JP2004340657A - 圧痕形成機構及び硬さ試験機 - Google Patents

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JP2004340657A JP2003135338A JP2003135338A JP2004340657A JP 2004340657 A JP2004340657 A JP 2004340657A JP 2003135338 A JP2003135338 A JP 2003135338A JP 2003135338 A JP2003135338 A JP 2003135338A JP 2004340657 A JP2004340657 A JP 2004340657A
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Abstract

【課題】測定対象外の試料を試験してしまうことを未然に防止することが可能な圧痕形成機構及び硬さ試験を提供する。
【解決手段】被試験体表面に圧痕を形成させる押込力を圧子3に作用させる為の力を付与するサーボモータ61と、圧子に付与された押込力を測定するバネ変位量センサ64と、圧子の侵入量を検出するアーム位置センサ8と、所定の期間内における、バネ変位量センサにより測定された押込力に対するアーム位置センサにより検出された侵入量が、予め設定された範囲内にないと判定された場合には、前記力付与手段による力の付与を中止させる判定部653と、を備えた。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧子を試料表面に押し込んで圧痕を形成させることに基づいて当該試料の材料特性を評価する試験機に用いられる圧痕形成機構、及びこの圧痕形成機構を備えた硬さ試験機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、切削工具、鋳物、プラスチツク、ICウエハその他の固体試料の表面近傍における物性を評価するものとして押込式の硬さ試験機が用いられている。この硬さ試験機は、試料の測定面に圧子を押し付け、当該押込力が目標値に達した後、その目標値を所定時間保持し、次いで圧子の侵入量すなわち押込深さや圧痕の表面積等に基づいて当該試料の硬さを計測するものである。
【0003】
この様な押込式の硬さ試験機には、圧子の押込力を予め定めた目標値に追随できるものも提供されている(例えば、特許文献1)。
この硬さ試験機は、弾性部材である板バネを介して圧子に押込力を与えるサーボモータを具備しており、このサーボモータが駆動する過程で板バネのバネ変位量から圧子の押込力を算出し、算出した押込力に基づいてサーボモータをフィードバック制御する事により、押込力を所与の目標値に追随させるものであった。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−304670号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献1の硬さ試験機では、測定試料の材質は概ね決まっていて、それに応じた設計となっているため、測定対象外の試料では正確な試験を行うことは難しく、そのような試料は試験すべきではない。しかし、現実には、試料の見分けがつかず、そのような対象外の試料を試験してしまうことが往々にしてあった。
この場合、例えば、測定対象外の極端に柔らかい材質のものを誤って試験してしまうと圧子の侵入深さが極端に大きくなって、設計ストロークを超え、試験機の故障に繋がるおそれもあった。
【0006】
本発明の課題は、測定対象外の試料を試験してしまうことを未然に防止することが可能な圧痕形成機構及び硬さ試験を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する為、請求項1記載の発明は、例えば図1〜4に示すように、
請求項1記載の発明は、移動する圧子3によって被試験体(S)表面に圧痕を形成させることに基づいて当該被試験体の材料特性を測定する試験機(例えば、硬さ試験機1)に用いられる圧痕形成機構(10)であって、
前記被試験体表面に圧痕を形成させる押込力を圧子に作用させる為の力を付与する力付与手段(例えば、サーボモータ61等)と、
前記力付与手段によって圧子に付与された押込力を測定する押込力測定手段(例えば、バネ変位量センサ64)と、
前記被試験体に対する前記圧子の侵入量を検出する侵入量検出手段(例えば、アーム位置センサ8)と、
所定の期間内における、前記押込力測定手段により測定された押込力に対する前記侵入量検出手段により検出された侵入量が、予め設定された範囲内か否かを判定し、前記所定期間内における前記押込力に対する前記侵入量が、予め設定された範囲内にないと判定された場合には、前記力付与手段による力の付与を中止させる中止制御手段(例えば、判定部653)と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
ここで、試料表面に圧子により圧痕を形成させることに基づいて試料の材料特性を測定する試験機とは、例えば、硬さを測定する硬さ試験機、圧痕形成中の試料の電気抵抗を測定する試験機などであるがこれらに限られず、圧痕形成機構を具備する試験機全てを含む。
力付与手段は、例えば、モータ駆動や、油圧や、空圧によりピストンを駆動するもの等があるが、これらに限られるものではなく、力を付与可能なものであればどのようなものであってもよい。
【0009】
請求項1記載の発明によれば、判定手段によって、所定期間内における押込力に対する侵入量が、予め設定された範囲内にないと判定された場合には、中止制御手段により力付与手段による力の付与が中止されるので、測定対象外の試料を試験してしまうことを未然に防止することができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、硬さ試験機(1)において、
請求項1記載の圧痕形成機構と、
前記圧痕形成機構によって前記被試験体に形成された圧痕の形態に関する所定の測定結果に基づいて当該試料の硬さを算出する硬さ算出手段(例えば、硬さ算出部9)と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
ここで、硬さ算出手段は、例えば、圧痕の深さに基づいて当該試料の硬さを算出するものであってもよいし、平面視における圧痕の対角線長さに基づいて当該試料の硬さを算出するものであってもよい。
また、硬さ試験機は、例えば、ロックウェル硬さ試験機、ビッカース硬さ試験機、ブリネル硬さ試験機、或いはマルテンス硬さ試験機等である。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の圧痕形成機構を備えるので、測定対象外の試料を試験してしまうことを未然に防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態による硬さ試験機の要部構成を示す図である。
図1に示す様に、硬さ試験機1は、試験機本体2と、この試験機本体2に回動自在に支持され、自由端部に圧子3が取付けられた荷重アーム4と、圧子3の下方の試験機本体2に設けられ、試料Sを載置する試料台5と、荷重アーム4の下方に設けられ、荷重アーム4の自由端側を回動させ、試料表面に圧痕を形成させる為の押圧力を作用させる力を付与する荷重アーム作動部6と、荷重アーム作動部6が作動した際に発生した力を荷重アーム4に伝達する板バネ7と、圧子3によって形成された圧痕の深さを測定するアーム位置センサ8と、を備える圧痕形成機構部10を備える。更に、硬さ試験機1は、このアーム位置センサ8による測定に基づいて試料Sの硬さを算出する硬さ算出部9(図3参照)を備えている。
【0014】
また、硬さ試験機1は、目標押込力や負荷速度などの試験条件を入力する為の入力装置(図示せず)と、試験条件入力画面(図示省略)や硬さ算出部9によって算出された硬さを表示出力する出力装置11(図3参照)と、を有している。
なお、これら入力装置及び出力装置11は、硬さ試験機1に着脱自在に外付けされたものであってもよい。
【0015】
試験機本体2は、その内部に荷重アーム作動部6と、荷重アーム作動部6の駆動源となる電装部21などを備えている。荷重アーム4は、試験機本体2に十字バネ41或いは転がり軸受などにより回動自在に支持されると共に、自由端部には圧子3が着脱自在に取付けられている。また、この荷重アーム4は板バネ7と一体化されている。板バネ7と荷重アーム4との間には、長手方向に沿って溝部7aが形成され、圧子3側の溝部7aの先端は開口している。
【0016】
試料台5は、その下面に角ネジ51が設けられ、この角ネジ51によって試験機本体2に上下動可能に取付けられている。更に、試料Sと圧子3が接触した際に自動的に試料台5を停止するオートブレーキ機構52も備えている。荷重アーム作動部6は、電気的作動手段としてのサーボモータ61と、ボールネジ62と、ボールネジ62の先端部に取付けられ、板バネ7に固定される固定治具63と、を備えている。従って、サーボモータ61が駆動してボールネジ62が上下動する事により、板バネ7と一体化された荷重アーム4が回動するようになっている。固定治具63は、荷重アーム4と荷重アーム作動部6を繋ぐもので、荷重アーム4の回動運動と板バネ7の弾性変形による板バネ7の軸と荷重アーム作動部6の軸のミスアライメントを吸収する機能を有し、例えば、薄い板、ピアノ線などの線材、或いはナイフエッジと十字バネの組合せ、ユニバーサルジョイントなどを単独或いは併用して構成されている。
【0017】
また、荷重アーム作動部6には、図2に示すように、荷重アーム4及び板バネ7に取付けられてこれらの開き量すなわち板バネ7のバネ変形量を検出するバネ変位量センサ64と、このバネ変位量センサ64やアーム位置センサ8の検出結果に基づいて、サーボモータ61のフィードバック制御を行う荷重アーム作動制御部65を備えている。
【0018】
バネ変位量センサ64は、例えばガラススケールを光学的に読み取る変位センサユニット(リニアスケール)から成り、ボールネジ62の下方への作動によって、板バネ7と荷重アーム4の間における溝部7aの開き量からバネ変位量を検出し、検出したバネ変位量をA/D変換して荷重アーム作動制御部65へ出力する。
ここで、バネ変位量は、圧子3の押圧力或いは試料Sに加わる試験荷重に比例する。
【0019】
荷重アーム作動制御部65は、第1の微分器651、第2の微分器652、判定部653、荷重制御部654、荷重アーム位置制御部655、D/A変換器656、サーボモータ駆動回路657、などにより構成されている。
【0020】
第1の微分器651は、ソフトウエアによって実現されるもので、現時点においてバネ変位量センサ64によって検出されたバネ変位量と、現時点から所定のサンプリング周期前においてバネ変位量センサ64によって検出されたバネ変位量とを差分することによりバネ変位量の時間微分を近似的に算出する。すなわち、第1の微分器651では、バネ変位量センサ64の検出結果を所定のサンプリング周期で離散的に取得して得られる時系列データを差分することにより負荷速度を算出する。
尚、第1の微分器651と同様の機能は、微分回路等によるアナログハードウエア、或いは上記デジタルシーケンスをハードウエアによっても実現することができる。
【0021】
第2の微分器652は、ソフトウエアによって実現されるもので、現時点においてアーム位置センサ8によって検出されたアーム変位量と、現時点から所定のサンプリング周期前においてアーム位置センサ8によって検出されたアーム変位量とを差分することによりアーム変位量の時間微分を近似的に算出する。すなわち、第2の微分器652では、アーム位置センサ8の検出結果を所定のサンプリング周期で離散的に取得して得られる時系列データを差分することにより圧子3の試料Sに対する侵入量速度を算出する。
尚、第2の微分器652と同様の機能は、微分回路等によるアナログハードウエア、或いは上記デジタルシーケンスをハードウエアによっても実現することができる。
【0022】
判定部653は、第1の微分器651から出力される負荷速度と、第2の微分器652から出力される侵入速度とに基づいて、荷重アーム4による負荷速度に対する圧子3の侵入速度、即ち、試料の剛性を算出し、算出された剛性が、予め設定された範囲内か否かを判定する。そして、剛性が予め設定された設定範囲内にない場合には、荷重を負荷する方向と反対方向にモータ61を駆動させて荷重負荷を中止させる荷重負荷中止信号を、D/A変換器656を介してサーボモータ駆動回路658に出力する。
【0023】
荷重制御部654は、バネ変位量センサ64から出力されたバネ変位量及び、アーム位置センサ8によって検出されたアーム変位量とに基づいて、荷重の変化量と圧子3の侵入量の変化からバネ定数を算出して初期サーボゲイン(Gf)を決定する。
また、荷重制御部654は、所定回数のフィードバックステップの間にエラーの変化がない場合にはサーボゲインGfを増加させ、また、サーボゲインGfが所定以上となったら元に戻す制御を行う。
【0024】
そして、荷重制御部654は、バネ変位量センサ64からの出力と、予め設定された目標荷重とを比較し、これらの差分に当たる荷重制御信号に、算出されたサーボゲインGfを乗じてD/A変換器656に出力する。尚、荷重制御部654は、演算結果を記憶するメモリ(図示せず)を備えている。
【0025】
荷重アーム位置制御部655は、バネ変位量センサ64により出力されたバネ変位量及びアーム位置センサ8によって検出されたアーム位置信号とに基づいて、荷重の変化量と圧子3の侵入量の変化からバネ定数を算出して初期サーボゲイン(Gp)を決定する。
【0026】
また、荷重アーム位置制御部655は、アーム位置センサ8によって検出されたアーム位置信号と、予め設定された目標位置データとを比較し、これらの差分に当たる位置制御信号に、サーボゲインGpを乗じてD/A変換器656に出力する。なお、荷重のみの制御の場合には、サーボゲインGpは、「0」とする。
【0027】
サーボモータ駆動回路657は、D/A変換器656によってD/A変換された荷重制御信号、位置制御信号および荷重負荷中止信号を入力とし、微分要素と積分要素を加味して電流増幅器(図示省略)で増幅した後、サーボモータ61に出力する。
そして、サーボモータ駆動回路657によって制御されるサーボモータ61の駆動により、ボールネジ62が回転し、下方に作動する。その際、ボールネジ62に取付けられた板バネ7と、これと一体化された荷重アーム4が下方に軸回転し、荷重アーム4の自由端に取付けられた圧子3が試料Sと接触する。このとき、板バネ7と荷重アーム4の間における溝部7aの開き量がバネ変位量信号としてバネ変位量センサ64によって検出される。
【0028】
アーム位置センサ8は、バネ変位量センサ64と同様に、例えば、ガラススケールを光学的に読み取る変位センサユニット(リニアスケール)から成り、荷重アーム4の上下方向の移動量を測定する。
ここで、荷重アーム4の上下方向の移動量は、圧子3の試料Sへの侵入量に比例する。
また、アーム位置センサ8により測定されたアーム変位量は、後述のA/D変換器92によりA/D変換された後、荷重アーム作動制御部65に出力される。
【0029】
硬さ算出部9は、図3に示すように、増幅器91、A/D変換器92、演算回路93、出力回路94などを具備している。
【0030】
増幅器91は、アーム位置センサ8により検出されたアーム位置変位信号を増幅し、A/D変換器92に出力する。A/D変換器92は、増幅されたアーム位置変位信号をA/D変換して演算回路93に出力する。演算回路93は、A/D変換されたアーム位置変位信号を内蔵された演算プログラムに従って演算して硬さを算出して出力回路94に出力する。出力回路94は、演算回路93によって算出された硬さデータを所定の出力形式のデータに加工して硬さ試験機1に接続された出力装置11に出力する。
ここで、出力装置11は、例えば、硬さデータをモニタする表示装置、或いは硬さデータを紙に印字して出力する印刷装置などである。
【0031】
次に、硬さ試験機1の試験力負荷制御動作について図4に示すフローチャートに従って説明する。
【0032】
まず、硬さ試験機1に電源が投入され、ユーザにより入力部(図示省略)に目標試験力(TargetF)が入力され、図示しないメモリに記憶されると、試験力負荷制御動作が開始する。そして、ステップS11で、各変数の初期化がなされる。具体的には、サーボゲイン(Gain)、エラー(Err)、アーム位置(DIFP)、荷重(DIFF)等のそれぞれの値が初期化される。
次いで、ステップS12で、現状態のばね変位量(荷重)センサ64およびアーム位置センサ8により検出された値が荷重制御部654に入力される。
【0033】
次いで、ステップS13で、初期サーボゲイン決定のため、予め設定された予備試験荷重を試料に印加する。
次いで、ステップS14では、このときの負荷速度及び侵入速度が第1の微分器651及び第2の微分器652によりそれぞれ算出される。
【0034】
具体的には、第1の微分器651は、一周期前において検出されたバネ変位量から現時点において検出されたバネ変位量を減算し(DIFF−荷重)、減算結果を「負荷速度」に代入する。次いで、現時点において検出されたバネ変位量を、一周期後すなわち次回のルーチンの際に一周期前のバネ変位量値として使用する為に図示しないメモリに格納しておく。
【0035】
また、第2の微分器652は、一周期前において検出されたアーム変位量から現時点において検出されたアーム変位量を減算し(DIFP−アーム位置)、減算結果を「侵入速度」に代入する。次いで、ステップS62では、現時点において検出されたバネ変位量を、一周期後すなわち次回のルーチンの際に一周期前のバネ変位量値として使用する為に図示しないメモリに格納しておく。
【0036】
次いで、ステップS15では、判定部653により、当該試料が試験可能か否かの判定がなされる。
具体的には、判定部653は、ステップS14で算出した「負荷速度」と、「侵入速度」とに基づいて、試料の剛性を次式(1)により算出する。
剛性=「負荷速度」/「侵入速度」・・・(1)
そして、判定部653は、算出された剛性が、予め設定された設定範囲内にない場合(ステップS15;No)には、荷重を負荷する方向と反対方向にサーボモータ61を駆動させて荷重負荷を中止させる荷重負荷中止信号を、D/A変換器656を介してサーボモータ駆動回路657に出力し(ステップS16)、荷重負荷を中止させ、本処理を終了させる。
【0037】
一方、判定部653が、算出された剛性が予め設定された設定範囲内にあると判定した場合(ステップS15;Yes)には、ステップS17に移行する。
ステップS17では、荷重制御部654は、目標力発生制御(力フィードバック制御)におけるサーボゲイン(Gain)を、Gain=A×「試料、試験機の特性を含むシステムのバネ定数」により計算する。なお、Aは任意の定数である。
【0038】
ここで、本試験機においては荷重値とアーム位置とが得られるので、前述した「試料、試験機の特性を含むシステムのバネ定数」は、単位時間当たりの荷重の変化を単位時間当たりのアーム位置の変化で割算することにより得られる。
具体的には、荷重制御部654は、次の式(2)により、目標力発生制御(力フィードバック制御)におけるサーボゲイン(Gain)を決定する。
Gain=A×(DIFF−荷重値)/(DIFP−アーム位置)・・・(2)
ここで、Aは任意の定数である。
【0039】
次いで、ステップS18では、荷重制御部654によってエラー(Err)すなわち実荷重値と目標荷重値との差が次の式(3)によって算出される。
Err=Gain×荷重値−TargetF・・・(3)
【0040】
次いで、ステップS19では、荷重制御部654は、エラーが残ったままか否かを判定する。即ち、荷重制御部654は、前回のフィードバックルーチンで求めた比較用エラー(Err1)と今回のエラー(Err)との差分が「0」か否かを判定する。
ここで、エラーが残っているか否かの判定は、所定回数(例えば5回)のフィードバックルーチンでエラーの差分が連続して「0」となった場合に、エラーが残っていると判別してもよい。また、サーボゲインは段階的(例えば、0.2毎)に上げる様にしてもよい。
そして、荷重制御部654は、当該差分が「0」であると判定した場合には(ステップS19;NO)、ステップS21に移行する。
【0041】
一方、荷重制御部654は、当該差分が、「0」でないと判定した場合には、(ステップS19;YES)、ステップS20に移行する。ステップS20では、荷重制御部654は、サーボゲインを所定値上げる処理を行った後、ステップS21に移行する。
【0042】
次いで、ステップS21では、荷重制御部654は、サーボゲインが許容上限値を上回ったか否かを判定する。
荷重制御部654は、サーボゲインが許容上限値を上回っていないと判定した場合には(ステップS21;NO)、ステップS23に移行する。
一方、荷重制御部654は、サーボゲインが許容上限値を上回ったと判定した場合には(ステップS21;YES)、ステップS22に移行して、サーボゲインを所定値下げる処理を行った後、ステップS23に移行する。
【0043】
次いで、ステップS23では、荷重制御部654は、現状態におけるアーム位置センサ8の検出結果をパラメータ「DIFP」に代入すると共に、現状態におけるバネ変位量センサ64の検出結果をパラメータ「DIFF」に代入し、内蔵メモリ(図示省略)に記憶する。これは、次回のルーチンの荷重制御に使用するためである。
【0044】
次いで、ステップS24では、荷重制御部654は、試験力を保持中か否かを判定する。
荷重制御部654は、試験力を保持中と判定した場合には(ステップS24;YES)、ステップS27に移行する。
一方、荷重制御部654は、試験力保持中でないと判定した場合には(ステップS24;NO)、ステップS25に移行する。
【0045】
ステップS25では、荷重制御部654は、現状態における圧子3の押込力が目標の試験力になったか否かを判定する。荷重制御部654は、押込力が目標の試験力となっていないと判定した場合には(ステップS25;NO)、ステップS12に戻って再び処理を繰り返す。
一方、荷重制御部654は、押込力が目標の試験力となったと判定した場合には(ステップS25;YES)、当該試験力を保持するべく、ステップS26に移行してタイマーをスタートした後、ステップS12に戻ってステップS12以降の処理を続行する。
【0046】
一方、ステップS24の判定の結果、ステップS27に移行した場合、荷重制御部654は、タイマーが保持時間となったか否かを判定する。なお、このタイマーには、試験条件入力画面70の入力枠に入力された保持時間[sec]が設定されている。
そして、荷重制御部654は、タイマーが保持時間となっていないと判定した場合には(ステップS27;NO)、ステップS2に戻って処理を続行する。
【0047】
一方、荷重制御部654は、タイマーが保持時間となったと判定した場合には(ステップS27;YES)、試験力負荷制御動作を終了する。
【0048】
そして、目標試験力の負荷が終了した後、圧痕の押込み深さすなわち圧子3の侵入量がアーム位置信号としてアーム位置センサ8によって計測され、このアーム位置信号は、増幅器91によって増幅され、A/D変換器92によってA/D変換され、演算回路93に出力される。
【0049】
次いで、演算回路93は、内臓された演算プログラムに基づく演算によって、A/D変換されたアーム位置信号から試料Sの硬さを算出する。算出された硬さデータは、出力回路94を介して出力装置11にモニタされる。
【0050】
以上説明した硬さ試験機1によれば、判定部653によって、所定期間内における押込力に対する侵入量が、予め設定された範囲内にないと判定された場合には、荷重アームによる力の付与が中止されるので、測定対象外の試料を試験してしまうことを未然に防止することができる。
【0051】
なお、上記実施の形態では、バネ変位量センサ64、アーム位置センサ8として、共にリニアスケールを採用したが、これに限られるものではなく、例えばコンデンサピック(電荷容量型変位センサ)、LVDT(作動変圧器)、電気マイクロメータ等を使用してもよい。
また、板バネ7に代えて、コイルバネ、組み立て板バネ、一体バネ、ゴム等を用いることとしてもよい。更に、試料Sに比較的大きな荷重を与える場合には、板バネ7を両端支持梁としてもよい。
【0052】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、判定手段によって、所定期間内における押込力に対する侵入量が、予め設定された範囲内にないと判定された場合には、中止制御手段により力付与手段による力の付与が中止されるので、測定対象外の試料を試験してしまうことを未然に防止することができる。
【0053】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の圧痕形成機構を備えるので、測定対象外の試料を試験してしまうことを未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された硬さ試験機の主要部構成を示す側面図である。
【図2】図1に示す硬さ試験機の内部ブロック図である。
【図3】図1に示す硬さ試験機に具備された硬さ算出部の主要部構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示す硬さ試験機による試験力負荷制御を説明する為のフローチャートである。
【符号の説明】
1 硬さ試験機
3 圧子
7 板バネ
8 アーム位置センサ(侵入量検出手段)
9 硬さ算出部(硬さ算出手段)
10 圧痕形成機構
61 サーボモータ(力付与手段)
64 バネ変位量センサ(押込力測定手段)
65 荷重アーム作動制御部
651 第1の微分器
652 第2の微分器
653 判定部(中止制御手段)
S 試料

Claims (2)

  1. 移動する圧子によって被試験体表面に圧痕を形成させることに基づいて当該被試験体の材料特性を測定する試験機に用いられる圧痕形成機構であって、
    前記被試験体表面に圧痕を形成させる押込力を圧子に作用させる為の力を付与する力付与手段と、
    前記力付与手段によって圧子に付与された押込力を測定する押込力測定手段と、
    前記被試験体に対する前記圧子の侵入量を検出する侵入量検出手段と、
    所定の期間内における、前記押込力測定手段により測定された押込力に対する前記侵入量検出手段により検出された侵入量が、予め設定された範囲内か否かを判定し、前記所定期間内における前記押込力に対する前記侵入量が、予め設定された範囲内にないと判定された場合には、前記力付与手段による力の付与を中止させる中止制御手段と、を備えたことを特徴とする圧痕形成機構。
  2. 請求項1記載の圧痕形成機構と、
    前記圧痕形成機構によって前記被試験体に形成された圧痕の形態に関する所定の測定結果に基づいて当該試料の硬さを算出する硬さ算出手段と、を備えたことを特徴とする硬さ試験機。
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