JP2004319920A - 酸化物半導体の電極およびその製造方法、並びに、酸化物半導体発光素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】n型ZnOコンタクト層102の表面の一部上にAlから成るn型金属電極層107が形成され、n型金属電極層107上にTiO2から成るn型酸化物電極層108が形成されている。n型金属電極層107はn型ZnOコンタクト層102に接し、n型酸化物電極層108はn型金属電極層107に接している。また、n型酸化物電極層108はn型金属電極層107の貫通穴を介してn型ZnOコンタクト層102にも接している。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化物半導体の電極およびその製造方法、並びに、酸化物半導体発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸化物材料は、誘電性、磁性、超伝導性など従来の半導体材料では実現出来ない多くの機能を持ち、また半導体材料としても既存材料の特質を補って余りある可能性を有している。
【0003】
上記酸化物材料の中でも酸化亜鉛(ZnO)は、約3.4eVのバンドギャップエネルギーを有する直接遷移型半導体であり、励起子結合エネルギーが60meVと極めて高く、また原材料が安価、環境や人体に無害で成膜手法が簡便であるなどの特徴を有し、高効率・低消費電力で環境性に優れた発光デバイスを実現出来る可能性がある。
【0004】
ZnOは強いイオン性に起因する自己補償効果のために従来p型の導電型制御が困難であったが、アクセプタ不純物としてN(窒素)を用いることでp型化が実現し、ZnO系半導体を用いて高効率な発光素子を作製すべく、多くの研究がなされるようになった。
【0005】
ZnO系半導体へ低抵抗なオーミック電極を形成する技術は、キャリアを活性層へ均一かつ高効率に注入するために極めて重要であり、p型オーミック電極のみならず、安定したオーミック接触が得られるn型オーミック電極についてもまだ改善の余地を残している。
【0006】
例えば、n型III族窒化物半導体において用いられるTi−Al電極は、n型ZnO系半導体層とは完全なオーミック接触が得られにくいという問題がある。
【0007】
この問題を解決する手段として、Ti又はCrがn型ZnO層と接し、Alがn型ZnO層と接しないn型オーミック電極が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
国際公開第00/16411号パンフレット
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、本発明者らの検討によると、TiやCrを電極に用いてもオーミック抵抗は大きくは低減せず、真空蒸着法やスパッタリング法など、生産性に優れた常法によって形成した電極は、ワイヤボンディング時や通電時に剥れたり劣化しやすいという問題がある。
【0010】
このような問題が生じた理由は、金属薄膜と酸化物半導体との密着性が乏しいためと考えられ、従来技術においてAlを用いた電極のオーミック抵抗が高かったのも、主にZnO系半導体との密着性が低いことが原因と推察される。
【0011】
そこで、本発明の目的は、n型酸化物半導体に対して密着性に優れ、且つ、オーミック抵抗が低い酸化物半導体の電極およびその製造方法を提供することにある。また、そのような酸化物半導体の電極を備えた酸化物半導体発光素子を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、n型酸化物半導体に対して密着性と低抵抗性を両立するオーミック電極およびその製造方法を鋭意検討した結果、IIIB族元素を含む金属層と遷移金属酸化物層とによる多層構造を用いることで上記目的が達せられることを見い出し本発明に至った。
【0013】
第1の発明の酸化物半導体の電極は、n型伝導性の酸化物半導体上に形成されて上記n型伝導性の酸化物半導体に接すると共に、少なくともIIIB族元素を含む金属電極層と、上記n型伝導性の酸化物半導体と上記金属電極層との両方に接すると共に、少なくとも遷移金属酸化物を含む酸化物電極層とを備えたことを特徴としている。
【0014】
上記構成の酸化物半導体の電極によれば、上記IIIB族元素、例えばAl(アルミニウム)、Ga(ガリウム)およびIn(インジウム)などは、n型ワイドギャップ半導体に対する低抵抗オーミック電極として用いることが出来る。
【0015】
一方、上記遷移金属酸化物は、酸化物半導体に対する親和性に優れ、酸化物半導体に対して密着性が強い。さらに、上記遷移金属酸化物は導電性を有し、n型伝導性の酸化物半導体に対するオーミック電極として作用する。
【0016】
よって、上記n型伝導性の酸化物半導体上に、IIIB族元素を含む金属電極層と、遷移金属酸化物を含む酸化物電極層とを形成し、金属電極層と酸化物電極層とのいずれもがその酸化物半導体に接する構造を例えばn型オーミック電極に持たせることにより、n型オーミック電極のオーミック抵抗を大きく下げることが出来ると共に、n型伝導性の酸化物半導体に対するn型オーミック電極の密着性を高めることが出来る。
【0017】
また、上記n型オーミック電極を、例えば、酸化物半導体を用いた電子デバイスのn型電極に用いた場合、電子デバイスの電気特性および信頼性を格段に向上させることが出来る。例えば、信頼性と省電力性に優れた酸化物半導体発光素子を作製出来る。
【0018】
一実施形態の酸化物半導体の電極は、上記酸化物電極層が含む遷移金属酸化物は、Ti(チタン)、Cr(クロム)、V(バナジウム)、Hf(ハフニウム)、Zr(ジルコニウム)、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)およびW(タングステン)の酸化物のうちの少なくとも1つを含む。
【0019】
上記実施形態の酸化物半導体の電極によれば、上記酸化物電極層が含む遷移金属酸化物は、Ti、Cr、V、Hf、Zr、Nb、Ta、MoおよびWの酸化物のうちの少なくとも1つを含むから、n型伝導性の酸化物半導体に対する酸化物電極層の密着性を確実に高めることが出来ると共に、n型伝導性の酸化物半導体に対する酸化物電極層のオーミック抵抗を確実に大きく低減することが出来る。
【0020】
一実施形態の酸化物半導体の電極は、上記金属電極層において上記酸化物電極層と接する表面は、上記酸化物電極層が含んでいる上記遷移金属酸化物で覆われている。
【0021】
上記実施形態の酸化物半導体の電極によれば、例えばAlなどのIIIB族元素は酸化雰囲気中で酸化されると不導体化して電気抵抗が増大する。したがって、上記金属電極層において酸化物電極層と接する表面を、酸化物電極層が含んでいる遷移金属酸化物で覆っているので、金属電極層における電気抵抗の劣化を防ぐことが出来る。
【0022】
一実施形態の酸化物半導体の電極は、上記酸化物電極層が含む遷移金属酸化物はTiOx(xは正の整数)である。
【0023】
上記実施形態の酸化物半導体の電極によれば、上記遷移金属酸化物の中でもTi酸化物はn型半導体的性質を持っている。したがって、上記酸化物電極層が含む遷移金属酸化物がTiOxであるので、酸化物電極層をより確実に低電気抵抗化することが出来る。
【0024】
一実施形態の酸化物半導体の電極は、上記金属電極層上にパッド電極層が形成されている。
【0025】
上記実施形態の酸化物半導体の電極によれば、上記金属電極層上にパッド電極層が形成されているので、ワイヤボンディングによる配線をパッド電極に容易に行え、実装歩留まりを向上させることが出来る。
【0026】
また、上記パッド電極が金属電極層を覆って保護するので、経時変化などによって金属電極層の電気抵抗が高くなるのを阻止することが出来る。
【0027】
一実施形態の酸化物半導体の電極は、上記金属電極層と上記パッド電極層との間に、Ag(銀)を含む金属中間層が形成されている。
【0028】
上記実施形態の酸化物半導体の電極によれば、上記Agは、電気抵抗が低く、青色〜紫外光に対する反射率が最も高い。したがって、上記金属電極層、酸化物電極層および金属中間層を有する例えばn型オーミック電極は、低電気抵抗性が損われず、入射した光を金属中間層で反射することが出来る。
【0029】
また、上記n型オーミック電極を例えば酸化物半導体発光素子のn型電極として用いた場合、酸化物半導体発光素子の発光効率を格段に向上させることが出来る。
【0030】
一実施形態の酸化物半導体の電極は、上記酸化物電極層上にパッド電極層が形成されている。
【0031】
上記実施形態の酸化物半導体の電極によれば、上記酸化物電極層上にパッド電極層が形成されているので、ワイヤボンディングによる配線をパッド電極に容易に行え、実装歩留まりを向上させることが出来る。
【0032】
また、上記パッド電極が酸化物電極層を覆って保護するので、経時変化などによって酸化物電極層の電気抵抗が高くなるのを阻止することが出来る。
【0033】
一実施形態の酸化物半導体の電極は、上記酸化物電極層と上記パッド電極層との間に、Agを含む金属中間層が形成されている。
【0034】
上記実施形態の酸化物半導体の電極によれば、上記Agは、電気抵抗が低く、青色〜紫外光に対する反射率が最も高い。したがって、上記金属電極層、酸化物電極層および金属中間層を有する例えばn型オーミック電極は、低電気抵抗性が損われず、入射した光を金属中間層で反射することが出来る。
【0035】
また、上記n型オーミック電極を例えば酸化物半導体発光素子のn型電極として用いた場合、酸化物半導体発光素子の発光効率を格段に向上させることが出来る。
【0036】
一実施形態の酸化物半導体の電極は、上記金属電極層および上記酸化物電極層の各厚さは5〜100nmの範囲内である。
【0037】
上記実施形態の酸化物半導体の電極によれば、上記金属電極層と酸化物電極層とを有する例えばn型オーミック電極は、金属電極層および酸化物電極層の各厚さは5〜100nmの範囲内であるので、オーミック抵抗が十分に低くなると共に、透光性が高くなる。
【0038】
また、上記n型オーミック電極を例えば酸化物半導体発光素子に用いた場合、n型オーミック電極の透光性が高いので、酸化物半導体発光素子の発光の取り出し効率を高めることが出来る。
【0039】
第2の発明の酸化物半導体の電極の製造方法は、上記第1の発明の酸化物半導体の電極の製造方法であって、上記n型伝導性の酸化物半導体上に、上記金属電極層とすべき金属層を形成する工程と、上記金属層をパターニングして上記金属電極層を形成することにより、上記n型伝導性の酸化物半導体の上記金属電極層側の表面の一部を露出させる工程と、上記n型伝導性の酸化物半導体の上記金属電極層側の表面の一部および上記金属電極層上に、上記酸化物電極層を形成する工程とを備えたことを特徴としている。
【0040】
上記構成の酸化物半導体の電極の製造方法によれば、まず、上記n型伝導性の酸化物半導体上に、金属電極層とすべき金属層を形成する。そして、上記金属層をパターニングして金属電極層を形成する。そうすると、上記金属層の一部で覆われていたn型伝導性の酸化物半導体の金属電極層側の表面の一部が露出する。この露出した表面の一部と金属電極層との上に酸化物電極層を形成する。これにより、上記金属電極層に酸化物電極層が接触すると共に、n型伝導性の酸化物半導体に金属電極層および酸化物電極層が接触する。その結果、上記金属電極層と酸化物電極層とを用いることにより、オーミック抵抗が格段に低く、かつ、n型伝導性の酸化物半導体に対して密着性が高い例えばn型オーミック電極を得ることが出来る。
【0041】
また、上記n型オーミック電極は、酸化物電極層の表面積を金属電極層の表面積よりも大きくすることにより、n型伝導性の酸化物半導体に対する密着性がより高まり、信頼性が高くなる。
【0042】
第3の発明の酸化物半導体の電極の製造方法は、上記第1の発明の酸化物半導体の電極の製造方法であって、上記n型伝導性の酸化物半導体上に、上記酸化物電極層とすべき酸化物層を形成する工程と、上記酸化物層をパターニングして上記酸化物電極層を形成することにより、上記n型伝導性の酸化物半導体の上記酸化物電極層側の表面の一部を露出させる工程と、上記n型伝導性の酸化物半導体の上記酸化物電極層側の表面の一部および上記酸化物電極層上に、上記金属電極層を形成する工程とを備えたことを特徴としている。
【0043】
上記構成の酸化物半導体の電極の製造方法によれば、まず、上記n型伝導性の酸化物半導体上に、酸化物電極層とすべき酸化物層を形成する。そして、上記酸化物層をパターニングして酸化物電極層を形成する。そうすると、上記酸化物層の一部で覆われていたn型伝導性の酸化物半導体の酸化物電極層側の表面の一部が露出する。この露出した表面の一部と酸化物電極層との上に金属電極層を形成する。これにより、上記酸化物電極層に金属電極層が接触すると共に、n型伝導性の酸化物半導体に酸化物電極層および金属電極層が接触する。その結果、上記酸化物電極層と金属電極層とによって、オーミック抵抗が格段に低く、かつ、n型伝導性の酸化物半導体に対して密着性が高い例えばn型オーミック電極を得ることが出来る。
【0044】
また、上記酸化物電極層の後に金属電極層を形成しているので、金属電極層の密着性が酸化物電極層で強化される。その結果、上記n型オーミック電極の信頼性を高めることが出来る。
【0045】
一実施形態の酸化物半導体の電極の製造方法は、上記酸化物電極層は、上記遷移金属酸化物を蒸着源とし、真空蒸着法で形成する。
【0046】
上記実施形態の酸化物半導体の電極の製造方法によれば、上記酸化物電極層を真空蒸着法で形成するので、本発明の電極の量産性を高めることが出来ると共に、電極の歩留まりを向上させることが出来る。したがって、本発明の電極を低コストで製造出来る。
【0047】
また、上記遷移金属酸化物を蒸着源として用いるので、遷移金属から遷移金属酸化物を得るときのように例えば製造装置内にO2ガスを導入する必要が無く、本発明の電極を簡便に作製出来る。
【0048】
一実施形態の酸化物半導体の電極の製造方法は、上記酸化物電極層は、遷移金属を蒸着源とし、酸素雰囲気中における蒸着法で形成する。
【0049】
上記実施形態の酸化物半導体の電極の製造方法によれば、上記遷移金属は高純度であっても安価に入手出来るので、遷移金属元素を蒸着源として用いることにより、製造コストを下げることが出来る。
【0050】
また、上記酸素雰囲気中で遷移金属を蒸着するので、遷移金属が酸化され、酸化物電極層に含ませるべき遷移金属酸化物を得ることが出来る。
【0051】
一実施形態の酸化物半導体の電極の製造方法は、上記酸化物電極層は、上記遷移金属酸化物を原料ターゲットとし、スパッタリング法で形成する。
【0052】
上記実施形態の酸化物半導体の電極の製造方法によれば、上記酸化物電極層をスパッタリング法で形成するので、本発明の電極の量産性を高めることが出来ると共に、電極の歩留まりを向上させることが出来る。したがって、本発明の電極を低コストで製造出来る。
【0053】
また、上記遷移金属酸化物を原料ターゲットとして用いるので、遷移金属から遷移金属酸化物を得るときのように例えば製造装置内にO2ガスを導入する必要が無く、本発明の電極を簡便に作製出来る。
【0054】
一実施形態の酸化物半導体の電極の製造方法は、上記酸化物電極層は、遷移金属を原料ターゲットとし、酸素雰囲気中におけるスパッタリング法で形成する。
【0055】
上記実施形態の酸化物半導体の電極の製造方法によれば、上記遷移金属は高純度であっても安価に入手出来るので、遷移金属元素を原料ターゲットとして用いることにより、本発明の電極の製造コストを下げることが出来る。
【0056】
また、上記酸素雰囲気中で遷移金属をスパッタリングするので、遷移金属が酸化され、酸化物電極層に含ませるべき遷移金属酸化物を簡単に得ることが出来る。
【0057】
一実施形態の酸化物半導体の電極の製造方法は、上記酸化物電極層は、上記遷移金属酸化物を原料ターゲットとし、レーザアブレーション法で形成する。
【0058】
上記実施形態の酸化物半導体の電極の製造方法によれば、上記酸化物電極層をレーザアブレーション法で形成するので、極めて高品質な酸化物電極層を得ることが出来る。
【0059】
また、上記遷移金属酸化物を原料ターゲットとして用いるので、遷移金属から遷移金属酸化物を得るときのように例えば製造装置内にO2ガスを導入する必要が無く、本発明の電極を簡便に作製出来る。
【0060】
一実施形態の酸化物半導体の電極の製造方法は、上記酸化物電極層は、遷移金属を原料ターゲットとし、酸素雰囲気中におけるレーザアブレーション法で形成する。
【0061】
上記実施形態の酸化物半導体の電極の製造方法によれば、上記遷移金属は高純度であっても安価に入手出来るので、遷移金属を原料ターゲットに用いることにより、本発明の電極の製造コストを下げることが出来る。
【0062】
また、上記酸素雰囲気中で遷移金属をアブレーションすることにより、遷移金属が酸化され、酸化物電極層に含ませるべき遷移金属酸化物を簡単に得ることが出来る。
【0063】
一実施形態の酸化物半導体の電極の製造方法は、上記金属電極層とすべき金属層を形成する工程は、上記n型伝導性の酸化物半導体を大気に晒さないで行う。
【0064】
上記実施形態の酸化物半導体の電極の製造方法によれば、上記n型伝導性の酸化物半導体を大気に晒すことなく、その酸化物半導体上に金属電極層とすべき金属層を形成するので、酸化物半導体と金属電極層との間に汚染物、特に水分が介在するのを防ぐことが出来る。
【0065】
一実施形態の酸化物半導体の電極の製造方法は、上記酸化物電極層とすべき酸化物層を形成する工程は、上記n型伝導性の酸化物半導体を大気に晒さないで行う。
【0066】
上記実施形態の酸化物半導体の電極の製造方法によれば、上記n型伝導性の酸化物半導体を大気に晒すことなく、その酸化物半導体上に酸化物電極層とすべき酸化物層を形成するので、酸化物半導体と酸化物電極層との間に汚染物、特に有機物が介在するのを防ぐことが出来る。
【0067】
一実施形態の酸化物半導体の電極の製造方法は、上記n型伝導性の酸化物半導体をレーザアブレーション法で形成する。
【0068】
上記実施形態の酸化物半導体の電極の製造方法によれば、上記n型伝導性の酸化物半導体をレーザアブレーション法で形成するので、酸化物半導体を原子層レベルでエピタキシャル成長することが出来る。
【0069】
一実施形態の酸化物半導体の電極の製造方法は、上記金属電極層と上記酸化物電極層とに熱処理を施す。
【0070】
上記実施形態の酸化物半導体の電極の製造方法によれば、上記金属電極層と上記酸化物電極層とに熱処理(アニール)を施すので、n型伝導性の酸化物半導体に対する酸化物電極層の密着性をより高めることが出来ると共に、金属電極層と酸化物電極層とを有する例えばn型オーミック電極のオーミック特性をより格段に向上させることが出来る。
【0071】
一実施形態の酸化物半導体の電極の製造方法は、上記熱処理の温度は300〜400℃の範囲内である。
【0072】
上記実施形態の酸化物半導体の電極の製造方法によれば、本発明の電極を例えば酸化物半導体発光素子の電極に用いた場合、熱処理の温度が300〜400℃の範囲内であるので、n型伝導性の酸化物半導体に対する電極の高密着性や電極のオーミック抵抗の大きな低減効果を確実に得られ、酸化物半導体発光素子の劣化を防げる。
【0073】
上記熱処理の温度が300℃未満であると、n型伝導性の酸化物半導体に対する電極の密着性の向上の効果や、電極のオーミック抵抗の低減効果が小さくなってしまう。
【0074】
上記熱処理の温度が400℃を超えると、酸化物半導体発光素子が劣化してしまう。
【0075】
第4の発明の酸化物半導体発光素子は、上記第1の発明の酸化物半導体の電極を備えたことを特徴としている。
【0076】
上記構成の酸化物半導体発光素子は、上記酸化物半導体の電極を備えているので、電気特性および信頼性を格段に向上させることが出来る。
【0077】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、活性層と、上記n型伝導性の酸化物半導体である基板またはn型コンタクト層と、上記活性層と、上記基板またはn型コンタクト層との間に形成されたn型クラッド層と、上記活性層において上記n型クラッド層とは反対側に形成されたp型クラッド層とを備え、上記活性層、基板またはn型コンタクト層、n型クラッド層およびp型クラッド層は酸化物半導体から成っている。
【0078】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子によれば、上記基板またはn型コンタクト層に対する酸化物半導体の電極のオーミック抵抗が低いので、n型クラッド層から活性層へのキャリアの注入効率が格段に向上し、発光効率を高めることが出来る。
【0079】
また、上記基板またはn型コンタクト層に対する酸化物半導体の電極の密着性が高いので、フリップチップ方式を用いずワイヤボンディングを行なうことが出来る。したがって、発光素子を小型化出来、また、ワイヤボンディング時の電極剥れが生じないため製造歩留まりが向上する。
【0080】
これらのことにより、発光効率、信頼性および生産性に優れた酸化物半導体発光素子を実現出来る。
【0081】
なお、上記「活性層」は、発光ダイオード素子の場合には「発光層」と称されるが、発光を司る層という意味において同義であるので、以下においては特に区別しない。
【0082】
また、上記第4の発明の酸化物半導体発光素子を製造する装置としては、結晶成長を原子層レベルで制御長出来るレーザアブレーション装置が好ましい。
【0083】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の酸化物半導体の電極およびその製造方法、並びに、酸化物半導体発光素子を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0084】
(実施形態1)
本実施形態1では、本発明をZnO系発光ダイオード素子に適用した例について説明する。
【0085】
図1に、本発明の酸化物半導体発光素子の一例としての発光ダイオード素子の模式断面図を示す。
【0086】
上記発光ダイオード素子は、(0001)面を主面とするサファイア基板101上に、Gaを3×1018cm−3の濃度でドーピングした厚さ0.2μmのn型ZnOコンタクト層102、Gaを1×1018cm−3の濃度でドーピングした厚さ1μmのn型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層103、厚さ0.1μmのノンドープCd0.1Zn0.9O発光層104、Nを1×1020cm−3の濃度でドーピングした厚さ1μmのp型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層105、Nを5×1020cm−3の濃度でドーピングした厚さ0.3μmのp型ZnOコンタクト層106が順次積層されている。
【0087】
本実施形態1では、上記n型ZnOコンタクト層102がn型コンタクト層の一例に、n型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層103がn型クラッド層の一例に、Cd0.1Zn0.9O発光層104が活性層の一例に、p型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層105がp型クラッド層の一例にそれぞれ相当する。また、上記n型ZnOコンタクト層102は、n型伝導性の酸化物半導体の一例にも相当している。
【0088】
上記n型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層103から図中上側に向ってp型ZnOコンタクト層106までのエピタキシャル層は、選択成長によってn型ZnOコンタクト層102の一部上に形成されている。これにより、上記n型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層103から図中上側に向ってp型ZnOコンタクト層106までのエピタキシャル層の幅は、n型Zのコンタクト層102の幅よりも狭くなっている。
【0089】
上記n型ZnOコンタクト層102の表面においてn型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層103が形成されていない領域上には、金属電極層の一例としての厚さ15nmのn型金属電極層107が形成されている。これにより、上記n型金属電極層107は、n型ZnOコンタクト層102に直接接する。また、上記n型金属電極層107は、IIIB族元素の一例としてのAlから成って透光性を有している。また、上記n型金属電極層107の中央部には、図中上側の表面からn型ZnOコンタクト層102に達する直径50μmの貫通穴が形成されている。
【0090】
そして、この貫通穴を埋めるように、酸化物電極層の一例としてのn型酸化物電極層108をn型ZnOコンタクト層102およびn型金属電極層107上に形成している。このn型酸化物電極層108は、遷移金属酸化物の一例としてのTiO2から成って、n型ZnOコンタクト層102およびn型金属電極層107に直接接している。また、上記n型酸化物電極層108において、n型金属電極層107よりも上方に位置する部分は直径100μmの円板形状となっている。そして、上記n型酸化物電極層108において、最も厚い部分の厚さは30nmとなっている。
【0091】
また、上記p型ZnOコンタクト層106の主表面全面、つまり図中上側の表面の全面には、厚さ15nmのp型オーミック電極109が積層されている。このp型オーミック電極109は、Ni(ニッケル)から成って透光性を有している。
【0092】
また、上記n型酸化物電極層108およびp型オーミック電極109上には、直径100μmで厚さ100nmのボンディング用Auパッド電極110,111がそれぞれ積層されている。
【0093】
上記構成の発光ダイオード素子は、固体あるいは気体原料を用いたMBE(分子線エピタキシー)法、レーザMBE(レーザ分子線エピタキシー)法、MOCVD(有機金属気相成長)法などの結晶成長手法で作製することが出来るが、本実施形態1ではレーザMBE法で作成している。
【0094】
図2に、レーザMBE装置を示す。
【0095】
上記レーザMBE装置は超高真空に排気可能な成長室1001を備えている。この成長室1001内の上部には基板ホルダー1002が配置され、この基板ホルダ1002が基板1003を保持している。さらに、上記基板ホルダ1002の上方には、基板ホルダ1002の裏面(基板1003とは反対側の表面)を加熱するヒータ1004を配置している。一方、上記基板ホルダ1002の直下には、基板ホルダ1002と適当な距離を置いてターゲットテーブル1005を配置している。このターゲットテーブル1005は、複数の原料ターゲット1006を搭載出来る。この原料ターゲット1006に照射するパルスレーザ光1008が通過するビューポート1007が、成長室1001の一方の側壁に設けられている。そして、上記成長室1001の他方の側壁には、ガス導入管1013に接続されたラジカルセル1009と、遮蔽マスク1011を駆動する駆動部1012とを設けている。上記遮蔽マスク1011は、基板1003とターゲットテーブル1005との間に位置し、基板1003の所定の領域を覆うことができる。また、上記成長室1001の他方の側壁を複数のガス導入管1010(図2では1つのみ図示している)が貫通していて、このガス導入管1010を通して成長室1001内にガスが導入される。なお、図示しないが、上記ターゲットテーブル1005は回転機構を有している。
【0096】
上記構成のレーザMBE装置が結晶成長を行う場合は、まず、上記基板ホルダ1002の裏面をヒータ1004で加熱する。これにより、上記基板ホルダ1002の熱が基板1003に伝わり、基板1003が加熱される。
【0097】
次に、上記ビューポート1007を通してパルスレーザ光1008を原料ターゲット1006に照射する。すると、上記原料ターゲッ1006の原料が瞬時に蒸発して基板1003上に堆積する。この結果、上記基板1003上にその原料から成る薄膜が成長する。
【0098】
上記レーザMBE装置による結晶成長時において、ターゲットテーブル1005を回転機構で回転すると共に、パルスレーザ光1008の照射シーケンスに同期してその回転を制御することにより、異なる原料ターゲット1006の原料を基板1003上に積層することが可能である。
【0099】
また、上記ラジカルセル1009によって活性化された原子状ビームを基板1003に照射することも可能である。
【0100】
また、上記レーザMBE装置による結晶成長は、原料ターゲット1006の組成と、基板1003上に得られる薄膜の組成とのずれが小さく、また、ZnGa2O4などの意図しない副生成物の生成を抑えることが出来るので好ましい。
【0101】
以下、図2、図3(a)〜(d)、図4(e)〜(h)および図5を用いて、上記発光ダイオード素子の製造方法を説明する。
【0102】
まず、図2に示すレーザMBE装置内に、洗浄処理したサファイア基板101を導入する。そして、上記成長室1001内にO2ガスを流しながら、成長室1001内の圧力を5×10−3Paに調整し、基板1003を30分間加熱処理して清浄化する。この加熱処理中の基板温度は600℃に設定する。
【0103】
次に、基板温度を550℃に降温し、パルスレーザ光1008を原料ターゲット1006に向けて照射する。より詳しくは、ノンドープZnO単結晶から成る原料ターゲット1006と、Ga2O3を添加したZnO燒結体から成る原料ターゲット1006とを所望のGaドーピング濃度が得られる比率で交互にアブレーションして、図3(a)に示すように、サファイア基板101上にn型ZnOコンタクト層102を成長させる。このとき、上記回転機構によるターゲットテーブル1005の駆動周期とKrFエキシマレーザ装置のパルス照射周期を外部制御装置(図示せず)によって同期させる。また、上記パルスレーザ1008としてKrFエキシマレーザ(波長:248nm、パルス数:10Hz、出力1J/cm2)を用いている。そして、上記n型ZnOコンタクト層102の成長中には、ガス導入管1010を用いて成長室1001内にO2ガスを導入している。
【0104】
次に、図3(b)に示すように、上記n型ZnOコンタクト層102の上方に、遮蔽マスク1011を配置する。この遮蔽マスク1011は、図5に示すような幅150μmのストライプ状の開口1011aを150μm間隔で有している。これ以降に形成される成長層の形状は、遮蔽マスク1011により制限される。
【0105】
次に、ノンドープZnO単結晶から成る原料ターゲット1006と、Ga2O3を添加したMgZnO燒結体から成る原料ターゲット1006とを、所望のMg組成,Gaドーピング濃度が得られる比率で交互にレーザアブレーションして、図3(b)に示すようなn型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層103を選択成長させる。
【0106】
次に、ノンドープZnO単結晶から成る原料ターゲット1006と、ノンドープCdO単結晶から成る原料ターゲット1006とを交互にレーザアブレーションして、n型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層103上にCd0.1Zn0.9O発光層104を選択成長させた。
【0107】
次に、上記ガス導入管1013より導入したN2ガスを、ラジカルセル1009でプラズマ化してサファイア基板101へ向けて照射しながら、ノンドープZnO単結晶から成る原料ターゲット1006と、ノンドープMgZnO燒結体から成る原料ターゲット1006とを交互にレーザアブレーションして、Cd0.1Zn0.9O発光層104上にp型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層105を選択成長させる。
【0108】
次に、上記ガス導入管1013より導入したN2ガスを、ラジカルセル209でプラズマ化してサファイア基板101へ向けて照射しながら、ノンドープZnO単結晶から成る原料ターゲット1006をレーザアブレーションして、p型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層105上にp型ZnOコンタクト層106を選択成長させる。
【0109】
次に、O2ガスおよびN2ガスの導入を停止して成長室1001内の圧力を1×10−4Paに調整し、基板温度を300℃に降温して、Ni(ニッケル)タブレットを原料ターゲットとしてレーザアブレーションして、p型ZnOコンタクト層106上にp型オーミック電極109を選択形成する。
【0110】
次に、O2ガスを流したまま基板温度を350℃に昇温して1分間保持し、p型オーミック電極109のアニールを行なった後、室温まで冷却した。
【0111】
次に、上記サファイア基板101をレーザMBE装置から取り出して、図3(c)に示すように、選択成長層上にのみ、レジストマスク112を形成する。
【0112】
次に、図3(d)に示すように、上記サファイア基板101を電子ビーム蒸着装置に導入し、Alタブレットを原料ターゲットとして真空蒸着を行った後、サファイア基板101を電子ビーム蒸着装置から取り出して、レジストマスク112およびこの上に堆積したAlをリフトオフし、図3(d)に示すように、Alから成るn型金属電極層1107を形成する。
【0113】
次に、上記n型Al金属電極層1107の表面の一部を除いた全表面上に、図4(e)に示すようなレジストマスク113を形成する。引き続き、エッチングによりn型金属電極層1107に直径50μmの開口を形成する。これにより、直径50μmの開口を有するn型金属電極層107が得られる。
【0114】
次に、上記レジストマスク113のみを部分的にエッチングして、レジストマスク113の開口の直径を100μmに広げ、図4(f)に示すようなレジストマスク113aを形成する。
【0115】
次に、上記サファイア基板101を再度電子ビーム蒸着装置へ導入して、TiO2タブレットを原料として真空蒸着を行う。これにより、上記n型ZnOコンタクト層およびn型金属電極層107の一部と、レジストマスク113aとの上に、TiO2層1108が得られる。
【0116】
次に、上記サファイア基板101を電子ビーム蒸着装置から取り出して、レジストマスク113aおよびその上に堆積したTiO2層1108をリフトオフする。これにより、上記n型ZnOコンタクト層およびn型金属電極層107の一部上に、図4(g)に示すようなn型酸化物電極層108が得られる。
【0117】
次に、上記サファイア基板101を再度電子ビーム蒸着装置へ導入し、Auタブレットを原料として電子ビーム蒸着を行う。そして、上記サファイア基板101を電子ビーム蒸着装置から取り出して、エッチングによりAuを直径100μmに加工して、図3(h)に示すようなAuパッド電極110,111を形成する。
【0118】
最後に、上記サファイア基板101をアニール炉に導入し、常圧大気中で温度350℃で1分間アニールを行って、サファイア基板101を300μmのチップ状に分割すると本実施形態1の発光ダイオード素子が得られる。
【0119】
上記発光ダイオード素子のAuパッド電極110,111の各々をリードフレームにワイヤボンディングした後、樹脂でモールドし発光させたところ、発光ピーク波長410nmの青色発光が得られた。また、上記発光ダイオード素子は、20mAの動作電流における動作電圧が3.6Vであった。
【0120】
図6に、n型金属電極層107の層厚と発光ダイオード素子の動作電圧との関係を実線で示すと共に、n型金属電極層107の層厚と発光ダイオード素子の発光強度との関係を点線で示す。
【0121】
図6から判るように、上記発光ダイオード素子の動作電圧は、n型金属電極層107の層厚が5nmを超えると動作電圧は減少し、n型金属電極層107の層厚が100nm以上でほぼ飽和する。つまり、上記n型金属電極層107の層厚を100nm以上では、発光ダイオード素子の動作電圧は低い値でほぼ変化していない。
【0122】
一方、上記発光ダイオード素子の発光強度は、n型金属電極層107の膜厚が100nmまでは大きく低下していないが、n型金属電極層107の膜厚が100nmを越えるとn型金属電極層107の透光性も低下してくるので発光強度が急激に低下する。
【0123】
以上の結果より、上記発光ダイオード素子において、動作電圧を低く保ち、且つ、高い発光強度を得るには、n型金属電極層107の層厚は5nm以上100nm以下が好ましい。
【0124】
また、100個の発光ダイオード素子のチップをリードフレームに実装したところ、Auパッド電極110,111にワイヤボンディングする際に電極剥れは1つも生じなかった。
【0125】
比較例1として、TiO2から成るn型酸化物電極層108の代わりに、Tiから成るn型金属電極層を用いた他は、本実施形態1と同様に発光ダイオード素子を作製した。そして、100個の比較例1の発光ダイオード素子をリードフレームに実装したところ、n型金属電極層上のAuパッド電極をポストにワイヤボンディングする際に、25個の発光ダイオード素子で電極剥れが生じ、20個の発光ダイオード素子で動作電圧が5V以上になってしまった。
【0126】
比較例2として、Alから成るn金属電極層107の代わりに、開口が形成されていなくてAlから成るn型金属電極を用いた他は、本実施形態1と同様にして発光ダイオード素子を作製した。つまり、比較例2の発光ダイオード素子では、TiO2から成るn型酸化物電極層はn型ZnOコンタク層に接していない。そして、100個の比較例2の発光ダイオード素子をリードフレームに実装したところ、n型酸化物電極層上のAuパッド電極をポストにワイヤボンディングする際に、10個の発光ダイオード素子で電極剥れが生じ、8個の発光ダイオード素子で動作電圧が5V以上になってしまった。
【0127】
以上のように、比較例1,比較例2の発光ダイオード素子は、n型ZnOコンタクト層に対するn型オーミック電極の密着性が弱いため、製造歩留まりが低くなる。これに対して、本実施形態1の発光ダイオード素子は、n型ZnOコンタクト層102に対するn型オーミック電極の密着性が高いので、製造歩留まりの低下はない。このように比較例1,比較例2の発光ダイオード素子に比べて、本実施形態1の発光ダイオード素子のn型オーミック電極の密着性が飛躍的に高くなる理由としては、酸化物電極層の介在によって密着性が向上し、特に金属電極層と酸化物電極層とのいずれもが酸化物電極層と接合面を有するからである。つまり、n型金属電極層107とn型酸化物電極層108との両方がn型ZnOコンタクト層102に接するからである。
【0128】
上記実施形態1では、金属電極層の一例としてn型金属電極層107を用いていたが、B(ホウ素)、Al、Ga、InおよびTl(タリウム)のうちの少なくとも1つから成る金属電極層を用いてもよい。または、B、Al、Ga、InおよびTlのうちの少なくとも1つで一部が構成された金属電極層を用いてもよい。特に、Alから成る金属電極層は、Alが安価であるから好ましい。
【0129】
比較例3として、TiO2から成るn型酸化物電極層108の代わりに、NiOから成るn型酸化物電極層を用いた他は、本実施形態1と同様にして発光ダイオード素子を作製した。そして、100個の比較例3の発光ダイオード素子をリードフレームに実装したところ、n型酸化物電極層上のAuパッド電極をポストにワイヤボンディングする際に、100個の発光ダイオード素子において電極剥れは1つも生じなかった。しかし、100個の発光ダイオード素子の動作電圧は全て5V以上になってしまった。
【0130】
このように、比較例3の発光ダイオード素子では、NiOから成るn型酸化物電極層を用いたことによって、n型ZnOコンタクト層に対するIIIB族元素のオーミック接触が著しく阻害されてしまう。これに対して、本実施形態1の発光ダイオード素子は、TiO2から成るn型酸化物電極層108がn型ZnOコンタクト層に対するIIIB族元素のオーミック接触を阻害することなく、n型オーミック電極において低電気抵抗ななオーミック接触と強い密着性を両立出来ている。
【0131】
上記実施形態1では、TiO2から成るn型酸化物電極層108を用いたが、例えば、Cr、V、Hf、Zr、Nb、Ta、MoおよびWのうちの少なくとも1つの酸化物から成る酸化物電極層を用いてもよい。または、Cr、V、Hf、Zr、Nb、Ta、MoおよびWのうちの少なくとも1つの酸化物で一部が構成された酸化物電極層を用いてもよい。Cr、V、Hf、Zr、Nb、Ta、MoおよびWの中でも、密着性と成膜の容易性との観点上、Tiを用いるのが好ましい。
【0132】
比較例4として、n型オーミック電極、つまりn型金属電極層およびn型酸化物電極層を形成した後にアニールを行なわない他は、本実施形態1と同様にして発光ダイオード素子を作製した。そして、100個の比較例4の発光ダイオード素子をリードフレームに実装したところ、n型酸化物電極層上のAuパッド電極をポストにワイヤボンディングする際に、4個の発光ダイオード素子で電極剥れが生じ、10個の発光ダイオード素子で動作電圧が5V以上になってしまった。
【0133】
比較例5として、n型オーミック電極、つまりn型金属電極層およびn型酸化物電極層を形成した後のアニールをO2雰囲気下で行った他は、本実施形態1と同様にして発光ダイオード素子を作製した。そして、100個の比較例5の発光ダイオード素子をリードフレームに実装したところ、n型酸化物電極層上のAuパッド電極をポストにワイヤボンディングする際に、10個の発光ダイオード素子で電極剥れが生じ、15個の発光ダイオード素子で動作電圧が5V以上になってしまった。
【0134】
以上のように、比較例4,比較例5の発光ダイオード素子によれば、n型金属電極層およびn型酸化物電極層を形成した後のアニールをO2雰囲気ですると、n型金属電極層が酸化してしまうため、n型オーミック電極のオーミック抵抗が増大すると共に、n型ZnOコンタクト層に対するn型オーミック電極の密着性が低下してしまう。つまり、n型オーミック電極形成後のアニールはO2雰囲気で行わないほうがよい。
【0135】
一方、p型オーミック電極形成後のアニールは、O2雰囲気中で行った方が、p型オーミック電極の電気抵抗が低減するので好ましい。
【0136】
したがって、本実施形態1のように、p型オーミック電極109の形成後、かつ、n型オーミック電極形成前のアニールはO2雰囲気で行うと共に、n型オーミック電極形成後のアニールは大気雰囲気で行うのが好ましい。なお、n型オーミック電極形成後のアニールをN2雰囲気で行うのは、n型酸化物電極層108から酸素が脱離して、n型オーミック電極のオーミック抵抗が増大するので好ましくない。
【0137】
比較例6として、Auパッド電極110,111を形成しない他は、本実施形態1と同様にして発光ダイオード素子を作製した。そして、100個の比較例6の発光ダイオード素子をリードフレームに実装したところ、60個の発光ダイオード素子がワイヤボンディング出来ず、20個の発光ダイオード素子が通電中にn型酸化物電極層からボンディングワイヤが外れてしまった。
【0138】
したがって、上記n型金属電極層107およびn型酸化物電極層108の効果を最大限に得るには、n型酸化物電極層108上にパッド電極を形成して、そのパッド電極にワイヤボンディングを行うことが好ましい。
【0139】
以下、本実施形態において本発明の効果を最大限に得るための他の構成について記す。
【0140】
p型オーミック電極については、本発明のn型オーミック電極と同様に金属電極層と酸化物電極層との2層構造とし、酸化物電極層が金属電極層およびp型コンタクト層のいずれとも接合面を有するようにすることが好ましい。p型オーミック電極の金属電極層の材料として、例えば、Pd(パラジウム)、Rh(ロジウム)、Ru(ルテニウム)、Os(オスミウム)、Ir(イリジウム)およびPtなどを用いることが出来る。特に、PdあるいはPtがp型オーミック電極の金属電極層の材料として好ましい。また、p型オーミック電極の酸化物電極層の材料として、例えば、Ni、Ag、Cu(銅)などを用いることが出来る。特に、Niがp型オーミック電極の酸化物電極層の材料として好ましい。
【0141】
p型ZnO系半導体層にドーピングするアクセプタ不純物としては、IA族元素のLi(リチウム)、Cu、AgやVB族元素のN、As(砒素)、P(リン)などを用いることが出来るが、本発明の効果を最大限に得るためには、活性化率が高いN、LiおよびAgが特に好ましく、更にNはN2をプラズマ化し結晶成長中に照射する手法によって、結晶性を良好に保って高濃度ドーピングが行えるので好ましい。
【0142】
本明細書において、ZnO系半導体とは、ZnOおよびこれを母体としたMgZnOあるいはCdZnOなどで表される混晶を含めるものを指す。
【0143】
n型ZnO系半導体層にドーピングするドナー不純物としては、IIIB族元素のB、Al、Ga、Inなどを用いることが出来るが、ZnO系半導体中での活性化率が高いGaまたはAlが好ましい。
【0144】
本実施形態1において示したように、発光ダイオード素子の発光効率を向上させるには、n型クラッド層,p型クラッド層上にオーミック電極を形成せず、n型コンタクト層,p型コンタクト層を設けて素子の電気抵抗を下げることが好ましい。n型コンタクト層,p型コンタクト層の材料としては、結晶性に優れキャリア濃度を高く出来るのでZnOが好ましい。また、ZnOコンタクト層に過剰に不純物ドーピングすると結晶性劣化が顕著となり、本発明の効果が減少するので、5×1016〜5×1019cm−3のキャリア濃度範囲となるようドーピングされることが好ましい。
【0145】
その他の構成は任意であり、本実施形態1によって限定されるものではない。
【0146】
また、上記実施形態1では、n型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層103から図1中上側に向ってp型ZnOコンタクト層106までのエピタキシャル層を遮蔽マスク1011による選択成長で形成したが、そのエピタキシャル層を形成すべき積層体をエッチングして形成してもよい。
【0147】
(実施形態2)
図7に、本実施形態2の発光ダイオード素子の模式断面図を示す。尚、図7において、図1に示した構成部と同一構成部は、図1における構成部と同一参照番号を付して説明を省略する。
【0148】
本実施形態2の発光ダイオード素子は、TiO2から成るn型酸化物電極層108を100μm径に加工しない他は、上記実施形態1と同様にして作製したものである。つまり、本実施形態2の発光ダイオード素子では、n型ZnOコンタクト層102の一部とn型金属電極層107との上に、酸化物電極層の一例としてのn型酸化物電極層208を形成している。このn型酸化物電極層208は、遷移金属酸化物の一例としてのTiO2から成っている。
【0149】
本実施形態2の発光ダイオード素子は、n型金属電極層107とn型酸化物電極層208とから成るn型オーミック電極の全体の厚みが増したため、発光強度は上記実施形態1の発光ダイオード素子に比べて5%低減したが、動作電圧は上記実施形態1の発光ダイオード素子と同じであった。
【0150】
また、上記実施形態1の発光ダイオード素子に比べて、n型酸化物電極層を加工する工程が無くなったので、作製プロセスが簡略化した。
【0151】
また、n型金属電極層107がn型酸化物電極層108で覆われているので、n型金属電極層107が劣化して電気抵抗が増大することがない。よって上記実施形態1の発光ダイオード素子に比べて、信頼性が向上する。
【0152】
(実施形態3)
本実施形態3の発光ダイオード素子は、サファイア基板101上にp型オーミック電極109を積層後、遮蔽マスク1011の位置を移動して成長層を覆い、露出しているn型ZnOコンタクト層102上に、n型金属電極層107として、15nmのAlと10nmのTiの積層膜を選択形成する他は、上記実施形態1と同様に作製する。つまり、本実施形態3の発光ダイオード素子は、n型ZnOコンタクト層102からn型金属電極層107までの層形成をレーザMBE装置内で連続して行った点と、n型金属電極層を15nmのAl層と10nmのTi層とで構成した点とが、上記実施形態1の発光ダイオード素子と異なっている。
【0153】
500個の本実施形態3の発光ダイオード素子をリードフレームに実装したところ、n型オーミック電極上のAuパッド電極110をワイヤボンディングする際に、全ての発光ダイオード素子において、電極剥れが全く生じず、且つ、動作電圧が3.6V以下であった。
【0154】
これに対して、500個の上記実施形態1の発光ダイオード素子をリードフレームに実装したところ、n型オーミック電極上のAuパッド電極110をワイヤボンディングする際に、5個の発光ダイオード素子で電極剥れが生じ、7個の発光ダイオード素子で動作電圧が4V以上であった。
【0155】
このように、上記実施形態1の発光ダイオード素子において、電極剥れが生じたり、動作電圧が上昇したりする理由としては、n型金属電極層107を形成する際に、酸化物半導体(n型ZnOコンタクト層102)が一旦大気に晒されて、その酸化物半導体の表面に水分などが付着したためだと考えられる。
【0156】
本実施形態3の発光ダイオード素子では、n型ZnOコンタクト層102からn型金属電極層107までの層形成をレーザMBE装置内で連続することにより、n型ZnOコンタクト層102のn型金属電極層107を形成すべき領域に水分などが付着するのを防いでいる。その結果、上記実施形態1の発光ダイオード素子よりも、n型オーミック電極のオーミック抵抗が低く、且つ、n型ZnOコンタクト層102とn型金属電極層との密着性が高くなる。
【0157】
なお、本実施形態3では、n型金属電極層を形成した後にレーザMBE装置から取り出して大気に晒しているが、n型酸化物電極層108もレーザMBE装置内で連続して形成すると、更に本発明の効果は高くなる。つまり、上記n型オーミック電極のオーミック抵抗が更に低く、且つ、n型ZnOコンタクト層102とn型金属電極層との密着性が更に高くなる。
【0158】
しかし、上記n型ZnOコンタクト層102からn型酸化物電極層108までの層形成をレーザMBE装置内で連続して行うには、レーザMBE装置内でn型金属電極層の開口を形成する工程などを行う必要が生じるため、製造工程が複雑化し、製造コストが増大してしまう。したがって、上記レーザMBE装置内で連続して形成するのは、n型ZnOコンタクト層102からn型金属電極層までの層とするのが好ましい。また、この場合は、遮蔽マスク1011を用いた選択形成など簡便な製造方法で対応出来、実用上問題無く本発明の効果を奏することが出来る。
【0159】
また、本実施形態3のn型金属電極層は、Al層とTi層との積層体から成って、酸化されやすいAl層をTi層が保護している。このため、上記n型金属電極層の形成後にO2雰囲気中でアニール処理を行っても、n型金属電極層とn型酸化物電極層108とで構成するn型オーミック電極のオーミック抵抗がすることがない。
【0160】
上記実施形態3では、Al層上にTi層を形成していたが、Al層上に、Cr、V、Hf、Zr、Nb、Ta、MoおよびWのうちの少なくとも1つから成る層を形成してもよい。つまり、上記Al層上に積層する保護層としては、n型酸化物電極層が含む遷移金属を用いて形成するのが好ましい。
【0161】
また、基板上の酸化物半導体から電極形成までをレーザMBE法で連続して行うには、結晶成長装置内に複数の成長室を設け、酸化物半導体を成長後に成長室を移動して電極形成を行うようにしてもよい。
【0162】
また、レーザアブレーション法は、酸化物半導体を原子層レベルでエピタキシャル成長することが出来る上に、金属薄膜の形成に適している。したがって、レーザアブレーション装置を用いると、原料ターゲットを変更するだけで、酸化物半導体と、電極とすべき金属薄膜とを同一成長室内で連続形成出来る。
【0163】
(実施形態4)
図8に、本実施形態4の発光ダイオード素子の模式断面図を示す。尚、図8において、図1に示す構成部と同一構成部は、図1における構成部と同一参照番号を付して説明を省略する。
【0164】
本実施形態4の発光ダイオード素子は、上記実施形態1におけるn型金属電極層107とn型酸化物電極層108を逆にしている。すなわち、本実施形態4の発光ダイオード素子はでは、図8に示すように、n型ZnOコンタクト層102の一部上に、酸化物電極層の一例としての厚さ15nmのn型酸化物電極層308を形成した後、n型酸化物電極層308上に、金属電極層の一例としてのn型金属電極層307を形成する。これにより、上記n型金属電極層307がn型酸化物電極層308に接する。
【0165】
上記n型酸化物電極層308は、遷移金属酸化物の一例としてのTiO2から成って、透光性を有している。また、上記n型酸化物電極層308の中央部には、図中上側(サファイア基板101とは反対側)の表面からn型ZnOコンタクト層102に達する直径30μmの貫通穴が形成されている。このn型酸化物電極層308の貫通穴をn型金属電極層307の一部が埋めていることにより、n型金属電極層307がn型ZnOコンタクト層102に接する。
【0166】
上記n型金属電極層307は、IIIB族元素の一例としてのAlから成っている。また、上記n型金属電極層307において、n型酸化物電極層308よりも上方に位置する部分は直径100μmの円板形状となっている。また、上記n型金属電極層307において、最も厚い部分の厚さは30nmとなっている。
【0167】
本実施形態4の発光ダイオード素子を上記実施形態1と同様の手法でリードフレームに実装し発光させたところ、本実施形態4の発光ダイオード素子から発光ピーク波長410nmの青色発光が得られた。
【0168】
また、本実施形態4の発光ダイオード素子は、上記実施形態2の発光ダイオード素子と動作電圧および発光強度がほぼ同じであった。
【0169】
また、100個の本実施形態4の発光ダイオード素子をリードフレームに実装したところ、n型オーミック電極上のAuパッド電極110をポストにワイヤボンディングする際に、全ての発光ダイオード素子で電極剥れが生じなかった。
【0170】
(実施形態5)
図9(a)に、本実施形態5の発光ダイオード素子の構造断面図を示し、図9(b)に、上記発光ダイオード素子の下面図を示す。
【0171】
上記発光ダイオード素子は、n型ZnO単結晶基板401上に、Gaを3×1018cm−3の濃度でドーピングした厚さ0.2μmのn型ZnOバッファ層402、Gaを1×1018cm−3の濃度でドーピングした厚さ1μmのn型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層403、厚さ0.1μmのノンドープCd0.1Zn0.9O発光層404、Nを1×1020cm−3の濃度でドーピングした厚さ1μmのp型Mg0 .1Zn0.9Oクラッド層405、Nを5×1020cm−3の濃度でドーピングした厚さ0.3μmのp型ZnOコンタクト層406が順次積層されている。
【0172】
本実施形態5では、上記n型ZnO単結晶基板401が基板の一例に、n型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層403がn型クラッド層の一例に、Cd0.1Zn0.9O発光層404が活性層の一例に、p型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層405がp型クラッド層の一例にそれぞれ相当する。また、上記n型ZnO単結晶基板401は、n型伝導性の酸化物半導体の一例にも相当している。
【0173】
上記n型ZnO単結晶基板401の裏面下には、金属電極層の一例としてのn型金属電極層407を形成している。これにより、上記n型金属電極層407は、n型ZnO単結晶基板401に直接接している。上記n型金属電極層407は、IIIB族元素の一例としてのAlから成って透光性を有している。そして、上記n型金属電極層407は、図9(b)に示すように、所定の形状にパターニングされている。このため、上記n型ZnO単結晶基板401の裏面においては、n型金属電極層407が形成されていない領域が存在する。
【0174】
この領域下、および、n型金属電極層407下には、酸化物電極層の一例としてのn型酸化物電極層408を形成している。これにより、上記n型酸化物電極層408は、n型ZnO単結晶基板401に直接接していると共に、n型金属電極層407に直接接している。このn型酸化物電極層408は、遷移金属酸化物の一例としてのTiO2から成っている。
【0175】
また、上記p型ZnOコンタクト層406の主表面全面、つまり図中上側の表面の全面には、p型オーミック電極409が積層されている。このp型オーミック電極409は、Niから成って透光性を有している。
【0176】
また、上記n型酸化物電極層408下にAuパッド電極410を設けると共に、p型オーミック電極409上にもボンディング用Auパッド電極411を設けている。
【0177】
上記構成の発光ダイオード素子は、300μm角のチップ状に分離して得られる。このような発光ダイオード素子において、基板裏面のAuパッド電極410をAgペーストでリードフレームに接着し、p型オーミック電極409上のAuパッド電極411はリードフレームにワイヤボンディングした後、樹脂でモールドし発光させたところ、上記実施形態1と同様に発光ピーク波長410nmの青色発光が得られた。
【0178】
また、上記発光ダイオード素子は、20mAの動作電流における動作電圧は上記実施形態1よりも低く3.3Vであった。このように動作電圧が低減したのは、導電性のn型ZnO単結晶基板401を用いたことにより、n型ZnO単結晶基板401上に形成する層の結晶性が改善されて発光効率が向上したことに加え、n型オーミック電極の面積が増大したことにより、酸化半導体に対するn型オーミック電極の接触抵抗が低減したためであると考えられる。
【0179】
上記実施形態6において、n型金属電極層407の形状は、チップ側辺に対し45°傾斜したストライプ状としたが、n型金属電極層407の形状は本実施形態6に限定されるものではなく、n型金属電極層407がn型ZnO単結晶基板401およびn型酸化物電極層408のいずれとも接合面を有していればよい。
【0180】
(実施形態6)
本実施形態6の発光ダイオード素子は、n型金属電極層107の代わりに、Ga層とW層とから成るn型金属電極層を用い、n型酸化物電極層108の代わりに、WOxから成るn型酸化物電極層を用いた他は、上記実施形態1と同様に作製したものである。上記n型酸化物電極層は、例えば、O2ガスとWタブレットを用いて真空蒸着法で形成している。
【0181】
本実施形態6の発光ダイオード素子を上記実施形態1と同様の手法でリードフレームに実装して発光させたところ、発光ピーク波長410nmの青色発光が得られた。
【0182】
また、本実施形態6の発光ダイオード素子において、20mAの動作電流における動作電圧および発光強度は上記実施形態1とほぼ同じであった。
【0183】
また、100個の本実施形態6の発光ダイオード素子をリードフレームに実装したところ、n型オーミック電極上のAuパッド電極110をポストにワイヤボンディングする際に、全ての発光ダイオード素子において電極剥れは生じなかった。
【0184】
(実施形態7)
本実施形態7の発光ダイオード素子は、n型金属電極層107の代わりに、In層とCr層とで構成したn型金属電極層を用い、遷移金属酸化物の一例としてのCrOから成るn型酸化物電極層を用いた他は、上記実施形態1と同様に作製したものである。したがって、上記n型金属電極層が、IIIB族元素の一例としてのInを含んでいる。また、上記n型酸化物電極層は、例えば、CrOターゲットを用いてレーザアブレーション法でCrOを形成している。
【0185】
本実施形態7の発光ダイオード素子を上記実施形態1と同様の手法でリードフレームに実装し発光させたところ、発光ピーク波長410nmの青色発光が得られた。
【0186】
また、本実施形態7の発光ダイオード素子において、20mAの動作電流における動作電圧および発光強度は上記実施形態4とほぼ同じであった。
【0187】
また、100個の本実施形態7の発光ダイオード素子をリードフレームに実装したところ、n型オーミック電極上のAuパッド電極110をポストにワイヤボンディングする際に、全ての発光ダイオード素子において電極剥れは生じなかった。
【0188】
(実施形態8)
図10に、本実施形態8の発光ダイオード素子の模式断面図を示す。尚、図10において、図1に示す構成部と同一構成部は、図1における構成部と同一参照番号を付して説明を省略する。
【0189】
本実施形態8の発光ダイオード素子は、n型酸化物電極層108とAuパッド電極110との間に中間層114を形成すると共に、p型オーミック電極109とAuパッド電極111との間に中間層115を形成した他は、上記実施形態1と同様にして作製したものである。
【0190】
上記中間層114,115は、Agから成っていて、厚さが100nmとなっている。
【0191】
本実施形態8の発光ダイオード素子を上記実施形態1と同様の手法でリードフレームに実装し発光させたところ、発光ピーク波長410nmの青色発光が得られた。
【0192】
また、本実施形態8の発光ダイオード素子にいおいて、動作電圧は上記実施形態1とほぼ同じであったが、発光層104の発光を反射率の高い中間層114,115で反射されチップ側面から取り出されたため、発光強度は10%増大した。
【0193】
(実施形態9)
本実施形態9では、ZnO系半導体レーザ素子に本発明を適用した例を示す。
【0194】
図11に、本実施形態のZnO系半導体レーザ素子の模式斜視図を示す。
【0195】
上記半導体レーザ素子は、亜鉛面を主面としたn型ZnO単結晶基板501上に、Gaドーピング濃度が1×1018cm−3で厚さ0.1μmのZnOバッファ層502、Gaドーピング濃度が3×1018cm−3で厚さ1.0μmのn型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層503、Gaドーピング濃度が5×1017cm−3で厚さ30nmのn型ZnO光ガイド層512、ノンドープ量子井戸活性層504、Nドーピング濃度が5×1018cm−3で厚さ30nmのp型ZnO光ガイド層513、Nドーピング濃度が1×1020cm−3で厚さ1.2μmのp型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層505、Nドーピング濃度が1×1020cm−3で厚さ0.5μmのp型ZnOコンタクト層506が積層されている。
【0196】
本実施形態9では、上記n型ZnO単結晶基板501が基板の一例に、n型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層503がn型クラッド層の一例に、量子井戸活性層504が活性層の一例に、p型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層505がp型クラッド層の一例にそれぞれ相当する。また、上記n型ZnO単結晶基板501は、n型伝導性の酸化物半導体の一例にも相当している。
【0197】
上記量子井戸活性層504は、厚さ5nmのZnO障壁層と、厚さ6nmのCd0.1Zn0.9O井戸層とが交互に積層されて成っている。また、上記ZnO障壁層は2層ある一方、Cd0.1Zn0.9O井戸層は3層ある。
【0198】
上記p型Mg0.1Zn0.9Oクラッド層505の一部、および、p型ZnOコンタクト層506は、リッジストライプ形状にエッチング加工されて、側面がGaが1×1018cm−3の濃度でドーピングされたn型Mg0.3Zn0.7O電流ブロック層514によって埋め込まれている。
【0199】
上記n型ZnO単結晶基板501の裏面下には、上記実施形態5と同じ構造で、金属電極層の一例としてのn型金属電極層507、酸化物電極層の一例としてのn型酸化物電極層508を形成している。上記n型金属電極層507はIIIB族元素の一例としてのAlから成り、n型酸化物電極層508は遷移金属酸化物の一例としてのTiO2から成っている。そして、上記n型金属電極層507はn型ZnO単結晶基板501に直接接し、n型酸化物電極層508はn型ZnO単結晶基板501およびn型金属電極層507に直接接している。また、上記n型酸化物電極層508下には、ボンディング用Auパッド電極510を形成している。
【0200】
上記p型ZnOコンタクト層506、および、n型Mg0.3Zn0.7O電流ブロック層514の一部上には、リッジストライプ(p型ZnOコンタクト層506)より広く素子幅より狭い幅で、厚さ100nmのPt金属電極層516が形成され、Pt金属電極層516を覆うように厚さ100nmのNiO酸化物電極層515が形成され、最上面全面にボンディング用Auパッド電極511が積層されて、p型オーミック電極を形成している。
【0201】
上述の構造を作製後、ZnO基板501を劈開して端面ミラーを形成し、保護膜を真空蒸着した後、素子を300μmに分離して、本実施形態9の半導体レーザ素子を得た。
【0202】
本実施形態9の半導体レーザ素子に電流を流したところ、端面から波長400nmの青色発振光が得られた。
【0203】
比較例7の半導体レーザ素子として、TiO2から成るn型酸化物電極層508を形成しない他は、本実施形態9と同様に作製したところ、30個の素子が通電中にn型オーミック電極剥れを生じた。
【0204】
比較例8の半導体レーザ素子として、Alから成るn型金属電極層507を形成しない他は、本実施形態9と同様に作製した。この比較例8の半導体レーザ素子は、本実施形態9に比べて発振閾値電流が20%増大し、光出力5mWにおける動作電圧は30%増大した。
【0205】
以上のように、本発明の酸化物半導体の電極は半導体レーザ素子に適用しても十分な抵抗低減とレーザ特性の向上効果を奏する。
【0206】
【発明の効果】
以上より明らかなように、本発明の酸化物半導体の電極は、少なくともIIIB族元素を含む金属電極層がn型伝導性の酸化物半導体に接すると共に、少なくとも遷移金属酸化物を含む酸化物電極層がn型伝導性の酸化物半導体と金属電極層との両方に接するので、例えばn型オーミック電極のn型酸化物半導体に対する密着性を向上させることが出来、且つ、n型オーミック電極のオーミック抵抗を下げることが出来る。
【0207】
また、上記酸化物半導体の電極を電子デバイスに用いることにより、電子デバイスの信頼性を格段に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施形態1の発光ダイオード素子の模式断面図である。
【図2】図2は上記発光ダイオード素子の製造に用いるレーザMBE装置の概略構成図である。
【図3】図3(a)〜(d)は上記発光ダイオード素子の製造方法を説明するための図である。
【図4】図4(e)〜(h)は上記発光ダイオード素子の製造方法を説明するための図である。
【図5】図5は上記レーザMBEの遮蔽マスクの上面図である。
【図6】図6は、n型金属電極層の層厚と発光ダイオード素子の動作電圧との関係を実線で示すと共に、n型金属電極層の層厚と発光ダイオード素子の発光強度との関係を点線で示すグラフである。
【図7】図7は本発明の実施形態2の発光ダイオード素子の模式断面図である。
【図8】図8は本発明の実施形態4の発光ダイオード素子の模式断面図である。
【図9】図9(a)は本発明の実施形態5の発光ダイオード素子の構造断面図であり、図9(b)は上記発光ダイオード素子の下面図を示す。
【図10】図10は本発明の実施形態8の発光ダイオード素子の模式断面図である。
【図11】図11は本発明の実施形態9ののZnO系半導体レーザ素子の模式斜視図である。
【符号の説明】
107,307,407,507 n型金属電極層
108,208,308,408,508 n型酸化物電極層
401,501 n型ZnO単結晶基板
Claims (24)
- n型伝導性の酸化物半導体上に形成されて上記n型伝導性の酸化物半導体に接すると共に、少なくともIIIB族元素を含む金属電極層と、
上記n型伝導性の酸化物半導体と上記金属電極層との両方に接すると共に、少なくとも遷移金属酸化物を含む酸化物電極層とを備えたことを特徴とする酸化物半導体の電極。 - 請求項1に記載の酸化物半導体の電極において、
上記酸化物電極層が含む遷移金属酸化物は、Ti、Cr、V、Hf、Zr、Nb、Ta、MoおよびWの酸化物のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする酸化物半導体の電極。 - 請求項1に記載の酸化物半導体の電極において、
上記金属電極層において上記酸化物電極層と接する表面は、上記酸化物電極層が含んでいる上記遷移金属酸化物で覆われていることを特徴とする酸化物半導体の電極。 - 請求項2に記載の酸化物半導体の電極において、
上記酸化物電極層が含む遷移金属酸化物はTiOx(xは正の整数)であることを特徴とする酸化物半導体の電極。 - 請求項1に記載の酸化物半導体の電極において、
上記金属電極層上にパッド電極層が形成されていることを特徴とする酸化物半導体の電極。 - 請求項5に記載の酸化物半導体の電極において、
上記金属電極層と上記パッド電極層との間に、Agを含む金属中間層が形成されていることを特徴とする酸化物半導体の電極。 - 請求項1に記載の酸化物半導体の電極において、
上記酸化物電極層上にパッド電極層が形成されていることを特徴とする酸化物半導体の電極。 - 請求項7に記載の酸化物半導体の電極において、
上記酸化物電極層と上記パッド電極層との間に、Agを含む金属中間層が形成されていることを特徴とする酸化物半導体の電極。 - 請求項1に記載の酸化物半導体の電極において、
上記金属電極層および上記酸化物電極層の各厚さは5〜100nmの範囲内であることを特徴とする酸化物半導体の電極。 - 請求項1に記載の酸化物半導体の電極の製造方法であって、
上記n型伝導性の酸化物半導体上に、上記金属電極層とすべき金属層を形成する工程と、
上記金属層をパターニングして上記金属電極層を形成することにより、上記n型伝導性の酸化物半導体の上記金属電極層側の表面の一部を露出させる工程と、
上記n型伝導性の酸化物半導体の上記金属電極層側の表面の一部および上記金属電極層上に、上記酸化物電極層を形成する工程とを備えたことを特徴とする酸化物半導体の電極の製造方法。 - 請求項1に記載の酸化物半導体の電極の製造方法であって、
上記n型伝導性の酸化物半導体上に、上記酸化物電極層とすべき酸化物層を形成する工程と、
上記酸化物層をパターニングして上記酸化物電極層を形成することにより、上記n型伝導性の酸化物半導体の上記酸化物電極層側の表面の一部を露出させる工程と、
上記n型伝導性の酸化物半導体の上記酸化物電極層側の表面の一部および上記酸化物電極層上に、上記金属電極層を形成する工程とを備えたことを特徴とする酸化物半導体の電の製造方法。 - 請求項10または11に記載の酸化物半導体の電極の製造方法において、
上記酸化物電極層は、上記遷移金属酸化物を蒸着源とし、真空蒸着法で形成することを特徴とする酸化物半導体の電極の製造方法。 - 請求項10または11に記載の酸化物半導体の電極の製造方法において、
上記酸化物電極層は、遷移金属を蒸着源とし、酸素雰囲気中における蒸着法で形成することを特徴とする酸化物半導体の電極の製造方法。 - 請求項10または11に記載の酸化物半導体の電極の製造方法において、
上記酸化物電極層は、上記遷移金属酸化物を原料ターゲットとし、スパッタリング法で形成することを特徴とする酸化物半導体の電極の製造方法。 - 請求項10または11に記載の酸化物半導体の電極の製造方法において、
上記酸化物電極層は、遷移金属を原料ターゲットとし、酸素雰囲気中におけるスパッタリング法で形成することを特徴とする酸化物半導体の電極の製造方法。 - 請求項10または11に記載の酸化物半導体の電極の製造方法において、
上記酸化物電極層は、上記遷移金属酸化物を原料ターゲットとし、レーザアブレーション法で形成することを特徴とする酸化物半導体の電極および酸化物半導体の電極の製造方法。 - 請求項10または11に記載の酸化物半導体の電極の製造方法において、
上記酸化物電極層は、遷移金属を原料ターゲットとし、酸素雰囲気中におけるレーザアブレーション法で形成することを特徴とする酸化物半導体の電極の製造方法。 - 請求項10に記載の酸化物半導体の電極の製造方法において、
上記金属電極層とすべき金属層を形成する工程は、上記n型伝導性の酸化物半導体を大気に晒さないで行うことを特徴とする酸化物半導体発光素子の製造方法。 - 請求項11に記載の酸化物半導体の電極の製造方法において、
上記酸化物電極層とすべき酸化物層を形成する工程は、上記n型伝導性の酸化物半導体を大気に晒さないで行うことを特徴とする酸化物半導体発光素子の製造方法。 - 請求項10または11に記載の酸化物半導体の電極の製造方法において、
上記n型伝導性の酸化物半導体をレーザアブレーション法で形成することを特徴とする酸化物半導体発光素子の製造方法。 - 請求項10または11に記載の酸化物半導体の電極の製造方法において、
上記金属電極層と上記酸化物電極層とに熱処理を施すことを特徴する酸化物半導体の電極の製造方法。 - 請求項21に記載の酸化物半導体の電極の製造方法において、
上記熱処理の温度は300〜400℃の範囲内であることを特徴する酸化物半導体の電極の製造方法。 - 請求項1に記載の酸化物半導体の電極を備えたことを特徴とする酸化物半導体発光素子。
- 請求項23に記載の酸化物半導体発光素子において、
活性層と、
上記n型伝導性の酸化物半導体である基板またはn型コンタクト層と、
上記活性層と、上記基板またはn型コンタクト層との間に形成されたn型クラッド層と、
上記活性層において上記n型クラッド層とは反対側に形成されたp型クラッド層とを備え、
上記活性層、基板またはn型コンタクト層、n型クラッド層およびp型クラッド層は酸化物半導体から成ることを特徴とする酸化物半導体発光素子。
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