JP2004322434A - 感圧転写修正テープ - Google Patents

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Tsutomu Hayashi
林努
Noboru Suguro
勝呂登
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Fujicopian Co Ltd
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Fuji Kagakushi Kogyo Co Ltd
Fujicopian Co Ltd
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Abstract

【課題】支持体に薄いプラスチックフィルムを使用した場合においても、キレ性及び耐ひび割れ性に優れた感圧転写性修正テープを提供する。
【解決手段】フィルム基材の片面に、着色剤およびバインダー樹脂からなる隠蔽層と、粘着層が順次設けられてなる感圧転写修正テープにおいて、前記フィルム基材と前記隠蔽層の剥離力が30〜100mN/mmの範囲にあり、かつ前記隠蔽層と前記粘着層を併せた転写層の引張荷重が15〜45mN/mm、破断伸長率が10〜60%であることを特徴とする感圧転写修正テープ。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙面などに誤って記録された文字などを隠蔽修正するために使用される感圧転写修正テープに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の感圧転写修正テープは従来から知られており、基本的には、支持体上に白色顔料などの顔料とバインダーとからなる隠蔽層、粘着層を順次積層した構造のものである。支持体としては一般にグラシン紙が使用されている。通常、この感圧転写性修正テープは手持タイプの転写具に装着して使用される。
この転写具は、基本的には、ケース(ホルダー)と、感圧転写修正テープの繰出しリールおよび巻取りリールと、感圧転写性修正テープを被修正面に押しつけるための転写ヘッドとから構成されている。前記転写ヘッドを被修正面に押しつけた状態でホルダーを動かすと、繰出しリールから修正テープが繰り出され、順次転写ヘッドで被転写体面に押圧され粘着層側で接着される。一方、支持体はヘッドを通過した後転写層(隠蔽層と粘着層の積層物)から分離され、巻取りリールに巻取られる。被転写体面の修正部分への転写層の転写が終了した時点で転写ヘッドを被転写体面に強く押しつけたのちホルダーを持ちあげると、転写層が切断され、修正操作が完了する。被転写体面に転写された転写層の隠蔽層上にはボールペンなどの筆記具で文字などを書くことができる。
【0003】
近年前記転写具のコンパクト化あるいは修正テープの長尺化が要望されるようになってきており、それに伴って修正テープの薄膜化が要求されている。感圧転写修正テープの薄膜化のために、支持体にプラスチックフィルムを使用することが提案されている。しかしながら、単に薄いプラスチックフィルムを使用するときはキレ性が劣化する場合があり、実用上問題があった。ここで感圧転写修正テープのキレ性とは、転写層に圧力を加えたときにその部分が他の部分から容易に切れ、余分な部分が転写されず、かつ圧力が加えられた部位の転写層が完全に転写されることをいう。特に塗膜転写具の使用開始時における低トルク、低押圧時の条件下では、転写層のキレ性が低下する傾向にある。
【0004】
上記キレ性を改良するために、転写層の薄膜化や破断強度を低くすることが提案されている。しかしながら転写層を薄膜化すると隠蔽力の低下を招いてしまう。隠蔽力を低下させずに、顔料成分を増量させた場合にはバインダー成分が少なくなるので、所望箇所に転写層が転写されたときに転写層がひび割れしてしまうことがあった。また、破断強度を極端に低下させることも提案されてはいるが、キレ性は確保できても、上記と同様にひび割れが発生するものであった。このように、支持体に薄いプラスチックフィルムを使用した場合において、キレ性及び耐ひび割れ性を両立させる感圧転写修正テープはなかった。
【0005】
また、従来の感圧転写修正テープにおいては、高温高湿下でロール状に巻き回された状態で保存されると、粘着層中の粘着剤成分が接触している基材裏面に移行することにより粘着層表面と基材裏面が接着する、いわゆるブロッキング現象が生じ、塗膜転写具に装着して使用しようとすると、テープの繰り出しが困難となり、走行不良を起こすという問題があった。
【特許文献1】
特開2001−19914号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の点に鑑みて、支持体に薄いプラスチックフィルムを使用した場合においても、転写層がひび割れせず、かつ塗膜転写具の使用開始時における低トルク、低押圧時の条件下でもキレ性に優れた感圧転写修正テープを提供することを課題とする。また、ロール状に巻き回された状態で保存されてもブロッキングが生じず、塗膜転写具に装着して使用した場合に、感圧転写修正テープの引き出しが容易で修正操作が円滑に行うことができ、かつ転写後の転写層の定着性に優れた感圧転写修正テープを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、フィルム基材の片面に、着色剤およびバインダー樹脂からなる隠蔽層と、粘着層が順次設けられてなる感圧転写修正テープにおいて、前記隠蔽層の前記フィルム基材に対する剥離力が30〜100mN/25mmの範囲にあり、さらに前記隠蔽層と前記粘着層を併せた転写層の引張荷重が15〜45mN/mm、破断伸長率が10〜60%であることを特徴とする感圧転写修正テープに関する。
【0008】
請求項2に係る発明は、前記隠蔽層の前記フィルム基材に対する剥離力と、被転写体と前記粘着層との粘着力の比が1:1.1〜1:3.5であることを特徴とする請求項1記載の感圧転写修正テープに関する。
【0009】
請求項3に係る発明は、前記隠蔽層の膜厚が15〜30μmであり、かつ前記粘着層と前記隠蔽層の膜厚の比が1:13〜1:35であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の感圧転写修正テープに関する。
【0010】
請求項4に係る発明は、前記フィルム基材が、片面もしくは両面に離型処理が設けられている、厚みが4.5〜25μmのプラスチックフィルムであることを特徴とする請求項1から請求項3記載の感圧転写修正テープに関する。
【0011】
前記隠蔽層の前記フィルム基材に対する剥離力は、以下の方法で測定したものである。
(1)試験片
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に所定厚さの隠蔽層を形成したものを用いた。試験片の寸法は25mm×100mmとした。
(2)測定方法(180度剥離試験)
試験片を可動式の台上に隠蔽層が上になるように固定し、隠蔽層上に試験片と同サイズの粘着テープを貼り付け、一方の端部を少し剥離させてロードセルに固定する。試験片を剥離速度1200mm/minで180度剥離させ、剥離時の負荷を測定した。
【0012】
また、前記粘着層の被転写体への粘着力は、以下の方法で測定したものである。
(1)試験片
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に所定厚さの隠蔽層、粘着層を順次形成した。さらに粘着層上に同サイズのPPC用紙を重ね合わせ、シリコンゴムローラを有する圧着機で、圧着速度300mm/min、圧力1MPaでフィルム基材側から圧着したものを試験片とした。試験片の寸法は25mm×100mmとした。
(2)測定方法(180度剥離試験)
まず圧着直後の試験片において、フィルム基材を剥離して除去した。前記試験片を可動式の台上に、粘着層が上になるようにPPC用紙を固定し、隠蔽層上に試験片と同サイズの粘着テープを貼り付け、一方の端部を少し剥離させてロードセルに固定する。試験片を剥離速度1200mm/minで180度剥離させ、剥離時の負荷を測定した。
【0013】
また、前記隠蔽層と前記粘着層を併せた転写層の引張荷重および破断伸長率は以下の方法にて測定した。
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に所定厚さの隠蔽層及び粘着層を順次形成し、その後フィルム基材を剥離、除去して試料を作製した。試料寸法は10mm×20mmとした。オートグラフ(島津製作所製AG−100A)で、引張速度50mm/minにて引張試験を行い、破断時の負荷及び伸長率を測定した。
【0014】
また本発明において、隠蔽層および粘着層の厚さは、感圧転写修正テープをミクロトームでスリットして試料を作製し、走査型電子顕微鏡により該試料の断面写真(倍率2000倍)を撮影し、6μmの間隔で20ヶ所の厚さを測定し、その平均値として求めた。ミクロトームおよび電子顕微鏡としては次のものを用いた。
ミクロトーム:Reichert−Nissei社製ULTRA CUT
走査型電子顕微鏡:(株)日立製作所製S−800
【作用】
本発明においては、フィルム基材上に隠蔽層及び粘着層を順次形成した感圧転写修正テープにおいて、隠蔽層の前記フィルム基材に対する剥離力を30〜100mN/25mm、前記隠蔽層と前記粘着層を併せた転写層の引張荷重を15〜45mN/mm、破断伸長率を10〜60%という特定の範囲にするときは、塗膜転写具の初期における低トルク、低圧接の条件下においても、転写層が基材フィルムからスムーズに剥離して転写し、かつ所望の位置で切断されるので転写性が良好となる。
【0015】
また本発明においては、隠蔽層のフィルム基材に対する剥離力と、被転写体と前記粘着層との粘着力の比を1:1.1〜1:3.5とすることによって、押圧された部分の転写層がフィルム基材から剥離されて被転写体に全面的に転写され、局部的な非転写などの不具合が起こらず良好な転写性を示すとともに、転写された転写層は被転写体に対し良好な定着性を示す。そのため、転写後に転写層の浮きや剥がれ等の不具合が発生することはない。また、粘着力を上記範囲に規定することによって、ロール状の感圧転写修正テープを高温高湿条件下で保存してもブロッキングが生じない。また巻き長さを長くするために堅く巻き付けても、ブロッキングが生じない。
【0016】
したがって、本発明の感圧転写修正テープを塗膜転写具に使用した場合、初期から感圧転写修正テープの走行が良好で、かつ転写層が被転写体の所望部位に完全に転写されるので、修正操作が円滑に行われる。
【0017】
さらに本発明においては、隠蔽層の膜厚が15〜30μmとし、かつ粘着層と隠蔽層の膜厚の比を1:13〜1:35の範囲にすることによって、転写性、隠蔽性、筆記性を良好にし、かつ巻き長さを大きくすることができる。隠蔽層の比率が前記範囲未満では隠蔽性、筆記性が劣り、一方前記範囲を超えるとキレ性が低下するとともに、巻き長さが小さくなる。
【0018】
また本発明においては、フィルム基材が、片面もしくは両面に離型処理が設けられている、厚みが4.5〜25μmのプラスチックフィルムとすることによって、一層巻き長さを小さくすることができるとともに、転写層の転写性をさらに向上することができ、より確実にブロッキングを防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の感圧転写修正テープは、基材としてのプラスチックフィルムの片面上に、隠蔽層、粘着層を順次設けた構成のものである。
前記プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどを用いることができる。強度面から、ポリエステルフイルムが特に好ましい。プラスチックフィルムの厚さは3〜25μm、なかんずく4.5〜12μmが好ましい。プラスチックフィルムの厚さが薄すぎると、離型処理などの加工時の生産性が低下する。またプラスチックフィルムの厚さが厚すぎると、長尺化が困難になる。
【0020】
支持体としてのプラスチックフィルムの片面(隠蔽層、粘着層を設ける側の面)に必要に応じて、シリコーン系樹脂やフッ素系樹脂などからなる離型層を形成して、隠蔽層のフィルム基材からの剥離性を向上するようにしてもよい。また前記プラスチックフィルム裏面(隠蔽層、粘着層を設ける側と反対側の面をいう、以下同様)には、必要に応じて、シリコーン系樹脂やフッ素系樹脂などからなる背面層を形成して、保存中における粘着層と支持体裏面との間の接着(ブロッキング)を防止するようにしてもよい。
【0021】
本発明における隠蔽層としては、バインダー、顔料および充填剤と、要すれば分散剤などの添加剤とからなるものである。
【0022】
この種の感圧転写修正テープにおいては、転写層に圧力を加えたときにその部分が他の部分から容易に切れ、余分な部分が転写されず、かつ圧力が加えられた部位の転写層が完全に転写されること(以下、転写性という)、所望箇所に転写層が転写されたとき、その転写層がひび割れしないこと(以下、耐ひび割れ性という)、被転写体上に転写された転写層が容易に剥離しないこと(以下、定着性という)、粘着層表面と基材裏面が接着せずテープの繰り出しが容易であること(以下、耐ブロッキング性という)、転写された転写層上に鉛筆、ボールペンなどの筆記具により筆記したときに筆圧による転写層の盛り上がりがないこと(以下、筆記性という)などの諸条件がいずれも良好に達成されることが要求される。
【0023】
本発明における隠蔽層も、前記転写性、耐ひび割れ性、筆記性、耐ブロッキング性が良好になるようにその組成などを適宜するのが好ましい。
【0024】
本発明における隠蔽層に使用するバインダーとしては、ゴム状の樹脂とガラス状の樹脂との組み合わせからなるものが好適に使用できる。
【0025】
前記ゴム状の樹脂としては、可塑剤を少量しか含まなくとも柔軟性を有するものが好ましく、たとえばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、ウレタンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、環化ゴムなど通常の合成ゴムないしエラストマーなどの1種または2種以上があげられる。
【0026】
また前記ガラス状の樹脂としては、伸び率が小さく、融点ないし軟化点が100℃以上、かつ高硬度のものが好ましく、たとえば飽和または不飽和の脂環族炭化水素樹脂、スチレン−アクリル系共重合体樹脂、ケトン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂などの1種または2種以上があげられる。
【0027】
前記ゴム状の樹脂とガラス状の樹脂の配合割合は、ゴム状の樹脂10重量部に対してガラス状の樹脂2〜30重量部、好ましくは5〜15重量部である。ガラス状の樹脂の割合が前記範囲を超えると、隠蔽層の柔軟性が失われ、転写時に転写層のひび割れが生じやすくなる。ガラス状の樹脂の割合が前記範囲未満では、筆記性が低下するほか隠蔽層の切断性が低下する。バインダーをゴム状の樹脂のみで構成すると切断性はより低下する。
【0028】
前記隠蔽層は良好な切断性をうる点から、通常充填剤が混合される。前記充填剤としては、たとえば炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、セライト、クレー、タルクなどがあげられる。充填剤の粒径は1〜20μmの範囲が好ましい。粒径が前記範囲より小さいと切断性が低下し、一方前記範囲より大きいと筆記性が低下する傾向がある。
【0029】
前記充填剤はバインダー10重量部に対して5〜40重量部、好ましくは5〜18重量部の割合で混合される。充填剤の割合が前記範囲より多いといわゆるチョーキング現象が発生し、一方充填剤の割合が前記範囲より少ないと隠蔽層の切断性が劣化する傾向がある。
【0030】
前記顔料としては、通常修正する対象物は白色の紙であることから、白色顔料を用いる。しかし、対象物が白色以外のときは、隠蔽層を対象物の地色とほぼ同色に着色し、修正部分が他の部分と比べて目立たないようにするのが好ましい。
【0031】
前記白色顔料としては、酸化チタンが隠蔽性が優れている点から主として用いられる。隠蔽性の点から、白色顔料の粒径は0.1〜2.0μm程度のものが好ましい。
【0032】
なお白色顔料に加えて色彩を調整するための色彩調整剤を混合してもよい。たとえばアルミニウム粉末、銅粉末、真鍮粉末、染料などがあげられる。
【0033】
本発明で用いる白色顔料以外の着色顔料としては、チタンイエロー、酸化鉄系、群青、コバルトブルー、酸化クロムグリーン、黄鉛、クロムバーミリオン、カドミウムエロー、カドミウムレッドなどの無機顔料、アゾレーキ系、ハンザ系、ベンズイミダゾロン系、モノアゾ系、ピラゾロン系、縮合アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ペリレン系、ジオキサジン系、アントラキノン系、イソインドリノン系などの有機顔料があげられる。
【0034】
着色顔料の使用量はバインダーに対する分散性、隠蔽力などにもよるが、バインダー10部に対して5〜40部、好ましくは10〜20部である。着色顔料の使用量が多すぎると隠蔽層の表面に顔料粉が析出するチョーキング現象が発生し、使用量が少なすぎる場合には隠蔽力が不足する傾向がある。
【0035】
隠蔽層を白色以外の色に着色する場合、白色顔料以外の前記着色顔料は酸化チタンと併用して、それらの比較的劣る隠蔽力を補うようにするのが好ましい。
【0036】
前記隠蔽層は、前記べヒクル成分の有機溶剤溶液、有機溶剤分散液または水性分散液(エマルジョンを含む)に顔料、必要により充填剤などを配合した塗工液を基材上に塗布、乾燥することによって形成できる。
【0037】
前記隠蔽層の乾燥後の厚さは15〜40μm、なかんずく15〜30μmが好ましい。厚さが前記範囲未満では隠蔽力が不足し、一方厚さが前記範囲を超えると、転写の際の切断性が低下し、転写後の筆記性が低下し、さらに修正後の用紙をコピーしたときに、修正部分と未修正部分との境界が影となってコピーされて見苦しくなる傾向がある。
【0038】
前記隠蔽層のフィルム基材からの剥離力は30〜100mN/25mm、好ましくは45〜85mN/25mmの範囲にあることが適当である。剥離力が前記範囲未満であると、転写層の不必要部分まで転写してキレ性が低下するとともに、耐ブロッキング性が低下する。一方剥離力が前記範囲より大きいと、局部的な非転写などが生じ、転写性が劣る傾向がある。
【0039】
本発明における粘着層は厚さが0.5〜1.8μmであり、好ましくは0.7〜1.4μmである。かつ粘着層と隠蔽層の膜厚の比が1:13〜1:35の範囲であることが好ましい。さらにPPC用紙などの被転写体に対する粘着力が、35〜350mN/25mm、好ましくは60〜200mN/25mmであるのが好ましい。かつ隠蔽層のフィルム基材からの剥離力と粘着層の被転写体への粘着力の比が1:1.1〜1:3.5の範囲にあることが好ましい。
【0040】
粘着層の厚さまたは粘着力が前記範囲未満では、粘着力が不足し、局部的な非転写などが生じ、転写性が劣ると共に、転写後の浮き、剥れなどが生じる傾向がある。一方粘着層の厚さまたは粘着力が前記範囲を超えると、粘着力が過剰となり、感圧転写修正テープをロール状に巻回して保存する場合にブロッキングが起る傾向にあり、とくに高温高湿条件下で保存した場合や、堅く巻いた場合にその傾向が強い。その結果、手持ちタイプの転写具に感圧転写修正テープのロールを装着して使用する際、巻出し時に粘着層が剥離したり、走行不良を生じ、使用が困難となる。
【0041】
前記粘着層に用いる粘着剤としては、粘着層の厚さを前記特定範囲にしたときに、前記特定範囲の粘着力を示すものであればとくに限定されず、たとえばアクリル樹脂系、ロジン系、ゴム系、ビニルエーテル樹脂系、ポリイソブチレン系などの粘着剤が使用できる。とくにアクリル樹脂系、ロジン系などの粘着剤が好ましい。
【0042】
粘着層は、前記粘着剤の有機溶剤溶液、有機溶剤分散液、水性溶液または水性分散液(エマルジョンを含む)を隠蔽層上に塗布、乾燥することによって形成できる。とくに水性溶液または水性分散液の形態で塗布するのが好ましい。それはこれらを用いると、すでに形成されている隠蔽層の再溶解が生じないためである。水性溶液または水性分散液の形態の場合は、湿潤剤または界面活性剤を配合してもよい。
【0043】
本発明の感圧転写修正テープにおいて、転写性およびキレ性が良好に達成されるためには、隠蔽層の厚みおよび隠蔽層の基材フィルムからの剥離力、粘着層の厚みおよび粘着層の被転写体への粘着力だけでなく、隠蔽層と粘着層を併せた転写層の物性を制御する必要がある。
【0044】
鋭意研究の結果、上記諸物性に加え、前記転写層の引張荷重を15〜45mN/mmかつ破断伸長率が10〜60%にすることによって、転写層のフィルム基材からのスムーズな剥離と被転写体への接着に加え、転写層の切断性のバランスが得られ、良好な転写性が得られることが判明した。前記引張荷重および破断伸長率が前記範囲未満であると、キレ性はよくなるものの、耐ひび割れ性、筆記性が低下する傾向があり、一方前記範囲より大きいと、耐ひび割れ性は向上するもののキレ性が低下する傾向がある。
【0045】
本発明の感圧転写修正テープは前述の手持ちタイプの転写具で好適に使用できる。もとより、本発明の感圧転写修正テープは前記転写具を用いずとも使用でき、たとえば被修正面に当該テープをその粘着層が接するように重ね、適宜のヘラなどの押圧部材で押圧して転写層を転写して修正することもできる。
【0046】
つぎに本発明を実施例をあげて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0047】
【実施例】実施例1〜6および比較例1〜8
基材として厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面側に、それぞれ表1に示す、各種シリコーン系樹脂からなる離型剤をコーターにて塗布、乾燥し、離型層をそれぞれ所定厚みになるように形成した。
次に、離型層の反対側の面に、それぞれ表1に示す、シリコーン系樹脂からなる背面剤をコーターにて塗布、乾燥し、背面層をそれぞれ所定厚みになるように形成した。
【0048】
続いて表1に示す処方の隠蔽層を、それぞれの前記基材フィルムの離型層上に形成した。
すなわち表1に示す材料の総量100部とトルエン151 部とを分散機にて20分間混合し、塗工液を調製した。これをコーターにてフィルム基材の離型層上に乾燥後厚さがそれぞれ所定の厚さになるように塗布、乾燥して、表2に示す物性値を有する隠蔽層を形成した。
【0049】
つぎに、前記隠蔽層の表面に表1に示す各種アクリル系粘着剤の水性分散液(固形分20重量%)を乾燥後厚さが、それぞれ所定厚さなるように塗布、乾燥し、表2に示す物性値を有する粘着層を形成して、感圧転写修正テープをえた。なお隠蔽層のフィルム基材からの剥離力、粘着層のPPC用紙に対する粘着力、隠蔽層と粘着層を併せた転写層の引張荷重および破断伸長率ならびに各層の厚さは前述の測定法で測定した。
【0050】
これを幅5mmにスリットしながら10mの長さに直径13mmの成形コアに巻取り、パンケーキ状の感圧転写修正テープをえた。
【0051】
前記実施例1〜6および比較例1〜8でえられた各パンケーキ状感圧転写修正テープについて、つぎの項目を評価した。結果を表2に示す。
(1)転写性
前記パンケーキ状の各感圧転写修正テープ(製造直後のもの)を用い、市販の手持ちタイプの転写具(フジコピアン(株)製インスタライト2カセット)に装着し、転写荷重300gf、転写速度1200mm/minで150mm走行試験を行い、PPC用紙に対する転写不良が10回の走行試験の間に何箇所生じるかを観察し、つぎの基準により評価した。
3箇所以上生じた:×
2箇所生じた:△
1箇所しか生じなかったかまたはまったく生じなかった:○
○が実用領域である。
(2)キレ性
上記と同じ転写条件で、2mm間隔で20回PPC用紙に転写させ、20ヶ所の切れ不良部分が何箇所発生するかを観察し、つぎの基準により評価した。
3箇所以上生じた:×
2箇所生じた:△
1箇所しか生じなかったかまたはまったく生じなかった:○
○が実用領域である。
(3)耐ひび割れ性
前記転写具を用い、転写荷重500gf、転写速度5000mm/min(高速転写)でPPC用紙に150mmの長さで10回転写させて、10回の転写でひび割れが何ヶ所発生するかを観察し、つぎの基準により評価した。
3箇所以上生じた:×
2箇所生じた:△
1箇所しか生じなかったかまたはまったく生じなかった:○
○が実用領域である。
(4)筆記性
前記転写具によりPPC用紙上に、転写荷重500gf、転写速度1200mm/minで転写を行ない、転写された隠蔽層の上に油性ボールペン(パイロット社製BP−P)で、筆記荷重200gfで数字を10箇所書き、筆記による転写層の破損の有無を観察し、つぎの基準により評価した。
3箇所以上生じた:×
2箇所生じた:△
1箇所しか生じなかったかまたはまったく生じなかった:○
○が実用域である。
(5)耐ブロッキング性
前記パンケーキ状の各感圧転写修正テープを60℃、25RH%の条件下で7日間保存したのち、前記テープを解いて転写層の背面側への移行状態を観察し、つぎの基準により評価した。評価は各感圧転写修正テープともに3個のサンプル(評価数n=3)について行った。
n=3で転写層が背面側へ移行発生:×
n=1または2で転写層が背面側へ移行発生:△
n=3で転写層が背面側へ移行せず:○
○が実用域である。
【0052】
表2から、隠蔽層のフィルム基材からの剥離力を30〜100mN/25mmの範囲に特定し、かつ粘着層と隠蔽層を併せた転写層の引張荷重および破断伸長率をそれぞれ15〜45mN/mm、10〜60%の範囲に特定した本発明の感圧転写修正テープ(実施例1〜6)は、転写層のひび割れがなく、塗膜転写具の使用開始時における低トルク、低押圧の条件下においても転写性、キレ性が優れているとともに、転写後の筆記性、また耐ブロッキング性にも優れていることがわかる。これに対して、隠蔽層のフィルム基材からの剥離力が前記範囲外、粘着層と隠蔽層を併せた転写層の引張荷重および破断伸長率がそれぞれ前記範囲外では(比較例1〜8)、転写性、キレ性、耐ひび割れ性、筆記性、耐ブッキング性などを共に満足しえないことがわかる。
【0053】
【表1】
Figure 2004322434
【0054】
【表2】
Figure 2004322434
【0055】
【発明の効果】
感圧転写修正テープの、隠蔽層のフィルム基材からの剥離力を30〜100mN/25mmの範囲に特定し、かつ粘着層と隠蔽層を併せた転写層の引張荷重および破断伸長率をそれぞれ15〜45mN/mm、10〜60%の範囲に特定することによって、転写層のひび割れがなく、塗膜転写具の使用開始時における低トルク、低押圧の条件下においても転写性、キレ性が優れているとともに、転写後の筆記性、耐ブロッキング性にも優れている感圧転写修正テープを得ることができる。

Claims (4)

  1. フィルム基材の片面に、着色剤およびバインダー樹脂からなる隠蔽層と、粘着層が順次設けられてなる感圧転写修正テープにおいて、前記フィルム基材と前記隠蔽層の剥離力が30〜100mN/25mmの範囲にあり、かつ前記隠蔽層と前記粘着層を併せた転写層の引張荷重が15〜45mN/mm、破断伸長率が10〜60%であることを特徴とする感圧転写修正テープ。
  2. 前記フィルム基材と前記隠蔽層との剥離力と、被転写体と前記粘着層との粘着力との比が1:1.1〜1:3.5であることを特徴とする請求項1記載の感圧転写修正テープ。
  3. 前記隠蔽層の膜厚が15〜30μmであり、かつ前記粘着層と前記隠蔽層の膜厚の比が1:13〜1:35であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の感圧転写修正テープ。
  4. 前記フィルム基材が、片面もしくは両面に離型処理が設けられている、厚みが4.5〜25μmのプラスチックフィルムであることを特徴とする請求項1から請求項3記載の感圧転写修正テープ。
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