JP2004327889A - 化合物太陽電池およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】GaAs基板1の表面に、エピタキシャル成長法によってトップセルTとなる各層が形成される。そのトップセルT上にボトムセルBとなる各層が形成される。次に、ボトムセルBの表面に裏面電極9が形成される。次に、ワックスによりガラス板と裏面電極とが張り合わされる。次に、ガラス基板に支持されたGaAs基板1をアルカリ溶液に浸漬することによって、GaAs基板1が除去される。その後、トップセルTの表面に表面電極が形成される。最後に、ガラス基板13が裏面電極から分離される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は化合物太陽電池およびその製造方法に関し、特に、多接合型の化合物太陽電池と、その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池の中で最も効率が高く、宇宙用太陽電池に適している太陽電池として多接合型III−V族化合物太陽電池がある。そのような多接合型III−V族化合物太陽電池の製造方法の一例について説明する。
【0003】
まず、図26に示すように、基板としてGe基板101(またはGaAs基板)が用いられる。そのGe基板101等の表面にGeをエピタキシャル成長させるとともに、AsH3またはPH3を添加してAsまたはPを熱拡散させることによって、Geのpn接合を含むボトムセルBBが形成される。
【0004】
そのボトムセルBB上にGaAsをエピタキシャル成長させることによって、GaAsのpn接合を含むミドルセルMMが形成される。そのミドルセルMM上にInGaPをエピタキシャル成長させることによって、InGaPのpn接合を含むトップセルTTが形成される。
【0005】
このようにしてGe基板101上に下からGe/GaAs/InGaPによる3つのpn接合が直列に接続されたセル本体CCを有する3接合型のIII−V族化合物太陽電池110が製造される。
【0006】
トップセルTTをなすInGaPの禁制帯幅は約1.7〜2.1eVであり、ミドルセルMMをなすGaAsの禁制帯幅は約1.3〜1.6eVであり、ボトムセルBBをなすGeの禁制帯幅は約0.7eV以下である。
【0007】
太陽光線はトップセルTT(InGaP)の側から入射して、ボトムセルBB(Ge)に向かって進むことになる。その間に、トップセルTT、ミドルセルMMおよびボトムセルBBのそれぞれの禁制帯幅に基づく所定の波長の光が吸収されて、電気エネルギに変換されることになる。
【0008】
ところが、ボトムセルBBをなすGeの禁制帯幅(約0.7eV以下)の値は、光エネルギを電気エネルギに変換するという点で比較的小さいために、より変換効率の高い材料として0.9〜1.1eV程度の禁制帯幅を有する材料の適用が検討されている。
【0009】
非特許文献1では、そのような材料の一つとしてInGaAsが提案されている。Geに代えてInGaAsを適用した多接合型太陽電池110においては、図27に示すように、Ge基板101(またはGaAs基板)の表面にエピタキシャル成長によって、InGaAsのpn接合を含むボトムセルNNが形成される。
【0010】
そのボトムセルNN上にGaAsのpn接合を含むミドルセルMMとInGaPのpn接合を含むトップセルTTが、それぞれエピタキタキシャル成長によって形成されることになる。
【0011】
また、InGaAsの他にGeに代わる材料として、非特許文献2ではInGaAsNが提案されている。
【0012】
【非特許文献1】
M.Tamura et al, ’Threading doislocations in InXGa1−XAs/GaAs heterostructures’,J.Appl.Phys.,72(8),15 October, (1992) p.3398.
【0013】
【非特許文献2】
J.F.Geisz et al, ’Photocurrent of 1eV GaInNAs lattice−matched to GaAs’,J.Crystal Growth, 195(1998) p.401.
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、Geに代えてInGaAsあるいはInGaAsNを適用したボトムセルNNを有する多接合型太陽電池110では、次のような問題点があった。
【0015】
まず、ボトムセルNNとしてInGaAs(0.9〜1.1eV)を適用した多接合太陽電池では、Ge基板101(またはGaAs基板)の格子定数とInGaAsの格子定数とが異なる。そのため、エピタキシャル成長されるInGaAsには、下地(GaAs基板等)の格子定数との違いに起因する転位(以下、「ミスフィット転位」と記す。)が生じることになる。
【0016】
また、ボトムセルとしてInGaAsNを適用した多接合太陽電池では、InGaAsNの格子定数が下地の格子定数に整合するようにN原子の組成が制御されることになる。これにより、エピタキシャル成長されるInGaAsNには、ミスフィット転位が生じることは阻止される。
【0017】
しかしながら、添加されるN原子自体の空孔等が発生する。その結果、エピタキシャル成長されるInGaAsNには、N原子に起因する欠陥が生じることになる。
【0018】
このように、InGaAsあるいはInGaAsNを適用したボトムセルではミスフィット転位や欠陥が発生するために、セルとしての質が良好ではなく、所望の発電量を達成できないという問題があった。
【0019】
そして、ボトムセルNNにミスフィット転位や欠陥が発生するために、ボトムセルNNの上にエピタキシャル成長されるミドルセルMMのGaAs、さらにはトップセルTTのInGaPにまでその影響が及んでしまうことになる。
【0020】
そのため、GaAsおよびInGaPのセルとしての質も劣化してしまい、電気エネルギへの変換効率の向上が阻害されてしまうという問題があった。
【0021】
また、上述したように、太陽光線はトップセルTの側から入射してボトムセルBに向かって進む間に所定の波長の光が吸収されて、電気エネルギに変換されることになる。
【0022】
このとき、トップセルTT〜ボトムセルBBにおいて吸収されなかった太陽光線の成分は、Ge基板101(またはGaAs基板)に吸収されてしまい、発電に有効に寄与することができなかった。
【0023】
そのため、電気エネルギへの変換効率の向上が阻害されてしまうという問題があった。
【0024】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、一つの目的は、電気エネルギへの変換効率の向上が図られる化合物太陽電池を提供することであり、他の目的はそのような化合物太陽電池の製造方法を提供することである。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つの局面における化合物太陽電池は、セル本体と第1電極部と第2電極部とを備えている。セル本体は単結晶による少なくとも1つのpn接合層を有し太陽光線が入射する。第1電極部は、セル本体において太陽光線が入射する側とは反対側の面に直接形成され、セル本体を支持する所定の厚さを有する。第2電極部は、セル本体において太陽光線が入射する側の面に形成されている。
【0026】
この構成によれば、セル本体において太陽光線が入射する側とは反対側の面に第1電極部が直接形成されている。これにより、セル本体において太陽光線が入射する側とは反対側の面にエピタキシャル成長のための所定の基板が配設されている従来の構造と比べると、セル本体に入射しセル本体によって吸収されなかった太陽光線の成分が第1電極部によって反射されることになる。その結果、光閉じ込め効果が向上し、化合物太陽電池の変換効率を高めることができる。
【0027】
また、セル本体および第1電極部は可撓性であるか、第1電極部は撓むことのできる厚さを有することが好ましい。
【0028】
これにより、化合物太陽電池の形状の自由度が向上する。
セル本体の構造としてより具体的には、セル本体は、禁制帯幅が互いに異なる化合物による複数のpn接合層を含み、複数のpn接合層のそれぞれは、第1電極部の側から太陽光線が入射する側に向かって禁制帯幅が高くなるように配設されていることが好ましい。
【0029】
さらに具体的には、複数のpn接合層は、第1電極部の上に形成され、第1禁制帯幅を有するIII−V族化合物による第1pn接合層と、第1pn接合層の上に形成され、第1禁制帯幅よりも高い第2禁制帯幅を有するIII−III−V族化合物による第2pn接合層とを含むことが好ましい。
【0030】
あるいは、複数のpn接合層は、第1電極部の上に形成され、第1禁制帯幅を有するIII−III−V族化合物による第1pn接合層と、第1pn接合層の上に形成され、第1禁制帯幅よりも高い第2禁制帯幅を有するIII−V族化合物による第2pn接合層と、第2pn接合層の上に形成され、第2禁制帯幅よりも高い第3禁制帯幅を有するIII−III−V族化合物による第3pn接合層を含むことが好ましい。
【0031】
あるいは、複数のpn接合層は、第1電極部の上に形成され、第1禁制帯幅を有するI−III−VI族化合物を含む第1pn接合層と、第1pn接合層の上に形成され、第1禁制帯幅よりも高い第2禁制帯幅を有するIII−III−V族化合物による第2pn接合層と、第2pn接合層の上に形成され、第2禁制帯幅よりも高い第3禁制帯幅を有するIII−III−V族化合物による第3pn接合層を含むことが好ましい。なお、I族、III族、V族およびVI族は元素の周期律表における族を表す。
【0032】
本発明の他の局面における化合物太陽電池の製造方法は、以下の工程を備えている。半導体基板の表面に、第1禁制帯幅を有する第1セルとなる層をエピタキシャル成長によって形成する。第1セルとなる層の上に、第1禁制帯幅よりも低い第2禁制帯幅を有する第2セルとなる層を形成する。第2セルとなる層の上に、第1セルとなる層および第2セルとなる層を支持する所定の厚さを有する第1電極部を直接形成する。第1電極部の表面に、第1電極部を支持する支持板を取り付ける。第1セルとなる層と半導体基板とを分離する。半導体基板と分離されて露出した第1セルとなる層の表面に第2電極部を形成する。第2電極部が形成された後に支持板を取り外す。
【0033】
この製造方法によれば、完成した状態で太陽光が入射する側に位置することになる第1セルとなる層が半導体基板上に先に形成され、太陽光線が入射する側とは反対側に位置することになる第2セルとなる層が後に形成される。これにより、第2セルとなる層の第2禁制帯幅として比較的高い禁制帯幅を有する材料を用いても、第2セルとなる層の質が第1セルとなる層に及ぶことはない。また、第2セルとなる層に直接第1電極部が形成されることで、第1セルとなる層および第2セルとなる層によって吸収されなかった太陽光の成分が第1電極部によって反射されることになる。これにより、光閉じ込め効果が向上する。これらの結果、化合物太陽電池としての変換効率を向上することができる。
【0034】
また、第1セルとなる層を形成する工程と第2セルとなる層を形成する工程の間に、第1禁制帯幅よりも低く第2禁制帯幅よりも高い第3禁制帯幅を有する第3セルとなる層を形成する工程を備えていることが好ましい。
【0035】
これにより、各セルとなる層においてそれぞれの禁制帯幅に応じた所定の波長の太陽光線の成分が吸収されて、変換効率をより向上することができる。
【0036】
また、半導体基板を分離させるために、具体的には、第1セルとなる層と前記半導体基板との間にエピタキシャル成長により所定の中間層を形成する工程を備え、第1セルとなる層と半導体基板とを分離する工程は、半導体基板をエッチングにより除去し、さらに中間層を除去する工程を含むことが好ましい。
【0037】
あるいは、第1セルとなる層と半導体基板との間にエピタキシャル成長により所定の中間層を形成する工程を備え、第1セルとなる層と半導体基板とを分離する工程は、中間層をエッチングにより除去して半導体基板を取り外す工程を含むことが好ましい。
【0038】
特に、この場合には、半導体基板の再利用を図ることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
本発明の実施の形態1に係る化合物太陽電池について説明する。ここでは、化合物太陽電池のセル本体として、ボトムセルおよびトップセルを有する2接合型の化合物太陽電池を例に挙げる。
【0040】
まず、その製造方法について説明する。基板として、GaAs基板(1×1018cm−3, Siドープ、直径50mm)を用意する。そのGaAs基板は、たとえば縦型MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)装置に投入される。
【0041】
次に、図1に示すように、GaAs基板1の表面に、エピタキシャル成長法によって膜厚約0.5μmのn型のInGaP層3が形成される。このInGaP層3は、InGaP層3の上に形成されるセル本体とGaAs基板1との間の中間層となる。
【0042】
次に、そのInGaP層3上にエピタキシャル成長法によってトップセルTとなる単結晶の各層が形成される。具体的には、n型のGaAs層T1、n型のAlInP層T2、n型のInGaP層T3、p型のInGaP層T4およびp型のAlInP層T5が順次形成される。
【0043】
次に、AlInP層T5上に、トンネル接合としてエピタキシャル成長法によってp型のAlGaAs層5およびn型のInGaP層7が順次形成される。
【0044】
次に、n型のInGaP層7上に、エピタキシャル成長法によってボトムセルBとなる単結晶の各層が形成される。具体的には、n型のAlInP層B1、n型のGaAs層B2、p型のGaAs層B3、p型のInGaP層B4およびp型のGaAs層B5が順次形成される。
【0045】
なお、エピタキシャル成長の条件として、温度は約700℃とされる。GaAs層を成長させるための原料として、TMG(トリメチルガリウム)とAsH3(アルシン)が用いられる。
【0046】
InGaP層を成長させるための原料として、TMI(トリメチルインジウム)、TMGおよびPH3(ホスフィン)が用いられる。AlInP層を成長させるための原料として、TMA(トリメチルアルミニウム)、TMIおよびPH3が用いられる。
【0047】
また、それぞれn型のGaAs層、InGaP層およびAlInP層を形成するための不純物として、SiH4(モノシラン)が用いられる。一方、それぞれp型のGaAs層、InGaP層およびAlInP層を形成するための不純物としてDEZn(ジエチル亜鉛)が用いられる。
【0048】
さらに、AlGaAs層を成長させるための原料として、TMI、TMGおよびAsH3が用いられ、p型のAlGaAs層を形成するための不純物として、CBr44(四臭化炭素)が用いられる。
【0049】
このようにして、トップセルTおよびボトムセルBからなる化合物太陽電池におけるセル本体Cが形成される。
【0050】
次に、セル本体Cの表面(ボトムセルのp型GaAs層)上にAu−Zn膜(図示せず)が蒸着される。その後、窒素雰囲気において、温度約400℃のもとで約1分間の熱処理が施される。
【0051】
次に、GaAs基板1の裏面にレジスト(図示せず)が塗布され熱硬化される。次に、電界メッキ法によってAu−Zn膜の上に、膜厚約30μmのAuメッキ膜が形成される。
【0052】
このようにして、図2に示すように、セル本体CにAuメッキ膜による裏面電極9が形成される。その後、GaAs基板1の裏面に形成されたレジストが除去される。
【0053】
次に、仮の接着剤として、たとえばワックス11が裏面電極9上に塗布されて、ガラス板13と裏面電極9とが張り合わされる。次に、ガラス基板13に支持されたGaAs基板1を、たとえばアンモニア水のようなアルカリ溶液に浸漬することによってGaAs基板1が除去される。
【0054】
ここで、たとえば厚さ約350μmのGaAs基板1は、アルカリ溶液に約300分間浸漬することによって完全にエッチングされて除去されることになる。なお、エッチングは中間層としてのInGaP層3が露出した時点でストップされる。
【0055】
なお、このとき、ガラス基板13に支持されたGaAs基板1を、たとえばHCl等のような酸溶液に浸漬することによって中間層としてのInGaP層3にエッチングを施して、GaAs基板1を分離させてもよい。
【0056】
次に、酸溶液によるエッチングを施すことによって、露出した中間層としてのInGaP層3が除去されて、トップセルTのn型のGaAs層T1が露出する。このようにして、図3に示すように、セル本体C(特に、トップセルT)の表面が露出することになる。
【0057】
次に、フォトリソグラフィー法によって、露出したセル本体C(トップセル)の表面に、表面電極を形成するための所定のレジストパターン(図示せず)が形成される。
【0058】
次に、レジストパターンが形成されたセル本体Cが、ガラス基板13とともに真空蒸着装置(図示せず)内に導入される。抵抗加熱法により、レジストパターンを覆うように膜厚約100nmのAu(12重量%のGeを含有)膜(図示せず)が形成される。
【0059】
その後、EB(Electron Beam)蒸着法により、膜厚約20nmのNi層と膜厚約5000nmのAu層(いずれも図示せず)が連続して形成される。
【0060】
次に、リフトオフ法によって、レジストパターンおよびレジストパターン上に形成されたAu膜等が除去される。このようにして、図4に示すように、表面電極15が形成される。
【0061】
次に、その表面電極15をマスクとしてアルカリ水溶液によるエッチングを施すことにより、露出しているGaAs層が除去されてAlInP層が露出する(図6参照)。
【0062】
次に、表面電極15を覆うように、メサエッチングのための所定のレジストパターン(図示せず)が形成される。そのレジストパターンをマスクとして、アルカリ水溶液および酸溶液によるエッチングを施すことにより、裏面電極9をなすAuメッキ膜が露出する。
【0063】
次に、EB蒸着法により、太陽光入射する側の面(表面)に反射防止膜として、膜厚約55nmのTiO2膜および膜厚約100nmのMgF2膜(いずれも図示せず)が連続的に形成される。次に、たとえばトルエンによりワックス11を除去することにより、図5に示すように、ガラス基板13が裏面電極9から分離される。
【0064】
その後、露出したライン状のAuメッキ膜に沿ってAuメッキ膜を切断することにより、たとえば大きさ10mm×10mmの化合物太陽電池が12枚作製される。
【0065】
このようにして製造された化合物太陽電池の断面構造を図6に示す。図6に示すように、エピタキシャル成長させるための所定の基板上にボトムセルが形成されている従来の化合物太陽電池の構造(たとえば、図26または図27参照)と比較すると、上述した化合物太陽電池では、セル本体CのボトムセルBに裏面電極9が直接形成されている。一方、セル本体CのトップセルTの表面に表面電極15が形成されている。
【0066】
セル本体Cは、GaAs(III−V族化合物)によるpn接合を有するボトムセルBおよびInGaP(III−III−V族化合物)によるpn接合を有するトップセルAを備えている。
【0067】
そのセル本体Cの厚さL1は約4μmであり、裏面電極9の厚さL2は約30μmである。これにより、セル本体Cおよび裏面電極は9は可撓性を有することになり、たとえば図7に示すように、化合物太陽電池10を自在に撓めることができる。
【0068】
上述した化合物太陽電池では、エピタキシャル成長のためのGaAs基板1の上にトップセルTとなる各層がエピタキシャル成長法によって順次形成され、そのトップセルTの上にボトムセルBとなる各層が順次形成される。
【0069】
そして、GaAs基板1がセル本体Cから分離されて、ボトムセルBに裏面電極9が直接形成され、セル本体Cが裏面電極9によって支持される。裏面電極9がボトムセルBの表面に直接形成されることで、太陽光線が入射した際の光閉じ込め効果を向上することができる。
【0070】
すなわち、図8に示すように、上述した化合物太陽電池では、セル本体Cを透過する際にセル本体Cによって吸収されなかった太陽光線の成分が、裏面電極9によって反射されることになる。これにより、セル本体Cへの光閉じ込め効果が向上して、裏面電極9によって反射された太陽光線の成分が発電に寄与することになる。その結果、太陽電池セルの変換効率を向上することができる。
【0071】
これに対して、従来の化合物太陽電池では、図9に示すように、セル本体CCのボトムセルの側にはエピタキシャル成長のための基板101が位置している。そのため、セル本体CCを透過する際にセル本体CCによって吸収されなかった太陽光線の成分は基板101に吸収されてしまい、発電に寄与することができない。
【0072】
次に、上述した太陽電池セルについて、ソーラシミュレータによる評価を行なった。このことについて説明する。なお、ソーラシミュレータとは、太陽電池の特性試験、信頼性試験を屋内で行なうために使用される照射光源をいい、試験目的に応じて要求される放射照度、均一性およびスペクトル合致度が満足される。
【0073】
まず、照射光源としてエアマス(AM)1.5Gの基準太陽光線を用いた。そして、照射時の電流電圧特性を測定した。電流電圧特性に基づいて短絡電流、解放電圧、曲線因子および変換効率を求めた。
【0074】
ここで、エアマスとは標準状態の大気(標準気圧1013hPa)に太陽光が垂直に入射した場合の路程に対する、地球に入射する直達太陽光が通過する路程の比をいう。
【0075】
短絡電流とは、太陽電池セル(モジュール)の出力端子を短絡させたときの両出力端子間に流れる電流をいう。解放電圧とは、太陽電池セル(モジュール)の出力端子を解放したときの両出力端子間の電圧をいう。
【0076】
曲線因子とは、最大出力を解放電圧と短絡電流の積で除した値をいう。変換効率とは、最大出力を太陽電池セル(モジュール)の面積と放射照度の積で除した値(%)をいう。
【0077】
図10に、測定された電流電圧特性(I−Vカーブ)を示す。また、この場合の短絡電流は10.1mA、解放電圧は2.39V、曲線因子は0.85、変換効率は20.5%であった。
【0078】
これらの結果により、上述した化合物太陽電池では、GaAs基板上に形成されたInGaAsとGaAsとの2つのpn接合を有する従来の2接合型の化合物太陽電池と比べて、同レベルかそれよりも良好な結果が得られることが判明した。
【0079】
実施の形態2
ここでは、裏面電極による光閉じ込め効果を確認するために、前述したセル本体の構造とは異なる構造を有する化合物太陽電池を例に挙げて、これについて行なった評価について説明する。
【0080】
まず、図11に示すように、本実施の形態に係る化合物太陽電池では、裏面電極9の表面にセル本体Cが直接形成されている。そのセル本体Cでは、裏面電極9上にp型のInGaP層21が形成されている。そのInGaP層21上にp型のGaAs層22が形成されている。
【0081】
そのGaAs層22上にn型のGaAs層23が形成されている。そのGaAs層23上にn型のInGaP層24が形成されている。そして、InGaP層24上における所定の位置に、n型のGaAs層25によるコンタクトを介して表面電極15が形成されている。
【0082】
この化合物太陽電池は、前述した化合物太陽電池と同様の方法によって形成される。すなわち、まず、所定の基板(図示せず)上にn型のGaAs層25からp型のInGaP層21までの各層が順次形成される。次に、ボトムセルの側に裏面電極9が形成されて、基板が分離される。
【0083】
一方、図12に示すように、比較となる化合物太陽電池では、p型のGaAs基板101の表面にp型のInGaP層121が形成されている。そのInGaP層121上にp型のGaAs層122が形成されている。
【0084】
そのGaAs層122上にn型のGaAs層123が形成されている。そのGaAs層123上にn型のInGaP層124が形成されている。そして、InGaP層124上における所定の位置に、n型のGaAs層125によるコンタクトを介して表面電極115が形成されている。
【0085】
比較となる化合物太陽電池は、p型のGaAs基板101上にエピタキシャル成長法によって各層を順次成長させることによって形成される。
【0086】
上述した化合物太陽電池と比較となる化合物太陽電池について、前述したソーラシミュレータによる評価を行なったところ、本実施の形態に係る化合物太陽電池では、短絡電流は19mA、解放電圧は1.03V、曲線因子は0.84、そして、変換効率は16.4%であることがわかった。
【0087】
一方、比較となる化合物太陽電池では、短絡電流は15mA、解放電圧は1.03V、曲線因子は0.84、そして、変換効率は13.0%となった。
【0088】
このように、本実施の形態に係る化合物太陽電池では、比較となる化合物太陽電池と比べると、特に、変換効率が上昇しており、裏面電極9による光閉じ込め効果を向上できることが判明した。
【0089】
実施の形態3
本発明の実施の形態3に係る化合物太陽電池について説明する。ここでは、化合物太陽電池のセル本体として、ボトムセル、ミドルセルおよびトップセルを有する3接合型の化合物太陽電池の一例を挙げる。
【0090】
はじめに製造方法について説明する。まず、基板として、GaAs基板(1×1018cm−3、Siドープ、直径50mm)を用意する。そのGaAs基板は縦型MOCVD装置に投入される。
【0091】
次に、図13に示すように、GaAs基板1の表面に、エピタキシャル成長法によって膜厚約0.5μmの中間層となるn型のAlAs層4が形成される。
【0092】
次に、そのAlAs層4上にエピタキシャル成長法によってトップセルTとなる各層が形成される。具体的には、n型のGaAs層T1、n型のAlInP層T2、n型のInGaP層T3、p型のInGaP層T4およびp型のAlInP層T5が順次形成される。
【0093】
次に、AlInP層T5上にトンネル接合として、エピタキシャル成長法によってp型のAlGaAs層5およびn型のInGaP層7が順次形成される。
【0094】
次に、n型InGaP層7上にエピタキシャル成長法によってミドルセルMとなる各層が形成される。具体的には、n型のAlInP層M1、n型のGaAs層M2、p型のGaAs層M3、p型のInGaP層M4が順次形成される。
【0095】
次に、p型のInGaP層M4上に、トンネル接合としてエピタキシャル成長法によってp型のGaAs層6およびn型のGaAs層8が順次形成される。
【0096】
次に、n型のGaAs層8上に、エピタキシャル成長法によってボトムセルBとなる各層が形成される。具体的には、n型のInP層B6、n型のInGaAs層B7、p型のInGaAs層B8、p型のInP層B9およびp型のGaAs層B10が順次形成される。
【0097】
なお、エピタキシャル成長の条件として、温度は約700℃とされる。GaAs層を成長させるための原料として、TMG(トリメチルガリウム)とAsH3(アルシン)が用いられる。
【0098】
InGaP層を成長させるための原料として、TMI(トリメチルインジウム)、TMGおよびPH3(ホスフィン)が用いられる。AlInP層を成長させるための原料として、TMA(トリメチルアルミニウム)、TMIおよびPH3が用いられる。
【0099】
また、それぞれn型のGaAs層、InGaP層およびAlInP層を形成するための不純物として、SiH4(モノシラン)が用いられる。一方、それぞれp型のGaAs層、InGaP層およびAlInP層を形成するための不純物としてDEZn(ジエチル亜鉛)が用いられる。
【0100】
さらに、AlGaAs層を成長させるための原料として、TMI、TMGおよびAsH3が用いられ、p型のAlGaAs層を形成するための不純物として、CBr4(四臭化炭素)が用いられる。
【0101】
なお、InGaAs層におけるInの組成比は0.25であり、InGaAs層にはミスフィット転位の存在を示すクロスハッチパターンのモフォロジーが観察された。
【0102】
このようにして、トップセルT、ミドルセルMおよびボトムセルBからなる3接合型の化合物太陽電池におけるセル本体Cが形成される。
【0103】
次に、セル本体Cの表面(ボトムセルのp型GaAs層)上に、裏面電極を形成するための所定のレジストパターン(図示せず)が形成される。そのレジストパターンを覆うように、Au−Zn膜(図示せず)が蒸着される。
【0104】
次に、リフトオフ法によってレジストパターンおよびレジストパターン上に位置するAu−Zn膜が除去される。その後、窒素雰囲気において、温度約400℃のもとで約1分間の熱処理が施される。
【0105】
次に、Au−Zn膜が形成されている領域を除いて所定のレジストパターン(図示せず)が形成される。さらに、GaAs基板1におけるセル本体Cが形成されていない側の表面にレジスト(図示せず)が塗布される。
【0106】
次に、電界メッキ法によってAu−Zn膜の上に厚さ約30μmのAuメッキ膜(図示せず)が形成される。その後、リフトオフ法によってレジストパターンおよびレジストパターン上に位置するAuメッキ膜が除去される。これにより、図14に示すように、セル本体にAuメッキ膜による裏面電極9が形成される。
【0107】
次に、図15に示すように、裏面電極9が形成されている領域では裏面電極9を覆い、裏面電極9が形成されていない領域ではセル本体Cの表面を露出するように、所定のレジストパターン17が形成される。
【0108】
そのレジストパターン17をマスクとして、アルカリ溶液および酸溶液にエッチングを施すことにより、露出したセル本体Cの部分が除去されて中間層のAlAs層3が露出する。その後、レジストパターン17が除去される。
【0109】
次に、裏面電極9の表面にワックス11を介在させて、裏面電極9の側にメッシュ状の薬品耐性を有する樹脂板19が貼り付けられる(図16参照)。樹脂版19が裏面電極9の側に貼り付けられた状態で、セル本体Cおよび裏面電極9がフッ化水素酸溶液に浸漬される。
【0110】
フッ化水素酸溶液に浸漬されることでAlAs層4が除去されて、図16に示すように、セル本体CとGaAs基板1とが分離される。このようにしてGaAs基板1が分離されて、セル本体CにおけるトップセルTのn型のGaAs層が露出する。
【0111】
次に、露出したGaAs層の表面に、表面電極を形成するための所定のレジストパターン(図示せず)が形成される。次に、レジストパターンが形成されたセル本体Cが樹脂板19とともに真空蒸着装置(図示せず)内に導入される。
【0112】
抵抗加熱法により、レジストパターンを覆うように膜厚約100nmのAu(12重量%のGeを含有)膜が形成される。その後、EB蒸着法により、膜厚約20nmのNi層と膜厚約5000nmのAu層(いずれも図示せず)が連続して形成される。
【0113】
その後、リフトオフ法によって、レジストパターンおよびレジストパターン上に形成されたAu膜等が除去される。このようにして、図17に示すように、表面電極15が形成される。
【0114】
次に、その表面電極15をマスクとしてアルカリ水溶液によるエッチングを施すことにより、露出しているGaAs層が除去されてAlInP層が露出する(図18参照)。
【0115】
次に、EB蒸着法により、太陽光入射する側の面(表面)に反射防止膜として、膜厚約55nmのTiO2膜および膜厚約100nmのMgF2膜(いずれも図示せず)が連続的に形成される。次に、たとえばトルエンによりワックス11を除去することにより、図18に示すように、樹脂板19が裏面電極9から分離される。
【0116】
その後、露出したライン状のAuメッキ膜に沿ってAuメッキ膜を切断することにより、たとえば大きさ10mm×10mmの化合物太陽電池が12枚作製される。
【0117】
このようにして製造された化合物太陽電池の断面構造を図18に示す。図18に示すように、エピタキシャル成長させるための所定の基板上にボトムセルが形成されている従来の化合物太陽電池の構造(たとえば、図26または図27参照)と比較すると、上述した化合物太陽電池では、セル本体CのボトムセルBに裏面電極9が直接形成されている。
【0118】
一方、セル本体CのトップセルTの表面に表面電極15が形成されている。トップセルTとボトムセルBとの間にミドルセルMが形成されている。
【0119】
セル本体Cは、InGaAs(III−III−V族化合物)によるpn接合を有するボトムセル、GaAs(III−V族化合物)によるpn接合を有するミドルセルMおよびInGaP(III−III−V族化合物)によるpn接合を有するトップセルAを備えている。
【0120】
そのセル本体Cの厚さL1は約6μmであり、裏面電極9の厚さL2は約30μmである。これにより、前述した化合物太陽電池と同様に、セル本体Cおよび裏面電極は9は可撓性を有することになり、化合物太陽電池を自在に撓めることができる。
【0121】
上述した太陽電池セルでは、エピタキシャル成長のためのGaAs基板1の上に、まず、禁制帯幅約1.7〜2.1eVを有するトップセルTとなる各層がエピタキシャル成長法によって順次形成される。
【0122】
次に、そのトップセルTの上に、禁制帯幅約1.3〜1.6eVを有するミドルセルMとなる各層が順次形成される。さらに、そのミドルセルMの上に、禁制帯幅約0.9〜1.1eVを有するボトムセルBとなる各層が順次形成される。
【0123】
このように、上述した化合物太陽電池では、トップセルTをなす各層が先に形成されて、ボトムセルBをなす層が最後に形成される。
【0124】
これにより、ボトムセルBとして従来の材料(〜0.7eV)に比べて高い禁制帯幅(約0.9〜1.1eV)を有する材料を用いても、ボトムセルBの質がミドルセルMおよびトップセルTに及ぶことはなく、化合物太陽電池としての変換効率を向上することができる。このことについて、さらに詳しく説明する。
【0125】
従来の化合物太陽電池の製造方法では、エピタキシャル成長させるためのGe基板(またはGaAs基板)の上にボトムセルをなす各層が先に形成され、最後にトップセルをなす各層が形成される。
【0126】
このとき、すでに説明したように、ボトムセルをなす材料として比較的高い禁制帯幅(約0.9〜1.1eV)を有するInGaAsを適用した場合には、Ge基板(GaAs基板)の格子定数とInGaAsの格子定数とが異なるために、InGaAs層にミスフィット転位が生じることになる。
【0127】
また、ボトムセルとしてInGaAsNを適用した場合には、N原子に起因する欠陥がInGaAsNに生じることになる。
【0128】
そして、ボトムセルにミスフィット転位や欠陥が発生するために、ボトムセルの上にエピタキシャル成長されるミドルセルをなすGaAs層、さらにはトップセルをなすInGaP層にまでその影響が及ぶことになる。
【0129】
そのため、ミドルセルおよびトップセルの質も劣化してしまい、化合物太陽電池として電気エネルギへの変換効率の向上が阻害されていた。
【0130】
これに対して、上述した化合物太陽電池では、GaAs基板1の表面にトップセルTをなす各層とミドルセルMをなす各層が順次形成され、最後にボトムセルBをなす層が形成される。
【0131】
このとき、ボトムセルBをなすInGaAsの格子定数は、ミドルセルMをなすGaAsの格子定数と異なる。そのため、ミドルセルMの上に形成されるボトムセルBの質は従来の化合物太陽電池の場合の質と同レベルである。
【0132】
一方、トップセルTをなすInGaPおよびミドルセルMをなすGaAsのそれぞれの格子定数は、エピタキシャル成長させるためのGaAs基板1の格子定数と同じである。そのため、GaAs基板1上に順次エピタキシャル成長されるInGaP層およびGaAs層に転位や欠陥等が発生することはない。
【0133】
すなわち、上述した化合物太陽電池では、たとえボトムセルBの質が従来の化合物太陽電池におけるボトムセルの質と同レベルであっても、トップセルTおよびミドルセルMが先に形成されていることで、ボトムセルBの質の低下がミドルセルMおよびトップセルTに及ぶことは全くない。
【0134】
その結果、InGaAs等のボトムセルBとして比較的高い禁制帯幅を有する材料を適用しても、ミドルセルMおよびトップセルTの質が劣化することはなく、化合物太陽電池としての変換効率の向上を図ることができる。
【0135】
次に、上述した化合物太陽電池について、前述したソーラシミュレータによる評価について説明する。まず、図19に、測定された電流電圧特性(I−Vカーブ)を示す。また、この場合の短絡電流は10.2mA、解放電圧は2.49V、曲線因子は0.85、そして、変換効率は21.6%であった。
【0136】
これらの結果により、上述した化合物太陽電池では、GaAs基板上に形成されたInGaAsとGaAsとの2つのpn接合を有する従来の2接合型の化合物太陽電池と比べて、解放電圧が上昇して高い変換効率が得られることが判明した。
【0137】
実施の形態4
本発明の実施の形態4に係る化合物太陽電池について説明する。ここでは、化合物太陽電池のセル本体としてボトムセル、ミドルセルおよびトップセルを有する3接合型の化合物太陽電池の他の例を挙げる。
【0138】
はじめに製造方法について説明する。まず、実施の形態1等において説明した方法と同様の方法によって、図20に示すように、GaAs基板1の表面上に、トップセルTをなす各層およびミドルセルMをなす各層が順次形成される。
【0139】
次に、そのミドルセルMのInGaP層M4上に、トンネル接合としてp型のGaAs層6およびn型のGaAs層8が順次形成される。次に、そのGaAs層8上にボトムセルBとなる各層が形成される。
【0140】
具体的には、ITO(Indium Tin Oxide)膜10、CdS膜B11およびCuInSe2膜B12が順次形成される。ITO膜12は、たとえばスパッタ法によって形成される。CdS膜B11は、たとえば蒸着法によって形成される。CuInSe2膜は、たとえば蒸着法によって形成される。
【0141】
このようにして、トップセルT、ミドルセルMおよびボトムセルBからなる3接合型の化合物太陽電池におけるセル本体Cが形成される。
【0142】
次に、セル本体Cの表面(ボトムセルのp型CuInSe2膜)上に、裏面電極を形成するための所定のレジストパターン(図示せず)が形成される。そのレジストパターンを覆うように、Mo膜(図示せず)が蒸着される。
【0143】
次に、リフトオフ法によってレジストパターンおよびレジストパターン上に位置するMo膜が除去される。その後、窒素雰囲気において、温度約400℃のもとで約1分間の熱処理が施される。
【0144】
次に、Mo膜が形成されている領域を除いて所定のレジストパターン(図示せず)が形成される。さらに、GaAs基板1におけるセル本体Cが形成されていない側の表面にレジスト(図示せず)が塗布される。
【0145】
次に、電界メッキ法によってMo膜の上に厚さ約30μmのAuメッキ膜(図示せず)が形成される。その後、リフトオフ法によってレジストパターンおよびレジストパターン上に位置するAuメッキ膜が除去される。これにより、図21に示すように、セル本体にAuメッキ膜による裏面電極9が形成される。
【0146】
次に、図22に示すように、裏面電極9が形成されている領域では裏面電極9を覆い、裏面電極9が形成されていない領域ではセル本体Cの表面を露出するように、所定のレジストパターン17が形成される。
【0147】
そのレジストパターン17をマスクとして、所定のエッチングを施すことにより、露出したセル本体Cの部分が除去されて中間層のAlAs層3が露出する。その後、レジストパターン17が除去される。
【0148】
次に、図23に示すように、裏面電極9の表面にワックス11を介在させて、裏面電極9の側にメッシュ状の薬品耐性を有する樹脂板19が貼り付けられる。樹脂板19が裏面電極9の側に貼り付けられた状態で、セル本体Cおよび裏面電極9がフッ化水素酸溶液に浸漬される。
【0149】
フッ化水素酸溶液に浸漬されることでAlAs層3が除去されて、セル本体CとGaAs基板1とが分離される。このようにしてGaAs基板1が分離されることで、セル本体Cにおけるトップセルのn型のGaAs層が露出する。
【0150】
次に、露出したGaAs層の表面に、表面電極を形成するための所定のレジストパターン(図示せず)が形成される。次に、レジストパターンが形成されたセル本体Cが樹脂板19とともに真空蒸着装置(図示せず)内に導入される。
【0151】
抵抗加熱法により、レジストパターンを覆うように膜厚約100nmのAu(12重量%のGeを含有)膜が形成される。その後、EB蒸着法により、膜厚約20nmのNi層と膜厚約5000nmのAu層(いずれも図示せず)が連続して形成される。
【0152】
その後、リフトオフ法によって、レジストパターンおよびレジストパターン上に形成されたAu膜等が除去される。このようにして、図24に示すように、表面電極15が形成される。
【0153】
次に、その表面電極15をマスクとしてアルカリ水溶液によるエッチングを施すことにより、露出しているGaAs層が除去されてAlInP層が露出する(図25参照)。
【0154】
次に、EB蒸着法により、太陽光入射する側の面(表面)に反射防止膜として、膜厚約55nmのTiO2膜および膜厚約100nmのMgF2膜(いずれも図示せず)が連続的に形成される。次に、たとえばトルエンによりワックス11を除去することにより、図25に示すように、樹脂板19が裏面電極から分離される。
【0155】
その後、露出したライン状のAuメッキ膜に沿ってAuメッキ膜を切断することにより、所定の大きさの太陽電池セルが複数枚作製される。
【0156】
このようにして製造された化合物太陽電池の断面構造を図25に示す。図25に示すように、エピタキシャル成長させるための所定の基板上にボトムセルが形成されている従来の化合物太陽電池の構造(たとえば、図26または図27参照)と比較すると、上述した化合物太陽電池では、セル本体CのボトムセルBに裏面電極9が直接形成されている。
【0157】
一方、セル本体CのトップセルTの表面に表面電極15が形成されている。トップセルTとボトムセルBとの間にミドルセルMが形成されている。セル本体Cとして、ボトムセルB、ミドルセルMおよびトップセルTを有する3接合型の化合物太陽電池となる。
【0158】
特に、ボトムセルBは、エピタキシャル成長により形成されるトップセルTおよびミドルセルMとは異なり、蒸着によって形成されるCdS膜B11およびCuInSe2膜B12を有する。
【0159】
したがって、セル本体Cは、CuInSe2(I−III−VI族化合物)とCdS(II−VI族化合物)によるpn接合を有するボトムセル、GaAs(III−V族化合物)によるpn接合を有するミドルセルMおよびInGaP(III−III−V族化合物)によるpn接合を有するトップセルTを備えている。
【0160】
上述した太陽電池セルでは、エピタキシャル成長のためのGaAs基板1の上に、まず、禁制帯幅約1.7〜2.1eVを有するトップセルTとなる各層がエピタキシャル成長法によって順次形成される。
【0161】
次に、そのトップセルTの上に、禁制帯幅約1.3〜1.6eVを有するミドルセルMとなる各層が順次形成される。そして、そのミドルセルMの上に、禁制帯幅約0.9〜1.1eVを有するボトムセルBとなる各層が、エピタキシャル成長法以外のスパッタ法および蒸着法によって順次形成される。
【0162】
このように、上述した化合物太陽電池では、トップセルTをなす各層が先に形成されて、ボトムセルBをなす層が最後に形成されることで、ボトムセルBとして従来の材料(〜0.7eV)に比べて高い禁制帯幅(約0.9〜1.1eV)を有する材料を用いても、ボトムセルBの質がミドルセルMおよびトップセルTに及ぶことはなく、化合物太陽電池としての変換効率を向上することができる。
【0163】
しかも、ボトムセルBの質がトップセルTおよびミドルセルMの質に影響を与えないため、そのボトムセルBをなす各層をエピタキシャル成長法以外の方法によって形成することができる。
【0164】
これにより、比較的高い禁制帯幅(0.9〜1.1eV)を有するボトムセルをなす層の材料として、単結晶以外の、たとえば上述した多結晶のCuInSe2膜B12を適用することができるように、ボトムセルBをなす各層の材料およびその形成方法の選択肢が広がることになる。
【0165】
なお、上述した各実施の形態における化合物太陽電池では、裏面電極9として主に厚さ約30μmのAuメッキ膜による裏面電極を例に挙げて説明した。裏面電極9の厚さとしてはセル本体Cを支持する厚さを有しておれば、この厚さに限られるものではない。
【0166】
したがって、裏面電極9が撓むことの可能な厚さに設定されていてもよい。あるいは、裏面電極9の材料によっては撓むことの可能な厚さに設定されていてもよい。
【0167】
この場合には、裏面電極9にセル本体Cが形成された化合物太陽電池を自在に撓めることができて、形状の自由度が向上する。
【0168】
また、裏面電極9の形成方法としては、上述したメッキによる方法の他に、たとえば印刷、あるいはスプレー等によって形成することができる。また、金属の代わりに導電性の高分子フィルムも適用することができる。
【0169】
裏面電極の形態として上述したケースを想定すると、裏面電極9の厚さとしては、約2〜500μm程度が好ましい。
【0170】
また、上述した各化合物太陽電池では、エピタキシャル成長させるための基板が最終的に除去されていることで、セル本体とヒートシンクとの間の熱伝導性が向上する。その結果、化合物太陽電池におけるセル本体の温度上昇を抑制することができる。
【0171】
また、取り外されたエピタキシャル成長させるための基板を再利用することができて、コストの削減も図ることができる。
【0172】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は上記の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0173】
【発明の効果】
本発明の一つの局面における化合物太陽電池によれば、セル本体において太陽光線が入射する側とは反対側の面に第1電極部が直接形成されている。これにより、セル本体において太陽光線が入射する側とは反対側の面にエピタキシャル成長のための所定の基板が配設されている従来の構造と比べると、セル本体に入射しセル本体によって吸収されなかった太陽光線の成分が第1電極部によって反射されることになる。その結果、光閉じ込め効果が向上し、化合物太陽電池の変換効率を高めることができる。
【0174】
また、セル本体および第1電極部は可撓性であるか、第1電極部は撓むことのできる厚さを有することが好ましく、これにより、化合物太陽電池の形状の自由度が向上する。
【0175】
セル本体の構造としてより具体的には、セル本体は、禁制帯幅が互いに異なる化合物による複数のpn接合層を含み、複数のpn接合層のそれぞれは、第1電極部の側から太陽光線が入射する側に向かって禁制帯幅が高くなるように配設されていることが好ましい。
【0176】
さらに具体的には、複数のpn接合層は、第1電極部の上に形成され、第1禁制帯幅を有するIII−V族化合物による第1pn接合層と、第1pn接合層の上に形成され、第1禁制帯幅よりも高い第2禁制帯幅を有するIII−III−V族化合物による第2pn接合層とを含むことが好ましい。
【0177】
あるいは、複数のpn接合層は、第1電極部の上に形成され、第1禁制帯幅を有するIII−III−V族化合物による第1pn接合層と、第1pn接合層の上に形成され、第1禁制帯幅よりも高い第2禁制帯幅を有するIII−V族化合物による第2pn接合層と、第2pn接合層の上に形成され、第2禁制帯幅よりも高い第3禁制帯幅を有するIII−III−V族化合物による第3pn接合層を含むことが好ましい。
【0178】
あるいは、複数のpn接合層は、第1電極部の上に形成され、第1禁制帯幅を有するI−III−VI族化合物を含む第1pn接合層と、第1pn接合層の上に形成され、第1禁制帯幅よりも高い第2禁制帯幅を有するIII−III−V族化合物による第2pn接合層と、第2pn接合層の上に形成され、第2禁制帯幅よりも高い第3禁制帯幅を有するIII−III−V族化合物による第3pn接合層を含むことが好ましい。
【0179】
本発明の他の局面における化合物太陽電池の製造方法によれば、完成した状態で太陽光が入射する側に位置することになる第1セルとなる層が半導体基板上に先に形成され、太陽光線が入射する側とは反対側に位置することになる第2セルとなる層が後に形成される。これにより、第2セルとなる層の第2禁制帯幅として比較的高い禁制帯幅を有する材料を用いても、第2セルとなる層の質が第1セルとなる層に及ぶことはない。また、第2セルとなる層に直接第1電極部が形成されることで、第1セルとなる層および第2セルとなる層によって吸収されなかった太陽光の成分が第1電極部によって反射されることになる。これにより、光閉じ込め効果が向上する。これらの結果、化合物太陽電池としての変換効率を向上することができる。
【0180】
また、第1セルとなる層を形成する工程と第2セルとなる層を形成する工程の間に、第1禁制帯幅よりも低く第2禁制帯幅よりも高い第3禁制帯幅を有する第3セルとなる層を形成する工程を備えていることが好ましく、これにより、各セルとなる層においてそれぞれの禁制帯幅に応じた所定の波長の太陽光線の成分が吸収されて、変換効率をより向上することができる。
【0181】
また、半導体基板を分離させるために、具体的には、第1セルとなる層と前記半導体基板との間にエピタキシャル成長により所定の中間層を形成する工程を備え、第1セルとなる層と半導体基板とを分離する工程は、半導体基板をエッチングにより除去し、さらに中間層を除去する工程を含むことが好ましい。
【0182】
あるいは、第1セルとなる層と半導体基板との間にエピタキシャル成長により所定の中間層を形成する工程を備え、第1セルとなる層と半導体基板とを分離する工程は、中間層をエッチングにより除去して半導体基板を取り外す工程を含むことが好ましく、この場合には、半導体基板の再利用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る化合物太陽電池の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図2】同実施の形態において、図1に示す工程の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図3】同実施の形態において、図2に示す工程の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図4】同実施の形態において、図3に示す工程の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図5】同実施の形態において、図4に示す工程の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図6】同実施の形態において、図5に示す工程の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図7】同実施の形態において、完成した化合物太陽電池の外観を示す斜視図である。
【図8】同実施の形態において、化合物太陽電池の効果を説明するための部分断面図である。
【図9】同実施の形態において、化合物太陽電池の効果を説明するための比較となる化合物太陽電池の作用を示す部分断面図である。
【図10】同実施の形態において、ソーラシミュレータによる化合物太陽電池の電流電圧特性を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係る化合物太陽電池を示す断面図である。
【図12】同実施の形態において、化合物太陽電池の効果を説明するための比較となる化合物太陽電池を示す断面図である。
【図13】本発明の実施の形態3に係る化合物太陽電池の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図14】同実施の形態において、図13に示す工程の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図15】同実施の形態において、図14に示す工程の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図16】同実施の形態において、図15に示す工程の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図17】同実施の形態において、図16に示す工程の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図18】同実施の形態において、図17に示す工程の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図19】同実施の形態において、ソーラシミュレータによる化合物太陽電池の電流電圧特性を示す図である。
【図20】本発明の実施の形態4に係る化合物太陽電池の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図21】同実施の形態において、図20に示す工程の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図22】同実施の形態において、図21に示す工程の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図23】同実施の形態において、図22に示す工程の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図24】同実施の形態において、図23に示す工程の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図25】同実施の形態において、図24に示す工程の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図26】従来の化合物太陽電池を示す断面図である。
【図27】従来の他の化合物太陽電池を示す断面図である。
【符号の説明】
1 GaAs基板、3 InGaP層、4 AlAs層、5 AlGaAs層、6 GaAs層、7 InGaP層、8 GaAs層、9 裏面電極、10 太陽電池、11 ワックス、12 ITO膜、13 ガラス基板、15 表面電極、17 レジストパターン、19 樹脂板、T1 GaAs層、T2 AlInP層、T3 InGaP層、T4 InGaP層、T5 AlInP層、B1,M1 AlInP層、B2,M2 GaAs層、B3,M3 GaAs層、B4,M4 InGaP層、B5 GaAs層、B6 InP層、B7 InGaAs層、B8 InGaAs層、B9 InP層、B10 GaAs層、B11CdS膜、B12 CuInSe2膜、T トップセル、M ミドルセル、Bボトムセル、C セル本体。
Claims (11)
- 単結晶による少なくとも1つのpn接合層を有し、太陽光線が入射するセル本体と、
前記セル本体において、太陽光線が入射する側とは反対側の面に直接形成され、前記セル本体を支持する所定の厚さを有する第1電極部と、
前記セル本体において、太陽光線が入射する側の面に形成された第2電極部とを備えた、化合物太陽電池。 - 前記セル本体および前記第1電極部は可撓性である、請求項1記載の化合物太陽電池。
- 前記第1電極部は撓むことのできる厚さを有する、請求項1または2に記載の化合物太陽電池。
- 前記セル本体は、禁制帯幅が互いに異なる化合物による複数のpn接合層を含み、
複数の前記pn接合層のそれぞれは、前記第1電極部の側から太陽光線が入射する側に向かって禁制帯幅が高くなるように配設された、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物太陽電池。 - 複数の前記pn接合層は、
前記第1電極部の上に形成され、第1禁制帯幅を有するIII−V族化合物による第1pn接合層と、
前記第1pn接合層の上に形成され、前記第1禁制帯幅よりも高い第2禁制帯幅を有するIII−III−V族化合物による第2pn接合層と
を含む、請求項4記載の化合物太陽電池。 - 複数の前記pn接合層は、
前記第1電極部の上に形成され、第1禁制帯幅を有するIII−III−V族化合物による第1pn接合層と、
前記第1pn接合層の上に形成され、前記第1禁制帯幅よりも高い第2禁制帯幅を有するIII−V族化合物による第2pn接合層と、
前記第2pn接合層の上に形成され、前記第2禁制帯幅よりも高い第3禁制帯幅を有するIII−III−V族化合物による第3pn接合層を含む、請求項4記載の化合物太陽電池。 - 複数の前記pn接合層は、
前記第1電極部の上に形成され、第1禁制帯幅を有するI−III−VI族化合物を含む第1pn接合層と、
前記第1pn接合層の上に形成され、前記第1禁制帯幅よりも高い第2禁制帯幅を有するIII−III−V族化合物による第2pn接合層と、
前記第2pn接合層の上に形成され、前記第2禁制帯幅よりも高い第3禁制帯幅を有するIII−III−V族化合物による第3pn接合層を含む、請求項4記載の化合物太陽電池。 - 半導体基板の表面に、第1禁制帯幅を有する第1セルとなる層をエピタキシャル成長によって形成する工程と、
前記第1セルとなる層の上に、前記第1禁制帯幅よりも低い第2禁制帯幅を有する第2セルとなる層を形成する工程と、
前記第2セルとなる層の上に、前記第1セルとなる層および前記第2セルとなる層を支持する所定の厚さを有する第1電極部を直接形成する工程と、
前記第1電極部の表面に、前記第1電極部を支持する支持板を取り付ける工程と、
前記第1セルとなる層と前記半導体基板とを分離する工程と、
前記半導体基板と分離されて露出した前記第1セルとなる層の表面に第2電極部を形成する工程と
前記第2電極部が形成された後に前記支持板を取り外す工程と
を備えた、化合物太陽電池の製造方法。 - 前記第1セルとなる層を形成する工程と前記第2セルとなる層を形成する工程の間に、前記第1禁制帯幅よりも低く前記第2禁制帯幅よりも高い第3禁制帯幅を有する第3セルとなる層を形成する工程を備えた、請求項8記載の化合物太陽電池の製造方法。
- 前記第1セルとなる層と前記半導体基板との間にエピタキシャル成長により所定の中間層を形成する工程を備え、
前記第1セルとなる層と前記半導体基板とを分離する工程は、前記半導体基板をエッチングにより除去し、さらに前記中間層を除去する工程を含む、請求項8または9に記載の化合物太陽電池の製造方法。 - 前記第1セルとなる層と前記半導体基板との間にエピタキシャル成長により所定の中間層を形成する工程を備え、
前記第1セルとなる層と前記半導体基板とを分離する工程は、前記中間層をエッチングにより除去して、前記半導体基板を取り外す工程を含む、請求項8または9に記載の化合物太陽電池の製造方法。
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