧が印加された後、速やかに、ガス濃度センサの出力を自らが発する電圧、つまり、排気空燃比と対応する出力に収束させることができる。このため、本発明によれば、素子インピーダンスを検出する機能と、排気空燃比に関する情報を精度良く検知する機能とを共に実現することができる。
第2の発明によれば、ガス濃度センサの素子インピーダンスが大きく、インピーダンス検出用電圧の影響が消滅するのに長い期間を要する場合ほど、その影響を消滅させるための電圧の印加期間(所定期間)を長くすることができる。このため、本発明によれば、インピーダンス検出用電圧の影響を短時間で効率良く消滅させることができる。
第3の発明によれば、ガス濃度センサが自ら発する電圧とインピーダンス検出用電圧との差が小さく、インピーダンス検出用電圧の影響が短期間で消滅させ易い場合ほど、その影響を消滅させるための電圧の印加期間(所定期間)を短くすることができる。このため、本発明によれば、インピーダンス検出用電圧の影響を短時間で効率良く消滅させることができる。
第4の発明によれば、インピーダンス検出用電圧の影響がガス濃度センサの出力に表れる所定期間の間は、ガス濃度センサの出力を破棄することができる。このため、本発明によれば、素子インピーダンスを検出する機能と、排気空燃比に関する情報を精度良く検知する機能とを共に実現することができる。
第5の発明によれば、ガス濃度センサの素子インピーダンスが大きく、インピーダンス検出用電圧の影響が長期に渡って表れ易いほどデータを破棄する期間(所定期間)を長くすることができる。このため、本発明によれば、ガス濃度センサの出力に基づく排気空燃比状態の誤検出を有効に防ぐことができる。
第6の発明によれば、ガス濃度センサの素子インピーダンスが大きいほど、インピーダンス検出用電圧の印加間隔(所定間隔)を長くすることができる。このため、本発明によれば、素子インピーダンスの大小に関わらず、ガス濃度センサの出力が排気空燃比の状態と正しく対応する期間を適正に確保することができる。
第7の発明によれば、ガス濃度センサの出力にインピーダンス検出用電圧の影響が表れる期間(所定期間)が終了した時点から、出力取得期間を開始させることができる。そして、素子インピーダンスが大きく、インピーダンス検出用電圧の影響が長期に渡って残存し易いほど、上記の所定期間を長くすることができる。このため、本発明によれば、素子インピーダンスの大小に関わらず、ガス濃度センサの出力が正しく排気空燃比の状態と対応する期間を、出力取得期間として確保することができる。
第8の発明によれば、素子インピーダンスが所定閾値を下回る領域では、素子インピーダンスが所定閾値と一致する場合より、インピーダンス検出用電圧の印加間隔(所定間隔)を長くすることができる。つまり、本発明によれば、素子インピーダンスが低く、インピーダンスの検出に伴って大きな電流が流れる状況下では、素子インピーダンスの検出頻度を下げることができる。このため、本発明によれば、素子インピーダンスの低い状況下で、ガス濃度センサが過大なダメージを受けるのを有効に防ぐことができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
実施の形態1.
[回路構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1の構成を説明するための図を示す。図1に示すように、本実施形態のシステムは、酸素センサ10とECU(Electronic Control Unit)20を備えている。本実施形態において、酸素センサ10は、内燃機関の排気通路に配置され、排気ガス中の酸素濃度に応じたセンサ出力、より具体的には、排気空燃比がリッチであるかリーンであるかを表すセンサ出力を発生するものとする。
図1において、酸素センサ10は、インピーダンス成分と起電力成分とを含むものとして等価的に示されている。すなわち、酸素センサ10は、被検出ガス中の酸素濃度に応じた電圧を発生する起電力式のセンサである。本実施形態では、端子OX1B側が高圧側となり、端子E2側が低圧側となるように酸素センサ10とECU20が接続されている。ECU20は、OX1B端子とE2端子との間に発生する電圧を見ることで、排気空燃比がリッチであるかリーンであるかを判断することができる。
酸素センサ10の素子インピーダンスRsは、温度特性を有しており、酸素センサ10が高温になるほど小さな値となる。酸素センサ10を正常に機能させるためには、酸素センサ10の温度を活性温度に制御する必要がある。酸素センサ10の温度は、素子インピーダンスRsと相関を有するため、その温度を上記の活性温度に制御するうえで、素子インピーダンスRsが正確に検知できると便利である。また、素子インピーダンスRsが正確に検知できれば、その値から、酸素センサ10の異常診断を行うことも可能である。このように、酸素センサ10については、素子インピーダンスRsを正確に検出することにつき要求が存在している。
ECU20は、上記の要求に応えて、酸素センサ10の素子インピーダンスRsを精度良く検出する機能を有している。つまり、本実施形態において用いられるECU20は、酸素センサ10が自ら発する電圧(OX1B端子とE2端子との間に発生する電圧)に基づいて排気空燃に関する情報を取得する機能と、酸素センサ10の素子インピーダンスRsを検出する機能の双方を併せ持つユニットである。以下、ECU20の回路構成、およびその機能を詳細に説明する。
ECU20は、第1スイッチ素子22を備えている。第1スイッチ素子22には、5Vの定電圧(電源電圧)が供給されている。第1スイッチ素子22のゲートは、第1ポート24に連通している。ECU20は、必要に応じて、この第1ポート24にON指令を発することにより第1スイッチ素子22をON状態とする。
第1スイッチ素子22は、第2抵抗26を介して第1サンプリング点28に接続されている。第1サンプリング点28は、第1抵抗30を介してECU20の外部端子OX1Bと導通していると共に、第1コンデンサ31を介してECU20の外部端子E2と導通している。
第1サンプリング点28は、時定数の小さなフィルタ回路を介して、第1AD変換器(ADC1)32に接続されている。上記のフィルタ回路は、直列に接続された2つの抵抗34,36と、第1AD変換器32の入力端子と接地線との間に配置されたコンデンサ38とを備えている。上記2つの抵抗34,36の間には、それらの接続点の電位を5V以下にガードするためのダイオード40が接続されている。
第1AD変換器32は、その入力端子に供給されるアナログ信号をディジタル信号に変換して出力することができる。第1AD変換器32の入力端子には、既述した時定数の小さなフィルタ回路を介して、第1サンプリング点28の電位が供給されている。このため、第1AD変換器32は、第1サンプリング点28の電位を、その電位が高周波で変化する場合においても、精度良くディジタル化して出力することができる。ECU20は、後述の如く、所定の状況下で第1AD変換器32が発するディジタル信号を、第1サンプリング点28の電位と認識して素子インピーダンスRsの検出処理に利用する。
第1サンプリング点28には、また、第3抵抗41を介して第2スイッチ素子42が接続されている。この第2スイッチ素子42のゲートには、第2ポート44が接続されている。ECU20は、必要に応じて、この第2ポート44にON指令を発することにより第2スイッチ素子42をON状態とする。従って、ECU20は、第2ポート44にON指令を発生させることにより、第1サンプリング点28を第3抵抗41を介して外部端子E2に導通させることができる。
ECU20において、第1抵抗30と外部端子OX1Bとの間には、第2サンプリング点50が形成されている。第2サンプリング点50には、酸素センサ10と並列に配置された出力検出用抵抗52の一端が接続されている。出力検出用抵抗52は、酸素センサ10の素子インピーダンスRsに比して十分に大きなインピーダンスを有している。従って、第2サンプリング点50に電源電圧が供給されていない場合(第1スイッチ素子22がOFFである場合)、第2サンプリング点50には、酸素センサ10の起電力に相当する電圧が発生する。また、第2サンプリング点50に電源電圧が供給されている場合(第1スイッチ素子22がONである場合)は、酸素センサ10を流れる電流Iと、素子インピーダンスRsとの積に相当する電圧が第2サンプリング点50に発生する。
第2サンプリング点50には、時定数の小さなフィルタ回路を介して、第2AD変換器(ADC2)54が接続されている。上記のフィルタ回路は、直列に接続された2つの抵抗56,58と、第2AD変換器54の入力端子と接地線との間に配置されたコンデンサ60とを備えている。上記2つの抵抗56,58の間には、それらの接続点の電位を5V以下にガードするためのダイオード62が接続されている。
第2AD変換器54は、その入力端子に供給されるアナログ信号をディジタル信号に変換して出力することができる。第2AD変換器54の入力端子には、既述した時定数の小さなフィルタ回路を介して、第2サンプリング点50が接続されている。このため、第2AD変換器54は、第2サンプリング点50の電位を、その電位が高周波で変化する場合においても、精度良くディジタル化して出力することができる。ECU20は、後述の如く、所定の状況下で第2AD変換器54が発するディジタル信号を、第2サンプリング点50の電位と認識して素子インピーダンスRsの検出処理に利用する。
第2サンプリング点50には、更に、抵抗64およびコンデンサ66からなるフィルタ回路を介して、第3AD変換器(ADC3)68が接続されている。第3AD変換器68の前段に設けられたフィルタ回路は、十分に大きな時定数を有しており、第2サンプリング点50における電圧の低周波成分だけを通過させる。このため、第3AD変換器68は、ノイズなどの影響を受けることなく、第2サンプリング点50の定常的な電圧値に相当するディジタル信号を精度良く生成することができる。ECU20は、後述の如く、所定の状況下で第3AD変換器68が発するディジタル信号を、酸素センサ10の出力信号として認識し、被検出ガス中の酸素濃度の検出処理に利用する。
[ECUの動作説明]
(酸素濃度情報の検出処理)
ECU20は、酸素センサ10の素子インピーダンスRsを検出しようとする場合を除き、第1ポート24をOFFとする。第1ポート24がOFFであれば第1スイッチ素子22がOFFとなり、第2サンプリング点50の電位は、定常的には酸素センサ10の起電力に相当する値となる(図1参照)。この場合、第3AD変換器68の出力は、酸素センサ10のセンサ出力と一致する値となる。ECU20は、そのような状況下で第3AD変換器68が発するディジタル信号を所定周期毎(例えば、4msec毎)に検出し、その検出値に基づいて排気ガス中の酸素濃度に関する情報を取得する。
(素子インピーダンスRsの算出処理)
図2は、酸素センサ10の素子インピーダンスRsを算出するためのモードにおいて実現されるECU20の動作を説明するためのタイミングチャートである。より具体的には、図2(A)および図2(B)は、それぞれ第1ポート24および第2ポート44の状態を示す波形である。また、図2(C)〜図2(E)は、それぞれ第1乃至第3AD変換器32,54,68の入力端子に供給される電位の変化を表す波形である。
ECU20は、素子インピーダンスRsの算出モードでは、原則として第2ポート44をOFFとする(図2(B)参照)。この場合、第2スイッチ素子42がOFF状態となり、ECU20の内部では、第1抵抗30とセンサ素子10との直列回路に対して、第1コンデンサ31だけが並列に接続された状態が形成される。以下、それらの要素により形成される並列回路を「R1・Rs-C1並列回路」と称す。尚、ECU20は、酸素センサ10と並列に接続された出力検出抵抗52を備えているが、その抵抗値(例えば1.5MΩ)が酸素センサ10の素子インピーダンスRs(数10KΩ以下)に比して十分に大きいため、ここではその存在は無視できるものとする。
素子インピーダンスRsの算出が要求されると、ECU20は、第2ポート44をOFFとしたまま、その時点で第1ポート24をONとする(図2(A)参照)。第1ポート24がONとされると、第1スイッチ素子22がON状態となり、第2抵抗26に対して電源電圧5Vが印加され始める。この電圧は、第2抵抗26を通って第1サンプリング点28に作用し、R1・Rs-C1並列回路に印加される。
第1サンプリング点28に対して、上記の電圧が印加され始めると、以後、その点の電位VS1は、時定数τで上昇し、最終的には、第2抵抗26の抵抗値R2と、第1抵抗30および酸素センサ10の合成抵抗値R1+Rsとの分圧により決定される値に収束する。この場合、その収束値VS1および上記の時定数τは、それぞれ以下に示す(1)式または(2)式により表すことができる。
VS1=5・(R1+Rs)/(R2+R1+Rs) ・・・(1)
τ=C1/{1/(Rs+R1)+1/R2} ・・・(2)
図1に示す回路において、第1サンプリング点28の電位VS1は、第1AD変換器32に供給されている。このため、第1AD変換器32の出力は、上記(1)式および(2)式により表されるVS1と同様の変化を示す。図2(C)に示す波形は、第1ポート24がON状態とされた後、第1AD変換器32の出力が、そのように変化している状態を示している。
第1サンプリング点28の電位VS1が上記の如く変化する過程において、酸素センサ10には、次式で表される電流Iが流通する。
I=VS1/(R1+Rs) ・・・(3)
この際、第2サンプリング点50の電位VS2は、電流Iと素子インピーダンスRsを用いて以下のように表すことができる。
VS2=Rs・I ・・・(4)
第1サンプリング点28の電位VS1が時定数τで変化することから、上記(3)式の関係を満たす電流Iも、また、上記(4)式の関係を満たす第2サンプリング点50の電位VS2も、それぞれ時定数τで変化することになる。図1に示す回路において、第2サンプリング点50の電位VS2は、第2AD変換器54に供給されている。このため、第2AD変換器54の出力は、上記(4)式および(2)式により表されるVS2と同様の変化を示す。図2(D)に示す波形は、第1ポート24がON状態とされた後、第2AD変換器54の出力が、そのように変化している状態を示している。
酸素センサ10を流れる電流Iは、第1サンプリング点28の電位VS1と、第2サンプリング点50の電位VS2と、第1抵抗30の抵抗値R1とを用いることにより、以下のように表すことができる。
I=(VS1−VS2)/R1 ・・・(5)
上記(4)式および(5)式より、素子インピーダンスRsは、次式のように表すことができる。
Rs=VS2/I
=VS2・R1/(VS1−VS2) ・・・(6)
以上説明した通り、本実施形態の回路では、酸素センサ10の素子インピーダンスRsを、第1ポート24がONとされた後に第1サンプリング点28および第2サンプリング点50に生ずる電位VS1,VS2に基づいて算出することができる。ところで、第1ポート24がONとされた後の第1サンプリング点28の電位VS1および第2サンプリング点50の電位VS2には、第1ポート24がONされる以前から生じているリーク電流等の影響が重畳している。従って、素子インピーダンスRsを精度良く算出するためには、そのリーク電流等の影響を排除することが望ましい。
そこで、ECU20は、第1ポート24がONされる直前の電位VS1(以下、「VS1OFF」とする)と第1ポート24がONされた後の電位VS1(以下、「VS1ON」とする)との差ΔVS1を求め、更に、第1ポート24がONされる直前の電位VS2(以下、「VS2OFF」とする)と第1ポート24がONされた後の電位VS2(以下、「VS2ON」とする)との差ΔVS2を求め、それらを上記(6)式に当てはめることにより、次式に従って素子インピーダンスRsを算出することとしている。
Rs=ΔVS2・R1/(ΔVS1−ΔVS2)
=(VS2ON−VS2OFF)・R1/{(VS1OFF−VS1ON)−(VS2OFF−VS2ON)}
・・・(7)
但し、リーク電流等の影響が小さく、VS1OFFとVS2OFFとがほぼ等しい場合には、必ずしも上記(7)式の関係を用いる必要はない。その場合は、上記(6)式に従って、(VS1=VS1ON、VS2=VS2ONとして)素子インピーダンスRsを算出すればよい。
既述した通り、ECU20は、第1AD変換器32によって第1サンプリング点28の電位を検出することができ、更に、第2AD変換器54によって第2サンプリング点50の電位を検出することができる。このため、ECU20は、素子インピーダンスRsの算出が要求される場合に、具体的には以下のような手順でその算出を行っている。
(i)第1ポート24がONされる直前に、第1AD変換器32の出力をVS1OFFとして検出し、かつ、第2AD変換器54の出力をVS2OFFとして検出する。
(ii)上記の検出の終了後、第1ポート24をON状態とする。
(iii)第1ポートがON状態とされた後、VS1が収束値に達するための期間(例えば135μsec)が経過した時点で、第1AD変換器32の出力をVS1ONとして検出し、かつ、第2AD変換器54の出力をVS2ONとして検出する。
(iv)上記の検出の終了後、第1ポート24をOFF状態に戻す。
(v)上記(i)〜(iii)の処理により検出したVS1OFF、VS1ON、VS2ONおよびVS2ONを、上記(7)式に代入して素子インピーダンスRsを算出する。
[素子インピーダンスRsの算出に伴う課題の説明]
図3は、酸素センサ10の特性を忠実に表した場合の等価回路図を示す。この図に示すように、酸素センサ10は、起電力成分およびインピーダンス成分に加えて、容量成分を有している。このような成分で構成される回路に対して電圧が印加されると、容量成分に電荷が蓄電される。蓄電された電荷が放電されるまでの間は、酸素センサ10に対する電圧印加が停止された後も、酸素センサ10の端子間に生ずる電圧は、起電力成分により発せられる電圧に比して高い値となる。つまり、酸素センサ10のセンサ出力(出力電圧)は、容量成分に蓄電された電荷が放電されるまでの間は、排気ガス中の酸素濃度に対して過大な値となる。
図4は、素子インピーダンスRsを算出するために酸素センサ10に電圧が印加された前後におけるセンサ出力の波形を示す。図中に破線で示す波形は、第1ポート24がOFFとされた後、酸素センサ10に蓄えられた電荷を自然放電させた場合のセンサ出力波形である。また、図中に実線で示す波形は、第1ポート24がONからOFFに切り換えられた直後に、酸素センサ10に蓄えられた電荷を強制放電させた場合のセンサ出力波形である。図1に示す回路構成においては、第2ポート44をONとすることで、つまり、第2スイッチ素子42をON状態とすることで酸素センサ10に蓄えられた電荷を強制放電させることができる。図4中に実線で示す波形は、より具体的には、第1ポート24がONからOFFとされた直後に、所定期間だけ第2ポート44をONとした場合に得られる波形である。
図4中に破線で示す通り、酸素センサ10に蓄えられた電荷が自然放電される場合は、酸素センサ10に対する電圧印加が止められた後、しばらくの間(ここでは、3サンプリング期間の間)は、センサ出力が、酸素センサ10が自ら発する出力に対して過大な値となる。このような過大なセンサ出力(×で示す出力)は、排気ガス中の酸素濃度と対応していないため、酸素濃度に関する情報を得るための基礎としてその出力を用いるべきではない。
これに対して、酸素センサ10に蓄えられた電荷が強制放電される場合、つまり、第2ポート44が所定期間だけONとされる場合は、図4中に実線で示す通り、酸素センサ10に対する電圧印加が止められた後、センサ出力は即座に接地電位を経て本来の出力に収束する。この場合、酸素センサ10に対する電圧印加が止められた直後から、酸素センサ10のセンサ出力は、排気ガス中の酸素濃度に正しく対応した値となる。そこで、ECU20は、素子インピーダンスRsを算出すべく第1ポート24をON→OFFさせた後、所定期間だけ第2ポート44をONさせて、酸素センサ10に蓄えられた電荷を強制放電させることとした。
図2(A)および図2(B)は、第1ポート24がOFFされるのと同時に第2ポート44がONされ、所定期間の後に第2ポート44がOFFされる様子を示している。本実施形態において、ECU20は、第3AD変換器68に供給されている酸素センサ10の出力を4msecのサンプリング周期で取り込む。また、図2(C)〜図2(E)は、酸素センサ10に対して電圧が印加され始めた後、上記の如く第2ポートがONされることにより、第1乃至第3AD変換器32,54,68への入力電圧が、何れも4msecを待たずに酸素センサ10が自ら発する本来の出力に収束している様子を示している。第3AD変換器68に対する入力電圧がこのような変化を示す場合、ECU20によりサンプリングされる全てのセンサ出力は、排気ガス中の酸素濃度と正しく対応したものとなる。このため、本実施形態のシステムによれば、素子インピーダンスRsを算出するための電圧印加に影響されることなく、素子インピーダンスRsの算出処理が終われば常に正しく排気ガス中の酸素濃度に関する情報を検知することができる。
図5は、上記の機能を実現するためにECU20が実行する制御ルーチンのフローチャートを示す。尚、図5に示すルーチンは、酸素センサ10の出力をサンプリングすべき時刻毎(例えば4msec毎)に起動される割り込みルーチンであるものとする。
図5に示すルーチンでは、先ず、カウンタTCOUNTのカウントアップが行われる(ステップ100)。
カウンタTCOUNTは、素子インピーダンスRsの算出処理が実行される毎にクリアされ、その後の経過時間を計数するためのカウンタである。
次に、カウンタTCOUNTの計数値が、素子インピーダンス算出間隔T1に達しているか否かが判別される(ステップ101)。
その結果、TCOUNT≧T1が成立しないと判別された場合は、以後、第3AD変換器68により酸素センサ10の出力が取り込まれた後(AD取り込みの後)、今回の処理サイクルが終了される(ステップ102)。
上記の処理によれば、素子インピーダンスRsの算出処理が終了した後、TCOUNT≧T1が成立するまでの間は、サンプリングタイミング毎に酸素センサ10の出力が、排気ガス中の酸素濃度に関する情報を表すものとして取り込まれる。
上記ステップ101において、TCOUNT≧T1が成立すると判別された場合は、その時点で素子インピーダンスRsの算出処理が実行され、かつ、カウンタTCOUNTがゼロにクリアされる(ステップ104)。
素子インピーダンスRsの算出処理では、具体的には、上述した(i)〜(v)の処理、つまり、第1ポート24をONとして酸素センサ10に電圧を印加し、その際に生ずるVS1およびVS2の変化に基づいて素子インピーダンスRsを算出する処理が実行される。
素子インピーダンスRsの算出処理が終了し、第1ポート24がOFF状態とされると、次に、第2ポート44のON時間が算出される(ステップ106)。
既述した通り、ECU20は、素子インピーダンスRsの算出後に、酸素センサ10に蓄えられた電荷を強制放電させるべく、第2ポート44をON状態とする。この際、第2ポート44は、電荷の強制放電が終了したら、速やかにOFFされることが望ましい。そこで、本ステップ106では、電荷の強制放電に必要なON時間の設定が行われる。
図6は、上記ステップ106において、第2ポート44のON時間を設定する際の手順を説明するための図を示す。図6において左側に示す図は、素子インピーダンスRsと第2ポート44のON時間との関係を定めたマップである。また、図6において、右側に示す図は、酸素センサ10が自らの起電力により発するセンサ出力と、第2ポート44のON時間との関係を定めたマップである。上記ステップ106では、これら2つのマップによりそれぞれ決定されるON時間を掛け合わせることで得られる時間が第2ポート44のON時間として設定される。
図6に示すマップによれば、第2ポート44のON時間は、素子インピーダンスRsが大きいほど、長期に設定される。第1ポート24がONとされ、酸素センサ10に対して電圧が印加された場合、その到達電位は、素子インピーダンスRsが大きいほど高圧となる。酸素センサ10に蓄えられる電荷は、上記の到達電位が高いほど多量となる。このため、第1ポート24がOFFされた後、その電荷を強制放電させるためには、素子インピーダンスRsが大きいほど長い時間を要する。上記ステップ106の処理によれば、そのような要求が満たされるように第2ポートのON時間を設定することができる。
また、図6に示すマップによれば、第2ポート44のON時間は、酸素センサ10が通常発するセンサ出力が高いほど短期に設定される。第1ポート24がOFFとされ、酸素センサ10に対する電圧印加が止められた後、酸素センサ10のセンサ出力は、電圧印加時における出力と通常の出力との差が小さいほど早期に通常の出力に復帰し易い。つまり、本実施形態においては、酸素センサ10の通常のセンサ出力が高圧であるほど、第1ポート24をOFFとした後、そのセンサ出力は早期に通常の値に復帰する。従って、第2ポート44のON時間は、酸素センサ10の通常のセンサ出力が高いほど、短い時間に設定されることが望ましい。上記ステップ106の処理によれば、第2ポートのON時間は、このような要求をも満たすように設定することができる。
図5に示すルーチンでは、次に、第2ポート44のON処理が実行される(ステップ108)。
ここでは、具体的には、第2ポート44を、上記ステップ106において設定されたON時間だけONとする処理が実行される。本ステップ108の処理が実行されることにより、酸素センサ10のセンサ出力は、第1ポート24がOFFされた後、速やかに通常の出力、つまり、排気ガス中の酸素濃度の状態を正しく表す出力に復帰する。
上記ステップ108の処理が終了した後、再びサンプリングタイミングが到来すると、今度は、ステップ101の条件が成立しないと判断され、再び上記ステップ102の処理が実行される。酸素センサ10のセンサ出力は、その時点以前に通常の出力に復帰している。このため、ECU20は、素子インピーダンスRsを算出した直後のサンプリングタイミングから、排気ガス中の酸素濃度に対応するセンサ出力を正しく検知することができる。
以上説明した通り、図5に示すルーチンによれば、素子インピーダンスRsを算出する過程で酸素センサ10に蓄えられた電荷を、第2ポート44をONとすることで強制的に放電させることができる。そして、このルーチンによれば、素子インピーダンスRsの算出に伴う電圧印加に影響されることなく、サンプリングタイミング毎に、排気ガス中の酸素濃度に関する情報を正しく検知することができる。このため、本実施形態の装置によれば、酸素センサ10の素子インピーダンスRsを正しく検出する機能と、排気ガス中の酸素濃度に関する情報を精度良く検知する機能とを共に実現することができる。
ところで、上述した実施の形態1においては、素子インピーダンスRsを算出する際に酸素センサ10の正側端子に正の電圧を印加し、その後、酸素センサ10の正側端子の電位を下げる(接地する)ことによりセンサ出力の早期復帰を実現することとしているが、センサ出力を通常の出力に早期復帰させるための手法はこれに限定されるものではない。すなわち、素子インピーダンスRsを算出する際に酸素センサ10の負側端子に負の電圧を印加し、その後、酸素センサの負側端子の電位を上げることによりセンサ出力の早期復帰を図ることとしてもよい。
また、上述した実施の形態1においては、酸素センサ10に対して電圧が印加された後、センサ出力の早期復帰を図るべく、酸素センサ10に対する印加電圧をゼロVとすることとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、センサ出力の早期復帰を図るべく酸素センサ10に加える電圧は、酸素センサ10が通常発するセンサ出力(出力電圧)、或いはその出力電圧から見て素子インピーダンスRsを算出するために印加した電圧と逆向きの電圧であればよい。
また、上述した実施の形態1においては、ECU20の制御対象が酸素センサ(排気空燃比がリッチであるかリーンであるかに応じた出力を発するセンサ)に限定されているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明は、酸素センサに限らず、被検出ガス中の酸素濃度(空燃比)を表す出力を発する空燃比センサに適用することとしてもよい。
尚、上述した実施の形態1においては、第2ポート44のON時間が前記第1の発明における「所定時間」に相当していると共に、ECU20が、上記ステップ104の処理を実行することにより前記第1の発明における「インピーダンス検出手段」が、上記ステップ108の処理を実行することにより前記第1の発明における「逆電圧印加手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU20が、上記ステップ106の処理を実行することにより前記第2または第3の発明における「逆電圧印加期間設定手段」が実現されている。
実施の形態2.
次に、図7乃至図9を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
本実施形態のシステムは、図1に示す構成を用いて、ECU20に、上記図5に示すルーチンに代えて後述する図8に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
上述した実施の形態1では、酸素センサ10に対して素子インピーダンスRsを算出すべく電圧を印加した後に、酸素センサ10に蓄えられた電荷を強制放電させることにより、排気ガス中の酸素濃度と正しく対応しないセンサ出力の取り込みを防止することとしている。これに対して、本実施形態のシステムは、酸素センサ10に電圧が印加された後、センサ出力にその電圧印加の影響が残存する期間中は、センサ出力を正規の値として取り込まないこととして、誤差を含むセンサ出力の取り込みを防止する点に特徴を有している。
図7は、酸素センサ10に対して素子インピーダンスRsを算出するための電圧が印加された前後におけるセンサ出力の変化を示す。図7中に破線で示す波形は、素子インピーダンスRsが大きく、電圧印加に伴ってセンサ出力が大きく上昇した場合の波形を示す。また、図7中に実線で示す波形は、素子インピーダンスRsが小さく、電圧印加に伴うセンサ出力の上昇が小さい場合の波形を示す。
図7に示すように、酸素センサ10が大きな素子インピーダンスRsを有する場合(破線の場合)は、電圧印加に伴ってセンサ出力が上昇した後、その値が本来の値、つまり、排気ガス中の酸素濃度に対応する値に低下するまでに比較的長い期間を要する。また、酸素センサ10の素子インピーダンスRsが小さい場合は、電圧印加の後、比較的短時間でセンサ出力が本来の値に復帰する。このため、センサ出力が一定の間隔でサンプリングされるとすれば、誤差を含むセンサ出力の取得回数、つまり、本実施形態において破棄すべきデータの取得回数は、素子インピーダンスRsが大きい場合に、その値Rsが小さい場合に比して多数となる。そこで、本実施形態において、ECU20は、素子インピーダンスRsを算出すべく酸素センサ10に電圧を印加した後、算出された素子インピーダンスRsに応じた回数だけ、サンプリングされたデータ(センサ出力)を、誤差を含むものとして破棄することとしている。
図8は、上記の機能を実現すべくECU20が本実施形態において実行する制御ルーチンのフローチャートを示す。尚、図8において、上記図5に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図8に示すルーチンでは、ステップ101において素子インピーダンスRsの算出間隔T1が経過している(TCOUNT≧T1が成立している)と判断されると、ステップ104の処理(素子インピーダンスRsの算出、およびカウンタTCOUNTのクリア)の終了後に、データ破棄回数AD1が算出される(ステップ110)。
図9は、データ破棄回数AD1と素子インピーダンスRsとの関係を定めたマップの一例を示す。ECU20は、図9に示すようなマップを記憶しており、本ステップ110では、このマップを参照することにより、上記ステップ104において算出された素子インピーダンスRsに対応するデータ破棄回数を算出する。図9に示すマップによれば、素子インピーダンスRsが大きく、電圧印加の影響がセンサ出力に残存し易いほど、データ破棄回数AD1を大きな値に設定することができる。
図8に示すルーチンでは、次に、カウンタADCOUNTのクリア処理が行われる(ステップ112)。
ADCOUNTは、素子インピーダンスRsの算出処理の後の実行されたセンサ出力のサンプリング回数を計数するためのカウンタである。ECU20は、本ステップ112の処理が終了すると、今回の処理サイクルを終了させる。
図8に示すルーチンでは、ステップ101においてTCOUNT≧T1が成立しないと判別された場合は、ステップ102においてセンサ出力がサンプリングされた後、カウンタADCOUNTのインクリメント処理が行われる(ステップ114)。
上記の処理によれば、素子インピーダンス算出間隔T1が経過するまでの間は、サンプリング間隔毎に(ルーチンの起動毎に)、センサ出力をサンプリングし、また、カウンタADCOUNTの計数値をインクリメントすることができる。
図8に示すルーチンでは、次に、カウンタADCOUNTの計数値がデータ破棄回数AD1以下であるかが判別される(ステップ116)。
その結果、ADCOUNT≦AD1が成立すると判別される間は、上記ステップ102においてサンプリングされたセンサ出力(データ)が破棄される(ステップ118)。
そして、ADCOUNT≦AD1が成立しないと判別されるようになると、ステップ118の処理がジャンプされ、取り込まれたデータが破棄されることなく今回の処理サイクルが終了される。
以上説明した通り、図8に示すルーチンによれば、素子インピーダンスRsを算出すべく、酸素センサ10に対して電圧が印加された後、所定のデータ破棄回数AD1分は、サンプリングされたセンサ出力を破棄することができる。そして、データ破棄回数AD1は、素子インピーダンスRsに基づいて、センサ出力に誤差が重畳すると予想される期間に対応するように設定することができる。このため、本実施形態のシステムによれば、酸素センサ10の素子インピーダンスRsを算出する機能と、排気ガス中の酸素濃度に関する情報を常に精度良く検知する機能とを共に実現することができる。
ところで、上述した実施の形態2においては、データ破棄回数AD1を、酸素センサ10の素子インピーダンスRsに基づいて設定することとしているが、その設定の手法はこれに限定されるものではなく、AD1を設定する際には、実施の形態1の場合と同様に、酸素センサ10の通常のセンサ出力値を考慮してもよい。より具体的には、データ破棄回数は、酸素センサ10の通常のセンサ出力値と、電圧印加時におけるセンサ出力の到達値との差が小さく、データの収束に要する時間が短いと予想されるほど、小さな値に設定することとしてもよい。
また、上述した実施の形態2においては、ECU20の制御対象が酸素センサ(排気空燃比がリッチであるかリーンであるかに応じた出力を発するセンサ)に限定されているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明は、酸素センサに限らず、被検出ガス中の酸素濃度(空燃比)を表す出力を発する空燃比センサに適用することとしてもよい。
尚、上述した実施の形態2においては、データ破棄回数AD1に対応する期間が前記第4の発明における「所定期間」に相当していると共に、ECU20が、上記ステップ104の処理を実行することにより前記第4の発明における「インピーダンス検出手段」が、上記ステップ118の処理を実行することにより前記第4の発明における「データ破棄手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態2においては、ECU20が、上記ステップ110の処理を実行することにより前記第5の発明における「データ破棄期間設定手段」が実現されている。
実施の形態3.
次に、図10および図11を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
本実施形態のシステムは、図1に示す構成を用いて、ECU20に、上記図5に示すルーチンに代えて後述する図11に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
本実施形態において、ECU20は、上述した実施の形態1の場合と同様に、素子インピーダンス算出間隔T1が経過する毎に、素子インピーダンスRsを算出するための処理を実行する。素子インピーダンスRsを算出する際には、既述した通り酸素センサ10に電圧が印加される。酸素センサ10の出力は、その電圧印加の影響が消えるまでの間は、排気ガス中の酸素濃度と正確には対応しない値となる。このため、排気ガス中の酸素濃度に関する情報をセンサ出力に基づいて正確に検知することができるのは、そのセンサ出力から電圧印加の影響が消滅した後、素子インピーダンス算出間隔T1が経過するまでの間に限られる。
酸素センサ10のセンサ出力から電圧印加の影響が消滅するのに要する時間は、素子インピーダンスRsが大きいほど長くなる。このため、素子インピーダンス算出間隔T1が一定であるとすれば、素子インピーダンスRsが小さい場合には、排気ガス中の酸素濃度に関する情報を正しく検知し得る期間が十分に確保できるものの、素子インピーダンスRsが大きい状況下では、そのような期間が確保できない事態が生ずる。
図10は、上記の事態に対処すべく、本実施形態において実現される動作を説明するためのタイミングチャートである。具体的には、図10(A)は、素子インピーダンスRsが大きい場合に実現される酸素センサ10のセンサ出力の波形を示す。また、図10(B)は、素子インピーダンスRsが小さい場合に実現される酸素センサ10のセンサ出力の波形を示す。図10(A)および図10(B)において、T1として示される期間は、上記の素子インピーダンス算出期間である。また、T2として示される期間は、センサ出力のサンプリングが禁止される期間である。
図10(A)および図10(B)に示すように、本実施形態のシステムは、素子インピーダンスRsが大きい場合には、素子インピーダンス算出間隔T1を長く設定し、かつ、サンプリング禁止期間T2を長く設定する。また、素子インピーダンスRsが小さい場合は、素子インピーダンス算出間隔T1を短く設定し、かつ、サンプリング禁止期間T2を短く設定する。T1およびT2がこのように設定されると、素子インピーダンスRsを算出するための電圧印加の影響がセンサ出力から消滅する期間の長短に関わらず、正常なセンサ出力を取得できる期間を十分に確保することができる。このため、本実施形態のシステムによれば、酸素センサ10の素子インピーダンスRsに関わらず、常に適正に排気ガス中の酸素濃度に関する情報を検知することができる。
図11は、上記の機能を実現するためのECU20が実行する制御ルーチンのフローチャートを示す。尚、図11において、図5または図8に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図11に示すルーチンでは、先ず、カウンタTCOUNTのカウントアップと共に、素子インピーダンス算出間隔T1の設定と、サンプリング禁止期間T2の設定とが行われる(ステップ120)。
本実施形態において、ECU20は、素子インピーダンスRsとの関係でT1を定めたマップ、およびT2を定めたマップを記憶している。本ステップ120では、それらのマップを参照することにより、T1およびT2が設定される。
上記ステップ120の処理が終了すると、ステップ100の処理、すなわち、TCOUNT≧T1の成立を判定する処理が実行される。この条件が成立すると判別された場合は、以後、ステップ104において素子インピーダンスRsの算出と、カウンタTCOUNTのクリア処理とが行われた後、今回の処理サイクルが終了される。一方、上記の条件が成立しないと判別された場合は、TCOUNT≧T2が成立するか否かが判別される(ステップ122)。
TCOUNT≧T2が成立しないと判別された場合は、素子インピーダンスRsが算出された後、未だサンプリング禁止期間T2が経過していないと判断することができる。図11に示すルーチンでは、この場合、以後、センサ出力のサンプリングが行われることなく今回の処理サイクルが終了される。これに対して、TCOUNT≧T2が成立すると判別された場合は、サンプリング禁止期間T2が既に経過していると判断することができる。この場合、以後、ステップ102において、センサ出力のサンプリングが行われた後、今回の処理サイクルが終了される。これらの処理によれば、サンプリング禁止期間T2の経過後、素子インピーダンス算出間隔T1が経過するまでの間に限り、サンプリング間隔毎にセンサ出力を取り込むことができる。
上記ステップ120において用いられるT1に関するマップ、およびT2に関するマップは、共に、素子インピーダンスRsが大きいほどT1或いはT2が大きな値となるように設定されている。より具体的には、素子インピーダンス算出間隔T1に関するマップは、素子インピーダンスRsの値に関わらず、酸素センサ10が正常なセンサ出力を発生する期間が常に十分に確保されるようにRsとT1の関係を定めている。また、サンプリング禁止期間T2に関するマップは、酸素センサ10のセンサ出力に電圧印加の影響が残存する期間がサンプリング禁止期間T2となるように、T2の値が素子インピーダンスRsとの関係で定められている。このため、図11に示すルーチンによれば、素子インピーダンスRsの値に関わらず、酸素センサ10が正常な出力を発する期間を常に十分に確保することができると共に、正しいセンサ出力のみをサンプリングすることができる。 従って、本実施形態のシステムによれば、素子インピーダンスRsを精度良く検出する機能と、排気ガス中の酸素濃度に関する情報を精度良く検出する機能とを共に実現することができる。
ところで、上述した実施の形態2においては、素子インピーダンス算出間隔T1およびサンプリング禁止期間T2を、素子インピーダンスRsに基づいて設定することとしているが、その設定の手法はこれに限定されるものではなく、それらを設定する際には、実施の形態1の場合と同様に、酸素センサ10の通常のセンサ出力値を考慮してもよい。より具体的には、T1およびT2は、それぞれ、酸素センサ10の通常のセンサ出力値と、電圧印加時におけるセンサ出力の到達値との差が小さく、データの収束に要する時間が短いと予想されるほど、小さな値に設定することとしてもよい。
また、上述した実施の形態3においては、ECU20の制御対象が酸素センサ(排気空燃比がリッチであるかリーンであるかに応じた出力を発するセンサ)に限定されているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明は、酸素センサに限らず、被検出ガス中の酸素濃度(空燃比)を表す出力を発する空燃比センサに適用することとしてもよい。
尚、上述した実施の形態3においては、素子インピーダンス算出間隔T1が前記第6の発明における「所定間隔」に相当していると共に、ECU20が、上記ステップ104の処理を実行することにより前記第6の発明における「インピーダンス検出手段」が、上記ステップ120の処理を実行することにより前記第6の発明における「インピーダンス検出間隔設定手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態3においては、サンプリング禁止期間T2が前記第7の発明における「所定期間」に相当していると共に、ECU20が、上記ステップ100および122の処理を実行することにより前記第7の発明における「出力取得期間設定手段」が、上記ステップ120の処理を実行することにより前記第7の発明における「出力非取得期間設定手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態4.
次に、図12乃至図15を参照して、本発明の実施の形態4について説明する。
本実施形態のシステムは、実施の形態3の装置において、ECU20に、上記図11に示すルーチンに代えて後述する図14に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
上述した実施の形態3の装置は、既述した通り、素子インピーダンスRsが大きいほど、素子インピーダンス算出間隔T1を長期化させることとしている。図12は、このような設定を満たすものとして、実施の形態3の装置において用いることのできる素子インピーダンス算出間隔T1のマップの一例である(図11,ステップ120参照)。このマップによれば、素子インピーダンスRsが上方収束値RsHと下方収束値RsLに挟まれる領域では、素子インピーダンスRsに対してリニアな関係を示すように素子インピーダンス算出間隔T1が決定され、素子インピーダンスRsが上方収束RsHを越える領域および下方収束値RsLを下回る領域では、素子インピーダンス算出間隔T1が、それぞれ所定の上限値T1maxまたは下限値T1minに決定される。この場合、素子インピーダンスRsを検出するための電圧が酸素センサ10に印加される間隔は、素子インピーダンスRsが大きいほど長くなり、また、素子インピーダンスRsが小さいほど短くなる。
図13は、酸素センサ10の素子温度と素子インピーダンスRsとの関係を示す図である。この図に示すように、素子インピーダンスRsは、酸素センサの素子温度が上昇するに連れて小さな値となる。素子インピーダンス検出用の電圧が酸素センサ10に印加される場合に、酸素センサ10を流れる電流Iは、素子インピーダンスRsが小さいほど多量となる。このため、その電流Iは、酸素センサ10の素子温度が上昇するに連れて多量となる。
図12に示すマップによれば、素子インピーダンスRsが下方収束値RsLを下回るような場合、つまり、電圧印加時に多大な電流Iが流通するような場合には、素子インピーダンス算出間隔T1が下限値とされる。この場合、素子インピーダンスRsの検出が頻繁に行われることとなり、その結果、酸素センサ10には、多大な電流Iが頻繁に流通することになる。酸素センサ10は、そこを流れる電流Iが多大であるほど、また、その電流Iの流通時間が長いほど、大きなダメージを受ける。このため、素子インピーダンス算出間隔T1が図12に示すようなマップに従って決定されるとすれば、素子温度が十分に上昇した後に、酸素センサ10に大きなダメージが加わり易い。そこで、本実施形態では、素子インピーダンスRsが十分に低い領域では、酸素センサ10に対する電圧印加頻度を下げるべく、素子インピーダンス算出間隔T1を、大きな値とすることとした。
図14は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU20が実行する制御ルーチンのフローチャートを示す。図14に示すルーチンは、ステップ120がステップ130に置き換えられている点を除き、図11に示すルーチンと同様である。尚、図14において、図11に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図14に示すルーチン中、ステップ130では、a)カウンタTCOUNTのカウントアップ、b)素子インピーダンス算出間隔T1の設定、およびc)サンプリング禁止期間T2の設定が行われる。これらの処理のうち、a)およびc)の処理は、実施の形態3の場合と同様の手法で行われる(図11;ステップ120参照)。そして、b)素子インピーダンス算出間隔T1の設定は、図15に示すマップを参照して行われる。
図15は、本実施形態において、ECU20が、素子インピーダンス算出間隔T1を設定するために記憶しているマップの一例を示す。図15に示すマップの横軸には、下方収束値RsLより小さい所定の閾値RsTHが設定されている。このマップは、素子インピーダンスRsが閾値RsTHを越える領域では、図12に示すマップと同様に設定されている。そして、図15に示すマップは、素子インピーダンスRsが閾値RsTHを下回る領域では、センサインピーダンスRsが減少するに連れて、素子インピーダンス算出間隔T1が、急激に上限値T1maxとなるように設定されている。
図15に示す閾値RsTHは、素子インピーダンス算出間隔T1を下限値T1minとした場合に、酸素センサ10に不当に大きなダメージを与えることのない最小の素子インピーダンスRsとして設定された値である。つまり、図15に示すマップによれば、酸素センサ10の素子インピーダンスRsがRsTHとなった場合、素子インピーダンス算出間隔T1は下限値T1minに決定される。この場合、酸素センサ10には、素子インピーダンス検出用の電圧が、下限値T1minの間隔で繰り返し印加される。個々の電圧印加により、酸素センサ10には、印加電圧VをRsTHで除した値に相当する電流I=V/RsTHが流通する。そして、閾値RsTHは、酸素センサ10に不当なダメージを与えることなく、T1minの間隔で繰り返し流通させ得る最大の電流Iを発生させる素子インピーダンスRsである。
図14に示すルーチンによれば、図15に示すマップに従って設定された素子インピーダンス算出間隔T1で素子インピーダンスRsの検出処理が繰り返される。この場合、電圧印加に伴って酸素センサ10が受けるダメージは、その電圧印加の間隔(T1)と、電圧印加に伴って生ずる電流Iとの関係で、素子インピーダンスRsが閾値RsTHと一致する場合において最も大きなものとなる。そして、閾値RsTHは、既述した通り、そのような場合に酸素センサ10が受けるダメージが不当に大きなものとならないように設定されている。このため、本実施形態においては、素子インピーダンスRsが如何なる値であっても、素子インピーダンスRsの検出処理が繰り返されることにより、酸素センサ10に不当なダメージが加わることはない。
以上説明した通り、本実施形態の装置は、酸素センサ10の素子インピーダンスRsが十分に小さい領域では、素子インピーダンスRsの検出頻度を下げることにより、酸素センサ10に不当なダメージが加わるのを防ぐことができる。このため、本実施形態の装置によれば、実施の形態3の装置と同様の効果を達成しつつ、更に、酸素センサ10の劣化を十分に抑制できるという効果をも達成することができる。
尚、上述した実施の形態4においては、ECU20が、上記ステップ130において、図15に示すマップを参照して素子インピーダンス算出間隔T1を決定することにより、前記第8の発明における「インピーダンス検出間隔設定手段」が実現されている。
本発明の実施の形態1の構成を説明するための図である。 図2(A)乃至図2(E)は本発明の実施の形態1において実現される動作を説明するためのタイミングチャートである。 図1に示す酸素センサの等価回路図である。 図1に示す酸素センサに対して電圧が印加された前後におけるセンサ出力の波形を示す図である。 本発明の実施の形態1において実行される制御ルーチンのフローチャートである。 図5に示すルーチン中で第2ポートのON時間を算出する際に用いられる手法を説明するための図である。 図1に示す酸素センサに対して電圧が印加された前後におけるセンサ出力の波形を素子インピーダンスRsとの関係で表した図である。 本発明の実施の形態2において実行される制御ルーチンのフローチャートである。 図8に示すルーチン中でデータ破棄回数AD1を算出する際に参照されるマップの一例を示す図である。 図10(A)および図10(B)は本発明の実施の形態3において実現される動作の概要を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施の形態3において実行される制御ルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態3において用いることのできる素子インピーダンス算出間隔T1のマップの一例である。 図1に示す酸素センサの素子温度と素子インピーダンスRsとの関係を示す図である。 本発明の実施の形態4において実行される制御ルーチンのフローチャートである。 図14に示す制御ルーチンにおいて参照される素子インピーダンス算出間隔T1のマップの一例である。
符号の説明
10 酸素センサ
20 ECU(Electronic Control Unit)
22 第1スイッチ素子
24 第1ポート
26 第2抵抗
28 第1サンプリング点
30 第1抵抗
42 第2スイッチ素子
44 第2ポート
50 第2サンプリング点
Rs 素子インピーダンス
RsTH 閾値

Claims (8)

  1. 被検出ガス中の酸素濃度と相関を有する出力を発するガス濃度センサの制御装置であって、
    インピーダンス検出用電圧を前記ガス濃度センサに印加して、当該ガス濃度センサの素子インピーダンスを検出するインピーダンス検出手段と、
    前記インピーダンス検出用電圧が前記ガス濃度センサに印加された後、当該ガス濃度センサが自ら発するのと同じ電圧、或いはその電圧から見て前記インピーダンス検出用電圧と逆向きの電圧を、所定期間だけ前記ガス濃度センサに印加する逆電圧印加手段と、
    を備えることを特徴とするガス濃度センサの制御装置。
  2. 前記素子インピーダンスが大きいほど、前記所定期間を長く設定する逆電圧印加期間設定手段を備えることを特徴とする請求項1記載のガス濃度センサの制御装置。
  3. 前記逆電圧印加期間設定手段は、前記ガス濃度センサが自ら発する電圧と前記インピーダンス検出用電圧との差が小さいほど、前記所定期間を短く設定することを特徴とする請求項1または2記載のガス濃度センサの制御装置。
  4. 被検出ガス中の酸素濃度と相関を有する出力を発するガス濃度センサの制御装置であって、
    インピーダンス検出用電圧を前記ガス濃度センサに印加して、当該ガス濃度センサの素子インピーダンスを検出するインピーダンス検出手段と、
    前記インピーダンス検出用電圧が前記ガス濃度センサに印加された後、所定期間は、前記ガス濃度センサの出力を破棄するデータ破棄手段と、
    を備えることを特徴とするガス濃度センサの制御装置。
  5. 前記素子インピーダンスが大きいほど、前記所定期間を長く設定するデータ破棄期間設定手段を備えることを特徴とする請求項4記載のガス濃度センサの制御装置。
  6. 被検出ガス中の酸素濃度と相関を有する出力を発するガス濃度センサの制御装置であって、
    所定間隔毎に、インピーダンス検出用電圧を前記ガス濃度センサに印加して、当該ガス濃度センサの素子インピーダンスを検出するインピーダンス検出手段と、
    前記素子インピーダンスが大きいほど、前記所定間隔を長く設定するインピーダンス検出間隔設定手段と、
    を備えることを特徴とするガス濃度センサの制御装置。
  7. 前記素子インピーダンスの検出後、所定期間が経過した時点から、前記ガス濃度センサに再び前記インピーダンス検出用電圧が印加されるまでの期間を、当該ガス濃度センサの出力取得期間とする出力取得期間設定手段と、
    前記素子インピーダンスが大きいほど、前記所定期間を長く設定する出力非取得期間設定手段と、
    を備えることを特徴とする請求項6記載のガス濃度センサの制御装置。
  8. 前記インピーダンス検出間隔設定手段は、
    前記素子インピーダンスが所定閾値以上である領域では、当該素子インピーダンスが大きいほど前記所定間隔を長く設定し、
    前記素子インピーダンスが前記所定閾値を下回る領域では、前記所定間隔を、前記素子インピーダンスが前記所定閾値と一致する場合に設定される所定間隔に比して長く設定することを特徴とする請求項6または7記載のガス濃度センサの制御装置。
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