JP2004325252A - 核磁気共鳴装置用マグネットおよびそれを用いた核磁気共鳴分析装置 - Google Patents

核磁気共鳴装置用マグネットおよびそれを用いた核磁気共鳴分析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】溶液分析用の高感度NMR装置において、サンプルを計測するマグネット中央部に非常に均一な磁場を発生するマグネットの提供。
【解決手段】所定の間隔を有して対向配置され、かつ、中心軸に関してほぼ同軸な第1および第2の多層コイル群からなり、各多層コイル群の各層は少なくとも1つのコイルから構成されているNMR装置のスプリット型マグネットマグネットにおいて、マグネットの中央付近にNMR計測のための主磁場を発生するコイルの通電方向を、プラス方向の電流としたとき、マグネットの第1および第2の多層コイル群の各最内層を構成するコイルのうち、少なくとも一つのコイルの通電電流方向をマイナス方向にするNMR装置用スプリット型マグネット。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タンパク質やタンパク質と相互作用する基質、リガンド等の有機物分子を分析する核磁気共鳴分析装置に関し、特に、均一磁場を発生する核磁気共鳴用マグネットに関する。
【0002】
【従来の技術】
図14は、従来のNMR(Nuclear Magnetic Resonance:核磁気共鳴)分析装置の概略断面図を示す。
【0003】
超電導コイル81,82,83,84は試料に近い内側ほど、超電導臨界磁界の高い材料でコイルが形成されている。超電導磁石を構成する超電導コイル81,82,83,84は、鉛直方向を巻き軸としてソレノイド状に巻回され、それぞれ超電導接続89によって接続されており、保護回路90によってクエンチ時に焼失しないように保護されている。また、超電導磁石は、永久電流スイッチ91によって、永久電流モードに保持されている。
【0004】
さらにまた、超電導磁石は、液体ヘリウム87に浸漬され低温に保持され、その外側を液体窒素88で覆う二重構造とすることによって、ヘリウムの消費を節約する低温容器で構成されている。この低温容器は、防振支持脚86によって支持され、外部の振動が容器内に伝わらないようになっている。
【0005】
タンパク質試料の溶液サンプル92は、装置上部から磁場中心に挿入され鉛直方向に置かれている。プローブは、装置下部から磁場中心に挿入され、常温保持された銅製の鞍型または鳥籠型のプローブコイル85が用いられる。
【0006】
このように、鉛直方向に置かれた試料に、ソレノイド型超電導磁石によって鉛直方向の磁場を印加し、鞍型または鳥籠型のプローブコイル85を用いてNMRの信号を検出するのが、従来のNMR分析装置である。
【0007】
NMR(核磁気共鳴)を利用した有機物の分析方法は、近年急速な進歩を遂げつつある。特に、強力な超電導磁石技術と組合わされることによって、複雑な分子構造を持つタンパク質などの有機化合物を、原子レベルで効率よく構造解析することが可能になってきた。
【0008】
本発明の対象とするものは、微量のタンパク質を溶解した水溶液中のタンパク質分子の原子レベルの構造と、相互作用を解析するに必要なNMR分光計である。そして、ミリメートル級の画像分解能を必要とする人体の断層撮影を目的とした医療用MRI画像診断装置では、磁場強度で1桁以上高く、磁場均一度は4桁、安定度についても3桁高い性能が要求され、全く異なる設計技術、装置製作技術が要求される特殊なエネルギー分光装置である。
【0009】
従来の高分解能核磁気共鳴分析装置に関する詳細は、非特許文献1に記載されている。NMRをタンパク質の解析に利用する場合の典型的な装置構成に関連する最近の発明には、超伝導磁石に関する発明として、多層空芯ソレノイドコイルの典型的な構成としては特許文献1があり、また、信号検出技術に関連する発明として、鳥かご型超伝導検出コイルを開示した特許文献2、従来の鞍型コイル、或いは、鳥かご型コイルによる信号検出技術を開示した例として特許文献3、特許文献4などがある。
【0010】
これらの報告によれば、従来のタンパク質解析用の高感度なNMR分析装置は、全て鉛直方向の磁場を発生するソレノイドコイルの組合せによって構成された超電導磁石装置を用い、400〜900MHzの電磁波を試料に照射し、試料から発せられる共鳴波を鞍型または鳥籠型の検出コイルを利用して検出している。
【0011】
また、前記特許文献2の例にあるように、受信時の熱ノイズを低減するために、低温に冷却された検出器を利用し、S/N感度比を改善する工夫がなされている場合もある。
【0012】
歴史的に見て、高感度なNMR装置は、基本的にはアンテナおよび磁石等のシステムの基本構成を同一に保ち、超電導磁石の中心磁場強度を高める方法によって感度向上を果たしてきた。
【0013】
従って、現在迄に報告されている最高のNMR測定感度は900MHzのNMR装置により得られ、例えば、図8に示すように、中心磁場21.1テスラの大型超電導磁石が利用されているが、装置の基本構成は前記特許文献1のような従来技術と何ら変わっていない。溶液を用いたタンパク質の解析において、中心磁場向上は、感度の向上と、化学シフトの分離を明確にする効果がある。
【0014】
検出コイル形状による感度向上効果については、非特許文献2に記載されているように、従来、検出コイルとしてソレノイドコイルを利用すれば、鞍型あるいは鳥籠型に比較して様々な利点があることが知られていた。例えば、インピーダンスのコントロール容易性、フィリングファクタ、RF磁場の効率などの点で優れていることなどである。
【0015】
しかし、同著によれば、従来の超電導磁石の構成では、水溶液中に微量に溶解したタンパク質の計測用途等の感度を重視する場合には、磁場に対して垂直に置かれたサンプル管の周りに、ソレノイドコイルを巻くことは実際には不可能であり、一般には利用されていない。特に、例外的に、微量のサンプル溶液を用いて感度よく測定する場合に限り利用される場合があり、特別にデザインしたミクロサンプル管を利用して、特別のプローブを用いて計測する方法が知られていた。
【0016】
また、特殊な例としては、最近では特許文献5のように、高温超電導のバルク磁石を水平方向に着磁し、ソレノイドコイルでNMR信号を検出する方法が考案されている。
【0017】
また、特許文献6では、装置の天井高さの制約を取り除くための一般的なNMR用途に適した、超電導磁石と冷却容器の構成方法を開示しているが、タンパク質の解析に必要な検出感度の向上方法や磁場均一度、磁場の時間安定度に対する技術的な対応方法等については、知られていない。
【0018】
【特許文献1】
特開2000−147082号公報
【特許文献2】
米国特許6121776号公報
【特許文献3】
特開2000−266830号公報
【特許文献4】
特開平6−237912号公報
【特許文献5】
特開平11−248810号公報
【特許文献6】
特開平7−240310号公報
【非特許文献1】
荒田洋治著、「タンパク質のNMR」共立出版、1996年
【非特許文献2】
荒田洋治著、「NMRの書」2000年、丸善、p326。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
近年、タンパク質の研究に対するニーズの高まりと共に、タンパク質の水への溶解度が小さい試料の分析ニーズが高まり、NMRの測定感度を向上させる必要が生じている。こうしたニーズに、NMR分析装置を適合させるには、従来同等の試料空間を維持したまま、測定感度の向上を図る必要があり、長時間のデータ積分時間中での超伝導磁場の安定性の確保も必須である。
【0020】
測定感度の向上は、同程度の溶解度の試料であれば、測定時間の短縮ばかりでなく、サンプル量の低減が可能になる利点が特に大きく、溶解度の小さなタンパク質の解析が可能となる効果がある。
【0021】
従って、タンパク質の解析に用いられるNMR分析装置は、従来のNMR分析装置と比較して特段に優れた検出感度と安定性が要求される他に、1週間以上の長時間にわたる正確で、かつ、安定的なNMRシグナルの検出が必要である。これは計測中に磁場が変動すると、NMRシグナルのピークが移動してしまうためであり、特に、相互作用の計測ではピークの移動が相互作用によるものか、或いは、磁場の不安定性に起因するものか、判別ができなくなるためである。
【0022】
また、磁場が不均一であれば、所望のピークが重なってしまい、相互作用の判別が困難になるなどの問題を生じる。従って、タンパク質の様々な解析を目的とした今後のNMR技術は、従来の一般的なNMR分析装置の単純な延長上には無く、新たな技術開発が必要なことを、まず留意しておく必要がある。
【0023】
一例を挙げると、一般的なNMR装置の磁場均一度の仕様は、試料空間で0.01ppm、時間安定度で0.01ppm/hである。これを一般的な用途の600MHzのプロトンNMRで換算すると、6Hzの許容誤差になる。
【0024】
しかし、前述したタンパク質の相互作用解析の場合では、少なくとも1.0Hz以下の空間、および、時間分解能が必要であり、望ましくは0.5Hz以下が必要である。
【0025】
これらの磁場均一度と磁場の時間的安定度を実現可能な方法で、超伝導磁石や検出コイルを最適に構成する必要がある。従って、従来、一般的に利用されていたNMR分析装置の性能では不十分で、従来よりも1桁以上高い安定性と磁場均一度が要求される。
【0026】
従来技術は、主として、磁場強度の向上に頼って感度向上したため、装置が大型化し、漏洩磁界の問題と床強度の問題から、専用の建物を必要とするなど、設置性の問題も新たに生じた。さらに、超電導磁石のコストが増大するなどの課題を生じた。また、この方法による感度向上は、超電導材料の臨界磁界による制約で、概ね21テスラ(T)の上限に達し、これ以上の感度向上のためには、磁場強度に頼ることの無い、新たな手段による検出感度向上技術が望まれていた。
【0027】
前述したように、ソレノイドコイルを利用した高感度測定方法は、極く微量の特別のサンプル管と、特別の検出プローブで利用可能であったが、およそ10ml程度の一般的なタンパク質溶液による解析には適用できなかった。
【0028】
また、前記特許文献5の例にあるように、強力な磁石によって水平方向に磁場を発生し、ソレノイドコイルでNMR信号を検出する方式では、高温超電導体の表面で10T未満の磁場を発生できるのみであって、試料部分の磁場は高々数T程度であり、タンパク質の解析に必要な11T以上の磁場、好ましくは、14.1T以上の磁場を所望の試料空間に発生することは、この方法では不可能であった。
【0029】
また、この方法では、タンパク質の解析に必要な時間安定度1.0Hz/時以下を達成することは、高温超伝導体の磁束クリープ現象の効果で実質的に困難であった。
【0030】
また、タンパク質の解析に必要な、磁場均一度についても、直径10mm×長さ20mmの空間で、プロトン核磁気共鳴周波数で1.0Hz以内の磁場均一度を達成することは、高温超電導バルク体材料の製造プロセスに起因した不均質性から困難であった。
【0031】
このように、従来技術は、タンパク質の解析ニーズに対応するためのブレークスルー技術の開発が求められている一方で、磁場による感度向上の限界に達してしまった現在、さらなる感度向上のための新しい解決方法が求められていた。
【0032】
今後ニーズが高まると考えられる溶液中におけるタンパク質と基質、リガンド等の低分子の相互作用を、効率良く、かつ、高精度に解析する場合には、経験的には、600〜900MHz、中心磁場で14〜21T程度で、適切なサンプル量で測定できることが望ましく、現状より計測感度を高め、スループットを高めることが望まれている。
【0033】
また、一般に、800MHz以上の装置では、超電導特性を極限まで利用するため、4.2Kの液体ヘリウムを減圧し、1.8Kと過冷却して運転する。このため、装置運転上の煩雑さが増す他に、メンテナンスも大変である。
【0034】
また、磁石装置が大型化するため、漏洩磁界が大きく、通常は専用の建物を必要とする。特に、装置の設置性の観点では、従来方式では、中心磁界の増大と共に、鉛直方向に漏洩磁界が増大する。そのために、例えば、900MHz級の装置では、高さ方向に5mもの漏洩磁界を生じ、天井高さのより高い建築物を必要とし、建築コストが増大すると云う問題があった。
【0035】
また、従来の900MHz超電導磁石の大きさは、非特許文献3に記載されているように、磁石部分の大きさだけで幅直径1.86m×高さ数メートルとなる。
【0036】
本発明では、主として通常の5〜10mm径のサンプル管を用い試料溶液を、概ね30mm高さに充填した状態で、600MHz(14.1T)程度でNMRシグナルの計測感度を、従来よりも40%以上高めた新規なNMR分析装置を構成できる超電導マグネットを提供することにある。
【0037】
この高感度NMR装置は、従来のソレノイド磁石ではなく、対向空間を設け左右に分割された一対のスプリットマグネットで構成する必要がある。NMR装置用マグネットには、上述したように、サンプルを計測する空間にppbオーダーで非常に均一な磁場を発生する必要がある。
【0038】
しかし、14.1Tクラスの高磁場スプリットマグネットでは、ソレノイドマグネットに比べ磁場の均一度が得られにくく、この磁場の均一性を達成する方法が見い出されていなかった。なぜならスプリットマグネットでは、左右のマグネットの間に対向空間を設けるため、磁場の発生に使える空間が制限され、磁場の発生と均一性の達成に不利だからである。
【0039】
なお、本発明では、システムの運転温度を4.2Kと定めるものではない。また、本発明を応用して、極限性能を目指すことも可能であり、用途によっては、従来の磁場限界であった21.1T、即ち、900MHzで1.8Kで運転することがあってもよい。その場合、従来の方式と比較して40%の感度向上が可能であり、従来、不可能であった磁場強度による検出感度限界を大きく破ることが可能になる。
【0040】
【非特許文献3】
IEEE.Transactions on Applied Superconductivity,Vol.11,No.1,p2438。
【0041】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、現状の核磁気共鳴装置に共通する問題と、その対策法について検討した。
【0042】
現状のNMR装置は、コストと設置性を両立させるために、磁場均一度の優れた多層空心ソレノイドコイルの中心に、溶液試料を置き、鞍型または鳥籠型のアンテナで検出する方法で発展してきた。歴史的には、400MHz未満の低い磁界から、計測技術と解析法の進歩によってNMRが発展するに伴い、この基本的な形式を守ったまま、中心磁場の強大化によって計測感度を向上させてきた。
【0043】
また、最近は熱ノイズを減らすために超電導式の鳥籠型アンテナを用いる例も報告されている。
【0044】
本発明者らは、磁場強度を同一としたまま、従来よりも著しく信号強度を高める方法について鋭意検討を重ねてきた。その結果、以下に述べる新規な方法によれば、この問題を解決できることを見い出した。
【0045】
そのポイントは、試料空間として直径5〜10mmで、高さ20mmの溶液NMRに適する400MHz以上の磁場、好ましくは、600〜900MHz程度で、検出コイルを通常のNMR研究用のサンプル管がそのまま利用できる5〜10mmφ×高さ20mm程度のソレノイド方式の検出コイルを、適用することによって感度向上を図るものである。
【0046】
原理的には、検出コイルの形状因子の差によって、少なくとも1.4(√2)倍の感度向上が期待でき、その他の因子によって更に向上が期待できるもので、データの積算時間は1/2以下に短縮することができるものである。
【0047】
溶液状のサンプルは、直径5〜10mmサンプル管に高さ20〜30mm程度入れ、上部から鉛直方向に挿入される。鉛直方向を巻軸としたソレノイドコイルでNMR信号を感度よく検出するには、超電導磁石で発生する磁場を水平方向に配置し、その磁界中心に、容易に着脱できる溶液サンプルを配置できるようにする必要がある。
【0048】
そのため、超電導磁石の構成は、従来の単純なソレノイド磁石と異なり、左右に分割された一対のスプリットマグネットで構成する必要がある。
【0049】
NMR装置用マグネットには、前記のように、サンプルを計測する空間にppbオーダーで非常に均一な磁場を発生する必要があるが、スプリットマグネットでは、この磁場の均一性を達成する方法が見い出されていない。
【0050】
本発明では、複数個のコイルからなる2組のコイル群が、ある間隔を有して対向配置されたスプリットマグネットにおいて、主磁場を発生する方向とは逆向きの電流を搬送するコイルを少なくとも一つ、主磁場発生位置の近くに備えることで、スプリットマグネットの空間的な制限による不利を解消し、従来のソレノイドマグネットと同等の均一な磁場を得ている。
【0051】
以下、均一磁場の発生方法について述べる。曲座標(r,θ,φ)で表された、ある空間のz方向の磁場Bは、一般的にr,θ,φの関数として〔式1〕で表される。
【0052】
【数1】
=r (cosθ)(A sinmφ+B cosmφ) …〔式1〕
このように磁場は位置で決まる関数r にある係数をかけた形で表される。nについて0から∞までの和をとり、n=0の時の係数を0次の係数、n=2の時の係数を2次の係数と定義して以下使う。
【0053】
以下、大きさIの円環電流によって発生した磁場のn次の係数の性質について説明する。
【0054】
図2に電流と磁場の座標図を示す。原点からの距離f、fとz軸との角度αの位置にある導体11に、z軸方向に磁場を作る向き、つまりプラスの向きの円電流Iが流れているとする。ここでは、z軸方向に磁場を作る向きの電流をプラス方向の電流と呼び、これと逆向きの電流をマイナス方向の電流と呼ぶ。
【0055】
また、円環電流ではなく、電流がコイルを流れている時は、コイルの中心軸はほぼz軸であるとし、原点からコイル中心までの距離をf、コイル中心と原点を結ぶ直線と中心軸との成す角をαとする。以下、コイル中心と原点を結ぶ直線とコイルの中心軸との成す角をαと定義する。この円電流が曲座標(r,θ,φ)で表される位置に作る磁場を曲座標系で求めると、z方向の磁場Bの軸対称成分は次式で表される。
【0056】
【数2】
Figure 2004325252
【0057】
上式のように磁場はnについての和で表される。これをそれぞれn次の磁場という。以下、磁場は全てBであるとして、n次のBをBと書く。NMR計測に必要な中心磁場はBであり、これ以外の磁場Bは均一度を乱す磁場であるため、n次の不整磁場と呼ばれる。
【0058】
のrとθに依存しない部分を
【0059】
【数3】
Figure 2004325252
【0060】
とし、これをn次の展開係数と呼ぶ。
【0061】
n=2の時、2次の展開係数Aは、A∝P (cosα)となる。
【0062】
【数4】
Figure 2004325252
【0063】
より、0<cosα<1でP (cosα)=0になるのは、α<arccos(1/√5)≒63.43゜である。
【0064】
これにより正の電流を配置する角度αによって2次の展開係数の符号が決まり、0<α<63.43゜でA>0、63.43゜<α<(π/2)でA<0となる。
【0065】
図3は、コイルとZ軸との角度αの関係を示す座標図である。図3での15がコイルであり、直線13がz軸との角度がα2=arccos(1/√5)≒63.43゜となる直線を表している。
【0066】
同様に4次の磁場の係数AはA∝P (cosα)となり、Aの符号はP (cosα)の符号で決まる。
【0067】
【数5】
Figure 2004325252
【0068】
より、0<cosα<1でP (cosα)=0となるのはα=arccos√((7+2)√7))/21≒40.09゜,73.43゜。
【0069】
よって4次の展開係数の符号は、0<α<40.09゜でA>0、40.09゜<α<73.43゜で、A<0、73.43゜<α<90゜で、A>0となる。
【0070】
図3では、直線12がz軸との角度α1=arccos√((7+2)√7))/21≒40.09゜となる直線を表しており、直線14がz軸との角度α3=arccos√((7−2)√7))/21≒73.43゜となる直線を表している。
【0071】
図3で、z軸からの角度αの位置に配置されたコイル15が作る不整磁場の説明をする。
【0072】
コイル15は、プラス方向に通電されているとし、NMR計測の主磁場向きの磁場を作るとする。z軸と直線12の間の角度が前記α1、z軸と直線13の間の角度が前記α2、z軸と直線14の間の角度が前記α3である。
【0073】
直線13はプラスの電流を持つコイル15の作る2次の不整磁場がゼロになる位置を表しており、直線13とz軸に挟まれた領域では2次の不整磁場が正になり、直線13とx軸に挟まれた領域では2次の不整磁場が負になる。
【0074】
また、直線12と14は、プラスの電流を持つコイル15の作る4次の不整磁場がゼロになる位置を表しており、z軸と直線12に挟まれた領域、および、直線14とx軸で挟まれた領域では4次の不整磁場は正になり、直線12と直線14で挟まれた領域では4次の不整磁場は負になる。
【0075】
上記のように、スプリット型の超電導マグネットでは、従来のソレノイド型超電導マグネットと比較して、タンパク質構造解析に必要な磁場均一度を得ることが難しい。
【0076】
なぜなら、x軸を挟んでギャップを設けるため、直線13とx軸に挟まれた空間にプラス方向に通電されたコイルを配置して、得られる負の2次の磁場成分の発生量、および、直線14とx軸に挟まれた空間に、プラス方向に通電されたコイルを配置して得られる正の4次の磁場成分の発生量が制限されるからである。
【0077】
そこで、プラス方向に通電されたコイルを配置すると正の2次の磁場成分を発生する領域、および、プラス方向に通電されたコイルを配置すると負の4次の磁場成分を発生する領域に、マイナス方向に通電されたコイルを配置することで、負の2次の磁場成分、および、正の4次の磁場成分を発生させる。
【0078】
これにより、スプリット型超電導マグネットにおいても、従来の多層ソレノイドと同等以上の、非常に均一な磁場を発生することが可能となる。
【0079】
次に、各コイルの最適な配置について述べる。中心磁場を保ちつつ、タンパク質解析に必要な磁場の均一度を得るためには、コイル層の比較的外側を構成しているコイルで中心磁場を発生させ、このコイルの出す高次の磁場をコイル層の比較的内側を構成しているコイルを使って、補正するのが効率がよい。
【0080】
なぜなら、前記〔式1〕より、原点とコイル中心との距離fが小さいほど高次の磁場が大きくなるため、電流量が少ないコイルでも補正可能だからである。また、中心軸に近い位置にあるコイル層を、複数のコイルに分割することで、fが比較的小さい領域で、コイルの電流の向きや大きさ、コイル配置等の組合わせの自由度が増えるために、少ない電流量でより正確な磁場の調整ができるようになる。しかし、コイル数が増えると作製にも手間がかかり、コストも増える。
【0081】
タンパク質の解析に必要な磁場の均一度を得つつ、コイル数が減らせるようなコイル配置を次に考える。
【0082】
前記〔式1〕より、余分な高次の磁場を発生させないために、コイルは原点からある程度離した位置に配置するのがよい。原点からコイルまで、ある程度距離を保つために、コイルの中心軸を通る断面上で見た時に、マイナス方向に通電されたコイルの断面のほぼ中心が、円または楕円状になるように配置する。
【0083】
〔式1〕より、磁場は原点とコイル中心を結んだ直線と、その直線とz軸の角度αに依存する性質を持つ。z軸からの角度αが、ほぼ同程度の位置に配置されたコイルが複数個あると、それらのコイルによって発生する磁場は原点からの距離fの組合せによってのみ決まるため、コイルの組合せによる磁場の調整がし易くなる。これによって、コイルの中心軸を通る断面上で見た時に、マイナス方向に通電されたコイル断面のほぼ中心を、円または楕円状に配置し、その円または楕円の半径方向外側、または、外側と内側にマイナス方向に通電されたコイルと同じ程度のαを持つ位置に、プラス方向に通電されたコイルの断面が来るように配置する。
【0084】
その結果、中心軸を通る断面で見た時に、マイナス方向に通電されたコイルの断面が配置されている円または楕円状の外側、或いは、外側と内側に、プラス方向に通電されたコイルの断面を円または楕円状に配置すると、少ないコイル数で高次の磁場の打消しが効率良くできるようになる。
【0085】
また、マイナス方向に通電されたコイルは中心磁場と逆向きの磁場を作る。そのため、均一度を得るためマイナス方向に通電されたコイルを使うと、NMR計測のための主磁場が打ち消され、それを補うためにプラス電流のコイルを大きくしなければならず、マグネット全体のサイズが大きくなる。
【0086】
マイナス方向に通電されたコイルを用いて、タンパク質の構造解析に必要な均一度を得て、かつ、マイナス方向に通電されたコイルが作る中心磁場と反対向きの磁場を最小限に抑え、マグネット全体のサイズを小さくするためには、マイナス方向に通電されたコイルを、磁場発生位置付近に集中させる。
【0087】
これを式(1)を使って説明する。原点からの距離f、電流−Iに通電されたコイルが発生する0次のz方向の磁場Bと、2次のz方向の磁場Bは、それぞれ次式で表される。
【0088】
【数6】
Figure 2004325252
【0089】
ここで、原点からの距離2fのコイルで、同じ2次の磁場Bを発生させるとする。それに必要な電流の大きさI’は、
【0090】
【数7】
Figure 2004325252
【0091】
となり、原点からの距離が2倍になると同じ磁場Bを作るために、8倍の電流が必要となることが分かる。また、この時、このコイルが作る中心磁場と逆向きの磁場B’は、
【0092】
【数8】
Figure 2004325252
【0093】
となり、原点からの距離が2fのコイルが作る中心磁場と反対向きの磁場の大きさは、原点からの距離fのコイルが作る中心磁場と反対向きの磁場の大きさの4倍となる。
【0094】
よって、マイナス方向に通電されたコイルの電流量を減らすため、かつ、中心磁場と反対向きの磁場を小さくし、マグネット全体のサイズを小さくするため、マイナス方向に通電されたコイルは、なるべく原点に近い位置に配置する。
【0095】
以上に述べてきたコイル配置が、直径1cm〜2cm程度の空間に1ppbオーダーの均一度を持った10T以上の強磁場を発生させるためには、磁場の性質上最も適しており、核磁気共鳴用マグネットのコイル配置に適している。
【0096】
【発明の実施の形態】
〔実施例 1〕
図1は、スプリット型マグネットを使用したNMR装置の概略断面図である。ソレノイド型の超電導マグネット1が水平方向に置かれており、装置上部から挿入され、鉛直方向に置かれたタンパク質試料の溶液サンプル9に、横方向から磁場が印加される。
【0097】
NMR信号の検出には、常温保持された銅製のソレノイド型プローブコイル8、または、5〜20Kに冷却されたY系またはMgBからなるソレノイド型プローブコイル8が用いられる。
【0098】
超電導マグネット1は、永久電流スイッチ5によって、永久電流モードに保たれており、超電導マグネット1を形成するそれぞれのコイルは、超電導接続6によって接続され、保護回路4によってクエンチ時に焼失しないよう保護されている。
【0099】
超電導マグネット1は、その冷却手段である液体ヘリウム3に浸漬されて低温に保持され、外側を液体窒素2で覆う二重構造として、ヘリウムの消費を節約する低温容器で構成されている。また、防振支持脚7によって、外部の振動が超電導マグネット1に伝わらないようにしてある。
【0100】
〔実施例 2〕
図15は、本実施例によるスプリット型マグネットのボビンに巻かれたコイルの斜視図である。超電導コイル93〜100は、それぞれボビンに巻回されている。ボビン中央部の空間をボアと呼び、径の大きなボビンのボアの中に径の小さなボビン入れ、また、そのボアの中にさらに小さな径のボビンが入った、入れ子構造をとっており、各超電導コイルはそれぞれの位置を保っている。図4は、ボビンを省略し超電導コイルのみを示す斜視図である。
【0101】
マグネットの中心軸23をほぼ中心となるように巻回された複数の超電導コイル16,17,18,19,20,21,22からなるコイル群が、ギャップを隔てて、左右ほぼ鏡面対称になるように配置されている。ギャップとボアの交差する位置に横方向の均一磁場が形成される。
【0102】
図4の中心軸を通る断面上で見たものが図16である。超電導コイル107,108は、中心軸方向に巻線部が重なるように配置されている。このマグネットを形成する超電導コイル20,22が、逆電流コイルである。
【0103】
このように逆電流コイルを用いることで、効率よく均一磁場を得ることができ、マグネット全体のコイル数が低減され、それぞれのコイルの大きさを小さくすることができるため、設置性に優れた装置を安価に提供できることになる。
【0104】
また、マグネットの中心軸23を通る断面上でコイル断面を見た時に、超電導コイル断面の中心と原点を結ぶ直線と、中心軸との角度をαと定義すると、超電導コイル20,22はα<α2、または、α1<α<α2の位置に配置され、他の超電導コイルが作る2次の不整磁場、または、他の超電導コイルが作る2次の不整磁場と4次の不整磁場を打ち消している。
【0105】
このような構成にすることで、スプリット型マグネットでも従来のソレノイド型マグネットと同等以上の、非常に均一な磁場を発生することができる。
【0106】
以上の実施例1,2に、本発明によるスプリット型コイル構成を用いたマグネットによるNMRシステムの概説と、マグネットを示した。以下の実施例では、NMRシステムの中で、超電導コイルの構成方法のみを開示した実施例を、マグネットの中心軸を通る断面図を使って示す。
【0107】
〔実施例 3〕
図5は、本実施例における中心軸を通る断面上で見た超電導コイル断面の配置を示す模式断面図である。
【0108】
超電導コイル24〜34および24’〜34’は、水平方向のマグネットの中心軸35に対しほぼ同心に配置され、左右のコイル群は、ほぼ共通な中心軸に対して巻回されており、垂直な中央面に対してはほぼ鏡面対称に配置している。
【0109】
左右の超電導コイル群の中心軸に近いコイルは、中心軸方向に巻線部が重なるように、それぞれ2個以上の超電導コイル28〜34(28’〜34’)が配置されている。このように、均一磁場空間に近い位置にあるコイルを細かく分け、位置や大きさを調整することで、均一磁場が得られ易くなる。超電導コイル32と34は、逆電流コイルであり、それぞれ、α<α2、または、α1<α<α2の位置に配置されて、他の超電導コイルが作る2次の不整磁場、または、他の超電導コイルが作る2次の不整磁場と4次の不整磁場とを打ち消している。
【0110】
また、超電導コイル27,28,29,30,31の内の少なくとも一つは、α<α1の領域に配置され、他の超電導コイルが作る4次の不整磁場を打ち消している。
【0111】
これにより、マグネット全体の不整磁場を効率よく打ち消すことができ、コイル中心位置に1ppbオーダーで均一な磁場を形成し、微弱な核磁気共鳴のシグナルを明確に測定できるようになり、タンパク質の構造解析が可能となる。
【0112】
〔実施例 4〕
図6は、本実施例における中心軸を通る断面上で見た超電導コイル断面の配置を示す模式断面図である。
【0113】
超電導コイル36〜43および36’〜43’は、水平方向の中心軸に対してほぼ同心に配置され、左右のコイル群はほぼ共通な中心軸に対して巻線されており、垂直な中央面に対してほぼ鏡面対称に配置している。
【0114】
左右の超電導コイル群の中心軸に近いコイルは、中心軸方向に巻線部が重なりを持つように配置されており、それぞれ2個以上の超電導コイル39〜43によって構成されている。超電導コイル39,40は、均一磁場を得やすくするために中心軸方向に分割されている。
【0115】
この内の超電導コイル41と42は逆電流コイルであり、それぞれ、α<α2、または、α1<α<α2の位置に配置され、他の超電導コイルが作る2次の不整磁場、または、他の超電導コイルが作る2次の不整磁場と4次の不整磁場とを打ち消している。
【0116】
また、超電導コイル39,40,43の内の少なくとも一つは、α<α1の領域に配置され、他の超電導コイルが作る4次の不整磁場を打ち消している。
【0117】
これにより、マグネット全体の不整磁場を効率よく打ち消すことができ、コイル中心位置に1ppbオーダーで均一な磁場を形成している。
【0118】
また、コイルの中心軸を通る断面で見た時に、コイル41,41および42,42の断面は、ある共通の円または楕円の弧に重なるように配置されている。このように磁場発生位置から、ある程度の距離を保つことで、余分な高次の不整磁場の発生を防いでいる。
【0119】
また、コイル41,41’および42,42’のコイル断面が配置されている円または楕円よりも、内側の領域に配置された超電導コイル43は、さらに高次の磁場を補正している。このような配置にすることで、均一な磁場を効率よく発生させることができる。
【0120】
〔実施例 5〕
本実施例では、磁場の性質に着目し、効率よく均一磁場を得るためのコイル配置を示す。
【0121】
図7は、本実施例におけるスプリット型マグネットの中心軸を通る断面上で見た、超電導コイル断面の配置を示す模式断面図である。
【0122】
超電導コイル44〜52および44’〜52’は、水平方向の中心軸に対してほぼ同心に配置されており、左右のコイル群は、ほぼ共通の中心軸に対して巻線されており、中央面に対してギャップを挟んで、ほぼ鏡面対称に配置されている。
【0123】
左右の超電導コイル群の中心軸に近いコイルは、中心軸方向に巻線部が重なるように配置された複数の超電導コイル48〜52によって構成されており、この内超電導コイル49,49’および50,50’は、逆電流コイルであり、それぞれ、α<α2、または、α1<α<α2に配置されている。
【0124】
これにより、他の超電導コイルが作る2次の不整磁場、または他の超電導コイルが作る2次の不整磁場および4次の不整磁場を打ち消している。
【0125】
超電導コイル47,48,51,52の内の少なくとも一つは、α<α1の領域に配置され、他の超電導コイルが作る4次の不整磁場を打ち消している。これにより、マグネット全体の不整磁場を効率よく打ち消すことができ、コイル中心位置に1ppbオーダーで均一な磁場を形成している。
【0126】
また、コイルの中心軸を通る断面でコイルの断面を見た時に、超電導コイル49,49’,50,50’の断面は、ある共通の円または楕円の弧に重なるように配置されている。そして、その円または楕円の外側に超電導コイル46,46’,47,47’,48,48’の断面が、ある円または楕円の弧に重なるように配置され、内側に超電導コイル51,51’,52,52’の断面が、ある円または楕円の弧に重なるように配置されている。
【0127】
このように、中心軸を通る断面上で、コイル断面が円または楕円状に配置されている超電導コイルを、通電電流方向が互いに逆向きになるように、円または楕円の半径方向に交互に配置することで、効率的に高次の磁場まで打ち消すことが可能になり、均一な磁場を発生させることができる。
【0128】
核磁気共鳴の計測に必要な、1ppbオーダーの均一度を持った10T以上の強磁場を、直径1cm〜2cm程度の空間に、効率よく発生させるためには、磁場の性質上このような配置が適している。
【0129】
〔実施例 6〕
本実施例では、マグネットを製作し易くするため、コイル数がなるべく少なく、かつ、効率よく均一磁場を得るためのコイル配置を示す。
【0130】
図8は、本実施例における中心軸を通る断面上で見た超電導コイル断面の配置を示す模式断面図である。
【0131】
超電導コイル53〜59および53’〜59’は、水平方向の中心軸に対してほぼ同心に配置され、左右のコイル群はほぼ共通の中心軸に対して巻線されており、中央面に対してギャップを挟んで、ほぼ鏡面対称に配置されている。
【0132】
左右の超電導コイル群の超電導コイル57,58は中心軸に沿って巻線部が重なるように配置されている。超電導コイル58,59は逆電流コイルであり、それぞれ、α<α2、または、α1<α<α2に配置されており、他の超電導コイルが作る2次の不整磁場、または、他の超電導コイルが作る2次の不整磁場と4次の不整磁場とを打ち消している。
【0133】
また、超電導コイル56、57の内の少なくとも一つはα<α1に配置されており、他の超電導コイルが作る4次の不整磁場を打ち消している。これにより、マグネット全体の不整磁場を効率よく打ち消すことができ、コイル中心位置に1ppbオーダーで均一な磁場を形成している。
【0134】
また、コイルの中心軸を通る断面でコイル断面を見た時に、超電導コイル58,58’および59,59’の断面は、ある共通の円または楕円の弧に重なるように配置されている。そして、その外側に超電導コイル55,55’,56,56’,57,57’の断面は、ある円または楕円の弧に重なるに配置されている。これにより、より少ないコイル数で、マグネット全体の不整磁場を効率よく打ち消している。
【0135】
また、逆電流コイル58,59は、その他の超電導コイルよりも磁場発生位置に近い位置に配置されている。
【0136】
これにより、逆電流コイルが作る中心磁場と反対向きの磁場の大きさが小さくでき、マグネット全体のサイズを小さくすることができる。
【0137】
このような配置にすることで、少ないコイル数でもコイル中心位置に1ppbオーダーで均一な磁場を形成することができ、さらにマグネットの大きさを小さくすることができる。
【0138】
〔実施例 7〕
本実施例では、最も実現性が高く、マグネットを製作しやすくするため、コイル数がなるべく少なく、かつ、効率よく均一磁場を得るためコイル配置を示す。
【0139】
図9は、本実施例における中心軸を通る断面上で見た超電導コイル断面の配置を示す模式断面図である。
【0140】
超電導コイル60〜66および60’〜66’は、水平方向の中心軸に対してほぼ同心に配置され、左右のコイル群はほぼ共通の中心軸に対して巻線されており、中央面に対してギャップを挟んで、ほぼ鏡面対称に配置している。
【0141】
左右の超電導コイル群の超電導コイル64,65は中心軸に沿って、巻線部が重なるように配置されている。超電導コイル65,66は逆電流コイルであり、それぞれ、α<α2、または、α1<α<α2に配置されており、他の超電導コイルが作る2次の不整磁場、または、他の超電導コイルが作る2次の不整磁場と4次の不整磁場とを打ち消している。
【0142】
また、超電導コイル63,64の少なくとも一つはα<α1に配置されており、他の超電導コイルが作る4次の不整磁場を打ち消している。また、コイルの中心軸を通る断面上で、超電導コイル65,65’および66,66’の断面は、ある共通の円または楕円の弧に重なるように配置されている。
【0143】
このように、均一磁場空間からある程度距離を保つことで余分な高次の不整磁場の発生を防ぐ。そして、その外側に超電導コイル62,62’,63,63’,64,64’の断面が、ある円または楕円の弧に重なるように配置されている。
【0144】
これにより、より少ないコイル数で、マグネット全体の不整磁場を効率よく打ち消すことができ、コイル中心位置に1ppbオーダーで均一な磁場を形成している。
【0145】
また、逆電流コイル65,66は、その他の超電導コイルよりも磁場発生位置に近い位置に配置されている。これにより、逆電流コイルが作る中心磁場と、反対向きの磁場の大きさが小さくでき、マグネット全体のサイズを小さくすることができる。
【0146】
また、コイルの中心軸から遠い距離にある超電導コイル60は、主磁場と同じ向きの磁場を作っており、α2<α、または、α3<αに配置されていて、他の超電導コイルが作る2次の不整磁場、または、他の超電導コイルが作る2次の不整磁場と4次の不整磁場とを打ち消している。
【0147】
超電導コイル60をこのように配置すれば、磁場発生位置に近い位置にあるマイナス方向に通電されたコイルと同じ働きをするため、マイナス方向の電流量を小さくすることができる。
【0148】
よって、マイナス方向の電流が作る中心磁場と逆向きの磁場を小さくすることができ、マグネットのサイズを小さくすることができる。
【0149】
〔実施例 8〕
NMR装置は、漏洩磁場が小さいことが望ましい。従って、漏洩磁場のシールド方法を含めた本発明の実施例を次に示す。
【0150】
図10は、本実施例における中心軸を通る断面上で見た超電導コイル断面の配置を示す模式断面図である。
【0151】
超電導コイル160〜166はマグネット中央に均一な磁場を発生する。本実施例では、超電導コイル165と166が逆電流コイルであり、マグネット全体で1ppbオーダーの均一な磁場を発生している。超電導コイル167,167’はアクティブシールドコイルであって、外部へ磁場の漏れを小さく抑制している。
【0152】
〔実施例 9〕
図11は、本実施例における中心軸を通る断面上で見た超電導コイル断面の配置をおよび漏洩磁場シールドのための強磁性体を示す模式断面図である。
【0153】
超電導コイル173〜179はマグネット中央に均一な磁場を発生する。本実施例では超電導コイル178と179が逆電流コイルである。
【0154】
円筒状強磁性体171および円盤状強磁性体172は磁路を形成し、超電導コイル群が発生する磁場が外部に漏れるのを抑制している。
【0155】
〔実施例 10〕
図12は、本実施例における中心軸を通る断面上で見た超電導コイル断面の配置をおよび漏洩磁場シールドのための強磁性体を示す模式断面図である。
【0156】
超電導コイル184〜188はマグネット中央に均一な磁場を発生する。均一磁場空間に最も近い超電導コイル188が逆電流コイルである。逆電流コイルの数は少ないほうが、中心磁場の打消しが少ないため全体としてマグネットのサイズを小さくできる。超電導コイル186と187は磁場の調整のため分割されている。
【0157】
超電導コイル183、182は磁場が半径方向外側に漏れることを抑制し、円盤状強磁性体181は、磁場が軸方向に漏れることを抑制している。
【0158】
〔実施例 11〕
図13は、本実施例における、中心軸を通る断面上で見た超電導コイル断面の配置をおよび漏洩磁場シールドのための強磁性体を示す模式断面図である。
【0159】
超電導マグネット194〜200はマグネット中央部に均一な磁場を発生する。超電導コイル199と200が逆電流コイルである。196と197は磁場調整のため分割されている。
【0160】
超電導コイル192,193は磁場が軸方向に漏れることを抑制し、円筒状強磁性体191は、磁場が半径方向に漏れることを抑制している。
【0161】
以上、実施例に基づき本発明を説明してきた。前述の各実施例では、マグネット内部のコイルは全て超電導コイルであるが、本発明は超電導コイルのみに限定されるものではなく、例えば、銅線などを用いたコイルであってもよく、更に、電流を搬送できるものであれば、如何なるものでも良い。
【0162】
また、静磁場発生源の起磁力源に永久磁石を使っても良い。製作誤差や設置誤差による磁場の乱れを補正するためのシムコイルを備えていても良い。スプリットマグネットの左右のコイル群は、ほぼ鏡面対称に配置されている。より良い均一度を得るために、鏡面対称に配置するのが望ましい。
【0163】
【発明の効果】
本発明によれば、スプリット型マグネットを用いた溶液分析用NMR装置の計測空間に、1ppbオーダーで均一な磁場を発生し、この領域にマグネットのスプリットギャップを利用して、ソレノイド型のプローブコイルを挿入することができる。例えば、800MHzの装置であっても、従来の1GHz級NMR装置と同等のSN感度を持った計測が可能となる。
【0164】
更に、中心磁場強度が比較的低いことから、漏洩磁場のシールドが可能となり、設置性が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスプリット型マグネットを使用したNMR装置の概略断面図である。
【図2】電流と磁場の位置関係を示す座標図である。
【図3】コイルとz軸との角度αの関係を示す座標図である。
【図4】実施例2によるスプリット型マグネットのコイル配置の斜視図である。
【図5】実施例3によるスプリット型マグネットのコイル配置の断面図である。
【図6】実施例4によるスプリット型マグネットのコイル配置の断面図である。
【図7】実施例5によるスプリット型マグネットのコイル配置の断面図である。
【図8】実施例6によるスプリット型マグネットのコイル配置の断面図である。
【図9】実施例7によるスプリット型マグネットのコイル配置の断面図である。
【図10】実施例8によるスプリット型マグネットのコイル配置および漏洩磁場シールド用コイル配置の断面図である。
【図11】実施例9によるスプリット型マグネットのコイル配置および漏洩磁場シールド用強磁性体の断面図である。
【図12】実施例10によるスプリット型マグネットのコイル配置,漏洩磁場シールド用強磁性体および漏洩磁場シールド用コイル配置の断面図である。
【図13】実施例11によるスプリット型マグネットのコイル配置および漏洩磁場シールド用強磁性体および漏洩磁場シールド用コイル配置の断面図である。
【図14】従来のNMR装置の概略断面図である。
【図15】実施例2によるスプリット型マグネットのボビンに巻かれたコイルの斜視図である。
【図16】実施例2によるスプリット型マグネットのコイル配置の断面図である。
【符号の説明】
15〜22,24〜34,36〜49,51〜66,68〜72,81〜84,93〜100,102〜108,160〜166,173〜179…超電導コイル、182,183,192,193,167…超電導シールドコイル、171,191…円筒状強磁性体、172,181…円盤状強磁性体、1…超電導マグネット、2,88…液体窒素、3,87…液体ヘリウム、4,90…保護回路、5,91…永久電流スイッチ、6,89…超電導接続、7,86…防振支持脚、8…ソレノイド型プローブコイル、85…鞍型または鳥籠型のプローブコイル、9,92…溶液サンプル、11…導体、12…z軸との角度α1=arccos√(7+2√7/21)に位置する直線、13…z軸との角度α2=arccos√(1/√5)に位置する直線、14…z軸との角度α3=arccos√(7−2√7/21)に位置する直線、23,35,98,109…マグネットの中心軸、101…ボビン。

Claims (20)

  1. ある軸を共通の中心軸となるように巻回された複数のコイルから構成される第1のコイル群と、前記中心軸を共通の中心軸として巻回された複数のコイルから構成される第2のコイル群があり、前記第1コイル群および第2コイル群は、ある空間を隔てて対向するように配置されており、この空間を以下ギャップと定義すると、前記ギャップ内に計測領域が形成されている核磁気共鳴装置用マグネットであって、主磁場と反対向きの磁場を発生する方向に通電されたコイルを逆電流コイルと定義すると、前記第1コイル群および第2コイル群を構成するコイルの内、最大巻半径を有するコイルを除き、少なくとも1つのコイルが逆電流コイルであることを特徴とする核磁気共鳴用マグネット。
  2. 前記中心軸方向から前記第1コイル群または第2コイル群を見た時に、巻線部が重なるように中心軸方向に配置されたコイル群を含む請求項1に記載の核磁気共鳴用マグネット。
  3. 前記巻線部が重なるように配置されたコイル群が、中心軸に近い領域に配置されている請求項2に記載の核磁気共鳴用マグネット。
  4. 前記巻線部が重なるように中心軸方向に配置されたコイルのうち、少なくとも一つのコイルが逆電流コイルで構成されている請求項3に記載の核磁気共鳴用マグネット。
  5. 巻線部が重なるように配置されたコイル郡を層と定義した時、中心軸側に第一の逆電流コイルを含む層を形成し、その外側に、第二の逆電流コイルを含む層を形成し、前記第二の逆電流コイルの位置を前記第一の逆電流コイルよりもギャップに近い位置に配置したことを特徴とする核磁気共鳴用マグネット。
  6. 前記中心軸を通る断面上でコイル断面を見た時、均一磁場が形成されている計測空間を原点と定義し、コイル断面の中心と原点を結ぶ直線と中心軸との成す角をαと定義すると、前記逆電流コイルの断面がα<63.43°となる位置に配置されている請求項1〜5のいずれかに記載の核磁気共鳴用マグネット。
  7. 前記中心軸を通る断面上でコイル断面を見た時、前記中心軸に近い位置にあるコイルのうち、逆電流コイルの少なくとも一つが、α<40.09°となる位置に配置されている請求項1〜6のいずれかに記載の核磁気共鳴用マグネット。
  8. 前記中心軸を通る断面上でコイル断面を見た時、前記逆電流コイルの断面が、ある共通の円または楕円の弧に重なるように配置されている請求項5,6または7に記載の核磁気共鳴用マグネット。
  9. 前記中心軸を通る断面上でコイル断面を見た時の、前記逆電流コイルの全ての断面が、配置されている円または楕円の内側と外側または外側に、主磁場と同じ向きの磁場を発生するコイルの断面が、ある共通の円または楕円の弧に重なるように配置されている請求項8に記載の核磁気共鳴用マグネット。
  10. 前記逆電流コイルが、その他の主磁場と同じ向きの磁場を発生するコイルよりも磁場発生位置に近い位置に配置されている請求項1〜9のいずれかに記載の核磁気共鳴用マグネット。
  11. 中心軸からの距離が遠いコイルで主磁場と同じ向きの磁場を発生するコイルの内、少なくとも一つがα>73.43°となる位置に配置されている請求項1〜10のいずれかに記載の核磁気共鳴用マグネット。
  12. 第1および第2の多層コイル群は、対向面に鏡面対称に配置されている請求項1〜11のいずれかに記載の核磁気共鳴用マグネット。
  13. 漏洩磁場をシールドするためのシールドコイル、および/または、漏洩磁場をシールドするための強磁性体を備えている請求項1〜12のいずれかに記載の核磁気共鳴用マグネット。
  14. 円筒状強磁性体とシールドコイルを用いた請求項13に記載の核磁気共鳴用マグネット。
  15. 円盤状強磁性体とシールドコイルを用いた請求項13に記載の核磁気共鳴用マグネット。
  16. 製作誤差や設置誤差等による均一磁場の乱れを補正するためのシムコイルを内側、または、内側と外側に備えている請求項1〜15のいずれかに記載の核磁気共鳴用マグネット。
  17. コイルが超電導特性を有する物質からなり、該コイルが超電導特性を示す温度以下に該コイルを冷却する冷却手段を有している請求項1〜16にいずれかに記載の核磁気共鳴用マグネット。
  18. 請求項1〜17のいずれかに記載の核磁気共鳴用マグネットを用いたことを特徴とする核磁気共鳴分析装置。
  19. スプリット型マグネットを備え、前記スプリット型マグネットを構成するコイルのうち少なくとも一つのコイルが他のコイルと逆向きの磁場を発生する逆電流コイルであることを特徴とする核磁気共鳴分析装置。
  20. 1ppbオーダーを一桁台の数値と定義したとき、磁場の均一度が1ppbオーダー、望ましくは1〜2ppbである請求項19記載の核磁気共鳴分析装置。
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