JP2014103305A - 太陽電池素子およびその製造方法 - Google Patents

太陽電池素子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】太陽電池素子を高い歩留まりで製造することができる太陽電池素子の製造方法を提供する。
【解決手段】本太陽電池素子の製造方法は、下地基板上に、複数の化合物半導体層を積層させることにより、少なくとも1つのpn接合を含む素子形成用積層体を含む積層体を形成する工程S10と、素子形成用積層体の下地基板と反対側の主面の一部に第1電極を形成する工程S20と、素子形成用積層体の一部を除去することにより、素子形成用積層体を分離する工程S30と、第1電極と支持基板とを貼り合わせる工程S40と、素子形成用積層体と下地基板とを分離する工程S50と、素子形成用積層体の第1電極と反対側の主面に第2電極を形成する工程S60と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、高い変換効率を有する太陽電池素子を高い歩留まりで製造することができる太陽電池素子の製造方法およびその製造方法により得られる太陽電池素子に関する。
特開2004−327889号公報(特許文献1)は、変換効率の高い化合物太陽電池を製造する観点から、下地基板であるGaAs基板の表面にエピタキシャル成長法によってトップセルとなる各層を形成し、トップセルの上にボトムセルとなる各層を形成し、ボトムセルの上に裏面電極を形成し、裏面電極と支持基板であるガラス基板とを貼り合わせ、GaAs基板(下地基板)をエッチングにより除去し、トップセルの表面に表面電極を形成し、最後にガラス基板(支持基板)を分離することにより、太陽光の入射側から表面電極、トップセル、ボトムセルおよび裏面電極がこの順に配置された太陽電池の製造方法を開示する。
かかる製造方法によれば、下地基板上に化合物半導体層を従来の製造方法における太陽電池素子とは上下逆の構造で積層させ、化合物半導体層に直接裏面電極を形成し、裏面電極と支持基板とを貼り合わせ、下地基板を除去した後に、従来の製造方法における素子化工程を実施することで、良質な化合物半導体層を形成することが可能となり、また、裏面反射による光閉じ込め効果が向上し、太陽電池素子の発電効率を向上させることができる。
特開2004−327889号公報
しかしながら、特開2004−327889号公報(特許文献1)に開示する化合物太陽電池の製造方法においては、基板分離後の素子化工程において、加熱が必要である。接着剤の熱膨張係数が化合物半導体層や裏面電極に比べて非常に大きいため、上記の加熱により、熱応力が発生し化合物半導体層が割れてしまう。化合物半導体層は、非常に割れ易く、劈開する性質があるため、最初の割れ部分を起点として一定の方向に直線に割れが広がる。このため、ある1点で割れが発生してもその部分だけが割れるのではなく、割れが一定の方向に直線に広がるため、歩留まりが大きく低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記の問題点を解決して、太陽電池素子を高い歩留まりで製造することができる太陽電池素子の製造方法およびその製造方法により得られる太陽電池素子を提供することを目的とする。
本発明にかかる太陽電池素子の製造方法は、下地基板上に、複数の化合物半導体層を積層させることにより、少なくとも1つのpn接合を含む素子形成用積層体を含む積層体を形成する工程と、素子形成用積層体の下地基板と反対側の主面の一部に第1電極を形成する工程と、素子形成用積層体の一部を除去することにより、素子形成用積層体を分離する工程と、第1電極と支持基板とを貼り合わせる工程と、素子形成用積層体と下地基板とを分離する工程と、素子形成用積層体の第1電極と反対側の主面に第2電極を形成する工程と、を含む。本発明にかかる太陽電池の製造方法は、上記の工程を含むことにより、高い変換効率を有する太陽電池素子を高い歩留まりで製造することができる。特に、太陽電池の製造工程において、第1電極と支持基板とを貼り合わせる工程の前に、上記の素子形成用積層体を分離する工程を含むことにより、その後の工程(たとえば、貼り合わせ工程、素子化工程など)において、素子形成用積層体における割れの発生および広がりを抑制して、太陽電池素子の歩留まりを高めることができる。また、素子形成用積層体に形成された第1電極と支持基板とを貼り合わせることにより、貼り合わせの際の応力は第1電極を介在して間接的に素子形成用積層体にかかるため、素子形成用積層体における割れの発生を抑制することができる。
本発明にかかる太陽電池素子の製造方法において、素子形成用積層体を分離する工程において、分離された素子形成用積層体の主面の径または一辺の長さを10mm以下とすることができる。分離された素子形成用積層体の主面の径または一辺の長さを10mm以下とすることにより、後の工程(たとえば、貼り合わせ工程、素子化工程など)において、素子形成用積層体における割れの発生および広がりをより抑制して、太陽電池素子の歩留まりをさらに高めることができる。
本発明にかかる太陽電池素子の製造方法において、素子形成用積層体を分離する工程の後、素子形成用積層体の除去された部分に絶縁性材料を充填する工程を、さらに含むことができる。かかる工程をさらに含むことにより、分離された素子形成用積層体を後の工程において保護するとともに分離された素子形成用積層体間の絶縁性を確保することができるため、太陽電池素子の歩留まりをさらに高めることができる。
本発明にかかる太陽電池素子の製造方法において、素子形成用積層体を分離する工程の後、素子形成用積層体の除去された部分および第1電極が形成されていない部分に絶縁性材料を充填する工程、をさらに含むことができる。かかる工程をさらに含むことにより、分離された素子形成用積層体および分離して形成された第1電極を後の工程において保護するとともに分離された素子形成用積層体間および分離して形成された第1電極間の絶縁性を確保することができるため、太陽電池素子の歩留まりをさらに高めることができる。
本発明にかかる太陽電池素子の製造方法において、素子形成用積層体を分離する工程の後、素子形成用積層体の除去された部分および第1電極の一部を覆うように絶縁性材料を形成する工程と、絶縁性材料上に第1電極と接触するように第3電極を形成する工程と、をさらに含むことができる。かかる工程をさらに含むことにより、分離された素子形成用積層体および分離して形成された第1電極を後の工程において保護し、分離された素子形成用積層体間および分離して形成された第1電極間の絶縁性を確保するとともに、第1電極と第3電極との電気的接続を確保することができるため、太陽電池素子の歩留まりをさらに高めることができる。
本発明にかかる太陽電池素子の製造方法においては、第1電極と支持基板を貼り合せる工程において、支持基板を導電性材料とすることができる。支持基板を導電性材料とすることにより、支持基板を剥離せずそのまま太陽電池素子の一部として用いることができるため、剥離・洗浄工程が不要となり製造の煩雑性が低減され、かつ、剥離・洗浄工程での歩留まり低下を防ぐことができる。また、剥離後の太陽電池素子は極めて薄く外力に弱いため、取り扱いが難しく、このことが歩留まりを低下させる一因であった。支持基板を剥離せずそのまま太陽電池素子の一部として用いることで、後工程および実装工程での取り扱い(ハンドリング)を容易にすることができるため、太陽電池素子および太陽電池モジュールの歩留まりを高めることができる。
本発明にかかる太陽電池素子は、上記の製造方法により得られる。上記の製造方法により高い歩留まりで太陽電池素子が得られる。
本発明によれば、太陽電池素子を高い歩留まりで製造することができる太陽電池素子の製造方法およびその製造方法により得られる太陽電池素子を提供できる。
本発明にかかる太陽電池素子の製造方法における工程を示すフローチャートである。 本発明にかかる太陽電池素子の製造方法の一実施形態における一工程を示す概略断面図である。 同実施形態において、図2に示す工程の後の工程を示す概略断面図である。 同実施形態において、図3に示す工程の後の工程を示す概略断面図である。 同実施形態において、図4に示す工程の後の工程を示す概略断面図である。 同実施形態において、図5に示す工程の後の工程を示す概略断面図である。 同実施形態において、図6に示す工程の後の工程を示す概略断面図である。 同実施形態において、図7に示す工程の後の工程を示す概略断面図である。 同実施形態において、図8に示す工程の後の工程を示す概略断面図である。 同実施形態において、図9に示す工程の後の工程を示す概略断面図である。 同実施形態において、図10に示す工程の後の工程を示す概略断面図である。 同実施形態において、図11に示す工程の後の工程を示す概略断面図である。 同実施形態において、図12に示す工程の後の工程を示す概略断面図である。 同実施形態において、図13に示す工程の後の工程を示す概略断面図である。 本発明にかかる太陽電池素子の製造方法の別の実施形態における一工程を示す概略断面図である。 同実施形態において、図15に示す工程の後の工程を示す概略断面図である。 同実施形態において、図16に示す工程の後の工程を示す概略断面図である。 同実施形態において、図17に示す工程の後の工程を示す概略断面図である。 本発明にかかる太陽電池素子の製造方法のさらに別の実施形態における一工程を示す概略断面図である。 同実施形態において、図19に示す工程の後の工程を示す概略断面図である。 同実施形態において、図20に示す工程の後の工程を示す概略断面図である。 同実施形態において、図21に示す工程の後の工程を示す概略断面図である。 同実施形態において、図22に示す工程の後の工程を示す概略断面図である。
<太陽電池素子の製造方法>
図1〜図23を参照して、本発明にかかる太陽電池素子の製造方法は、下地基板100上に、複数の化合物半導体層を積層させることにより、少なくとも1つのpn接合を含む素子形成用積層体220を含む積層体200を形成する工程S10と、素子形成用積層体220の下地基板100と反対側の主面の一部に第1電極410を形成する工程S20と、素子形成用積層体220の一部を除去することにより、素子形成用積層体220を分離する工程S30と、第1電極410と支持基板510,810,910とを貼り合わせる工程S40と、素子形成用積層体220と下地基板100とを分離する工程S50と、素子形成用積層体220の第1電極410と反対側の主面に第2電極420を形成する工程S60と、を含む。本発明にかかる太陽電池の製造方法は、上記の工程を含むことにより、高い変換効率を有する太陽電池素子を高い歩留まりで製造することができる。
(素子形成用積層体を含む積層体の形成工程)
図1、図2および図15を参照して、本発明にかかる太陽電池素子の製造方法は、まず、下地基板100上に、複数の化合物半導体層を積層させることにより、少なくとも1つのpn接合を含む素子形成用積層体220を含む積層体200を形成する工程S10を含む。かかる工程により、少なくとも1つのpn接合を含み太陽電池素子の要部を構成する素子形成用積層体220が形成される。
下地基板100は、その上に積層させる化合物半導体層の成長に適している限り特に制限はなく、化合物半導体層としてIII−V族化合物半導体層を積層させる場合は、GaAs基板、InP基板、Ge基板などが好適に用いられる。
積層させる化合物半導体層は、太陽電池素子を構成するのに適したものであり限り特に制限はないが、光電変換効率が高い観点から、III−V族化合物半導体層が好適に用いられる。化合物半導体層を積層させる方法は、化合物半導体層を成長させるのに適した方法である限り特に制限はなく、化合物半導体層としてIII−V族化合物半導体層を積層させる場合は、MOCVD(有機金属化学気相堆積)法、MBE(分子線エピタキシ)法、LPE(液相エピタキシ)法などが好適に用いられる。
素子形成用積層体220は、太陽電池素子としての機能を発現させる観点から少なくとも1つのpn接合を含み、光電変換効率を高める観点からpn接合の数が多いほど好ましい。
具体的には、ある素子形成用積層体220は、1つのpn接合を含んでおり、たとえば、図2を参照して、第2電極コンタクト層221、pn接合を形成するエミッタ層222、pn接合を形成するベース層223、および第1電極コンタクト層224を含む。また、別の素子形成用積層体220は、3つのpn接合を含んでおり、たとえば、図15を参照して、第2電極コンタクト層2211、窓層2212、第1のpn接合を形成するエミッタ層2213、第1のpn接合を形成するベース層2214、BSF(裏面電界)層2215、第1のトンネル接合層2220、窓層2222、第2のpn接合を形成するエミッタ層2223、第2のpn接合を形成するベース層2224、BSF層2225、第2のトンネル接合層2230、窓層2232、第3のpn接合を形成するエミッタ層2233、第3のpn接合を形成するベース層2234、BSF層2235、および第1電極コンタクト層2236を含む。
積層体200は、素子形成用積層体220の他に、エッチングストップ層210、バッファ層などを含むことができる。エッチングストップ層210は、積層体200に含まれることにより、素子形成用積層体220の一部をエッチングにより除去して素子形成用積層体を分離する後工程において、エッチング終点を均一にすることにより、エッチング不足またはエッチング過剰による歩留まり低下を抑えることができる。また、エッチングストップ層210は、エッチングにより素子形成用積層体220と下地基板100とを分離する後工程において、素子形成用積層体220を保護することができる。かかる観点から、エッチングストップ層210は、下地基板100と素子形成用積層体220との間に形成されることが好ましい。バッファ層は、積層体200に含まれることにより、素子形成用積層体220などの結晶性を高めることができる。バッファ層は、下地基板100の結晶欠陥の伝播を防止して素子形成用積層体220の結晶性を高める観点から下地基板100と素子形成用積層体220との間に形成されることが好ましく、さらにエッチングストップ層210の結晶性も高める観点から下地基板10とエッチングストップ層210との間に形成されることがより好ましい。エッチングストップ層210の結晶性を高めることにより、ピンホールなどの結晶欠陥が抑制され、エッチングストップ層としての機能低下を抑制することができる。
(第1電極の形成工程)
図1および図3〜図4を参照して、本発明にかかる太陽電池素子の製造方法は、次に、素子形成用積層体220の下地基板100と反対側の主面の一部に第1電極410を形成する工程S20を含む。かかる工程により、太陽電池素子の裏面電極となる第1電極を効率よく形成することができる。
第1電極を形成する工程S20は、特に制限はないが、効率的に第1電極を形成する観点から、図3に示すように、素子形成用積層体220の下地基板100の反対側の主面上に、パターン化された開口部を有するフォトレジスト310を形成するサブ工程と、図4に示すように、素子形成用積層体220の下地基板100の反対側の主面上のフォトレジスト310の開口部にパターン化された第1電極を形成するサブ工程を含むことが好ましい。また、第1電極を形成する方法は、特に制限はないが、第1電極を効率よく形成する観点から、真空蒸着法、スパッタ法、めっき法などが好適に用いられる。
(素子形成用積層体の分離工程)
図1および図5を参照して、本発明にかかる太陽電池素子の製造方法は、次に、素子形成用積層体220の一部を除去することにより、素子形成用積層体220を分離する工程S30を含む。ここで、素子成形用積層体220を分離するとは、素子形成用積層体220の一部を除去することにより、互いに分離した複数の素子成形用積層体の領域に分離することをいう。かかる工程により、後の工程(たとえば、貼り合わせ工程、素子化工程など)において、素子形成用積層体における割れの発生および広がりを抑制して、太陽電池素子の歩留まりを高めることができる。
素子形成用積層体220を分離する方法は、特に制限はないが、素子形成用積層体220を効率よく分離する観点から、第1電極410をマスクとするエッチングにより、素子形成用積層体220の一部を除去することが好ましい。
分離された素子形成用積層体の主面の形状は、特に制限はなく、製造する太陽電池素子の形状に応じて、円状、楕円状であってもよく、三角形状、四角形状などの多角形状であってもよい。
また、分離された素子形成用積層体の主面の径または一辺の長さは、特に制限はないが、10mm以下であることが好ましく、5mm以下であることがより好ましい。分離された素子形成用積層体の主面の径または一辺の長さを10mm以下とすることにより、後の工程(たとえば、貼り合わせ工程、素子化工程など)において、素子形成用積層体における割れの発生および広がりをより抑制して、太陽電池素子の歩留まりをさらに高めることができる。ここで、素子形成用積層体の主面の径とは、主面の形状が円形のときの直径をいい、主面の形状が楕円形のときの長径をいう。また、素子形成用積層体の主面の一辺の長さとは、主面の形状が多角形状のときの最長辺の長さをいう。
(第1電極と支持基板との貼り合わせ工程)
図1、図6、図17および図21を参照して、本発明にかかる太陽電池素子の製造方法は、次に、第1電極410と支持基板510,810,910とを貼り合わせる工程S40を含む。かかる工程においては、素子形成用積層体に形成された第1電極と支持基板とを貼り合わせることにより、貼り合わせの際の応力は第1電極を介在して間接的に素子形成用積層体にかかるため、素子形成用積層体における割れの発生を抑制することができる。かかる工程により、分離された素子形成用積層体220を支持することが可能となり、後の工程において、素子形成用積層体と下地基板とを分離することが可能となる。
支持基板510,810,910は、分離された素子形成用積層体220を支持することができるものであれば特に制限はなく、絶縁性材料であっても、導電性材料であってもよい。絶縁性材料としては、ガラス基板、セラミックス基板などが挙げられ、導電性基板としては、金属基板、Si基板などが挙げられる。
ここで、図21〜図23に示すように、支持基板910が太陽電池素子の一部として取り込まれる場合には、太陽電池素子としての通電性を確保する観点から、支持基板910は、導電性材料であることが好ましい。
第1電極410と支持基板510,810,910とを貼り合わせる方法は、特に制限はないが、均一に貼り合わせる観点から、第1電極410の主面と支持基板510,810,910の主面とが平行になるように、かつ、貼り合わせ面に気泡が入らないように真空雰囲気下で、第1電極410と支持基板510,810,910との間に圧力を加えることが好ましい。また、上記と同様の観点から、第1電極410と支持基板510,810,910との間に、貼り合わせ材520,820,920を介在させることが好ましい。
(素子形成用積層体と下地基板との分離工程)
図1および図7〜図9を参照して、本発明にかかる太陽電池素子の製造方法は、次に、素子形成用積層体220と下地基板100とを分離する工程S50を含む。かかる工程により、後の工程において、素子形成用積層体の第1電極と反対側の主面に第2電極を形成することが可能となる。
素子形成用積層体220と下地基板100とを分離する方法は、特に制限はないが、素子形成用積層体220から下地基板100を完全に分離する観点から、図8に示すように下地基板100をエッチングにより除去することが好ましい。ここで、かかるエッチングの際に素子形成用積層体220を保護する観点から、素子形成用積層体220と下地基板100との間にはエッチングストップ層210が介在していることが好ましい。
素子形成用積層体220と下地基板100とを分離する工程S50は、下地基板100をエッチングにより除去することによる場合、素子形成用積層体220を保護する観点から、図8に示すような下地基板100をエッチングにより除去するサブ工程の前に、図7に示すように、素子形成用積層体220の外周部にフォトレジスト320などの保護材を形成するサブ工程を含むことが好ましい。また、素子形成用積層体220と下地基板100との間にはエッチングストップ層210が介在している場合は、図8に示すような下地基板100をエッチングにより除去するサブ工程の後、図9に示すように、さらにエッチングストップ層210をエッチングにより除去するサブ工程を含むことが好ましい。
(第2電極の形成工程)
図1および図10〜図11を参照して、本発明にかかる太陽電池素子の製造方法は、次に、素子形成用積層体220の第1電極410と反対側の主面に第2電極420を形成する工程S60を含む。かかる工程により、第1電極を裏面電極とし、第2電極を表面電極とする太陽電池素子が形成される。
第2電極420を形成する工程S60は、特に制限はないが、効率的に第2電極を形成する観点から、図10に示すように、素子形成用積層体220の下地基板100の反対側の主面上および素子形成用積層体の除去された部分に、パターン化された開口部を有するフォトレジスト330を形成するサブ工程と、図11に示すように、素子形成用積層体220の第1電極410の反対側の主面上のフォトレジスト330の開口部にパターン化された第2電極を形成するサブ工程を含むことが好ましい。また、第2電極を形成する方法は、特に制限はないが、第2電極を効率よく形成する観点から、リフトオフ法、めっき法などが好適に用いられる。
[素子形成用積層体の分離工程と、第1電極と支持基板との貼り合わせ工程と、の間の工程]
(絶縁性材料の充填工程)
図1および図16(A)を参照して、本発明にかかる太陽電池素子の製造方法においては、上記の工程に加えて、素子形成用積層体220を分離する工程の後、第1電極410と支持基板とを貼り合わせる工程の前に、素子形成用積層体220の除去された部分に絶縁性材料710を充填する工程S32をさらに含むことが好ましい。かかる工程をさらに含むことにより、分離された素子形成用積層体を後の工程において保護するとともに分離された素子形成用積層体間の絶縁性を確保することができるため、太陽電池素子の歩留まりをさらに高めることができる。
また、図1および図16(B)を参照して、本発明にかかる太陽電池素子の製造方法においては、上記の工程に加えて、素子形成用積層体220を分離する工程の後、第1電極410と支持基板とを貼り合わせる工程の前に、素子形成用積層体220の除去された部分および第1電極410が形成されていない部分に絶縁性材料710を充填する工程S34をさらに含むことが好ましい。かかる工程をさらに含むことにより、分離された素子形成用積層体および分離して形成された第1電極を後の工程において保護するとともに分離された素子形成用積層体間および分離して形成された第1電極間の絶縁性を確保することができるため、太陽電池素子の歩留まりをさらに高めることができる。
(絶縁性材料の形成工程および第3電極の形成工程)
図1、図19および図20を参照して、本発明にかかる太陽電池素子の製造方法においては、上記の工程に加えて、素子形成用積層体220を分離する工程の後、第1電極410と支持基板とを貼り合わせる工程の前に、素子形成用積層体220の除去された部分および第1電極410の一部を覆うように絶縁性材料710を形成する工程S36(図19)と、絶縁性材料710上に第1電極410と接触するように第3電極430を形成する工程と、をさらに含むことができる。かかる工程を含むことにより、かかる工程をさらに含むことにより、分離された素子形成用積層体および分離して形成された第1電極を後の工程において保護し、分離された素子形成用積層体間および分離して形成された第1電極間の絶縁性を確保するとともに、第1電極と第3電極との電気的接続を確保することができるため、太陽電池素子の歩留まりをさらに高めることができる。
<太陽電池素子>
図14、図18および図23を参照して、本発明にかかる太陽電池素子は、上記の製造方法により得られたものであり、裏面電極である第1電極410上に1つ以上のpn接合を含む素子形成用積層体220が配置され、素子形成用積層体220上に表面電極である第2電極420が配置されている。本発明にかかる太陽電池素子は、上記の製造方法により、高歩留まりで得られる。
詳細には、図14を参照して、本発明にかかる太陽電池素子の一実施形態は、裏面電極である第1電極410上に1つのpn接合を含む素子形成用積層体220が配置され、素子形成用積層体220上の一部に表面電極であるパターン化された第2電極420が配置されている。ここで、素子形成用積層体220の第2電極コンタクト層221は、第2電極420のパターンに合わせてパターン化されている。また、素子形成用積層体220の第2電極コンタクト層221の開口部に反射防止膜610が配置されている。本実施形態の太陽電池素子は高い歩留まりで得られる。
また、図18を参照して、本発明にかかる太陽電池素子の別の実施形態は、支持基板810の基板主面被覆層811上に裏面電極である第1電極410が配置され、第1電極410上に3つのpn接合を含む素子形成用積層体220が配置され、素子形成用積層体220上の一部に表面電極であるパターン化された第2電極420が配置されている。また、素子形成用積層体220上の第2電極420の開口部に反射防止膜610が配置されている。また、第1電極410および素子形成用積層体220の外周側面には絶縁性材料が配置されている。本実施形態の太陽電池素子は、高い歩留まりで得られ、機械的強度が高く、かつ側面の絶縁性が高い。
また、図23を参照して、本発明にかかる太陽電池素子のさらに別の実施形態は、支持基板910上に配置された第3電極430に電気的に接続された裏面電極である第1電極410上に3つのpn接合を含む素子形成用積層体220が配置され、素子形成用積層体220上の一部に表面電極であるパターン化された第2電極420が配置されている。また、素子形成用積層体220上の第2電極420の開口部に反射防止膜610が配置されている。また、第1電極410および素子形成用積層体220の外周側面および第1電極410と第3電極430との空隙部には絶縁性材料が配置されている。本実施形態の太陽電池素子は、高い歩留まりで得られ、機械的強度が高く、かつ側面の絶縁性が高い。
[実施形態1]
図2〜図14を参照して、本発明にかかる太陽電池素子の製造方法の一実施形態について、以下に詳細に説明する。
1.素子形成用積層体を含む積層体の形成工程
図2を参照して、下地基板100である厚さ400μmのGaAs基板上に、MOCVD法により、積層体200としてエッチングストップ層210となる厚さ0.5μmのInGaP層と素子形成用積層体220を形成する。素子形成用積層体220は、エッチングストップ層210側から、第2電極コンタクト層221となる厚さ0.5μmのn型GaAs層、pn接合を形成するエミッタ層222である厚さ0.1μmのn型InGaP層、pn接合を形成するベース層223である厚さ0.6μmのp型InGaP層、および第1電極コンタクト層224となる厚さ0.5μmのp型GaAs層を、順次積層させる。
2.第1電極の形成工程
次に、図3を参照して、素子形成用積層体220の下地基板100と反対側の主面にフォトレジスト310を塗布した後、フォトリソグラフィによりフォトレジスト310にパターン化された開口部を形成する。
次に、図4を参照して、パターン化された開口部を有するフォトレジスト310の上から、裏面電極である第1電極410となる金属膜として厚さ0.1μmのAu層をEB(電子線)蒸着法により形成する。その後、フォトレジスト310を溶解させる液体に浸漬させ、フォトレジスト310およびフォトレジスト310上の金属膜をリフトオフにより除去することにより、パターン化された第1電極410を形成する。
3.素子形成用積層体の分離工程
次に、図5を参照して、裏面電極である第1電極410をマスクとして、p型GaAs層(第1電極コンタクト層224)、p型InGaP層(pn接合を形成するベース層223)、n型InGaP層(pn接合を形成するエミッタ層222)、およびn型GaAs層(第2電極コンタクト層221)の一部をエッチングにより除去することにより素子形成用積層体220を分離する。ここで、エッチングは、アンモニア/過酸化水素水水溶液および塩酸水溶液などのエッチング液を用いたウェットエッチング、またはフッ素や塩素などを含むガスを用いたドライエッチングにより行う。
4.第1電極と支持基板との貼り合わせ工程
次に、図6を参照して、裏面電極である第1電極410に、支持基板510であるガラス基板を、貼り合わせ材520である粘着テープで、貼り合わせる。このとき、第1電極410の主面と支持基板510の主面とが平行になるように、かつ、貼り合わせ界面に気泡が入らないようにして、真空雰囲気下で荷重をかけながら貼り合わせる。なお、本実施形態においては支持基板510としてガラス基板を用いているが、支持基板510として、アルミナなどのセラミック板、ポリイミドなどの耐熱対薬品性の高い高分子材料、Siなどの半導体基板、陽極酸化処理などで表面を対薬品性の膜で保護した金属板のように、表面が基板を除去する際に使用する薬液に耐えるものであれば特に制限はない。また、本実施形態においては貼り合わせ材520として粘着テープを用いるが、貼り合わせ材520として、接着剤、導電性ペースト、ダイレクトボンディングなどを用いてもよい。
5.素子形成用積層体と下地基板との分離工程
次に、図7を参照して、素子形成用積層体220を保護するために、素子形成用積層体220の最外周部にフォトレジスト320を形成する。
次に、図8を参照して、GaAs基板(下地基板100)をアンモニア/過酸化水素水水溶液などを用いたエッチングにより除去する。厚さ400μmのGaAs基板(下地基板100)を除去するには2〜3時間程度を要するが、エッチングストップ層210およびフォトレジスト320により、素子形成用積層体220はエッチングされない。
次に、図9を参照して、エッチングストップ層210を塩酸水溶液でエッチングすることにより除去する。さらに、フォトレジスト320を除去する。
6.第2電極の形成工程
次に、図10を参照して、エッチングストップ層210を除去して露出した素子形成用積層体220の主面(第1電極410側と反対側の主面)に、フォトレジスト330を塗布した後、フォトリソグラフィによりフォトレジスト330にパターン化された開口部を形成する。なお、図10〜図14は、図2〜図9とは上下を反転して図示している。
次に、図11を参照して、パターン化された開口部を有するフォトレジスト330の上から、表面電極である第2電極420となる金属膜として、厚さ100nmのAuGe膜を抵抗加熱蒸着により形成し、続けて厚さ20nmのNi層、3μmのAu層をEB蒸着により形成する。その後、フォトレジスト330を溶解させる液体に浸漬させ、フォトレジスト330およびフォトレジスト330上の金属膜をリフトオフにより除去する。
7.その他の工程
次に、図12を参照して、表面電極である第2電極420をマスクとして、第2電極コンタクト層221をエッチングすることにより、第2電極420と同じようにパターン化された開口部を有する第2電極コンタクト層221を形成する。ここで、第2電極コンタクト層221であるn型GaAs層のエッチングはアンモニア/過酸化水素水水溶液を用いて行う。
次に、図13を参照して、素子形成用積層体220の第2電極420および第2電極コンタクト層221のパターン化された開口部に、反射防止膜610として、厚さ60nmのTiO2膜および厚さ90nmのAl23膜をEB蒸着法により形成する。ここで、反射防止膜610の厚さは、膜の屈折率、太陽電池素子表面の屈折率などの特性に応じて適切な厚さとすればよい。
最後に、図14を参照して、支持基板510から第1電極410を分離することにより、最終形状の個々の太陽電池素子を得る。
上記の製造方法により、直径4インチの下地基板を用いて形成された素子形成用積層体から主面の大きさが5mm×5mmサイズの太陽電池素子が約200個得られる。
本実施形態の太陽電池素子の製造方法においては、一部の太陽電池素子に割れが発生しているものの、割れが発生している太陽電池素子に隣接している太陽電池素子では割れは見られず、全体で割れによる歩留まり低下は3%であった。これに対して、従来の太陽電池素子の製造方法においては、割れの起点部分から劈開する方向へ一直線に割れが伸びており、割れの発生している太陽電池素子に隣接している太陽電池素子はもちろん、劈開方向にあるすべての太陽電池素子で割れが発生しており、全体での割れによる歩留まり低下は20%程度であった。すなわち、本実施形態の太陽電池素子の製造方法においては、太陽電池素子の歩留まりが大きく向上したことが確認できた。
[実施形態2]
図15〜図18を参照して、本発明にかかる太陽電池素子の製造方法の別の実施形態について、以下に詳細に説明する。
1.素子形成用積層体を含む積層体の形成工程
図15を参照して、下地基板100である厚さ400μmのGaAs基板上に、MOCVD法により、積層体200としてエッチングストップ層210となる厚さ0.5μmのInGaP層と素子形成用積層体220を形成する。素子形成用積層体220は、エッチングストップ層210側から、第2電極コンタクト層2211となる厚さ0.5μmのn型GaAs層、窓層2212である厚さ0.05μmのn型AlInP層、第1のpn接合を形成するエミッタ層2213である厚さ0.1μmのn型InGaP層、第1のpn接合を形成するベース層2214である厚さ0.6μmのp型InGaP層、BSF層2215である厚さ0.01μmのp型AlInP層、第1のトンネル接合層2220の一部の層を形成するp型半導体層2216である厚さ0.01μmのp型GaAs層、第1のトンネル接合層2220の他の一部の層を形成するn型半導体層2221である厚さ0.01μmのn型GaAs層、窓層2222である厚さ0.05μmのn型InGaP層、第2のpn接合を形成するエミッタ層2223である厚さ0.1μmのn型GaAs層、第2のpn接合を形成するベース層2224である約3μmのp型GaAs層、BSF層2225である厚さ0.05μmのp型InGaP層、第2のトンネル接合層2230の一部の層を形成するp型半導体層2226である厚さ0.01μmのp型GaAs層、第2のトンネル接合層2230の他の一部の層を形成するn型半導体層2231である厚さ0.01μmのn型GaAs層、窓層2232である厚さ0.5μmのn型InGaP層、第3のpn接合を形成するエミッタ層2233である厚さ0.1μmのn型InGaAs層、第3のpn接合を形成するベース層2234である厚さ3μmのp型InGaAs層、BSF層2235である厚さ0.05μmのp型InGaP層、および第1電極コンタクト層2236となる厚さ0.5μmのp型InGaAs層を、順次積層させる。
このようにして形成される素子形成用積層体は、3つのpn接合を含んでおり、第3のpn接合を形成する2つのInGaAs層は、第1のpn接合を形成する2つのInGaP層および第2のpn接合を形成する2つのGaAs層の少なくともいずれかと格子定数が異なるため、最上層の主面にクロスハッチと呼ばれる凹凸が存在する。
2.素子形成用積層体の分離工程
次に、実施形態1と同様にして、素子形成用積層体220の一部をエッチングにより除去することにより、素子形成用積層体220を分離する。
3.絶縁性材料の充填工程
次に、図16(B)を参照して、素子形成用積層体220が除去された部分および第1電極410が形成されていない部分に、絶縁性材料710としてSiO2を形成することにより充填する。
4.第1電極と支持基板との貼り合わせ工程
次に、図17を参照して、第1電極410側の主面に貼り合わせ材820として銀ペーストを塗布し、支持基板810であるセラミックス基板の主面に基板主面被覆層811として溶着された銅層と貼り合わせる。本実施形態の素子形成用積層体220は、その最上層の主面にクロスハッチと呼ばれる凹凸が存在しているが、その最上層の主面上に形成されている第1電極410と支持基板810とが貼り合わされることから、貼り合わせの際の応力のかかりが第1電極410を介在して間接的であるため、割れの発生が抑制される。ここで、図17は、図16(B)に示す工程の次工程を示したものである。なお、図16(A)に示す工程の次工程においては、第1電極410の側面部分まで貼り合わせ材820が充填される(図示せず)こと以外は、図17と同様である。
5.素子形成用積層体と下地基板との分離工程
次に、GaAs基板(下地基板100)をアンモニア/過酸化水素水水溶液などを用いたエッチングにより除去する。
次に、エッチングストップ層210を塩酸水溶液でエッチングすることにより除去する。
6.第2電極の形成工程
次に、図18を参照して、実施形態1と同様にして、パターン化された開口部を有する第2電極420を形成する。なお、図18は、図15〜図17とは上下を反転して図示している。
7.その他の工程
次に、図18を参照して、実施形態1と同様にして、反射防止膜610を形成する。最後に、絶縁性材料710および貼り合わせ材820をダイシングにより一括で切断した後、基板主面被覆層811および支持基板810をダイシングにより一括で切断することにより、個々の太陽電池素子に分離する。ここで、図18は、図16(B)に示す工程の次工程である図17に示す工程の次工程を示したものである。なお、図16(A)に示す工程の次工程の次工程においては、第1電極410の側面部分まで貼り合わせ材820が充填される(図示せず)こと以外は、図18と同様である。
本実施形態の太陽電池素子の製造方法においては、一部の太陽電池素子に割れが発生しているものの、割れが発生している太陽電池素子に隣接している太陽電池素子では割れは見られず、全体で割れによる歩留まり低下は10%であった。これに対して、従来の太陽電池素子の製造方法においては、割れの起点部分から劈開する方向へ一直線に割れが伸びており、割れの発生している太陽電池素子に隣接している太陽電池素子はもちろん、劈開方向にあるすべての太陽電池素子で割れが発生しており、全体での割れによる歩留まり低下は50%程度であった。すなわち、本実施形態の太陽電池素子の製造方法においては、太陽電池素子の歩留まりが大きく向上したことが確認できた。
[実施形態3]
図19〜図23を参照して、本発明にかかる太陽電池素子の製造方法のさらに別の実施形態について、以下に詳細に説明する。
1.素子形成用積層体を含む積層体の形成工程から素子形成用積層体の分離工程まで
実施形態2と同様にして、素子形成用積層体220を含む積層体200を形成し、素子形成用積層体220を分離する。
2.絶縁性材料の形成工程
次に、図19を参照して、素子形成用積層体の除去された部分および第1電極の一部を覆うように、絶縁性材料710としてポリイミドを形成する。
3.第3電極の形成工程
次に、図20を参照して、裏面電極である第1電極410と接触して電気的に接続する第3電極430として銀ペースト電極を形成する。
4.第1電極と支持基板との貼り合わせ工程
次に、図21を参照して、第3電極430の主面に貼り合わせ材920として銀ペーストを塗布し、導電性の支持基板910であるSi基板の主面に基板主面被覆層911としてTi膜で形成されたオーミック電極と貼り合わせる。これにより、第1電極410が第3電極430および絶縁性材料710を介在させて、かつ、第1電極410と第3電極430とが電気的に接続した状態で、導電性の支持基板910と貼り合わされる。
5.素子形成用積層体と下地基板との分離工程
次に、GaAs基板(下地基板100)をアンモニア/過酸化水素水水溶液などを用いたエッチングにより除去する。
次に、エッチングストップ層210を塩酸水溶液でエッチングすることにより除去する。
6.第2電極の形成工程
次に、図22を参照して、実施形態1と同様にして、パターン化された開口部を有する第2電極420を形成する。なお、図22〜図23は、図19〜図21とは上下を反転して図示している。
7.その他の工程
次に、図22を参照して、実施形態1と同様にして、反射防止膜610を形成する。さらに、支持基板910の素子形成用積層体220の反対側の主面に裏面電極である第4電極440としてTi膜で形成されるオーミック電極を形成する。
最後に、図23を参照して、絶縁性材料710、第3電極430、貼り合わせ材920、貼り合わせ材920、支持基板910、および第4電極440をダイシングにより一括で切断することにより、個々の太陽電池素子に分離する。
本実施形態の太陽電池素子の製造方法においては、一部の太陽電池素子に割れが発生しているものの、割れが発生している太陽電池素子に隣接している太陽電池素子では割れは見られず、全体で割れによる歩留まり低下は10%であった。これに対して、従来の太陽電池素子の製造方法においては、割れの起点部分から劈開する方向へ一直線に割れが伸びており、割れの発生している太陽電池素子に隣接している太陽電池素子はもちろん、劈開方向にあるすべての太陽電池素子で割れが発生しており、全体での割れによる歩留まり低下は50%程度であった。すなわち、本実施形態の太陽電池素子の製造方法においては、太陽電池素子の歩留まりが大きく向上したことが確認できた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 下地基板、200 積層体、210 エッチングストップ層、220 素子形成用積層体、221,2211 第2電極コンタクト層、222 pn接合を形成するエミッタ層、223 pn接合を形成するベース層、224,2236 第1電極コンタクト層、310,320,330 フォトレジスト、410 第1電極、420 第2電極、430 第3電極、440 第4電極、510,810,910 支持基板、520,820,920 貼り合わせ材、610 反射防止膜、710 絶縁性材料、811,911 基板主面被覆層、2212,2222,2232 窓層、2213 第1のpn接合を形成するエミッタ層、2214 第1のpn接合を形成するベース層、2215,2225,2235 BSF層、2216,2226 p型半導体層、2220 第1のトンネル接合層、2221,2231 n型半導体層、2223 第2のpn接合を形成するエミッタ層、2224 第2のpn接合を形成するベース層、2230 第2のトンネル接合層、2233 第3のpn接合を形成するエミッタ層、2234 第3のpn接合を形成するベース層、S10 素子形成用積層体を含む積層体を形成する工程、S20 第1電極を形成する工程、S30 素子形成用積層体を分離する工程、S32,S34 絶縁性材料を充填する工程、S36 絶縁性材料を形成する工程、S37 第3電極を形成する工程、S40 第1電極と支持基板とを貼り合わせる工程、S50 素子形成用積層体と下地基板とを分離する工程、S60 第2電極を形成する工程。

Claims (7)

  1. 下地基板上に、複数の化合物半導体層を積層させることにより、少なくとも1つのpn接合を含む素子形成用積層体を含む積層体を形成する工程と、
    前記素子形成用積層体の前記下地基板と反対側の主面の一部に第1電極を形成する工程と、
    前記素子形成用積層体の一部を除去することにより、前記素子形成用積層体を分離する工程と、
    前記第1電極と支持基板とを貼り合わせる工程と、
    前記素子形成用積層体と前記下地基板とを分離する工程と、
    前記素子形成用積層体の前記第1電極と反対側の主面に第2電極を形成する工程と、を含む太陽電池素子の製造方法。
  2. 前記素子形成用積層体を分離する工程において、分離された前記素子形成用積層体の主面の径または一辺の長さは10mm以下である請求項1に記載の太陽電池素子の製造方法。
  3. 前記素子形成用積層体を分離する工程の後、前記素子形成用積層体の除去された部分に絶縁性材料を充填する工程を、さらに含む請求項1または請求項2に記載の太陽電池素子の製造方法。
  4. 前記素子形成用積層体を分離する工程の後、前記素子形成用積層体の除去された部分および前記第1電極が形成されていない部分に絶縁性材料を充填する工程、をさらに含む請求項1または請求項2に記載の太陽電池素子の製造方法。
  5. 前記素子形成用積層体を分離する工程の後、前記素子形成用積層体の除去された部分および前記第1電極の一部を覆うように絶縁性材料を形成する工程と、前記絶縁性材料上に前記第1電極と接触するように第3電極を形成する工程と、をさらに含む請求項1または請求項2に記載の太陽電池素子の製造方法。
  6. 前記第1電極と支持基板を貼り合せる工程において、前記支持基板は導電性材料である請求項1から請求項5のいずれかに記載の太陽電池素子の製造方法。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかの製造方法により得られた太陽電池素子。
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