JP2004322721A - アスピレータ - Google Patents

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Koji Shimizu
浩治 清水
Tsuguhito Hidaka
嗣仁 日高
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Abstract

【課題】導入される一次空気量を増加させ内気温度センサが正確な車室内温度を検知できるようにしたアスピレータを提供する。
【解決手段】自動車用空調装置のケース本体1内を流れる空気の一部を導入する一次空気通路3と、この一次空気通路を流れる風により空気吸入作用を生じさせ、車室内の空気を内気温度センサ6のセンサ収納部51に導入する二次空気通路4とを備えていて、一次空気Bは、ケース本体内の一次空気導入口31の周囲又は周囲近傍に設けられた断面略半円形のガイド7によって案内され、一次空気通路内に効率良く取り入れられる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用空気調和装置において、車室内の空気の温度を検知するための内気温度センサの設置スペースに車室内の空気を導入するためのアスピレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車用空気調和装置においては、車室内の空気の温度を検知するための内気温度センサをインストルメントパネルの内部に設置し、この内気温度センサの設置スペースに車室内の空気を導入するためのアスピレータを設けたものがある。この従来のアスピレータは、その一次空気として自動車用空気調和装置のインテークユニットに設けられたブロワから送り出され、クーラユニット或いはヒータユニット内を流通する空気を利用している。即ち、このアスピレータは、自動車用空気調和装置内を車室内へと流れる一次空気の一部を導入する一次空気通路(ベンチュリ管)と、この一次空気通路を流れる一次空気により、空気吸入作用(ベンチュリ効果)を生じさせ、車両内の空気を内気温度センサの設置スペースに導入する二次空気通路(二次空気吸入ノズル)とを備えた構成になっている(特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
実願平1−49973号(実開平2−142304号)のマイクロフ
ィルム(第7,8頁、第1,2図)
【0004】
しかしながら、近年、自動車用空気調和装置の小型化かつ高性能の要望があるために、アスピレータの一次空気取り入れ部上流での通風抵抗が増加し、それを補うためにアスピレータの一次空気取り入れ部下流(吹出ダクト等)での通風抵抗を低減するようにしている。そのため、アスピレータの一次空気取り入れ部での圧力が上昇しないために、アスピレータの一次空気量が低下し、その結果、その一次空気側の空気吸入作用で導入される二次空気量が低下し、内気温度センサが正確な車室内温度を検知しないという問題が生じている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、導入される一次空気量を増加させ内気温度センサが正確な車室内温度を検知できるようにしたアスピレータを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項に記載のアスピレータを提供する。
請求項1に記載のアスピレータは、自動車用空気調和装置のケース本体に設けられた一次空気通路の一次空気導入口の周囲又は周囲近傍に、一次空気をこの一次空気導入口に導くための断面略半円形状のガイドを突設するようにしたものであり、これにより、一次空気は一次空気導入口に導びかれるようになり、アスピレータに導入される一次空気量を増加させることができ、その結果として、二次空気の誘引を促進し内気温度センサによる正確な車室内の空気温度の検出が可能となる。
【0007】
請求項2のアスピレータは、ガイドの自由端側に、このガイドに直交する方向に略半円形状の案内部を設けるようにしたものであり、これにより、ガイドだけの場合に比べて二次空気の一層の風速アップを図れ、車室内の空気温度をより正確に検出できる。
請求項3のアスピレータは、ガイドと一次空気通路とを一体に成形するようにしたものであり、また請求項4のアスピレータは、ガイドとケース本体とを一体に成形するようにしたものである。これにより、製造時の効率化が図れる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態のアスピレータについて説明する。図1は、本発明の第1実施形態のアスピレータの全体構成を示す断面図とD矢視図である。自動車用空気調和装置のアスピレータ2は、ブロワ、クーラユニット及びヒータユニット等を有している空気調和装置のケース本体1に取り付けられている。このケース本体1内には、ブロワによって取り込まれ、クーラユニット或いはヒータユニット内を流通する空気Aが流れており、アスピレータ2は、この空気Aの一部を取り入れて一次空気Bとして利用している。
【0009】
アスピレータ2の一次空気通路3の一次空気導入口31は、ケース本体1内と連通しており、ケース本体1内を流通する空気Aの一部が一次空気Bとしてこの一次空気導入口31から一次空気通路3に取り込まれ、ここを通って車室内に吹き出される。一次空気通路3の流路途上、図1においては一次空気通路3の吐出側には、ベンチュリ部32が設けられ、一次空気Bはこのベンチュリ部32を通って車室内に吹き出される。
【0010】
二次空気通路4の一方の端部に接続された二次空気吸入ノズル41の吹出端42が、一次空気通路3内に突入して、ベンチュリ部32のスロート部33に臨むように設けられている。二次空気通路4の他方の端部は、インストルメントパネル5に形成されたセンサ収納部51の開口に接続されている。センサ収納部51の前面にはグリル52が設けられ、センサ収納部51の内部には、内気温度センサ6が収容されている。したがって、車室内の空気は、二次空気Cとしてグリル52から取り込まれ、二次空気通路4を通って二次空気吸入ノズル41の吹出端42から、一次空気通路3内に取り入れられるようになっている。即ち、一次空気Bがベンチュリ部32を流れるときのベンチュリ効果により、二次空気吸入ノズル41内が負圧となり、この負圧によりグリル52から車室内の空気を二次空気Cとして誘引し、二次空気通路4及び二次空気吸入ノズル41を通って、一次空気Bと一緒に車室内に吹き出される。
【0011】
この車室内から取り入れられる二次空気Cが、センサ収納部51に設けられた内気温度センサ6に触れることで、車室内の温度が検出され、この検出された温度が車室内吹出空気温度をコントロールする制御部(図示せず)に一つの情報として入力される。
【0012】
本発明では、ケース本体1から一次空気通路3に取り込まれる一次空気量の改善を図るために、一次空気通路3の一次空気導入口31の周囲又は周囲近傍に一次空気Bを導くためのガイド7を設けている。図1の第1実施形態においては、ガイド7は、D矢視図に見られるように、一次空気導入口31と略同じ径の断面略半円形の樋の形をしており、ケース本体1内に突出するようにして設けられている。これにより、ケース本体1内を流れる空気の一部は、ガイド7によって導かれ効率良く、一次空気通路3内に取り入れられるようになる。このようにして、一次空気Bの取り入れ量が増えることは、一次空気の空気吸入作用を助長し、二次空気の風速が増し、誘引される二次空気量を増加させる。これにより、車室内の正確な空気温度が測定できる。このガイド7は、一次空気通路3と一体に成形されてもよいし、又はケース本体1と一体に成形されてもよい。
【0013】
図2は、第2実施形態のアスピレータ2を示している。本実施形態では、断面略半円形の樋状のガイド7の自由端部に、E矢視図に見られるように略半円形の案内部71をガイド7に直交する方向に設けている。その他の構成は、第1実施形態のアスピレータ2と同様である。ガイド7と案内部71とは一体に成形してもよいし、別体で形成した後に固着してもよい。更に、これらのガイド7と案内部71とを、一次空気通路3又はケース本体1と一体に成形してもよい。
【0014】
図3は、従来のアスピレータと本発明の第1実施形態及び第2実施形態のアスピレータとを、内気温度センサ6周辺の二次空気の風速で比較したグラフを示している。グラフの横軸は、自動車用空気調和装置のブロワのモータ電圧Vを、縦軸は、内気温度センサ部の二次空気の風速m/sをそれぞれ示している。図1の第1実施形態のガイド及び図2の第2実施形態の案内部付きガイドのいずれの場合でも、従来のガイドを設けないものに比べて、風速アップが図られていることが分る。また、第2実施形態の案内部付きガイドの方が、第1実施形態のガイドよりもより風速アップを図ることができる。なお、二次空気の風速を増速できるということは、風量の増加を図れるということであり、これにより、車室内の空気温度をより正確に検知することができることを意味している。
【0015】
図4は、第3実施形態のアスピレータ2を示している。本実施形態では、一次空気導入口31の径よりも少し大きい径の断面略半円形の樋状のガイド7が、一次空気導入口31の周囲近傍にケース本体1の内面から突出するように設けられている。その他の構成は、第1,2実施形態のアスピレータと同様である。この場合、ガイド7をケース本体1と一体に形成してもよい。
【0016】
なお、上述の実施形態の説明では、一次空気導入口31は円形であることを前提として説明しているが、その他の長円、矩形、卵形等の形状も適宜採用可能である。その場合は、ガイドの形状も一次空気導入口の形状に合わせて適宜変更可能である。要は、ケース本体内を流通する空気がガイドに当って一次空気導入口に導かれるようなガイド形状であればよいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のアスピレータの全体構成を示す断面図及びD矢視図である。
【図2】本発明の第2実施形態のアスピレータの要部断面図及びE矢視図である。
【図3】従来のアスピレータと本発明のアスピレータとの効果の違いを比較したグラフである。
【図4】本発明の第3実施形態のアスピレータの要部断面図及びF矢視図である。
【符号の説明】
1…ケース本体
2…アスピレータ
3…一次空気通路
31…一次空気導入口
32…ベンチュリ部
33…スロート部
4…二次空気通路
41…二次空気吸入ノズル
5…インストルメントパネル
51…センサ収納部
52…グリル
6…内気温度センサ
7…ガイド
71…案内部

Claims (4)

  1. 自動車用空気調和装置のケース本体に設けられた一次空気通路の流路途上にベンチュリ部を設け、このベンチュリ部のスロート部に臨むように、二次空気通路の二次空気吸入ノズルの吹出端を設け、一次空気により、前記二次空気通路を通って前記二次空気吸入ノズルに車室内空気を誘引すると共に、前記二次空気通路内に設置された内気温度センサにより車室内の空気温度を検出するようにしたアスピレータにおいて、
    前記ケース本体内の前記一次空気通路の一次空気導入口の周囲又は周囲近傍に、一次空気を前記一次空気導入口に導くための断面略半円形状のガイドを突設することを特徴とするアスピレータ。
  2. 前記ガイドの自由端側に、前記ガイドに直交する方向に略半円形状の案内部を設けていることを特徴とする請求項1に記載のアスピレータ。
  3. 前記ガイドが前記一次空気通路と一体に成形されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアスピレータ。
  4. 前記ガイドが前記ケース本体と一体に成形されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアスピレータ。
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