JP2004319473A - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラズマディスプレイパネルの基板への成膜において、成膜室の状態を適正に制御することで、良好な膜を形成することができるプラズマディスプレイパネルの製造方法を実現する。
【解決手段】前面基板3を基板保持具30に保持させて成膜を行う成膜工程を有するプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、成膜に際し、基板保持具30は繰り返し使用し、成膜工程は、繰り返し使用することにより膜が付着した状態となっている基板保持具30と、付着した膜を除去した状態とした基板保持具30とを、成膜室である蒸着室21内に混在させて行い、蒸着室21内の、真空度などの状態の変化を小さくする。
【選択図】図2

Description

本発明は、大画面で、薄型、軽量のディスプレイ装置として知られるプラズマディスプレイパネル(以下PDPと呼ぶ)の基板への成膜を行う、PDPの製造方法に関するものである。
PDPは、例えば、ガラスなどの基板の表面に電極層を形成し、これを覆って誘電体層を形成し、さらにその上にMgOからなる保護膜を形成する工程を経て製造される。
この保護膜を形成する方法としては、従来からMgOペーストを塗布し焼成する方法や、電子ビームやイオンビームなどを用いた蒸着やスパッタが用いられているが、なかでも、成膜速度が高く比較的良質なMgO膜を形成できる電子ビーム蒸着法が広く用いられている(例えば、非特許文献1参照)。
2001 FPDテクノロジー大全、株式会社電子ジャーナル、2000年10月25日、p598−p600
PDPの基板への成膜は、基板を成膜室で安定して保持する、あるいは成膜室へ安定して搬送入する観点から、通常、基板保持具に保持した状態で行う。したがって、基板への成膜の際には、基板保持具にも同時に成膜材料が付着し膜が形成されてしまう。
ここで、基板に形成する膜の品質を安定させるためには、真空度など、成膜室内の状態を安定させることが重要である。しかしながら、上述した基板保持具は、成膜工程の度に大気中と成膜室との間を行き来するとともに、その表面に付着した成膜材料は、水をはじめとするガスをよく吸着するため、真空度など成膜室内の状態を大きく変化させる要因となる。
そこで、基板保持具が成膜室内の状態に与える影響度合いを低減するために、例えば、ガス放出源となる成膜材料が付着した基板保持具を、成膜材料が付着していない基板保持具と交換し、成膜室内において放出されるガスの量を低減することで、真空度などの成膜室内の状態の安定化を図ることが行われる。
しかしながら、成膜室内において放出されるガス量を低減して、真空度などの成膜室内の状態をよくする方向であっても、その状態変化が大きい場合には形成される膜の品質も大きく変化し、PDPの特性にばらつきが発生してしまうことがわかった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、PDPの基板への成膜において、成膜室の状態を適正に制御することで、良好な膜を形成することができるPDPの製造方法を実現することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のPDPの製造方法は、基板を基板保持具に保持させて成膜を行う成膜工程を有するPDPの製造方法において、成膜に際し、基板保持具は繰り返し使用し、成膜工程は、繰り返し使用することにより膜が付着した状態となっている基板保持具と、付着した膜を除去した状態とした基板保持具とを、成膜室内に混在させて行っている。
このような製造方法によれば、成膜室内の真空度などの状態を最適に保ち、さらに急激な状態変化を抑制することができるため、高品質で安定した膜質を実現できる。
さらに、成膜室内において、繰り返し使用することにより膜が付着した状態となっている基板保持具の数を、付着した膜を除去した状態とした基板保持具の数より多くするとよい。この製造方法によれば、成膜室内の状態変化をより最適に抑制することができる。
さらに、基板保持具は、複数の構成部品を有し、付着した膜を除去した状態の基板保持具が、構成部品の少なくとも一つに付着した膜を除去したものであることが望ましく、さらに状態の変化を抑制してさらに安定した膜質を実現できる。
さらに、複数の構成部品が、基板を保持する枠体と、基板を保持しない枠体に保持させるダミー基板とを有し、付着した膜の除去はダミー基板に対して行うことが望ましく、膜質を安定させることに加えさらに膜の除去作業を簡便に行うことができる。
以上のように本発明によれば、PDPの基板への成膜において、成膜室の状態を適正に制御することで、安定した良好な膜を形成することができるPDPの製造方法を実現することが可能である。
以下、本発明の実施の形態によるPDPの製造方法について、図面を用いて説明する。
(実施の形態)
まず、PDPの構造の一例について説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるPDPの製造方法により製造されるPDPの概略構成の一例を示す断面斜視図である。
PDP1の前面板2は、例えばガラスのような透明且つ絶縁性の前面基板3の一主面上に形成した走査電極4と維持電極5とからなる表示電極6と、その表示電極6を覆う誘電体層7と、さらにその誘電体層7を覆う、例えばMgOによる保護層8とを有する構造である。走査電極4と維持電極5は、電気抵抗の低減を目的として、透明電極4a、5aに金属材料からなるバス電極4b、5bを積層した構造としている。
また背面板9は、例えばガラスのような絶縁性の背面基板10の一主面上に形成したアドレス電極11と、そのアドレス電極11を覆う誘電体層12と、誘電体層12上のアドレス電極11の間に相当する場所に位置する隔壁13と、隔壁13間の蛍光体層14R、14G、14Bとを有する構造である。
そして、前面板2と背面板9とは、隔壁13を挟んで、表示電極6とアドレス電極11とが直交するように対向し、画像表示領域の外の周囲を封着部材により封止した構成である。前面板2と背面板9との間に形成された放電空間15には、例えばHe−Xe系、Ne−Xe系の放電ガスを約66.5kPaの圧力で封入している。そして、放電空間15の表示電極6とアドレス電極11との交差部が放電セル16(単位発光領域)として動作する。
次に、上述したPDP1について、その製造方法を同じく図1を参照しながら説明する。
前面板2は、前面基板3上にまず、走査電極4および維持電極5をストライプ状に形成する。具体的には、前面基板3上に透明電極4a、5aの材料、例えばITOなどの膜を蒸着やスパッタなどの成膜プロセスにより形成し、その後、フォトリソ法などによってパターニングしてストライプ状の透明電極4a、5aを形成する。さらにその上から、バス電極4b、5bの材料、例えばAgを蒸着やスパッタ、あるいは印刷などの成膜プロセスにより形成し、その後、フォトリソ法などによってパターニングしてストライプ状のバス電極4b、5bを形成する。以上により、ストライプ状の走査電極4および維持電極5からなる表示電極6を得ることができる。
次に、以上のようにして形成した表示電極6を誘電体層7で被覆する。誘電体層7は、Pb系のガラス材料を含むペーストを、例えばスクリーン印刷などで塗布した後、焼成することによって、所定の層の厚み(約20〜50μm、好ましくは40μm)となるように形成する。上記Pb系のガラス材料を含むペーストとしては、例えば、PbO、B23、SiO2、およびCaOと有機バインダ(例えば、α−ターピネオールにエチルセルロースを溶解したもの)との混合物が使用される。ここで、有機バインダとは樹脂を有機溶媒に溶解したものであり、エチルセルロース以外に樹脂としてアクリル樹脂、有機溶媒としてブチルカービトールなども使用することができる。さらに、こうした有機バインダに分散剤(例えば、グリセルトリオレエート)などを混入させてもよい。
次に、以上のようにして形成した誘電体層7を保護層8で被覆する。保護層8は、例えば、MgOによるものであり、蒸着やスパッタなどの成膜プロセスにより、所定の厚み(約0.4〜1μm、好ましくは約0.6μm)となるように形成したものである。
一方、背面板9は、背面基板10上にアドレス電極11をストライプ状に形成する。具体的には、背面基板10上に、アドレス電極11の材料、例えばAgによる膜を、蒸着やスパッタ、あるいは印刷などの成膜プロセスにより形成し、その後、フォトリソ法などによってパターニングしてストライプ状にアドレス電極11を形成する。
次に、以上のようにして形成したアドレス電極11を誘電体層12により被覆する。誘電体層12は、例えば、Pb系のガラス材料を含むペーストを、例えば、スクリーン印刷で塗布した後、焼成することによって、所定の層の厚み(約10〜50μm、好ましくは約10μm)となるように形成する。
次に、隔壁13をストライプ状に形成する。隔壁13は、誘電体層12と同様、例えば、Pb系のガラス材料を含むペーストを、例えば、スクリーン印刷法により所定のピッチで繰り返し塗布した後、焼成することによって形成する。ここで、隔壁13の間隙の寸法は、例えば32〜65インチの場合、130〜360μm程度となる。
そして、隔壁13と隔壁13との間の溝には、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各蛍光体粒子により構成される蛍光体層14R、14G、14Bを形成する。これは、各色の蛍光体粒子と有機バインダとからなるペースト状の蛍光体インキを塗布し、これを焼成して有機バインダを焼失させることによって、各蛍光体粒子が結着してなる蛍光体層14R、14G、14Bとして形成する。
以上のようにして作製した前面板2と背面板9とを、前面板2の表示電極6と背面板9のアドレス電極11とが直交するように重ね合わせるとともに、周縁に封着用ガラスを介挿し、これを誘電体層7の焼成温度より低い温度で焼成して形成した気密シール層(図示せず)により封着する。そして、一旦、放電空間15内を高真空に排気した後、例えば、He−Xe系、Ne−Xe系の放電ガスを所定の圧力で封入することによってPDP1を作製する。
次に、以上述べたPDPの製造工程における成膜工程について、保護層8のMgO膜の成膜プロセスを例にして、図面を用いて説明する。まず、成膜装置の構成の一例について説明する。図2は、保護層8を形成するための成膜装置20の概略構成を示す断面図である。
この成膜装置20は、PDPの前面板2の前面基板3に対し、MgOを蒸着させてMgO薄膜である保護層8を形成する真空チャンバーで構成している。成膜装置20は成膜室である蒸着室21と、前面基板3を蒸着室21に投入する前に予備加熱するとともに、予備排気を行うための基板投入室22と、蒸着室21での蒸着が終了した後の前面基板3を冷却するための基板取出室23とから構成している。
以上の、基板投入室22、成膜室である蒸着室21、基板取出室23の各々は、内部を真空雰囲気にできるよう密閉構造となっており、各室ごとに独立して真空排気系24a、24b、24cをそれぞれ備えている。
また、基板投入室22、蒸着室21、基板取出室23を貫いて、搬送ローラー、ワイヤー、チェーンなどで構成される搬送手段25を配設している。また、成膜装置20の外と基板投入室22との間、基板投入室22と蒸着室21との間、蒸着室21と基板取出室23との間、基板取出室23と成膜装置20の外との間を、それぞれ開閉可能な仕切壁26a、26b、26c、26dで仕切っている。そして、搬送手段25の駆動と仕切壁26a、26b、26c、26dの開閉との連動によって、基板投入室22、蒸着室21、基板取出室23のそれぞれの真空度の変動を最低限にしている。前面基板3を成膜装置20外から基板投入室22、蒸着室21、基板取出室23を順に通過させ、それぞれの室での所定の処理を行い、その後、成膜装置20外に搬出する。そして以上の動作により、複数枚の前面基板3を連続的に投入することで、連続してMgOの成膜を行うことが可能である。
また、基板投入室22、蒸着室21の各室には、前面基板3を加熱するための加熱ランプ27a、27bをそれぞれ設置している。なお、装置構成としては上述した以外に、例えば、前面基板3の温度プロファイルの設定条件に応じて、基板投入室22と蒸着室21の間に前面基板3を加熱するための基板加熱室を一つ以上設けたり、また、蒸着室21と基板取出室23の間に基板冷却室を一つ以上設けてもよい。
また、蒸着室21には、蒸着源28aとなるMgO粒子を入れたハース28b、電子銃28c、磁場を印加する偏向マグネット(図示せず)などを設けている。電子銃28cから照射した電子ビーム28dを、偏向マグネットにより発生する磁場によって偏向して蒸着源28aに照射し、蒸着源28aであるMgOの蒸気流28eを発生させる。そして、発生させた蒸気流28eを、前面基板3の表面に堆積させてMgOの保護層8を形成する。なお、この蒸気流28eは、必要時以外はシャッタ28fで遮断できるようになっている。
以上説明した成膜装置20において、前面基板3を基板保持具30に保持させた状態で、基板保持具30を搬送手段25に接続または接触させて成膜装置20内を搬送させている。
次に、前面基板3へMgO膜を成膜する際の工程の流れについて以下に説明する。まず、前面基板3を保持した基板保持具30を、基板投入室22に投入し、真空排気系24aにより予備排気しながら加熱ランプ27aにより加熱する。ここで前面基板3は、表示電極6と誘電体層7とが形成された状態である。
基板投入室22内が所定の真空度に到達したら、仕切壁26bを開けるとともに、搬送手段25を用いて、加熱された状態の前面基板3を基板保持具30に保持された状態で蒸着室21に搬送する。
蒸着室21では、加熱ランプ27bにより前面基板3を加熱してこれを一定温度に保つ。この温度は、表示電極6や誘電体層7が熱劣化することがないように、200〜300℃程度以下に設定される。そして、シャッタ28fを閉じた状態で、電子銃28cから電子ビーム28dを蒸着源28aに照射して予備加熱することにより、MgO粒子からの所定のガス出しを行う。その後、シャッタ28fを開けると、MgOの蒸気流28eが基板保持具30に保持された前面基板3に向けて放射され、前面基板3上にMgOの蒸着膜が堆積して保護層8を形成する。
この成膜工程においては、前面基板3を保持している基板保持具30にも成膜材料が付着することとなる。そして、MgOの蒸着膜である保護層8の膜厚が所定の値(約0.4〜1μm、好ましくは約0.6μm)に達したら、シャッタ28fを閉じ、仕切壁26cを通じて前面基板3を基板取出室23へ搬送する。ここで、搬送手段25は、基板保持具30の両端部のみに接触または接続して搬送する構造となっている。そのため、搬送手段25が前面基板3に蒸気流28eの影を形成し、保護層8の品質に問題を生じさせることはない。
蒸着室21で保護層8が形成された前面基板3は、基板取出室23に搬送され、所定の温度以下に冷却された基板保持具30から取り出される。その後、成膜装置20外に搬送され、蒸着を完了した前面基板3を取り外した後の基板保持具30は、基板投入室22手前に戻され、新たな未成膜の前面基板3を保持した後、成膜装置20に再投入される。
一方、形成される保護層8の品質を安定させるためには、蒸着室21内の状態を安定させることが重要である。しかしながら、上述したように基板保持具30は、大気中と蒸着室21とを行き来するとともに、その基板保持具30表面には成膜中に成膜材料が付着する。付着した成膜材料は、水をはじめとするガスを吸着し、真空度などの蒸着室21内の状態を大きく劣化させてしまう原因となる。そこで、基板保持具30の蒸着室21内に対する影響度合いを低減するために次の工程がなされる場合がある。すなわち、基板取出室23から出た後に蒸着を完了した前面基板3を取り外して新たな未成膜の前面基板3を保持させ、再度、成膜装置20に投入するという過程において、表面に成膜材料が付着した基板保持具30を成膜材料が付着していない基板保持具30と交換する工程である。したがって、成膜材料の付着のない基板保持具30に交換して、新たな未成膜の前面基板3を保持させ、成膜装置20に再投入するという工程である。
このことにより、蒸着室21内におけるガス放出源である基板保持具30表面に付着した成膜材料が除去された状態となり、放出されるガスの量が低減されるので、真空度など蒸着室21内の状態の安定化を図ることが可能となる。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、蒸着室21内において放出されるガス量を低減し、真空度をよくする方向であっても、その状態を大きく変化させてしまうと、形成される膜の品質も大きく変化してしまい、PDPの特性が影響を受けてしまうことがわかった。
図3には、基板保持具30の交換による蒸着室21内の到達真空度の変化の様子を示す。図3に示すように、成膜工程の初期における蒸着室21内の到達真空度A1は、成膜が繰り返され基板保持具30表面への成膜材料の付着量が多くなるにしたがい、蒸着室21内でのガス放出量が多くなるため矢印B1に示すように徐々に悪化し、形成される膜の品質を保つための限界の到達真空度である限界値Cに近づく。
この限界値Cを超えると形成される膜の品質の許容範囲を超えてしまい、PDPの品質に影響を与えることとなる。したがって、この限界値Cを超える前、すなわち蒸着室21の到達真空度がさらに悪化する前に、例えば、表面に成膜材料が付着した基板保持具30の全てを、成膜材料が付着していない基板保持具30に、一斉に交換すると、蒸着室21内の真空度は、図3中に示すような初期状態A2まで急激に変化する。
すなわち、表面に成膜材料が付着している基板保持具30全てを一斉に交換すると、真空度など蒸着室21内の状態の変化は大きくなり、そのために膜の状態も大きく変化してしまい、PDPの特性もばらついてしまうという場合があった。すなわち、真空度などの蒸着室21内の状態の変化が急激にならないように小さくすることが重要である。
ここで、本実施の形態では、繰り返し使用することにより膜が付着した状態となっている基板保持具30と、付着した膜を除去した状態とした基板保持具30とを、成膜室となる蒸着室21内に混在させて行っている。すなわち、成膜室である蒸着室21内に存在する基板保持具30は、その一部のみが同時に交換されたものとなり、その他のものは、別の時期に交換されるように行うというものである。したがって、図3を用いて説明したように、蒸着室21内にある基板保持具30を全て膜の付着していない基板保持具30に交換した場合に比べて、真空度などの蒸着室21内の状態の変化を小さく抑えることができる。
この方法を、例えば、蒸着室21に基板保持具が3台存在できる構成で、且つ、全体の基板保持具30がNo.1〜No.9の9台の場合について図4を用いて詳細に説明する。図4におけるマトリックスの黒丸と矢印で示すように、付着した膜を除去した基板保持具30への交換をNo.1、No.4、No.7、No.2、No.5、No.8、No.3、No.6、No.9の順に行うものである。このような形態で基板保持具30の交換を行うことにより、成膜工程の進行により、前面基板3を保持した基板保持具30が順次、成膜室である蒸着室21内に搬送されてきても、蒸着室21内に存在する3つの基板保持具30は、その全てが同時に交換されたものとはならず、3つの基板保持具30のうち一つのみが交換されたものとなる。すなわち、蒸着室21内において、膜が付着した状態の基板保持具30の数を、付着した膜を除去した状態とした基板保持具30の数より多くしている。そのため、蒸着室21内の真空度などの状態は大きく変化することなく、適正な状態を保つことが可能となる。このような交換方法を行った場合の、蒸着室21内の真空度の状態の一例を図5に示す。図3に示す状態に比べ真空度の変化が小さくなっており、成膜される膜の特性を安定化させることが可能であることがわかる。
以上の説明は、蒸着室21内に存在する3台の基板保持具のうち、その1台のみを交換していくという場合であるが、例えば、蒸着室21内に基板保持具30が5台存在する場合には、状態の変化の度合いが許容範囲内であれば、2台ずつ交換するようにしてもよい。以上は、許容される真空度の変化の度合いと、交換の際の作業性との兼ね合いで決定すればよい。
次に、基板保持具30について、図6を用いて説明する。
図6(a)に、基板保持具30の概略構成の平面図を、そして、図6(b)に図6(a)におけるA−A断面図を示す。基板保持具30は枠体よりなる第1の基板保持具31と、枠体と枠体から取り外しが容易なように設置されたダミー基板32を有する第2の基板保持具33などの複数の構成部品を有しており、第2の基板保持具33の枠体上にPDPの前面基板3が配置されて成膜される。また、第2の基板保持具33が第1の基板保持具31の上に配置され、第1の基板保持具31が成膜装置20の搬送手段25と接続あるいは接触されて成膜装置20内を搬送されている。したがって、成膜される前面基板3が配置された第2の基板保持具33が搬送手段25と直接接触することがない。
本発明の実施の形態では、このように基板保持具30が複数の構成部品を有し、構成部品の少なくとも一つに付着した膜を除去するようにして、その付着した膜が除去された基板保持具30と膜が付着した状態となっている基板保持具30とを成膜室となる蒸着室21内に混在させて行っている。このような、基板保持具30のなかで、膜が除去された基板保持具30の膜が除去された構成部品としては、第1の基板保持具31であってもよいし、第2の基板保持具33の枠体であってもよいし、さらには第2の基板保持具33のダミー基板32であってもよい。基板保持具30の全体を膜の付着がない構成部品と交換する場合に比べて、基板保持具30の構成部品のうちの一部を交換することによって、蒸着室21内の真空度などの急激な状態変化を抑制することができる。
なお、前面基板3が配置されている第2の基板保持具33のダミー基板32には、成膜中に前面基板3以外に成膜される殆どの蒸気流28eが成膜される。したがって、基板保持具30の構成部品の一部として、これらのダミー基板32を膜が付着していないダミー基板32と交換することによって作業性と、さらには付着した膜の脱離などによる品質不良を抑制することができる。
なお、基板保持具30は繰り返し使用されるため、これらの構成部品が成膜に際して適宜に膜の付着がない部品と交換できることは当然であり、枠体や第1の基板保持具31、あるいは第2の基板保持具33の枠体、あるいは第2の基板保持具33全体などであってもよい。
また、以上の説明においては、MgO材料により蒸着で保護層8を形成する場合を例として説明したが、特にこれに限るものではなく、MgO材料以外であっても、また、蒸着以外の成膜プロセスであっても、成膜において、成膜室内の状態の変化が膜の質に影響するものであれば、本発明の効果は同様に得ることが可能である。また、成膜室の状態の指標も真空度に限るものではない。
以上説明したように本発明によれば、PDPの基板への成膜において、成膜室の状態を適正に制御することで、良好な膜を形成することができるPDPの製造方法を実現し、高品質なPDPを実現するなど大画面の表示装置の製造方法などに有用である。
本発明の実施の形態におけるPDPの概略構成の一例を示す断面斜視図 同PDPの製造方法に用いる成膜装置の概略構成を示す断面図 PDPの製造方法において基板保持具を、一斉に膜の付着を除去した基板保持具とした際の成膜室の到達真空度変化の一例を示す図 本発明の実施の形態におけるPDPの製造方法による基板保持具の交換のタイミングの一例を示す図 同PDPの製造方法における基板保持具の交換による成膜室の真空度の状態の一例を示す図 同PDPの製造方法における基板保持具の構成を示す図
符号の説明
1 PDP
2 前面板
3 前面基板
4 走査電極
4a,5a 透明電極
4b,5b バス電極
5 維持電極
6 表示電極
7,12 誘電体層
8 保護層
9 背面板
10 背面基板
11 アドレス電極
13 隔壁
14R,14B,14G 蛍光体層
15 放電空間
16 放電セル
20 成膜装置
21 蒸着室
22 基板投入室
23 基板取出室
24a,24b,24c 真空排気系
25 搬送手段
26a,26b,26c,26d 仕切壁
27a,27b 加熱ランプ
28a 蒸着源
28b ハース
28c 電子銃
28d 電子ビーム
28e 蒸気流
28f シャッタ
30 基板保持具
31 第1の基板保持具
32 ダミー基板
33 第2の基板保持具

Claims (4)

  1. 基板を基板保持具に保持させて成膜を行う成膜工程を有するプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
    成膜に際し、基板保持具は繰り返し使用し、前記成膜工程は、繰り返し使用することにより膜が付着した状態となっている基板保持具と、付着した膜を除去した状態とした基板保持具とを、成膜室内に混在させて行うことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  2. 成膜室内において、繰り返し使用することにより膜が付着した状態となっている基板保持具の数が、付着した膜を除去した状態とした基板保持具の数より多いことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  3. 基板保持具は、複数の構成部品を有し、付着した膜を除去した状態の基板保持具が、前記構成部品の少なくとも一つに付着した膜を除去したものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  4. 複数の構成部品が、基板を保持する枠体と、基板を保持しない枠体に保持させるダミー基板とを有し、付着した膜の除去はダミー基板に対して行うことを特徴とする請求項3に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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