JP4030910B2 - Nmr分析装置用マグネットおよびそれを用いたnmr分析装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、NMR(Nuclear Magnetic Resonance)分析装置に係り、特に、主磁場に対して垂直方向からの計測試料の挿入を可能とする試料挿入ポートを備えたNMR分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、NMR装置用のマグネットは、図9に示すように同軸に入れ子になった多層ソレノイドコイル4によって構成され、マグネットの中心軸が鉛直方向となるように配置されている。
【0003】
マグネットの中心軸付近には、試料を挿入するため上下方向に貫通したアクセスポート21が形成されており、上方から測定試料、下方から信号を検出するアンテナ(コイル)を内包したプローブ10が挿入される。従来のNMR分析装置では鞍型もしくは鳥かご型のアンテナ(コイル)が使われている。
【0004】
試料とアンテナ(コイル)の形状、位置関係によってNMR信号の検出感度を向上させることができる。
【0005】
図2は、試料と検出コイル、磁場の位置関係を示す。検出コイルの形状による感度向上効果については、非特許文献1に記載されているように、マグネットがつくる主磁場に対して、直交するような向きにコイル中心軸(仮想中心軸)を有するソレノイド型検出コイル5を配置し、このコイル5を貫くように試料11を配置することによって、コイル形状により決まる少なくとも1.4倍の感度向上が期待できる。
【0006】
しかしながら、従来のNMR分析装置では、特殊な用途、試料を容れた極小の試験管に直接ソレノイド状の検出コイルを巻きつけるマイクロプローブを除けば、主磁場の向きに直交するよう試料を配置して、ソレノイド型の検出を適用すると云う構成は不可能であり、一般的でなかった。
【0007】
このような試料位置と検出コイルを構成可能とする試料挿入方法、マグネットの形状の一例としては、特許文献1に記載されるように、短尺の試料11をマグネット中心軸に対して垂直になるようにプローブに取り付け、プローブごとマグネットに挿入する方法がある。
【0008】
この方法では試料の取付け,取外しの度に、プローブを出し入れする必要があるため操作性が悪く、かつ、プローブの出し入れの度にプローブの調整を行う必要性が発生する可能性があり望ましくない。
【0009】
また、使用できるサンプル長に制限が生ずるため、外部から試料導入管を通じて連続的に試料を供給,移動させるようなフロー型NMR分析装置の実現は、困難となる。また、開示されているような試料のみの交換は、ソレノイド型のアンテナの場合は不可能である。
【0010】
また、別の例としては、ソレノイド型アンテナを使った高感度化については触れられていないものの、特許文献2に記載されているスプリット型マグネットで、マグネットギャップ部からの挿入ポートがあれば、ソレノイド型アンテナを貫くような位置関係の試料を、主磁場に対して直交するよう磁場中心に配置することが原理的に可能となる。
【0011】
この特許文献2では、マグネットギャップ部に試料およびプローブを配置する配置方法が示されてある。しかし、スプリット型マグネットでは、ギャップを空ける必要があるために、最も大きな磁場強度を得るためには、効率の良い領域に電流を流すことができなくなるので、必要な中心磁場強度を得るためには、ギャップがない場合に比べて多くの電流を通電しなければならない。また、必要な磁場均一度を得るためには、コイルの構成が制約される。
【0012】
従って、スプリット型マグネットの直径は大型化し、また、発生する電磁力は増加する傾向にあり、かつ、必要な磁場均一度を得るために主磁場とは反対向きの磁場を発生するコイルを配置しなければならないなど、マグネットを成立させるための難易度が高くなる。
【0013】
【非特許文献1】
荒田洋治著、「NMRの書」、2000年、丸善、p.326
【特許文献1】
特開平7−333311号公報
【特許文献2】
特開平7−240310号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、NMR計測の感度を向上させるため、ソレノイド型の検出コイルを使用し、かつ、測定試料が検出コイルを貫き、主磁場に対して直交するような配置を比較的容易に実現可能としたNMR分析装置用マグネットおよびこれを用いたNMR分析装置を提供することを第一の目的とする。
【0015】
また、試料の交換が容易なNMR分析装置用マグネットを提供することを第二の目的とする。
【0016】
また、測定試料に対し光などの照射をしながらNMR計測が可能となるNMR分析装置用のマグネットを提供することを第三の目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
1.本発明の第1の発明に関するNMR分析装置用マグネットは、ある軸を中心軸15とするように導電体が巻回され、導電体に通電することによって該導電体に囲まれる空間に、計測を行うための計測空間3を含む磁場空間が形成される。該導電体は、マグネット外部領域からその中心軸付近を通って、計測空間にアクセスするための第1のアクセスポート1と、第1のアクセスポートとは異なる方向からアクセス可能となる第2のアクセスポート2を該マグネットが備えるよう、第1および第2のアクセスポートを配置する領域を侵さないように巻回されている。前記第1と第2のアクセスポートの有効径を、アクセスポートに挿入可能な円筒の直径と定義し、これに基づいて第1および第2のアクセスポートの大きさを比較する場合、第1のアクセスポートの有効径に比べ、第2のアクセスポートの有効径が小さいことを特徴とするものである。
【0018】
2.また、本発明の第2の発明に関わるNMR分析装置用マグネットは、ある軸を中心軸15とするように導電体が巻回される第1のコイル41と、同様に形成される中心軸を共有する第2のコイル42が対向するように配置されている。第1のコイルと第2のコイルによって囲まれる空間内部に、計測空間3を含む磁場空間が形成され、該マグネットには、中心軸15方向から計測空間3にアクセスするための第1のアクセスポート1を備えている。
【0019】
さらに、第1のアクセスポートとは異なる方向からアクセス可能となる第2のアクセスポート2が、第1と第2のコイルの間隙に備えられており、第1と第2のアクセスポートの有効径を挿入可能な円筒の直径と定義し、これに基づいて第1および第2のアクセスポートの大きさを比較する場合、第1のアクセスポートの有効径に比べ、第2のアクセスポートの有効径が小さいことを特徴とするものである。なお、該有効径は、20mmφ以下が望ましく、10mmφ以下が好ましい。
【0020】
3.本発明の第3の発明に関わるNMR分析装置用マグネットは、前記1,2の発明において、第1および第2のアクセスポートが、マグネットを貫通するように構成されるものである。
【0021】
4.また、本発明の第4の発明に関わるNMR分析装置用マグネットは、前記1〜3の発明において、少なくとも1つの超伝導コイルを備えるものである。
【0022】
5.また、本発明の第5の発明に関わるNMR分析装置用マグネットは、前記1〜4の発明において、前記中心軸15が水平方向となるように構成されるものである。
【0023】
6.また、本発明の第8の発明に関わるNMR分析装置用マグネットは、前記1〜5の発明において、前記第1のアクセスポート1(図1,図7参照)は水平であり、また、前記第2のアクセスポート2は鉛直方向から、はずれるように構成される(図7参照)ものである。
【0024】
7.また、本発明の第7の発明に関わるNMR分析装置用マグネットは、前記1〜6の発明において、前記第1および第2のアクセスポートと異なる第3のアクセスポート22(図8参照)を備えるものである。
【0025】
8.また、本発明の第8の発明に関わるNMR分析装置用マグネットは、前記7の発明において、前記第3のアクセスポート22が、前記計測空間3を通り、マグネットを貫通するように配置されるものである。
【0026】
9.また、本発明の第9の発明に関わるNMR分析装置用マグネットは、前記1〜8の発明において、一つ以上の非円形断面形状のアクセスポートを備えるものである。
【0027】
10.また、本発明の第10の発明に関わるNMR分析装置は、上記1〜9のマグネットを備えるものである。
【0028】
11.また、本発明の第11の発明に関わるNMR分析装置は、上記10のNMR分析装置において、NMR信号を計測するためのプローブ10は第1のアクセスポート1より挿入され、測定される試料11(図6参照)は、第2のアクセスポート2(図1参照)より挿入され、前記計測空間3において該プローブおよび該試料位置を一致させてNMR計測を行うように構成されているものである。
【0029】
12.また、本発明の第12の発明に関わるNMR分析装置用は、ある軸を中心軸15(図4参照)とするように導電体が巻回され、導電体に通電することによって該中心軸15を含み該導電体に囲まれる空間に計測空間3を含む磁場空間が形成されるマグネットと、中心軸方向から計測空間3にアクセスするための第1のアクセスポートと、第1のアクセスポート1とは異なる方向からアクセス可能となる第2のアクセスポート2を備える。NMR信号を計測するためのプローブ10(図6参照)は、第1のアクセスポートより挿入され、測定される試料11は第2のアクセスポートより挿入され、前記計測空間3においてプローブおよび試料位置を一致させて、NMR計測を行うように構成されているものである。
【0030】
13.また、本発明の第13の発明に関わるNMR分析装置は、ある軸を中心軸とするように導電体が巻回される第1のコイルと、同様に形成される中心軸を有する第2のコイルが対向するように配置され、第1のコイルと第2のコイルによって囲まれる空間内部に計測空間を含む磁場空間が形成されるNMR分析装置において(図5参照)、
中心軸方向から計測空間にアクセスするための第1のアクセスポート1と、第1のアクセスポートとは異なる方向からアクセス可能となる第2のアクセスポート2とを備える。NMR信号を計測するためのプローブ10は、第1のアクセスポート1より挿入され、測定される試料11は第2のアクセスポート2より挿入される。前記計測空間3において、プローブおよび試料位置を一致させて、NMR計測を行うように構成され(図6参照)ているものである。
【0031】
14.また、本発明の第14の発明に関わるNMR分析装置は、前記第2のアクセスポートが、マグネットを貫通するように構成されているものである(図1,8参照)。
【0032】
15.また、本発明の第15の発明に関わるNMR分析装置は、前記12〜14の発明において、マグネットには少なくとも1つの超電導コイルを備えるものである。
【0033】
16.また、本発明の第16の発明に関わるNMR分析装置は、前記12〜14の発明において、前記中心軸15が水平方向となるようにマグネットが配置されているものである。
【0034】
17.また、本発明の第17の発明に関わるNMR分析装置は、前記16の発明において、前記第1のアクセスポート1は水平であり、また、前記第2のアクセスポート2は鉛直方向から、はずれるように構成されているものである。
【0035】
18.また、本発明の第18の発明に関わるNMR分析装置は、前記12〜17の発明において、前記第1および第2のアクセスポートと異なる第3のアクセスポート22(図8参照)を備えるものである。
【0036】
19.また、本発明の第19の発明に関わるNMR分析装置は、前記18の発明において、前記第3のアクセスポート22が前記計測空間3を通り、マグネットを貫通するように構成されているものである。
【0037】
20.また、本発明の第20の発明に関わるNMR分析装置は、前記12〜19の発明において、一つ以上の非円形断面形状のアクセスポートを備えるものである。
【0038】
本発明のマグネット構成では、コイル巻き線によって囲まれた磁場空間内部の計測領域3に対し、コイルの外側からこの計測領域にアクセスするためのアクセス経路を2つ備えており、第1の経路はコイル中心軸15方向で、第2の経路はコイル巻線部に隙間12(図4参照)を通る経路である。
【0039】
第1の経路からソレノイド型の検出コイル5を装備するプローブ10(図6)を挿入し、検出コイルが計測空間3に位置するように配置した。また、第2の経路を通って試料を計測空間3に配置することによって、主磁場方向に対し直交し、かつ、ソレノイド型の検出コイルを貫くような試料の配置を実現することが可能となる。
【0040】
また、第2の経路を実装することによって、プローブの出し入れを伴わずに、試料の出し入れが可能となる。
【0041】
第2の経路を確保するためのアクセスポートの大きさを、試料を挿入するために必要最小限な大きさとし、コイル巻線部に開けられる隙間12の大きさを最小限とする。これによって、隙間12による中心磁場強度の低下を最小限に抑え、かつ、磁場均一度の乱れを最小限に抑えることが可能となる。
【0042】
従って、有効径の大きなポートを第1のアクセスポートとし、それよりも小さな有効径をもつアクセスポートを第2のアクセスポートとする。第1のアクセスポートはマグネットの中心軸上に配置し、第2のアクセスポートをコイル巻線の隙間に配置した。
【0043】
また、試料に比べて挿入するための大きな断面積を必要とするプローブ10を第1のアクセスポートから挿入し、第2のアクセスポートから試料を挿入し、両者の位置が計測空間で一致するような構成とする。これによって、従来のNMR装置用マグネットに比べ極端にマグネットの成立性の難易度,コストなどの上昇と大型化を招くことなく、NMR信号計測の高感度化を実現することが可能となる。
【0044】
また、第2の挿入ポートを、マグネットを完全に貫通するような構成とすることによって、従来のNMR分析装置で実装していたように、片側から試料を挿入し、もう片側から試料の温度を調整、試料を回転させる気流を導入することが可能となる。また、フロー方式により、試料を試料挿入管を通じて連続的、または、断続的に計測空間へ導入,移動させることが可能となる。
【0045】
また、第1の挿入ポートがマグネットを貫通していることによって、ポートの片側からプローブを挿入した場合、もう片側からのアクセスが可能となる。片側からのアクセス経路を通って計測試料に対し、光(電磁波)などを照射することが可能となり、光活性を持つ測定試料に対して、光(電磁波)を照射しながらその反応状態のNMR信号を計測することが可能となる。
【0046】
また、マグネットを超伝導コイルで構成することによって、磁場強度を向上させることが可能で、マグネットを永久電流モード運転とすることで、時間的に安定な磁場を提供することが可能となる。
【0047】
また、マグネットを構成するコイルを巻回する中心軸を、水平方向とすることにより、マグネット全体の重心の位置を低くすることが可能となる。
【0048】
従来のNMR分析装置用のマグネットでは、図9に示すように中心軸が鉛直方向になるように配置されている。従って、この中心軸に沿って下方からプローブが挿入されていた。そのためマグネット全体の位置が上がり、試料挿入口が高い位置にあった。
【0049】
また、マグネットを横置きとすることにより、第2のアクセスポートから試料を挿入する入口が下がるため、試料の交換が容易となる。
【0050】
また、マグネットを横置きにした場合でも、マグネットの高磁場化などによって、マグネットの径が大きくなった場合には試料の交換が難しくなる。
【0051】
この場合には、図7に示すように第2のアクセスポートを鉛直方向から傾けることによって、試料挿入口の位置を下げると共に、マグネットの中央から端の方にずらすことができ、アクセス性が向上する。
【0052】
また、図8に示すように、前記第1および第2のアクセスポートと異なる第3のアクセスポート22を備えることによって、さらに計測空間3へのアクセス性を向上させることができる。さらに、第3のポートが計測空間3を通りマグネットを貫通するようにできるので、測定試料に対して光(電磁波)を照射し、その透過光、散乱光を検出することによって、試料の構造情報などを抽出する装置を組み込むことが可能となる。
【0053】
また、第2のアクセスポートがスプリット型マグネットを貫通している場合、アクセスポートの断面形状を円から楕円または矩形等とする。これによって、マグネットギャップを大きくすることなく、アクセスポートの断面積を大きくすることが可能となり、計測空間3へのアクセス性が向上する。
【0054】
【発明の実施の形態】
〔実施例 1〕
図3に示すように、同軸状に複数のコイル43,44,45が入れ子になって巻回された多層コイル群が、中心軸15が水平となるように配置される。図4に示すように、それぞれのコイル46の中央部には、マグネット中心部にアクセスするポートを形成するための隙間12ができるように巻回されている。
【0055】
ポートを確保するために設けられたコイル巻線中央部の隙間12の大きさは、幅方向におよそ40mmで、コイル巻線は、この隙間をなるべく小さくするように巻回されている。
【0056】
また、多層コイル群の外側にこの隙間を侵さないように、軸対称および非軸対称の誤差磁場を補償するためのシムコイル群(図示省略)が配置される。さらに、多層コイルの内側にもシムコイル群が配置される。
【0057】
本実施例では、多層コイルは9つのコイルから構成されており(図示省略)、それぞれのコイルは、曝されている磁場強度に応じて、適切な超伝導線材となるように、半径方向外側の3つのコイルはNbTi線材によって巻かれ、それ以外はNb3Sn線材によって巻かれている。
【0058】
多層コイル群を構成するコイルは、電気的に直列回路となるように超伝導接続されて、一つの電流ループを形成し、多層コイル群は永久電流モードで運転される。
【0059】
外側に配置されたシムコイル群は、NbTi線材で構成され、NMRマグネットの誤差磁場の種類として一般に表現されるところのX,Y,XY,X2−Y2,ZX,ZY項を補償する磁場を発生し、内側に配置されたシムコイル群はNb3Sn線材で構成され、それらの誤差磁場を補償する磁場と共に、さらに高次項の補償磁場を発生する。
【0060】
シムコイルを含めたコイル群の内径は直径80mmで、外径は約700mmである。
【0061】
本構成によりマグネットは、中心磁場強度14.1T(プロトン共鳴周波数600MHz)で、直径20mmの球面内部で磁場の乱れが1ppb以下、磁場強度の減衰率が約2ppb/hour以下の磁場を発生した。
【0062】
コイルは、液体ヘリウムに浸されて運転されるために、冷媒となる液体ヘリウムを保持する液体ヘリウム容器6内に配置される。また、液体ヘリウム容器6への熱侵入量を低減するために、液体ヘリウム層の外側には輻射シールド、断熱真空層が形成されており、輻射シールドを冷却するための液体窒素層(図示省略)も備えている。
【0063】
マグネットには、コイルの半径方向およびコイルの中心軸方向からマグネット中心の計測領域に、アクセスするためのポートを備えている。ポートは、前記液体ヘリウム容器6,輻射シールド,断熱真空層等の一部を形成し、かつ、マグネット中心部で、両方のアクセスポートが一致するように形成される。
【0064】
両方のポートは真空容器,液体ヘリウム容器,コイルを完全に貫通するように設けられている。従って、マグネットとしてはマグネット中心部の計測空間3に対して、4つの方向からアクセスが可能である。中心軸方向からのアクセスポートの内径は直径54mmで、マグネット半径方向からのアクセスポートの直径は20mmであった。
【0065】
NMR分析装置は、均一磁場発生用マグネット、検出用アンテナコイル、電磁波照射用のRF照射コイル、試料の温度調節機構、サンプルを保持、回転させる機構、それらの信号処理装置、制御装置などを主たる構成要素として構成されている。
【0066】
これらの構成要素のうち、検出用アンテナコイル,RF(Radio Frequency)照射コイル,試料の温度調節機構,サンプル保持,回転機構は、従来NMR分析装置では一体化されたプローブとしてマグネットに挿入され使用されている。
【0067】
また、従来のNMR分析装置では、図9に示すようにマグネットの中心軸に上下方向に貫通したアクセスポート2が形成されており、プローブ10はアクセスポートの下方から、試料11はアクセスポートの上方から挿入される形が一般的である。
【0068】
本実施例では、RF照射コイルおよびソレノイド型の検出アンテナを備えたプローブ10が中心軸方向のアクセスポート1から挿入され(図6参照)、5〜10mmの試験管に入れた測定試料が,マグネット半径方向からのアクセスポート2の上方より挿入される(図1参照)。
【0069】
さらに測定試料の温度調節用ガスフロー機構および回転機構が同ポート2の下方より挿入され、マグネット中心部の計測空間3において、これら3者が一体化する構成となっている。
【0070】
NMR分析装置では、主磁場の方向に対して垂直方向の磁化を検出するような検出アンテナ(検出コイル)が必要となるため、検出アンテナ(検出コイル)はマグネットの半径方向の磁化を検出するように配置されなければならない。
【0071】
本実施例では、図2に示すように計測空間3に配置された検出アンテナ(ソレノイド型コイル5)の軸方向の向きが、マグネットの主磁場に対して直交するように配置されている。
【0072】
マグネットの中心軸に対して、直交する方向(半径方向)からの試料挿入用のアクセスポートを形成することによって、この検出アンテナ(ソレノイド型コイル5)を貫くように試料11を挿入することが可能となる。
【0073】
このように、試料11がソレノイド型検出アンテナ(ソレノイド型コイル5)を貫くような位置関係としたことによって、従来のNMR分析装置用の鞍型、鳥かご型と云うような形態のアンテナに比べ、コイルの形状と試料の位置関係によって決定される信号検出効率が少なくとも1.4倍以上となるため、従来のNMR分析装置よりも高感度の計測を実現できる。
【0074】
試料と検出アンテナの位置関係を前記のように配置するための別の方法としては、マグネット中心軸方向からのアクセスポートではなく、試料挿入用ポートと同様にマグネット半径方向からのアクセスポートを試料挿入ポートと直交するように形成し、そのポートを利用してプローブを挿入すればよい。
【0075】
しかし、この場合は、プローブ内部にRFコイル、検出アンテナを実装するために必要となるプローブの直径は、おおよそ40〜50mmφ程度となり、試料を入れる試験管の直径が3〜10mm程度であることから、コイル巻線部に形成する隙間12を、大きくする必要がある。隙間12が大きくなることによって、NMR計測に必要な磁場均一度を出すことが難しくなることから、コイル構成が複雑になると同時に、中心磁場強度が下がってしまうため、より多くの起磁力が必要となる。
【0076】
起磁力が増加することによって、コイルに働く電磁力が大きくなると共に、コイルを巻く超伝導線が経験する磁場強度が増加する。
【0077】
超伝導線は、ある磁場強度以下でしか実質的に超伝導状態として電流を通電することができず、また、外部からの擾乱による磁場変動や、コイル巻線の微小移動による発熱により、超伝導状態から常伝導状態へと転移するクエンチ現象を誘発させないためにも、経験磁場を下げて、安全マージンを確保することが超伝導マグネットの設計で重要である。
【0078】
プローブをコイル中央部の隙間から挿入する方式に比べると、本実施例では磁場均一度を確保しながら14.1Tを発生させるために、11個で構成されていたコイルを9個に低減することができる。これによって、コイルが経験する磁場を16.2Tから15.4Tまで低減することができ、電磁力が厳しい部分での応力値を30MPa程度低減することができた。
【0079】
また、従来のNMR分析用プローブは、RF照射コイル、検出用アンテナ、試料回転機構、試料温度調整機構などが一体化されて実装されていた。しかし、本構成のようにプローブ内部にはRF照射コイルおよび検出コイルを実装し、試料回転機構、試料温度調整機構をプローブから分離することが可能となる。
【0080】
このため、プローブ内部の実装空間を広げることができるためRF照射コイル、検出用アンテナの実装上での制約が緩和されるため、より効率のよりRFコイル、アンテナとすることが可能である。
【0081】
また、検出用アンテナを極低温に冷やして使用するクライオプローブの場合には、十分な断熱真空層、伝導冷却パスなどを確保することが可能となり、従来型プローブの運転温度よりもさらに低温(20K→5K)での運転が可能となる。その結果、NMR信号のS/Nが向上するため、2倍弱の高感度の計測が可能となる。
【0082】
中心軸方向からのプローブ挿入ポートは、マグネットを貫通しているため、プローブを挿入した反対側からの計測空間へのアクセスが可能である。このアクセスポートは、光活性を持つ試料の測定の際に、光を導入するポートとして使用することが可能となる。
【0083】
〔実施例 2〕
実施例1では、試料挿入ポートを確保するためにコイル巻線中央部に隙間12ができるように巻線を行った。これに代わるものとして、コイル中央部に隙間12を設けず、図5に示すようにある軸を共通の中心軸15とするように巻回されたソレノイドコイル群1(図5の41)と、同様なソレノイドコイル群2(図5の42)を、中心軸15を共通にしてある間隔を設けて構成する方法がある。
【0084】
この方法は、コイルの作製が容易であり、巻線の対称性が良いため均一磁場設計が容易である。また、電磁力が比較的均等に架かるため、耐電磁力の点から有利となる。
【0085】
しかし、コイル間の隙間が大きくなったことに相当するため、中心磁場強度の低下が大きくなり、また、均一磁場を発生させるために逆向きの磁場を発生させるコイルを必要とする場合が生ずる。このため、コイル群1(41)とコイル群2(42)のギャップをなるべく小さくする必要がある。
【0086】
本実施例では、測定用試料が挿入可能な最小限のギャップとすることによって、均一磁場の発生が容易になる。
【0087】
〔実施例 3〕
実施例1では、マグネットの中心軸15が水平となるように配置されている。本発明は、磁場発生方向が水平方向に限定されるものでない。本実施例では、垂直方向で行った。
【0088】
従来のNMR分析装置では、マグネット中心軸が鉛直方向になるように設置され、上方(床面から2m以上)から試料を挿入するため、試料の交換が不便であった。本発明では、試料挿入ポートがマグネット中央部に位置するため、試料を挿入する位置が2m以下となり、試料交換が容易となる。
【0089】
また、磁場発生方向を鉛直方向とする利点は、マグネットが発生する漏洩磁場の広がりを強磁性体の磁気シールド(磁気シールドルーム)を用いて低減しようとする場合に、磁場均一度を確保する上では、強磁性体シールドの配置はマグネット中心から対称的に配置することが望ましい。特に、床下にシールドを配置しなければならない水平磁場マグネットに対して、比較的容易に磁気シールドを設置できる。
【0090】
〔実施例 4〕
前記の実施例では、マグネットの中心軸15が水平で、試料挿入ポートが鉛直方向であったが、試料挿入ポートの挿入方向はマグネットの中心軸に対して垂直であればよく、鉛直方向に限定されるものではない。
【0091】
実施例1では、クライオスタット全体を含めたマグネットの径は、おおよそ1.6mであり、床置きのマグネットの場合においても、少なくとも床上1.6m以上の位置に試料挿入口がある。この場合、試料を交換するためにはマグネットの脇に立って80cm程度手を伸ばし、高さ1.6mの位置で試料を交換する必要がある。
【0092】
図7に示すように、試料挿入ポート(第2のアクセスポート2)を鉛直方向から傾けることによって、試料ポートの入口が操作者に近づき、かつ、高さも下がるために試料の交換が容易となる。なお、この場合、傾け角度は鉛直方向から30〜45度が好ましい。
また、マグネット(磁場発生手段4)を床に直置き、もしくは床面に接近させて設置すると、上記試料挿入ポートとは反対側の下側のポートのアクセス性が悪いが、試料挿入ポートを鉛直方向から傾けることによって、床面との間にクリアランスを確保することができ、アクセス性を改善することができる。
【0093】
〔実施例 5〕
実施例1では、プローブ挿入用の使用していない片側からのアクセスポートから、試料に対して光を導入することが可能である。このポートに0.1mm以下の波長の遠赤外線、可視光、X線などの電磁波照射装置を設置した。
【0094】
タンパク質の一部には光活性を有するものがあり、光を照射することによって構造が変わるため、本構成によって光活性による反応,構造変化をNMR装置で計測が可能となる。
【0095】
〔実施例 6〕
実施例1では、プローブ挿入用のポートと試料挿入用のポートの2本が、マグネット中心で直交するように設置されているが、図8に示すように、さらにプローブ挿入ポートおよび試料挿入ポートとは異なる3番目のアクセスポート22を設置してもよい。
【0096】
実施例5では、使用していないプローブ挿入用ポートの片側から試料に対して光(電磁波)を導入することが可能であったが、試料に対して光を照射し、試料の透過光,散乱光を検出し試料の構造情報などを抽出する分析機器を設置する場合には、試料に対して光を導入する導入ポートと検出用のポートが必要となる。このポートは必ずしも直線状に配置される必要はなく、透過光,散乱光に応じてある角度で結合されていればよい。
【0097】
〔実施例 7〕
実施例1では、試料を試料挿入用ポートである第2のアクセスポート2の上方から挿入し、下方から試料の温度調整,試料回転用のガスを導入していたが、測定試料を連続的に、かつ、移動させて計測空間へ搬入するための試料搬送管を試料挿入用のアクセスポートに設置することが可能である。
【0098】
【発明の効果】
本発明では、コイル巻線部に隙間を形成し、この隙間から試料をマグネット中心の計測空間3に挿入するアクセスポート2を備え、マグネット中心軸からこの計測空間へプローブを挿入するアクセスポートを備えることにより、NMR計測を行う際に測定試料がソレノイド型検出コイルを貫き、かつ、主磁場の方向とは直交するように配置をすることが可能となる。
【0099】
また、巻線部に設ける隙間12の大きさを最小限とすることによって、隙間12のないマグネットと比べ、高いマグネットの成立性等が容易になる。
【0100】
また、プローブの出し入れを伴わないで、試料の出し入れが可能なため、試料交換が容易なマグネットを提供することができる。
【0101】
また、プローブ、試料などで塞がれていない計測空間へのアクセスポートを備えることで、外部から測定用の光を導入することができるNMR計測装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマグネットの構成を示す概略斜視図である。
【図2】磁場と試料とソレノイド型検出コイルの位置関係を示す模式図である。
【図3】同軸多層ソレノイドの構成の概念を示す模式斜視図である。
【図4】コイル巻線部に第2のアクセスポート挿入用の隙間12を形成した模式斜視図である。
【図5】スプリット型マグネットの模式斜視図である。
【図6】第1および第2のアクセスポートとコイルの位置関係、および、プローブ,試料,光の導入方向を示す概念図である。
【図7】本発明の一例である実施例4の模式斜視断図である。
【図8】本発明の一例である実施例6の模式斜視断図である。
【図9】従来型NMR分析装置用マグネットの模式断面図である。
【符号の説明】
1…第1のアクセスポート(プローブ挿入用)、2…第2のアクセスポート(試料挿入用)、3…計測空間、4…磁場発生手段、5…ソレノイド型検出コイル、6…液体ヘリウム容器、7…真空容器、8…電流導入ポート、9…防振支持脚、10…プローブ、11…試料、12…隙間、15…コイル中心軸(仮想中心軸)、22…第3のアクセスポート、41,42…同軸多層コイル、43,44,45,46…コイル。
Claims (16)
- ある軸を中心軸とするように導電体が巻回され、該導電体に通電して該導電体によって囲まれる空間に計測を行うための計測空間を含む磁場空間が形成されるNMR分析装置用マグネットであって、前記導電体は、マグネット外部領域から前記中心軸の付近を通って前記計測空間にソレノイド型検出コイルを備えたプローブを挿入するための第1のアクセスポートと、該第1のアクセスポートとは異なる方向から前記計測空間内の主磁場方向に対し直交し、かつ前記プローブの検出コイルを貫くように測定試料を挿入するための第2のアクセスポートを、前記マグネットが備えるように、前記第1および第2のアクセスポートを配置する領域を侵さないように巻回されており、前記第1と第2のアクセスポートの有効径を、アクセスポートに挿入可能な円筒の直径と定義した場合、前記第2のアクセスポートの有効径は第1のアクセスポートの有効径よりも小さいことを特徴とするNMR分析装置用マグネット。
- ある軸を中心軸とするように導電体が巻回される第1のコイルと、該第1のコイルと中心軸を共有する第2のコイルが対向するように配置され、前記第1のコイルと第2のコイルによって囲まれる空間内部に計測空間を含む磁場空間が形成されるNMR分析装置用マグネットであって、該マグネットには、前記中心軸の方向から前記計測空間にソレノイド型検出コイルを備えたプローブを挿入するための第1のアクセスポートと、前記第1のアクセスポートとは異なる方向から前記計測空間内の主磁場方向に対し直交し、かつ前記プローブの検出コイルを貫くように、測定試料を挿入するための第2のアクセスポートとが前記第1と第2のコイルの間隙に設けられ、前記第1と第2のアクセスポートの有効径を挿入可能な円筒の直径と定義した場合、前記第2のアクセスポートの有効径は前記第1のアクセスポートの有効径よりも小さいことを特徴とするNMR分析装置用マグネット。
- 前記第2のアクセスポートがマグネットを貫通している請求項1または2に記載のNMR分析装置用マグネット。
- マグネットには少なくとも1つの超電導コイルを備える請求項1,2または3に記載のNMR分析装置用マグネット。
- 前記第1のアクセスポートは水平であり、また、前記第2のアクセスポートは鉛直方向から、はずれている請求項1〜4のいずれかに記載のNMR分析装置用マグネット。
- 前記第1および第2のアクセスポートと異なる第3のアクセスポートを備えた請求項1〜5のいずれかに記載のNMR分析装置用マグネット。
- 前記第3のアクセスポートが前記計測空間を通り、マグネットを貫通するように配置されている請求項6に記載のNMR分析装置用マグネット。
- 一つ以上の非円形断面形状のアクセスポートを備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のNMR分析装置用マグネット。
- ある軸を中心軸とするように導電体が巻回され、該導電体に通電して該導電体によって囲まれる空間に計測を行うための計測空間を含む磁場空間が形成されるNMR分析装置用マグネットを備え、前記導電体は、マグネット外部領域から前記中心軸の付近を通って前記計測空間にソレノイド型検出コイルを備えたプローブを挿入するための第1のアクセスポートと、該第1のアクセスポートとは異なる方向から前記計測空間内の主磁場方向に対し直交し、かつ前記プローブの検出コイルを貫くように測定試料を挿入するための第2のアクセスポートを、前記マグネットが備えるように、前記第1および第2のアクセスポートを配置する領域を侵さないように巻回されており、前記第1と第2のアクセスポートの有効径を、アクセスポートに挿入可能な円筒の直径と定義した場合、前記第2のアクセスポートの有効径は第1のアクセスポートの有効径よりも小さいことを特徴とするNMR分析装置。
- ある軸を中心軸とするように導電体が巻回される第1のコイルと、該第1のコイルと中心軸を共有する第2のコイルが対向するように配置され、前記第1のコイルと第2のコイルによって囲まれる空間内部に計測空間を含む磁場空間が形成されるNMR分析装置用マグネットを備え、該マグネットには、前記中心軸の方向から前記計測空間にソレノイド型検出コイルを備えたプローブを挿入するための第1のアクセスポートと、前記第1のアクセスポートとは異なる方向から前記計測空間内の主磁場方向に対し直交し、かつ前記プローブの検出コイルを貫くように、測定試料を挿入するための第2のアクセスポートとが前記第1と第2のコイルの間隙に設けられ、前記第1と第2のアクセスポートの有効径を挿入可能な円筒の直径と定義した場合、前記第2のアクセスポートの有効径は前記第1のアクセスポートの有効径よりも小さいことを特徴とするNMR分析装置。
- 前記第2のアクセスポートがマグネットを貫通する請求項9または10に記載のNMR分析装置。
- 前記マグネットが少なくとも1つの超電導コイルを備えた請求項9,10または11に記載のNMR分析装置。
- 前記第1のアクセスポートは水平であり、前記第2のアクセスポートは鉛直方向からはずれている請求項9〜12のいずれかに記載のNMR分析装置。
- 前記第1および第2のアクセスポートと異なる第3のアクセスポートを備えている請求項9〜13のいずれかに記載のNMR分析装置。
- 前記第3のアクセスポートが前記計測空間を通り、マグネットを貫通するように配置されている請求項14に記載のNMR分析装置。
- 一つ以上の非円形断面形状のアクセスポートを備えた請求項9〜15のいずれかに記載のNMR分析装置。
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