JP2004332520A - 中空型枠パネル用キャップおよびキャップ付き中空型枠パネル - Google Patents

中空型枠パネル用キャップおよびキャップ付き中空型枠パネル Download PDF

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Abstract

【課題】中空型枠パネル内へのコンクリートの流れ込みを防止する中空型枠パネル用キャップおよびキャップ付き中空型枠パネルを提供する。
【解決手段】堰板部42と側板部43と補強板部45とを有する中空型枠パネル40の、開口端面を封止するキャップであって、中空型枠パネル40の開口端面を覆う平板31の表面に、堰板部42の裏面44に接する第1の当接リブ33が設けられている中空型枠パネル用キャップ30であり、好ましくは側板部43または補強板部45の表面に接する第2の当接リブ32と、補強板部45の中空部に嵌合する嵌合凸部34と、側板部43および第1の当接リブ32を貫通するようにビス打ちした際に第1の当接リブ32から突出するビスの先端に触れないようにする指触防止リブ35とがさらに設けられている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中空型枠パネルの開口端面を封止するキャップおよびキャップ付き中空型枠パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、コンクリート打設用型枠(以下、「コンクリート型枠」または単に「型枠」と記す)としては、安価で、釘打ち等の加工がしやすいなどの理由から、ベニヤ合板等からなる堰板の裏面に桟木をくぎ打ちした合板型枠が用いられている。
しかしながら、このような合板型枠には、(i)桟木の固定や型枠の連結に釘打ち作業が必要であり、施工性が悪い、(ii)釘打ちや、堰板の表面に塗布されるコンクリート剥離剤によって型枠が痛みやすく、転用回数が少ない(例えば、5回程度である)、(iii)転用回数を超えたものは、木材としてリサイクルできず、解体して焼却処分するしかない、などの欠点があった。
【0003】
これらの問題を解決するものとしては、軽量で施工性がよく、リサイクル可能なプラスチック製の中空型枠パネルが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図10は、従来の中空型枠パネルの一例を示す図であり、この中空型枠パネル10は、片面がコンクリート打設面11となる中空の堰板部12と、堰板部12の両側縁から堰板部12のコンクリート打設面11の反対側に直角に屈曲した中空の側板部13と、堰板部12の裏面14に設けられた、側板部13に平行な2枚の中空の補強板部15とを有して概略構成されるものであり、堰板部12、側板部13および補強板部15が、2枚の板16,16と、これら板の間を連結する複数の長尺の補強リブ17とが一体に成形されたものである。
【0004】
この中空型枠パネル10の設置(建て込み)については、図11を参照しながら以下に説明する。
まず、複数の中空型枠パネル10を側板部13の外側表面18同士が接するように一列に並べる。中空型枠パネル10の堰板部12に穿設された挿通孔20に、対向する中空型枠パネル10を所定の間隔に保つ止め金であるPコン21が両端近傍に設けられた丸棒状のセパレータ22を挿通する。ついで、挿通孔20から突出したセパレータ22の端部に、中空型枠パネル10の裏面14側からフォームタイ(登録商標)と呼ばれる締付金具23を螺合により取り付け、セパレータ22のPコン21と締付金具23基端部の皿板24との間で堰板部12を挟み込む。
【0005】
同様に、コンクリート打設面11が対向するように複数の中空型枠パネル10をもう一列並べる。この際に、中空型枠パネル10の堰板部12に穿設された挿通孔20にセパレータ22を挿通する。ついで、挿通孔20から突出したセパレータ22の端部に、中空型枠パネル10の裏面14側から締付金具23を螺合により取り付け、セパレータ22のPコン21と締付金具23基端部の皿板24との間で堰板部12を挟み込むようにして、中空型枠パネル10を保持する。
【0006】
さらに、締付金具23の上下に角パイプからなる一対の横ばた材25を配置し、これらを支持する座金26および座金26を止めるクサビ27で、横ばた材25を側板部13および補強板部15の側面に当接させた状態で固定する。この横ばた材25を配設することによって、中空型枠パネル10が、コンクリート打設時のコンクリートの圧力によって外側に膨らまないようにされている。
【0007】
中空型枠パネル10を建て込んだ後、中空型枠パネル10のコンクリート打設面11で挟まれた空間に、コンクリートを打設する。しかしながら、中空型枠パネル10の上端面は開口した状態にあるので、この開口端面から中空型枠パネル10内にコンクリートが流れ込むという問題があった。
中空型枠パネル10内にコンクリートが流れ込んでしまうと、中空型枠パネル10が重くなってしまうばかりでなく、釘打ちや切断加工などを行う際、硬化したコンクリートが邪魔になるという問題が生じてしまう。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−207930号公報(第2−3頁、図1、図2)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明の目的は、中空型枠パネル内へのコンクリートの流れ込みを防止する中空型枠パネル用キャップおよびキャップ付き中空型枠パネルを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、中空型枠パネルの開口端面にキャップをビス打ちで固定した場合あっても、突出するビスの先端に指が触れることがない中空型枠パネル用キャップおよびキャップ付き中空型枠パネルを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の中空型枠パネル用キャップは、片面がコンクリート打設面となる堰板部と、堰板部の両側縁から堰板部のコンクリート打設面の反対側に直角に屈曲した側板部と、堰板部のコンクリート打設面の裏面に側板部に平行に設けられた補強板部とを有し、堰板部、側板部および補強板部が、2枚の板と、これら板の間を連結し、鉛直方向に延びる複数の長尺の補強リブとが一体に成形された中空型枠パネルの、開口端面を封止するキャップであって、中空型枠パネルの開口端面を覆う平板の表面に、中空型枠パネルの堰板部裏面に接する第1の当接リブが設けられていることを特徴とするものである。
ここで、中空型枠パネルの開口端面を覆う平板の表面には、さらに、中空型枠パネルの側板部表面または補強板部表面に接する第2の当接リブと、補強板部および/または側板部の中空部に嵌合する嵌合凸部とが設けられていることが望ましい。
【0011】
また、本発明の中空型枠パネル用キャップには、側板部および第2の当接リブを貫通するようにビス打ちした際に第2の当接リブから突出するビスの先端に触れないようにする指触防止部材が、平板の表面に設けられていることが望ましい。
また、前記指触防止部材は、第2の当接リブに平行に、かつ第2の当接リブから離間して設けられた板状リブであることが望ましい。
また、前記指触防止部材は、第2の当接リブに直角に、かつ互いに離間して設けられた2枚の板状リブであることが望ましい。
【0012】
また、前記嵌合凸部は、補強板部および/または側板部の中空部のうち、堰板部から最も遠い中空部に嵌合するように設けられていることが望ましい。
また、堰板部および第1の当接リブを貫通するようにビス打ちした際に第1の当接リブから突出するビスの先端に触れないようにする指触防止部材が、平板の表面に設けられていることが望ましい。
また、本発明の中空型枠パネル用キャップには、補強板部および/または側板部の中空部のうち、堰板部に最も近い中空部に嵌合する嵌合凸部が、平板の表面に設けられていることが望ましい。
【0013】
また、本発明のキャップ付き中空型枠パネルは、片面がコンクリート打設面となる堰板部と、堰板部の両側縁から堰板部のコンクリート打設面の反対側に直角に屈曲した側板部と、堰板部のコンクリート打設面の裏面に側板部に平行に設けられた補強板部とを有し、堰板部、側板部および補強板部が、2枚の板と、これら板の間を連結し、鉛直方向に延びる複数の長尺の補強リブとが一体に成形された中空型枠パネルと、
該中空型枠パネルの開口端面に取り付けられた、本発明の中空型枠パネル用キャップとを具備することを特徴とするものである。
また、本発明のキャップ付き中空型枠パネルにおいては、中空型枠パネルの堰板部裏面と、中空型枠パネル用キャップの第1の当接リブとが溶着されていることが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明のキャップ付き中空型枠パネルの一例を示す図であり、このキャップ付き中空型枠パネルは、中空型枠パネル40と、中空型枠パネル40の開口端面に取り付けられた中空型枠パネル用キャップ30を具備して概略構成されるものである。
ここで、中空型枠パネル40は、片面がコンクリート打設面41となる堰板部42と、堰板部42の両側縁から堰板部42のコンクリート打設面41の反対側に直角に屈曲した側板部43と、堰板部42のコンクリート打設面41の裏面44に側板部43に平行に設けられた4枚の補強板部45とを有するものである。そして、堰板部42、側板部43および補強板部45は、2枚の板46,46と、これら板46の間を連結し、鉛直方向に延びる複数の長尺の補強リブ47とが一体に成形され、補強リブ47で仕切られた複数の中空部を有するものである。
【0015】
図2は、本発明の中空型枠パネル用キャップの一例を示す図であり、この中空型枠パネル用キャップ30は、中空型枠パネル40の開口端面を封止するものである。
中空型枠パネル用キャップ30は、具体的には、中空型枠パネル40の開口端面を覆う平板31と、この平板31の表面に対してそれぞれ直角に設けられた、中空型枠パネル40の側板部43表面または補強板部45表面に接する10枚の第2の当接リブ32と、中空型枠パネル40の堰板部42の裏面44に接する5枚の第1の当接リブ33と、中央の2枚の補強板部45の中空部に嵌合する2本の嵌合凸部34と、側板部43に接する第2の当接リブ32に平行に、かつ該第2の当接リブ32から離間して設けられた指触防止リブ35(指触防止部材)とを有して構成されるものである。
【0016】
平板31は、中空型枠パネル40の開口端面をすべて覆うように、幅方向の長さが側板部43の幅と同じとされ、長手方向の長さが堰板部42の幅と同じとされているものである。
【0017】
第2の当接リブ32および第1の当接リブ33は、平板31を補強して平板31の撓みを防止するものであり、第1の当接リブ33の両端に第2の当接リブ32の片端が接続してコの字形とされている。
また、第2の当接リブ32は、中空型枠パネル用キャップ30が中空型枠パネル40の横方向へずれることを防止するものであり、第1の当接リブ33は、中空型枠パネル用キャップ30が中空型枠パネル40の堰板部42に向かってずれることを防止するものである。
また、第2の当接リブ32および第1の当接リブ33は、堰板部42、側板部43または補強板部45に当接するように設けられており、中空型枠パネル用キャップ30を中空型枠パネル40に取り付ける際の位置決めとしての役割も果たすものである。
【0018】
ここで、第2の当接リブ32は、補強板部45に当接するように設けられており、中空型枠パネル用キャップ30を中空型枠パネル40に取り付けたとき、補強板部45を挟み込むことになる。したがって、2枚の第2の当接リブ32の間に補強板部45を嵌合させることができる。また、見方を変えれば、側板部43と補強板部45との間、または補強板部45と補強板部45との間に、コの字形の当接リブが、挟み込まれるようにして嵌合しているともいえる。
また、第2の当接リブ32の、補強板部45との当接面には、2枚の第2の当接リブ32の間への補強板部45の嵌合をより確実にする凸部36が設けられている。
【0019】
嵌合凸部34は、中空型枠パネル用キャップ30の横ズレを防止するものであり、中空型枠パネル用キャップ30を中空型枠パネル40に取り付ける際の位置決めとしての役割を果たすものである。
この嵌合凸部34は、補強板部45の中空部のうち、堰板部42から最も遠い中空部に嵌合するように設けられている。
【0020】
指触防止リブ35は、図3に示すように、中空型枠パネル用キャップ30を中空型枠パネル40に固定するために、側板部43および第2の当接リブ32を貫通するようにビス50(ネジ、釘)を打った際、第2の当接リブ32から突出するビス50の先端に指が触れないように、ビス50の先端を隠すものである。
指触防止リブ35と第2の当接リブ32との隙間は、指が入り込まない程度であればよく、具体的には、10mm以下とすればよい。
【0021】
中空型枠パネル用キャップ30は、例えば、プラスチック材料の射出成形等によって製造されるものである。
プラスチック材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ABS樹脂、ナイロンなどが挙げられる。
また、中空型枠パネル40は、例えば、プラスチック材料の押出成形等によって製造されるものである。
プラスチック材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ABS樹脂、ナイロンなどが挙げられる。
【0022】
以上説明したような中空型枠パネル用キャップ30にあっては、中空型枠パネル40の開口端面を覆う平板31の表面に、中空型枠パネル40の側板部43表面または補強板部45表面に接する第2の当接リブ32と、中空型枠パネル40の堰板部42の裏面44に接する第1の当接リブ33と、補強板部45の中空部に嵌合する嵌合凸部34とを有しているので、2枚の第2の当接リブ32の間に補強板部45を嵌合させ、かつ補強板部45の中空部に嵌合凸部34を嵌合させた状態で、横ズレなく、中空型枠パネル40の開口端面を封止することができる。よって、中空型枠パネル40内へのコンクリートの流れ込みを防止することができる。
【0023】
また、中空型枠パネル用キャップ30にあっては、側板部43に接する第2の当接リブ32に平行に、かつ該第2の当接リブ32から離間して、平板31表面に指触防止リブ35が設けられているので、中空型枠パネル用キャップ30を中空型枠パネル40に固定するために、側板部43および第2の当接リブ32を貫通するようにビス50を打った場合であっても、突出するビス50の先端に指が触れることがない。
また、嵌合凸部34が、補強板部45の中空部のうち、堰板部42から最も遠い中空部に嵌合するように設けられているので、図3に示すように、補強板部45の側面から嵌合凸部34にビス51を打ち込むことによって、中空型枠パネル用キャップ30を中空型枠パネル40に隙間なく、より確実に固定することができる。
【0024】
また、平板31が、中空型枠パネル40の開口端面をすべて覆うように、幅方向の長さが側板部43の幅と同じとされ、長手方向の長さが堰板部42の幅と同じとされているので、中空型枠パネル40の開口端面、特に角部が補強され、角部の損傷が防止される。
また、従来の型枠を建て込む際には、コンクリートスラブ面に水平に固定された敷き桟への型枠の固定のために、および天井スラブ型枠または梁下型枠への型枠の固定のために、型枠の上下端に横桟木が取り付けられる。しかしながら、本発明のように堰板と縦桟木(補強板部)が一体化された中空型枠パネルにおいては、横桟木の取付のため、縦桟木の両端を横桟木の厚み分だけ切り欠く必要があった。本発明のキャップを用いれば、縦桟木の切り欠き加工を必要とせず、中空型枠パネル40の開口端面にキャップを取り付けるだけで、該キャップが横桟木の役割を果たす。
【0025】
なお、本発明の中空型枠パネル用キャップは、図1〜図3のものに限定はされず、中空型枠パネル内へのコンクリートの流れ込みを防止するためには、図4に示すような、中空型枠パネルの開口端面を覆う平板31の表面に、少なくとも、中空型枠パネル40の堰板部42の裏面44に接する第1の当接リブ33が設けられているものであればよい。ただし、中空型枠パネル用キャップを横ズレなく、確実に中空型枠パネルに取り付けるためには、中空型枠パネルの開口端面を覆う平板の表面に、少なくとも、中空型枠パネルの側板部表面または補強板部表面に接する第2の当接リブと、中空型枠パネルの堰板部裏面に接する第1の当接リブと、補強板部の中空部に嵌合する嵌合凸部とが設けられているものが好ましい。
【0026】
また、本発明の中空型枠パネル用キャップには、例えば図5および図6に示すように、補強板部45の中空部のうち、堰板部42に最も近い中空部に嵌合する第2の嵌合凸部37が、平板31の表面に設けられていてもよい。第2の嵌合凸部37が設けられていれば、図5に示すように、堰板部42のコンクリート打設面41から第2の嵌合凸部37にビス52を打ち込むことができ、中空型枠パネル用キャップ30を中空型枠パネル40に隙間なく、より確実に固定することができる。また、第2の嵌合凸部37の代わりに、堰板部42の中空部に嵌合する嵌合凸部を設けてもよい。
【0027】
また、本発明における指触防止部材は、図7に示すように、第2の当接リブ32に直角に、かつ互いに離間して設けられた2枚の指触防止リブ38であってもよい。2枚の指触防止リブ38の間の隙間は、好ましくは10mm以下である。また、本発明の中空型枠パネル用キャップには、例えば図8に示すように、堰板部42および第1の当接リブ33を貫通するようにビス53を打った際に第1の当接リブ33から突出するビス53の先端に指が触れないようにする第2の指触防止リブ39(指触防止部材)が、平板31の表面に設けられていてもよい。
【0028】
また、中空型枠パネル40の開口端面への中空型枠パネル用キャップ30の固定は、上述のようなビス止めには限定されず、超音波ウエルダー、高周波ウエルダー等による溶着や、接着剤による接着によって行っても構わない。例えば、超音波ウエルダーによる溶着の場合、図9に示すように、中空型枠パネル40の開口端面に中空型枠パネル用キャップ30を取り付けた状態で、中空型枠パネル用キャップ30の第1の当接リブ33に超音波ウエルダーのホーン60を当て、ここから第1の当接リブ33に超音波振動エネルギーと圧力を与えることによって、第1の当接リブ33と堰板部42の裏面44との境界面に摩擦熱を発生させ、第1の当接リブ33と堰板部42の裏面44とを溶融させ、これにより、第1の当接リブ33と堰板部42の裏面44とを瞬時に溶着することができる。
この場合の、中空型枠パネル用キャップは、図4に示すような、中空型枠パネルの開口端面を覆う平板31の表面に、中空型枠パネル40の堰板部42の裏面44に接する第1の当接リブ33が設けられているものであればよい。
【0029】
本発明の中空型枠パネル用キャップの材質は、プラスチックに限定はされず、金属、木材、セラミックス等であっても構わない。ただし、リサイクルの点で中空型枠パネルと同じ材質、特にプラスチック材料であることが好ましい。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の中空型枠パネル用キャップは、片面がコンクリート打設面となる堰板部と、堰板部の両側縁から堰板部のコンクリート打設面の反対側に直角に屈曲した側板部と、堰板部のコンクリート打設面の裏面に側板部に平行に設けられた補強板部とを有し、堰板部、側板部および補強板部が、2枚の板と、これら板の間を連結し、鉛直方向に延びる複数の長尺の補強リブとが一体に成形された中空型枠パネルの、開口端面を封止するキャップであって、中空型枠パネルの開口端面を覆う平板の表面に、中空型枠パネルの堰板部裏面に接する第1の当接リブが設けられているので、中空型枠パネル内へのコンクリートの流れ込みを防止することができる。
また、本発明の中空型枠パネル用キャップは、中空型枠パネルの開口端面を覆う平板の表面に、さらに、中空型枠パネルの側板部表面または補強板部表面に接する第2の当接リブと、補強板部および/または側板部の中空部に嵌合する嵌合凸部とが設けられているものであれば、横ズレなく、確実に中空型枠パネルに取り付けることができる。
【0031】
また、側板部および第2の当接リブを貫通するようにビス打ちした際に第2の当接リブから突出するビスの先端に触れないようにする指触防止部材が、平板の表面に設けられていれば、中空型枠パネルにキャップをビス打ちで固定した場合あっても、突出するビスの先端に指が触れることがない。
また、堰板部および第1の当接リブを貫通するようにビス打ちした際に第1の当接リブから突出するビスの先端に触れないようにする指触防止部材が、平板の表面に設けられていれば、中空型枠パネルにキャップをビス打ちで固定した場合あっても、突出するビスの先端に指が触れることがない。
【0032】
また、前記嵌合凸部が、補強板部および/または側板部の中空部のうち、堰板部から最も遠い中空部に嵌合するように設けられていれば、補強板部および/または側板部の側面から嵌合凸部にビスを打ち込むことによって、中空型枠パネル用キャップを中空型枠パネルに隙間なく、より確実に固定することができる。
また、補強板部および/または側板部の中空部のうち、堰板部に最も近い中空部に嵌合する嵌合凸部が、平板の表面に設けられていれば、堰板部のコンクリート打設面から嵌合凸部にビスを打ち込むことによって、中空型枠パネル用キャップを中空型枠パネルに隙間なく、より確実に固定することができる。
【0033】
また、本発明のキャップ付き中空型枠パネルは、中空型枠パネルと、該中空型枠パネルの開口端面に取り付けられた、本発明の中空型枠パネル用キャップとを具備するものであるので、中空型枠パネル内へのコンクリートが流れ込むことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中空型枠パネル用キャップおよびこれが取り付けられる中空型枠パネルの一例を示す斜視図である。
【図2】図1の中空型枠パネル用キャップの下面図である。
【図3】図2のキャップを中空型枠パネルにビス打ちで固定した様子を示す断面図である。
【図4】本発明の中空型枠パネル用キャップの他の例を示す下面図である。
【図5】本発明の中空型枠パネル用キャップの他の例を示す下面図である。
【図6】図5のキャップを中空型枠パネルにビス打ちで固定した様子を示す断面図である。
【図7】本発明の中空型枠パネル用キャップの他の例、およびこのキャップを中空型枠パネルにビス打ちで固定した様子を示す断面図である。
【図8】本発明の中空型枠パネル用キャップの他の例、およびこのキャップを中空型枠パネルにビス打ちで固定した様子を示す断面図である。
【図9】超音波ウエルダーによって中空型枠パネル用キャップと中空型枠パネルとを溶着する様子を示す断面図である。
【図10】従来の中空型枠パネルの一例を示す斜視図である。
【図11】従来の中空型枠パネルの建て込み構造の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
30 中空型枠パネル用キャップ
31 平板
32 第2の当接リブ
33 第1の当接リブ
34 嵌合凸部
35 指触防止リブ(指触防止部材)
37 第2の嵌合凸部
38 指触防止リブ(指触防止部材)
39 第2の指触防止リブ(指触防止部材)
40 中空型枠パネル
41 コンクリート打設面
42 堰板部
43 側板部
44 裏面
45 補強板部
46 板
47 補強リブ

Claims (10)

  1. 片面がコンクリート打設面となる堰板部と、堰板部の両側縁から堰板部のコンクリート打設面の反対側に直角に屈曲した側板部と、堰板部のコンクリート打設面の裏面に側板部に平行に設けられた補強板部とを有し、堰板部、側板部および補強板部が、2枚の板と、これら板の間を連結し、鉛直方向に延びる複数の長尺の補強リブとが一体に成形された中空型枠パネルの、開口端面を封止するキャップであって、
    中空型枠パネルの開口端面を覆う平板の表面に、中空型枠パネルの堰板部裏面に接する第1の当接リブが設けられていることを特徴とする中空型枠パネル用キャップ。
  2. 中空型枠パネルの開口端面を覆う平板の表面に、中空型枠パネルの側板部表面または補強板部表面に接する第2の当接リブと、補強板部および/または側板部の中空部に嵌合する嵌合凸部とが設けられていることを特徴とする請求項1記載の中空型枠パネル用キャップ。
  3. 側板部および第2の当接リブを貫通するようにビス打ちした際に第2の当接リブから突出するビスの先端に触れないようにする指触防止部材が、平板の表面に設けられていることを特徴とする請求項2記載の中空型枠パネル用キャップ。
  4. 前記指触防止部材が、第2の当接リブに平行に、かつ第2の当接リブから離間して設けられた板状リブであることを特徴とする請求項3記載の中空型枠パネル用キャップ。
  5. 前記指触防止部材が、第2の当接リブに直角に、かつ互いに離間して設けられた2枚の板状リブであることを特徴とする請求項3記載の中空型枠パネル用キャップ。
  6. 前記嵌合凸部が、補強板部および/または側板部の中空部のうち、堰板部から最も遠い中空部に嵌合するように設けられていることを特徴とする請求項2ないし5いずれか一項に記載の中空型枠パネル用キャップ。
  7. 堰板部および第1の当接リブを貫通するようにビス打ちした際に第1の当接リブから突出するビスの先端に触れないようにする指触防止部材が、平板の表面に設けられていることを特徴とする請求項1ないし6いずれか一項に記載の中空型枠パネル用キャップ。
  8. 補強板部および/または側板部の中空部のうち、堰板部に最も近い中空部に嵌合する嵌合凸部が、平板の表面に設けられていることを特徴とする請求項1ないし7いずれか一項に記載の中空型枠パネル用キャップ。
  9. 片面がコンクリート打設面となる堰板部と、堰板部の両側縁から堰板部のコンクリート打設面の反対側に直角に屈曲した側板部と、堰板部のコンクリート打設面の裏面に側板部に平行に設けられた補強板部とを有し、堰板部、側板部および補強板部が、2枚の板と、これら板の間を連結し、鉛直方向に延びる複数の長尺の補強リブとが一体に成形された中空型枠パネルと、
    該中空型枠パネルの開口端面に取り付けられた、請求項1ないし8いずれか一項に記載された中空型枠パネル用キャップとを具備することを特徴とするキャップ付き中空型枠パネル。
  10. 中空型枠パネルの堰板部裏面と、中空型枠パネル用キャップの第1の当接リブとが溶着されていることを特徴とする請求項9記載のキャップ付き中空型枠パネル。
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