JP2004340696A - チップ状電子部品の測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】予めチップ状電子部品を整列させる手間もかからず、且つ、測定対象とするチップ状電子部品の寸法余裕度を有するキャリアを用いて確実にチップ状電子部品の測定を行なうことができる測定装置を提供する。
【解決手段】チップ状電子部品8の電気的特性を測定するため計測器4と、測定ピンを有するプローブ2と、チップ状電子部品8を搬送するキャリア6と、これらを統括的に制御する制御部7とを備えると共に、キャリア6の各ポケット、又は、測定ピンに電磁石9を設けて構成し、電磁石9による吸引力を制御して測定ピンとチップ状電子部品の電極とを確実に接触せしめるようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チップ状電子部品の測定装置に関し、特に、チップ状電子部品の電極と測定ピンとを確実に接触させて測定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンデンサ、抵抗器、トランジスタ、振動子、フィルタ等の電子部品にあっては、小型化された表面実装可能なチップ状の形状のものが多くなってきている。
このようなチップ状電子部品の電気的特性などを測定する計測装置として、例えば、特開平10−026214号公報に示されるものがある。この公報に示される計測装置によれば、チップ状電子部品に寸法のばらつきがあったとしても、チップ状電子部品の両端の電極に計測用の接触端子(測定ピン)を確実に接触させてチップ状電子部品の電気的特性を計測することができる。更に、この場合において一定の角度毎に間欠回転するターンテーブル状のキャリアを用い、このキャリアの法線方向(放射状)に形成した保持溝にチップ状電子部品を移動自在に保持して搬送するに際し、チップ状電子部品の位置が簡単にずれないようにするために保持溝の底に磁石を設け、磁力によって磁性体製のチップ状電子部品を保持溝に固定することで、簡単にずれないようにしている。
【特許文献1】特開平10−026214号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のチップ状電子部品の測定装置においては、以下に示すような問題点があった。つまり、キャリアの保持溝は、測定対象とするチップ状電子部品を保持するに合致した寸法であって、この保持溝にチップ状電子部品を正確に保持させるための供給シュートが必要であり、この供給シュート上に予めチップ状電子部品を一列に整列し、保持溝への送り込み制御を行なわなければならないという手間がかかってしまう。
また、寸法の異なる別のチップ状電子部品を測定対象としようとすれば、キャリアをそのチップ状電子部品に合致したものに交換する必要が生じてしまう。
【0004】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、予めチップ状電子部品を整列させる手間もかからず、且つ、測定対象とするチップ状電子部品の寸法余裕度を有するキャリアを用いてチップ状電子部品の測定を行なうことができる測定装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係わるチップ状電子部品の測定装置の請求項1の発明は、チップ状電子部品の所定の特性を測定するための計測器と、前記チップ状電子部品と計測器とを繋ぐための測定ピンを有するプローブと、複数の凹状ポケットにチップ状電子部品を載置して搬送するキャリアと、前記測定器とキャリアとプローブとを制御する制御部とを備え、前記キャリアの搬送駆動に同期してプローブが上下方向に移動することで順次測定を行なう電子部品の測定装置において、前記キャリアは凹状ポケットの内底面下部に設けられた電磁石を有し、前記チップ状電子部品が磁石により吸引される性質を有する場合に、前記電磁石による吸引力を制御して凹状ポケット内の一定の位置にチップ状電子部品を整列させるようにしたことを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係わるチップ状電子部品の測定装置の請求項2の発明は、前記請求項1記載のチップ状電子部品の測定装置において、更に、前記チップ状電子部品は一つの面のみに複数の電極を有するものであることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係わるチップ状電子部品の測定装置の請求項3の発明は、チップ状電子部品の所定の特性を測定するため計測器と、前記チップ状電子部品の被測定端子と計測器とを繋ぐための測定ピンを有するプローブと、前記プローブを上下方向に移動する駆動部と、複数の凹状ポケットにチップ状電子部品を載置して搬送するキャリアと、前記測定器とプローブと駆動部とキャリアとを制御する制御部とを備え、前記キャリアの搬送駆動に同期してプローブが上下方向に移動することで順次測定を行なう電子部品の測定装置において、前記測定ピンに電磁石を設け、前記チップ状電子部品の被測定端子が磁石により吸引される性質を有する場合に、前記電磁石による吸引力を制御して測定ピンとチップ状電子部品の被測定端子とを接触させるようにしたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図示した実施の形態例に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は本発明に係わるチップ状電子部品の測定装置の第1の実施の形態例を示す概略図である。
この例に示すチップ状電子部品の測定装置は、複数の測定ピン1を備えたプローブ2と、該プローブ2を軸先に固定した駆動部3と、チップ状電子部品の電気的諸特性を測定するための計測器4と、複数のポケット(凹状ポケット)5が設けられたキャリア6と、前記駆動部3と計測器4とキャリア6とを制御する制御部7とを備えて構成される。
なお、この例では、図示したキャリア6の3つのポケット5a〜5c内に電極(被測定端子)面を上向きにしてチップ状電子部品8a〜8cが載置されている場面を示している。更に、前記キャリア6には、各ポケット5に対応する電磁石9a〜9cが埋め込まれており、これら電磁石9は、制御部7からの制御に基づきONN/OFF制御される。
【0009】
前記駆動部3は、気圧や油圧、或いは歯車による駆動力をもって軸を上下に動かすことができ、制御部7からの制御に基づきプローブ2を所望の高さ位置に移動することができる。プローブ2はキャリア6に対し上側の定位置に保持されており、プローブ2の下にキャリア6のポケットが送られる毎に、駆動部3がプローブ2を上下させる。
前記計測器4は、プローブ2の測定ピン1が電子部品8の電極(被測定端子)に当接している間に、制御部7からの制御により、例えば、周波数特性、抵抗値、容量値、入出力レベル、消費電力などの電気的特性の計測を行なう。
【0010】
この図に示すチップ状電子部品の測定装置は、次のように動作する。即ち、チップ状電子部品8は、測定に先だって、キャリア6の各ポケット5に電極面を上向きにして載せられている。このときポケット5の面積は測定対象とするチップ状電子部品8の平面より充分に大きく、ポケット5の中においてチップ状電子部品8の位置はばらついて構わない。ここで、ポケット5にチップ状電子部品8を載置したキャリアの状態を図2に示す。図2は、図1に示した本発明に係るチップ状電子部品の測定装置に用いるキャリアの例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面断面図を示している。図2(a)においてポケット5a内のチップ状電子部品8aは図示を省略しているが、破線にて示す“測定位置”にチップ状電子部品8aが存在しているものとして説明する。
つまり、プローブ2は、ポケット5a内に示す“測定位置”の上部に位置しており、キャリア6の搬送により次のポケット5bが送られてくれば、ポケット5bにおいても同一の位置の“測定位置”となる。そして、プローブ2の直下にポケット5が送られると同時に当該ポケット5に対応する電磁石9が制御部7の制御によりONされ、電磁石9の磁力によって当該ポケット5内のチップ状電子部品8が電磁石9の存在する方向へ引き寄せられるのである。この例においては方形のポケット5の一角を基準点P(電磁石が生め込まれている点)として示し、このP点にチップ状電子部品8の角が合致するよう吸引整列される。このようにチップ状電子部品8が磁力により吸引されるためにはチップ状電子部品8に、磁石により吸引される性質を有する物質、即ち、磁性体が用いられている必要がある。一般に、電子部品の電極部にはニッケル、タングステン、モリブデンなどの材料がメッキされることが多く、これら磁性材料が用いられたものであれば測定対象とすることができる。
特に、圧電フィルタや圧電振動子などの圧電デバイスの場合、容器内を密封するための蓋として金属板を用いるのが一般的であり、この蓋の材料として磁石に吸引される材料が用いられるので、この方式に適していると言えよう。
【0011】
こうして、ポケット5a内の測定位置にチップ状電子部品8aが引き寄せられ、整列がなされると、図2(b)に示すプローブ2が、図示を省略した駆動部3により下方向に押し下げられ、測定ピン1のそれぞれがチップ状電子部品8aの電極のそれぞれに当接し電気的導通可能な状態となる。なお、測定ピン1と電極の当接に際し、適度な接触圧力となるようプローブ2にバネなどの緩衝機構を設けることが好ましい。なお、計測器4による計測が開始される前に、電磁石9aはOFFされる。
【0012】
計測器4による計測が終了すると、制御部7からの制御により駆動部3はプローブ2を上方向に引き上げ、図2(b)に示す位置までプローブ2を戻す。そして、キャリア6の搬送駆動がなされ、次のポケット5bがプローブ2の直下へ送られ、同様の手順にて測定が行なわれる。
【0013】
また、電磁石9の制御に関し、制御部7はONの時の電流供給制御として時間の経過と共に徐々に増していくようにして、チップ状電子部品8に及ぼす磁力を緩やかに与えていくようにしてもよい。また、電流供給制御として間欠パルスとし、パルス幅を徐々に広げることによっても、ほぼ同様の磁力の発生を与えることができる。このように、磁力を緩やかに与えることでチップ状電子部品8の移動速度を適当に制御するのが好ましい。
【0014】
以上説明した本発明の実施の形態例においては、キャリア6に埋め込む電磁石9を1つのポケット5に対し1つ設けるという例を示したが、本発明の実施にあってはこの例に限らず、例えば、1つのポケット5に対し小さな電磁石9を複数個設けて構成し、配列した複数の電磁石9を基準点Pから最も離れた電磁石9から順にON・OFFを行なうことで、チップ状電子部品8を段階的に基準点Pに向けて移動させるように構成しても良い。これによれば、更にスムーズにチップ状電子部品8を測定位置に整列することができる。
【0015】
以上のように、本発明に係わるチップ状電子部品の測定装置は、予めチップ状電子部品8を厳密に整列させる必要がない。つまり、単に電極面を上側にしてキャリア6の各ポケット5内に載せるだけで良く、電磁石9により自動的に所定の測定位置に整列させることができるので、プローブ2の測定ピン1とチップ状電子部品8の電極とが確実に接触するため測定エラーを低減することができる。
また、測定対象とするチップ状電子部品8よりも充分に大きなポケット5を有するキャリア6を用いているので、寸法の異なるチップ状電子部品8を測定対象とする場合にあっても、キャリア6を交換することなく対応することができる。この場合にあっては、寸法の異なるチップ状電子部品8毎に対応して、プローブ2の測定ピン1の相互間の距離を変更可能にしておきさえすれば良い。
【0016】
次に、図3は、本発明に係るチップ状電子部品の測定装置の他の実施の形態例を示す概略図である。なお、上述の図1に示したものと同様の機能ブロックについては同一の符号を付してその説明を省略する。つまり、この例に示すチップ状電子部品の測定装置においては、電磁石9を測定ピン10内に設けたものである。
【0017】
この図に示すチップ状電子部品の測定装置の動作について説明する。
図4および図5は、図3に示すチップ状電子部品の測定装置の動作手順例を示す図であり、図4(a)〜(c)にステップ1〜3における状態を示し、図5(d)〜(f)にステップ4〜6における状態を示す。なお、同図中のT1〜T3は測定ピン10の先端の高さ位置を示している。
まず、〔STEP1〕では、キャリア6のポケット内に載置されたチップ状電子部品8がプローブ2の直下に搬送され、キャリア6は一旦停止する。このとき、図4(a)に示す如く、測定ピン10の先端位置はT1にあり、電磁石9と計測器4は共にOFFである。
【0018】
〔STEP2〕は、図4(b)に示す如く、制御部7の制御により駆動部3はプローブ2を下げる。このとき測定ピン10の先端位置はT2にあり、チップ状電子部品8との距離は僅かに空けた位置にて停止する。電磁石9と計測器4は共にOFFである。
〔STEP3〕は、図4(c)に示す如く、測定ピン10の先端位置はT2のまま電磁石9をONすることで、磁力によりチップ状電子部品8は電磁石9が設けられた測定ピン10に吸い寄せられる。このとき、各測定ピン10は、それぞれチップ状電子部品8の電極に当接することになる。計測器4はOFFである。
【0019】
次に、〔STEP4〕は、図5(d)に示す如く、更にプローブ2を下げてチップ状電子部品8をキャリア6のポケット内に押しつける。押しつけるまでは電磁石9はONのままであるが、押しつけた後は、測定ピン10により適度に挟持されているので電磁石9をOFFにする。計測器4はOFFである。このとき測定ピン10の先端位置はT3にあり、チップ状電子部品8の電極と測定ピン10とが接触しており電気的導通可能状態となる。
〔STEP5〕は、図5(e)に示す如く、測定ピン10の先端位置はT3のまま電磁石9をOFFした状態において、制御部7の制御により計測器4をONし、所定の電気的特性の測定を行なう。
そして、〔STEP6〕は、測定が終了した後に、図5(e)に示す如く、プローブ2を引き上げて測定ピン10の先端位置をT1まで戻すことで、測定手順が一巡する。
【0020】
上述のように本発明に係るチップ電子部品の測定装置によれば、電磁石9を測定ピン10に設けて構成したので、キャリア6の複数のポケットそれぞれに電磁石9を設ける場合に比べ電磁石の数が少なくて済む。また、予めチップ状電子部品8を厳密に整列させる必要もなく、測定ピン10に設けた電磁石9により自動的にチップ状電子部品8の電極を測定ピン10に当接させることができるので、プローブ2の測定ピン1とチップ状電子部品8の電極とが確実に接触し、測定エラーを低減することができる。
また、測定対象とするチップ状電子部品8よりも充分に大きなポケット5を有するキャリア6を用いているので、寸法の異なるチップ状電子部品8を測定対象とする場合にあっても、キャリア6を交換することなく対応することができる。
【0021】
【発明の効果】
以上のように本発明に係わるチップ状電子部品の測定装置は、チップ状電子部品の電気的特性を測定するための計測器と、測定ピンを有するプローブと、チップ状電子部品を搬送するキャリアと、これらを統括的に制御する制御部とを備えると共に、キャリア、又は、測定ピンに電磁石を設けて構成し、電磁石による吸引力を制御して測定ピンとチップ状電子部品の電極とを確実に接触するようにしたので、予めチップ状電子部品を整列させる手間もかからず、且つ、測定対象とするチップ状電子部品の寸法余裕度を有するキャリアを用いてチップ状電子部品の測定を行なうことができるチップ状電子部品の測定装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るチップ状電子部品の測定装置の構成例を示す概略図である。
【図2】図1に示した本発明に係るチップ状電子部品の測定装置に用いるキャリアの例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面断面図である。
【図3】本発明に係るチップ状電子部品の測定装置の他の実施の形態例を示す概略図である。
【図4】図3に示した本発明に係るチップ状電子部品の測定装置の動作手順を示す図であり、6ステップ中の1〜3までを(a)〜(c)に示す。
【図5】図3に示した本発明に係るチップ状電子部品の測定装置の動作手順を示す図であり、6ステップ中の4〜6までを(d)〜(f)に示す。
【符号の説明】
1・・・測定ピン
2・・・プローブ
3・・・駆動部
4・・・計測器
5、5a〜5c・・・ポケット
6・・・キャリア
7・・・制御部
8、8a〜8c・・・チップ状電子部品
9、9a〜9c・・・電磁石
10・・・プローブ

Claims (3)

  1. チップ状電子部品の所定の特性を測定するための計測器と、
    前記チップ状電子部品と計測器とを繋ぐための測定ピンを有するプローブと、
    複数の凹状ポケットにチップ状電子部品を載置して搬送するキャリアと、
    前記測定器とキャリアとプローブとを制御する制御部とを備え、前記キャリアの搬送駆動に同期してプローブが上下方向に移動することで順次測定を行なう電子部品の測定装置において、
    前記キャリアは凹状ポケットの内底面下部に設けられた電磁石を有し、
    前記チップ状電子部品が磁石により吸引される性質を有する場合に、
    前記電磁石による吸引力を制御して凹状ポケット内の一定の位置にチップ状電子部品を整列させるようにしたことを特徴とするチップ状電子部品の測定装置。
  2. 更に、前記チップ状電子部品は一つの面のみに複数の電極を有するものであることを特徴とする請求項1記載のチップ状電子部品の測定装置。
  3. チップ状電子部品の所定の特性を測定するための計測器と、
    前記チップ状電子部品の被測定端子と計測器とを繋ぐための測定ピンを有するプローブと、
    前記プローブを上下方向に移動する駆動部と、
    複数の凹状ポケットにチップ状電子部品を載置して搬送するキャリアと、
    前記測定器とプローブと駆動部とキャリアとを制御する制御部とを備え、前記キャリアの搬送駆動に同期してプローブが上下方向に移動することで順次測定を行なう電子部品の測定装置において、
    前記測定ピンに電磁石を設け、
    前記チップ状電子部品の被測定端子が磁石により吸引される性質を有する場合に、
    前記電磁石による吸引力を制御して測定ピンとチップ状電子部品の被測定端子とを接触させるようにしたことを特徴とするチップ状電子部品の測定装置。
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