JP2013190424A - 補正巻線を有する傾斜磁場コイルシステム及びその製造方法 - Google Patents

補正巻線を有する傾斜磁場コイルシステム及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013190424A
JP2013190424A JP2013034470A JP2013034470A JP2013190424A JP 2013190424 A JP2013190424 A JP 2013190424A JP 2013034470 A JP2013034470 A JP 2013034470A JP 2013034470 A JP2013034470 A JP 2013034470A JP 2013190424 A JP2013190424 A JP 2013190424A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
gradient
magnetic field
correction
coil system
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013034470A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5512003B2 (ja
Inventor
Schimun Denoth
デノス シムン
Buttazzoni Silvia
ブッタツォニ シルビア
Thomas Speck
スペック トーマス
Wilhelm Dirk
ヴィルヘルム ディルク
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bruker Biospin SAS
Original Assignee
Bruker Biospin SAS
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bruker Biospin SAS filed Critical Bruker Biospin SAS
Publication of JP2013190424A publication Critical patent/JP2013190424A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5512003B2 publication Critical patent/JP5512003B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
    • G01R33/28Details of apparatus provided for in groups G01R33/44 - G01R33/64
    • G01R33/38Systems for generation, homogenisation or stabilisation of the main or gradient magnetic field
    • G01R33/385Systems for generation, homogenisation or stabilisation of the main or gradient magnetic field using gradient magnetic field coils
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
    • G01R33/28Details of apparatus provided for in groups G01R33/44 - G01R33/64
    • G01R33/38Systems for generation, homogenisation or stabilisation of the main or gradient magnetic field
    • G01R33/387Compensation of inhomogeneities
    • G01R33/3875Compensation of inhomogeneities using correction coil assemblies, e.g. active shimming
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
    • G01R33/28Details of apparatus provided for in groups G01R33/44 - G01R33/64
    • G01R33/42Screening
    • G01R33/421Screening of main or gradient magnetic field
    • G01R33/4215Screening of main or gradient magnetic field of the gradient magnetic field, e.g. using passive or active shielding of the gradient magnetic field
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
    • G01R33/44Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance using nuclear magnetic resonance [NMR]
    • G01R33/48NMR imaging systems
    • G01R33/54Signal processing systems, e.g. using pulse sequences ; Generation or control of pulse sequences; Operator console
    • G01R33/56Image enhancement or correction, e.g. subtraction or averaging techniques, e.g. improvement of signal-to-noise ratio and resolution
    • G01R33/565Correction of image distortions, e.g. due to magnetic field inhomogeneities
    • G01R33/56518Correction of image distortions, e.g. due to magnetic field inhomogeneities due to eddy currents, e.g. caused by switching of the gradient magnetic field
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
    • G01R33/28Details of apparatus provided for in groups G01R33/44 - G01R33/64
    • G01R33/38Systems for generation, homogenisation or stabilisation of the main or gradient magnetic field
    • G01R33/385Systems for generation, homogenisation or stabilisation of the main or gradient magnetic field using gradient magnetic field coils
    • G01R33/3858Manufacture and installation of gradient coils, means for providing mechanical support to parts of the gradient-coil assembly
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T29/00Metal working
    • Y10T29/49Method of mechanical manufacture
    • Y10T29/49002Electrical device making
    • Y10T29/49004Electrical device making including measuring or testing of device or component part

Abstract

【課題】核磁気共鳴用のコイル構成体を提供する。
【解決手段】主コイル13、遮蔽コイル14、及び少なくとも1つの補正コイル41を備え、補正コイルの機能が、渦電流特性が可能な限り良好である磁場傾斜を形成することにあるコイル構成体であり、主コイル13及び遮蔽コイル14は、補正コイル41と直列に電気的に接続される。これによって、製造公差により発生する所望の設計からの残留磁場の偏差は、長く存続する渦電流が抑制されるようにして補正コイルによって修正される。これは、傾斜磁場パルスの後で所定の場均一性が得られる前の消滅しなければならない待機時間を低減し、あるいは例えば、画像応用において所望の場からの偏差が最小限に抑えられる。
【選択図】図4a

Description

本発明は、磁気共鳴デバイスに使用するための能動的に遮蔽された傾斜磁場コイルシステムに関し、このシステムは、z軸の方向に向いている主磁場を発生させる主界磁石を備え、傾斜磁場コイルシステムは、電流が流れたときに、z軸が通り抜けて延びる測定容積内に傾斜磁場を発生させ、傾斜磁場コイルシステムは、主コイル、遮蔽コイル、及び少なくとも1つの補正コイルを備え、電流が流れたときに傾斜磁場に寄与する主コイル及び遮蔽コイルの能動的導体要素夫々が、z軸に垂直な平面において空間領域を占め、主コイルによって占められる部分的領域が、z軸に対して径方向にr_min_1(z)からr_max_1(z)まで延在し(ここで、r_min_1(z)≦r_max_1(z)である)、遮蔽コイルによって占められる部分的領域が、z軸に対して径方向にr_min_2(z)からr_max_2(z)まで延在し(ここで、r_max_1(z)≦r_min_2(z)≦r_max_2(z)である)、前述の径方向の部分的領域は、能動的導体要素によってz軸に対する方位角範囲の半分を超えて占有され、補正コイルの能動的導体要素は、z軸に垂直な平面において、主コイルの径方向の部分的領域の外側と、遮蔽コイルの径方向の部分的領域の外側とに配置される。
このタイプの傾斜磁場コイルシステムは、例えば米国特許第5,742,164号([特許文献4][7])に開示されている。
図3は、[特許文献4][7]に記載されている従来技術を原理的に示す。
さらに径方向の部分的領域r_min_n(z)からr_max_n(z)を遮蔽コイルが占有することができ、ここでr_max_(n−1)(z)≦r_min_n(z)≦r_max_n(z)、n>2は自然数であるが、これは[特許文献4][7]に開示されていない。さらなる径方向の部分的領域を占める遮蔽コイルは、例えば[非特許文献6][11]の図1に示されているように、専門家にはよく知られている。
磁気共鳴を利用する核磁気共鳴分光法と、さらに磁気共鳴映像法(MRI)、又は拡散測定は現在、磁場傾斜NMR(パルス化磁場傾斜NMR、すなわちPFG−NMR)を使用して実施されている。傾斜磁場コイルシステムは、局所的に不均等な(通常は、1つ又は複数の軸において線形の)過渡的磁場を特定の測定容積(11)内に発生させる。この線形磁場の振幅及び持続時間は、実験の際に制御される。磁場傾斜NMRの利点と、これが非常に複雑なNMR実験の実施を可能にする理由とは、NMR文献[非特許文献4][8]、[非特許文献9][16]に開示されている。
傾斜磁場コイルシステム内の電流は、非常に短い時間内(数十マイクロ秒程度)でオンに切り替えられ、ある一定の持続時間後(通常は数ミリ秒後)に再びオフに切り替えられる。オン及びオフに切替え時に、渦電流が付近の導電構造物中に励起される。これらの電流は、その一部で、測定容積内に時間依存性の磁場を形成し、これにより時間不変性の磁場(主磁場)が増加する。NMR信号はその影響を受け、ある特定の状況下では完全に消去されることさえあり得る。NMR信号の回復には場合により長時間を要することがあり、これは、複雑なNMR実験にとって、大きな障害になる。傾斜磁場は、複雑なパルス列内で、オフへの切り替えごとに数回使用されることが多く、ある一定の待ち時間が、高周波(RF)パルスが次に来る前に予定される。この待ち時間は、緩和過程を通じて磁化が減少するので、実験にとって不都合である。例えばタンパク質などの大きい分子では緩和時間が短く、この理由から、待ち時間は特に不都合な影響を及ぼす。
図10は、タンパク質の研究及び構造解析に使用される複雑なパルス列の一例を示す[非特許文献9][16]。このNMR実験では、H、H、13C及び15Nの原子核の共鳴周波数で、間をおかずに時間的に連続して傾斜磁場パルスと共にRFパルスが印加される。このパルス列では、15Nの第1の励起パルスと取得の開始との間に傾斜磁場パルスが16回切り替えられ、各傾斜磁場パルスの後において待ち時間がどれだけ実験の全持続時間に影響を及ぼし得るかが示されている。その反面、このような実験の結果の質は、これらの待ち時間が十分に長くない場合には、傾斜磁場によって誘導される渦電流により発生するアーチファクトにより極めて悪くなる。
傾斜磁場によって誘導される渦電流が回避されなければならない別の一応用分野は、拡散定数を決定するために磁場傾斜スピンエコーを用いる実験に関係する。参照文献[非特許文献5][10]は、磁場傾斜スピンエコーNMR実験(パルス化傾斜磁場スピンエコー、すなわちPGSE)の際の、傾斜磁場によって誘導される渦電流による歪み信号の悪影響について広範に報告している。この強力な方法では、拡散定数に基づいて化学物質の混合物解析を行う。拡散係数の厳密な決定は、NMRスペクトル内のアーチファクトが少ない場合においてのみ可能である。渦電流により発生する信号歪みは、この方法の最大の障害の1つである。
したがって、傾斜磁場により誘導される渦電流に関する最適化は、傾斜磁場コイルシステムの製造における重要な課題である。
[2]米国特許第4,737,716号公報 [3]米国特許第4,978,920号公報 [4]米国特許第4,896,129号公報 [7]米国特許第5,742,164号公報 [9]米国特許第6,456,076号公報 [12]米国特許第7,069,195号公報 [13]米国特許第7,230,426号公報
[1]R.ターナー、「最適コイル設計の目標磁場手法」、J.Phys.D 応用物理学、第19巻、(1986年) [5]C.B.アーン、Z.H.チョー、「核磁気共鳴における渦電流により誘発されるアーチファクトの解析及び時間補償」、医用画像に関するIEEE紀要 第10巻、第1号、(1991年) [6]R.ターナー、「傾斜磁場コイル設計 方法の再検討」、磁気共鳴映像法 第11巻、(1993年) [8]T.パレラ、「パルス磁場傾斜 定常的NMRのための新しいツール」、化学における磁気共鳴 36号、(1998年) [10]B.アンタレク、「化学混合物分析のためのパルス磁場傾斜スピンエコーNMRの使用 最良の結果を得るための方法」、撮像材料と媒体研究及び開発、イーストマンコダック社、ロチェスター、(2002年) [11]R.A.レムディアソフ、R.ラドヴィグ、「傾斜磁場コイル設計のための流れ関数法」、磁気共鳴の概念パートB 26B(1)、(2005年) [14]H.サンチェス‐ロペス、M.プール、S.クロージャー、「無限長の厚い円筒に任意の形状のコイルによって誘導される渦電流シミュレーション」、磁気共鳴ジャーナル 207号、(2010年) [15]J.ジン、「磁気共鳴映像法における電磁解析及び設計」、CRCプレス、(1999年) [16]J.カバナー、W.J.フェアブラザー、A.G.パルマーIII世、M.ランス、N.J.スケルトン、「タンパク質NMR分光計 原理及び実践」、エルゼビア、第2版、(2007年)
渦電流による擾乱が適時に低減されるように、また、振幅が非常に低減されるようにも、補正コイルを備えた傾斜磁場コイルシステムのコイル構成体を補足することが、本発明の基本的な目的である。
傾斜磁場の計算
80年代の終わりに、目標磁場法[非特許文献1][1][特許文献3][4][非特許文献8][15]又は流れ関数法[特許文献1][2][非特許文献6][11]などの、傾斜磁場コイルを計算するためのいくつかの強力な方法が発明された。
以下の段落での議論は、目標磁場法理論に基づく。この理論は、円筒形状を有する薄い層で周囲が構成される場合に特に適している。
目標磁場法によると、磁場は、表面を流れる電流密度によって発生する。例えば円筒管などの、好ましく、且つ簡略化された形状が選択される。電流密度は、目標円筒内に所望の磁場Bを発生させるように選択される。z軸は主磁場と平行である。所望される場は通常、次の形を有する。
・ x傾斜磁場では、 B(x,y,z)=G
・ y傾斜磁場では、 B(x,y,z)=G
・ z傾斜磁場では、 B(x,y,z)=G
ここで、G、G、Gは定数(傾斜磁場強度)である。
半径aを有する円筒表面の表面電流密度が以下で考察される。選択された形状により、これらは円筒座標(ρ,φ,z)で書き表される。これらは、次の形を有する。
ここで、ベクトル
及び
は、円筒座標における単位ベクトルである。
目標磁場法では、磁場の計算に電流密度のフーリエ変換を利用する。電流密度のフーリエ変換は以下のように計算される。
ここで、値m及びkは、方位角(m)及び軸(k)の波数である。電流密度
及び
は次の連続方程式
によって結合されるので、次式がフーリエ空間に適用される。
したがって、これは半径aにおける電流密度のφ成分を知るのに十分である。次に、z成分もまた決定される。
遮蔽傾斜磁場コイルの計算
傾斜磁場によって誘導される渦電流の問題は、常に高分解能NMR分光法における主要な問題であった。スペクトルの質に及ぼす渦電流の悪影響により、磁場傾斜NMRの応用が、長い間非常に制限されてきた。能動的に遮蔽された傾斜磁場コイルを導入することによってのみ、磁場傾斜NMRの非常に大きな利点から利益を得ることが可能であった。流れ関数又は目標磁場法により、完全に遮蔽された傾斜磁場コイルの計算が、原理的には可能になる。
目標磁場法によって、z軸に対して同軸である内側(半径aについて)と外側(半径bについて)の円筒形コイル構成体の設計が、その組み合わせが以下の条件を同時に満たすようにして可能である。
・ 所望される場が測定容積内に生成される;
・ この場は、傾斜磁場コイルの外側(bより大きい半径を有する円筒表面上)の周囲において消去される。
傾斜磁場コイル外側の周囲の場は残留磁場と呼ばれる。目標磁場法によれば、これらの場はまた、円筒管上でも計算される。管の半径は以下のcで指定され、c>dである。
この目的に向けて、半径a(主コイル)の円筒管上に流れる電流密度
及び
と、半径b(遮蔽コイル)上に流れ、また、式1の形と同じ形を有する
及び
とが同時に決定される。円筒が無限に長く、且つ、電流密度が連続値をとる場合については、正確な解がある。
数学的に容易に記述できる2つの半径上のこの電流密度の構成体に基づいて、電流密度がいくつかの径方向領域に分布する遮蔽傾斜磁場コイルの構成体を開発することが可能である。径方向領域は、z軸に垂直な各平面として定義される。径方向領域は、最小半径r_min_n(z)及び最大半径r_max_n(z)によって特徴付けられ、これらの間に導体要素が置かれる。各径方向領域は、内側から外側へと番号n=1、2、...で番号が付けられる。
半径はz軸から測定される。r_min_n(z)及びr_max_n(z)は、zすなわち位置の関数であり、半径領域の広がりはz位置に依存して変わり得る。各z位置において、r_min_n(z)≦r_max_n(z)が適用される。zの特定の区域では、コイルがまたがる領域が空いていることがある。そこにおいて、r_min_n(z)=r_max_n(z)が適用される。特に、巻きコイルでは、いくつかの巻線層を有し、したがって、径方向に相対的に大きい広がりを有するコイルブロックによって、大きい局所的な電流密度が、理想的な解から見積もられる。
異なるコイルキャリア上に導体が配置され、続いて、こうして生成された各コイル部分が電気的に接続される1つの構造体はまた、いくつかの半径領域を占める構成体を作り出す。
以下では、導体の位置が2つの半径a及びbに限定されない傾斜磁場コイルシステムにおいて、測定容積に径方向に近接して配置され傾斜磁場に主要な寄与をする導体を「主コイル」とも呼び、径方向の外側領域に置かれる導体を「遮蔽コイル」とも呼ぶ。
したがって、主コイルによって占有される領域は、z軸に対して径方向の領域であるr_min_1(z)からr_max_1(z)(ここで、r_min_1(z)≦r_max_1(z))の領域によって特徴付けられる。遮蔽コイルによって占有される領域は、z軸に対して径方向の領域であるr_min_2(z)からr_max_2(z)(ここで、r_max_1(z)≦r_min_2(z)≦r_max_2(z))の少なくとも1つの領域によって特徴付けられる。さらに径方向領域r_min_n(z)からr_max_n(z)を遮蔽コイルが占有することができ、ここでr_max_(n−1)(z)≦r_min_n(z)≦r_max_n(z)であり、n>2は自然数である。これらの径方向領域の空間配置は、図11に示されている。
傾斜磁場コイルシステムの設計では、すべての導体が電流源に接続されなければならないことを考慮に入れなければならない。この目的に必要な接続部はまた、実際は電流が流れるべきではない領域内にも、部分的に延在しなければならない。この問題に対し2つの解決策がある。互いに反対の方向に流れる電流が空間的に近接した導体中に流される場合、磁場に及ぼす各電流の影響は大部分が相殺される。その上、主磁場と平行に流れる電流は磁場のz成分に影響を及ぼさない。これら2つのタイプの、効果を及ぼさない導体はどこにでも組み込むことができる。他のすべての導体要素を、以下において「能動的導体要素」と呼ぶ。
計算された電流密度は、実際には、個別の導体経路を通して実現されなければならない。連続解からの偏差、及びz方向に制限された、使用可能な空間(傾斜磁場コイルシステムは無限の長さを有することができない)により、結果的に、残留磁場が完全に消滅せず、また、測定容積内に磁場
を生成する渦電流が発生する。
渦電流は、時変磁場内に置かれた延長導電構造体中に誘導され、この渦電流はこれ自体が、磁場変化に対して反対に作用する磁場を発生させる。
を傾斜磁場コイルシステムの電流密度とする。これはオン及びオフに切り替えられるので、電流密度は時間に依存する。表記をより分かりやすく提示するために、位置変数(ρ、φ、z)を
で置き換える。実質上静的近似の時間依存性電流密度
により、半径cの円筒管上に、次のように計算されるベクトルポテンシャルが発生する。
ここで、Rは、積分体積であり、μ=4π×10−7H/mは真空の透磁率である。
時間依存性を無次元関数h(t)で記述することができ、且つ電荷密度がないと想定すると、ベクトルポテンシャルは次式の形を有する。
また、電場は
となり、ここで、h’(t)は時間に関するhの導関数である。傾斜磁場コイルシステムを取り囲み、導電率が
である導体構造体中に、オームの法則に従って、渦電流
が、電流を切り替えた後に流れ始める。
半径cの円筒管上に誘導された電流密度
により、時間依存性磁場
が測定容積内に発生する。
渦電流及び減衰時間
異なる導体構造体が傾斜磁場コイルシステムを取り囲み、中でも主に超電導磁石の構成要素を取り囲む。この取り囲むものは、いくつかの同軸導体層で表すことができ、その一部は非常に低温(78K又は4K)であり、したがって、高い導電率を有する。電流は時間と共に
のように減少し、その減衰時間はインダクタンスL及び抵抗Rに依存し、τ=L/Rに従うので、これらの構造体の高い導電率により渦電流が長く存続する。
参照文献[非特許文献7][14]は、現実的なクライオスタットにおける渦電流を計算するモデルを記載している。そのクライオスタットはいくつかの厚い円筒によって示され、高い導電率を特徴とする。誘導電流は、モード間の誘導結合のみが考慮されるフーリエ空間内で、個々の層夫々について計算される。
渦電流の空間構造体とその減衰時間との間の関係は、以下で重要になるが、薄い円筒の簡単なモデルを用いて明確に示される。半径cの薄い円筒上における渦電流モードの、m及びkの関数としての減衰時間は、以下の論証を用いて導出することができる。
電流密度
は、フーリエ展開の成分に、すなわち、m及びkの関数として分解することができる。渦電流モードの減衰時間τは一般に、電流分布のインダクタンスLと抵抗Rの間の関係によって与えられる。抵抗R及び電流Iに依存する消散電力PはP=R×Iに従い、次のように書き表すことができる([非特許文献3][6]の式33参照)。
ここで、
は、半径cの円筒管上における電流密度のフーリエ変換である。Pに対するz成分の寄与は、考察している式5によって既に考慮に入れられている。

は、導体円筒の比抵抗であり、Dはその壁厚である。所与のm及びkでは、電流の2乗当たりの消散電力への寄与は、
である。
[非特許文献3][6]の式34に対応して、磁場に蓄積されるエネルギー

である。
これに関してIは第1種の変形ベッセル関数であり、Kは第2種の変形ベッセル関数であり、
及び
はこれらの導関数である。
所与のm及びkでは、電流の2乗当たりの場エネルギーへの寄与は、
である。
式11と式13の合成により、減衰時間
が得られる。ここで、
である。m=0及びk→0の場合は特殊であり、この場合の減衰時間は、
である。
図5は、mの値によって異なる|k|・cの関数としてτに正規化された減衰時間を示す。曲線(50)は値m=0に対応し、曲線(51)は値m=1に対応する、等である。減衰時間は、mが大きくなってもkが大きくなっても減少する。無限大に向かう|k|・cに対し、項15は、mの値に関係なくゼロに向かう。|k|・cが小さい値、特に、|k|・c=0且つm>0のとき、mに対する依存性は
で与えられる。
NMR信号に対する渦電流の影響
以下は、NMR信号に及ぼす渦電流の悪影響についての簡潔な説明である。
ラーモアの定理によれば、静磁場
内の原子核の磁化ベクトル
の運動は、
軸を中心とし、ラーモア周波数が
である歳差運動に対応する。係数γは磁気回転比と呼ばれ、同位体に特有の定数である。以下は、例えば1H核γ=2.675×10−1−1に当てはまる。
を測定容積内の平衡磁化とする。Mはz方向の主磁場
と平行に向けられている。
磁化Mが理想的な90°RFパルスで回転されると想定し、オフ共鳴効果を無視すると、磁化は、RFパルス後に
に対して垂直になり(横切り)、M=M+iMで示される。
RFパルスをオフに切り替えた直後、横方向磁化Mはブロッホ方程式
に従って平衡状態に戻る。
ラーモア周波数ωはz方向にある。定数Tは横緩和時間であり、
は、測定容積内における原子核の位置である。以下では、磁場及び対応するラーモア周波数はz方向に延在し、したがって、定数であるとみなされる。
ラーモア周波数は、測定容積内の有効磁場
によって決まり、この有効磁場は時間不変性の主磁場
と、誘導渦電流によって発生する磁場
との和である。
したがって、有効磁場は、
となる。これに応じて、有効ラーモア周波数
もまた、時間不変性の項
と、誘導渦電流から生じる項
との和である。
したがって、有効ラーモア周波数は、
となる。
回転系において
を適用すると、これは、計算が非常に容易になるのでNMR環境で特に望ましく、この理由から
となる。
回転系における微分方程式17の解は
である。
指数中の位相
は、時間積分
であり、時間依存性位相
で置き換えることができる。ここで、
の緩和時間がTの数分の1である場合には、
である。
が活性である時間中、RFパルスが送出されないことが前提条件である。項
は初期磁化である。
主磁場
が、全測定容積に亘って、時間に関してだけでなく空間に関しても均一であり、また全測定容積内の磁化が正確に90°回転されると想定すると、初期磁化は定数項
で置き換えることができる。
このとき、NMR信号は測定容積Vにおける積分
であり、ここでは定義
を用いた。
NMR分光法は、フーリエ変換信号
により機能する。図6及び図7は、外乱を受けたNMR信号、及び外乱を受けていないNMR信号の例を示す。
の実部は周波数ν=ω/2πの関数としてグラフに示されている。外乱を受けていないNMR信号
の場合は、この理由により、位相
もまた常にゼロ、すなわち、
である。
積分20は、この場合
である。この例でのNMR信号の外乱は、次式の形を有する磁場BWirbによって生じ、
で表される。
z領域を−z≦z≦zとし、減衰時間τがT(τ<<T)と比べて無視できると特徴付けられているとすると、積分
は、
となる。
図6の曲線(60)は、νの関数としての外乱を受けていない信号
である。曲線(61)及び曲線(62)は外乱を受けた信号であり、式21及び式23によって計算されている。無視できるb(b=1・10−15T/m)を有するbの様々な値が観測された。曲線(61)ではb=1・10−7Tであるのに対し、曲線(62)ではb=3・10−7Tである。
図7で、外乱を受けた信号は、b=0でbの様々な値について計算された。以下は曲線(71)b=5・10−7T/mについて、及び曲線(72)b=7・10−7T/mについて想定された。この例では、τ=10−4s、T=2s、z=0.01m、及び
が選択され、磁気回転比は1H核のものであると想定された。b及びbの値は、測定容積内で典型的な傾斜磁場が得られる大きさよりも数桁小さい。これらの場は50・10−4T程度の大きさである。
位相Φ(z)=γ・τ・(b+b・z)が渦電流によって生成され、この位相の寄与は、対称性m=0によって特徴付けられる。
積分
は、小さいb値では次のように近似することができる。
NMR信号の外乱にm=1での寄与がある場合、例えば、外乱がΦ(φ,z)=c・cosφ・(b+b・z)で表される場合、積分
はei・γ・b0・τ型の位相因子を有さず、
は、測定容積の3つすべての軸における寸法に依存し、また式24のz拡張zのように2次である。項cは、渦電流が流れる円筒管の半径である。これは、m=1の対称性を有する外乱によるNMR信号への影響が、m=0での外乱によるものよりもかなり小さい理由である。
遮蔽効果を改善するための従来の方法
傾斜磁場の計算の項で既に説明したように、実際には、傾斜磁場は完全には遮蔽されない。導体路の離散化により、またz方向において制限された空間により、残留磁場は厳密にはゼロではなく、そのため上の項で論じたようにNMRスペクトルに関して否定的な結果があり得る。本明細書では、ゼロにならない残留磁場、又はその結果として生じる、周囲の導体構造体に誘導される渦電流を最小限にすることを目的とする、様々な方法及び処置を説明する。いくつかの例を以下で述べる。
z方向において任意の長さに延在し得る連続電流分布による完全な遮蔽に基づいて、遮蔽を完全なものにするためのできるだけ良好な近似値を与える、限られた容積内の個別導体路の配置を選択する必要がある。個別導体路の選択された配置の磁場は、ビオ‐サバールの法則を用いて直接計算することができる。個別導体路を設計するための、また遮蔽コイルの外側に残留する磁場を発生渦電流を考慮して評価するための様々な従来の方法がある。
例えば、引用した参照文献[特許文献5][9]では、傾斜磁場によって誘導された渦電流により発生する測定容積内の磁場が、その磁場をフーリエ成分cos(m・φ)及びsin(m・φ)に分解することによって抑制される。適切な遮蔽コイルの選択により、mの値が小さい、特に、m=0であるモードが消される。
引用した参照文献[特許文献2][3]では、個別の場合における反復数値法による効率的な遮蔽コイルの解決策を提示している。残留磁場は、利用された最適化方法では、導体断面及び導体形状を変えることによって最小化される。
別の方法では、NMR実験の際の信号外乱に対して、ゼロにならない残留磁場の効果を最適化するためにグリーン関数を利用する。最適電流密度のフーリエ成分は、離散化された解と比較される。これによって、偏差は特定の制限値を超えないはずである[特許文献6][12]。
理論上の電流分布に可能な限り近い不連続解を見積もるための確立された方法は、例えば[特許文献7][13]などにあるような、並列に接続されたいくつかの遮蔽コイルを実施することである。半径cの円筒管上の傾斜磁場の設計では、離散化路は、付近の導体構造体中の残留磁場によって誘導される渦電流のNMR信号への影響に対して最適化される。
製造誤差
傾斜磁場コイルの実際の製造においては、製造工程での避けられない誤差により、非常に効率的な遮蔽方法及び場の精密な計算でも理論上の残留磁場を得るのに十分ではない。非常に小さな製造誤差でさえも、最適に構築された残留磁場を渦電流がNMR信号を著しく乱すようにして変化させることがあり、また、NMR測定が実施され得る前に、傾斜磁場をオフに切り替えた後の長い待機期間が必要である。
誘導渦電流及びその減衰時間が残留磁場の空間構造に大きく依存するので、経路構造体の位置は非常に正確でなければならない。
導体の位置決めの精度は、数マイクロメートル程度の精密度を必要とするが、これは、特に高い再現性が必要な場合には技術の面で大きな難題である。
従来技術によれば、製造誤差を補償するために以下の方法が使用される。
製造誤差の特別な場合は、主コイルと遮蔽コイルとの間のz方向のずれである[特許文献4][7]。この問題は、[特許文献4][7]で示唆され、また図3に示されるように、補正コイルを使用することによって解決することができる。その著者らは、以下の方法を用いている。
・ 傾斜磁場コイルシステムに対して同軸であり、且つ遮蔽コイルに対する主コイルのz変位を補償する機能が設計にある補正コイルの使用;
・ 補正コイルは別の電源から電力供給され、その電流はz変位の関数である。
製造誤差によりNMR信号中に生じる渦電流アーチファクトは、プリエンファシス[非特許文献2][5]を用いてとりわけうまく抑制することができる。別の従来技術の方法では補正コイルを利用し、この補正コイルは、主コイル又は遮蔽コイルに対して同軸状に異なるz位置に配置されると共に、これらのコイルと並列に接続される。この方法は、抵抗を使用して、補正巻線中に流れなければならない低電流(1%以下の範囲)を厳密に制御しなければならいないという点で困難である。この手法は、極低温に冷却される測定ヘッド内で使用するための傾斜磁場では、抵抗値が温度に依存するため、特に困難である。
本発明のデバイス
これらとは対照的に、本発明の目的は、長く存続する渦電流を抑制することで、製造公差によって生じる所望の設計からの残留磁場の偏差が補正コイルによって修正されるように、可能な限り簡単な技法的手段を用いて上述のタイプの能動的に遮蔽された傾斜磁場コイルシステムを改善することである。これは、傾斜磁場パルスの後で所定の場均一性が得られる前に経過すべき待機時間を低減するため、又は、例えば、画像応用において所望の場からの偏差を最小限にするためである。
本発明は、磁気共鳴デバイス、すなわちNMR分光計又はMRIスキャナに使用される傾斜磁場コイルシステムに関する。z軸22が定義され、このz軸は磁気共鳴デバイスの主磁場と平行に延び、且つ、測定容積11を横切る。径方向領域及び方位角領域は、このz軸22を基準とする。
測定容積11内に傾斜磁場を発生させるための傾斜磁場コイルシステムは、主コイル13と、遮蔽コイル14とから構成され、主コイル13は、z軸に対し径方向に近接して置かれている領域を占めると共に傾斜磁場に主として寄与し、遮蔽コイル14は、径方向においてさらに外側の領域を占めると共に、遮蔽コイルの外側の組み合わされたコイルの磁場が大幅に低減されるように主コイルに電気的に接続されている(図1)。したがって、これは能動的に遮蔽された傾斜磁場コイルシステムである。
少なくとも1つの補正コイル41が、主コイル及び補正コイルに加えて傾斜磁場コイルシステムに組み込まれる(図4a、図4b)。この補正コイルの能動的導体要素は、主コイル13及び遮蔽コイル14によって占められる径方向領域の外側にある。径方向領域は、平面ごとにz軸22に垂直に決定される。一例として、図11(a)〜図11(c)は、主コイル及び遮蔽コイルによって占められ、補正コイルを中に配置できる径方向領域を示す。この補正は、遮蔽コイルの外側に残っており構築誤差により所望の値と一致しない残留磁場を、傾斜磁場コイルシステムに流れる電流の急速な切替えにより傾斜磁場コイルシステムの周囲に誘導される渦電流が、構築誤差があるが補正コイルを持たない傾斜磁場コイルシステムと比較して長く続かないようにして変化させるように設計される。
製造公差によって生じるコイル配置のパラメータのさらなる偏差を補正する多用途の可能性を提供することが本発明の基本的な目的であり、これにより、このような補正コイルが遮蔽コイルに対する主コイルの位置決め誤差を補償するために使用される最も近い従来技術[特許文献4][7]と比較して、改善される。コイル配置のこれらの起こりうる不正確なパラメータには、コイル巻線の半径、主コイル又は遮蔽コイル内の他の巻線に対する巻線の軸位置、丸みに関するコイル本体の偏差、遮蔽コイルに対する主コイルの円筒軸の傾き、並びにX傾斜及びY傾斜で重要な主コイル及び遮蔽コイルの方位角の変化が含まれる。
本発明によれば、この目的は、驚くほど簡単であるが非常に効果的な方法で完全に達成される。この方法では、少なくとも1つの補正コイルが、主コイルと、遮蔽コイルと、また場合により存在する別の補正コイルと直列に電気的に接続され、すべての補正コイルの能動的導体要素が一緒になってz軸に対する方位角の4分の1を最大で占め、少なくとも1つの補正コイルが、傾斜磁場コイルシステムに流れる電流の急速な切替えにより、傾斜磁場コイルシステムの付近に誘導される渦電流の持続時間を、補正コイルを持たない傾斜磁場システムと比べて低減する。
図11bは補正コイル41を示す。補正コイル41によって占められる方位角範囲119は、z軸に対する方位角範囲の4分の1より小さく、すなわち90°未満である。最大で全範囲(360度)の4分の1(90度)にすぎない方位角範囲は、傾斜磁場コイルの従来の広がった方位角範囲と比較して小さい領域である。Z傾斜磁場は通常、全巻線(360°)で設計される。X傾斜磁場及びY傾斜磁場は、夫々2つの120°のコイル円弧により設計され、すなわちこれらは240°の合計角度範囲を占める。最も近い従来技術[特許文献4][7]の補正コイルもまた、全巻線(360°)を使用している。
主コイル、遮蔽コイル、及び補正コイルが直列に電気的に接続されることで、すべてのコイルに同じだけ電流が流れることが保証される。補正コイルの効果は、このタイプの傾斜磁場コイルシステムにおいては、使用中に個々のコイル構成要素の抵抗が変化した場合でも変化しないままである。この特徴に関して、本発明の傾斜磁場コイルシステムは、傾斜磁場コイルシステムとは有利に区別され、この傾斜磁場コイルシステムは、主コイル及び遮蔽コイルと並列に接続された補正コイルを有し、並列電流路の各抵抗値の関係が補正コイルの電流の一部を決める。この利点は、動作時に傾斜磁場コイルシステムが極低温まで冷却されなければならない場合に特に重要である。この種の動作では、その温度を保持するのが困難であり、したがって個々のコイル構成要素の抵抗間の比を一定のレベルに保持するのが困難である。
単純な観点からは、説明した補正コイルは重大な不利点を有するように見える。主コイルに対して同軸状に延在しない補正コイルは、補正コイルがなければ全く生じないはずである、mが高次である渦電流を発生させる。遮蔽コイルの外側周辺の残留磁場を考慮すると、補正コイル付近の残留磁場の振幅は、補正コイルがない状況と比べてもそれほど増大していない。しかしこのことは、図5に示される通り、mが高次であるこれらの渦電流が非常に過渡的であるので、悪影響をほとんど及ぼさない。補正コイルは同時に、長く存続する渦電流を抑制するので、その結果、傾斜磁場パルスの後の待機時間は全体で低減される。
特に好ましい一実施形態では、補正コイルは、補正コイルのコイル断面が主コイルのコイル断面よりも小さくなるように寸法設定される。
小さいコイル断面を有するこのタイプの補正コイルの1つの重要な利点は、ある補正コイルの巻数が変更になることで、小さな補正ステップが残留磁場について得られることにある。残留磁場の調整には小さな補正ステップが必要である。というのは、主コイル及び遮蔽コイルの所望の設計からの小さい偏差が、渦電流が長時間続くようにその空間構造が変えられる限り残留磁場に大きな影響を及ぼすからである。必要な補正の振幅は、所望の設計において許容されている残留磁場の振幅と比べて小さい。巻数を整数に丸める必要があるにもかかわらず、コイル断面が小さい補正コイルによって、十分厳密に、必要とされる補正に近くなる。残留磁場に対し補正コイルの影響が及ぶ領域の空間的広がりはさらに、残留磁場の精細な構造を変更できるように、小さくなければならない。小さいコイル断面はまた、残留磁場の精細な構造によって渦電流の時定数が決まるので、この場合においても有利である。
[特許文献4][7]による従来技術によれば、大きいコイル断面及び複数の巻線を有する補正コイルが、遮蔽コイルに対する主コイルの位置決め誤差により発生する残留磁場の形を正確に模倣するために使用される。大きいコイル断面及び多くの巻数を用いると、発生する場が、多数の要因による補正されるべき典型的な偏差を超えるので、補正コイル中に全傾斜磁場電流を使用できないことになる。実際に必要な強度を十分に細かいステップで調整できるようにするために、主コイル及び遮蔽コイルの電流と比例する電流を補正コイルに供給する第2の傾斜磁場増幅器32が使用される。これによって、補正の強度を正確に調整するという目的は、十分に細かいステップで電流を調整することに変えられる。本発明の傾斜磁場コイルシステムは、この手法と比べると、追加の傾斜磁場増幅器が省略されるという点で有利である。
補正コイルは、好ましくは、個々の直列に接続された巻線を異なるZ位置に備えるようにして設計される。所望の設計からのコイルの局所的な偏差は、空間的に近い補正巻線によってこうして補償することができる。横方向傾斜磁場(Y及びY傾斜磁場)用の補正コイルは、好ましくは、個々の直列に接続された巻線を異なる角度位置に備えるようにして設計される。こうして、補正されるべき傾斜磁場の対称性が維持された補正コイルを設計することができる。所望の設計からのコイルの局所的な偏差もまた、角度依存性を示し得る。この場合、個々の直列に接続された巻線を個々の角度位置に有する補正コイルはまた、Z傾斜磁場にも適している。補正コイルの個々の巻線は個々の巻き方向を有するという点において、補正コイル内の補正の符号を変えることができる。
補正コイルは好ましくは、それ自体のコイル本体42の上に巻かれ、その断面は、使用可能な空間を程よく利用する。このようなコイル本体の簡単な形状としては、z軸に垂直な円、楕円又は長方形の断面がある。断面表面、及び傾斜磁場コイルシステム内の位置は、補正コイルの効果に関して極めて重要な役割を果たす。断面形状はある程度まで、幾何学的境界条件に対して調整することができる。
好ましい一実施形態では、補正コイルは、主コイルと遮蔽コイルの間の空間に置かれる。これによって、傾斜磁場コイルシステムの周辺との幾何学的界面は変化しないで存続する。この配置の別の1つの利点は、傾斜磁場コイルシステムを改善するために、主コイルと遮蔽コイルの間の、他の場合では使用されない容積を使用することが可能であることである。補正コイルはさらに、既存の主コイル及び遮蔽コイルと接触することなく、又はこれらのコイルを変更することなく装着することができる。これによって、製造工程の後期の工程で、特に、例えばエポキシ樹脂を用いたコイルの成型などの、不可逆の工程の後で、誤差の影響を最小限にすることができる。こうして、補正コイルは、棄却率の低減、及び、より好ましい製造方法の選択に寄与する。
特に好ましい一実施形態では、電気的に独立した3つの傾斜磁場コイルシステムが1つの測定構成体の中に組み込まれ、これら3つの部分的システムが磁場傾斜を生成し、その傾斜磁場方向は対で互いに垂直である。いわゆるXYZ傾斜磁場であるこの型の構成体では、3つすべての空間方向の座標を磁場傾斜によって符号化することができ、これは特に画像応用において重要である。これに関連して、3つの部分的システムの夫々は、主コイル、遮蔽コイル、及び少なくとも1つの補正コイルから成る。
m=1である成分を有する残留磁場が現在の傾斜磁場コイルシステム内で観測される場合、m=1であるこの成分を、m=0である発生成分に関係なく補正可能でなければならない。残留磁場がm=0において補正を必要としない場合、補正コイルは特に、m=0である成分を発生させてはならない。m≧2である項は、急速に減衰するので許容される(図5参照)。m=1である成分を有し、m=0である成分をさらに発生させない残留磁場を生成又は補正するための構成体は、巻き方向が反対の2つの補正コイルを接続することによって、向かい合う角度位置に(好ましくは、互いに180°で向かい合う角度位置に)形成することができる。この型の構成体は図4cに示されている。
m=1である成分を有する残留磁場は、cos(φ)又はsin(φ)対称性を有する。これら2つの場合をカバーするために、例えば1対がx軸上、1対がy軸上で互いに直角を成す2つの方向において、2対の接続された補正コイルが必要である。
反対に、m=0である成分を補償するための、単一の角度位置にだけ巻線を備える簡単な補正コイルはまた、急速に減衰するm(m≧2)が高次のものに加えてm=1である成分を有する残留磁場の一部分を発生させる。m=1である成分は実際のところ、m=0である成分よりも振幅が小さいが、m=0である成分と同様に比較的低速度で減衰する。m=0の補正の副作用として新たに生じるm=1である成分が、磁気共鳴測定の結果をなお過度に乱すことが起こり得る。この場合には、巻き方向が同一の2つの補正コイルを向かい合う角度位置で(好ましくは互いに180°で向かい合う角度位置で)接続することによって、m=0である成分を有する残留磁場の補正することができ、同時に、m=1である成分を有する残留磁場の発生の抑制することができる。このタイプの構成体は図4dに示されている。上述の簡単な補正コイルと比較して、同じ強度のm=0である成分を発生させるように、二部分補正コイルにおいてその一部を成すコイルのコイル断面又は巻数が半分にされなければならない。
近代のMRIシステムは、測定容積内で均一な静磁場を発生させるための磁石と、RF送受信システムと、傾斜磁場コイルシステムとを共通の筐体内に収容する小型ユニットとして構築される。この理由から、本発明の傾斜磁場コイルシステムは、好ましくは、磁石及びRF送受信システムと共にMRIシステムに組み込まれる。
NMR分光計では、測定容積内で均一な静磁場を発生させるための磁石は、これ自体が1つのユニットである。RF送受信システム及び傾斜磁場コイルシステムを含む測定ヘッドは、置き換え可能な別のユニットを形成する。実験の要件に応じて様々な測定ヘッドを選択し、磁石に組み込むことができる。この理由から、本発明の好ましい一実施形態は、RF送受信システム及び発明の傾斜磁場コイルシステムを含む、NMR分光計用の測定ヘッドに関する。
必要な補正が決定されると、傾斜磁場コイルのコイルキャリアの機械的処理はもはや許容されず、コイルキャリアの相対的位置が変更されてはならない。この理由から、別の一実施形態では、場合により必要な補正コイルを収容するために、傾斜磁場コイルのコイルキャリアは、規定された位置に空き場所を残し、その結果、補正コイルは、その相互位置合わせを変更することなく、傾斜磁場コイルの組立ての終了後に傾斜磁場コイルシステムに組み込むことができるようになる。
傾斜磁場コイルシステムの補正コイルを渦電流の減衰時間が短くなるように構成するには、単一の傾斜磁場コイルから成る実際のコイル構成体の残留磁場についての情報が必要になる。残留磁場の測定結果は、予備の、既に大部分が遮蔽された、主コイル及び遮蔽コイルから成る傾斜磁場コイルシステムを形成し測定することによって得られる。個別巻線を用いたコイル設計により、厳密にはゼロでない残留磁場が常に発生し、この理由から実際の残留磁場は、構造的な差異を決定するために、設計で許容される所望の残留磁場と比較される。傾斜磁場コイルシステムの周辺の特定のモデルを、設計を決定するために、したがって所望の残留磁場を決定するために使用することができる。本発明では、この設計を生み出す方法も、渦電流の特定のモデルも明示的に特許請求しない。補正コイルを構成するための所望の残留磁場を知ることで十分である。
残留磁場を評価するのに特に適した1つの測定変数は電圧であり、この電圧は、遮蔽コイルの外側の、以下の実施形態で示される固定半径を有するリングの形の傾斜磁場コイルシステムに流れる電流の変化により誘導される。この誘導電圧は様々なz位置で測定することができ、この理由から、実際の残留磁場の構造を検出することができる。コイル設計が分かると、所望の残留磁場により予想される誘導電圧もまた、これらの位置において計算することができる。これらの誘導電圧に対する補正コイルの個々の巻線の影響もまた計算することができる。この測定構成では次数m=0にしか影響されないので、磁場傾斜がX又はY傾斜磁場である場合、次数m=1の渦電流もまた役割を果たすが、傾斜磁場コイルシステムの周りに延在するリング中の誘導電圧を測定するのには十分ではない。サドルコイルは、角度依存性を有する残留磁場を測定するのに適した形状を持つ。この場合、誘導電圧は、様々なz位置でも様々な角度でも測定されなければならない。
計算された、所望の残留磁場の誘導電圧と、測定された、実際の残留磁場の誘導電圧との差は、製造公差によって生じた偏差を特徴付けるものである。未だ決定されるべきである、補正コイルの誘導電圧と合わせたこの差により、可能であれば、長く存続する渦電流が少しも生じてはならない。一般的に、渦電流がz方向において巻き方向を何度か変化させる場合、又は基礎の誘導電圧のいくつかがゼロである場合に、渦電流の衰退時間は短くなる。z方向においてゼロが多くなる程波数kは高くなり、同様にφ方向においてゼロが多くなる程次数mが高くなる。この理由から、補正コイルの位置、巻数、及び個々の巻線の巻き方向は、好ましくは、上記の計算された差であって、補正コイルによる誘導電圧と合わせた誘導電圧間の差が、できるだけ多くのゼロ経路を有するように決定される。
したがって、渦電流の減衰時間が非常に短い、能動的に遮蔽された傾斜磁場コイルシステムに特に適している方法は、以下のステップを含む。
a)傾斜磁場コイル用のコイル構成体を決定するステップ;
b)z軸に沿った様々な位置において、傾斜磁場コイルシステムの最大半径よりも大きい固定半径のコイル構成体を通る電流の切替え時に発生する誘導電圧を計算するステップ;
c)少なくとも2つの傾斜磁場コイルから成る予備傾斜磁場コイルシステムを構成するステップ;
d)誘導電圧が計算された点において誘導電圧を測定するステップ;
e)計算された誘導電圧と測定された誘導電圧の差を計算するステップ;
f)少なくとも1つの補正コイルの誘導電圧を加えた誘導電圧間の上記の計算された差ができるだけ多くのゼロ経路を有するように、少なくとも1つの補正コイルの位置、巻数、巻き方向を決定するステップ;
g)少なくとも1つの補正コイルを製造し、傾斜磁場コイルシステムに組み込むステップ;
h)少なくとも1つの補正コイルによってもたらされた改善を、誘導電圧に基づいて監視するステップ。ステップe)〜g)を、ステップd)で測定された電圧とステップb)で計算された電圧との間の偏差が望ましいだけ小さくなるまで繰り返すステップ。
内側から外側に、傾斜磁場コイルシステムの測定容積11、RFコイル12、主コイル13及び遮蔽コイル14と、傾斜磁場コイルシステムの外側の導体構造体15とを示す、磁気共鳴装置の断面図である。特に、導体構造体はまた、液体ヘリウム又は液体窒素の温度を有する、超電導磁石のコイル本体及びこれらの液体用の容器の壁のような要素を含む。 従来技術による傾斜磁場コイルシステムの図である。Z傾斜磁場コイルの巻線の配置の略図が描かれている。主コイルと遮蔽コイルは、まだ組み立てられていない状態で示されている。 組み立てられた状態にあり、且つ傾斜磁場増幅器に接続されている、従来技術による傾斜磁場コイルシステムの図である。主コイル及び遮蔽コイルは簡略化され示されている。 遮蔽コイルに対する主コイルの位置決め誤差を補償する補正コイルを伴う傾斜磁場コイルシステムの図である。[特許文献4][7]による従来技術。補正コイルは、主コイルの上に巻かれ、補正コイル自体の傾斜磁場増幅器から電流が供給される。 補正コイル41を有する発明の傾斜磁場コイルシステムの図である。補正コイルは、主コイル及び遮蔽コイルと直列に接続されている。 図4aの補正コイルの拡大図である。矢印は、供給線内の電流の向き、及びコイルの巻き方向を示す。 z軸の両側における、巻き方向が反対である1対の補正コイルの図である。このような対の補正コイルにより、成分m=1である残留磁場を補償することができ、これによってm=0成分は発生しない。 z軸の両側における、巻き方向が同じである1対の補正コイルの図である。このような対の補正コイルにより、成分m=0である残留磁場を補償することができ、これによってm=1成分は発生しない。 薄壁の円筒上の渦電流モードの相対的減衰時間を示すグラフである。各次数m(m=0、m=1、m=2)毎に、それ自体の曲線が図示されている。時間は、m=0及びk=0であるモードの減衰時間τに対して正規化されている。 NMR信号に対する渦電流の影響を示すグラフである。測定容積内で渦電流によって発生する磁場はBWirb(z)=bで表される。信号は、様々なbの値について計算され(61及び62)、乱されていない信号(b=0)(60)と比較された。 NMR信号に対する渦電流の影響を示すグラフである。測定容積内で渦電流によって発生する磁場はBWirb(z)=b・zで表される。信号は、様々なbの値について計算され(71及び72)、乱されていない信号(b=0)(60)と比較されている。 遮蔽コイル14内の単一の巻線23が正確に配置されていない場合の、z傾斜磁場のベクトルポテンシャルに対する影響を示すグラフである。ベクトルポテンシャルは、半径c=22.0mm(遮蔽コイルの半径より大きい)である円筒表面について計算されている。 遮蔽コイル14内の1つの巻線23が正確に配置されていない場合に、z傾斜磁場に対し補正コイル41を使用することの具体例を示すグラフである。補正コイルは、半径c=22mm(遮蔽コイルの半径より大きい)である円筒表面においてベクトルポテンシャル91を生成し、このベクトルポテンシャル91は、実際のベクトルポテンシャル82と所望のベクトルポテンシャル81との間の偏差83が92に対して補償されることを確実にする。 [特許文献7][13]の738頁による重水素化タンパク質に適した3D HN(CA)CB実験用のパルス列の概略図である。RFチャネル(1H、15N、13C、2H)及び傾斜磁場チャネル(「Grad」と表示する)でのパルスの時間系列が示されている。図を簡単にするために、パルスの位相及び時間間隔は標示していない。細いバー及び太いバーは、RFチャネルでの90°又は180°のパルスを表す。傾斜磁場パルスは、傾斜磁場チャネルでは細いバーで示されている。短く幅広いバーは、水での選択性の90度パルスを意味する。特に、傾斜磁場パルスは、15Nの第1の励起パルスと取得の開始との間に16回切り替えられることに注意されたい。 傾斜磁場コイルシステム中の長手方向区域及び2つの断面を示す、異なる径方向領域における位置の図である。断面の交差平面は、2つの異なるz位置でz軸(22)と垂直に延在する。同一の径方向位置は、部分図の図11(a)から図11(c)に亘って延びる破線で結ばれている。図11(a)は傾斜磁場コイルシステムを通る長手方向区域の図である。交差平面はz軸22を通って延在する。個々のコイル巻線の線を通る区域が示されている。2つの断面のz位置が、夫々111及び112で示されている。図11(b)は第1のz位置における断面図である。主コイルの径方向領域は、最小半径113と最大半径114によって制限されている。遮蔽コイルは、最小半径115と最大半径116によって、又は、最小半径117と最大半径118によって制限されている2つの径方向領域を占める。補正コイル41は、この交差平面内に配置される。方位角範囲119は、90度よりもかなり小さい。図11(c)は第2のz位置112における断面図である。
以下、本発明を、図面を参照しながら説明する。
半径cの円筒管上における傾斜磁場コイルシステムの残留磁場を、以下において、円筒表面c上のベクトルポテンシャルによって説明する。
を、ゼロにならない外部残留磁場により発生する所望のベクトルポテンシャルとする。これらは外部残留磁場であるので、c>bが適用される。ここで、bは遮蔽コイルの外径である。
は、傾斜磁場コイルシステムの設計で決まり、主コイル内と遮蔽コイル内の両方の電流の離散化によって、またz方向が限られた空間によって発生する。このベクトルポテンシャルは、傾斜磁場コイルシステム内の電流を切り替えた後に円筒管上に流れる誘導渦電流がNMR信号に及ぼす影響について、既に最適化されている。単一の傾斜磁場コイルの実際のコイル構成体において
を、同じ円筒管上の実際のベクトルポテンシャルとする。製造工程中の製造許容差により、

との間の偏差が発生し得る。
この偏差は、ベクトルポテンシャル
によって
と記述することができる。
ベクトルポテンシャル
の偏差だけが観測される。補正巻線の目的は、半径cの円筒表面上にベクトルポテンシャル
を発生させ、
である残留ベクトルポテンシャル

よりも振幅が小さく、且つ、m及びkにおいて、より精細な構造体を有すると特徴付けることである。
の目的は、m及びkの値が小さい
の部分(式15に従って、より長く存続する)を最適に抑制することである。
観測される円筒の夫々について導電率が一定であり、式9に従うベクトルポテンシャル
は誘導渦電流
に比例し、したがって、k及びmの両方に対して
と同じ構造を有すると想定する。この理由から、ベクトルポテンシャルは補正コイルを最適化するために使用することができる。
リングの形の補正コイルの例
傾斜磁場コイルシステムの導体構造物、又はその一部分における構造欠陥及び空間的誤差により残留磁場が変化する。
これらの残留磁場は、ホールセンサを使用して直接的に、又はピックアップループの誘導電圧によって間接的に測定することができる。
この例は、z傾斜磁場コイルシステムの特別な場合に関する。第1の近似では、残留磁場はz軸に対して回転対称である。円形のピックアップコイルによってz軸に沿って残留磁場を捕捉することができ、このピックアップコイルは、傾斜磁場コイルシステムに対して同軸状に配置され、遮蔽コイルの外径よりも大きい半径cを有する。残留磁場はベクトルポテンシャル
で記述される。選択された形状より、φ成分
だけがゼロに等しくない。傾斜磁場コイルシステムは、例えば
である交流(ω=2・π・ν)で動作し、ここで
は経時的に一定である。傾斜磁場コイルシステムのz方向において時間に依存する磁束
は、ピックアップコイルに電圧Vindを誘導し、この電圧はストークス方程式を用いて以下のように書き表すことができる。
ここで、Sはピックアップコイルの表面(S=π・c)であり、Cはその周囲長(C=2・π・c)である。誘導電圧Vindはまた、式8によって導出することもできる。
ピックアップコイル上において、傾斜磁場コイルシステムによって発生するベクトルポテンシャル
は、時間に対して、傾斜磁場コイルシステムに流れる電流IGrad(t)だけに依存し、この理由から、
であり、ここで
は経時的に一定である。
この理由から、ピックアップコイル上における誘導電圧の依存性は、
を周囲長Cに亘って以下のように積分される。
誘導電圧Vindは簡単な手段で測定することができる。
z軸と平行な軸、電流IRing、半径aRingを有し、原点に中心があり、x−y軸平面に配置されたリングの形の巻線が、半径cの円筒管上に
の形のベクトルポテンシャル
を発生させる。ここで、
及び
は楕円積分であり、

と定義される。
電流が円筒表面でφ方向にだけ流れる場合、ベクトルポテンシャルの他の成分はゼロである。
補正コイルのx軸がxだけ移動し、z軸がzだけ移動した場合、移動された補正巻線の平面z=zにおけるベクトルポテンシャルは
で与えられ、ここで
及びzversch=z−zである。移動された座標系におけるベクトルポテンシャルのさらなる成分は、円筒層が薄い場合には存在しない(z成分)、又は関係がない(径方向成分)。フーリエ空間において、項30は
である。
31のm=0成分は
である。
導体円筒構造体に対して同軸状に配置されていない補正巻線は、mが高次である渦電流を発生させるが、これは補正コイルがなければ生じない。これらの渦電流による擾乱の影響はほんのわずかである。というのは、第1には、m>0での31の寄与は、m=0のものよりも振幅が小さく、第2には、m>1での寄与は、m=0及びm=1のものよりも急速に減衰するからである。
m=1での寄与が残留磁場にかなりの影響を及ぼす場合には、図4c及び図4dと同様なcos(φ)対称性を有する補正コイルが使用されるべきである。
測定容積がx軸又はy軸よりもz軸でより大きく空間的に延びている場合(これは一般に、高分解能のNMR分光計及びMRIの場合である)、φ(m=0)に依存していない寄与は、φ(m>0)に依存する成分よりもNMR信号に及ぼす影響が大きい。この場合、m=1である成分は優先度が低い。信号中に位相誤差がないので、φに依存する擾乱は、「NMR信号に対する渦電流の影響」の項における論証に従って、m=0での擾乱よりもさらに重要度が小さい。NMR信号の歪みに対する測定容積の形状の影響は、式19で記述されている。
以下は、具体例の計算である。
遮蔽コイル中の単一の巻線23がz傾斜磁場コイルシステム内で正しく配置されていないと想定する。この巻線は、z軸において磁石中心からz=10mmだけ離れている。巻線の所望の半径ρSollは17.0mmであるが、実際の半径ρ1stは40μmだけ大きい(ρ1st=ρSoll+40μm)。電流
Aが傾斜磁場コイルシステム内に流れる場合の、半径c=22mmである円筒管上に発生するベクトルポテンシャルの成分が、図8に示されている。実線(81)は所望のベクトルポテンシャル
であり、破線82は、巻線の配置が正しくない傾斜磁場コイルシステムの実際のベクトルポテンシャル
である。点曲線83は偏差
、すなわち81と82の差である。この偏差によって誘導された渦電流により磁場がz軸に発生し、この磁場は図6の曲線61と同程度である。40μmという半径の偏差は、製造工程において異常ではない。
上記の例は、個が正しくない場合の寸法に関する。いくつかの巻線の位置が正しくない場合には、半径の偏差がより小さくても、NMR信号の質をかなり低下させるのに十分である。さらに、電流は通常、1Aよりもかなり大きい。
半径aRing=1.2mm、z軸における移動がz=10mm、x軸における移動がx=15mmである、N=1の巻線を有する円形ループの形の補正コイルが傾斜磁場コイルシステムに直列に接続される。半径cの円筒上の補正コイルのベクトルポテンシャル91は
である。その計算は、式30に従って、また図9に示されるように行われる。不正確に配置された巻線83によるベクトルポテンシャルの偏差
もまた比較のために示されている。曲線92は、83
と91
との残差
である。補正巻線を施すことにより、所望のベクトルポテンシャルからの偏差は、83よりも振幅が小さいだけでなく、波数kの成分がより高いという特徴がある。これにより、傾斜磁場によって円筒上に誘導される渦電流の減衰時間が短縮される。
この実施形態は、本発明による補正コイルを使用することが、傾斜磁場コイルシステムの製造の際に生じる製造誤差の場合において、有利であることを明確に示す。この発明の着想を簡単な方法で実際に実現できることもまた有利である。
11 測定容積
12 RFコイル
13 主コイル
14 遮蔽コイル
15 傾斜磁場コイルシステムの外側の導体構造体
21 傾斜磁場増幅器
22 z軸
23 遮蔽コイル内における、その実施形態で半径誤差による欠陥がある単一の巻線
31 [特許文献4][7]による長手方向補正コイル
32 [特許文献4][7]による補正コイル用の傾斜磁場増幅器
33 主コイル及び遮蔽コイルの軸移動の関数として補正コイルの電流の一部分を決定する装置
41 発明の補正コイル
42 発明の補正コイルのコイル本体
50 半径cの薄い円筒の場合の波数kに依存する、m=0である渦電流モードの相対減衰時間
51 半径cの薄い円筒の場合の波数kに依存する、m=1である渦電流モードの相対減衰時間
52 半径cの薄い円筒の場合の波数kに依存する、m=2である渦電流モードの相対減衰時間
53 半径cの薄い円筒の場合の波数kに依存する、m=3である渦電流モードの相対減衰時間
54 半径cの薄い円筒の場合の波数kに依存する、m=4である渦電流モードの相対減衰時間
55 半径cの薄い円筒の場合の波数kに依存する、m=5である渦電流モードの相対減衰時間
60 渦電流がない理想的な場合のNMR信号
61 渦電流によって誘導される磁場がBWirb(z)=bであり、且つ、b=1・10−7Tである場合のNMR信号
62 渦電流によって誘導される磁場がBWirb(z)=bであり、且つ、b=3・10−7Tである場合のNMR信号
71 渦電流によって誘導される磁場がBWirb(z)=b1zであり、且つ、b=5・10−7T/mである場合のNMR信号
72 渦電流によって誘導される磁場がBWirb(z)=b1zであり、且つ、b=7・10−7T/mである場合のNMR信号
81 円筒表面上c=22mmのz傾斜磁場の所望のベクトルポテンシャル
82 z=10mmでの単一の巻線が径方向に40μmだけ不正確に配置された場合の、円筒表面上c=22mmのz傾斜磁場の実際のベクトルポテンシャル
83 所望のベクトルポテンシャル81と実際のベクトルポテンシャル82との差
91 円筒表面上c=22mmの補正コイルのベクトルポテンシャル。補正コイルは、半径1.2mmの巻線で構成される円形コイル構成体から成る。その位置は、原点に対して径方向に15mmだけ、且つ、z方向に10mmだけ移動されている。
92 補正されるべきベクトルポテンシャル83と補正コイルベクトルポテンシャル91との差
101 パルス列における傾斜磁場チャネル
102 パルス列における取得時間
111 傾斜磁場コイルシステムを通る第1の断面のz位置
112 傾斜磁場コイルシステムを通る第2の断面のz位置
113 主コイルの径方向領域の最小半径r_min_1(z)
114 主コイルの径方向領域の最大半径r_xax_1(z)
115 遮蔽コイルの第1の径方向領域の最小半径r_min_2(z)
116 遮蔽コイルの第1の径方向領域の最大半径r_max_2(z)
117 遮蔽コイルの第2の径方向領域の最小半径r_min_3(z)
118 遮蔽コイルの第2の径方向領域の最大半径r_max_3(z)
119 z位置111における補正コイルの方位角領域

Claims (14)

  1. 磁気共鳴デバイスに使用するための能動的に遮蔽された傾斜磁場コイルシステムであって、z軸(22)の方向に向いている主磁場を発生させる主界磁石を備え、前記傾斜磁場コイルシステムは、電流が流れたときに、前記z軸(22)が通り抜けて延びる測定容積(11)内に傾斜磁場を発生させ、前記傾斜磁場コイルシステムは、主コイル(13)、遮蔽コイル(14)、及び少なくとも1つの補正コイル(31、41)を備え、電流が流れたときに前記傾斜磁場に寄与する前記主コイル(13)及び前記遮蔽コイル(14)の能動的導体要素夫々が、前記z軸(22)に垂直な平面において空間領域を占め、前記主コイル(13)によって占められる部分的領域が、z軸(22)に対して径方向にr_min_1(z)からr_max_1(z)まで延在し(ここで、r_min_1(z)≦r_max_1(z)である)、前記遮蔽コイル(14)によって占められる部分的領域が、前記z軸(22)に対して径方向にr_min_2(z)からr_max_2(z)まで延在し(ここで、r_max_1(z)≦r_min_2(z)≦r_max_2(z)である)、前述の径方向の部分的領域は、能動的導体要素によって前記z軸に対する方位角範囲の半分を超えて占有され、前記補正コイル(31、41)の前記能動的導体要素は、前記z軸(22)に垂直な各平面において、前記主コイル(13)の径方向の部分的領域の外側と、前記遮蔽コイル(14)の径方向の部分的領域の外側とにあるように配置される傾斜磁場コイルシステムにおいて、
    前記少なくとも1つの補正コイル(41)は、前記主コイル(13)及び前記遮蔽コイル(14)と、また場合により存在する別の補正コイル(41)と直列に電気的に接続され、すべての補正コイル(41)の前記能動的導体要素は、一緒になって前記z軸(22)に対する方位角の最大4分の1を占め、前記少なくとも1つの補正コイル(41)は、前記傾斜磁場コイルシステムに流れる電流の急速な切替えにより前記傾斜磁場コイルシステムの付近に誘導される渦電流の持続時間を、補正コイル(41)を持たない傾斜磁場コイルシステムと比べて、低減することを特徴とする傾斜磁場コイルシステム。
  2. 前記少なくとも1つの補正コイル(41)のコイル断面は、前記主コイルのコイル断面よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の傾斜磁場コイルシステム。
  3. 前記少なくとも1つの補正コイル(41)は、直列接続された個々の巻線を個々のz位置に備えることを特徴とする請求項1又は2記載の傾斜磁場コイルシステム。
  4. 前記少なくとも1つの補正コイル(41)は、直列接続された個々の巻線を個々の角度位置に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の傾斜磁場コイルシステム。
  5. 前記少なくとも1つの補正コイル(41)の個々の巻線は、個々の巻き方向を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の傾斜磁場コイルシステム。
  6. 前記少なくとも1つの補正コイル(41)は、z方向(22)に垂直な断面が円形又は楕円、又は長方形であるコイルキャリア(42)に装着されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の傾斜磁場コイルシステム。
  7. 前記少なくとも1つの補正コイル(41)は、主界磁コイル(13)と前記遮蔽コイル(14)の間の空間に配置されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の傾斜磁場コイルシステム。
  8. m=1である成分を有する残留磁場の補正は、巻き方向が反対である2つの補正コイル(41)を向かい合う角度位置、好ましくは、互いに180度で向かい合う角度位置で接続することによって行われることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の傾斜磁場コイルシステム。
  9. m=0である成分を有する残留磁場の補正は、巻き方向が同じである2つの補正コイル(41)を向かい合う角度位置、好ましくは、互いに180度で向かい合う角度位置で接続することによって行われ、それによって、m=1である成分を有する残留磁場の発生が同時に抑制されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の傾斜磁場コイルシステム。
  10. 前記傾斜磁場コイルは、前記少なくとも1つの補正コイル(41)を、前記傾斜磁場コイルの組立て後に前記傾斜磁場コイルの相互の向きを変更することなく前記傾斜磁場コイルシステムに組み込むことができるように、前記少なくとも1つの補正コイル(41)を収容するための空き場所を残すコイルキャリアに装着されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の傾斜磁場コイルシステム。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の傾斜磁場コイルシステムであって、3つの電気的に独立した傾斜磁場コイルシステムの構成体であって、電流が流れたときに前記3つの傾斜磁場コイルシステムが磁場傾斜を生成し、その傾斜磁場方向が対で互いに垂直である(XYZ傾斜磁場)ことを特徴とする構成体。
  12. 主界磁石と、RF送受信システムと、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の傾斜磁場コイルシステムとを有するMRI構成体。
  13. RF送受信システムと、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の傾斜磁場コイルシステムとを有するNMR分光計用プローブヘッド。
  14. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の能動的に遮蔽された傾斜磁場コイルシステムを製造する方法であって、
    a)前記傾斜磁場コイル用のコイル構成体を決定するステップと、
    b)前記傾斜磁場コイルシステムの軸に沿った様々な位置において、前記傾斜磁場コイルシステムの最大半径よりも大きい固定半径の前記コイル構成体を通る電流の切替え時に発生する誘導電圧を計算するステップと、
    c)少なくとも2つの傾斜磁場コイルから成る予備傾斜磁場コイルシステムを構成するステップと、
    d)前記誘導電圧が計算された点で誘導電圧を測定するステップと、
    e)計算された誘導電圧と測定された誘導電圧との差を計算するステップと、
    f)少なくとも1つの補正コイル(41)の位置、巻数、巻き方向を、前記少なくとも1つの補正コイル(41)の誘導電圧を加えた前記誘導電圧間の計算された差ができるだけ多くのゼロ経路を有するように決定するステップと、
    g)前記少なくとも1つの補正コイル(41)を製造し、前記傾斜磁場コイルシステムに組み込むステップと、
    h)前記少なくとも1つの補正コイル(41)によってもたらされた改善を前記誘導電圧に基づいて監視し、ステップe)〜g)を、ステップd)で測定された前記電圧とステップb)で計算された前記電圧との間の偏差が望ましいだけ小さくなるまで繰り返すステップとを含む方法。
JP2013034470A 2012-03-02 2013-02-25 補正巻線を有する傾斜磁場コイルシステム及びその製造方法 Active JP5512003B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE102012203343.2 2012-03-02
DE102012203343A DE102012203343B8 (de) 2012-03-02 2012-03-02 Gradientenspulensystem mit Korrekturwicklungen und Verfahren zu deren Herstellung

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013190424A true JP2013190424A (ja) 2013-09-26
JP5512003B2 JP5512003B2 (ja) 2014-06-04

Family

ID=48142220

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013034470A Active JP5512003B2 (ja) 2012-03-02 2013-02-25 補正巻線を有する傾斜磁場コイルシステム及びその製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US9658303B2 (ja)
JP (1) JP5512003B2 (ja)
CH (1) CH706222B1 (ja)
DE (1) DE102012203343B8 (ja)
GB (1) GB2499910B (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021527534A (ja) * 2018-06-17 2021-10-14 スコープ マグネティック レゾナンス テクノロジーズ アーゲーSkope Magnetic Resonance Technologies Ag 磁気共鳴(mr)用途のためのシース波バリア
KR20220055897A (ko) * 2020-10-27 2022-05-04 광주과학기술원 자기 입자 분광기

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102011077743B3 (de) * 2011-06-17 2012-11-22 Siemens Ag Verfahren zur Herstellung einer Gradientenspulen-Baugruppe sowie Wickeldorn
KR101417781B1 (ko) * 2012-09-24 2014-08-06 삼성전자 주식회사 자기공명영상장치 및 그 제조방법
CN104849681B (zh) * 2015-06-10 2018-04-03 武汉中科波谱技术有限公司 一种核磁共振波谱仪梯度线圈
CN107783064A (zh) * 2017-09-28 2018-03-09 国家电网公司 一种基于缩比实验法的多空心电抗器耦合磁场预测方法
CN107957565B (zh) * 2017-12-21 2019-11-19 武汉中科牛津波谱技术有限公司 一种核磁共振波谱仪自屏蔽梯度线圈及其设计方法
CN110346447B (zh) * 2019-07-09 2022-12-16 兰州理工大学 一种花萼状平面涡流传感器的优化方法
CN112748380B (zh) * 2019-10-29 2024-03-19 西门子(深圳)磁共振有限公司 用于磁共振成像装置的梯度线圈及磁共振成像装置
CN115047388B (zh) * 2021-03-09 2023-10-17 宁波健信超导科技股份有限公司 一种磁共振成像梯度线圈的制造组装方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0216590B2 (en) * 1985-09-20 2001-06-06 Btg International Limited Magnetic field screens
US4737716A (en) 1986-02-06 1988-04-12 General Electric Company Self-shielded gradient coils for nuclear magnetic resonance imaging
GB8615854D0 (en) 1986-06-28 1986-08-06 Turner R Magnetic field coils
JPH08252235A (ja) * 1995-03-16 1996-10-01 Toshiba Corp 磁気共鳴映像装置
US5742164A (en) * 1995-12-28 1998-04-21 General Electric Company Misalignment compensation for MR gradient coil assembly
JP3967505B2 (ja) * 1999-12-07 2007-08-29 日本電子株式会社 磁場補正コイルの設計方法
US6456076B1 (en) * 2001-01-31 2002-09-24 The Trustees Of The University Of Pennsylvania Z gradient shielding coil for canceling eddy currents
DE10304249B4 (de) 2003-02-03 2007-04-12 Siemens Ag Magnetresonanzgerät mit einer Gradientenspule und einer elektrisch leitfähigen Struktur
US7230426B2 (en) * 2003-06-20 2007-06-12 General Electric Company Split-shield gradient coil with improved fringe-field
US8698497B2 (en) * 2010-09-23 2014-04-15 General Electric Company Multi-field-of-view gradient coil
DE102011077743B3 (de) * 2011-06-17 2012-11-22 Siemens Ag Verfahren zur Herstellung einer Gradientenspulen-Baugruppe sowie Wickeldorn

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021527534A (ja) * 2018-06-17 2021-10-14 スコープ マグネティック レゾナンス テクノロジーズ アーゲーSkope Magnetic Resonance Technologies Ag 磁気共鳴(mr)用途のためのシース波バリア
KR20220055897A (ko) * 2020-10-27 2022-05-04 광주과학기술원 자기 입자 분광기
KR102433170B1 (ko) 2020-10-27 2022-08-18 광주과학기술원 자기 입자 분광기

Also Published As

Publication number Publication date
DE102012203343B8 (de) 2013-10-24
JP5512003B2 (ja) 2014-06-04
CH706222B1 (en) 2017-04-13
CH706222A2 (de) 2013-09-13
GB2499910A (en) 2013-09-04
GB2499910B (en) 2017-09-06
GB201303642D0 (en) 2013-04-17
US9658303B2 (en) 2017-05-23
DE102012203343B3 (de) 2013-07-11
US20130229182A1 (en) 2013-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5512003B2 (ja) 補正巻線を有する傾斜磁場コイルシステム及びその製造方法
US10658109B2 (en) System and method for electromagnet coil construction and operation
WO2013109240A1 (en) Shim insert for high-field mri magnets
US10451693B2 (en) System and method for electromagnet coil construction
Doty Probe design and construction
WO2006097864A1 (en) Minimum energy shim coils for magnetic resonance
US10261148B2 (en) Magnetic resonance imaging apparatus and manufacturing method thereof
CN108303661B (zh) 磁共振发射信号的校正
JP2017536920A5 (ja)
Ertan et al. A z‐gradient array for simultaneous multi‐slice excitation with a single‐band RF pulse
De Zanche et al. Asymmetric quadrature split birdcage coil for hyperpolarized 3He lung MRI at 1.5 T
Savukov et al. Multi-flux-transformer MRI detection with an atomic magnetometer
US10761163B2 (en) Cryogenic field sensing for compensating magnetic field variations in magnetic resonance imaging magnets
JP2007526067A (ja) ブースター鉄を有する磁気共鳴イメージングスキャナ
Hillenbrand et al. High-order MR shimming: a simulation study of the effectiveness of competing methods, using an established susceptibility model of the human head
Kuzmin et al. An improved shielded RF transmit coil for low-frequency NMR and MRI
JPH0751249A (ja) 測定対象の局所分解磁気共鳴検査方法および装置
Forbes et al. Asymmetric zonal shim coils for magnetic resonance applications
Moon et al. Superelliptical insert gradient coil with a field‐modifying layer for breast imaging
Castillo et al. Homogeneous fields: Double expansion method, 3D printing/CNC realization, and verification by atomic magnetometry
Zheng et al. Gradient coils design with regularization method for superconducting magnetic resonance imaging
US20230417849A1 (en) Split self-shielded gradient coil system, with power supply system for individually adjusting currents of sub-coil groups
Mao et al. Design of cylindrical saddle-shaped transverse gradient coils with small aspect ratios and high linearity for micro comagnetometers
Parra-Robles et al. Passive shimming of the fringe field of a superconducting magnet for ultra-low field hyperpolarized noble gas MRI
CN117157547A (zh) 最小耦合匀场线圈

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140311

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140325

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5512003

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250