JP2004324308A - 屋根ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】軒先側のフレームに独立の野地パネルを取り付け易く、しかも、軒先側のフレームの機械的強度を特別に補強する必要のない屋根ユニットを提供する。
【解決手段】傾斜した野地パネル25と、この野地パネル25の軒先側に取り付けた第1フレーム23とを備えている屋根ユニット2である。そして、この第1フレーム23の軒先側に第2フレーム24を取り付け、この第2フレーム24と独立の野地パネル4には、第2フレーム24の上に独立の野地パネル4を載置したときに互いに連結することのできる連結部M、Nを設けた屋根ユニット2である。
【選択図】 図1
【解決手段】傾斜した野地パネル25と、この野地パネル25の軒先側に取り付けた第1フレーム23とを備えている屋根ユニット2である。そして、この第1フレーム23の軒先側に第2フレーム24を取り付け、この第2フレーム24と独立の野地パネル4には、第2フレーム24の上に独立の野地パネル4を載置したときに互いに連結することのできる連結部M、Nを設けた屋根ユニット2である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はユニット建物に使用される屋根ユニットに関する
【0002】
【従来の技術】
ユニット建物は、建物を運搬可能な大きさの居室ユニトと屋根ユニットや屋根パネルに分割し、この居室ユニットと屋根ユニットや屋根パネルを工場で製造し、施工現場に運搬し、施工現場で組み立てて建物となすものであって、現場施工期間が短く、且つ、寸法精度のよい標準化された建物となる特徴があるので、広く採用されている。
【0003】
この屋根ユニットは、通常、特許文献1に記載さているように、1個の居室ユニットの上に1個の屋根ユニットが据え付けられることが多い。
そして、一般にユニット建物に組み立てる屋根ユニットは嵩張り、運搬費が高価になる。
特に、軒先側の屋根ユニットでは、庇を長く突出させると、運搬し難くなるので、庇の出寸法に制限があった。
そこで、特許文献1に記載されている屋根ユニットでは、軒先から突出している庇を折曲可能な野地パネルにして、運搬時には、この野地パネルを折り曲げて運搬するようにしている。
【0004】
また、傾斜屋根ユニットの場合では、軒先側以外の場所では、野地板と居室ユニットとの間に距離があるので、屋根ユニットの下側に設けられている梁と野地板の下側に設けられている梁との間に束等の縦材のフレームを設けて、野地板を支持しているが、通常の束等の縦材だけでは、強度を保持することが困難なので、特許文献2や特許文献3に記載されているように、この束を、略平行な上弦材と下弦材と、この上弦材と下弦材との間に設けられた縦材(束材)や斜め材(斜め束材)からなるフレームにして野地板を支持させることが多い。尚、この際、上弦材を野地板の下側に設けられる梁と兼用し、下弦材を屋根ユニットの下側に設けられる梁と兼用することもある。
【0005】
即ち、特許文献2には、このフレームの下弦材を屋根ユニットの下端より上側に取り付けて、下側を居住空間にすることが記載されている。
また、特許文献3には、上面が略水平な面と傾斜した面とからなる居室ユニットの上に据え付けられる屋根ユニットが記載されていて、屋根ユニットを水平部分と傾斜部分からなるようにし、居室ユニットの水平な面に屋根ユニットの水平部分を据え付け、居室ユニットの傾斜した面に屋根ユニットの傾斜部分を据え付けることが記載されている。尚、この水平部分の棟側には、フレームが取り付けられている。
【0006】
また、特許文献3の図4には、屋根ユニットの傾斜部分を独立の野地パネルに分割し、この独立の野地パネルを居室ユニットの傾斜している上面に取り付けることも記載されている。
このように独立の野地パネルにすると、板状となり、積み重ねて運搬することができ、運搬し易いし、長くても長手方向をトラックの前後方向にして運搬できるので、庇を適当な長さにすことができる。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−170306号公報
【特許文献2】
特開平9−177224号公報
【特許文献3】
特開2001−140396号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に記載されている屋根ユニットのように庇を折曲可能にしていると、この折曲部の機械的強度が小さくなるので、この部分を大きな機械的強度を有する構造にする必要がある。
また、特許文献3の図4に記載されているように野地パネルにすると、板状となり、運搬し易いし、多少長くとも長手方向をトラックの前後方向にすることによって運搬可能で、庇の出寸法を適当な長さにすることが可能であるが、上面が傾斜している居室ユニットは少なく、すべての建物ユニットに適用できない。
【0009】
そこで、この長くとも運搬可能で、庇の出寸法を適当な長さにすることのできる特許文献3に記載されている独立の野地パネルを、上面が傾斜している居室ユニット以外にも適用するために、特許文献1に記載されている折曲している軒先部分を、屋根ユニットから軒先部の野地部分を分離させ、且つ、軒先部分を折曲しない独立の野地パネルに代替し、軒先部以外の居室ユニットの軒先側のフレームと軒先の梁との間にこの独立の野地パネルを架け渡すことを試みた。
【0010】
このようにすると、独立の野地パネルを積み重ねて運搬でき、運搬費も安価になるし、庇を長くすることもでき、極めて好ましいが、この独立の野地パネルを架け渡した屋根ユニットの軒先側のフレームには、屋根ユニットの傾斜している野地パネルとこの上に葺かれた屋根材の荷重と、独立の野地パネルとこの上に葺かれた屋根材の荷重の両方がかかり、このフレームの機械的強度が不足するし、このフレームの下方の居室ユニットにもこの両方の荷重がかかり、この居室ユニットの機械的強度も不足するという問題があることが判明した。
【0011】
しかも、独立の野地パネルを屋根ユニットのフレームと軒先の梁とに架け渡すと、この屋根ユニットのフレームの上面に、屋根ユニットの野地パネルと、独立の野地パネルの両方を載置する必要があるが、独立の野地パネルが滑り落ちないよう強固に取り付けるためには、フレームの上面の幅を広くする必要があるという問題もある。特に枠組壁工法で建てる建物の場合では、フレームの上面が略38mmの規格材を使用することが多いので、このフレームの上に両者を載せることは極めて困難である。
【0012】
そこで、この発明の目的は、軒先側のフレームに独立の野地パネルを取り付けることができ、しかも、軒先側のフレームの機械的強度が不足しない屋根ユニットを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、請求項1に記載の発明は、軒先側に独立の野地パネルを取り付けることのできる屋根ユニットであって、傾斜した野地パネルと、この野地パネルの軒先側に取り付けられた第1フレームとを備え、この第1フレームには、第2フレームが第1フレームの軒先側に取り付けられ、この第2フレームと前記独立の野地パネルには、第2フレームの上に独立の野地パネルを載置したときに互いに連結できる連結部が設けられているものである。
【0014】
この請求項1記載の発明における第1フレームと第2フレームは、束等の縦材だけでもよいし、複数の縦材の上に梁等の上弦材を架け渡したものでもよいし、略平行な上弦材と下弦材との間に縦材や斜め材を取り付けたトラスであってもよい。
また、請求項1記載の発明に使用される第2フレームは、第1フレームと略同じ構造であってもよいし、別の構造であってもよい。
【0015】
また、請求項1記載の発明の第2フレームと独立の野地パネルとに設けられる連結部は、第2フレームの上に独立の野地パネルを載置したときに互いに連結できる構造であればよい。例えば、第2フレームと独立の野地パネルの一方が鉤形の引っ掛け具であり、他方がこの引っ掛け具に引っ掛かる係止部であって、第2フレームの上に独立の野地パネルを載置したときに、この引っ掛け具を係止部に引っ掛けて連結できるようにした構造でもよいし、両者に通孔を設け、第2フレームの上に独立の野地パネルを載置したときに、この通孔に通されたボルトとこのボルトに螺入したナットとで連結できるようにした構造でもよい。
【0016】
また、この連結構造は、独立の野地パネルを第2フレームに取り付けた後に、独立の野地パネルから第2フレームに螺入したり打ち込んで連結する螺子釘や釘等の連結具で連結する構造であってもよい。
【0017】
特に、請求項2記載のように、前記第1フレームと第2フレームが、複数の縦材と、この縦材の上に架け渡された上弦材がある場合には、第2フレームの連結部が、第2フレームの上弦材に取り付けられたパネル受け材と、このパネル受け材に取り付けられた上方に突出した下側係止材からなり、独立の野地パネルの連結部が、棟側の裏面縁部に設けられた下方に突出した上側係止材であると、第2フレームの上に独立の野地パネルを載置する際に、前記独立の野地パネルの棟側の上側係止材を屋根ユニットの下側係止材と第2フレームの間に挿入するだけで、この上側係止材が下側係止材に引っ掛かり、第2野地パネルを第2フレームに滑り落ちないように連結できるので好ましい。
【0018】
即ち、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に係り、前記第1フレームと第2フレームは、複数の縦材と、この縦材の上に架け渡された上弦材からなり、前記第2フレームの連結部は、この第2フレームの上弦材に取り付けられたパネル受け材と、このパネル受け材に取り付けられた上方に突出した下側係止材とからなり、前記独立の野地パネルの連結部は、棟側の裏面縁部に設けられた下方に突出した上側係止材であり、この上側係止材は第2フレームの下側係止材と上弦材との間に挿入可能になされているものである。
【0019】
この請求項2記載の発明におけるパネル受け材は、第2フレームの上弦材に沿って取り付けられた長尺体でもよいし、第2フレームの上弦材の所々に取り付けられた短尺体であってもよい。
【0020】
また、下側係止材は、第2フレームの上弦材に沿った状態にして、パネル受け材に取り付けられた長尺体でもよいし、パネル受け材の所々に取り付けられた短尺体であってもよい。いずれにしても、この下側係止材は、パネル受け材から上方に突出した状態に取り付けられていて、独立の野地パネルの棟側の縁部に設けられた上側係止材を第2フレームの上弦材と下側係止材との間に挿入すると、この下側係止材に独立の野地パネルの上側係止材が引っ掛かるようにしたものである。
【0021】
また、請求項2記載の発明における上側係止材は、独立の野地パネルの上側縁部に沿って取り付けられた長尺体でもよいし、独立の野地パネルの上側縁部の上弦材の所々に取り付けられた短尺体であってもよい。
【0022】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明に係り、前記第2トラス材は、屋根ユニットを第1居室ユニットの上に据え付けたときに、第1居室ユニットの軒先側に据え付けられている第2居室ユニットの上に載置される位置に設けられているものである。
【0023】
この請求項3記載の発明では、第2フレーム材が第2居室ユニットの上に載置される位置に設けられているが、これは、屋根ユニットを第1居室ユニットの上に据え付けたときに、第2フレーム材が第2居室ユニットの上に載置されるようになっていることである。尚、この載置されるとは、第2フレームが、直接、第2居室ユニットの上に載置されてもよいし、この第2フレームと第2居室ユニットの間に第3の物体があって、第2フレームが第3の物体を介して第2居室ユニトに載置されるというようにする間接的な載置でもよい。要するに、第2フレームにかかる独立の野地パネルとその上に葺かれた屋根材の荷重が、この第2フレームを経て第2居室ユニットにかかるようにすればよい。
【0024】
例えば、第2居室ユニットの上に独立の野地パネルを支持する妻側トラスがあり、この妻側トラスが第2居室ユニットの上に据え付けられる場合には、この妻側トラスの下側梁の上に第2フレームを載置するようにしてもよい。
【0025】
(作用)
請求項1記載の発明では、軒先側に独立の野地パネルを取り付けることのできる屋根ユニットであって、傾斜した野地パネルと、この野地パネルの軒先側に取り付けられた第1フレームとを備え、この第1フレームには、第2フレームが、第1フレームの軒先側に取り付けられ、この第2フレームと前記独立の野地パネルには、第2フレームの上に独立の野地パネルを載置したときに互いに連結できる連結部が設けられているので、この屋根ユニットを第1居室ユニットの上に据え付けた後に、独立の野地パネルを、第2フレーム材と、第1居室ユニットの軒先側に据え付けられた第2居室ユニットの軒先側とに架け渡し、この第2フレームと独立の野地パネルとを連結部で連結すると、この屋根ユニットの野地パネルと独立の野地パネルとが連結して連続した野地が形成される。
【0026】
このように、独立の野地パネルを第2フレームに取り付けると、独立の野地パネルとこの上に葺かれた屋根材の荷重は、この独立の野地パネルが載置されている第2フレームにかかる。
即ち、第1フレームには、独立の野地パネルとこの上に葺かれた屋根材の荷重がかからず、屋根パネルとこの上に葺かれた屋根材の荷重のみがかかる。従って、この第1フレームの機械的強度を特別に大きくしなくとも、第1フレームの機械的強度が不足しない。
【0027】
また、屋根ユニットの野地パネルは第1フレームに取り付けられ、独立の野地パネルは第2フレームに取り付けられるといように、屋根ユニットの野地パネルと独立の野地パネルとは別々のフレームに取り付けられている。従って、独立の野地パネルを取り付ける施工が容易になる。
また、第2フレームと独立の野地パネルとを連結部で連結するので、両者が強固に連結され、独立の野地パネルが滑り落ちることがない。
また、軒先側の野地には、独立の野地パネルが使用されるので、この独立の油地パネルは板状となり運搬し易いと同時に、この独立の野地パネルは長くとも長手方向をトラックの前後方向に向けることによって運搬可能である。従って、庇の出寸法を適当な長さにすることができる。
【0028】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明に係り、前記第1フレームと第2フレームは、複数の縦材と、この縦材の上に架け渡された上弦材からなり、前記第2フレームの連結部は、この第2フレームの上弦材に取り付けられたパネル受け材と、このパネル受け材に取り付けられた上方に突出した下側係止材とからなり、前記独立の野地パネルの連結部は、棟側の裏面縁部に設けられた下方に突出した上側係止材であり、この上側係止材は第2フレームの下側係止材と上弦材との間に挿入可能になされているので、第2フレームの上に独立の野地パネルを載置する際に、独立の野地パネルの棟側の裏面縁部に設けられた上側係止材を、第2フレームの下側係止材と上弦材の間に挿入するだけで、簡単に、この上側係止材が下側係止材に引っ掛かって、独立の野地パネルが第2トラス材に滑り落ちないように連結できる。
【0029】
請求項3記載の発明では、請求項1記載の発明に係り、前記第2フレームは、屋根ユニットを第1居室ユニットの上に据え付けたときに、第1居室ユニットの軒先側に据え付けられている第2居室ユニットの上に載置される位置に設けられているので、この屋根ユニットを第1居室ユニットの上に据え付け、別の野地パネルを、屋根ユニットの第2フレームと第1居室ユニットの軒先側に据え付けられた第2居室ユニットの軒先に架け渡すと、独立の野地パネルとこの上に葺かれた屋根材の荷重は、この独立の野地パネルが取り付けられている第2フレームを経て、第2フレームが載置されている第2居室ユニットにかかる。
【0030】
そして、屋根ユニットとこの上に葺かれた屋根材の荷重は、従来と同様に、第1フレームを経て第1居室ユニットにかかる。
このように屋根ユニットとこの上に葺かれた屋根材の荷重と、独立の野地パネルとこの上に葺かれた屋根材の荷重は、それぞれ別の居室ユニットにかかるので、第1居室ユニットや第1居室ユニットの機械的強度を特別に大きくする必要がない。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例で説明する。
図1〜図7は本発明の一実施例を示すもので、図1(イ)はユニット建物を示す斜視図、(ロ)はユニット建物の切り妻部分を示す正面図、(ハ)は(ロ)のA部分を拡大して示す正面図、図2(イ)は屋根ユニットを取り付けている状態の一部を示す正面図、(ロ)は屋根ユニットを取り付けた状態の一部を示す斜視図、(ハ)は(ロ)のB部分を拡大して示す斜視図、図3は居室ユニットを示す斜視図、図4(イ)は屋根ユニットを示す斜視図、(ロ)は第1フレームを示す正面図、図5(イ)は第2フレームを示す正面図、(ロ)は(イ)の側面図、図6は第1フレームと第2フレームに使用される斜め材を示す斜視図、図7(イ)は表面を上にした状態の独立の野地パネルを示す斜視図、(ロ)は裏面を上にした状態の独立の野地パネルを示す斜視図である。
【0032】
図1〜図7において、Hはユニット建物であり、このユニット建物Hは、図1(イ)及び図3に示すように、基礎9の上に9個の居室ユニット1が据え付けられて1階が形成され、この1階の居室ユニット1の上に9個の居室ユニット1が据え付けられて2階が形成され、この2階の中央にある3個の居室ユニット1の上に3個の屋根ユニット2が据え付けられ、この3個の屋根ユニット2の両側にそれぞれ3組ずつ、合計6組の独立の妻壁フレーム3が据え付けられ、この6組の独立の妻壁フレーム3の上に6個の独立の野地パネル4が取り付けられて屋根が形成され、屋根ユニット2の野地パネル25の上と独立の野地パネル4の上とに図示しない屋根材が葺かれたものである。
【0033】
このユニット建物Hを構成する居室ユニット1は、従来の居室ユニットと略同じである。即ち、図3に示すように、矩形状の床パネル11と、この床パネル11の上に立設された壁パネル12と、床パネル11の隅部に立設された柱13とからなる。
この実施例では、屋根ユニット2の下方に据え付けられている居室ユニット1を第1居室ユニット1−1と称し、独立の野地パネル4の下方に据え付けられている居室ユニット1を第2居室ユニット1−2と称する。
【0034】
屋根ユニット2は、図4に示すように、木製の妻壁トラス21と、木製の第1フレーム23と、木製の第2フレーム24と、野地パネル25と、木製の束26と、木製の棟木27と、図2に示されている木製の流れ梁28とからなる。
妻壁トラス21は、下側梁211と、この下側梁211の両側部に立設された縦材212と、この両側部の縦材212の上に架け渡された上側梁213とからなる。
【0035】
第1フレーム23は、図4(ロ)に示すように、下弦材231と、この下弦材231の両端部に立設された縦材232と、この両端部の縦材232の上に架け渡された上弦材233と、縦材232と上弦材233に差し渡された斜め材234とからなる。尚、下弦材231と上弦材233とは略平行になっている。
【0036】
この第1フレーム23に使用される斜め材234は、図6に示すように、金属製の棒状体235と、この棒状体235の両側に取り付けられた金属製の断面L字形の短尺体の上側取付金具236と下側取付金具237とからなり、図4(ロ)に示すように、この上側取付金具236が上弦材233に取り付けられ、下側取付金具237が縦材232に取り付けられている。又、下弦材231と縦材232とは取付金具238で連結されているし、縦材232と上弦材323とは取付金具239で連結されている。
【0037】
又、第2フレーム24は、図5に示すように、下弦材241と、この下弦材241の両端に立設された縦材242と、この両端に立設された縦材242の上に架け渡された上弦材243と、縦材242と上弦材243に差し渡された斜め材244とからなり、下弦材241と上弦材243とが略平行になっていること、斜め材242が、図5(ハ)に示すように、金属製の棒状体245と、この棒状体245の両側に取り付けられた金属製の断面L字形の短尺体の上側取付金具246と下側取付金具247とからなり、上側取付金具246が、図5(イ)に示すように、上弦材243に取り付けられ、下側取付金具247が縦材242に取り付けられ、下弦材241と縦材242とは取付金具248で連結されるし、縦材242と上弦材243とは取付金具249で連結されていることは第1フレーム23と略同じである。
【0038】
しかし、この第2トラス24には、スペーサー51とパネル受け材52と下側係止材53が取り付けられていることが異なる。
即ち、上弦材241の棟側の面に合板の4個のスペーサー51が取り付けられ、両側の縦材242にはそれぞれ、合板の2個のスペーサー51が取り付けられていて、この第2フレーム24が、棟側の面を第1フレーム23に対峙した状態に、取り付けられている。すると、この第1フレーム23と第2フレーム24との間には、スペーサー51だけの隙間が形成される。即ち、この第1フレーム23の軒先側に、第2フレーム24がスペーサー51の厚みだけ隔てて、略平行に取り付けられている。
【0039】
また、上弦材241の軒先側の面には、厚みが略38mm、高さが略89mmの木材であるパネル受け材52が略平行に取り付けられ、このパネル受け材52には、合板製長尺体である下側係止材53が取り付けられていて、このパネル受け材52と下側係止材53とで、後述の独立の野地パネル4を受けるものである。即ち、パネル受け材52と下側係止材53は、独立の野地パネル4を連結するものであって、第2トラス24側の連結部Mである。
【0040】
野地パネル25は、図1及び図2に示すように、複数の略平行な木製の垂木251と、この垂木251の上に張り付けられた合板の野地板252とからなる。
そして、屋根ユニット2は、2個の妻壁トラス21を所定距離を隔てた両側に立設させ、この2個の妻壁トラス21の支柱212に第1トラス23を差し渡して連結し、妻壁トラス21の上側梁213の略中央に束26を立設し、両側の束26に棟木27を架け渡し、束26と上側梁213の両側に流れ梁28を架け渡し、この流れ梁214の上に野地パネル25を取り付けたものである。
【0041】
なお、施工し易いように、野地パネル25の野地板252の一部を取り付けないでいて、この野地パネル25を取り付けた後に、野地板252の存在しない一部に野地板252を取り付けるようにしてもよい。
独立の妻壁フレーム3は、図2に示すように、屋根梁31と、この屋根梁31の上に立設された高さが順に低くなされた5本の略平行な束32と、この束32の上に斜めに架け渡された流れ梁32とからなる。
【0042】
そして、屋根梁31は束32や流れ梁32より若干棟側に突出した部分Pが形成されていて、屋根ユニット2を据え付けたときに、この部分Pに、屋根ユニット2の第2フレーム24が載置できるようになっている。
独立の野地パネル4は、図7に示すように、複数の略平行な木製の垂木41と、この垂木41の上に取り付けられた合板の野地板42と、この野地板42の裏面の軒先側に取り付けられた木製の上側係止材43とからなる。
【0043】
この上側係止材43は、第2フレーム24のパネル受け材246と係止材247の間に挿入して、独立の屋根パネル4を屋根パネル2に取り付けるものである。従って、この上側係止材43は、第2フレーム側の連結部Mに連結されるものであって、独立の屋根パネル4の連結部Nである。
そして、第2居室ユニット1−2の上に独立の妻壁フレーム3を取り付け、この独立の妻壁フレーム3の上に独立の野地パネル4を取り付けると、この独立の野地パネル4が第2居室ユニット1−2の軒先側から突出し、庇が形成される。
【0044】
次に、このユニット建物Hの施工方法及び作用について説明する。
工場で、居室ユニット1と屋根ユニット2と独立の妻壁フレーム3と独立の野地パネル4等を製造する。
この居室ユニット1と屋根ユニット2と独立の妻壁フレーム3と独立の野地パネル4等を施工現場に運搬する。
【0045】
この際、独立の野地パネル4は、居室ユニット1より長いが、板状であるので、これを積み重ねて運搬することができ、運搬し易い。
また、この独立の屋根パネル4は居室ユニット1より長くても、長手方向をトラックの長手方向にすることによって運搬可能である。従って、庇の出寸法を適当な長さにすることができ、便利である。
【0046】
施工現場では、予め設けられている基礎9の上に9個の居室ユニット1を据え付けて1階を形成し、この1階の居室ユニット1の上に9個の居室ユニット1を据え付けて2階を形成し、この2階の両側の6個の居室ユニット1の上に6組の独立の妻壁フレーム3をそれぞれ取り付ける。
【0047】
次に、図2に示すように、中央の3個の居室ユニット1の上に3個の屋根ユニット2を据え付ける。
すると、屋根ユニット2の第2フレーム24が、既に、取り付けられている独立の妻壁フレーム3の屋根梁31の部分Pの上に載置される。
次に、第2フレーム24と第1居室ユニット1−1の軒先側に据え付けられた第2居室ユニット1−2の軒先側とに架け渡して、独立の妻壁フレーム3の上に独立の野地パネル4を取り付ける。
【0048】
この際、独立の野地パネル4の棟側の縁部に設けられた上側係止材43を、第2フレーム24の下側係止材53と上弦材243の間に挿入する。すると、第2フレーム24の連結部Mと独立の野地パネル4の連結部Nとが連結される。
このように、独立の野地パネル4の棟側の縁部に設けられた上側係止材43を、第2フレーム24の下側係止材53と上弦材243の間に挿入するだけで、この上側係止材43が下側係止材53に引っ掛かって、両方の連結部が連結され、その結果、独立の野地パネル4が第2フレーム24に滑り落ちないように連結でき、極めて施工し易い。
【0049】
このようにして、6組の独立の妻壁フレーム3の上に6個の独立の野地パネル4を、次々と、取り付ける。
すると、この屋根ユニット2の野地パネル25と独立の野地パネル4とが連結して連続した野地が形成される。
その後に、この連続した野地の上に屋根材を葺いたり、棟瓦を取り付けたり、その他の仕上げを行うと、ユニット建物Hが完成する。
【0050】
このようにして完成したユニット建物Hでは、独立の野地パネル4とこの上に葺いた屋根材の荷重は、この独立の野地パネル4が載置されている第2フレーム24にかかる。
また、この第2フレーム24は、独立の妻壁フレーム3の屋根梁31を介して第2居室ユニット1−2の上に載置されているので、上記独立の野地パネル4とこの上に葺かれた屋根材の荷重は、第2フレーム材24、独立の妻壁フレーム3の屋根梁31の部分Pを経て第2居室ユニット1−2にかかる。
【0051】
一方、屋根ユニット2の野地パネル25とこの上に葺かれた屋根材の荷重は、従来と同様に、第1フレーム21を経て第1居室ユニット1−1にかかる。
このように、屋根ユニット2の野地パネル25とこの上に葺かれた屋根材の荷重と、独立の野地パネル3とこの上に葺かれた屋根材の荷重は、それぞれ第1居室ユニット1−1と第2居室ユニット1−2に別々にかかるので、第1フレーム21や第1居室ユニット1−1の機械的強度を特別に大きくする必要がなく、便利である。
【0052】
以上、この発明の実施の形態を実施例で詳細に説明したが、具体的な構成は、この実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。
例えば、この実施例では木質系のユニット建物について説明したが、鉄骨系のユニット建物でもよい。
また、この実施例では第2フレーム24が独立の妻壁フレーム3の屋根梁31の上に載置されているが、この第2フレームが第2居室ユニット1−2の天井梁や柱の上に載置されてもよい。
また、第1フレーム21と第2フレーム24は略同じ構造になっているが、異なる構造であってもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1記載の発明は、軒先側に独立の野地パネルを取り付けることのできる屋根ユニットであって、傾斜した野地パネルと、この野地パネルの軒先側に取り付けられた第1フレームとを備え、この第1フレームには、第2フレームが第2フレームの軒先側に取り付けられ、この第2フレームと前記独立の野地パネルにはそれぞれ、第2フレームの上に独立の野地パネルを載置したときに互いに連結できる連結部が設けられているから、この屋根ユニットを第1居室ユニットの上に据え付けた後に、独立の野地パネルを第2フレーム材と、第1居室ユニットの軒先側に据え付けられた第2居室ユニットの軒先側とに架け渡し、第2フレームの連結部と独立の野地パネルの連結部を連結すると、この屋根ユニットの野地パネルと独立の野地パネルとが連結して連続した野地が形成される。
【0054】
このように、独立の野地パネルを第2フレームに取り付けると、独立の野地パネルとこの上に葺かれた屋根材の荷重は、この独立の野地パネルが載置されている第2フレームにかかる。従って、この第1フレームの機械的強度を特別に補強する必要がない。
また、屋根ユニットの野地パネルが第1フレームに取り付けられ、独立の野地パネルは第2フレームに取り付けられるといように、屋根ユニットの野地パネルと独立の野地パネルとは別々のフレームに取り付けられている。従って、独立の野地パネルを取り付ける施工が容易になる。
【0055】
また、第2フレームと独立の野地パネルとは連結部で連結されていて、両者が強固に連結され、独立の野地パネルが滑り落ちることがない。
また、軒先側の野地には、独立の野地パネルが使用されるので、この独立の野地パネルは板状であり運搬し易いと同時に、居室ユニットより長くても運搬可能である。従って、庇の出寸法を適当な長さにすることができ、便利である。
【0056】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明に係り、前記第1フレームと第2フレームは、複数の縦材と、この縦材の上に架け渡された上弦材からなり、前記第2フレームの連結部は、この第2フレームの上弦材に取り付けられたパネル受け材と、このパネル受け材に取り付けられた上方に突出した下側係止材とからなり、前記独立の野地パネルの連結部は、棟側の裏面縁部に設けられた下方に突出した上側係止材であり、この上側係止材は第2フレームの下側係止材と上弦材との間に挿入可能になされているから、第2フレームの上に独立の野地パネルを載置するときに、独立の野地パネルの棟側の縁部に設けられた上側係止材を、第2フレームの下側係止材と上弦材の間に挿入するだけで、簡単に、独立の野地パネルを第2トラス材に滑り落ちないように連結することができ、施工し易い。
【0057】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明に係り、前記第2フレームは、屋根ユニットを第1居室ユニットの上に据え付けたときに、第1居室ユニットの軒先側に据え付けられている第2居室ユニットの上に載置される位置に設けられているから、この屋根ユニットを第1居室ユニットの上に据え付け、別の野地パネルを、屋根ユニットの第2フレームと第1居室ユニットの軒先側に据え付けられた第2居室ユニットの軒先に架け渡すと、独立の野地パネルとこの上に葺かれた屋根材の荷重は、この独立の野地パネルが取り付けられている第2フレームを経て、第2フレームが載置されている第2居室ユニットにかかるし、屋根ユニットとこの上に葺かれた屋根材の荷重は、従来と同様に、第1フレームを経て第1居室ユニットにかかる。
従って、第1居室ユニットや第1居室ユニットの機械的強度を特別に大きくする必要がなく便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、(イ)はユニット建物を示す斜視図、(ロ)はユニット建物の切り妻部分を示す正面図、(ハ)は(ロ)のA部分を拡大して示す正面図である。
【図2】(イ)は屋根ユニットを取り付けている状態の一部を示す正面図、(ロ)は屋根ユニットを取り付けた状態の一部を示す斜視図、(ハ)は(ロ)のB部分を拡大して示す斜視図である。
【図3】居室ユニットを示す斜視図である。
【図4】(イ)は屋根ユニットを示す斜視図、(ロ)は第1フレームを示す正面図である。
【図5】(イ)は第2フレームを示す正面図、(ロ)は(イ)の側面図である。
【図6】第1フレームと第2フレームに使用される斜め材を示す斜視図である。
【図7】(イ)は表面を上にした状態の独立の野地パネルを示す斜視図、(ロ)は裏面を上にした状態の独立の野地パネルを示す斜視図である。
【符号の説明】
H ユニット建物
M 第2フレーム側の連結部
N 独立の屋根パネル側の連結部
1 居室ユニット
2 屋根ユニット
21 妻壁フレーム
23 第1フレーム
24 第2フレーム
25 野地パネル
3 独立の妻壁フレーム
4 独立の野地パネル
43 上側係止材
51 スペーサー
52 パネル受け材
53 下側係止材
【発明の属する技術分野】
本発明はユニット建物に使用される屋根ユニットに関する
【0002】
【従来の技術】
ユニット建物は、建物を運搬可能な大きさの居室ユニトと屋根ユニットや屋根パネルに分割し、この居室ユニットと屋根ユニットや屋根パネルを工場で製造し、施工現場に運搬し、施工現場で組み立てて建物となすものであって、現場施工期間が短く、且つ、寸法精度のよい標準化された建物となる特徴があるので、広く採用されている。
【0003】
この屋根ユニットは、通常、特許文献1に記載さているように、1個の居室ユニットの上に1個の屋根ユニットが据え付けられることが多い。
そして、一般にユニット建物に組み立てる屋根ユニットは嵩張り、運搬費が高価になる。
特に、軒先側の屋根ユニットでは、庇を長く突出させると、運搬し難くなるので、庇の出寸法に制限があった。
そこで、特許文献1に記載されている屋根ユニットでは、軒先から突出している庇を折曲可能な野地パネルにして、運搬時には、この野地パネルを折り曲げて運搬するようにしている。
【0004】
また、傾斜屋根ユニットの場合では、軒先側以外の場所では、野地板と居室ユニットとの間に距離があるので、屋根ユニットの下側に設けられている梁と野地板の下側に設けられている梁との間に束等の縦材のフレームを設けて、野地板を支持しているが、通常の束等の縦材だけでは、強度を保持することが困難なので、特許文献2や特許文献3に記載されているように、この束を、略平行な上弦材と下弦材と、この上弦材と下弦材との間に設けられた縦材(束材)や斜め材(斜め束材)からなるフレームにして野地板を支持させることが多い。尚、この際、上弦材を野地板の下側に設けられる梁と兼用し、下弦材を屋根ユニットの下側に設けられる梁と兼用することもある。
【0005】
即ち、特許文献2には、このフレームの下弦材を屋根ユニットの下端より上側に取り付けて、下側を居住空間にすることが記載されている。
また、特許文献3には、上面が略水平な面と傾斜した面とからなる居室ユニットの上に据え付けられる屋根ユニットが記載されていて、屋根ユニットを水平部分と傾斜部分からなるようにし、居室ユニットの水平な面に屋根ユニットの水平部分を据え付け、居室ユニットの傾斜した面に屋根ユニットの傾斜部分を据え付けることが記載されている。尚、この水平部分の棟側には、フレームが取り付けられている。
【0006】
また、特許文献3の図4には、屋根ユニットの傾斜部分を独立の野地パネルに分割し、この独立の野地パネルを居室ユニットの傾斜している上面に取り付けることも記載されている。
このように独立の野地パネルにすると、板状となり、積み重ねて運搬することができ、運搬し易いし、長くても長手方向をトラックの前後方向にして運搬できるので、庇を適当な長さにすことができる。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−170306号公報
【特許文献2】
特開平9−177224号公報
【特許文献3】
特開2001−140396号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に記載されている屋根ユニットのように庇を折曲可能にしていると、この折曲部の機械的強度が小さくなるので、この部分を大きな機械的強度を有する構造にする必要がある。
また、特許文献3の図4に記載されているように野地パネルにすると、板状となり、運搬し易いし、多少長くとも長手方向をトラックの前後方向にすることによって運搬可能で、庇の出寸法を適当な長さにすることが可能であるが、上面が傾斜している居室ユニットは少なく、すべての建物ユニットに適用できない。
【0009】
そこで、この長くとも運搬可能で、庇の出寸法を適当な長さにすることのできる特許文献3に記載されている独立の野地パネルを、上面が傾斜している居室ユニット以外にも適用するために、特許文献1に記載されている折曲している軒先部分を、屋根ユニットから軒先部の野地部分を分離させ、且つ、軒先部分を折曲しない独立の野地パネルに代替し、軒先部以外の居室ユニットの軒先側のフレームと軒先の梁との間にこの独立の野地パネルを架け渡すことを試みた。
【0010】
このようにすると、独立の野地パネルを積み重ねて運搬でき、運搬費も安価になるし、庇を長くすることもでき、極めて好ましいが、この独立の野地パネルを架け渡した屋根ユニットの軒先側のフレームには、屋根ユニットの傾斜している野地パネルとこの上に葺かれた屋根材の荷重と、独立の野地パネルとこの上に葺かれた屋根材の荷重の両方がかかり、このフレームの機械的強度が不足するし、このフレームの下方の居室ユニットにもこの両方の荷重がかかり、この居室ユニットの機械的強度も不足するという問題があることが判明した。
【0011】
しかも、独立の野地パネルを屋根ユニットのフレームと軒先の梁とに架け渡すと、この屋根ユニットのフレームの上面に、屋根ユニットの野地パネルと、独立の野地パネルの両方を載置する必要があるが、独立の野地パネルが滑り落ちないよう強固に取り付けるためには、フレームの上面の幅を広くする必要があるという問題もある。特に枠組壁工法で建てる建物の場合では、フレームの上面が略38mmの規格材を使用することが多いので、このフレームの上に両者を載せることは極めて困難である。
【0012】
そこで、この発明の目的は、軒先側のフレームに独立の野地パネルを取り付けることができ、しかも、軒先側のフレームの機械的強度が不足しない屋根ユニットを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、請求項1に記載の発明は、軒先側に独立の野地パネルを取り付けることのできる屋根ユニットであって、傾斜した野地パネルと、この野地パネルの軒先側に取り付けられた第1フレームとを備え、この第1フレームには、第2フレームが第1フレームの軒先側に取り付けられ、この第2フレームと前記独立の野地パネルには、第2フレームの上に独立の野地パネルを載置したときに互いに連結できる連結部が設けられているものである。
【0014】
この請求項1記載の発明における第1フレームと第2フレームは、束等の縦材だけでもよいし、複数の縦材の上に梁等の上弦材を架け渡したものでもよいし、略平行な上弦材と下弦材との間に縦材や斜め材を取り付けたトラスであってもよい。
また、請求項1記載の発明に使用される第2フレームは、第1フレームと略同じ構造であってもよいし、別の構造であってもよい。
【0015】
また、請求項1記載の発明の第2フレームと独立の野地パネルとに設けられる連結部は、第2フレームの上に独立の野地パネルを載置したときに互いに連結できる構造であればよい。例えば、第2フレームと独立の野地パネルの一方が鉤形の引っ掛け具であり、他方がこの引っ掛け具に引っ掛かる係止部であって、第2フレームの上に独立の野地パネルを載置したときに、この引っ掛け具を係止部に引っ掛けて連結できるようにした構造でもよいし、両者に通孔を設け、第2フレームの上に独立の野地パネルを載置したときに、この通孔に通されたボルトとこのボルトに螺入したナットとで連結できるようにした構造でもよい。
【0016】
また、この連結構造は、独立の野地パネルを第2フレームに取り付けた後に、独立の野地パネルから第2フレームに螺入したり打ち込んで連結する螺子釘や釘等の連結具で連結する構造であってもよい。
【0017】
特に、請求項2記載のように、前記第1フレームと第2フレームが、複数の縦材と、この縦材の上に架け渡された上弦材がある場合には、第2フレームの連結部が、第2フレームの上弦材に取り付けられたパネル受け材と、このパネル受け材に取り付けられた上方に突出した下側係止材からなり、独立の野地パネルの連結部が、棟側の裏面縁部に設けられた下方に突出した上側係止材であると、第2フレームの上に独立の野地パネルを載置する際に、前記独立の野地パネルの棟側の上側係止材を屋根ユニットの下側係止材と第2フレームの間に挿入するだけで、この上側係止材が下側係止材に引っ掛かり、第2野地パネルを第2フレームに滑り落ちないように連結できるので好ましい。
【0018】
即ち、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に係り、前記第1フレームと第2フレームは、複数の縦材と、この縦材の上に架け渡された上弦材からなり、前記第2フレームの連結部は、この第2フレームの上弦材に取り付けられたパネル受け材と、このパネル受け材に取り付けられた上方に突出した下側係止材とからなり、前記独立の野地パネルの連結部は、棟側の裏面縁部に設けられた下方に突出した上側係止材であり、この上側係止材は第2フレームの下側係止材と上弦材との間に挿入可能になされているものである。
【0019】
この請求項2記載の発明におけるパネル受け材は、第2フレームの上弦材に沿って取り付けられた長尺体でもよいし、第2フレームの上弦材の所々に取り付けられた短尺体であってもよい。
【0020】
また、下側係止材は、第2フレームの上弦材に沿った状態にして、パネル受け材に取り付けられた長尺体でもよいし、パネル受け材の所々に取り付けられた短尺体であってもよい。いずれにしても、この下側係止材は、パネル受け材から上方に突出した状態に取り付けられていて、独立の野地パネルの棟側の縁部に設けられた上側係止材を第2フレームの上弦材と下側係止材との間に挿入すると、この下側係止材に独立の野地パネルの上側係止材が引っ掛かるようにしたものである。
【0021】
また、請求項2記載の発明における上側係止材は、独立の野地パネルの上側縁部に沿って取り付けられた長尺体でもよいし、独立の野地パネルの上側縁部の上弦材の所々に取り付けられた短尺体であってもよい。
【0022】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明に係り、前記第2トラス材は、屋根ユニットを第1居室ユニットの上に据え付けたときに、第1居室ユニットの軒先側に据え付けられている第2居室ユニットの上に載置される位置に設けられているものである。
【0023】
この請求項3記載の発明では、第2フレーム材が第2居室ユニットの上に載置される位置に設けられているが、これは、屋根ユニットを第1居室ユニットの上に据え付けたときに、第2フレーム材が第2居室ユニットの上に載置されるようになっていることである。尚、この載置されるとは、第2フレームが、直接、第2居室ユニットの上に載置されてもよいし、この第2フレームと第2居室ユニットの間に第3の物体があって、第2フレームが第3の物体を介して第2居室ユニトに載置されるというようにする間接的な載置でもよい。要するに、第2フレームにかかる独立の野地パネルとその上に葺かれた屋根材の荷重が、この第2フレームを経て第2居室ユニットにかかるようにすればよい。
【0024】
例えば、第2居室ユニットの上に独立の野地パネルを支持する妻側トラスがあり、この妻側トラスが第2居室ユニットの上に据え付けられる場合には、この妻側トラスの下側梁の上に第2フレームを載置するようにしてもよい。
【0025】
(作用)
請求項1記載の発明では、軒先側に独立の野地パネルを取り付けることのできる屋根ユニットであって、傾斜した野地パネルと、この野地パネルの軒先側に取り付けられた第1フレームとを備え、この第1フレームには、第2フレームが、第1フレームの軒先側に取り付けられ、この第2フレームと前記独立の野地パネルには、第2フレームの上に独立の野地パネルを載置したときに互いに連結できる連結部が設けられているので、この屋根ユニットを第1居室ユニットの上に据え付けた後に、独立の野地パネルを、第2フレーム材と、第1居室ユニットの軒先側に据え付けられた第2居室ユニットの軒先側とに架け渡し、この第2フレームと独立の野地パネルとを連結部で連結すると、この屋根ユニットの野地パネルと独立の野地パネルとが連結して連続した野地が形成される。
【0026】
このように、独立の野地パネルを第2フレームに取り付けると、独立の野地パネルとこの上に葺かれた屋根材の荷重は、この独立の野地パネルが載置されている第2フレームにかかる。
即ち、第1フレームには、独立の野地パネルとこの上に葺かれた屋根材の荷重がかからず、屋根パネルとこの上に葺かれた屋根材の荷重のみがかかる。従って、この第1フレームの機械的強度を特別に大きくしなくとも、第1フレームの機械的強度が不足しない。
【0027】
また、屋根ユニットの野地パネルは第1フレームに取り付けられ、独立の野地パネルは第2フレームに取り付けられるといように、屋根ユニットの野地パネルと独立の野地パネルとは別々のフレームに取り付けられている。従って、独立の野地パネルを取り付ける施工が容易になる。
また、第2フレームと独立の野地パネルとを連結部で連結するので、両者が強固に連結され、独立の野地パネルが滑り落ちることがない。
また、軒先側の野地には、独立の野地パネルが使用されるので、この独立の油地パネルは板状となり運搬し易いと同時に、この独立の野地パネルは長くとも長手方向をトラックの前後方向に向けることによって運搬可能である。従って、庇の出寸法を適当な長さにすることができる。
【0028】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明に係り、前記第1フレームと第2フレームは、複数の縦材と、この縦材の上に架け渡された上弦材からなり、前記第2フレームの連結部は、この第2フレームの上弦材に取り付けられたパネル受け材と、このパネル受け材に取り付けられた上方に突出した下側係止材とからなり、前記独立の野地パネルの連結部は、棟側の裏面縁部に設けられた下方に突出した上側係止材であり、この上側係止材は第2フレームの下側係止材と上弦材との間に挿入可能になされているので、第2フレームの上に独立の野地パネルを載置する際に、独立の野地パネルの棟側の裏面縁部に設けられた上側係止材を、第2フレームの下側係止材と上弦材の間に挿入するだけで、簡単に、この上側係止材が下側係止材に引っ掛かって、独立の野地パネルが第2トラス材に滑り落ちないように連結できる。
【0029】
請求項3記載の発明では、請求項1記載の発明に係り、前記第2フレームは、屋根ユニットを第1居室ユニットの上に据え付けたときに、第1居室ユニットの軒先側に据え付けられている第2居室ユニットの上に載置される位置に設けられているので、この屋根ユニットを第1居室ユニットの上に据え付け、別の野地パネルを、屋根ユニットの第2フレームと第1居室ユニットの軒先側に据え付けられた第2居室ユニットの軒先に架け渡すと、独立の野地パネルとこの上に葺かれた屋根材の荷重は、この独立の野地パネルが取り付けられている第2フレームを経て、第2フレームが載置されている第2居室ユニットにかかる。
【0030】
そして、屋根ユニットとこの上に葺かれた屋根材の荷重は、従来と同様に、第1フレームを経て第1居室ユニットにかかる。
このように屋根ユニットとこの上に葺かれた屋根材の荷重と、独立の野地パネルとこの上に葺かれた屋根材の荷重は、それぞれ別の居室ユニットにかかるので、第1居室ユニットや第1居室ユニットの機械的強度を特別に大きくする必要がない。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例で説明する。
図1〜図7は本発明の一実施例を示すもので、図1(イ)はユニット建物を示す斜視図、(ロ)はユニット建物の切り妻部分を示す正面図、(ハ)は(ロ)のA部分を拡大して示す正面図、図2(イ)は屋根ユニットを取り付けている状態の一部を示す正面図、(ロ)は屋根ユニットを取り付けた状態の一部を示す斜視図、(ハ)は(ロ)のB部分を拡大して示す斜視図、図3は居室ユニットを示す斜視図、図4(イ)は屋根ユニットを示す斜視図、(ロ)は第1フレームを示す正面図、図5(イ)は第2フレームを示す正面図、(ロ)は(イ)の側面図、図6は第1フレームと第2フレームに使用される斜め材を示す斜視図、図7(イ)は表面を上にした状態の独立の野地パネルを示す斜視図、(ロ)は裏面を上にした状態の独立の野地パネルを示す斜視図である。
【0032】
図1〜図7において、Hはユニット建物であり、このユニット建物Hは、図1(イ)及び図3に示すように、基礎9の上に9個の居室ユニット1が据え付けられて1階が形成され、この1階の居室ユニット1の上に9個の居室ユニット1が据え付けられて2階が形成され、この2階の中央にある3個の居室ユニット1の上に3個の屋根ユニット2が据え付けられ、この3個の屋根ユニット2の両側にそれぞれ3組ずつ、合計6組の独立の妻壁フレーム3が据え付けられ、この6組の独立の妻壁フレーム3の上に6個の独立の野地パネル4が取り付けられて屋根が形成され、屋根ユニット2の野地パネル25の上と独立の野地パネル4の上とに図示しない屋根材が葺かれたものである。
【0033】
このユニット建物Hを構成する居室ユニット1は、従来の居室ユニットと略同じである。即ち、図3に示すように、矩形状の床パネル11と、この床パネル11の上に立設された壁パネル12と、床パネル11の隅部に立設された柱13とからなる。
この実施例では、屋根ユニット2の下方に据え付けられている居室ユニット1を第1居室ユニット1−1と称し、独立の野地パネル4の下方に据え付けられている居室ユニット1を第2居室ユニット1−2と称する。
【0034】
屋根ユニット2は、図4に示すように、木製の妻壁トラス21と、木製の第1フレーム23と、木製の第2フレーム24と、野地パネル25と、木製の束26と、木製の棟木27と、図2に示されている木製の流れ梁28とからなる。
妻壁トラス21は、下側梁211と、この下側梁211の両側部に立設された縦材212と、この両側部の縦材212の上に架け渡された上側梁213とからなる。
【0035】
第1フレーム23は、図4(ロ)に示すように、下弦材231と、この下弦材231の両端部に立設された縦材232と、この両端部の縦材232の上に架け渡された上弦材233と、縦材232と上弦材233に差し渡された斜め材234とからなる。尚、下弦材231と上弦材233とは略平行になっている。
【0036】
この第1フレーム23に使用される斜め材234は、図6に示すように、金属製の棒状体235と、この棒状体235の両側に取り付けられた金属製の断面L字形の短尺体の上側取付金具236と下側取付金具237とからなり、図4(ロ)に示すように、この上側取付金具236が上弦材233に取り付けられ、下側取付金具237が縦材232に取り付けられている。又、下弦材231と縦材232とは取付金具238で連結されているし、縦材232と上弦材323とは取付金具239で連結されている。
【0037】
又、第2フレーム24は、図5に示すように、下弦材241と、この下弦材241の両端に立設された縦材242と、この両端に立設された縦材242の上に架け渡された上弦材243と、縦材242と上弦材243に差し渡された斜め材244とからなり、下弦材241と上弦材243とが略平行になっていること、斜め材242が、図5(ハ)に示すように、金属製の棒状体245と、この棒状体245の両側に取り付けられた金属製の断面L字形の短尺体の上側取付金具246と下側取付金具247とからなり、上側取付金具246が、図5(イ)に示すように、上弦材243に取り付けられ、下側取付金具247が縦材242に取り付けられ、下弦材241と縦材242とは取付金具248で連結されるし、縦材242と上弦材243とは取付金具249で連結されていることは第1フレーム23と略同じである。
【0038】
しかし、この第2トラス24には、スペーサー51とパネル受け材52と下側係止材53が取り付けられていることが異なる。
即ち、上弦材241の棟側の面に合板の4個のスペーサー51が取り付けられ、両側の縦材242にはそれぞれ、合板の2個のスペーサー51が取り付けられていて、この第2フレーム24が、棟側の面を第1フレーム23に対峙した状態に、取り付けられている。すると、この第1フレーム23と第2フレーム24との間には、スペーサー51だけの隙間が形成される。即ち、この第1フレーム23の軒先側に、第2フレーム24がスペーサー51の厚みだけ隔てて、略平行に取り付けられている。
【0039】
また、上弦材241の軒先側の面には、厚みが略38mm、高さが略89mmの木材であるパネル受け材52が略平行に取り付けられ、このパネル受け材52には、合板製長尺体である下側係止材53が取り付けられていて、このパネル受け材52と下側係止材53とで、後述の独立の野地パネル4を受けるものである。即ち、パネル受け材52と下側係止材53は、独立の野地パネル4を連結するものであって、第2トラス24側の連結部Mである。
【0040】
野地パネル25は、図1及び図2に示すように、複数の略平行な木製の垂木251と、この垂木251の上に張り付けられた合板の野地板252とからなる。
そして、屋根ユニット2は、2個の妻壁トラス21を所定距離を隔てた両側に立設させ、この2個の妻壁トラス21の支柱212に第1トラス23を差し渡して連結し、妻壁トラス21の上側梁213の略中央に束26を立設し、両側の束26に棟木27を架け渡し、束26と上側梁213の両側に流れ梁28を架け渡し、この流れ梁214の上に野地パネル25を取り付けたものである。
【0041】
なお、施工し易いように、野地パネル25の野地板252の一部を取り付けないでいて、この野地パネル25を取り付けた後に、野地板252の存在しない一部に野地板252を取り付けるようにしてもよい。
独立の妻壁フレーム3は、図2に示すように、屋根梁31と、この屋根梁31の上に立設された高さが順に低くなされた5本の略平行な束32と、この束32の上に斜めに架け渡された流れ梁32とからなる。
【0042】
そして、屋根梁31は束32や流れ梁32より若干棟側に突出した部分Pが形成されていて、屋根ユニット2を据え付けたときに、この部分Pに、屋根ユニット2の第2フレーム24が載置できるようになっている。
独立の野地パネル4は、図7に示すように、複数の略平行な木製の垂木41と、この垂木41の上に取り付けられた合板の野地板42と、この野地板42の裏面の軒先側に取り付けられた木製の上側係止材43とからなる。
【0043】
この上側係止材43は、第2フレーム24のパネル受け材246と係止材247の間に挿入して、独立の屋根パネル4を屋根パネル2に取り付けるものである。従って、この上側係止材43は、第2フレーム側の連結部Mに連結されるものであって、独立の屋根パネル4の連結部Nである。
そして、第2居室ユニット1−2の上に独立の妻壁フレーム3を取り付け、この独立の妻壁フレーム3の上に独立の野地パネル4を取り付けると、この独立の野地パネル4が第2居室ユニット1−2の軒先側から突出し、庇が形成される。
【0044】
次に、このユニット建物Hの施工方法及び作用について説明する。
工場で、居室ユニット1と屋根ユニット2と独立の妻壁フレーム3と独立の野地パネル4等を製造する。
この居室ユニット1と屋根ユニット2と独立の妻壁フレーム3と独立の野地パネル4等を施工現場に運搬する。
【0045】
この際、独立の野地パネル4は、居室ユニット1より長いが、板状であるので、これを積み重ねて運搬することができ、運搬し易い。
また、この独立の屋根パネル4は居室ユニット1より長くても、長手方向をトラックの長手方向にすることによって運搬可能である。従って、庇の出寸法を適当な長さにすることができ、便利である。
【0046】
施工現場では、予め設けられている基礎9の上に9個の居室ユニット1を据え付けて1階を形成し、この1階の居室ユニット1の上に9個の居室ユニット1を据え付けて2階を形成し、この2階の両側の6個の居室ユニット1の上に6組の独立の妻壁フレーム3をそれぞれ取り付ける。
【0047】
次に、図2に示すように、中央の3個の居室ユニット1の上に3個の屋根ユニット2を据え付ける。
すると、屋根ユニット2の第2フレーム24が、既に、取り付けられている独立の妻壁フレーム3の屋根梁31の部分Pの上に載置される。
次に、第2フレーム24と第1居室ユニット1−1の軒先側に据え付けられた第2居室ユニット1−2の軒先側とに架け渡して、独立の妻壁フレーム3の上に独立の野地パネル4を取り付ける。
【0048】
この際、独立の野地パネル4の棟側の縁部に設けられた上側係止材43を、第2フレーム24の下側係止材53と上弦材243の間に挿入する。すると、第2フレーム24の連結部Mと独立の野地パネル4の連結部Nとが連結される。
このように、独立の野地パネル4の棟側の縁部に設けられた上側係止材43を、第2フレーム24の下側係止材53と上弦材243の間に挿入するだけで、この上側係止材43が下側係止材53に引っ掛かって、両方の連結部が連結され、その結果、独立の野地パネル4が第2フレーム24に滑り落ちないように連結でき、極めて施工し易い。
【0049】
このようにして、6組の独立の妻壁フレーム3の上に6個の独立の野地パネル4を、次々と、取り付ける。
すると、この屋根ユニット2の野地パネル25と独立の野地パネル4とが連結して連続した野地が形成される。
その後に、この連続した野地の上に屋根材を葺いたり、棟瓦を取り付けたり、その他の仕上げを行うと、ユニット建物Hが完成する。
【0050】
このようにして完成したユニット建物Hでは、独立の野地パネル4とこの上に葺いた屋根材の荷重は、この独立の野地パネル4が載置されている第2フレーム24にかかる。
また、この第2フレーム24は、独立の妻壁フレーム3の屋根梁31を介して第2居室ユニット1−2の上に載置されているので、上記独立の野地パネル4とこの上に葺かれた屋根材の荷重は、第2フレーム材24、独立の妻壁フレーム3の屋根梁31の部分Pを経て第2居室ユニット1−2にかかる。
【0051】
一方、屋根ユニット2の野地パネル25とこの上に葺かれた屋根材の荷重は、従来と同様に、第1フレーム21を経て第1居室ユニット1−1にかかる。
このように、屋根ユニット2の野地パネル25とこの上に葺かれた屋根材の荷重と、独立の野地パネル3とこの上に葺かれた屋根材の荷重は、それぞれ第1居室ユニット1−1と第2居室ユニット1−2に別々にかかるので、第1フレーム21や第1居室ユニット1−1の機械的強度を特別に大きくする必要がなく、便利である。
【0052】
以上、この発明の実施の形態を実施例で詳細に説明したが、具体的な構成は、この実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。
例えば、この実施例では木質系のユニット建物について説明したが、鉄骨系のユニット建物でもよい。
また、この実施例では第2フレーム24が独立の妻壁フレーム3の屋根梁31の上に載置されているが、この第2フレームが第2居室ユニット1−2の天井梁や柱の上に載置されてもよい。
また、第1フレーム21と第2フレーム24は略同じ構造になっているが、異なる構造であってもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1記載の発明は、軒先側に独立の野地パネルを取り付けることのできる屋根ユニットであって、傾斜した野地パネルと、この野地パネルの軒先側に取り付けられた第1フレームとを備え、この第1フレームには、第2フレームが第2フレームの軒先側に取り付けられ、この第2フレームと前記独立の野地パネルにはそれぞれ、第2フレームの上に独立の野地パネルを載置したときに互いに連結できる連結部が設けられているから、この屋根ユニットを第1居室ユニットの上に据え付けた後に、独立の野地パネルを第2フレーム材と、第1居室ユニットの軒先側に据え付けられた第2居室ユニットの軒先側とに架け渡し、第2フレームの連結部と独立の野地パネルの連結部を連結すると、この屋根ユニットの野地パネルと独立の野地パネルとが連結して連続した野地が形成される。
【0054】
このように、独立の野地パネルを第2フレームに取り付けると、独立の野地パネルとこの上に葺かれた屋根材の荷重は、この独立の野地パネルが載置されている第2フレームにかかる。従って、この第1フレームの機械的強度を特別に補強する必要がない。
また、屋根ユニットの野地パネルが第1フレームに取り付けられ、独立の野地パネルは第2フレームに取り付けられるといように、屋根ユニットの野地パネルと独立の野地パネルとは別々のフレームに取り付けられている。従って、独立の野地パネルを取り付ける施工が容易になる。
【0055】
また、第2フレームと独立の野地パネルとは連結部で連結されていて、両者が強固に連結され、独立の野地パネルが滑り落ちることがない。
また、軒先側の野地には、独立の野地パネルが使用されるので、この独立の野地パネルは板状であり運搬し易いと同時に、居室ユニットより長くても運搬可能である。従って、庇の出寸法を適当な長さにすることができ、便利である。
【0056】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明に係り、前記第1フレームと第2フレームは、複数の縦材と、この縦材の上に架け渡された上弦材からなり、前記第2フレームの連結部は、この第2フレームの上弦材に取り付けられたパネル受け材と、このパネル受け材に取り付けられた上方に突出した下側係止材とからなり、前記独立の野地パネルの連結部は、棟側の裏面縁部に設けられた下方に突出した上側係止材であり、この上側係止材は第2フレームの下側係止材と上弦材との間に挿入可能になされているから、第2フレームの上に独立の野地パネルを載置するときに、独立の野地パネルの棟側の縁部に設けられた上側係止材を、第2フレームの下側係止材と上弦材の間に挿入するだけで、簡単に、独立の野地パネルを第2トラス材に滑り落ちないように連結することができ、施工し易い。
【0057】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明に係り、前記第2フレームは、屋根ユニットを第1居室ユニットの上に据え付けたときに、第1居室ユニットの軒先側に据え付けられている第2居室ユニットの上に載置される位置に設けられているから、この屋根ユニットを第1居室ユニットの上に据え付け、別の野地パネルを、屋根ユニットの第2フレームと第1居室ユニットの軒先側に据え付けられた第2居室ユニットの軒先に架け渡すと、独立の野地パネルとこの上に葺かれた屋根材の荷重は、この独立の野地パネルが取り付けられている第2フレームを経て、第2フレームが載置されている第2居室ユニットにかかるし、屋根ユニットとこの上に葺かれた屋根材の荷重は、従来と同様に、第1フレームを経て第1居室ユニットにかかる。
従って、第1居室ユニットや第1居室ユニットの機械的強度を特別に大きくする必要がなく便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、(イ)はユニット建物を示す斜視図、(ロ)はユニット建物の切り妻部分を示す正面図、(ハ)は(ロ)のA部分を拡大して示す正面図である。
【図2】(イ)は屋根ユニットを取り付けている状態の一部を示す正面図、(ロ)は屋根ユニットを取り付けた状態の一部を示す斜視図、(ハ)は(ロ)のB部分を拡大して示す斜視図である。
【図3】居室ユニットを示す斜視図である。
【図4】(イ)は屋根ユニットを示す斜視図、(ロ)は第1フレームを示す正面図である。
【図5】(イ)は第2フレームを示す正面図、(ロ)は(イ)の側面図である。
【図6】第1フレームと第2フレームに使用される斜め材を示す斜視図である。
【図7】(イ)は表面を上にした状態の独立の野地パネルを示す斜視図、(ロ)は裏面を上にした状態の独立の野地パネルを示す斜視図である。
【符号の説明】
H ユニット建物
M 第2フレーム側の連結部
N 独立の屋根パネル側の連結部
1 居室ユニット
2 屋根ユニット
21 妻壁フレーム
23 第1フレーム
24 第2フレーム
25 野地パネル
3 独立の妻壁フレーム
4 独立の野地パネル
43 上側係止材
51 スペーサー
52 パネル受け材
53 下側係止材
Claims (3)
- 軒先側に独立の野地パネルを取り付けることのできる屋根ユニットであって、傾斜した野地パネルと、この野地パネルの軒先側に取り付けられた第1フレームとを備え、この第1フレームには、第2フレームが第1フレームの軒先側に取り付けられ、この第2フレームと前記独立の野地パネルには、第2フレームの上に独立の野地パネルを載置したときに互いに連結できる連結部が設けられていることを特徴とする屋根ユニット。
- 前記第1フレームと第2フレームは、複数の縦材と、この縦材の上に架け渡された上弦材からなり、前記第2フレームの連結部は、この第2フレームの上弦材に取り付けられたパネル受け材と、このパネル受け材に取り付けられた上方に突出した下側係止材とからなり、前記独立の野地パネルの連結部は、棟側の裏面縁部に設けられた下方に突出した上側係止材であり、この上側係止材は第2フレームの下側係止材と上弦材との間に挿入可能になされていることを特徴とする請求項1記載の屋根ユニット。
- 前記第2フレームは、屋根ユニットを第1居室ユニットの上に据え付けたときに、第1居室ユニットの軒先側に据え付けられている第2居室ユニットの上に載置される位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載の屋根ユニット。
Priority Applications (1)
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Family Applications (1)
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JP2003122762A Withdrawn JP2004324308A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | 屋根ユニット |
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-
2003
- 2003-04-25 JP JP2003122762A patent/JP2004324308A/ja not_active Withdrawn
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