JP2010272633A - 超電導マグネット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】磁場発生用主コイル2である第1のコイル群と、前記第1のコイル群と同軸に配置され前記第1のコイル群と逆方向の磁場を発生し、外部に漏洩する磁場を打ち消すシールドコイル3である第2のコイル群とを備える超電導マグネットにおいて、前記第2のコイル群の軸方向の配置は、前記第2のコイル群が前記第1のコイル群から受ける軸方向の電磁力と、前記第2のコイル群が発生する軸方向の電磁力とが均衡し相殺する位置である。
【選択図】図1
Description
その結果、一般に、主コイル2は磁場発生領域に最も近いR座標が小さい内筒面に張り付くように配置され、シールドコイル3は磁場発生領域1に最も遠い、R座標及びZ座標が最大の点(図13において、マグネット内部領域の四隅)に張り付くように配置される。シールドコイル3は逆極性のコイルであることから、磁場発生領域1の磁場をも打ち消す効果を有しており、磁場発生領域1から離した方が効率的に磁場を発生できる。このような配置が最も超電導線使用量に対する効率がよいため、超電導線の量を少なくすることができるからである。
図1は、本発明の実施の形態1の超電導マグネットにおけるZ軸に平行な断面を示す図である。なお、各図において、同一符号は同一又は相当部分を示し、その説明の一部を省略する。図1において、1はマグネットにより磁場を出力する磁場発生領域、2は磁場発生領域に所望の磁場を発生させる主コイル、3は外部に漏洩する磁場を打ち消すシールドコイルである。シールドコイル3は主コイル2のZ軸と同軸に配置され、主コイル3より外側(Z方向に垂直であるR方向の半径が大)に配置されている。主コイル2及びシールドコイル3は、例えばニオブチタン及び銅からなる超電導線材を巻きまわし、エポキシ樹脂で固定した構造を有しており、それぞれ主巻枠21及びシールド巻枠31に巻きつけられてヘリウム槽43内に収納されて一定の位置に保持されている。シールド巻枠31は、シールド巻枠支持部材33により主巻枠21と連結され結合されている。前記コイルは極低温に冷却することで超電導状態となる。
図4は実施の形態2の超電導マグネットにおけるZ軸に平行な面の断面図である。図5は図4のZ軸に垂直な面の断面図である。実施の形態2における超電導マグネットは、主コイル2,主巻枠21,シールドコイル3,シールド巻枠31,ヘリウム槽フランジ41,ヘリウム槽外筒42,熱シールド45,真空槽46,冷凍機47及びサービスポート48を有する点で実施の形態1と共通している。また、シールドコイル3の配置については、超電導線の使用量の増加を抑えつつ、シールドコイル3に働くZ方向電磁力を最小化する位置にシールドコイル3を配置するために、Zs/Zmを0.73程度にする点で実施の形態1と共通する。
図6は実施の形態3の超電導マグネットにおけるZ軸に平行な面の断面図である。図7は図6のZ軸に垂直な面の断面図である。実施の形態3における超電導マグネットは、主コイル2,主巻枠21,シールドコイル3,シールド巻枠31,ヘリウム槽フランジ41,ヘリウム槽外筒42,熱シールド45,真空槽46,冷凍機47及びサービスポート48を有する点で実施の形態1と共通している。また、シールドコイル3の配置については、超電導線の使用量の増加を抑えつつ、シールドコイル3に働くZ方向電磁力を最小化する位置にシールドコイル3を配置するために、Zs/Zmを0.73程度にする点で実施の形態1と共通する。
図8は実施の形態4の超電導マグネットの構造を示す断面図である。実施の形態1と異なる点を説明する。実施の形態4では、シールド巻枠36の形状が他の実施の形態と異なる。図9にシールド巻枠36及びシールドコイル3の斜視断面図を示す。シールド巻枠36は、Z軸方向に大きくせり出し、ヘリウム槽フランジ41との接合部分51を有し、接合部分51においてヘリウム槽フランジ41に連結結合される。連結部分は、溶接により固定される。ボルト締め等他の結合手段で結合してもよい。実施の形態4においても、他の実施の形態と同様、シールドコイル3をZ方向の電磁力の小さい場所に配置することで、支持構造を簡略化することができる。これにより使用する巻枠と支持部材の量が大幅に減少し、部材調達,加工,冷却に係るコストを低減することができ、さらに軽量化を図ることができる。
図10は実施の形態5の超電導マグネットの構造を示す断面図である。実施の形態1と異なる点を説明する。実施の形態5では、図11で示すように、シールド巻枠37の形状が他の実施の形態と異なる。シールド巻枠37は、他の実施の形態におけるシールド巻枠31及び36に比べて、シールド巻枠37のフランジ部が高い構造を有しており、そのフランジ部の端(接合部分52)をヘリウム槽外筒42の内面に接合する。接合部分52とヘリウム槽外筒42は、溶接により直接固定する。ボルト締め等他の結合手段で結合してもよい。シールド巻枠37のフランジ面にはヘリウム通り孔53が設けられ、孔53を通って液体ヘリウムが直接シールドコイル3に触れシールドコイル3を冷却する。実施の形態5においても、他の実施の形態と同様、シールドコイル3をZ方向の電磁力の小さい場所に配置することで、シールド巻枠37や支持構造を簡略化することができる。これにより使用する巻枠と支持部材の量が大幅に減少し、部材調達,加工,冷却に係るコストを低減することができ、さらに軽量化を図ることができる。
2a センターコイル 2b ミドルコイル
2c サイドコイル 3 シールドコイル
21 主巻枠 31 シールド巻枠
33 シールド巻枠支持部材 34 シールド巻枠支持部材
35 梁 36 シールド巻枠
37 シールド巻枠 41 ヘリウム槽フランジ
42 ヘリウム槽外筒 43 ヘリウム槽
44 液体ヘリウム 45 熱シールド
46 真空槽 47 冷凍機
48 サービスポート 51 接合部分
52 接合部分 53 液体ヘリウム通り孔
Claims (10)
- 磁場発生用主コイルである第1のコイル群と、前記第1のコイル群と同軸に配置され前記第1のコイル群と逆方向の磁場を発生し、外部に漏洩する磁場を打ち消すシールドコイルである第2のコイル群とを備える超電導マグネットにおいて、前記第2のコイル群の軸方向の配置は、前記第2のコイル群が前記第1のコイル群から受ける軸方向の電磁力と、前記第2のコイル群が発生する軸方向の電磁力とが均衡し相殺する位置であることを特徴とする超電導マグネット。
- 磁場発生用主コイルである第1のコイル群と、前記第1のコイル群と同軸に配置され前記第1のコイル群と逆方向の磁場を発生し、前記第1のコイル群から外部に漏洩する磁場を打ち消すシールドコイルである第2のコイル群とを備える超電導マグネットにおいて、
前記第1のコイル群が発生する磁場発生領域の中心を原点とするとき、
前記第2のコイル群の軸方向の配置は、前記第2のコイル群の軸方向の最外端の軸方向座標が、前記第1のコイル群の軸方向の最外端の軸方向座標の0.63〜0.87倍の範囲内にあることを特徴とする超電導マグネット。 - 前記第2のコイル群の軸方向の最外端の軸方向座標が、前記第1のコイル群の軸方向の最外端の軸方向座標の0.73〜0.87倍の範囲内にあることを特徴とする請求項2記載の超電導マグネット。
- 前記第2のコイル群の軸方向の最外端の軸方向座標が、前記第1のコイル群の軸方向の最外端の軸方向座標の0.63〜0.81倍の範囲内にあることを特徴とする請求項2記載の超電導マグネット。
- 前記第2のコイル群の軸方向の最外端の軸方向座標が、前記第1のコイル群の軸方向の最外端の軸方向座標の0.73〜0.81倍の範囲内にあることを特徴とする請求項4記載の超電導マグネット。
- 前記第1のコイル群を保持する第1の巻枠と、
前記第2のコイル群を保持する第2の巻枠と、
環状円盤形の巻枠支持部材とを備え、
前記環状円盤形の巻枠支持部材により前記第1の巻枠と前記第2の巻枠を結合する請求項1〜5のいずれか1項に記載の超電導マグネット。 - 前記第1のコイル群を保持する第1の巻枠と、
前記第2のコイル群を保持する第2の巻枠と、
板状の巻枠支持部材とを備え、
前記板状の巻枠支持部材により前記第1の巻枠と前記第2の巻枠を結合する請求項1〜5のいずれか1項に記載の超電導マグネット。 - 前記第1のコイル群を保持する第1の巻枠と、
前記第2のコイル群を保持する第2の巻枠と、
梁状の巻枠支持部材とを備え、
前記梁状の巻枠支持部材と前記第2の巻枠を結合する請求項1〜5のいずれか1項に記載の超電導マグネット。 - 前記第1のコイル群を保持する第1の巻枠と、
前記第2のコイル群を保持する第2の巻枠と、
内部に前記第1のコイル群と前記第2のコイル群を収納し液体ヘリウムを貯蔵するヘリウム槽とを備え、
前記ヘリウム槽の側壁と前記第2の巻枠を結合し、前記ヘリウム槽で前記第2の巻枠を支持する請求項1〜5のいずれか1項に記載の超電導マグネット。 - 前記第1のコイル群を保持する第1の巻枠と、
前記第2のコイル群を保持する第2の巻枠と、
内部に前記第1のコイル群と前記第2のコイル群を収納し液体ヘリウムを貯蔵するヘリウム槽とを備え、
前記ヘリウム槽の外筒と前記第2の巻枠を結合し、前記ヘリウム槽の外筒で前記第2の巻枠を支持する請求項1〜5のいずれか1項に記載の超電導マグネット。
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