JP2004319474A - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004319474A
JP2004319474A JP2004109816A JP2004109816A JP2004319474A JP 2004319474 A JP2004319474 A JP 2004319474A JP 2004109816 A JP2004109816 A JP 2004109816A JP 2004109816 A JP2004109816 A JP 2004109816A JP 2004319474 A JP2004319474 A JP 2004319474A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
film
display panel
plasma display
substrate holder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004109816A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Shinozaki
淳 篠崎
Michihiko Takase
道彦 高瀬
Hiroyuki Furukawa
弘之 古川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2004109816A priority Critical patent/JP2004319474A/ja
Publication of JP2004319474A publication Critical patent/JP2004319474A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

【課題】プラズマディスプレイパネルの基板への成膜において、基板の非成膜面に成膜材料が付着することを抑制し、良質な画像表示が可能なプラズマディスプレイパネルの製造方法を実現することを目的とする。
【解決手段】プラズマディスプレイパネルの基板13への成膜を、基板保持具1に保持して行うプラズマディスプレイパネルの製造方法において、基板保持具1は、枠体2を複数配列して構成し、この枠体2の少なくとも一つによりプラズマディスプレイパネルの基板13をその周縁部で保持し、且つ基板13を保持した枠体2には、保持した基板の非成膜面側13bへ突出して基板13を包囲する突出部5を設ける。
突出部5が遮蔽板として作用するので、基板保持具1の開口部4を通過した成膜材料が基板13の非成膜面13bに廻り込んで付着してしまうという課題が抑制される。
【選択図】図3

Description

本発明は、大画面で、薄型、軽量のディスプレイ装置として知られるプラズマディスプレイパネル(PDP)用の基板への成膜を行う、PDPの製造方法、およびその際に用いるPDPの基板保持具に関するものである。
PDPは、例えば画像表示面側の基板には、電極を形成し、これを覆う誘電体層を形成し、さらにこの誘電体層を覆う保護層としての酸化マグネシウム(MgO)膜を形成している。
ここで、例えば保護層を形成する方法としては、成膜速度が高く比較的良好なMgO膜を形成できる、電子ビーム蒸着法が広く用いられている(例えば、非特許文献1参照)。
「2001 FPDテクノロジー大全」,株式会社電子ジャーナル,2000年10月25日,p598−p600
PDPの基板へのMgOの成膜に関しては、複数の基板に対する成膜を連続して行うという目的のために、基板を基板保持具に保持させ、その状態で基板保持具を搬送ローラー、ワイヤー、チェーン等の搬送手段に、接触、または接続させ、成膜装置内を搬送させることで、連続的に成膜するということが行われる。
しかしながらこのような場合には、基板は、基板保持具に保持された状態のままで成膜されるので、基板保持具の、基板を保持した領域以外の領域にも膜が形成されてしまうこととなる。そしてこのような基板保持具に形成された膜は、成膜が繰り返される中で膜厚が厚くなり、その結果、成膜装置内で欠落し、成膜装置内でのダスト源となってしまう場合がある。成膜装置内にこのようなダストが存在すると、成膜中にそれを膜中に巻き込んでしまったり、膜原料中に混入してしまう場合があり、成膜される膜の膜質に悪影響を与えてしまうこととなる。
ここで、上述のような問題を解決する一つの手段として、例えば図9にその一例を示すように、基板保持具1を、枠体2を複数配列して構成し、この枠体2によりプラズマディスプレイパネルの基板3をその周縁部で保持するというものがある。すなわち、基板保持具1が図9に示すような構造であると、基板保持具1の、基板3を保持した部分以外の領域は開口部4となることから、基板保持具1の、基板3を保持した領域以外の領域には、膜は付着できなくなるというものである。ここで、図9(a)は基板保持具1の概略構成を示す平面図であり、図9(b)は、図9(a)におけるA−A断面図である。
ここで、MgO膜を成膜する場合には、保護層としての物性を確保するために、MgOの酸素欠損を抑制することが必要であり、そのために、成膜時に、酸素、または酸素を含むガスを導入することが行われる場合がある。
このような場合、成膜時の真空度は一般的な蒸着に比べ低真空度となるため、平均自由工程が比較的短くなり、蒸着物(成膜材料)の直進性が損われてしまうことから、基板保持具1の開口部4を通過した成膜材料の一部が、保持された基板3の成膜面3a側とは逆の非成膜面3b側に廻り込んで、非成膜面3b側に部分的に付着してしまう場合がある。このような場合、基板3には成膜材料が付着する領域とそうでない領域との分布が発生し、視覚的に異なる状態となるため、画像表示に悪影響を与えてしまうという課題が発生する。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、PDPの基板への成膜において、基板の非成膜面に成膜材料が付着することを抑制することで、良質な画像表示が可能なPDPの製造方法を実現することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明のPDPの製造方法は、PDPの基板への成膜を、基板保持具に保持して行うPDPの製造方法において、基板保持具は、枠体を複数配列して構成し、この枠体の少なくとも一つにより基板をその周縁部で保持し、且つ基板を保持した枠体には、保持した基板の非成膜面側へ突出して基板を包囲する突出部を設けたことを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するために本発明のPDPの基板保持具は、PDPの基板への成膜を行う際に用いるPDPの基板保持具において、枠体を複数配列して構成し、この枠体の少なくとも一つにより基板をその周縁部で保持し、且つ基板を保持する枠体には、保持した基板の非成膜面側へ突出して基板を包囲する突出部を設けたことを特徴とするものである。
本発明によれば、PDPの基板への成膜において、基板の非成膜面に成膜材料が付着することを抑制することが可能であり、良質な画像表示が可能なPDPの製造方法を実現することができる。
すなわち、本発明の請求項1に記載の発明は、PDPの基板への成膜を、基板保持具に保持して行うPDPの製造方法において、基板保持具は、枠体を複数配列して構成し、この枠体の少なくとも一つにより基板をその周縁部で保持し、且つ基板を保持した枠体には、保持した基板の非成膜面側へ突出して基板を包囲する突出部を設けたことを特徴とするPDPの製造方法である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、突出部の高さが、基板の非成膜面から1mm〜100mmであることを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、枠体は、基板を下方から支持する支持手段と、基板の面方向の位置を規制する規制手段とからなる保持手段を備え、基板は、規制手段にはめ込んで支持手段上に載置することで保持することを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、PDPの基板への成膜を行う際に用いるPDPの基板保持具において、基板保持具は、枠体を複数配列して構成し、この枠体の少なくとも一つにより基板をその周縁部で保持し、且つ基板を保持する枠体には、保持した基板の非成膜面側へ突出して基板を包囲する突出部を設けたことを特徴とするPDPの基板保持具である。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、突出部の高さが、基板の非成膜面側から1mm〜100mmであることを特徴とするものである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、枠体は、基板を下方から支持する支持手段と、基板の面方向の位置を規制する規制手段とからなる保持手段を備え、基板は、規制手段にはめ込んで支持手段上に載置することで保持することを特徴とするものである。
(実施の形態)
以下、本発明の一実施の形態によるPDPの製造方法について、図面を用いて説明する。
まず、PDPの構造の一例について説明する。図1は、本発明の一実施の形態によるPDPの製造方法により製造される、PDPの概略構成の一例を示す断面斜視図である。
PDP11の前面板12は、前面側の、例えばガラスのような透明且つ絶縁性の基板13の一主面上に形成した、走査電極14と維持電極15とからなる表示電極16と、その表示電極16を覆う誘電体層17と、さらにその誘電体層17を覆う、例えばMgOによる保護層18とを有する構造である。走査電極14と維持電極15は、電気抵抗の低減を目的として、透明電極14a、15aに金属材料、例えばAgからなるバス電極14b、15bを積層した構造としている。
また背面板19は、背面側の、例えばガラスのような絶縁性の基板20の一主面上に形成したアドレス電極21と、そのアドレス電極21を覆う誘電体層22と、誘電体層22上の、隣り合うアドレス電極21の間に相当する場所に位置する隔壁23と、隔壁23間の、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に発光する蛍光体層24R、24G、24Bとを有する構造である。
そして、前面板12と背面板19とは、隔壁23を挟んで、表示電極16とアドレス電極21とが直交するように対向し、画像表示領域外の周囲を封着部材により封止した構成であり、前面板12と背面板19との間に形成された放電空間25には、例えばNe−Xe系、He−Xe系の放電ガスを約66.5kPaの圧力で封入している。
そして、放電空間25の表示電極16とアドレス電極21との交差部が放電セル26(単位発光領域)として動作する。
次に、上述したPDP11について、その製造方法を、同じく図1を参照しながら説明する。
前面板12は、基板13上にまず、走査電極14および維持電極15をストライプ状に形成する。具体的には、基板13上に透明電極14a、15aの材料、例えばITOによる膜を、蒸着やスパッタリング等の成膜プロセスにより形成し、その後、フォトリソ法等によってパターニングすることでストライプ状に透明電極14a、15aを形成し、さらにその上から、バス電極14b、15bの材料、例えばAgを、蒸着やスパッタリング等の成膜プロセスにより形成し、その後、フォトリソ法等によってパターニングすることで、ストライプ状にバス電極14b、15bを形成する。以上により、ストライプ状の走査電極14および維持電極15からなる表示電極16を得ることができる。
次に、以上のようにして形成した表示電極16を、誘電体層17で被覆する。誘電体層17は、Pb系のガラス材料を含むペーストを、例えばスクリーン印刷法で塗布した後、焼成することによって、所定の層の厚み(約20μm〜50μm、好ましくは約40μm)となるように形成する。上記Pb系のガラス材料を含むペーストとしては、例えば、PbO、B23、SiO2、およびCaOと有機バインダ(例えば、α−ターピネオールにエチルセルロースを溶解したもの)との混合物が使用される。ここで、有機バインダとは樹脂を有機溶媒に溶解したものであり、エチルセルロース以外に樹脂としてアクリル樹脂、有機溶媒としてブチルカービトール等も使用することができる。さらに、こうした有機バインダに分散剤(例えば、グリセルトリオレエート)を混入させてもよい。
次に、以上のようにして形成した誘電体層17を、保護層18で被覆する。保護層18は、例えばMgOからなるものであり、蒸着やスパッタリング等の成膜プロセスにより、層が所定の厚み(約0.4μm〜1μm、好ましくは約0.6μm)となるように形成する。
一方、背面板19は、基板20上に、アドレス電極21をストライプ状に形成する。具体的には、基板20上に、アドレス電極21の材料、例えばAgによる膜を、蒸着やスパッタリング等の成膜プロセスにより形成し、その後、フォトリソ法等によってパターニングすることで、ストライプ状にアドレス電極21を形成する。
次に、以上のようにして形成したアドレス電極21を、誘電体層22により被覆する。誘電体層22は、例えば、Pb系のガラス材料を含むペーストを、例えば、スクリーン印刷法で塗布した後、焼成することによって、所定の厚み(約10μm〜50μm、好ましくは約10μm)となるように形成する。
次に、隔壁23を、例えばストライプ状に形成する。隔壁23は、誘電体層22と同じく、例えば、Pb系のガラス材料を含むペーストを、例えば、スクリーン印刷法により所定のピッチで繰り返し塗布した後、焼成することによって形成する。ここで、隔壁23の間隙の寸法は、例えば画面サイズが32インチ〜65インチの場合、130μm〜360μm程度となる。
そして、隔壁23と隔壁23との間の溝には、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各蛍光体粒子により構成される蛍光体層24R、24G、24Bを形成する。これは、各色の蛍光体粒子と有機バインダとからなるペースト状の蛍光体インキを塗布し、これを焼成して有機バインダを焼失させることによって、各蛍光体粒子が結着してなる蛍光体層24R、24G、24Bとして形成する。
以上のようにして作製した前面板12と背面板19とを、前面板12の表示電極16と背面板19のアドレス電極21とが直交するように重ね合わせるとともに、周縁に封着用ガラスによる封着部材を介挿し、これを誘電体層17の焼成温度より低い温度で焼成して気密シール層(図示せず)化することで封着する。そして、一旦、放電空間25内を高真空に排気した後、例えば、He−Xe系、Ne−Xe系の放電ガスを所定の圧力で封入することによりPDP11を作製する。
以上述べたように、PDP11の製造工程においては、成膜プロセスが多く用いられている。そこで、その成膜プロセスについて、MgOによる保護層18を蒸着により形成する場合を例として、図面を用いて説明する。
まず、成膜装置の構成の一例について説明する。図2は、保護層18を形成するための成膜装置30の概略構成の一例を示す断面図である。
この成膜装置30は、PDPの基板13に対し、MgOを蒸着させてMgO薄膜である保護層18を形成する蒸着室31、MgO蒸着室31に投入する前に、基板13を予備加熱するとともに、予備排気を行うための基板投入室32、そして、蒸着室31での蒸着が終了後、取り出された基板13を冷却するための基板取出室33から構成している。
以上の、基板投入室32、蒸着室31、基板取出室33の各々は、内部を真空雰囲気にできるよう密閉構造となっており、各室ごとに独立して真空排気系34a、34b、34cをそれぞれ備えている。
また、基板投入室32、蒸着室31、基板取出室33を貫いて、搬送ローラー、ワイヤー、チェーン等で構成される搬送手段35を配設し、また成膜装置30の外と基板投入室32との間、基板投入室32と蒸着室31との間、蒸着室31と基板取出室33との間、基板取出室33と成膜装置30の外との間はそれぞれ、開閉可能な仕切壁36a、36b、36c、36dで仕切っている。そして、搬送手段35の駆動と仕切壁36a、36b、36c、36dそれぞれの開閉とを連動させることによって、基板投入室32、蒸着室31、基板取出室33それぞれの真空度の変動を最小限として、基板13を成膜装置30外から基板投入室32、蒸着室31、基板取出室33の順に通過させ、それぞれの室での所定の処理を行い、その後、成膜装置30外に搬出することが可能である。そして以上の動作により、複数枚の基板13を連続的に投入することで、連続してMgOの成膜を行うことが可能である。
また、基板投入室32、蒸着室31の各室には、基板13を加熱するための加熱ランプ37a、37bをそれぞれ設置している。
そして蒸着室31には、蒸着源38aであるMgOの粒を入れたハース38b、電子銃38c、磁場を印加する偏向マグネット(図示せず)等を設けており、電子銃38cから照射した電子ビーム38dを、偏向マグネットにより発生する磁場によって偏向して蒸着源38aに照射し、蒸着源38aであるMgOの蒸気流38eを発生させる。そして、発生させた蒸気流38eを、基板13の表面に堆積させてMgOの保護層18を形成する。ここで、蒸着室31には、蒸着されるMgOが、良質なMgOとなるよう、蒸着時の蒸着室31の雰囲気を酸素雰囲気とするための、酸素、または酸素を含むガスを導入するための導入手段39を設置しており、ここから酸素、または酸素を含むガスを導入しながら蒸着を行うので、蒸着時の蒸着室31内の真空度は、一般的な蒸着の場合に比べ、比較的、低真空度となっている。また蒸気流38eは、必要時以外はシャッタ38fで遮断できるようになっている。
なお、成膜装置30の構成としては、上述したもの以外に、例えば、基板13の温度プロファイルの設定条件に応じて、基板投入室32と蒸着室31の間に基板13を加熱するための基板加熱室が一つ以上あるものや、また、蒸着室31と基板取出室33の間に基板冷却室が一つ以上あるもの等でも構わない。
以上の成膜装置30においては、基板13の搬送は、基板保持具1に保持させた状態で、基板保持具1と成膜装置30の搬送手段35とを接触または接続させて行う。
そこで次に、本発明の一実施の形態による基板保持具1について、図3を用いて説明する。
図3(a)に、基板保持具1の概略構成を示す平面図を、そして、図3(a)におけるA−A断面図を図3(b)に示す。
図3に示すように、基板保持具1は、枠体2を複数配列して構成し、この枠体2の少なくとも一つによりPDPの基板13をその周縁部で保持する。そして、基板13を保持した枠体2には、保持した基板13の成膜面13aとは逆側の非成膜面13b側へ突出し、そして基板13を包囲する突出部5を設けたことを特徴とするものである。そして、基板13を保持しない枠体2の箇所は開口部4となる。
基板保持具1が上述のような開口部4を有する構造であることから、図2の成膜装置30のハース38bからの蒸気流38eのうち、基板13以外の領域に飛翔する分は、開口部4を通過するため、基板保持具1には付着しない。その結果、基板保持具1に成膜材料が付着、堆積し、それが欠落してしまうことで、成膜装置30内においてダストとなるという課題の発生が抑制される。
また、基板13を保持した枠体2は、保持した基板13の非成膜面13b側へ突出し、基板13を包囲する突出部5を備えることから、上述したように、一般的な蒸着に比べ低真空度であることにより平均自由工程が比較的短くなり、成膜材料の飛翔の際の直進性が損われてしまい、基板保持具1の開口部4を通過した成膜材料の一部が、保持された基板13の非成膜面13b側に廻り込んで部分的に付着してしまうという課題の発生を抑制することができる。これは、突出部5が、廻り込んでくる成膜材料を遮蔽するように作用するためである。この遮蔽作用を効果的にするためには、突出物5の高さHは、基板13の非成膜面13bから1mm以上であることが好ましく、実際の作業性や図2に示したような成膜装置30において、搬送手段35から上の空間をできる限り小さくすることで成膜工程での真空度等の条件を安定にするという観点から、100mm以下とすることが好ましい。なお、高さHが1mm程度の場合は、幅W(図3)は10mm以上であることが好ましく、高さHを高くするほど幅Wを小さくすることができる。
また、突出部5は、図3に示したような、直線的に突出する以外に、開口部4を通過して飛翔してきた成膜材料を遮蔽する効果を有するものであれば、図4に示すような、湾曲した形状等、特にその形状は問わない。
また、枠体2を複数配列した構造としては、枠体2を複数組み合わせたもの以外に、板状の物体を削り出して孔を設けることで一体物として構成したもの等、さまざまな構造を挙げることができる。
なお、枠体2が基板13を保持するための保持手段6としては、例えば、図5〜図8に挙げる構成がある。図5〜図8は、基板保持具1の一部を拡大して示したものである。図5に示す保持手段6の構成は、枠体2の断面形状がL字状や逆T字状で、枠体2の横部が基板13を下方から支持する支持手段6aとして機能し、縦部が、基板13の面方向の位置を規制する規制手段6bとして機能するものである。そして、基板13は、規制手段6bにはめ込んで支持手段6a上に載置することで保持することができる。すなわち、この場合は、枠体2の縦部である規制手段6bが突出部5を兼ねた構造となる。
また、図6に示す基板保持具1の保持手段6の構成は、枠体2が縦部のみであり、この枠体2が基板13の面方向の位置を規制する規制手段6bとして機能し、また、枠体2の下面側に、基板13を下方から支持する支持手段6aを設けた構成である。そして基板13は、規制手段6bにはめ込んで支持手段6a上に載置することで保持することができる。この場合は、枠体2が規制手段6bおよび突出部5とを兼ねた構造となる。
また、図7に示す保持手段6の構成は、枠体2が横部のみであり、この枠体2が基板13を下方から支持する支持手段6aとして機能し、また、枠体2の上面側に、基板13の面方向の位置を規制する規制手段6bを設けた構成である。そして基板13は、規制手段6bにはめ込んで支持手段6a上に載置することで保持することができる。この構造の場合には、規制手段6bが離散的であることから、基板13を包囲する突出部5は、規制手段6bとは別に設ければよい。
なお、突出部5が基板保持具1とは別部材であり、例えば図8に示すように、何らかの手段で基板保持具1の枠体2に取り付けられた構成であっても構わない。
保持手段6が以上で述べたような構成であれば、基板13は、枠体2に設けられた保持手段6の支持手段6a上に載置することで保持できるため、基板13の、基板保持具1に対する取り付け、取り外しは、枠体2の上方へ引き上げるだけで済み、その作業は非常に簡素に済む。
次に、上述のような基板保持具1に基板13を保持させ、搬送手段35により成膜装置30内を搬送し、基板13に対して成膜を行う際の工程の一例について、図1〜図3を用いて説明する。
まず、例えば図3に示すような構成の基板保持具1により保持した基板13を、図2に示すような成膜装置30の、基板投入室32に投入し、真空排気系34aにより予備排気しながら加熱ランプ37aにより加熱する。ここで基板13は、表示電極16と誘電体層17とが形成された状態である。
基板投入室32内が所定の真空度に到達したら、仕切り壁36bを開けるとともに、搬送手段35を用いて、加熱された状態の基板13を基板保持具1に保持した状態で蒸着室31に搬送する。
蒸着室31では、加熱ランプ37bにより基板13を加熱してこれを一定温度に保つ。この温度は、表示電極16や誘電体層17が熱劣化することがないように、100℃〜400℃程度に設定される。そして、シャッタ38fを閉じた状態で、電子銃38cから電子ビーム38dを蒸着源38aに照射して予備加熱することにより、所定のガス出しを行った後、導入手段39から、酸素、または酸素を含むガスを導入する。この導入により、真空度は一般的な蒸着に比べ低いものとなる。この状態でシャッタ38fを開けると、MgOの蒸気流38eが基板保持具1が保持している基板13に向け噴射される。その結果、基板13に飛翔した成膜材料により基板13上にはMgO膜による保護層18が形成される。
ここで基板保持具1が図3に示すような構造であることから、基板13以外の領域に飛翔した成膜材料は、基板保持具1の開口部4を通過するので、基板保持具1への付着は大幅に抑制される。
また、基板13を保持した枠体2には、保持した基板13の成膜面13aとは逆側の非成膜面13b側へ突出して基板13を包囲する突出部5を設けているので、基板保持具1の開口部4を通過した成膜材料は、突出部5が遮蔽板として作用し、したがって、成膜材料が基板13の非成膜面13bに廻り込んで付着してしまうという課題も抑制される。
そして、基板13上に形成されたMgOの蒸着膜である保護層18の膜厚が、所定の値(約0.4μm〜1μm、好ましくは0.6μm)に達したら、シャッタ38fを閉じ、仕切り壁36cを通じて基板13を基板取出室33へ搬送する。ここで、搬送手段35は、基板保持具1の両端部でのみに接触または接続して搬送する構造となっており、このことにより、蒸着室31での蒸着の際、搬送手段35により基板13に影ができてしまい、蒸着膜である保護層18の品質に問題が生じるということはない。
そして、基板取出室33で基板13を所定の温度以下に冷却した後、基板13を、基板保持具1の枠体2の保持手段6から取り出す。ここで、本実施の形態では、基板13は、枠体2に設けられた支持手段6a上に載置することで保持するという構成であるため、取り出しは、枠体2の上方へ引き上げるだけで済み、その作業は非常に簡素に済む。
また、蒸着を完了した基板13を取り外した後の基板保持具1は、新たな未成膜の基板13を保持した後、成膜装置30に再投入される。
なお、上述の説明においては、基板13に対する、蒸着室31内でのMgOの蒸着は、搬送を停止して静止した状態で行っても、搬送しながら行ってもどちらでも構わない。
また、成膜装置30の構造も、上述のものに限らず、タクト調整等のために各室間にバッファー室を設けた構成や、加熱・冷却のためのチャンバー室を設けた構成、バッチ式で、チャンバー内に基板保持具30を設置して成膜を行う構造のもの等に対してでも、本発明の実施の形態による効果を得ることができる。なお、成膜装置がバッチ式でチャンバー内に基板保持具1を設置するという構成の場合であっても、基板13を保持する基板保持具1を上述した構成にすることで、同様の効果を得ることができる。
以上の説明では、MgOにより保護層18を形成する場合を例として示したが、本発明の実施の形態は、この他にも、表示電極16を形成するための、ITOや銀の材料を成膜する場合をはじめとして、基板13を基板保持具1にて保持した状態で成膜を行う場合に対して、同様の効果を得ることができる。
また、以上の説明では、成膜方法として、電子ビーム蒸着法を例として示したが、電子ビーム蒸着法だけでなく、ホローカソード方式によるイオンプレーティング、並びにスパッタリングといった、減圧下にて行われる成膜方法においても、同様の効果を得ることができる。
本発明は、プラズマディスプレイパネルの基板の非成膜面に、成膜材料の付着を抑制することが可能であり、大画面で、薄型、軽量のディスプレイ装置として知られるPDPの製造方法等として有用である。
本発明の一実施の形態によるPDPの概略構成の一例を示す断面斜視図 本発明の一実施の形態による成膜装置の概略構成の一例を示す断面図 本発明の一実施の形態による基板保持具の概略構成を示す図 本発明の一実施の形態による他の基板保持具の概略構成を示す断面図 本発明の一実施の形態による他の基板保持具の概略構成を示すための一部拡大斜視図 本発明の一実施の形態による他の基板保持具の概略構成を示すための一部拡大斜視図 本発明の一実施の形態による他の基板保持具の概略構成を示すための一部拡大斜視図 本発明の一実施の形態による他の基板保持具の概略構成を示すための一部拡大斜視図 従来の基板保持具の概略構成を示す図
符号の説明
1 基板保持具
2 枠体
4 開口部
5 突出部
13 基板
13a 成膜面
13b 非成膜面

Claims (6)

  1. プラズマディスプレイパネルの基板への成膜を、基板保持具に保持して行うプラズマディスプレイパネルの製造方法において、前記基板保持具は、枠体を複数配列して構成し、前記枠体の少なくとも一つにより前記基板をその周縁部で保持し、且つ前記基板を保持した枠体には、保持した前記基板の非成膜面側へ突出して前記基板を包囲する突出部を設けたことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  2. 突出部の高さが、基板の非成膜面から1mm〜100mmであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  3. 枠体は、基板を下方から支持する支持手段と、前記基板の面方向の位置を規制する規制手段とからなる保持手段を備え、前記基板は、前記規制手段にはめ込んで前記支持手段上に載置することで保持することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  4. プラズマディスプレイパネルの基板への成膜を行う際に用いるプラズマディスプレイパネルの基板保持具において、前記基板保持具は、枠体を複数配列して構成し、前記枠体の少なくとも一つにより前記基板をその周縁部で保持し、且つ前記基板を保持する枠体には、保持した前記基板の非成膜面側へ突出して前記基板を包囲する突出部を設けたことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの基板保持具。
  5. 突出部の高さが、基板の非成膜面側から1mm〜100mmであることを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイパネルの基板保持具。
  6. 枠体は、基板を下方から支持する支持手段と、前記基板の面方向の位置を規制する規制手段とからなる保持手段を備え、前記基板は、前記規制手段にはめ込んで前記支持手段上に載置することで保持することを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイパネルの基板保持具。
JP2004109816A 2003-04-04 2004-04-02 プラズマディスプレイパネルの製造方法 Pending JP2004319474A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004109816A JP2004319474A (ja) 2003-04-04 2004-04-02 プラズマディスプレイパネルの製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003101263 2003-04-04
JP2004109816A JP2004319474A (ja) 2003-04-04 2004-04-02 プラズマディスプレイパネルの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004319474A true JP2004319474A (ja) 2004-11-11

Family

ID=33478888

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004109816A Pending JP2004319474A (ja) 2003-04-04 2004-04-02 プラズマディスプレイパネルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004319474A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009228050A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Sumitomo Heavy Ind Ltd 被成膜物の支持機構
KR101877340B1 (ko) * 2012-12-28 2018-07-11 주식회사 원익아이피에스 기판처리장치

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4998785A (ja) * 1973-01-29 1974-09-18
JPS61183931U (ja) * 1985-05-02 1986-11-17
JPS6267170A (ja) * 1985-09-20 1987-03-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd スパツタリング装置
JPS6445760U (ja) * 1987-09-14 1989-03-20
JPH11131232A (ja) * 1997-10-31 1999-05-18 Anelva Corp トレイ搬送式成膜装置
JP2000252580A (ja) * 1999-02-26 2000-09-14 Mitsubishi Chemicals Corp 長尺材料の表面処理用治具、該冶具の補助具及び長尺材料の両面に薄膜を形成する方法
JP2001316797A (ja) * 2000-05-08 2001-11-16 Mitsubishi Electric Corp 成膜装置および成膜装置に用いる防着部材
JP2004273445A (ja) * 2003-02-18 2004-09-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd プラズマディスプレイパネルの製造方法および基板保持具

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4998785A (ja) * 1973-01-29 1974-09-18
JPS61183931U (ja) * 1985-05-02 1986-11-17
JPS6267170A (ja) * 1985-09-20 1987-03-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd スパツタリング装置
JPS6445760U (ja) * 1987-09-14 1989-03-20
JPH11131232A (ja) * 1997-10-31 1999-05-18 Anelva Corp トレイ搬送式成膜装置
JP2000252580A (ja) * 1999-02-26 2000-09-14 Mitsubishi Chemicals Corp 長尺材料の表面処理用治具、該冶具の補助具及び長尺材料の両面に薄膜を形成する方法
JP2001316797A (ja) * 2000-05-08 2001-11-16 Mitsubishi Electric Corp 成膜装置および成膜装置に用いる防着部材
JP2004273445A (ja) * 2003-02-18 2004-09-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd プラズマディスプレイパネルの製造方法および基板保持具

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009228050A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Sumitomo Heavy Ind Ltd 被成膜物の支持機構
KR101877340B1 (ko) * 2012-12-28 2018-07-11 주식회사 원익아이피에스 기판처리장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2005050804A (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法およびその製造装置
US8048476B2 (en) Method of manufacturing plasma display panel
JP5152249B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
US7942971B2 (en) Method of manufacturing plasma display panels
JP4470518B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2004319474A (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
US7798880B2 (en) Process for manufacturing plasma display panel and substrate holder
JP4706203B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP4691896B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
KR100659010B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널의 제조 방법
KR100632854B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널의 제조방법 및 기판 지지구
KR100626507B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널의 제조 방법
JP4543797B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
WO2004090927A1 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2004273364A (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2010262814A (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法及び基板封着装置
JP2008010195A (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
KR20070075845A (ko) 플라즈마 디스플레이 장치
JPH10199403A (ja) 導体膜上への透明厚膜誘電体の形成方法
JP2004296145A (ja) Ac型ガス放電表示装置
JP2010061817A (ja) 表示パネル
JP2007335343A (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法および製造装置
JP2010212007A (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2013008643A (ja) プラズマディスプレイパネルとその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070227

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20070313

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090828

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090901

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091022

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20091120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100518

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100928