JP4765742B2 - 排気ガスセンサの信号処理装置 - Google Patents

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Description

この発明は、排気ガスセンサの信号処理装置に関し、特に、排気ガスセンサの出力信号に重畳するノイズを除去する装置として好適な排気ガスセンサの信号処理装置に関する。
従来、例えば特開2000−329730号公報に開示されるように、排気ガスセンサ(以下、単に「センサ」とも称す)の素子インピーダンスをノイズの影響を受けずに正確に検出するための装置が知られている。この装置によれば、より具体的には、排気ガスセンサの出力信号に重畳するノイズを、なまし処理やデジタルフィルタ処理によって除去することとしている。これにより、排気ガスセンサの素子インピーダンスを正確に検出することができる。
特開2000−329730号公報 特開2004−93289号公報 特開2003−14683号公報 特開2004−340914号公報
ところで、排気ガスセンサはセンサ素子が活性状態になることで、正確な検出信号を出力することができる。このため、一般的には、検出されたセンサ素子のインピーダンスからセンサの活性状態を判断する。そして、かかる検出値に基づいてヒータ等の駆動制御を行い、所望のセンサ素子温度を保つこととしている。
ここで、排気ガスセンサの温度が活性温度に達していない状態においては、センサの素子インピーダンスが大きいため、センサ出力には大きなノイズが多量に重畳する。これらのノイズをセンサの検出信号として誤検出した場合、空燃比のフィードバック制御、或いはセンサの異常診断等の誤動作に繋がるおそれがある。このため、従来においてはセンサ出力になまし処理等を施しノイズを除去することとしている。
しかしながら、なまし処理はノイズを低減することができる反面、その反映の度合いによっては、ノイズだけでなくセンサの出力自体になまし処理が施され、検出出力に誤差が生じる可能性がある。つまり、なまし処理の反映度を決めるなまし率を高く設定すると、センサ低温時の大きなノイズを除去することはできるが、センサが活性状態に達したときにセンサ出力に悪影響を及ぼす可能性がある。一方、センサ活性時のセンサ出力に悪影響を与えない範囲でなまし率を設定すると、センサ活性前に発生するノイズを効果的に除去することができないこととなる。このため、ノイズの発生状況を考慮せず一定のなまし処理を施す従来の装置においては、上述した双方の要求を満足することはできず、ノイズを除去する装置としては不十分なものであった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、排気ガスセンサの活性状態に応じて、検出信号に重畳するノイズを効果的に除去することのできる排気ガスセンサの信号処理装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、排気ガスセンサの信号処理装置であって、
高圧側の正極端子と低圧側の負極端子とを有し、前記正極端子と前記負極端子との間に、被検出ガス中の酸素濃度に応じた電圧を発生する起電力式の排気ガスセンサと、
前記排気ガスセンサの素子インピーダンスと相関を有するインピーダンス相関値を取得するインピーダンス相関値取得手段と、
前記インピーダンス相関値が大きいほど、前記排気ガスセンサの出力信号に大きななまし処理を施す信号処理手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記素子インピーダンスを検出するために、前記排気ガスセンサに検出用電圧を印加する電圧印加手段と、
前記検出用電圧が印加された後、前記排気ガスセンサに蓄えられた電荷を放出する電荷放出手段と、
を更に備えることを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、
前記排気ガスセンサの前記負極端子に、正電圧を印加する基準電圧印加手段を更に備えることを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至3の何れか1つの発明において、
前記インピーダンス相関値が所定値以下の場合には、前記なまし処理を中断する中断手段を更に備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、排気ガスセンサの素子インピーダンスが大きな値であるほど、センサ出力には大きなノイズが重畳する。このため、本発明によれば、排気ガスセンサの素子インピーダンス相関値が大きいほど、前記排気ガスセンサの検出信号に施すなまし処理の反映度を大きくすることができる。これにより、ノイズの発生状況に応じたなまし処理を実行し、センサ出力に重畳するノイズを効果的に除去することができる。
第2の発明によれば、排気ガスセンサに重畳するノイズは、排気ガスセンサの素子インピーダンスを算出するために印加される電圧、および、その後にセンサから電荷が放出されることにより発生する電圧の影響により発生する。このため、本発明によれば、センサ出力になまし処理を施すことにより、素子インピーダンス算出処理に起因して発生するノイズを効果的に除去することができる。
第3の発明によれば、排気ガスセンサの負極端子には一定の基準電圧が印加されているため、センサに発生する負の起電力を検出することができる。このため、素子インピーダンス算出のための電圧印加、および電荷放出処理によりセンサ出力に重畳する負領域のノイズまでもが検出される。このため、本発明によれば、センサ出力になまし処理を施すことにより、排気ガスセンサの出力として検出される負領域のノイズに関しても効果的に除去することができる。
第4の発明によれば、排気ガスセンサが活性状態の場合には、センサの検出出力にノイズが重畳し難い。このため、かかる状態においてなまし処理を施すと、センサ起電力自体になまし処理が施され、正確な検出信号を出力することができないこととなる。このため、本発明によれば、インピーダンス相関値が所定値以下、すなわちセンサが活性状態の場合になまし処理を中断することで、正確なセンサ検出値を出力することができる。
以下、図面に基づいてこの発明のいくつかの実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態
[回路構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態の構成を説明するための図を示す。図1に示すように、本実施形態のシステムは、酸素センサ10とECU(Electronic Control Unit)20を備えている。本実施形態において、酸素センサ10は、内燃機関の排気通路に配置され、排気ガス中の酸素濃度に応じたセンサ出力、より具体的には、排気空燃比がリッチであるかリーンであるかを表すセンサ出力を発生することができる。
図1において、酸素センサ10は、インピーダンス成分と起電力成分とを含むものとして等価的に示されている。すなわち、酸素センサ10は、被検出ガス中の酸素濃度に応じた電圧を発生する起電力式のセンサである。本実施形態では、正極端子12側が高圧側となり、負極端子14側が低圧側となるように酸素センサ10とECU20が接続されている。ECU20は、正極端子12と負極端子14との間に発生する電圧を見ることで、排気空燃比がリッチであるかリーンであるかを判断することができる。
酸素センサ10の素子インピーダンスRsは、温度特性を有しており、酸素センサ10が高温になるほど小さな値となる。酸素センサ10を正常に機能させるためには、酸素センサ10の温度を活性温度に制御する必要がある。酸素センサ10の温度は、素子インピーダンスRsと相関を有するため、その温度を上記の活性温度に制御する上で、素子インピーダンスRsが正確に検知できると便利である。また、素子インピーダンスRsが正確に検知できれば、その値から、酸素センサ10の異常診断を行うことも可能である。このように、酸素センサ10については、素子インピーダンスRsを正確に検出することにつき要求が存在している。
また、本実施形態において用いられるECU20は、酸素センサ10が自ら発する電圧(正極端子12と負極端子14との間に発生する電圧)に基づいて排気空燃比に関する情報を取得する機能、酸素センサ10の素子インピーダンスRsを精度良く検出する機能、センサに生じる負電圧を検出することにより、センサの素子割れ異常を判断する機能、更には素子インピーダンスRsに基づいて、センサ出力になまし処理を施しセンサ出力に重畳するノイズを除去する機能を併せ持つユニットである。以下、ECU20の回路構成、および上記機能を詳細に説明する。
ECU20は、第1スイッチ素子22を備えている。第1スイッチ素子22には、5Vの定電圧(電源電圧)が供給されている。第1スイッチ素子22のゲートは、第1ポート24に連通している。ECU20は、必要に応じて、この第1ポート24にON指令を発することにより第1スイッチ素子22をON状態とする。
第1スイッチ素子22は、第2抵抗26を介して第1サンプリング点28に接続されている。第1サンプリング点28は、第1抵抗30を介してECU20の正極端子12と導通していると共に、第1コンデンサ31を介してECU20の外部接点E2と導通している。
第1サンプリング点28は、時定数の小さなフィルタ回路を介して、第1AD変換器(ADC1)32に接続されている。上記のフィルタ回路は、直列に接続された2つの抵抗34、36と、第1AD変換器32の入力端子と接地線との間に配置されたコンデンサ38とを備えている。上記2つの抵抗34、36の間には、それらの接続点の電位を5V以下にガードするためのダイオード40が接続されている。
第1AD変換器32は、その入力端子に供給されるアナログ信号をディジタル信号に変換して出力することができる。第1AD変換器32の入力端子には、既述した時定数の小さなフィルタ回路を介して、第1サンプリング点28の電位が供給されている。このため、第1AD変換器32は、第1サンプリング点28の電位を、その電位が高周波で変化する場合においても、精度良くディジタル化して出力することができる。
第1サンプリング点28には、また、第3抵抗41を介して第2スイッチ素子42が接続されている。この第2スイッチ素子42のゲートには、第2ポート44が接続されている。ECU20は、必要に応じて、この第2ポート44にON指令を発することにより第2スイッチ素子42をON状態とする。したがって、ECU20は、第2ポート44にON指令を発生させることにより、第1サンプリング点28を、第3抵抗41を介して外部接点E2に導通させることができる。
ECU20において、第1抵抗30と正極端子12との間には、第2サンプリング点50が形成されている。第2サンプリング点50には、酸素センサ10と並列に配置された出力検出用抵抗52の一端が接続されている。出力検出用抵抗52は、酸素センサ10の素子インピーダンスRsに比して十分に大きなインピーダンスを有している。したがって、第2サンプリング点50に電源電圧が供給されていない場合(第1スイッチ素子22がOFFである場合)、第2サンプリング点50には、負極端子14の電位と酸素センサ10起電力との和に相当する電圧が発生する。また、第2サンプリング点50に電源電圧が供給されている場合(第1スイッチ素子22がONである場合)は、酸素センサ10を流れる電流Iと、素子インピーダンスRsとの積に相当する電圧が第2サンプリング点50に発生する。
第2サンプリング点50には、時定数の小さなフィルタ回路を介して、第2AD変換器(ADC2)54が接続されている。上記のフィルタ回路は、直列に接続された2つの抵抗56、58と、第2AD変換器54の入力端子と接地線との間に配置されたコンデンサ60とを備えている。上記2つの抵抗56、58の間には、それらの接続点の電位を5V以下にガードするためのダイオード62が接続されている。
第2AD変換器54は、その入力端子に供給されるアナログ信号をディジタル信号に変換して出力することができる。第2AD変換器54の入力端子には、既述した時定数の小さなフィルタ回路を介して、第2サンプリング点50が接続されている。このため、第2AD変換器54は、第2サンプリング点50の電位を、その電位が高周波で変化する場合においても、精度良くディジタル化して出力することができる。
第2サンプリング点50には、更に、抵抗64およびコンデンサ66からなるフィルタ回路を介して、第3AD変換器(ADC3)68が接続されている。第3AD変換器68の前段に設けられたフィルタ回路は、十分に大きな時定数を有しており、第2サンプリング点50における電圧の低周波成分だけを通過させる。このため、第3AD変換器68は、ノイズなどの影響を受けることなく、第2サンプリング点50の定常的な電圧値に相当するディジタル信号を精度良く生成することができる。
ECU20において、負極端子14に導通する第3サンプリング点70には、抵抗72を介して5Vの定電圧(電源電圧)が供給されると共に、一端が外部接点E2に導通したダイオード74が接続されている。このため、これらの回路によれば、第3サンプリング点70の電位をダイオード74のしきい値電圧(シリコンダイオードの場合は約0.7V)に維持し、常に酸素センサ10の負極端子14にしきい値電圧(以下、「基準電圧V0」と称す)を印加することができる。
第3サンプリング点70には、更に、抵抗76およびコンデンサ78からなるフィルタ回路を介して、第4AD変換器(ADC4)80が接続されている。第4AD変換器80の前段に設けられたフィルタ回路は、十分に大きな時定数を有しており、第3サンプリング点70における電圧の低周波成分だけを通過させる。このため、第4AD変換器80は、ノイズなどの影響を受けることなく、第3サンプリング点70の定常的な電圧値に相当するディジタル信号を精度良く生成することができる。
[ECUの動作説明]
(酸素濃度情報の検出処理)
ECU20は、酸素センサ10の素子インピーダンスRsを検出しようとする場合を除き、第1ポート24をOFFとする。第1ポート24がOFFであれば第1スイッチ素子22がOFFとなり、第2サンプリング点50と第3サンプリング点70との電位差は、定常的には酸素センサ10の起電力に相当する値となる。この場合、第3AD変換器68の出力は酸素センサ10の正極のセンサ出力と一致する値となり、第4AD変換器80の出力は酸素センサ10の負極のセンサ出力と一致する値となる。ECU20は、そのような状況下で第3AD変換器68および第4AD変換器80が発するディジタル信号を所定周期毎(例えば、4msec毎)に検出し、その検出値に基づいて排気ガス中の酸素濃度に関する情報を取得する。
(素子インピーダンスRsの算出処理)
ECU20は、素子インピーダンスRsの算出モードでは、原則として第2ポート44をOFFとする。この場合、第2スイッチ素子42がOFF状態となり、ECU20の内部では、第1抵抗30とセンサ素子10との直列回路に対して、第1コンデンサ31だけが並列に接続された状態が形成される。以下、それらの要素により形成される並列回路を「R1・Rs-C1並列回路」と称す。尚、ECU20は、酸素センサ10と並列に接続された出力検出抵抗52を備えているが、その抵抗値(例えば1.5MΩ)が酸素センサ10の素子インピーダンスRs(数10KΩ以下)に比して十分に大きいため、ここではその存在は無視できるものとする。
素子インピーダンスRsの算出が要求されると、ECU20は、第2ポート44をOFFとしたまま、その時点で第1ポート24をONとする。第1ポート24がONとされると、第1スイッチ素子22がON状態となり、第2抵抗26に対して電源電圧5Vが印加され始める。この電圧は、第2抵抗26を通って第1サンプリング点28に作用し、R1・Rs-C1並列回路に印加される。
第1サンプリング点28に対して、上記の電圧が印加され始めると、以後、その点の電位VS1は、時定数τで上昇し、最終的には、第2抵抗26の抵抗値R2と、第1抵抗30および酸素センサ10の合成抵抗値R1+Rsとの分圧により決定される値に収束する。ここで、図1に示す回路において、第1サンプリング点28の電位VS1は第1AD変換器32に供給されている。一方、第2サンプリング点50の電位VS2は、第2AD変換器54に供給されている。このため、ECU20は、所定の状況下で第1AD変換器32が発するディジタル信号をVS1として、第2AD変換器54が発するディジタル信号をVS2として検出することができる。
ここで、酸素センサ10の素子インピーダンスRsは、上述した電位VS1、VS2、抵抗値R1、および基準電圧V0に基づいて算出することができる。このため、本実施形態の回路によれば、素子インピーダンスRsを第1ポート24がONとされた後に第1サンプリング点28および第2サンプリング点50に生ずる電位VS1、VS2に基づいて、精度良く算出することができる。尚、上記電位VS1およびVS2に基づく素子インピーダンスRsの算出手法は、本発明の主要部ではなく、かつ公知の手法のため、ここでは、その詳細な説明を省略する。
(素子インピーダンスRsの算出に伴うマイナス掃引処理)
酸素センサ10は、起電力成分およびインピーダンス成分に加えて容量成分を有している。このため、素子インピーダンスRsの算出のためにセンサに電圧が印加されると、容量成分に電荷が蓄電される。このため、電圧印加が停止された後であっても、蓄電された電荷が放電されるまでの間は正確な検出信号を出力することができない。
そこで、本実施形態の回路によれば、酸素センサ10に蓄えられた電荷を強制的に放電するためにマイナス掃引処理を実行する。より具体的には、ECU20は、素子インピーダンスRsを算出すべく第1ポート24をON→OFFさせた後、所定期間だけ第2ポート44をONさせる。これにより、第1サンプリング点28を、第3抵抗41を介して外部接点E2に導通させ、酸素センサ10に蓄えられた電荷を強制放電させることができる。したがって、素子インピーダンスRsの算出に伴う電圧印加に影響されることなく、排気ガス中の酸素濃度に関する情報を正しく検知することができる。
(酸素センサの故障検出処理)
酸素センサ10は、内燃機関の排気通路に配置され、排気ガス中の酸素濃度差に応じたセンサ出力を発生することができる。ここで、センサが正常な状態においては、排気ガスが大気ガスよりも酸素濃度が高くなることはないため、センサ出力値は常に正の値となる。しかしながら、センサ素子に割れが発生した場合、排気ガスが大気ガス側へ流出するため、大気ガス側と排気ガス側の酸素濃度が逆転する状態となりうる。かかる状態においてはセンサ出力が負の値となるため、負のセンサ出力値を検出することができれば、精度良くセンサ素子割れを検知することが可能となる。
本実施の形態の回路によれば、負極端子14には基準電圧V0が印加されており、第3AD変換器68、および第4AD変換器80により、酸素センサ10の正極端子12および負極端子14の電位を検出することができる。このため、酸素センサ10の出力値が負の値となる場合においてもかかる出力値を検出することができ、精度良くセンサ素子割れを検知することができる。
(酸素センサの出力信号のなまし処理)
上述したとおり、本実施の形態の装置によれば、排気ガスの酸素濃度に応じて酸素センサ10に発生する起電力を第3AD変換器68および第4AD変換器80の出力から算出することができる。ここで、上述した素子インピーダンスRsの算出処理において、酸素センサ10には電圧が印加されるため、第3AD変換器68および第4AD変換器80の出力には、かかる電圧印加に伴うノイズが重畳する。このため、かかるノイズをセンサ出力として誤検出すると、空燃比A/Fのフィードバック制御を精度よく実行することができない。
また、本実施の形態の装置においては、上述したとおり、センサ10の負極端子14に常に基準電圧が印加されており、負のセンサ出力を検出することができる。このため、マイナス掃引処理において発生するノイズ、つまり、負のノイズを検知する可能性があり、かかるノイズを検知した場合、センサの素子割れ異常が発生したと誤認識する可能性がある。
また、センサ出力に重畳するノイズは、センサの活性状態、すなわち、センサの素子インピーダンスの大小に影響する。図2は、センサ10のセンサ出力の変化を示すタイミングチャートである。ECU20は、所定のサンプリング周期毎(128msec毎)にて素子インピーダンスRsの算出用電圧を印加する処理、および、電圧印加に伴うマイナス掃引処理を実行している。ここで、図2に示すとおり、素子インピーダンスRsが大きい領域(センサ低温時)においては、上記マイナス掃引処理のノイズが大きくセンサ出力に重畳していることが分かる。
一方、素子インピーダンスRsが小さい領域、すなわち酸素センサ10のセンサ素子がヒータにより加熱され活性状態に近づくにつれ、ノイズの発生量が減少していることが分かる。以上より、素子インピーダンスRsが大きいほど、そのセンサ出力はノイズの影響を受けやすいことが分かる。
上述したとおり、センサ出力にノイズが重畳するとセンサ出力の誤検出の原因となり得る。そこで、本実施の形態の装置においては、かかるノイズを除去するために、なまし処理を実行することとする。ここで、なまし処理とは、センサ出力値の履歴を反映させ、ノイズに代表される突発的な出力変化による異常出力をなます処理であり、具体的には以下の式(1)にて算出することができる。
V=Vi-1+(Vi−Vi−1)/なまし率 ・・・(1)
ここで、Vは今回のセンサ出力値であり、Viは今回のセンサ検出値、Vi−1は前回のセンサ出力値である。
図3は、センサ出力になまし処理を施した場合の効果について説明した図である。この図3(b)に示すとおり、なまし処理を施していないセンサ出力には、素子インピーダンスRsの算出用電圧印加、およびマイナス掃引処理に基づくノイズが終始センサ出力に重畳している。
一方、図3(a)は、図3(c)に示すようにステップ上になまし率を変化させて、センサ出力になまし処理を施した場合に重畳するノイズを表している。この図によれば、なまし率が大きいほど、センサ出力に重畳するノイズが低減されている。以上より、ノイズを低減させるためにはなまし率を大きくすることが有効なことが分かるが、一方で、なまし率を大きくしすぎると、センサに発生する起電力までもがなまし処理の影響を受け、センサ出力の精度が低下する問題が生じる。
そこで、本実施の形態においては、ノイズの発生状況、すなわち素子インピーダンスRsの大きさに応じてなまし率を変化させ、なまし処理を実行することとする。これにより、ノイズを効果的に除去しつつ、精度良くセンサ出力を検知することができる。
[実施の形態における具体的処理]
次に、図4および5を参照して、本実施の形態の装置が、センサ出力になまし処理を実行する処理の具体的内容について説明する。図4はECU20が、センサ出力になまし処理を実行するルーチンのフローチャートである。尚、本ルーチンは、酸素センサ10の出力のサンプリング毎(例えば、4msec毎)に起動されるルーチンである。
図4に示すルーチンでは、先ず、酸素センサ10の出力が取得される(ステップ100)。ここでは、具体的には、第3AD変換器68に出力された正極端子12の電位と、第4AD変換器80に出力された負極端子14の電位との電位差が酸素センサ10の出力として取得される。
次に、酸素センサ10の素子インピーダンスRsが取り込まれる(ステップ102)。素子インピーダンスRsは、所定周期毎(例えば、128msec毎)に素子インピーダンス算出処理を他のルーチンにおいて実行することにより、常に最新の値が更新されている。ここでは、具体的には、最新の素子インピーダンスRsが本ルーチンに使用する値として取り込まれる。
次に、酸素センサ10が活性状態に達したか否かが判断される(ステップ104)。ここでは、具体的には、上記ステップ102にて取り込まれた素子インピーダンスRsが、素子インピーダンスの活性状態を判断する値(5000Ω)より大きいか否かが判断される。本ステップにおいて、センサ10が既に活性状態に達している(Rs<5000Ω)と判断された場合にはなまし処理は実施されず、後述するステップ110にてセンサ出力値が記憶され、本ルーチンは終了する。
一方、上記ステップ104において、センサ10が未だ活性状態に達していない(Rs≧5000Ω)と判断された場合には、次に、なまし処理に使用されるなまし率が特定される(ステップ106)。図5は、なまし率を特定するためにECU20が記憶しているマップを示す。本ステップにおいて、なまし率はこのマップに従って特定される。このマップによれば、なまし率は、素子インピーダンスRsが5000Ωである場合に1.0とされ、素子インピーダンスが大きくなるほど大きな値とされる。
図4に示すルーチンでは、次に、センサ出力になまし処理を施す処理が実行される(ステップ108)。ここでは、具体的には、上記ステップ100にて取得されたセンサ出力、上記ステップ106にて特定されたなまし率、および後述するステップ110にて記憶された前回のルーチンにおけるセンサ出力が、上述した式(1)に代入され、本ルーチンにおけるセンサ出力値が算出される。次に、上記ステップ108にて特定されたセンサ出力値が、本ルーチンのセンサ出力(今回値)として記憶され、(ステップ110)本ルーチンは終了する。
以上説明したとおり、本実施の形態の装置によれば、素子インピーダンス値に基づいて、なまし処理のなまし率を変化させることができる。このため、ノイズの多く発生する素子インピーダンスの低い場合には、なまし率を大きくしてノイズを効果的に除去し、ノイズが少ない素子インピーダンスの小さい場合には、なまし率を小さくして真のセンサ出力がなまし処理されることを抑制することができる。
ところで、上述した実施の形態においては、なまし処理を式(1)に基づいて実行することとしているが、なまし処理の手法はこれに限られない。すなわち、過去のセンサ出力値を今回の出力値に反映させることにより、突発的なセンサ出力の変化の影響を低減させるようにセンサ出力値を補正するのであれば、上式(1)に限らず、他の式にて算出することとしてもよい。
また、上述した実施の形態においては、素子インピーダンスRsに基づいて、最適ななまし率を特定することとしているが、なまし率の特定手法はこれに限られない。すなわち、センサ温度、またはセンサ素子の加熱時間等のインピーダンスRsと相関を有するインピーダンス相関値に基づいて、なまし率を特定することとしてもよい。
また、上述した実施の形態においては、負極端子14に基準電圧V0を印加させ、酸素センサ10の故障診断を実施することのできる装置において本実施の形態のなまし処理を実行することとしているが、使用される装置の構成はこれに限られない。すなわち、負電圧を検出することのできない負極端子14が外部接点E2に導通している回路において、本実施の形態のなまし処理を実行することとしてもよい。
尚、上述した実施の形態においては、ECU20が、上記ステップ102の処理を実行することにより、前記第1の発明における「インピーダンス取得手段」が、上記ステップ108の処理を実行することにより、前記第1の発明における「信号処理手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態においては、ECU20が、上記ステップ104の処理を実行することにより、前記第4の発明における「中断手段」が、実現されている。
本発明の実施の形態1の構成を説明するための図である。 センサ出力に重畳するノイズを説明するためのタイミングチャートである。 センサ出力になまし処理を実施した場合のノイズ低減の効果について説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 素子インピーダンス値に対応するなまし率を特定するためのマップの一例である。
符号の説明
10 酸素センサ
12 正極端子
14 負極端子
20 ECU(Electronic Control Unit)
22 第1スイッチ素子
24 第1ポート
26 第2抵抗
28 第1サンプリング点
30 第1抵抗
42 第2スイッチ素子
44 第2ポート
50 第2サンプリング点
68 第3AD変換器
70 第3サンプリング点
74 ダイオード
80 第4AD変換器
Rs 素子インピーダンス

Claims (4)

  1. 高圧側の正極端子と低圧側の負極端子とを有し、前記正極端子と前記負極端子との間に、被検出ガス中の酸素濃度に応じた電圧を発生する起電力式の排気ガスセンサと、
    前記排気ガスセンサの素子インピーダンスと相関を有するインピーダンス相関値を取得するインピーダンス相関値取得手段と、
    前記インピーダンス相関値が大きいほど、前記排気ガスセンサの出力信号に大きななまし処理を施す信号処理手段と、
    を備えることを特徴とする排気ガスセンサの信号処理装置。
  2. 前記素子インピーダンスを検出するために、前記排気ガスセンサに検出用電圧を印加する電圧印加手段と、
    前記検出用電圧が印加された後、前記排気ガスセンサに蓄えられた電荷を放出する電荷放出手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1記載の排気ガスセンサの信号処理装置。
  3. 前記排気ガスセンサの前記負極端子に、正電圧を印加する基準電圧印加手段を更に備えることを特徴とする請求項2記載の排気ガスセンサの信号処理装置。
  4. 前記インピーダンス相関値が所定値以下の場合には、前記なまし処理を中断する中断手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の排気ガスセンサの信号処理装置。
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