JP2004324694A - 建設機械の油圧回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】アイドリング状態から通常操作状態に戻すときのエンスト等の防止し、簡単に実施可能な油圧装置を提供することを課題としている。
【構成】負帰還制御ラインに電磁切換弁を挿入し、電磁切換弁のソレノイドをコントローラの出力側に接続し、コントローラの入力側にエンジンの回転数センサの出力と操作検出手段の出力とを接続し、コントローラは操作検出手段の出力により非操作状態が一定時間以上続いた場合に前記電磁切換弁を絞り側に切換える切換え信号と前記エンジンをアイドリング状態にするアイドリング信号を出力するように構成し、更にアイドリング状態において操作状態を検出したときはエンジンに通常回転にする信号を出力した後にエンジンの回転数が所定回転数以上になったことを検出したときは電磁切換弁のソレノイドに連通側に切換える切換え信号を出力するように構成したことを特徴とする。
【選択図】図1
【構成】負帰還制御ラインに電磁切換弁を挿入し、電磁切換弁のソレノイドをコントローラの出力側に接続し、コントローラの入力側にエンジンの回転数センサの出力と操作検出手段の出力とを接続し、コントローラは操作検出手段の出力により非操作状態が一定時間以上続いた場合に前記電磁切換弁を絞り側に切換える切換え信号と前記エンジンをアイドリング状態にするアイドリング信号を出力するように構成し、更にアイドリング状態において操作状態を検出したときはエンジンに通常回転にする信号を出力した後にエンジンの回転数が所定回転数以上になったことを検出したときは電磁切換弁のソレノイドに連通側に切換える切換え信号を出力するように構成したことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、建設機械に搭載した原動機(以下、エンジンという)のアイドリング状態から通常の操作状態に復帰させるための駆動システムの制御に関するものである。
【0002】
【従来技術】
建設機械に搭載するエンジンは非操作状態が一定時間以上継続する場合はエンジンを負荷の小さな状態、いわゆるアイドリング状態にして、エンジンの燃料を節約している。この場合に、急激に通常の操作状態に戻そうとすると、エンジン負荷が急激に増加してエンストが起き易くなるというるという不都合や、作業機が急激に動作して思わぬトラブルが生じやすくなる。このような課題を解決するために従来から種々の方法、技術が提案されている。例えば、公開特許公報、特開平9−195957号に開示されている装置がある。以下にこの従来装置について簡単に説明する。
【0003】
図5は上記従来装置の回路図を示す。図5において、エンジン52の出力軸に油圧ポンプ54、パイロット油圧ポンプ67が連結されている。油圧ポンプ54はレギュレータ74により吐出量が可変になっている。油圧ポンプ54の吐出油路には切換弁58が接続され、切換弁58の出力ポートには負荷57を駆動するアクチュエータ(油圧モータ)56が接続されており、パイロットポートには操作レバー(リモコン弁)59が接続されている。コントローラ79の入力側にはエンジン52の回転数を操作するための操作手段(スロットルレバー)63の出力St、油圧ポンプ54の油圧を検出する圧力センサ75の出力Poが接続され、更にスイッチ61、62が接続されている。
【0004】
シャトル弁60によりリモコン弁59のパイロット圧のうち最大油圧が選択され、パイロットスイッチ62に導かれる。スイッチ61がオンの場合にはオートアイドリングが適用される。又、エンジン52の内部にはガバナレバー70が設けられており、ケーブル64を介してガバナ駆動装置72のステッピングモータに接続されており、このステッピングモータはコントローラ79の回転数指令信号Scによってエンジン回転数が制御される。
【0005】
図6(A)はスロットルレバー63のストロークStとエンジン52の目標回転数Nとの関係を示す。図で、N1は設定回転数、N2はアイドリング回転数である。スロットルレバー63の操作によりストロークStに対応して設定回転数N1が任意に設定可能である。なお、図中の記号NL,NHは最小設定回転数、最大設定回転数を示す。図6(B)は油圧ポンプ54の吐出圧Poとコントローラ79の駆動信号Srによってレギュレータ74のポンプ目標押しのけ容積D(ポンプの吐出量に比例する)との関係を示す。エンジン52の目標回転数がN1に設定されているときは油圧ポンプ54のトルクは曲線T1に設定され、エンジン52の目標回転数がアイドリング回転数N2になっているときは油圧ポンプ54のトルクは曲線T2が設定される。
【0006】
以下に、アイドリング状態(エンジン回転数=N2、ポンプトルク=T2)から通常の操作状態(エンジン回転数=N1、ポンプトルク=T1)に復帰させる場合の制御手順について図7を利用して説明する。まず、スロットル信号Stから復帰状態のエンジン回転数N1を求め、トルクの増加分ΔT=T1−T2(>0)を求める。ポンプトルク増加量X(一定値、X<ΔT)を予め定めておき、仮に復帰させるトルク曲線T21(=T2+X)を求める(図7参照)。ポンプの吐出圧Poに基づいて、エンジン回転数指令信号Scとポンプ容積をDにする駆動信号Srを求め、指令信号Scをガバナ駆動装置72に出力し、駆動信号Srをレギュレータ74に出力する。トルク曲線T21に達したら、次にトルク曲線T22を求め同様な操作を繰り返し行う。この操作をトルク曲線がT1に達するまで繰り返す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上に述べた従来装置においてはポンプトルク増加量Xを小さく設定すれば、アイドリング状態から通常の操作状態へ円滑に復帰させることができる。しかし、制御操作が複雑であり、装置の作成やプログラムの作成及びチェックが複雑で、コスト高になるという課題がある。特に、エンジンの出力軸に複数の作業機用油圧ポンプを連結している場合は制御操作が更に複雑になるという課題がある。
本発明は、上記事実に鑑みなされたものであり、簡単に実施可能で、かつエンスト等の不都合が生じない油圧装置を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するための手段として以下の構成を採用している。即ち、
請求項1に記載の発明は、エンジンで駆動される可変流量油圧ポンプと、該油圧ポンプの吐出流量を制御するレギュレータと、該油圧ポンプの下流にアクチュエータを制御する切換弁並びに絞りを介して油タンクに接続したセンタ油路と、前記アクチュエータの操作を検出する操作検出手段と、該センタ油路の前記絞りの上流側油圧を前記レギュレータに印加する負帰還制御ラインとを具備する建設機械の油圧回路において、前記負帰還制御ラインに連通油路と絞り油路とが切換え可能な電磁切換弁を挿入し、該電磁切換弁のソレノイドをコントローラの出力側に接続し、該コントローラの入力側に前記エンジンの回転数センサの出力と前記操作検出手段の出力とを接続し、該コントローラは前記操作検出手段の出力により非操作状態が一定時間以上続いた場合に前記電磁切換弁を絞り側に切換える切換え信号と前記エンジンをアイドリング状態にするアイドリング信号を出力するように構成したことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記コントローラは、更にアイドリング状態において操作状態を検出したときは前記エンジンに通常回転にする信号を出力した後に、前記エンジンの回転数が所定回転数以上になったことを検出したとき、又は所定時間が経過したときは前記電磁切換弁のソレノイドに連通側に切換える切換え信号を出力するように構成したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態を図に基づいて説明する。図1は本発明を実施した実施形態1の構成を示すブロック図である。図1において、エンジン11の出力軸に作業機用の油圧ポンプ12、パイロット油圧ポンプ13が連結されている。油圧ポンプ12は吐出量可変で、レギュレータ14によって吐出量が調節される。エンジン11には回転数を検出する回転数計15とエンジンの回転数を設定する設定器(例えば、ガバナーの位置を変更する設定器)16が設けられている。油圧ポンプ12の吐出油路(センタ油路)17には図示省略の作業機のアクチュエータを制御する切換弁(又は切換弁郡)18が接続され、その下流にはフィードバック信号(ネガコン圧)を発生させるための絞り19を介して油タンクTに接続されている。
【0011】
分岐油路20はフィードバック信号をレギュレータ14の第1制御ポート14aに印加する油路で、分岐油路21はレギュレータ14の第2制御ポート14bに印加する油路である。第2制御ポート14bに印加された油圧によりレギュレータ14は油圧ポンプ12の負荷トルクを一定値に維持するように制御する。また、レギュレータ14は第1制御ポート14aに印加された油圧により油圧ポンプ12の負荷トルクを増減させる。即ち、フィードバック信号油圧が小さいときは吐出量を大きくして負荷トルクが大きくなる。逆にフィードバック信号油圧が大きいときは吐出量を小さくして負荷トルクが小さくなる。
【0012】
電磁切換弁23は状態「イ」のとき連通状態で、「ロ」のときに絞り状態となる。この切換えはコントローラ30の切換え信号によって切り換る。操作レバー25は切換弁18を操作するためのリモコン弁と結合され、一体となっている。操作レバー25(又は、そのリモコン弁)の出力がシャトル弁と圧力スイッチを介してコントローラ30の入力側に接続されている。コントローラ30は任意の1個以上の操作レバー25が操作されているときは「操作あり」とし、全ての操作レバー25が操作されていないときは「操作なし」との信号を出力する。例えば、コントローラ30は各操作レバー25の操作状態の検出結果の論理積(又は論理和)を求めて、「操作あり」又は「操作なし」を判定する。
【0013】
コントローラ30は操作レバー25の出力信号、回転数計15の出力信号に基づいて以下のように作用する。即ち、操作レバー25の出力信号の判定結果が「操作あり」の状態から「操作なし」の状態に変化した場合は、「操作なし」の状態が一定時間続いたら回転数設定器16にアイドリング信号を出力し、エンジン回転数を所定のアイドリング回転数まで低下させ、同時に電磁切換弁23のソレノイドに「絞り」信号を出力し状態「ロ」に切換えてアイドリング状態にする。又、アイドリング状態のときに「操作あり」を検出したときは回転数設定器16に通常操作信号を出力して操作時の通常回転数に戻すと共に、検出後一定の時間(遅れ時間)又は回転数計15の出力信号が所定回転数以上に上昇したときに電磁切換弁23のソレノイドに「連通」信号を出力し状態「イ」に切換えて通常操作状態にする。
【0014】
本実施形態は上記した構成により、以下のように機能する。即ち、「操作なし」の状態が一定時間続いたときはアイドリング状態になり、電磁切換弁23が状態「ロ」に切り換り、第1制御ポート14aに印加される油圧が小さくなり油圧ポンプの吐出量が減少する。吐出圧Poは不変であるから、従って負荷トルクは小さくなる。一方、エンジン11の回転数も減少するので出力トルクも減少し、入出力トルクはバランスする。これによって燃費が減少し、効率が改良される。
【0015】
次に、アイドリング状態から急激な操作により通常操作状態に切り換るときは、回転数設定器16に通常回転数信号を出力し、エンジン回転数を通常操作の回転数に戻す。次に、例えば、回転数計15の出力信号が所定回転数以上に上昇したとき(或いは、所定時間が経過したとき)電磁切換弁23のソレノイドに「連通」信号を出力し、状態「イ」に切換える。これによって、油圧ポンプ12の負荷トルクを通常操作状態(吐出量P1)に戻す。このときのエンジン11の回転数変化(図A)と油圧ポンプ12の吐出量変化(図B)を図2に示す。図2(A)に示すように、エンジン回転数はアイドリング回転数Noから上昇し、所定回転数Nsになったときに電磁切換弁23に連通信号を出力し、状態「イ」に切換える。これによって、油圧ポンプ12の吐出量(又は負荷トルク)は最初の時間tsの間は緩やかに増加し、時間ts経過後に急激に増加し、吐出量P1に復帰する。
【0016】
以上に説明したように、本実施形態によるアイドリング状態から通常操作状態への復帰は、油圧ポンプ12の吐出量が最初は緩やかに増加し、所定時間後に急激に増加するように制御しているので、急激な過負荷によるエンスト等の不都合も発生せず、又後半は急速に回復するために全体として通常操作状態への復帰は円滑に行われ、オペレータに操作の遅延を感じさせる不都合も生じない。
【0017】
図3は本発明を採用していない場合のエンジン回転数の変化と油圧ポンプの吐出量の変化を参考のために示す。図3に示すように、アイドリング状態から時刻t1で操作を開始すると、油圧ポンプの吐出量はPoから急激に増加して時刻t2ではオーバシュートを引き起こし、その後に通常操作の吐出量P1に変化する。このために時刻t2では、油圧ポンプの負荷トルクがエンジンの出力トルクよりも大きくなり、エンストを生じさせ易い状態又はエンストが生じた状態になる。エンストが生じた場合は瞬時にエンジン回転数は0になり、ポンプ吐出量も0になる。
【0018】
図4は複数(2個の)の作業用油圧ポンプ31、32を駆動する装置について本発明を実施する実施形態2のブロック図を示す。図4で図1と同じ構成要素については同じ番号を付して詳細な説明を省略する。図4において、エンジン11の出力軸に油圧ポンプ31、油圧ポンプ32が同軸に連結されており、油圧ポンプ31,32の吐出量は夫々レギュレータ37、38によって制御されている。制御は上記の実施形態(図1参照)の場合と同様である。油圧ポンプ31の吐出油路には切換弁35が接続され、絞り19を介して油タンクTに接続されている。同様に油圧ポンプ32の吐出油路には切換弁36が接続され、絞り19を介して油タンクTに接続されている。
【0019】
絞り19の上流側圧力をレギュレータ33(又は34)に負帰還する分岐油路に電磁切換弁37(又は38)を挿入する。電磁切換弁37(又は38)のソレノイドはコントローラ40の出力側に接続されている。又、操作検出器39は切換弁35の操作レバー及び切換弁36の操作レバーの何れかが1つでも操作状態にあるときは「操作あり」とし、何れかもが操作状態にないときに「操作なし」の信号を出力する。なお、電磁切換弁37と電磁切換弁38は同じ構成にして、切換え信号に同じ信号を採用することがよい。
【0020】
実施形態2は実施形態1と機能的には同じような構成であり、作用及び機能は殆ど同じであり。従って、同様な効果が得られる。
以上本発明の実施形態を図面に基づいて詳述してきたが、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではなく、単なる設計上の変更と見なされる変更があっても本発明の技術的範囲に属する。
【0021】
【発明の効果】
アイドリング状態から通常操作状態への復帰は、油圧ポンプの吐出量が最初は緩やかに増加し、所定時間後(又は所定回転数に達したとき)に急激に増加するように制御しているので、急激な過負荷によるエンスト等の不都合も発生せず、又後半は急速に回復するために全体として通常操作状態への復帰は円滑に行われ、良好な操作環境が得られるという効果が生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の構成図を示す。
【図2】実施形態1のアイドリング状態から通常操作状態に復帰させるときの応答を示す。
【図3】本発明を具備していない従来装置の応答を示す。
【図4】本発明の実施形態2の構成図を示す。
【図5】公知文献記載の従来装置の構成を示す。
【図6】(A)、(B)は上記従来装置の諸特性を示す。
【図7】上記従来装置でアイドリング状態から通常操作状態に復帰させるときの手順を説明した図を示す。
【符号の説明】
11 エンジン
12 作業機用油圧ポンプ
14 レギュレータ
14a 第1制御ポート
14b 第2制御ポート
15 回転数計
16 回転数設定器
19 フィードバック信号発生用絞り
23 電磁切換弁
25 操作レバー
30 コントローラ
【発明の属する技術分野】
この発明は、建設機械に搭載した原動機(以下、エンジンという)のアイドリング状態から通常の操作状態に復帰させるための駆動システムの制御に関するものである。
【0002】
【従来技術】
建設機械に搭載するエンジンは非操作状態が一定時間以上継続する場合はエンジンを負荷の小さな状態、いわゆるアイドリング状態にして、エンジンの燃料を節約している。この場合に、急激に通常の操作状態に戻そうとすると、エンジン負荷が急激に増加してエンストが起き易くなるというるという不都合や、作業機が急激に動作して思わぬトラブルが生じやすくなる。このような課題を解決するために従来から種々の方法、技術が提案されている。例えば、公開特許公報、特開平9−195957号に開示されている装置がある。以下にこの従来装置について簡単に説明する。
【0003】
図5は上記従来装置の回路図を示す。図5において、エンジン52の出力軸に油圧ポンプ54、パイロット油圧ポンプ67が連結されている。油圧ポンプ54はレギュレータ74により吐出量が可変になっている。油圧ポンプ54の吐出油路には切換弁58が接続され、切換弁58の出力ポートには負荷57を駆動するアクチュエータ(油圧モータ)56が接続されており、パイロットポートには操作レバー(リモコン弁)59が接続されている。コントローラ79の入力側にはエンジン52の回転数を操作するための操作手段(スロットルレバー)63の出力St、油圧ポンプ54の油圧を検出する圧力センサ75の出力Poが接続され、更にスイッチ61、62が接続されている。
【0004】
シャトル弁60によりリモコン弁59のパイロット圧のうち最大油圧が選択され、パイロットスイッチ62に導かれる。スイッチ61がオンの場合にはオートアイドリングが適用される。又、エンジン52の内部にはガバナレバー70が設けられており、ケーブル64を介してガバナ駆動装置72のステッピングモータに接続されており、このステッピングモータはコントローラ79の回転数指令信号Scによってエンジン回転数が制御される。
【0005】
図6(A)はスロットルレバー63のストロークStとエンジン52の目標回転数Nとの関係を示す。図で、N1は設定回転数、N2はアイドリング回転数である。スロットルレバー63の操作によりストロークStに対応して設定回転数N1が任意に設定可能である。なお、図中の記号NL,NHは最小設定回転数、最大設定回転数を示す。図6(B)は油圧ポンプ54の吐出圧Poとコントローラ79の駆動信号Srによってレギュレータ74のポンプ目標押しのけ容積D(ポンプの吐出量に比例する)との関係を示す。エンジン52の目標回転数がN1に設定されているときは油圧ポンプ54のトルクは曲線T1に設定され、エンジン52の目標回転数がアイドリング回転数N2になっているときは油圧ポンプ54のトルクは曲線T2が設定される。
【0006】
以下に、アイドリング状態(エンジン回転数=N2、ポンプトルク=T2)から通常の操作状態(エンジン回転数=N1、ポンプトルク=T1)に復帰させる場合の制御手順について図7を利用して説明する。まず、スロットル信号Stから復帰状態のエンジン回転数N1を求め、トルクの増加分ΔT=T1−T2(>0)を求める。ポンプトルク増加量X(一定値、X<ΔT)を予め定めておき、仮に復帰させるトルク曲線T21(=T2+X)を求める(図7参照)。ポンプの吐出圧Poに基づいて、エンジン回転数指令信号Scとポンプ容積をDにする駆動信号Srを求め、指令信号Scをガバナ駆動装置72に出力し、駆動信号Srをレギュレータ74に出力する。トルク曲線T21に達したら、次にトルク曲線T22を求め同様な操作を繰り返し行う。この操作をトルク曲線がT1に達するまで繰り返す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上に述べた従来装置においてはポンプトルク増加量Xを小さく設定すれば、アイドリング状態から通常の操作状態へ円滑に復帰させることができる。しかし、制御操作が複雑であり、装置の作成やプログラムの作成及びチェックが複雑で、コスト高になるという課題がある。特に、エンジンの出力軸に複数の作業機用油圧ポンプを連結している場合は制御操作が更に複雑になるという課題がある。
本発明は、上記事実に鑑みなされたものであり、簡単に実施可能で、かつエンスト等の不都合が生じない油圧装置を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するための手段として以下の構成を採用している。即ち、
請求項1に記載の発明は、エンジンで駆動される可変流量油圧ポンプと、該油圧ポンプの吐出流量を制御するレギュレータと、該油圧ポンプの下流にアクチュエータを制御する切換弁並びに絞りを介して油タンクに接続したセンタ油路と、前記アクチュエータの操作を検出する操作検出手段と、該センタ油路の前記絞りの上流側油圧を前記レギュレータに印加する負帰還制御ラインとを具備する建設機械の油圧回路において、前記負帰還制御ラインに連通油路と絞り油路とが切換え可能な電磁切換弁を挿入し、該電磁切換弁のソレノイドをコントローラの出力側に接続し、該コントローラの入力側に前記エンジンの回転数センサの出力と前記操作検出手段の出力とを接続し、該コントローラは前記操作検出手段の出力により非操作状態が一定時間以上続いた場合に前記電磁切換弁を絞り側に切換える切換え信号と前記エンジンをアイドリング状態にするアイドリング信号を出力するように構成したことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記コントローラは、更にアイドリング状態において操作状態を検出したときは前記エンジンに通常回転にする信号を出力した後に、前記エンジンの回転数が所定回転数以上になったことを検出したとき、又は所定時間が経過したときは前記電磁切換弁のソレノイドに連通側に切換える切換え信号を出力するように構成したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態を図に基づいて説明する。図1は本発明を実施した実施形態1の構成を示すブロック図である。図1において、エンジン11の出力軸に作業機用の油圧ポンプ12、パイロット油圧ポンプ13が連結されている。油圧ポンプ12は吐出量可変で、レギュレータ14によって吐出量が調節される。エンジン11には回転数を検出する回転数計15とエンジンの回転数を設定する設定器(例えば、ガバナーの位置を変更する設定器)16が設けられている。油圧ポンプ12の吐出油路(センタ油路)17には図示省略の作業機のアクチュエータを制御する切換弁(又は切換弁郡)18が接続され、その下流にはフィードバック信号(ネガコン圧)を発生させるための絞り19を介して油タンクTに接続されている。
【0011】
分岐油路20はフィードバック信号をレギュレータ14の第1制御ポート14aに印加する油路で、分岐油路21はレギュレータ14の第2制御ポート14bに印加する油路である。第2制御ポート14bに印加された油圧によりレギュレータ14は油圧ポンプ12の負荷トルクを一定値に維持するように制御する。また、レギュレータ14は第1制御ポート14aに印加された油圧により油圧ポンプ12の負荷トルクを増減させる。即ち、フィードバック信号油圧が小さいときは吐出量を大きくして負荷トルクが大きくなる。逆にフィードバック信号油圧が大きいときは吐出量を小さくして負荷トルクが小さくなる。
【0012】
電磁切換弁23は状態「イ」のとき連通状態で、「ロ」のときに絞り状態となる。この切換えはコントローラ30の切換え信号によって切り換る。操作レバー25は切換弁18を操作するためのリモコン弁と結合され、一体となっている。操作レバー25(又は、そのリモコン弁)の出力がシャトル弁と圧力スイッチを介してコントローラ30の入力側に接続されている。コントローラ30は任意の1個以上の操作レバー25が操作されているときは「操作あり」とし、全ての操作レバー25が操作されていないときは「操作なし」との信号を出力する。例えば、コントローラ30は各操作レバー25の操作状態の検出結果の論理積(又は論理和)を求めて、「操作あり」又は「操作なし」を判定する。
【0013】
コントローラ30は操作レバー25の出力信号、回転数計15の出力信号に基づいて以下のように作用する。即ち、操作レバー25の出力信号の判定結果が「操作あり」の状態から「操作なし」の状態に変化した場合は、「操作なし」の状態が一定時間続いたら回転数設定器16にアイドリング信号を出力し、エンジン回転数を所定のアイドリング回転数まで低下させ、同時に電磁切換弁23のソレノイドに「絞り」信号を出力し状態「ロ」に切換えてアイドリング状態にする。又、アイドリング状態のときに「操作あり」を検出したときは回転数設定器16に通常操作信号を出力して操作時の通常回転数に戻すと共に、検出後一定の時間(遅れ時間)又は回転数計15の出力信号が所定回転数以上に上昇したときに電磁切換弁23のソレノイドに「連通」信号を出力し状態「イ」に切換えて通常操作状態にする。
【0014】
本実施形態は上記した構成により、以下のように機能する。即ち、「操作なし」の状態が一定時間続いたときはアイドリング状態になり、電磁切換弁23が状態「ロ」に切り換り、第1制御ポート14aに印加される油圧が小さくなり油圧ポンプの吐出量が減少する。吐出圧Poは不変であるから、従って負荷トルクは小さくなる。一方、エンジン11の回転数も減少するので出力トルクも減少し、入出力トルクはバランスする。これによって燃費が減少し、効率が改良される。
【0015】
次に、アイドリング状態から急激な操作により通常操作状態に切り換るときは、回転数設定器16に通常回転数信号を出力し、エンジン回転数を通常操作の回転数に戻す。次に、例えば、回転数計15の出力信号が所定回転数以上に上昇したとき(或いは、所定時間が経過したとき)電磁切換弁23のソレノイドに「連通」信号を出力し、状態「イ」に切換える。これによって、油圧ポンプ12の負荷トルクを通常操作状態(吐出量P1)に戻す。このときのエンジン11の回転数変化(図A)と油圧ポンプ12の吐出量変化(図B)を図2に示す。図2(A)に示すように、エンジン回転数はアイドリング回転数Noから上昇し、所定回転数Nsになったときに電磁切換弁23に連通信号を出力し、状態「イ」に切換える。これによって、油圧ポンプ12の吐出量(又は負荷トルク)は最初の時間tsの間は緩やかに増加し、時間ts経過後に急激に増加し、吐出量P1に復帰する。
【0016】
以上に説明したように、本実施形態によるアイドリング状態から通常操作状態への復帰は、油圧ポンプ12の吐出量が最初は緩やかに増加し、所定時間後に急激に増加するように制御しているので、急激な過負荷によるエンスト等の不都合も発生せず、又後半は急速に回復するために全体として通常操作状態への復帰は円滑に行われ、オペレータに操作の遅延を感じさせる不都合も生じない。
【0017】
図3は本発明を採用していない場合のエンジン回転数の変化と油圧ポンプの吐出量の変化を参考のために示す。図3に示すように、アイドリング状態から時刻t1で操作を開始すると、油圧ポンプの吐出量はPoから急激に増加して時刻t2ではオーバシュートを引き起こし、その後に通常操作の吐出量P1に変化する。このために時刻t2では、油圧ポンプの負荷トルクがエンジンの出力トルクよりも大きくなり、エンストを生じさせ易い状態又はエンストが生じた状態になる。エンストが生じた場合は瞬時にエンジン回転数は0になり、ポンプ吐出量も0になる。
【0018】
図4は複数(2個の)の作業用油圧ポンプ31、32を駆動する装置について本発明を実施する実施形態2のブロック図を示す。図4で図1と同じ構成要素については同じ番号を付して詳細な説明を省略する。図4において、エンジン11の出力軸に油圧ポンプ31、油圧ポンプ32が同軸に連結されており、油圧ポンプ31,32の吐出量は夫々レギュレータ37、38によって制御されている。制御は上記の実施形態(図1参照)の場合と同様である。油圧ポンプ31の吐出油路には切換弁35が接続され、絞り19を介して油タンクTに接続されている。同様に油圧ポンプ32の吐出油路には切換弁36が接続され、絞り19を介して油タンクTに接続されている。
【0019】
絞り19の上流側圧力をレギュレータ33(又は34)に負帰還する分岐油路に電磁切換弁37(又は38)を挿入する。電磁切換弁37(又は38)のソレノイドはコントローラ40の出力側に接続されている。又、操作検出器39は切換弁35の操作レバー及び切換弁36の操作レバーの何れかが1つでも操作状態にあるときは「操作あり」とし、何れかもが操作状態にないときに「操作なし」の信号を出力する。なお、電磁切換弁37と電磁切換弁38は同じ構成にして、切換え信号に同じ信号を採用することがよい。
【0020】
実施形態2は実施形態1と機能的には同じような構成であり、作用及び機能は殆ど同じであり。従って、同様な効果が得られる。
以上本発明の実施形態を図面に基づいて詳述してきたが、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではなく、単なる設計上の変更と見なされる変更があっても本発明の技術的範囲に属する。
【0021】
【発明の効果】
アイドリング状態から通常操作状態への復帰は、油圧ポンプの吐出量が最初は緩やかに増加し、所定時間後(又は所定回転数に達したとき)に急激に増加するように制御しているので、急激な過負荷によるエンスト等の不都合も発生せず、又後半は急速に回復するために全体として通常操作状態への復帰は円滑に行われ、良好な操作環境が得られるという効果が生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の構成図を示す。
【図2】実施形態1のアイドリング状態から通常操作状態に復帰させるときの応答を示す。
【図3】本発明を具備していない従来装置の応答を示す。
【図4】本発明の実施形態2の構成図を示す。
【図5】公知文献記載の従来装置の構成を示す。
【図6】(A)、(B)は上記従来装置の諸特性を示す。
【図7】上記従来装置でアイドリング状態から通常操作状態に復帰させるときの手順を説明した図を示す。
【符号の説明】
11 エンジン
12 作業機用油圧ポンプ
14 レギュレータ
14a 第1制御ポート
14b 第2制御ポート
15 回転数計
16 回転数設定器
19 フィードバック信号発生用絞り
23 電磁切換弁
25 操作レバー
30 コントローラ
Claims (2)
- エンジンで駆動される可変流量油圧ポンプと、該油圧ポンプの吐出流量を制御するレギュレータと、該油圧ポンプの下流にアクチュエータを制御する切換弁並びに絞りを介して油タンクに接続したセンタ油路と、前記アクチュエータの操作を検出する操作検出手段と、該センタ油路の前記絞りの上流側油圧を前記レギュレータに印加する負帰還制御ラインとを具備する建設機械の油圧回路において、前記負帰還制御ラインに連通油路と絞り油路とが切換え可能な電磁切換弁を挿入し、該電磁切換弁のソレノイドをコントローラの出力側に接続し、該コントローラの入力側に前記エンジンの回転数センサの出力と前記操作検出手段の出力とを接続し、該コントローラは前記操作検出手段の出力により非操作状態が一定時間以上続いた場合に前記電磁切換弁を絞り側に切換える切換え信号と前記エンジンをアイドリング状態にするアイドリング信号を出力するように構成したことを特徴とする建設機械の油圧回路。
- 前記コントローラは、更にアイドリング状態において操作状態を検出したときは前記エンジンに通常回転にする信号を出力した後に、前記エンジンの回転数が所定回転数以上になったことを検出したとき、又は所定時間が経過したときは前記電磁切換弁のソレノイドに連通側に切換える切換え信号を出力するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の建設機械の油圧回路。
Priority Applications (1)
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JP2003117006A JP2004324694A (ja) | 2003-04-22 | 2003-04-22 | 建設機械の油圧回路 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003117006A JP2004324694A (ja) | 2003-04-22 | 2003-04-22 | 建設機械の油圧回路 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010261538A (ja) * | 2009-05-08 | 2010-11-18 | Kayaba Ind Co Ltd | ハイブリッド建設機械 |
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-
2003
- 2003-04-22 JP JP2003117006A patent/JP2004324694A/ja active Pending
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