JP3986835B2 - コンクリート型枠 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、堰板部および堰板部の両側縁から直角に屈曲した側板部を有するプラスチック製のコンクリート型枠に関し、詳しくは、使用条件に合わせて堰板部に直交する方向の側板部の幅を変更できるコンクリート型枠に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、コンクリート打設用の型枠(以下、「コンクリート型枠」または単に「型枠」と記す)としては、軽量で施工性がよく、リサイクル可能なプラスチック製の型枠が提案されている。
図6は、このようなプラスチック製のコンクリート型枠の一例を示す図であり、この型枠10は、片面がコンクリート打設面11となる中空の堰板部12と、堰板部12の両側縁から堰板部12のコンクリート打設面11の反対側に直角に屈曲した中空の側板部
13と、堰板部12の裏面14に設けられた、側板部13に平行な2枚の中空の補強板部15とを有して概略構成されるものであり、堰板部12、側板部13および補強板部15が、2枚の板16,16と、これら板の間を連結する複数の長尺の補強リブ17とが一体に成形された中空状のパネルからなるものである。
【0003】
この型枠10の設置(建てつけ)については、図7を参照しながら以下に説明する。
まず、複数の型枠10を側板部13の外側表面18同士が接するように一列に並べ、同様に、コンクリート打設面11が対向するように複数の型枠10をもう一列並べる。型枠10の堰板部12に穿設された挿通孔20に、対向する型枠10を所定の間隔に保つ止め金であるPコン21が両端近傍に設けられた丸棒状のセパレータ22を挿通する。
ついで、このセパレータ22の両端に、型枠10の裏面14側からフォームタイ(登録商標)と呼ばれる締付金具23を螺合により取り付け、セパレータ22のPコン21と締付金具23基端部の皿板24との間で堰板部12を挟み込むようにして、型枠10を保持する。
【0004】
さらに、締付金具23の上下に角パイプからなる一対の横ばた材25を配置し、これらを支持する座金26および座金26を止めるクサビ27で、横ばた材25を側板部13および補強板部15の側面に当接させた状態で固定する。この横ばた材25を配設することによって、型枠10が、コンクリート打設時のコンクリートの圧力によって外側に膨らまないようにされている。
また、これに型枠を垂直方向にさらに積み重ねて建てつける場合には、横ばた材25と堰板部12との間に、締付金具23を挟んで2本の縦ばた材28を配設する。これら縦ばた材28は、横ばた材25および堰板部12に接するように配設されることで、横ばた材25で押さえ込まれ、積み重ねられた型枠(図示略)が外側にずれないようにされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
横ばた材25および縦ばた材28に使用されるばた材は、通常、一辺が60mmまたは50mm(丸パイプのばた材の場合、外径が60mmまたは50mm)である。したがって、横ばた材25と堰板部12との間に、横ばた材25および堰板部12に接するように、縦ばた材28を配設するためには、側板部13および補強板部15の幅(側板部13および補強板部15の側面から堰板部12の裏面14までの奥行き)を、ばた材に合わせて60mmまたは50mmにする必要があった。そのため、側板部13および補強板部15の幅が60mmの型枠と、50mmの型枠の2種類の型枠を製造する必要があった。そして、2種類の型枠を成形するためには、2種類の金型を作製する必要があり、型枠の製造コストの増加の一因となっていた。なお、ばた材の太さに合わせて側板部13および補強板部15を切断することが考えられるが、切断面に補強リブ17が残らない場合、側板部13および補強板部15の強度が低下するなどの機能的な問題、および外観上の問題が生じてしまうため、実用的ではなかった。
【0006】
また、通常、型枠としては数種類の幅のもの(例えば、300mm、450mmおよび600mm)があらかじめ用意されている。しかしながら、これ以外の半端なサイズの型枠が必要な場合には、木製のコンクリート型枠として通常使用されているベニヤ合板を必要なサイズにカットして、型枠10に継ぎ足すことがある。そして、ベニヤ合板を継ぎ足す場合には、ベニヤ合板を継ぎ足す側の側板部13が不要になる。そのような場合にも対応できるように、片側の堰板部が省略された型枠をさらに製造し、あらかじめ用意しておく必要があった。また、同様に、この型枠用の金型を作製する必要があり、型枠の製造コストのさらなる増加を招いていた。なお、側板部13が不要になった場合に、側板部13を根元から切断することが考えられるが、切断面に補強リブ17が残らない場合、堰板部12の強度が低下するなどの機能的な問題、および外観上の問題が生じてしまうため、実用的ではなかった。
【0007】
また、型枠10の設置場所に凹凸があることが多く、型枠10を水平に設置するために、図8に示すように、補強板部15の下端部を堰板部12と接している部分(根元)から切除して、桟木62を型枠10の下面に取り付け、これを利用してコンクリートスラブ60面にレベル調整されて固定されている敷バタ61上に釘等で型枠10の下端部を位置決め固定することが行われる。しかしながら、補強板部15を根元から切断してしまうと、切断面に補強リブ17が残らない場合、堰板部12の強度が低下するなどの機能的な問題、および外観上の問題が生ずるという問題があった。
【0008】
よって、本発明の目的は、堰板部および堰板部の両側縁から直角に屈曲した側板部を有するプラスチック製のコンクリート型枠であって、使用条件等に合わせて堰板部に直交する方向の側板部の幅を変更、または側板部を省略できるコンクリート型枠を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明のコンクリート型枠は、片面がコンクリート打設面となる中空の堰板部および堰板部の両側縁から堰板部のコンクリート打設面の反対側に直角に屈曲した中空の側板部を有するプラスチック製のコンクリート型枠であり、堰板部および側板部が、2枚の平板と、これら平板に直角に接して平板間を連結する垂直方向に延びる複数の補強リブとが一体に成形されたものであり、堰板部に接していない側の側板部の側面から堰板部のコンクリート打設面の裏面までの奥行きが、60mmであり、側板部の補強リブの1つが、堰板部に接していない側の側板部の側面から10mmの間隔をあけて形成されていることを特徴とする。
【0010】
また、このコンクリート型枠においては、堰板部のコンクリート打設面の裏面に、側板部に平行な補強板部が設けられ、堰板部に接していない側の補強板部の側面から堰板部のコンクリート打設面の裏面までの奥行きが、60mmであり、補強板部の補強リブの1つが、堰板部に接していない側の補強板部の側面から10mmの間隔をあけて形成されていることが望ましい。
【0012】
また、本発明のコンクリート型枠は、透明または半透明であることが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明のコンクリート型枠の一例を示す図である。
型枠30は、片面がコンクリート打設面31となる中空の堰板部32と、堰板部32の両側縁から堰板部32のコンクリート打設面31の反対側に直角に屈曲した中空の側板部33と、堰板部32の裏面34に設けられた、側板部33に平行な2枚の中空の補強板部35とを有して概略構成されるものである。
また、堰板部32、側板部33および補強板部35は、2枚の平板36,36と、これら平板36に直角に接して平板36,36間を連結する垂直方向に延びる複数の長尺の補強リブ37とが一体に成形された中空状のパネルからなるものである。
【0014】
この型枠30においては、図2に示すように、堰板部32に接していない側の側板部33の側面40から堰板部32の裏面34までの奥行きは、60mmであり、堰板部32に接していない側の側板部33の側面40に最も近い補強リブ37aが、側面40から10mmの間隔をあけて形成されている。
また、堰板部32のコンクリート打設面31側の平板36aとこれに最も近い側板部33の補強リブ37bとの間隙、平板36aの厚さおよび補強リブ37bの厚さの合計Aが、堰板部32の厚さと同じとされている。
【0015】
同様に、堰板部32に接していない側の補強板部35の側面41から堰板部32の裏面34までの奥行きは、60mmであり、堰板部32に接していない側の補強板部35の側面41に最も近い補強リブ37cが、側面41から10mmの間隔をあけて形成されている。
また、堰板部32のコンクリート打設面31側の平板36aとこれに最も近い補強板部35の補強リブ37dとの間隙と、平板36aおよび補強リブ37dの厚さの合計Bが、堰板部32の厚さと同じとされている。
ここで、堰板部32の厚さとは、コンクリート打設面31と裏面34との間の長さのことである。
【0016】
この型枠30は、例えば、プラスチック材料の押出成形等によって、堰板部32、側板部33および補強板部35を一体成形して製造されるものである。
プラスチック材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ABS樹脂、ナイロンなどが挙げられる。中でも、機械的強度、コンクリートの離型性、耐アルカリ(耐コンクリート)性に優れていることから、ポリプロピレンが好適に用いられる。
【0017】
堰板部32の厚さ、幅、高さ、側板部33および補強板部35の厚さ、高さは、特に限定はされず、例えば、従来の木製型枠の寸法と同程度に設定される。なお、堰板部32の厚さは、従来の木製型枠に使用されるベニヤ板を型枠30に継ぎ足すことを考慮して、このベニヤ板と同じ厚さとすることが好ましく、その厚さは通常12mmである。
また、堰板部32、側板部33および補強板部35を構成する2枚の平板36および補強リブ37の厚さも、特に限定はされないが、機械的強度および軽量化を考慮した場合、例えば、1〜3mmが適当である。図示例では、平板36および補強リブ37の厚さは同じ2mmとされている。
【0018】
次に、本発明のコンクリート型枠を用いたコンクリート型枠連設構造について説明する。
図3は、コンクリート型枠連設構造の一例を示す全体図であり、図2は、連設構造の要部を示す図である。
このコンクリート型枠連設構造50は、複数の型枠30が、型枠30の側板部33の外側表面38同士が接するように配置され、
さらに、これら型枠30の上に、型枠(図示略)が積み重ねられ、
堰板部32の挿通孔42に棒状のセパレータ22が挿通され、
堰板部32が、その両面からセパレータ22に取り付けられたPコン21および締付金具23の皿板24によって挟まれるようにして締め付けられ、
締付金具23の上下に配置された角パイプからなる一対の横ばた材25(一辺の長さ60mm)が、これらを支持する座金26および座金26を止めるクサビ27によって、側板部33の側面40および補強板部35の側面41、並びに横ばた材25と堰板部32との間に締付金具23を挟むように配設された2本の縦ばた材28(一辺の長さ60mm)に当接した状態で、固定されているものである。
【0019】
このコンクリート型枠連設構造50の組み立て(型枠の建てつけ)は、例えば、以下のようにして行われる。
まず、複数の型枠30を側板部33の外側表面38同士が接するように一列に並べ、同様に、コンクリート打設面31が対向するように複数の型枠30をもう一列並べる。型枠30の堰板部32に穿設された挿通孔42に、対向する型枠30を所定の間隔に保つ止め金であるPコン21が両端近傍に設けられた丸棒状のセパレータ22を挿通する。
ついで、このセパレータ22の両端に、型枠30の裏面34側から締付金具23を螺合により取り付け、セパレータ22のPコン21と締付金具23基端部の皿板24との間で堰板部32を挟み込むようにして、型枠30を保持する。
これら型枠30の上に、さらに型枠(図示略)を積み重ね、上記と同様にしてセパレータ22、Pコン21、締付金具23等の型枠用金具を用いて、積み重ねられた型枠を保持する。
【0020】
ついで、締付金具23を挟むようにして2本の縦ばた材28を、型枠30および積み重ねられた型枠(図示略)を裏側から支持するように配設する。
さらに、締付金具23の上下に一対の横ばた材25を配置し、これらを支持する座金26および座金26を止めるクサビ27で、横ばた材25を側板部33の側面40および補強板部35の側面41、並びに横ばた材25と堰板部32との間に配設された縦ばた材28に当接した状態で固定する。この横ばた材25を配設することによって、型枠30が、コンクリート打設時のコンクリートの圧力によって外側に膨らまないようにされている。
【0021】
また、別の組立方法(建てつけ方法)としては、型枠30に、あらかじめセパレータ22、Pコン21、締付金具23等の型枠用金具を仮にセットしておき、この型枠30の複数を一列に並べ、ついで、別の複数の型枠30を、コンクリート打設面31が対向するように、かつセパレータ22の他端を挿通孔40に挿通しながら建てつける方法などを挙げることができる。
【0022】
また、縦ばた材28として、一辺の長さが50mmのばた材を用いる場合には、側板部33の側面40から10mmのところで側板部33を縦方向に切断し、補強板部35の側面41から10mmのところで補強板部35を縦方向に切断する。これにより、一辺の長さが50mmのばた材を用いても、横ばた材25と堰板部32との間に、横ばた材25および堰板部32に接するように、縦ばた材28を配設することができる。
また、側板部33(または補強板部35)が不要な場合には、堰板部32の裏面34よりも突出した部分を根元から切断することによって、側板部33(または補強板部35)を取り除くことができる。
【0023】
以上説明したような型枠30にあっては、堰板部32に接していない側の側板部33の側面40から堰板部32の裏面34までの奥行きが60mmであり、かつ堰板部32に接していない側の側板部33の側面40に最も近い補強リブ37aが側面40から10mmの間隔をあけて形成されているので、側板部33の側面40から10mmのところで側板部33を縦方向に切断しても、補強リブ37aが切断面に出現し、補強リブ37aが側板部33の新たな側面を形成するようになる。これにより、縦ばた材28として、一辺の長さが50mmのばた材を用いる場合に、側板部33の側面40から10mmのところで側板部33を縦方向に切断しても、側板部33の強度が低下するなどの機能的な問題、および外観上の問題を生ずることがない。また、補強板部35についても同様に、補強板部35の側面41から10mmのところで補強板部35を縦方向に切断しても、補強リブ37cが補強板部35の新たな側面を形成できるので、補強板部35の強度が低下するなどの機能的な問題、および外観上の問題を生ずることがない。
【0024】
また、この型枠30にあっては、堰板部32のコンクリート打設面31側の平板36aとこれに最も近い側板部33の補強リブ37bとの間隙、平板36aの厚さおよび補強リブ37bの厚さの合計Aが、堰板部32の厚さと同じとされているので、堰板部32の裏面34よりも突出した部分を根元から切断しても、補強リブ37bが切断面に出現し、補強リブ37bが堰板部32の裏面の一部を形成するようになる。これにより、側板部33が不要な場合に、側板部33を根元で切断しても、堰板部32の強度が低下するなどの機能的な問題、および外観上の問題を生ずることがない。同様に、堰板部32のコンクリート打設面31側の平板36aとこれに最も近い補強板部35の補強リブ37dとの間隙と、平板36aおよび補強リブ37dの厚さの合計Bが、堰板部32の厚さと同じとされているので、型枠30の下面に桟木を設けるなどの場合に、補強板部35を根元で切断しても、堰板部32の強度が低下するなどの機能的な問題、および外観上の問題を生ずることがない。
【0025】
また、この型枠30は、プラスチック製であるので、耐久性がよく、耐用回数を超えた後にはプラスチック材料としてリサイクルが可能である。また、型枠30は、プラスチック製であるので、コンクリート離型性がよく、コンクリート剥離剤が不要である。
また、型枠30は、プラスチック製であり、片面がコンクリート打設面31となる堰板部32と、堰板部32の両側縁から堰板部32のコンクリート打設面31の反対側に直角に屈曲した側板部33とを有しているので、側板を固定するための釘打ちが不要であり、施工性がよく、釘打ちによる耐久性の低下もない。
【0026】
また、この型枠30は、堰板部32、側板部33および補強板部35が2枚の平板36とこれらを連結する複数の長尺の補強リブ37とが一体に成形された中空状のものであるので、軽量であり、かつ十分な機械的強度を有する。
また、この型枠30は、堰板部32のコンクリート打設面31の裏面34に、側板部33に平行な補強板部35が設けられているので、耐久性、耐圧性がさらに向上している。
【0027】
なお、本発明のコンクリート型枠は、図1および図2に示すものに限定はされず、例えば、堰板部32の幅が狭い場合には、図5に示すように、補強板部をあらかじめ省略することも可能である。
また、本発明のコンクリート型枠は、堰板部に接していない側の側板部の側面から堰板部の裏面までの奥行きが、60mmであり、側板部の補強リブの1つが、堰板部に接していない側の側板部の側面から10mmの間隔をあけて形成されているものであればよく、例えば、側板部の側面から10mm未満の間隔をあけて別の補強リブが形成されていてもよい。
【0028】
また、本発明のコンクリート型枠を透明もしくは半透明とすれば、補強リブの位置を目視にて確認することができるので、側面から10mmのところで側板部や補強板部を切断したり、側板部や補強板部を根元から切断したりする際、補強リブのちょうど手前で切断することが容易になる。
また、型枠が透明もしくは半透明でない場合には、側面から10mmのところの側板部や補強板部の表面に、切断工具のガイド用の凹溝を縦方向に設けてもよい。
【0029】
また、堰板部には、必ずしも挿通孔をあらかじめ設けておく必要はない。挿通孔は、コンクリート打設の現場において、セパレータを挿入する位置を決定した後に、現場で穿設するようにしても構わない。なお、この際、堰板部は中空であるので、挿通孔の穿設は両表面のみに行えばよく、容易に行える。また、堰板部はプラスチック製であるので、挿通孔の穿設は容易である。
また、堰板部の挿通孔を現場で穿設する場合は、穿設用のドリルの先端を補強リブと補強リブとの間に位置させ、横逸れなく挿通孔を開け易くするために、堰板部の表面にドリルガイド用の凹溝を縦方向に設けてもよい。
【0030】
また、型枠の設置の際に用いられるセパレータとしては、図示例の丸棒状のものに限定はされず、例えば、平板状のものなど、公知のセパレータを用いることができる。
また、Pコン、締付金具も、図示例のものに限定はされず、例えば、ハット型のPコンなど、公知のものを用いることができる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のコンクリート型枠は、片面がコンクリート打設面となる中空の堰板部および堰板部の両側縁から堰板部のコンクリート打設面の反対側に直角に屈曲した中空の側板部を有するプラスチック製のコンクリート型枠であり、堰板部および側板部が、2枚の平板と、これら平板に直角に接して平板間を連結する垂直方向に延びる複数の補強リブとが一体に成形されたものであり、堰板部に接していない側の側板部の側面から堰板部のコンクリート打設面の裏面までの奥行きが、60mmであり、側板部の補強リブの1つが、堰板部に接していない側の側板部の側面から10mmの間隔をあけて形成されているものであるので、側板部の側面から10mmのところで側板部を縦方向に切断しても、側板部の強度が低下するなどの機能的な問題、および外観上の問題を生ずることがない。したがって、側板部の側面から10mmのところで堰板部を縦方向に切断することにより、本発明のコンクリート型枠を、一辺の長さが50mmの縦ばた材を用いる場合にも問題なく適用できるようになる。
【0032】
また、本発明のコンクリート型枠は、堰板部のコンクリート打設面側の平板とこれに最も近い側板部の補強リブとの間隙、該平板の厚さおよび該補強リブの厚さの合計が、堰板部の厚さと同じであるものであるので、側板部を根元で切断しても、堰板部の強度が低下するなどの機能的な問題、および外観上の問題を生ずることがない。したがって、側板部が不要な場合には、側板部を根元で切断することができる。
また、堰板部のコンクリート打設面の裏面に、側板部に平行な補強板部が設けられていれば、コンクリート型枠の耐久性、耐圧性を向上させることができる。また、本発明のコンクリート型枠が透明または半透明であれば、側面から10mmのところで側板部や補強板部を切断したり、側板部や補強板部を根元から切断したりする際、補強リブのちょうど手前で切断することが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のコンクリート型枠の一例を示す斜視図である。
【図2】 図1の型枠の上面図である。
【図3】 本発明のコンクリート型枠連設構造の一例を示す斜視図である。
【図4】 図3における型枠用金具の取り付け位置の要部を示す断面図である。
【図5】 本発明のコンクリート型枠の他の例を示す斜視図である。
【図6】 従来のコンクリート型枠の一例を示す斜視図である。
【図7】 従来のコンクリート型枠連設構造の一例を示す斜視図である。
【図8】 コンクリート型枠の設置状態を示す図である。
【符号の説明】
30 型枠(コンクリート型枠)
31 コンクリート打設面
32 堰板部
33 側板部
34 裏面
35 補強板部
36 平板
37 補強リブ
40 (側板部の)側面
41 (補強板部の)側面

Claims (3)

  1. 片面がコンクリート打設面となる中空の堰板部および堰板部の両側縁から堰板部のコンクリート打設面の反対側に直角に屈曲した中空の側板部を有するプラスチック製のコンクリート型枠であり、
    堰板部および側板部が、2枚の平板と、これら平板に直角に接して平板間を連結する垂直方向に延びる複数の補強リブとが一体に成形されたものであり、
    堰板部に接していない側の側板部の側面から堰板部のコンクリート打設面の裏面までの奥行きが、60mmであり、
    側板部の補強リブの1つが、堰板部に接していない側の側板部の側面から10mmの間隔をあけて形成されていることを特徴とするコンクリート型枠。
  2. 堰板部のコンクリート打設面の裏面に、側板部に平行な補強板部が設けられ、
    堰板部に接していない側の補強板部の側面から堰板部のコンクリート打設面の裏面までの奥行きが、60mmであり、
    補強板部の補強リブの1つが、堰板部に接していない側の補強板部の側面から10mmの間隔をあけて形成されていることを特徴とする請求項1記載のコンクリート型枠。
  3. 透明または半透明であることを特徴とする請求項1または2に記載のコンクリート型枠。
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