JP2004322490A - 積層体の製造方法及び積層体の製造装置 - Google Patents

積層体の製造方法及び積層体の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】積層体の表面の平滑性が良く、外観良好、表面へのプリント印字性等の向上が可能であり、しかもシート材の密着性が良いため、接着強度、耐熱性、耐水性、耐薬品性に優れる積層体が得られる。
【解決手段】少なくとも一対のシート材を、接着剤層を介して貼り合わせる積層体の製造方法であって、一対のシート材を、接着剤層を介して積層した状態の積層体の略中央部から、積層体の外周部に向けて順次加圧しながら積層体の周囲を減圧雰囲気にする接着工程を経た後に、熱プレスにより貼り合わされる。
【選択図】図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、一対のシート材を接着剤層を介して貼り合わせて製造される積層体の製造方法及び積層体の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からクレジットカード、IDカード、キャッシュカード等の分野においては、磁気カードに代わるカードとして、片面に接着剤層を有する一対のシート材の接着剤層同士を対向した間に、基板上にICチップ及びアンテナ回路が実装されてなるアンテナ基板を挟み込んで貼り合わせて積層体が製造される電子情報記録カードが、情報記録容量が非常に大きいこと及び高セキュリティ性を有することから開発されてきている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−147087号公報(第1〜4頁、図1〜図4)
【0004】
【特許文献2】
特開2002−157561号公報(第1〜13頁、図1〜図16)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、接着剤層の厚みムラに起因した表面の一対のシート材の凹凸が強く発生すると外観不良、積層体表面へのプリント印字性の劣化となる。また、条件によっては、一対のシート材の接着剤層同士を対向した間に、基板上にICチップ及びアンテナ回路が実装されてなるアンテナ基板を挟み込んで貼り合わせて積層体が作成されるときに気泡を抱き込んでしまい、湿気硬化型接着剤の場合は、硬化反応で発生するCOガスにより積層体の表面が膨れてしまうことがある。この積層体の表面が膨れが大きくなると、凹凸が表面に大きく発生し、この表面の凹凸は外観不良、表面へのプリント印字性の劣化となる。
【0006】
この発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、積層体の表面の平滑性が良く、外観良好、表面へのプリント印字性等の向上が可能であり、しかもシート材の密着性が良いため、接着強度、耐熱性、耐水性、耐薬品性に優れる積層体が得られる積層体の製造方法及び積層体の製造装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0008】
請求項1に記載の発明は、少なくとも一対のシート材を、接着剤層を介して貼り合わせる積層体の製造方法であって、
前記一対のシート材を、接着剤層を介して積層した状態の積層体の略中央部から、前記積層体の外周部に向けて順次加圧しながら積層体の周囲を減圧雰囲気にする接着工程を経た後に、熱プレスにより貼り合わされる積層体の製造方法である。
【0009】
この請求項1に記載の発明によれば、一対のシート材を、接着剤層を介して積層した状態の積層体の略中央部から、積層体の外周部に向けて順次加圧しながら積層体の周囲を減圧雰囲気にする接着工程を経た後に、熱プレスにより貼り合わされるから、積層体の厚みムラが少なく外観が良く、表面の平滑性が良いため、印刷適正が良く、表面のシート材の密着性が良いため、接着強度、耐熱性、耐水性、耐薬品性に優れる積層体が得られる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記接着剤層が、湿気反応型ホットメルト接着剤であることを特徴とする積層体の製造方法である。
【0011】
この請求項2に記載の発明によれば、接着剤層が、湿気反応型ホットメルト接着剤であることで、貼り合わせる時の接着剤温度を、ホットメルト接着剤の軟化点温度以上にすることで、予め準備した接着剤層の表面凹凸に起因した積層体内部での空隙の発生を抑制できるため、外観良好、表面へのプリント印字性等の向上が可能となる、厚みムラが少なく表面の平滑性が良い積層体が作成できる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、片面に接着剤層を有する一対のシート材の接着剤層同士を対向させた間に、基板上にICチップ及びアンテナ回路が実装されてなるアンテナ基板を挟み、真空熱プレスで積層体を製造する装置において、
少なくとも、一方のシート材上に、接着剤層、アンテナ基板、接着剤層、もう一方のシート材を重ね合わせて積層体にする工程と、
前記積層体の略外周に沿って、積層体厚みよりも十分に厚みのある枠状体を配置する工程と、
ダイラタンシー性流体を封じ込めた柔軟性を有する袋状物を前記積層体の中央部から徐々に載せることにより、前記積層体の外周部に向けて前記積層体を順次加圧する工程と、
前記袋状物を前記積層体に載せながら積層体周囲を減圧雰囲気にする工程と、
前記積層体の全面に積載された袋状物を介して、前記積層体に対して熱プレスを行う工程とを有することを特徴とする積層体の製造装置である。
【0013】
この請求項3に記載の発明によれば、積層体を熱プレスする工程において、まず積層体周囲を減圧雰囲気にして、ダイラタンシー性流体を封じ込めた柔軟性を有する袋状物を積層体の中央部から徐々に載せることにより、積層体の外周部に向けて積層体を順次加圧して仮圧着させる。積層体の全面に積載された袋状物は、ダイラタンシー性の挙動を示すため、次に積層体に対して所望の温度、圧力で熱プレスを行なうときには硬い状態になるので、プレス圧力を積層体に充分伝えることができ、積層体の厚みムラが少なく外観が良く、表面のシート材の平滑性が良いため、印刷適正が良く、シート材の密着性が良いため、接着強度、耐熱性、耐水性、耐薬品性に優れる積層体が得られる。また、生産効率が良く電子情報記録用積層体を得ることができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、前記接着剤層が、湿気反応型ホットメルト接着剤であることを特徴とする請求項3に記載の積層体の製造装置である。
【0015】
この請求項4に記載の発明によれば、接着剤層が、湿気反応型ホットメルト接着剤である場合には、貼り合わせる時の接着剤温度を、ホットメルト接着剤の軟化点温度以上にすることで、予め準備した接着剤層の表面凹凸に起因した積層体内部での空隙の発生を抑制できるため、外観良好、表面へのプリント印字性等の向上が可能となる、厚みムラが少なく表面の平滑性が良い積層体が作成できる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、前記ダイラタンシー性流体を前記積層体に積載する時に、ダイラタンシー流体がホットメルト接着剤層の軟化点温度まで加熱する加熱手段を有することを特徴とする請求項3に記載の積層体の製造装置である。
【0017】
この請求項5に記載の発明によれば、ダイラタンシー性流体を積層体に積載する時に、ダイラタンシー流体がホットメルト接着剤層の軟化点温度まで加熱することで、ホットメルト接着剤層が充分に軟化して、貼り合わせ界面に隙間なく密着できるため、厚みムラが少なく表面の平滑性が良い積層体が作成できる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、前記ダイラタンシー性流体が、水分を含有した砂であることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の積層体の製造装置である。
【0019】
この請求項6に記載の発明によれば、ダイラタンシー性流体が、水分を含有した砂であることで、比較的簡便な方法でダイラタンシー性を有する流体を得ることができ、かつ積層体の本製造方法に適用可能な性能を有しているため、生産効率が良く、厚みムラが少なく外観が良い積層体を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の積層体の製造方法及び積層体の製造装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この発明は、実施の形態に限定されるものではない。
【0021】
この発明の積層体の製造方法及び積層体の製造装置により製造される積層体は、電子情報記録カードに用いることができる。この電子情報記録カードの例として、具体的には、名刺、ネームプレート、パスポート、診察カード、テレホンカード、身分証明書、運転免許証、定期券、キャッシュカード、ICカード等を包含するカードであって、一般に手札程度の大きさであり、かつ多くの場合携帯して使用するものである。ここでは、ICカードを適用した例えば会社の従業員カードの例について説明するが、適用例はこの形態に限定されるものではない。
【0022】
ICカードは塩化ビニル樹脂の合成樹脂などで作成された片面に接着剤層を有する一対のシート材の接着剤層同士を対向した間に、基板上にICチップ及びアンテナ回路が実装されてなるアンテナ基板を挟み込んで貼り合わせて積層体が作成されるもので、アンテナ基板と外部回路との電気的な接触の仕方によって接触型と非接触型とがある。しかし、接触型のようにカード表面に接触端子が露出していると、接触面の劣化、接触不良などが起こり、ICカードヘの電力供給及びデータ信号の入出力が行われなくなる等の問題が生じる。
【0023】
そこで非接触に電気信号を授受するためのアンテナ基板で電磁波を発生及び/又は電磁波を受ける構成を有するICカードが出現している。
【0024】
図1はこのような表面に金属端子のない非接触型ICカードの1例を示す平面図である。図において、ICカード1には、基板2a上にICチップ2b及びR/W(リード/ライト)のための信号授受部としてアンテナ回路2cが実装されてなるアンテナ基板2が設けられている。
【0025】
ここでいうアンテナ基板2とは、具体的には基板2a上の当該電子カードの利用者の情報を電気的に記憶するICチップ2b及びICチップ2bに接続されたコイル状のアンテナ回路2cである。ICチップ2bはメモリのみやそれに加えてマイクロコンピュータなどである。場合により電子部品にコンデンサーを含んでもよい。
【0026】
この発明はこれに限定はされず情報記録部材に必要な電子部品であれば特に限定はない。アンテナ基板2はアンテナ回路2cを有するものであるが、アンテナパターンを有する場合、導電性ペースト印刷加工、或いは銅箔エッチング加工、巻線溶着加工等のいずれかの方法を用いてもよい。
【0027】
基板2aとしては、ポリエステル等の熱可逆性のフィルムが用いられ、更に耐熱性が要求される場合はポリイミドが有利である。ICチップとアンテナパターンとの接合は銀ペースト、銅ペースト、カーボンペースト等の導電性接着剤(日立化成工業のEN−4000シリーズ、東芝ケミカルのXAPシリーズ等)や、異方性導電フィルム(日立化成工業製アニソルム等)を用いる方法、或いは半田接合を行う方法が知られているがいずれの方法を用いてもよい。
【0028】
このようなアンテナ基板2をカード化する場合には、接着剤層を介して表裏シートの間に貼り合わせる方法がある。しかし、樹脂や接着剤の流動による剪断応力でICチップとアンテナ回路との接合部が外れたり、樹脂の流動性や冷却ムラに起因してICカード表面の平滑性を損なったりと動作安定性や品質安定性劣化に影響を与える。そのため予め電子部品を多孔質の樹脂フィルム、多孔質の発泡性樹脂フィルム、可撓性の樹脂シート、多孔性の樹脂シート又は不織布シート状にした樹脂層内に封入された形態で使用されることが好ましい。
【0029】
例えば、特願平11−105476号等の記載されている方法等を用いることができる。
【0030】
例えば、不織シート部として、不織布などのメッシュ状織物や、平織、綾織、繻子織の織物などがある。また、モケット、プラッシュベロア、シール、ベルペット、スウェードと呼ばれるパイルを有する織物などを用いることができる。材料としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン8等のポリアミド系、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系、ポリエチレン等のポリオレフィン系、ポリビニルアルコール系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリ塩化ビニル系、ポリアクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアクリル系、ポリシアン化ビニリデン系、ポリフルオロエチレン系、ポリウレタン系等の合成樹脂、絹、綿、羊毛、セルロース系、セルロースエステル系等の天然繊維、再生繊維(レーヨン、アセテート)、アラミド繊維の中から選ばれる1種又は2種以上を組み合わせた繊維が上げられる。これらの繊維材料において好ましくは、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系、ポリアクリロ二トリル、アクリルアミド、メタクリルアイド等のアクリル系、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系、再生繊維としてのセルロース系、セルロースエステル系であるレーヨン及びアセテート、アラミド繊維があげられる。
【0031】
また、ICチップは点圧強度が弱いためにICチップ近傍に補強板を有することも好ましい。この補強板は例えばステンレス等で構成されており、ICチップの上面、もしくはICチップを挟みこむようにICチップの両面に配置しても良いし、枠状のものを、ICチップの周囲を囲むように配置しても良い。
【0032】
キー情報部3はICカード1と他のカードを識別するための属性識別情報で、例えばICカード1の表面に付されたコード番号である。また、文字情報部4はICカード1の表面に付された氏名・職場・発行日などで、画像情報部5は顔などの画像情報である。
【0033】
図2はICカードの層構成を模式的に示す断面図である。第1のシート材10は接着剤層6を有し、第2のシート材20は接着剤層7を有し、この接着剤層6,7内に、基板2a上にICチップ2b及びアンテナ回路2cを有するアンテナ基板2を封入したICカード1の構成である。
【0034】
片面に接着剤層を有する一対のシート材は、通常、各種プラスチックフィルム等のシート材表面に接着剤を塗布して形成され、接着剤を塗布する方法としては、スピンコータ、ロールコータ、ブレードコータ、ダイコータなどを利用したものがある。特に、湿気硬化型などの反応型接着剤を使用する場合は、塗布前の不必要な硬化反応進行を防止するために、ダイコータを使用するのが好ましい。
【0035】
また、接着剤シートを別に準備し、貼り合わせ時に所望の構成となるように、一対のシート材の間に、アンテナ基板2、接着剤層を順次積層して、熱プレス装置で貼り合わせても良い。
【0036】
第1のシート材10と第2のシート材20の基材は、樹脂製、紙製などが使用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリイミド樹脂や、上質紙、マット紙、コート紙、合成紙などである。接着剤との接着性を高めるために易接着処理(プライマー塗布、コロナ放電処理、プラズマ処理等)を付しても良い。
【0037】
また、接着剤としては、例えばエポキシ系2液混合タイプ、UV硬化型接着剤、ホットメルト接着剤、好ましくは湿気硬化型といった反応型ホットメルト接着剤が使われる。ホットメルト樹脂としては、エチレンビニル共重合体樹脂、ポリオレフィン、ポリエステル、アクリルアミド、ポリウレタン等を用いることができる。反応型ホットメルト接着剤として湿気硬化型の材料で特開2000−036026、特開2000−219855、特開2000−211278、特開2000−219855、特開2000−369855で開示されている。光硬化型接着剤として特開平10−316959、特開平11−5964等が開示されている。
【0038】
次に、ICカードの製造装置の実施の形態を、図3に示す。この実施の形態のICカードの製造装置100は、片面に接着剤層を有する一対のシート材10,20の接着剤層6,7同士を対向させた間に、基板2a上にICチップ2b及びアンテナ回路2cが実装されてなるアンテナ基板2を挟み、真空熱プレスで積層体Pを製造する。このICカードの製造装置100は、下プレス盤101上に、一方の第2のシート材20、接着剤層7、アンテナ基板2、接着剤層6、もう一方の第1のシート材10を重ね合わせて積層体Pにする工程と、積層体Pの略外周に沿って、積層体厚みD1よりも十分に厚みD2のある枠状体110を配置する工程と、ダイラタンシー性流体120を封じ込めた柔軟性を有する袋状物121を積層体Pの中央部から徐々に載せることにより、積層体Pの外周部に向けて積層体Pを順次加圧する工程と、袋状物121を積層体Pに載せながら積層体周囲を減圧雰囲気にする工程と、積層体Pの全面に積載された袋状物121を介して、積層体Pに対して熱プレスを行う工程とを有する。
【0039】
下プレス盤101上に、一方の第2のシート材20、接着剤層7、アンテナ基板2、接着剤層6、もう一方の第1のシート材10を重ね合わせて積層体Pにする工程では、第1のシート材10は接着剤層6を有し、第2のシート材20は接着剤層7を有し、この接着剤層6,7内に、基板2a上にICチップ2b及びアンテナ回路2cを有するアンテナ基板2を介在して重ね合わせて積層体Pにする。
【0040】
積層体Pの略外周に沿って、積層体厚みD1よりも十分に厚みD2のある枠状体110を配置する工程では、枠状体110は軽量で、かつ真空熱プレスに耐える所定の強度が必要である。
【0041】
袋状物121を積層体Pに載せながら積層体周囲を減圧雰囲気にする工程では、真空ポンプ130の作動により装置ハウジング131内を減圧雰囲気にする。
【0042】
ダイラタンシー性流体120を封じ込めた柔軟性を有する袋状物121を積層体Pの中央部から徐々に載せることにより、積層体Pの外周部に向けて積層体Pを順次加圧する工程では、例えばダイラタンシー性流体120として水分を含有した砂を適用することができる。袋状物121は例えば樹脂で形成されるが真空熱プレスに耐える所定の強度が必要である。
【0043】
ダイラタンシー性とは、固体粒子と液体の混合物であるサスペンジョンで観察される現象であり、すなわち均一球形粒子が密に充填されているとき、せん断により生じる流動は球同士の隙間を押し拡げながら流出するため、流体の体積は膨張し、見かけ上物質の粘度が上昇する現象である。例えば、水:片栗粉=10:7の割合で練ったものは、容器をゆっくり傾ければ自由に流れ出るが、急激に掻き取ろうとすると極めて固くなるという現象もこの一つである。この発明においては、ある加熱下に適用する必要があるので、同様のレオロジー挙動を示すものとして砂と水分との混合物が適用可能であることを発見した。
【0044】
袋状物の材質は、強度、柔軟性がこの発明におけるダイラタンシー性挙動を妨げない、かつプレスに耐えうるものであれば限定されないが、例えばシリコンゴム製の密封可能な袋状物が適用できる。
【0045】
このダイラタンシー性流体120を封じ込めた柔軟性を有する袋状物121は、支持体122によって保持され、積層体Pの中央部から徐々に載せるように下方へ移動し、積層体Pの外周部に向けて積層体Pを順次加圧する。
【0046】
積層体Pの全面に積載された袋状物121を介して、積層体Pに対して熱プレスを行う工程では、支持体122を外して上プレス盤102を積層体Pの全面に積載された袋状物121を介して、積層体Pに対して熱プレスを行う。
【0047】
このように、積層体周囲を減圧雰囲気にしながら、ダイラタンシー性流体120を封じ込めた柔軟性を有する袋状物122を積層体Pの中央部から徐々に載せることにより、積層体Pの外周部に向けて積層体Pを順次加圧することで、貼り合わせ界面や挟みこまれるアンテナ基板上にある凹凸の周囲に不必要な気泡を巻き込まずに貼り合わせが可能になる。さらに、積層体Pの全面に積載された袋状物122を介して、積層体Pに対して熱プレスを行うことで、積層体Pの厚みムラが少なく外観が良く、表面のシート材の平滑性が良いため、印刷適正が良く、シート材の密着性が良いため、接着強度、耐熱性、耐水性、耐薬品性に優れる積層体が得られる。また、生産効率が良く電子情報記録用積層体を得ることができる。
【0048】
また、接着剤層6,7が、湿気反応型ホットメルト接着剤である場合には、貼り合わせる時の接着剤温度を、ホットメルト接着剤の軟化点温度以上にすることで、予め準備した接着剤層6,7やアンテナ基板の表面凹凸に起因した積層体内部での空隙の発生をより効果的に抑制できるため、接着剤層の硬化反応で発生する炭酸ガスによるシートの膨れ等が発生せず、外観良好、表面へのプリント印字性等の向上が可能となる、厚みムラが少なく表面の平滑性が良い積層体が作成できる。
【0049】
また、ダイラタンシー性流体120を積層体Pに積載する時に、加熱手段150によりダイラタンシー性流体120がホットメルト接着剤層の軟化点温度まで加熱することで、ダイラタンシー性流体120によって厚みムラが少なく表面の平滑性が良い積層体が作成できる。この加熱手段150は、特に限定されないが赤外線ヒータ等を用いることができる。
【0050】
【発明の効果】
前記したように、請求項1に記載の発明では、一対のシート材を、接着剤層を介して積層した状態の積層体の略中央部から、積層体の外周部に向けて順次加圧しながら積層体の周囲を減圧雰囲気にする接着工程を経た後に、熱プレスにより貼り合わされるから、積層体の厚みムラが少なく外観が良く、表面の平滑性が良いため、印刷適正が良く、表面のシート材の密着性が良いため、接着強度、耐熱性、耐水性、耐薬品性に優れる積層体が得られる。
【0051】
請求項2に記載の発明では、接着剤層が、湿気反応型ホットメルト接着剤であることで、貼り合わせる時の接着剤温度を、ホットメルト接着剤の軟化点温度以上にすることで、予め準備した接着剤層の表面凹凸に起因した積層体内部での空隙の発生を抑制できるため、外観良好、表面へのプリント印字性等の向上が可能となる、厚みムラが少なく表面の平滑性が良い積層体が作成できる。
【0052】
請求項3に記載の発明では、積層体を熱プレスする工程において、まず積層体周囲を減圧雰囲気にして、ダイラタンシー性流体を封じ込めた柔軟性を有する袋状物を積層体の中央部から徐々に載せることにより、積層体の外周部に向けて積層体を順次加圧して仮圧着させる。積層体の全面に積載された袋状物は、ダイラタンシー性の挙動を示すため、次に積層体に対して所望の温度、圧力で熱プレスを行なうときには硬い状態になるので、プレス圧力を積層体に充分伝えることができ、積層体の厚みムラが少なく外観が良く、表面のシート材の平滑性が良いため、印刷適正が良く、シート材の密着性が良いため、接着強度、耐熱性、耐水性、耐薬品性に優れる積層体が得られる。また、生産効率が良く電子情報記録用積層体を得ることができる。
【0053】
請求項4に記載の発明では、接着剤層が、湿気反応型ホットメルト接着剤である場合には、貼り合わせる時の接着剤温度を、ホットメルト接着剤の軟化点温度以上にすることで、予め準備した接着剤層の表面凹凸に起因した積層体内部での空隙の発生を抑制できるため、外観良好、表面へのプリント印字性等の向上が可能となる、厚みムラが少なく表面の平滑性が良い積層体が作成できる。
【0054】
請求項5に記載の発明では、ダイラタンシー性流体を積層体に積載する時に、ダイラタンシー流体がホットメルト接着剤層の軟化点温度まで加熱することで、ホットメルト接着剤層が充分に軟化して、貼り合わせ界面に隙間なく密着できるため、厚みムラが少なく表面の平滑性が良い積層体が作成できる。
【0055】
請求項6に記載の発明では、ダイラタンシー性流体が、水分を含有した砂であることで、比較的簡便な方法でダイラタンシー性を有する流体を得ることができ、かつ積層体の本製造方法に適用可能な性能を有しているため、生産効率が良く、厚みムラが少なく外観が良い積層体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面に金属端子のない非接触型ICカードの1例を示す平面図である。
【図2】ICカードの層構成を模式的に示す断面図である。
【図3】ICカードの製造装置の実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
2 アンテナ基板
2a 基板
2b ICチップ
2c アンテナ回路
6,7 接着剤層
10 第1のシート材
20 第2のシート材
100 ICカードの製造装置
101 下プレス盤
102 上プレス盤
110 枠状体
120 ダイラタンシー性流体
121 袋状物
122 支持体
130 真空ポンプ
131 装置ハウジング

Claims (6)

  1. 少なくとも一対のシート材を、接着剤層を介して貼り合わせる積層体の製造方法であって、
    前記一対のシート材を、接着剤層を介して積層した状態の積層体の略中央部から、前記積層体の外周部に向けて順次加圧しながら積層体の周囲を減圧雰囲気にする接着工程を経た後に、熱プレスにより貼り合わされる積層体の製造方法。
  2. 前記接着剤層が、湿気反応型ホットメルト接着剤であることを特徴とする積層体の製造方法。
  3. 片面に接着剤層を有する一対のシート材の接着剤層同士を対向させた間に、基板上にICチップ及びアンテナ回路が実装されてなるアンテナ基板を挟み、真空熱プレスで積層体を製造する装置において、
    少なくとも、一方のシート材上に、接着剤層、アンテナ基板、接着剤層、もう一方のシート材を重ね合わせて積層体にする工程と、
    前記積層体の略外周に沿って、積層体厚みよりも十分に厚みのある枠状体を配置する工程と、
    ダイラタンシー性流体を封じ込めた柔軟性を有する袋状物を前記積層体の中央部から徐々に載せることにより、前記積層体の外周部に向けて前記積層体を順次加圧する工程と、
    前記袋状物を前記積層体に載せながら積層体周囲を減圧雰囲気にする工程と、
    前記積層体の全面に積載された袋状物を介して、前記積層体に対して熱プレスを行う工程とを有することを特徴とする積層体の製造装置。
  4. 前記接着剤層が、湿気反応型ホットメルト接着剤であることを特徴とする請求項3に記載の積層体の製造装置。
  5. 前記ダイラタンシー性流体を前記積層体に積載する時に、ダイラタンシー流体がホットメルト接着剤層の軟化点温度まで加熱する加熱手段を有することを特徴とする請求項3に記載の積層体の製造装置。
  6. 前記ダイラタンシー性流体が、水分を含有した砂であることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の積層体の製造装置。
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