JP2004322931A - エアバッグ装置付きステアリングホイール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ステアリングホイール本体23の第3スポーク部芯金26cに爪部50を設け、ホーンプレート40に、弾性変形可能で爪部50と係合するスプリング81を保持する係合部45を設ける。また、爪部50と係合部45との係合の解除時に、ホーンプレート40が第3スポーク部芯金26cに対してスプリング81の直線部82aの弾性変形方向に変位または変形することを抑制する抑制手段60を設ける。
【選択図】 図10
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の運転席に着座する乗員の頭部及びその近傍を保護するためのエアバッグ装置を備えたエアバッグ装置付きステアリングホイールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のエアバッグ装置付きステアリングホイールにあっては、エアバッグモジュールをステアリングホイール本体に対してワンタッチで取着できるようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図17(a)、(b)に示すように、特許文献1に記載のステアリングホイールでは、エアバッグモジュール100のリテーナ101に設けられた係合部102を、芯金(図示略)に装着されたピン110の係合端111に係合させることで、エアバッグモジュール100がステアリングホイール本体に取着される。また、このステアリングホイールでは、ピン110は、前記芯金の3本のスポーク部にそれぞれ設けられており、係合部102は、リテーナ101において各ピン110と対応するように設けられている。
【0004】
また、こうしたステアリングホイールでは、例えば、エアバッグ装置や、自動車のホーンを鳴らすためのホーン機構等のメンテナンス時、エアバッグ装置やステアリングホイールの構成部品をリサイクルするための分解時などに、エアバッグモジュール100をステアリングホイール本体から取り外すことがある。
【0005】
【特許文献1】
特開2001―163146号公報(第3−6頁、第1−2図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1に記載のステアリングホイールでは、エアバッグモジュール100をステアリングホイールから取り外す際の取り外し作業が非常に手間のかかるものであった。すなわち、この取り外し作業では、各係合部102において、インナプレート104をスプリングコイル105の付勢力に抗してピン110から離間させる。そして、このピン110を離間させた状態のままで、エアバッグモジュール100(リテーナ101)を、各アウタプレート103がピン110に接触しないように芯金から離間させる必要があった。しかも、複数の係合部102において、この煩わしい作業を同時に行う必要がある。このため、エアバッグモジュール100の取り外し作業が非常にやりづらいものであった。
【0007】
また、インナプレート104をピン110から離間させる場合において、リテーナ101がスプリングコイル105の弾性力によって、全体的にインナプレート104とともにその解除方向に変位したり、インナプレート104が変形したりして、エアバッグモジュールの取り外しが一層困難になるおそれがあった。
【0008】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的としては、エアバッグモジュールのステアリングホイール本体に対する組付性及び結合強度を高く維持しながらも、エアバッグモジュールをステアリングホイール本体から取り外す際の作業性を向上することができるエアバッグ装置付きステアリングホイールを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
前記目的を達成するために、本願請求項1に記載の発明は、ステアリングホイール本体と、同ステアリングホイール本体に取着されるエアバッグモジュールとを備えるエアバッグ装置付きステアリングホイールにおいて、前記ステアリングホイール本体は、芯金を有するものであり、前記エアバッグモジュールは、前記芯金と対向するように配置される鈑金部材を有するものであり、前記芯金には爪部を設け、前記鈑金部材には、弾性変形可能で前記爪部と係合する弾性部材を保持する係合部を設け、前記爪部と前記係合部との係合の解除時に、前記鈑金部材が前記芯金に対して前記弾性部材の弾性変形方向に変位または変形することを抑制する抑制手段を設けたことを要旨とするものである。
【0010】
この本願請求項1に記載の発明では、エアバッグモジュールをステアリングホイール本体に接近させて、鈑金部材の弾性部材を、弾性変形させつつ芯金の爪部に係合させるのみでエアバッグモジュールをステアリングホイール本体に取着することができる。このため、エアバッグモジュールのステアリングホイール本体に対する組付性を高く維持することができる。また、エアバッグモジュールをステアリングホイール本体に取り付けた状態では、係合部が芯金に対して弾性部材の弾性変形方向に変位したり、変形したりすることが抑制手段により抑制される。このため、エアバッグモジュールのステアリングホイール本体に対する結合強度も高く維持することができる。
【0011】
また、エアバッグモジュールをステアリングホイール本体から取り外す際には、弾性部材を、爪部との係合を解除可能な位置に弾性変形させつつ、エアバッグモジュールをステアリングホイール本体から離間する方向へ変位させる。ここで、請求項1に記載の構成では、抑制手段によって、鈑金部材が変位したり、変形したりすることが規制されている。これにより、弾性部材と爪部との係合の解除を容易に行うことができる。また、互いに係合する係合部と爪部とが複数設けられる場合でも、それらの係合の解除を1つずつ行うことができる。このため、エアバッグモジュールをステアリングホイール本体から取り外す際の作業性を向上することができる。
【0012】
また、本願請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記抑制手段は、前記鈑金部材に形成された高剛性部を備えることを要旨とするものである。
【0013】
また、本願請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の発明において、前記高剛性部は、前記鈑金部材において他の部分よりも厚く形成された厚肉部であることを要旨とするものである。
【0014】
また、本願請求項4に記載の発明は、前記請求項2または請求項3に記載の発明において、前記高剛性部は、前記鈑金部材に形成された段部であることを要旨とするものである。
【0015】
前記本願請求項2に記載の発明では、前記請求項1に記載の発明の効果に加えて、鈑金部材に高剛性部を設けることにより、係合部と爪部との係合を解除する際に鈑金部材が変形することを抑制することができる。この場合、高剛性部を、請求項3に記載の発明のように、鈑金部材において他の部分よりも厚く形成された厚肉部からなる構成としたり、請求項4に記載の発明のように、鈑金部材に形成された段部からなる構成を採用することができる。特に、この段部を形成する場合には、鈑金部材のプレス成形時に同時に高剛性部を設けることができるとともに、鈑金部材の重量を増加させることがない。
【0016】
また、本願請求項5に記載の発明は、前記請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明において、前記高剛性部を、前記鈑金部材における係合部の一部をなす部分及びその近傍にのみ設けることを要旨とするものである。
【0017】
この本願請求項5に記載の発明では、前記請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、鈑金部材の剛性が全体的に高くなることを回避することができる。これにより、車両に装着されたステアリングホイールに対して大きな荷重が作用した際のステアリングホイール本体の変形特性への影響が抑制される。このため、ステアリングホイールにおける衝撃吸収特性、いわゆるE/A特性のチューニングのために、芯金の形状や構造を大幅に変更することなく容易に行うことができる。
【0018】
また、ステアリングホイールが変形した際には、鈑金部材は、ステアリングホイール本体の変形に応じて変形する。このため、エアバッグモジュール内に収納されたエアバッグの展開方向を、エアバッグに進入してくる乗員を好適に受け止めることができるように変化させることができる。
【0019】
また、本願請求項6に記載の発明は、前記請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の発明において、前記抑制手段は、前記鈑金部材に突設される突出爪と、この突出爪に対して前記弾性部材の弾性変形方向側の近傍に位置するように前記芯金に突設される突設部とを備えることを要旨とするものである。
【0020】
この本願請求項6に記載の発明では、前記請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、係合部と爪部との係合を解除すべく弾性部材を弾性変形させても、突出爪と突設部とが当接する。この当接により、鈑金部材全体における弾性部材の弾性変形方向への変位や係合部の変形を抑制することができる。これにより、鈑金部材自体の剛性を高めることなくエアバッグモジュールのステアリングホイール本体からの取り外し作業を確実に行うことができる。
【0021】
また、本願請求項7に記載の発明は、前記請求項6に記載の発明において、前記突出爪と前記突設部とは、前記ステアリングホイール本体に対する前記エアバッグモジュールの挿入方向と平行で、前記爪部と前記弾性部材との係合の解除時に互いに当接する当接面を有することを要旨とするものである。
【0022】
この本願請求項7に記載の発明では、前記請求項6に記載の発明の効果に加えて、鈑金部材の突出爪と芯金の突設部とは、エアバッグモジュールをステアリングホイール本体に挿入する際に、そのエアバッグモジュールのガイドの役割を果たすようになる。これにより、エアバッグモジュールのステアリングホイール本体に対する組付けを容易とすることができる。
【0023】
また、本願請求項8に記載の発明は、前記請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の発明において、前記鈑金部材は、前記エアバッグモジュールの底面に対応して配置される基部と、この基部から前記芯金の爪部に向かって延びるとともに前記係合部の一部をなす延設部とを有し、前記抑制手段は、前記延設部の先端部に対して前記弾性部材の弾性変形方向側の近傍に位置するとともに、その延設部の先端部に係合するように前記芯金の一部が突出される係合突部を備えることを要旨とするものである。
【0024】
この本願請求項8に記載の発明では、係合部と爪部との係合を解除すべく弾性部材を弾性変形させた際には、延設部の先端部と係合突部との当接により、鈑金部材のステアリングホイール本体に対する弾性部材の弾性変形方向への変位と、鈑金部材における係合部の変形との双方を抑制することができる。これにより、鈑金部材自体の剛性を高めることなくエアバッグモジュールのステアリングホイール本体からの取り外し作業を確実に行うことができる。
【0025】
また、本願請求項9に記載の発明は、前記請求項1〜請求項8のうちいずれか一項に記載の発明において、前記鈑金部材は、前記エアバッグモジュールの底面に対応して配置される基部と、この基部から前記芯金の爪部に向かって延びるとともに前記係合部の一部をなす延設部とを有し、前記抑制手段は、前記芯金における前記鈑金部材と対向する部分において前記延設部が沿う側面とは反対側の側面に沿うように前記基部の前記延設部と対向する位置から突出する突出壁を備えることを要旨とするものである。
【0026】
この本願請求項9に記載の発明では、前記請求項1〜請求項8のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、芯金における鈑金部材と対向する部分は、爪部の近傍にて鈑金部材の延設部と突出壁とにより挟まれた状態となる。
【0027】
これにより、係合部と爪部との係合を解除すべく弾性部材を弾性変形させても、延設部の反対側に位置する突出壁と芯金との当接により、鈑金部材全体の弾性部材の弾性変形方向への変位を抑制することができる。また、係合部と爪部との係合を解除すべく弾性部材を弾性変形させた際に、鈑金部材が芯金に対して回動することを抑制することができる。これらの結果、鈑金部材自体の剛性を高めることなくエアバッグモジュールのステアリングホイール本体からの取り外し作業を確実に行うことができる。
【0028】
また、本願請求項10に記載の発明は、前記請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の発明において、前記鈑金部材は、前記エアバッグモジュールの底面に対応して配置される基部と、この基部から前記芯金の爪部に向かって延びるとともに前記係合部の一部をなす延設部とを有し、前記抑制手段は、前記芯金及び前記鈑金部材の一方に形成される突起と、前記芯金及び前記鈑金部材の他方において前記突起が挿入される挿入孔または挿入穴とを備えることを要旨とするものである。
【0029】
この本願請求項10に記載の発明では、前記請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の発明の効果とほぼ同様の効果を得ることができる。
そして、請求項11に記載の発明のように、前記突起を、前記鈑金部材の基部、及び前記芯金にける前記基部と対向する部分の一方にて、前記エアバッグモジュールの前記ステアリングホイール本体への組付方向と平行をなすように形成する。そして、前記挿入孔または前記挿入穴を、前記鈑金部材の基部、及び前記芯金における前記基部と対向する部分の他方に形成する構成を採用することができる。
【0030】
また、請求項12に記載の発明のように、前記突起を、前記鈑金部材の延設部、及び前記芯金における前記延設部と対向する部分の一方にて、前記エアバッグモジュールの前記ステアリングホイール本体への組付方向と平行をなすように形成する。そして、前記挿入孔または前記挿入穴を、前記鈑金部材の延設部、及び前記芯金における前記延設部と対向する部分の他方に形成する構成を採用することができる。そして、この請求項12に記載の発明では、係合部と爪部との係合を解除すべく弾性部材を弾性変形させた際には、突起と挿入孔または挿入穴との当接により、鈑金部材のステアリングホイール本体に対する弾性部材の弾性変形方向への変位と、鈑金部材の係合部の変形との双方を抑制することができる。
【0031】
また、本願請求項13に記載の発明は、前記請求項1〜請求項12のうちいずれか一項に記載の発明において、前記抑制手段は、前記エアバッグモジュールの前記ステアリングホイール本体への組付時に、前記エアバッグモジュールを、前記ステアリングホイール本体に対する組付位置へと案内する案内部をさらに備えることを要旨とするものである。
【0032】
この本願請求項13に記載の発明では、前記請求項1〜請求項12のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、エアバッグモジュールを、ステアリングホイール本体に組み付けるべくステアリングホイール本体に接近させると、エアバッグモジュールが、案内部により所定の組付位置へと案内される。このため、エアバッグモジュールのステアリングホイール本体に対する組付性を向上することができる。
【0033】
また、本願請求項14に記載の発明は、前記請求項1〜請求項13のうちいずれか一項に記載の発明において、前記エアバッグモジュールは、前記ステアリングホイール本体に対して接離する方向に揺動可能に取着されることを要旨とするものである。
【0034】
車両に装着されるステアリングホイールにあっては、ホーンを鳴らすためのホーン機構がエアバッグモジュールに組み込まれることがある。また、この場合には、エアバッグモジュールは、ホーン機構の一部をなすばねを介し、ステアリングホイール本体に対して接離する方向に揺動可能に取着されることがある。このようなステアリングホイールでは、エアバッグモジュールをステアリングホイール本体から取り外す際に、鈑金部材が全体的にステアリングホイール本体に対して弾性部材の弾性変形方向に変位し易くなる。
【0035】
これに対して、本願請求項14に記載の発明では、ステアリングホイール本体に対して揺動可能な鈑金部材を有するエアバッグ装置付きステアリングホイールにおいて、前記請求項1〜請求項13のうちいずれか一項に記載の発明の効果が特に顕著に発揮される。
【0036】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下に、本発明のエアバッグ装置付きステアリングホイールの第1実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
【0037】
図1に示すように、このステアリングホイールは、円環状に形成されたリム部20と、同リム部20の中央に配置されるボス部21と、これらリム部20とボス部21とを連結する3本(図1では2本のみ図示)のスポーク部22とを備えている。そして、リム部20、ボス部21及びスポーク部22によりステアリングホイール本体23が構成されている。また、このステアリングホイール本体23には、エアバッグモジュール30がボス部21の上方に取着されている。
【0038】
前記ステアリングホイール本体23は、リム部20に対応するリム部芯金24と、ボス部21に対応するボス部芯金25と、各スポーク部22に対応するスポーク部芯金26とを備えている。これら各芯金24〜26は、ダイカスト法にて一体に成形される。
【0039】
また、これらのリム部芯金24と、各スポーク部芯金26のリム部芯金側の部分とには、例えばポリウレタン等の樹脂材料からなる被覆層27が形成されている。また、ボス部芯金25の一部とスポーク部芯金26の被覆層27が形成されていない部分とには、その外面を覆うとともにボス部芯金25に対してねじ等により固定されるロアカバー28が設けられている。このステアリングホイールは、ボス部芯金25にステアリングシャフト(図示略)が接続されており、ステアリングホイールの回転操作が前記ステアリングシャフトに伝達されるようになっている。
【0040】
前記スポーク部芯金26は、図1及び図2に示すように、第1スポーク部芯金26a及び第2スポーク部芯金26bが、ステアリングホイールを前面から見たときに、ボス部芯金25を介して直線状に連続するように形成されるとともに、その両端にてリム部芯金24に接続されている。一方、第3スポーク部芯金26cは、略Y字状をなし、第1及び第2スポーク部芯金26a、26bの延長方向とほぼ直交する方向に延設されている。そして、この第3スポーク部芯金26cは、分岐していない側の端部がリム部芯金24に接続され、分岐している側の端部が第1スポーク部芯金26aと第2スポーク部芯金26bとに接続されている。
【0041】
また、第3スポーク部芯金26cには、第1スポーク部芯金26a及び第2スポーク部芯金26b側の端部近傍に屈曲予定部29が形成されている。この屈曲予定部29は、車両の運転者の姿勢変化等によってリム部20(リム部芯金24)の第3スポーク部芯金26cとの接続部近傍が押し込まれた際に、第3スポーク部芯金26cを屈曲予定部29にて屈曲させて、リム部20を変位させ易くするために設けられている。
【0042】
前記エアバッグモジュール30は、図1に示すように、膨張可能に折り畳まれた袋状のエアバッグ31と、エアバッグ31にガスを供給するインフレータ32と、折り畳まれたエアバッグ31を覆うパッド33と、これらエアバッグ31、インフレータ32、パッド33を保持するバッグホルダ34とを備えている。ここで、エアバッグ31とインフレータ32とバッグホルダ34とは、図示しない複数のボルトとナットとによりボルト締めされている。
【0043】
パッド33は樹脂材料により成形され、その裏面の中央部には、エアバッグ31の展開膨張により押し破られる、例えばH字形のティアライン33aが凹設されている。また、パッド33の裏面の端部近傍には、複数のリブ33bが形成されている。
【0044】
前記バッグホルダ34は、金属材料からなり薄板状に形成されている。同バッグホルダ34は、インフレータ32等をボルト締めする底部34aと、同底部34aから前記リブ33bに向かって上方に延びる延長部34bとを備えている。各延長部34bには、リブ33bの近傍にナット35が溶着されるとともに、そのナット35の雌ねじの内径とほぼ同径の貫通孔34cが形成されている。そして、バッグホルダ34は、延長部34bに一体に設けられるホーンスイッチ機構36を介して鈑金部材としてのホーンプレート40に接続されている。なお、ホーンスイッチ機構36は、通常に用いられるものと同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
【0045】
図2に示すように、ホーンプレート40は、略U字状をなす薄板状に形成されている。そして、ホーンプレート40は、第3スポーク部芯金26cと対向するように、また、ステアリングホイールを前面から見たときに、前記第3スポーク部芯金26cの分岐する側の端部にほぼ重なるように配置されている。
【0046】
このホーンプレート40は、エアバッグモジュール30の底面、すなわちバッグホルダ34の前記ボス部21側の側面に対応して配置される基部41と、U字の両端部42及び曲部43にて基部41から上方(エアバッグモジュール30へ向かう方向)へと伸びる伸び部44とを有している。ここで、前記ホーンスイッチ機構36は、伸び部44に設けられる。また、ホーンプレート40と第3スポーク部芯金26cとが係合することにより、エアバッグモジュール30がステアリングホイール本体23に取着される。また、このステアリングホイールでは、エアバッグモジュール30は、ステアリングホイール本体23に対して接離する方向(図1では上下方向)に揺動可能に取着されている。
【0047】
また、前記第3スポーク部芯金26cには、第1、第2スポーク部芯金26a,26bとの接続部近傍に、内側面26dからボス部芯金25へ向かって突出する一対の爪部50が形成されている。
【0048】
この爪部50は、図3に示すように、頂面51が第3スポーク部芯金26cの内側面26dと平行をなす略台形状に形成されている。この爪部50の上面52は、第3スポーク部芯金26cの内側面26dとの接続部から頂面51へ向かうにつれて内側面26dからの突出量が徐々に大きくなるように形成されている。また、爪部50の下面53は、第3スポーク部芯金26cの内側面26dに対してほぼ垂直となるように形成されている。
【0049】
また、第3スポーク部芯金26cには、爪部50及びその近傍における剛性を高めるための補強部37が形成されている。この補強部37は、第3スポーク部芯金26cの下面にて各爪部50の両側方から下方へと突出する一対の突出部38から構成されている。
【0050】
これら突出部38は、第3スポーク部芯金26cの外側面26e側の端部近傍において、アーチ状の接続部39を介して接続されている。また、突出部38は、接続部39の奥部、つまり第3スポーク部芯金26cの内側面26d側には、下方に向かって屈曲された屈曲部39aが形成されており、この屈曲部39aの先端に爪部50が接続されている。なお、突出部38を設ける代わりに、例えば、第3スポーク部芯金26cにおける爪部50の近傍の部分の肉厚を大きくすること等により、第3スポーク部芯金26cの爪部50及びその近傍の剛性を高めるようにしてもよい。
【0051】
一方、図1〜図3に示すように、ホーンプレート40は、エアバッグモジュール30がステアリングホイール本体23に取着される際に、第3スポーク部芯金26cの爪部50と係合する係合部45を有している。
【0052】
係合部45は、前記爪部50と対応する位置にて基部41から第3スポーク部芯金26cの内側面26dに沿うとともに先端にてボス部芯金25へとほぼ直角に折れ曲がるように伸びる延設部46と、この延設部46に収容され、棒状をなす弾性部材としてのバースプリング47とから構成されている。このバースプリング47は、延設部46の一部をなす曲げ加工部48により、バースプリング47全体がホーンプレート40の中心側へ変位しないように、かつ、湾曲するように弾性変形可能に保持されている。また、係合部45の延設部46には、第3スポーク部芯金26cの爪部50が係入可能な係入孔49が形成されている。
【0053】
また、このステアリングホイールには、エアバッグモジュール30のステアリングホイール本体23に対するがたつきを抑制するためのがたつき抑制機構55が設けられている。
【0054】
このがたつき抑制機構55は、図2及び図3に示すように、ホーンプレート40を第3スポーク部芯金26cから離間する方向へ付勢する付勢部材としてのコイルばね56を有している。このコイルばね56は、その一端が、第3スポーク部芯金26cの外側面26eにおける爪部50の近傍から突出する下側係止部57に、一方、他端が、ホーンプレート40の基部41における下側係止部57と対応する位置から外方へ向かって突出する上側係止部58に係合している。また、各上側係止部58には、コイルばね56の他端を保持するための複数(この例では3個)の保持爪59が形成されている。
【0055】
本実施形態では、図3に示すように、ステアリングホイールには、第3スポーク部芯金26cの爪部50とホーンプレート40の係合部45との係合の解除時に、ホーンプレート40が第3スポーク部芯金26cに対してバースプリング47の弾性変形方向に変形することを抑制する抑制手段60が設けられている。
【0056】
この抑制手段60は、ホーンプレート40の他の部分、すなわち基部41の残りの部分や曲部43や伸び部44よりもその板厚が厚く形成された厚肉部62からなる高剛性部61である。そして、この高剛性部61は、ホーンプレート40おいて、延設部46の全体と基部41における延設部46の接続部の近傍とにのみ形成されている。
【0057】
このステアリングホイールにあっては、エアバッグモジュール30をステアリングホイール本体23に取着する際には、まず、エアバッグモジュール30を第3スポーク部芯金26cへと接近させて、爪部50の上面52に係合部45のバースプリング47を当接させる。この状態で、エアバッグモジュール30を第3スポーク部芯金26c側へと押し込むと、バースプリング47は、長手方向中央部がボス部芯金25に向かって湾曲するように弾性変形しつつ、爪部50の上面52及び頂面51上を摺動する。そして、エアバッグモジュール30をさらに押し込んで、バースプリング47が爪部50の下面53よりも押し込み方向側に位置するようになると、バースプリング47が、元の状態に戻って、爪部50の頂面51よりも第3スポーク部芯金26cの内側面26d側の係合位置に保持される。
【0058】
この際、がたつき抑制機構55のコイルばね56は、第3スポーク部芯金26cの下側係止部57に係合されかつ圧縮された状態となる。これにより、エアバッグモジュール30に対する押し込みを止めると、エアバッグモジュール30(ホーンプレート40)が、第3スポーク部芯金26cから離間する方向へ付勢される。このコイルばね56の付勢力によって、係合部45のバースプリング47が爪部50の下面53に当接した状態となり、エアバッグモジュール30のステアリングホイール本体23に対するがたつきが抑制される。
【0059】
一方、エアバッグモジュール30をステアリングホイール本体23から取り外す際には、まず、例えばドライバー等の工具の先端部を、第3スポーク部芯金26cの両突出部38間に配置する。そして、その工具を、外側面26e側から爪部50へ向かうように移動させて、バースプリング47を、その長手方向中央部がボス部芯金25側へ向かって湾曲するように弾性変形させる。これにより、バースプリング47が爪部50の頂面51よりもボス部芯金25側の解除位置へ変位すると、バースプリング47は、コイルばね56の付勢力によって上方(第3スポーク部芯金26cから離間する方向)へと変位するとともに、爪部50の頂面51と当接するようになる。この状態で、エアバッグモジュール30を上方へと変位させると、バースプリング47と爪部50との係合が解除される。そして、この解除操作を、互いに係合している爪部50と係合部45とのそれぞれの組に対して順次行い、全ての爪部50と係合部45との係合を解除することにより、エアバッグモジュール30がステアリングホイール本体23から取り外される。
【0060】
また、ステアリングホイールが回動されていない状態、すなわち車両を直進させる状態にあるときに、例えば運転者の姿勢変化等によって、ステアリングホイールのリム部20(リム部芯金24)における第3スポーク部芯金26cとの接続部近傍を車両前方に向かって大きな荷重が作用することがある。この場合には、図4に示すように、第3スポーク部芯金26cが前記屈曲予定部29にて屈曲するとともに、リム部芯金24が変位する。この際、エアバッグモジュール30は、第3スポーク部芯金26cの屈曲に応じて変位し、エアバッグ31の展開方向が、進入してくる乗員に向かうように変化される。
【0061】
従って、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、第3スポーク部芯金26cに爪部50を設け、ホーンプレート40に、バースプリング47の弾性変形により爪部50と係脱自在な係合部45を設けている。これにより、エアバッグモジュール30をステアリングホイール本体23に接近させ、ホーンプレート40のバースプリング47を、弾性変形させつつ第3スポーク部芯金26cの爪部50に係合させるのみで、エアバッグモジュール30をステアリングホイール本体23に取着することができる。このため、エアバッグモジュール30のステアリングホイール本体23に対する組付性を高く維持することができる。
【0062】
(2)本実施形態では、爪部50と係合部45との係合の解除時に、ホーンプレート40が第3スポーク部芯金26cに対してバースプリング47の弾性変形方向に変形することを抑制する抑制手段60を設けている。これにより、エアバッグモジュール30をステアリングホイール本体23から取り外す際に、バースプリング47を、爪部50との係合を解除可能な位置に弾性変形させても、ホーンプレート40の延設部46及びその近傍での変形が抑制される。このため、係合部45と爪部50との係合の解除を容易に行うことができる。また、互いに係合する係合部45と爪部50とが複数設けられていても、それらの係合の解除を1つずつ行うことができる。このため、エアバッグモジュール30をステアリングホイール本体23から取り外す際の作業性を向上することができる。
【0063】
また、エアバッグモジュール30をステアリングホイール本体23に取り付けた状態では、抑制手段60により、係合部45が第3スポーク部芯金26cに対してバースプリング47の弾性変形方向に変形することが抑制される。このため、エアバッグモジュール30のステアリングホイール本体23に対する結合強度を高く維持することができる。
【0064】
(3)本実施形態では、抑制手段60を、ホーンプレート40において、延設部46及びその近傍に形成された厚肉部62からなる高剛性部61から構成している。このため、係合部45と爪部50との係合の解除時におけるホーンプレート40の延設部46及びその近傍の変形を簡素な構成で抑制することができる。
【0065】
また、高剛性部61を、ホーンプレート40において延設部46及びその近傍にのみ設けているため、ホーンプレート40の剛性が全体的に高くなることを回避することができる。これにより、車両に装着されたステアリングホイールに対して大きな荷重が作用した際のステアリングホイール本体23の変形特性への影響が抑制される。このため、ステアリングホイールにおける衝撃吸収特性、いわゆるE/A特性のチューニングを、第3スポーク部芯金26cの形状や構造を大幅に変更することなく容易に行うことができる。
【0066】
また、ステアリングホイールが変形した際には、ホーンプレート40は、ステアリングホイール本体23の変形に応じて変形する。このため、エアバッグモジュール30内に収納されたエアバッグ31の展開方向を、エアバッグ31に進入してくる乗員を好適に受け止めることができるように変化させることができる。
【0067】
(変形例)
なお、本発明の実施形態は、以下のように変形してもよい。
・前記実施形態において、コイルばね56以外の付勢部材、例えばゴム等を用いる構成としてもよい。
【0068】
・前記実施形態において、高剛性部61は、厚肉部62からなる構成には限定されない。この高剛性部61を、ホーンプレート40においてプレス成形により形成された段部から構成してもよい。この場合、例えば図5に示すような態様にて、段部63を、ホーンプレート40の延設部46及び基部41に形成することができる。このようにすれば、ホーンプレート40のプレス成形時に同時に高剛性部61を設けることができるとともに、ホーンプレート40の重量を増加させることがない。
【0069】
(第2実施形態)
つぎに、本発明の第2実施形態について、前記第1実施形態と異なる部分を中心に、図6〜図8を参照して説明する。なお、図6〜図8において、図1〜図4と同一の構成については、同一の符号を付している。
【0070】
この第2実施形態では、係合部45とがたつき抑制機構55と抑制手段60との構成が前記第1実施形態と異なっている。
図6に示すように、本実施形態では、がたつき抑制機構55は、ホーンプレート40の基部41と第3スポーク部芯金26cの上面26fとが常に当接するようにホーンプレート40を第3スポーク部芯金26cへ向かって付勢する付勢手段75を有している。この付勢手段75は、ホーンプレート40の延設部46に設けられる弾性部材としてのコイルスプリング76を有している。
【0071】
図6及び図7に示すように、コイルスプリング76は、その一方端76aと他方端76bとがコイル部76cから接線方向へと所定長さに延長されている。そして、一方端76aは、他方端76bと同一平面上に位置するように、その途中にて略S字状に屈曲されている。このコイルスプリング76は、図7に示すように、無負荷状態では、一方端76aと他方端76bとが互いに離間するように形成されている。
【0072】
また、コイルスプリング76は、図6に示すように、延設部46の底壁部46aにて、一方端76aと他方端76bとが無負荷状態のときよりも接近した状態で保持されている。また、コイルスプリング76は、その一方端76aにおけるS字の屈曲部よりも先端側の部分が押圧部76dとなっており、この押圧部76dが爪部50を押圧可能な位置に配置されている。
【0073】
前記底壁部46aには、その先端部が接続壁部46bへ向かって曲げられることにより、コイルスプリング76の他方端76bと係合するとともにその他方端76bのボス部芯金側及び上下方向への移動を規制する一対の曲げ加工部77aが形成されている。また、底壁部46aには、コイルスプリング76のコイル部76cと対応する位置にて上方へと曲げられることにより、コイル部76c内に挿入されてそのコイル部76cの移動を規制する一対の曲げ加工部77bが形成されている。さらに、接続壁部46bには、係入孔49の周縁にてボス部芯金側へと曲げられることにより、コイルスプリング76の一方端76aと係合するとともにその一方端76aの上方への移動を規制する一対の曲げ加工部77cが形成されている。これにより、コイルスプリング76は、延設部46にて、一方端76aと他方端76bとが同一平面上で互いに接近するようにコイル部76cの周方向に変位可能に保持される。
【0074】
一方、図8に示すように、爪部50には、その下面53に、付勢手段75の一部を構成するテーパー部78が形成されている。このテーパー部78は、エアバッグモジュール30のステアリングホイール本体23に対する組付方向(図8では下方向)とは逆方向への変位量が大きくなるほど、コイルスプリング76の押圧部76dによる爪部50への押圧力が高くなるような傾斜を有するように設けられている。すなわち、爪部50の下面53は、第3スポーク部芯金26cの内側面26dとの接続部から頂面51へ向かうにつれて内側面26dからの突出量が徐々に大きくなるように形成されている。
【0075】
また、爪部50には、エアバッグモジュール30がステアリングホイール本体23に取着されている状態のときに、爪部50とコイルスプリング76の押圧部76dとの係合が解除されることを抑制する解除抑制部79がさらに設けられている。この解除抑制部79は、爪部50において、下面53のテーパー部78と頂面51との間に形成される傾斜部80から構成されている。この傾斜部80は、延設部46の底壁部46aとの間の距離が、テーパー部78から頂面51へ向かうにつれて大きくなるように、すなわち、テーパー部78とは逆の傾斜を有するように形成されている。この傾斜部80は、コイルスプリング76の押圧部76dを、コイルスプリング76の復元力(付勢力)によって係合位置側に導くガイド部を構成している。
【0076】
本実施形態では、図6及び図8に示すように、前記抑制手段60は、ホーンプレート40の基部41から突出する突出壁64から構成されている。この突出壁64は、第3スポーク部芯金26cにおいて延設部46が沿う内側面26dとは反対側の外側面26eに沿うとともに、延設部46と対向する位置から突出するように設けられている。
【0077】
なお、図8に示すように、突出壁64において第3スポーク部芯金26cの一対の突出部38の間に対応する部分、すなわち、係合部45と爪部50との係合を解除する際に用いられる例えばドライバー等の工具が挿入される部分には、スリット64aが形成されている。ここで、このスリット64aの代わりに、前記工具が挿入可能な挿入孔を突出壁64に設ける構成としてもよい。
【0078】
また、本実施形態では、突出壁64は、エアバッグモジュール30のステアリングホイール本体23への組付時に、そのエアバッグモジュール30を、ステアリングホイール本体23に対する組付位置へと案内する案内部70を備えている。
【0079】
この案内部70は、図6及び図8に示すように、突出壁64の先端部において、その先端側ほど第3スポーク部芯金26cの外側面26eから離間するように湾曲する湾曲部71から構成されている。
【0080】
このステアリングホイールにあっては、エアバッグモジュール30をステアリングホイール本体23に取着する際には、まず、エアバッグモジュール30を第3スポーク部芯金26cへと接近させて、爪部50の上面52にコイルスプリング76の押圧部76dを当接させる。この状態で、エアバッグモジュール30を第3スポーク部芯金26c側へと押し込むと、コイルスプリング76の押圧部76d(一方端76a)は、コイルスプリング76の他方端76bに接近するように変位しつつ、爪部50の上面52及び頂面51上を摺動する。そして、エアバッグモジュール30をさらに押し込んで、押圧部76dが爪部50の頂面51よりも押し込み方向側に位置するようになると、押圧部76dがコイルスプリング76の付勢力によって延設部46の接続壁部46b側に変位して、押圧部76dと爪部50のテーパー部78とが当接する。
【0081】
この際、コイルスプリング76の一方端76aと他方端76bとの間の距離は、無負荷状態のときのそれらの間の距離よりも小さいため、コイルスプリング76の押圧部76dが爪部50のテーパー部78を常に押圧した状態となる。これにより、押圧部76dは、テーパー部78上を第3スポーク部芯金26cの内側面26dに接近するように摺動し、ホーンプレート40を、第3スポーク部芯金26cに接近する方向(図8では下方向)へと付勢する。そして、このように、ホーンプレート40が付勢されると、その基部41の下面が第3スポーク部芯金26cの上面26fに当接するようになり、エアバッグモジュール30のステアリングホイール本体23に対するがたつきが抑制される。
【0082】
一方、エアバッグモジュール30をステアリングホイール本体23から取り外す際には、まず、例えばドライバー等の工具の先端部を、第3スポーク部芯金26cの両突出部38間に配置する。そして、その工具を、外側面26e側から爪部50へ向かうように移動させて、コイルスプリング76の押圧部76dを、他方端76b側の解除位置へ変位させて、爪部50の上面52に当接するように上方へと移動させる。これにより、押圧部76dと爪部50との係合が解除される。そして、この解除操作を、互いに係合している爪部50と係合部45とのそれぞれの組に対して順次行い、全ての爪部50と係合部45との係合を解除すると、エアバッグモジュール30をステアリングホイール本体23から取り外し可能となる。
【0083】
従って、本実施形態によれば、前記第1実施形態における(1)及び(2)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(4)本実施形態では、抑制手段60を、第3スポーク部芯金26cの外側面26eに沿うようにホーンプレート40の基部41における延設部46と対向する位置から突出する突出壁64から構成している。
【0084】
ここで、図6及び図8に示したように、第3スポーク部芯金26cは、爪部50の近傍にてホーンプレート40の延設部46と突出壁64とにより挟まれた状態となる。これにより、係合部45と爪部50との係合を解除すべくコイルスプリング76を弾性変形させても、突出壁64と第3スポーク部芯金26cとの当接により、ホーンプレート40が全体的に押圧部76dの弾性変形方向(図8では右方向)に変位することを抑制することができる。また、係合部45と爪部50との係合を解除すべくコイルスプリング76を弾性変形させた際に、ホーンプレート40が第3スポーク部芯金26cに対して回動することを抑制することができる。これらの結果、ホーンプレート40自体の剛性を高めることなく、エアバッグモジュール30のステアリングホイール本体23からの取り外し作業を確実に行うことができる。
【0085】
(5)本実施形態では、突出壁64には、エアバッグモジュール30のステアリングホイール本体23への組付時に、エアバッグモジュール30を、ステアリングホイール本体23に対する組付位置へと案内する案内部70を設けている。そして、この案内部70を、突出壁64の先端部に形成した湾曲部71から構成している。これにより、エアバッグモジュール30を、ステアリングホイール本体23に組み付けるべくそのステアリングホイール本体23に接近させると、突出壁64の湾曲部71と第3スポーク部芯金26cとが当接して、エアバッグモジュール30が湾曲部71により所定の組付位置へと案内される。このため、エアバッグモジュール30のステアリングホイール本体23に対する組付性を向上することができる。
【0086】
(第3実施形態)
つぎに、本発明の第3実施形態について、前記第2実施形態と異なる部分を中心に、図9を参照して説明する。なお、図9において、図6と同一の構成については、同一の符号を付している。
【0087】
この第3実施形態では、係合部45とがたつき抑制機構55との構成が前記第2実施形態と同じである。しかしながら、第3実施形態では、抑制手段60の構成が前記第2実施形態とは異なる。
【0088】
図9に示すように、本実施形態では、一対の係合突部65が、それぞれ第3スポーク部芯金26cの内側面26dから延設部46の下面に沿うようにその延設部46の先端部に向かって突出している。両係合突部65は、それらの先端が延設部46の先端部から係合部45と爪部50との係合の解除時におけるコイルスプリング76の押圧部76dの弾性変形方向(図9中の矢印Aの方向)側へ僅かに離間した位置にてエアバッグモジュール30に向かう方向(図9では上方)に屈曲している。そして、この係合突部65が、抑制手段60をなしている。
【0089】
また、本実施形態では、両係合突部65には、案内部70が形成されている。この案内部70は、両係合突部65の先端部にて、第3スポーク部芯金26cとの対向面間の距離が先端側へ向かうほど大きくなるように形成された斜面部72から構成されている。
【0090】
従って、本実施形態によれば、前記第1実施形態における(1)及び(2)、前記第2実施形態における(5)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
【0091】
(6)本実施形態では、抑制手段60を、ホーンプレート40における延設部46の先端部に係合するように第3スポーク部芯金26cから突出する係合突部65から構成している。これにより、係合部45と爪部50との係合を解除する際には、延設部46の先端部と係合突部65との当接により、ホーンプレート40におけるコイルスプリング76の押圧部76dの弾性変形方向への変位と、ホーンプレート40の延設部46の変形との双方を抑制することができる。これにより、ホーンプレート40自体の剛性を高めることなく、エアバッグモジュール30のステアリングホイール本体23からの取り外し作業を確実に行うことができる。
【0092】
(変形例)
なお、本発明の実施形態は、以下のように変形してもよい。
・前記実施形態において、係合突部65を、第1スポーク部芯金26aや第2スポーク部芯金26bから突出させる構成としてもよいし、ボス部芯金25から突出させる構成としてもよい。
【0093】
(第4実施形態)
つぎに、本発明の第4実施形態について、前記第2実施形態と異なる部分を中心に、図10及び図11を参照して説明する。なお、図10及び図11において、図6と同一の構成については、同一の符号を付している。
【0094】
この第4実施形態では、テーパー部78と傾斜部80とを有する爪部50と、この爪部50を押圧する押圧部を有するスプリングとからなる付勢手段75を備えている点で、前記第2実施形態と同じである。しかしながら、第4実施形態では、そのスプリング及び抑制手段60の構成が前記第2実施形態とは異なる。
【0095】
図10に示すように、弾性部材としてのスプリング81は、両端に位置する直線部82a,82bと、これら直線部82a,82bを接続するとともに略円弧状に湾曲する湾曲部83とを有している。このスプリング81は、ステアリングホイール本体23を前面から見たときに逆Z字形をなすとともに、第3スポーク部芯金26cをボス部芯金25から見たときに略半円形をなすように形成されている。ここで、スプリング81の一方の直線部82aは、爪部50のテーパー部78を押圧する押圧部となっている。
【0096】
一方、ホーンプレート40の延設部46には、その底壁部46aの先端部が接続壁部46bへ向かって曲げられることにより、スプリング81の他方の直線部82bと係合するとともにその他方の直線部82bのボス部芯金側及び上下方向への移動を規制する一対の曲げ加工部84aが形成されている。また、底壁部46aには、他方の直線部82bの先端部と対応する位置にて上方へ向かって曲げられることにより、その他方の直線部82bの軸線方向への移動を規制する曲げ加工部84bが形成されている。さらに、接続壁部46bには、係入孔49の周縁にてボス部芯金側へと曲げられることにより、スプリング81の一方の直線部82aと係合するとともにその一方の直線部82aの上方への移動を規制する曲げ加工部84cが形成されている。これら曲げ加工部84a〜84cにより、スプリング81は、延設部46にて、一方の直線部82aが他方の直線部82bへと同一平面上で接近するようにスプリング81の伸縮方向に変位可能に保持される。
【0097】
本実施形態では、抑制手段60は、ホーンプレート40に突設される突出爪66と、ステアリングホイール本体23の芯金に突設される突設部67とから構成されている。詳しくは、突出爪66は、延設部46の接続壁部46bにおいて第2スポーク部芯金26b(第1スポーク部芯金26a)に最も接近した位置にある1つの側面から第2スポーク部芯金26b(第1スポーク部芯金26a)に向かって突出するように設けられている。一方、突設部67は、第2スポーク部芯金26b(第1スポーク部芯金26a)から突出爪66と対向するようにエアバッグモジュール30に向かって(図10では上方向)突設されている。
【0098】
また、図11に示すように、これら突出爪66と突設部67とは、ステアリングホイール本体23に対するエアバッグモジュール30の挿入方向(図11では下方向)と平行で、かつ爪部50と係合部45との係合の解除時に、互いに当接する当接面66a,67aを有している。
【0099】
さらに、突設部67には、案内部70が形成されている。この案内部70は、突設部67の先端部にて、直近の突出爪66との対向面間の距離が先端側へ向かうほど大きくなるように形成された斜面部67bから構成されている。
【0100】
従って、本実施形態によれば、前記第1実施形態における(1)及び(2)、前記第2実施形態における(5)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
【0101】
(7)本実施形態では、抑制手段60を、ホーンプレート40に突設される突出爪66と、この突出爪66に対して係合部45の解除方向側の近傍に位置するように第1、第2スポーク部芯金26a,26bに突設される突設部67とから構成している。これにより、係合部45と爪部50との係合を解除すべくスプリング81の直線部82aを弾性変形させても、突出爪66と突設部67との当接により、ホーンプレート40が全体的に直線部82aの弾性変形方向に大きく変位したり、ホーンプレート40の延設部46が変形したりすることを抑制することができる。このため、ホーンプレート40自体の剛性を高めることなくエアバッグモジュール30のステアリングホイール本体23からの取り外し作業を確実に行うことができる。
【0102】
(8)本実施形態では、突出爪66と突設部67とには、ステアリングホイール本体23に対するエアバッグモジュール30の挿入方向と平行で、爪部50と係合部45との係合の解除時に互いに当接する当接面66a,67aを設けている。これにより、突出爪66と突設部67とは、エアバッグモジュール30をステアリングホイール本体23に挿入する際に、そのエアバッグモジュール30のガイドの役割を果たすようになる。これにより、エアバッグモジュール30のステアリングホイール本体23に対する組付けを容易とすることができる。
【0103】
(変形例)
なお、本発明の実施形態は、以下のように変形してもよい。
・前記実施形態において、図10に示した形状のスプリング81を用いることには限定されない。このスプリング81の代わりに、両端に位置する直線部82a,82bと、これら直線部82a,82bを、同一方向側の端部にて接続するとともに略円弧状に湾曲する湾曲部とを有するスプリング等を用いる構成としてもよい。
【0104】
・前記実施形態において、突出爪66を、接続壁部46bの第2スポーク部芯金26b(第1スポーク部芯金26a)に最も接近した位置にある側面と、最も離間した位置にある側面との両面から突出するように設ける構成としてもよい。この場合、突設部67を、各突出爪66に対して係合部45と爪部50との係合の解除時におけるスプリング81の直線部82aの弾性変形方向側の近傍に位置するように設ける。また、このようにした場合には、第2スポーク部芯金26b(第1スポーク部芯金26a)に対して離間する側に位置する突設部67を、それぞれ対応する第2スポーク部芯金26bまたは第1スポーク部芯金26aから突出するように設ける構成としてもよい。
【0105】
(第5実施形態)
つぎに、本発明の第5実施形態について、前記第1実施形態と異なる部分を中心に、図12〜図14を参照して説明する。なお、図12〜図14において、図1〜図4と同一の構成については、同一の符号を付している。
【0106】
この第5実施形態では、がたつき抑制機構55が、ホーンプレート40を第3スポーク部芯金26cから離間する方向へ付勢するばねとしてのコイルスプリングを有している点で前記第1実施形態と同じである。しかしながら、第5実施形態では、このコイルばねが係合部45の一部として弾性部材を兼ねている点で前記第1実施形態と異なっている。また、抑制手段60の構成も前記第1実施形態とは異なっている。
【0107】
図12及び図13に示すように、本実施形態では、このコイルスプリング91は、コイル部92と、コイル部92の両端部から延長される延長部93a,93bとを有している。一方の延長部93aは、コイル部92の内周部を通って他方の延長部93b側に突出するように延長されている。また、この延長部93aの先端側は、コイル部92へ向かうように曲げられて、さらにその先端側にてほぼ直角をなすように屈曲されている。一方、他方の延長部93bは、コイル部92から第3スポーク部芯金26cの爪部50へ向かって延長されており、その先端部は、爪部50の上面52(頂面51)と平行をなすように屈曲されている。この延長部93bにおいて爪部50の上面52と平行をなす部分は、爪部50を押圧する押圧部となっている。
【0108】
前記ホーンプレート40には、基部41から延設部46とは反対の方向へ向かって伸びる外延部95が形成されている。この外延部95には、コイルスプリング91の一方の延長部93aが係合するとともに、コイル部92の他方の延長部93b側の端部が当接する。また、ホーンプレート40の基部41には、外延部95と係合された一方の延長部93aの先端部を挟み込むように上方へ向かって膨出する一対の膨出部96が形成されている。この膨出部96は、例えば基部41に対するプレス加工等によって形成される。
【0109】
また、ホーンプレート40の延設部46には、他方の延長部93bの前記押圧部の上下方向(基部41に対して直交する方向)への変位を規制するための複数(この例では4つ)の曲げ加工部97が形成されている。
【0110】
一方、図13に示すように、第3スポーク部芯金26cには、その外側面26eにおいてホーンプレート40の外延部95と対応する位置に、コイル部92の前記一方の延長部93a側の端部が係合する下側係止部57が形成されている。また、第3スポーク部芯金26cの爪部50には、その下面53に、前記解除抑制部79を構成する傾斜部80が形成されている。
【0111】
このコイルスプリング91は、一方の延長部93aの先端部がホーンプレート40の膨出部96と係合するとともに、コイル部92における他方の延長部93b側の端部が基部41の外延部95に当接することにより、ホーンプレート40に保持される。このようにコイルスプリング91がホーンプレート40に保持された状態では、コイル部92における他方の延長部93b側の端部は、外延部95との当接面上を摺動可能であるとともに、コイル部92は、基部41に対して傾斜可能である。
【0112】
本実施形態では、図12及び図13に示すように、抑制手段60は、ステアリングホイール本体23の芯金に形成される突起68と、ホーンプレート40において前記突起68が挿入される挿入孔69とから構成されている。詳しくは、突起68は、第3スポーク部芯金26cの上面26fにおける爪部50の近傍に形成されている。さらに、突起68は、エアバッグモジュール30のステアリングホイール本体23への組付方向(図13では下方向)と平行をなし、円柱状に形成されている。一方、挿入孔69は、ホーンプレート40の基部41における突起68と対応する位置にて、平面視で円形をなすように形成されている。
【0113】
さらに、突起68には、案内部70が形成されている。この案内部70は、突起68の先端部にて、その外径が先端へ向かうほど小さくなるように形成された斜面部68aから構成されている。
【0114】
図14に示すように、このステアリングホイールにあっては、エアバッグモジュール30をステアリングホイール本体23に取着する際には、例えば、次のような手順で行われる。まず、第3スポーク部芯金26cの突起68をホーンプレート40の挿入孔69に挿入する。その後、エアバッグモジュール30を第3スポーク部芯金26cに向かって押し込む。これにより、他方の延長部93bが爪部50の上面52及び頂面51に沿って摺動される。このとき、コイルスプリング91のコイル部92の上部がホーンプレート40側に傾斜するように撓んで、他方の延長部93bは、全体的にボス部芯金25側に平行移動される。そして、コイルスプリング91の他方の延長部93bが爪部50の頂面51を乗り越えると、コイル部92の復元力(付勢力)によって他方の延長部93bが爪部50の下面53に係合される。
【0115】
逆に、エアバッグモジュール30をステアリングホイール本体23から取り外す際には、まず、例えばドライバー等の工具の先端部を、第3スポーク部芯金26cの両突出部38間に配置する。そして、この工具を、外側面26eから爪部50へ向かうように移動させるとともに、コイルスプリング91の延長部93bの先端部に押し当てて、その延長部93bの先端部をボス部芯金25側へ変位させる。そして、その延長部93bの先端部を、解除抑制部79の傾斜部80を乗り越えさせて、解除位置へ変位させる。このとき、コイルスプリング91のコイル部92の上部がホーンプレート40側に傾斜するように撓むため、前記延長部93bの先端部は、全体的にボス部芯金25側に平行移動される。そして、延長部93bの先端部が解除位置に配置された状態で、エアバッグモジュール30を上方に引き上げるなどして、その延長部93bの先端部を爪部50の頂面51に沿って上方へと移動させることにより、爪部50と係合部45との係合が解除される。
【0116】
従って、本実施形態によれば、前記第1実施形態における(1)及び(2)、前記第2実施形態における(5)に記載の効果と同様の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
【0117】
(9)本実施形態では、抑制手段60を、第3スポーク部芯金26cの上面26fから突出された突起68と、ホーンプレート40の基部41に形成され、その突起68が挿通される挿入孔69とからなっている。これにより、係合部45と爪部50との係合を解除すべく、コイルスプリング91における延長部93bの先端部のボス部芯金25側への弾性変形に伴って、ホーンプレート40がわずかに変位したとしても、前記突起68と前記挿入孔69の周縁とが当接することになる。この当接により、ホーンプレート40のそれ以上の変位が規制され、ホーンプレート40全体がコイルスプリング91における延長部93bの先端部の弾性変形方向に大きく変位したり、ホーンプレート40の延設部46が変形したりすることが抑制される。このため、ホーンプレート40自体の剛性を高めることなく、エアバッグモジュール30のステアリングホイール本体23からの取り外し作業を確実に行うことができる。
【0118】
(変形例)
なお、本発明の各実施形態は、以下のように変形してもよい。
・前記第5実施形態において、突起68は、円柱状に形成される構成には限定されない。この突起68を、例えば角柱状やブロック状などに形成する構成としてもよい。
【0119】
・前記第5実施形態において、抑制手段60を、ホーンプレート40の基部41からエアバッグモジュール30のステアリングホイール本体23への組付方向と平行をなすように突出する突起と、この突起と対応するように第3スポーク部芯金26cに形成した挿入孔とから構成してもよい。また、この場合、第3スポーク部芯金26cに挿入孔を設ける代わりに、基部41の突起を挿入可能な挿入穴を設ける構成としてもよい。
【0120】
・前記第5実施形態において、例えば図15に示すように、抑制手段60を、第3スポーク部芯金26cの延設部46と対向する部分から前記組付方向と平行をなすように突出する突起68と、この突起68と対応するようにホーンプレート40の延設部46に形成した挿入孔69とから構成してもよい。また、この場合、延設部46に挿入孔69を設ける代わりに、第3スポーク部芯金26cの延設部46と対向する部分に形成した突起68を挿入可能な挿入穴を設ける構成としてもよい。
【0121】
・前記第5実施形態において、抑制手段60を、例えば図16に示すような構成としてもよい。すなわち、抑制手段60を、ホーンプレート40の延設部46からエアバッグモジュール30のステアリングホイール本体23への組付方向と平行をなすように突出する突起68と、この突起68と対応するように第3スポーク部芯金26cの前記延設部46と対向する部分に形成した挿入孔69とから構成してもよい。また、この場合、第3スポーク部芯金26cに挿入孔69を設ける代わりに、延設部46の突起68を挿入可能な挿入穴を設ける構成としてもよい。
【0122】
・前記第5実施形態において、コイル部が第3スポーク部芯金26cの内側面26d側において爪部50の側方に位置するとともに、そのコイル部から伸びる両端部のうちの一方の端部が爪部50を押圧するようにコイル部の周方向へ変位可能なコイルスプリングを用いる構成としてもよい。
【0123】
・前記第2〜第5実施形態において、案内部70を省略してもよい。
・前記各実施形態のエアバッグ装置付きステアリングホイールに対し、前記第1〜第5実施形態にて記載した抑制手段60を任意に選択して設けるようにしてもよい。
【0124】
・1つのエアバッグ装置付きステアリングホイールに対し、前記第1〜第5実施形態にて記載した抑制手段60のうちの任意の複数の抑制手段60を設ける構成としてもよい。
【0125】
・前記各実施形態では、3本のスポーク部22を有するステアリングホイールの例を示したが、本発明は、2本または4本以上のスポーク部を有するステアリングホイールにも同様に適用することができる。
【0126】
・前記各実施形態では、エアバッグモジュール30のパッド33がステアリングホイール本体23に対し、ホーンスイッチ機構36を介して揺動可能な構成としたが、この例には限定されない。本発明は、パッド33はステアリングホイール本体23に対して揺動せず、ホーンスイッチ機構36の一部をなすホーンボタンがステアリングホイール本体23に対して揺動可能な構成のステアリングホイールにも同様に適用することができる。
【0127】
・前記各実施形態では、ホーンスイッチ機構36を有するエアバッグモジュール30が取着されたステアリングホイールの例を示したが、本発明は、この例には限定されない。本発明は、ホーンスイッチ機構36のないエアバッグモジュール30が取着されるステアリングホイールにも同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のステアリングホイールの断面図。
【図2】ステアリングホイール本体とホーンプレートとを示す分解斜視図。
【図3】爪部と係合部とを拡大して示す部分断面図。
【図4】リム部芯金の変位後の状態を示す部分断面図。
【図5】変形例にかかるステアリングホイールの爪部と係合部とを拡大して示す部分斜視図。
【図6】第2実施形態のステアリングホイールの爪部と係合部とを拡大して示す部分斜視図。
【図7】コイルスプリングの上面図。
【図8】爪部と係合部とを拡大して示す部分断面図。
【図9】第3実施形態のステアリングホイールの爪部と係合部とを拡大して示す部分斜視図。
【図10】第4実施形態のステアリングホイールの爪部と係合部とを拡大して示す部分斜視図。
【図11】突出爪と突設部とを拡大して示す部分断面図。
【図12】第5実施形態のステアリングホイールの爪部と係合部とを拡大して示す部分斜視図。
【図13】爪部と係合部との周辺構造を拡大して示す部分断面図。
【図14】エアバッグモジュールをステアリングホイール本体に取着する際のコイルスプリングの状態を示す部分断面図。
【図15】変形例にかかるステアリングホイールの爪部と係合部とを拡大して示す部分断面図。
【図16】変形例にかかるステアリングホイールの爪部と係合部とを拡大して示す部分断面図。
【図17】従来のステアリングホイールの係合部について、(a)はエアバッグモジュールの組付前、(b)は組付後の状態を示す部分斜視図。
【符号の説明】
23…ステアリングホイール本体、24…芯金としてのリム部芯金、25…芯金としてのボス部芯金、26a〜26c…芯金としてのスポーク部芯金、30…エアバッグモジュール、40…鈑金部材としてのホーンプレート、41…基部、45…係合部、46…延設部、47…弾性部材としてのバースプリング、50…爪部、60…抑制手段、61…高剛性部、62…厚肉部、63…段部、64…突出壁、65…係合突部、66…突出爪、67…突設部、66a,67a…当接面、68…突起、69…挿入孔、70…案内部、76,91…弾性部材としてのコイルスプリング、81…弾性部材としてのスプリング。
Claims (14)
- ステアリングホイール本体と、同ステアリングホイール本体に取着されるエアバッグモジュールとを備えるエアバッグ装置付きステアリングホイールにおいて、
前記ステアリングホイール本体は、芯金を有するものであり、前記エアバッグモジュールは、前記芯金と対向するように配置される鈑金部材を有するものであり、前記芯金には爪部を設け、前記鈑金部材には、弾性変形可能で前記爪部と係合する弾性部材を保持する係合部を設け、
前記爪部と前記係合部との係合の解除時に、前記鈑金部材が前記芯金に対して前記弾性部材の弾性変形方向に変位または変形することを抑制する抑制手段を設けたことを特徴とするエアバッグ装置付きステアリングホイール。 - 前記抑制手段は、前記鈑金部材に形成された高剛性部を備えることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイール。
- 前記高剛性部は、前記鈑金部材において他の部分よりも厚く形成された厚肉部であることを特徴とする請求項2に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイール。
- 前記高剛性部は、前記鈑金部材に形成された段部であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイール。
- 前記高剛性部を、前記鈑金部材における係合部の一部をなす部分及びその近傍にのみ設けることを特徴とする請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイール。
- 前記抑制手段は、前記鈑金部材に突設される突出爪と、この突出爪に対して前記弾性部材の弾性変形方向側の近傍に位置するように前記芯金に突設される突設部とを備えることを特徴とする請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイール。
- 前記突出爪と前記突設部とは、前記ステアリングホイール本体に対する前記エアバッグモジュールの挿入方向と平行で、前記爪部と前記弾性部材との係合の解除時に互いに当接する当接面を有することを特徴とする請求項6に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイール。
- 前記鈑金部材は、前記エアバッグモジュールの底面に対応して配置される基部と、この基部から前記芯金の爪部に向かって延びるとともに前記係合部の一部をなす延設部とを有し、前記抑制手段は、前記延設部の先端部に対して前記弾性部材の弾性変形方向側の近傍に位置するとともに、その延設部の先端部に係合するように前記芯金の一部が突出される係合突部を備えることを特徴とする請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイール。
- 前記鈑金部材は、前記エアバッグモジュールの底面に対応して配置される基部と、この基部から前記芯金の爪部に向かって延びるとともに前記係合部の一部をなす延設部とを有し、前記抑制手段は、前記芯金における前記鈑金部材と対向する部分において前記延設部が沿う側面とは反対側の側面に沿うように前記基部の前記延設部と対向する位置から突出する突出壁を備えることを特徴とする請求項1〜請求項8のうちいずれか一項に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイール。
- 前記鈑金部材は、前記エアバッグモジュールの底面に対応して配置される基部と、この基部から前記芯金の爪部に向かって延びるとともに前記係合部の一部をなす延設部とを有し、前記抑制手段は、前記芯金及び前記鈑金部材の一方に形成される突起と、前記芯金及び前記鈑金部材の他方において前記突起が挿入される挿入孔または挿入穴とを備えることを特徴とする請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイール。
- 前記突起は、前記鈑金部材の基部、及び前記芯金における前記基部と対向する部分の一方にて、前記エアバッグモジュールの前記ステアリングホイール本体への組付方向と平行をなすように形成されるとともに、前記挿入孔または前記挿入穴は、前記鈑金部材の基部、及び前記芯金における前記基部と対向する部分の他方に形成されることを特徴とする請求項10に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイール。
- 前記突起は、前記鈑金部材の延設部、及び前記芯金における前記延設部と対向する部分の一方にて、前記エアバッグモジュールの前記ステアリングホイール本体への組付方向と平行をなすように形成されるとともに、前記挿入孔または前記挿入穴は、前記鈑金部材の延設部、及び前記芯金における前記延設部と対向する部分の他方に形成されることを特徴とする請求項10または請求項11に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイール。
- 前記抑制手段は、前記エアバッグモジュールの前記ステアリングホイール本体への組付時に、前記エアバッグモジュールを、前記ステアリングホイール本体に対する組付位置へと案内する案内部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜請求項12のうちいずれか一項に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイール。
- 前記エアバッグモジュールは、前記ステアリングホイール本体に対して接離する方向に揺動可能に取着されることを特徴とする請求項1〜請求項13のうちいずれか一項に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイール。
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