JP2004318811A - 知的財産会計管理装置及び知的財産会計管理プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】知的財産の会計上の管理に対応することができる知的財産会計管理装置を実現する。
【解決手段】知的財産毎に取得価額を記憶する取得価額記憶部202と、特定の知的財産の取得のために費やされた取得費用の金額の入力により取得価額記憶部202の取得価額を更新し、知的財産の会計上の処理を行う手段とを備える。
【選択図】 図2
【解決手段】知的財産毎に取得価額を記憶する取得価額記憶部202と、特定の知的財産の取得のために費やされた取得費用の金額の入力により取得価額記憶部202の取得価額を更新し、知的財産の会計上の処理を行う手段とを備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発明、考案、意匠等の知的財産の会計上の管理を行う知的財産会計管理装置及び知的財産会計管理プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の会計管理装置としては、各資産の取得時の価額が入力され、この取得価額に基づき定額法により各資産の減価償却額を算出し、全資産の減価償却額の総額を総計するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−125969号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の会計管理装置では、取得価額が固定的なものとして減価償却しており、知的財産のように取得時点から減価償却終了時点までの途中で取得価額が上がることを考慮していない。例えば、企業が発明者から発明の権利譲渡を受けて出願した時点を知的財産の取得時点とすると、この時点での取得価額は、企業が発明者に支払った「知的財産の出願に対する還元額」等からなる。そして、当該発明が特許として権利登録された時点で、企業が「知的財産の権利登録に対する還元額」を発明者に支払うと、当該知的財産の取得価額はその分上昇する。また、企業が発明を実施した場合に、「知的財産の実施に対する還元額」が企業から発明者に支払われると、当該知的財産の取得価額はその分上昇する。また、企業が他者との間で特許権のライセンス契約を締結して当該特許権の実施権を許諾した場合に、「知的財産権の実施権の許諾に対する還元額」が企業から発明者に支払われると、当該知的財産の取得価額はその分上昇する。
このように、知的財産の取得価額は、通常、取得時点の価額から上昇するものであり、従来の会計管理装置では知的財産の会計上の管理に対応することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、知的財産の会計上の管理に対応することができる知的財産会計管理装置を提供することにある。
【0006】
また、本発明は、その知的財産会計管理装置をコンピュータを利用して実現するための知的財産会計管理プログラムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の知的財産会計管理装置は、知的財産毎に取得価額を記憶する取得価額記憶部と、特定の知的財産の取得のために費やされた取得費用の金額を入力する取得費用額入力部と、前記入力された取得費用額に基づいて前記取得価額記憶部に記憶されている取得価額を更新し、知的財産の会計上の処理を行う知的財産会計管理部とを備えたことを特徴としている。
この発明によれば、新たに追加された取得費用の金額に基づいて当該知的財産の取得価額を更新することができ、この更新後の取得価額により知的財産の会計上の処理を行うことができる。
【0008】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、知的財産毎に取得費用額を会計年度別に記憶する費用記憶部を備え、前記知的財産会計管理部は、前記入力された取得費用額を前記費用記憶部に記憶されている当該知的財産の当該会計年度の取得費用額に加算する費用更新部と、前記費用記憶部に記憶されている取得費用額を知的財産毎に集計し、各集計結果を各々該当する知的財産の取得価額として前記取得価額記憶部に記憶させる費用集計部とを備えることを特徴とする。この発明によれば、知的財産の会計年度別の取得費用額を管理することができる。
【0009】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、前記費用記憶部は、前記取得費用額の内訳を費用項目別に記憶し、前記費用項目のうち、知的財産の取得価額に含める項目を記憶する選択項目記憶部と、前記選択項目記憶部の設定内容に従って知的財産の取得価額に含める費用を選択する選択部とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、選択項目記憶部の設定内容を変更することにより知的財産の取得価額として計上する費用項目を変更することができるので、会計制度の変更等により計上対象の費用項目の種類が変更されたとしても柔軟に対応することができる。
【0010】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、前記費用項目は、知的財産の創作者に支払う還元費用、研究開発費用、知的財産に係る手続きを委任する代理人に支払う代理人費用、知的財産に係る納付費用のうち、少なくとも二つ以上を含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、知的財産毎に技術分野を記憶する技術分野記憶部と、技術分野別に入力される研究開発費用額を当該技術分野に属する知的財産の個々に配賦し、この配賦結果を前記費用記憶部に反映させる研究開発費配賦部とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、研究開発費用額を該当する知的財産の取得価額として適正に会計計上することができる。
【0012】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、前記研究開発費配賦部は、同じ技術分野に属する知的財産の件数分に当該技術分野の研究開発費用額を均等割りすることを特徴とする。
この発明によれば、簡易に研究開発費用の配賦額を算出できる。
【0013】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、知的財産毎に重み係数を記憶する重み係数記憶部を備え、前記研究開発費配賦部は、同じ技術分野に属する知的財産が有する重み係数の比率に応じて当該技術分野の研究開発費用額を配分することを特徴とする。
この発明によれば、知的財産の重要度に応じて研究開発費用額の配賦を行うことができる。
【0014】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、配賦可能な知的財産が未取得である研究開発費用額を繰延資産として記憶する繰延資産記憶部を備え、前記研究開発費配賦部は、前記繰延資産となっている研究開発費用額に基づく知的財産が発生した場合に、当該研究開発費用額の配賦を開始することを特徴とする。この発明によれば、配賦時期が未確定である研究開発費用額に対しても対応することができる。
【0015】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、前記知的財産会計管理部は、前記取得価額が固定資産に計上する対象となる所定金額以上であるか否かを判断して固定資産情報を出力する固定資産判断部を備えることを特徴とする。
この発明によれば、固定資産の対象となった知的財産を容易に把握することができ、固定資産として確実に計上することができる。
【0016】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、固定資産の対象である知的財産毎に取得価額を記憶する固定資産記憶部を備え、前記固定資産判断部は、前記所定金額以上の取得価額を前記固定資産記憶部に記憶させることを特徴とする。
この発明によれば、知的財産の固定資産情報を自動的に記録することができる。
【0017】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、知的財産毎に減価償却期間を記憶する減価償却期間記憶部を備え、前記知的財産会計管理部は、前記取得価額記憶部に記憶されている取得価額と前記減価償却期間記憶部に記憶されている減価償却期間とに基づいて、知的財産毎に減価償却額と未償却残高を算出する減価償却費算出部を備えることを特徴とする。
この発明によれば、取得費用の追加により更新された取得価額により、知的財産の取得年度からの減価償却費の算出することができる。
【0018】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、知的財産毎に最新の前記算出された減価償却額を会計年度別に記憶する減価償却費記憶部と、知的財産毎に前回算出された減価償却額を会計年度別に記憶する旧減価償却費記憶部とを備え、前記知的財産会計管理部は、前記減価償却費記憶部及び前記旧減価償却費記憶部に各々記憶されている減価償却額の差額を会計年度別に算出する減価償却費差額算出部と、前記算出された減価償却額の差額に基づいて、全知的財産の減価償却費の差額を会計年度別に集計する減価償却費差額総額算出部とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、会計年度毎に減価償却費の前年度分からの差額総額を容易に把握することができ、会計処理の能率が向上する。
【0019】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、特定の知的財産の取得年度と消滅年度を入力する償却期間算出情報入力部を備え、前記知的財産会計管理部は、前記入力された取得年度と消滅年度に基づいて当該知的財産の減価償却期間を算出する減価償却期間算出部を備えることを特徴とする。
この発明によれば、取得年度と消滅年度とから自動的に知的財産の減価償却期間を算出することができる。
【0020】
本発明の知的財産会計管理装置は、特定の知的財産の取得のために費やされた取得費用の金額を入力する取得費用額入力部と、知的財産毎に取得費用額を会計年度別に記憶する費用記憶部と、前記入力された取得費用額を前記費用記憶部に記憶されている当該知的財産の当該会計年度の取得費用額に加算する費用更新部と、知的財産毎に消滅年度を記憶する消滅年度記憶部と、知的財産毎に帳簿価額を記憶する帳簿価額記憶部と、前記消滅年度記憶部に記憶されている消滅年度に基づいて特定年度の前年度からの減価償却期間を算出し、この減価償却期間と前記帳簿価額記憶部に記憶されている該前年度の帳簿価額とから該前年度分の減価償却費を算出する前年減価償却費算出部と、前記算出された前年度分の減価償却費を前記前年度の帳簿価額から減算し、この減算結果に前記費用記憶部に記憶されている前記特定年度の取得費用額を加算し、この加算結果を前記特定年度の帳簿価額として前記帳簿価額記憶部に記憶させる帳簿価額更新部とを備えたことを特徴としている。
この発明によれば、新たに追加された取得費用の金額に基づいて当該知的財産の当該会計年度の帳簿価額を更新することができる。これにより、更新後の帳簿価額に基づいて該取得費用追加年度以降の減価償却費の算出ができるので、それ以前の減価償却費の更新を行う必要がなくなる。
【0021】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、前記費用記憶部は、前記取得費用額の内訳を費用項目別に記憶し、前記費用項目のうち、知的財産の帳簿価額に含める項目を記憶する選択項目記憶部と、前記選択項目記憶部の設定内容に従って知的財産の帳簿価額に含める費用を選択する選択部とを備えたことを特徴とする。
【0022】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、前記費用項目は、知的財産の創作者に支払う還元費用、研究開発費用、知的財産に係る手続きを委任する代理人に支払う代理人費用、知的財産に係る納付費用のうち、少なくとも二つ以上を含むことを特徴とする。
【0023】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、知的財産毎に技術分野を記憶する技術分野記憶部と、技術分野別に入力される研究開発費用額を当該技術分野に属する知的財産の個々に配賦し、この配賦結果を前記費用記憶部に反映させる研究開発費配賦部とを備えたことを特徴とする。
【0024】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、前記研究開発費配賦部は、同じ技術分野に属する知的財産の件数分に当該技術分野の研究開発費用額を均等割りすることを特徴とする。
【0025】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、知的財産毎に重み係数を記憶する重み係数記憶部を備え、前記研究開発費配賦部は、同じ技術分野に属する知的財産が有する重み係数の比率に応じて当該技術分野の研究開発費用額を配分することを特徴とする。
【0026】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、配賦可能な知的財産が未取得である研究開発費用額を繰延資産として記憶する繰延資産記憶部を備え、前記研究開発費配賦部は、前記繰延資産となっている研究開発費用額に基づく知的財産が発生した場合に、当該研究開発費用額の配賦を開始することを特徴とする。
【0027】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、前記帳簿価額が固定資産に計上する対象となる所定金額以上であるか否かを判断して固定資産情報を出力する固定資産判断部を備えることを特徴とする。
この発明によれば、最新の帳簿価額に基づいて固定資産の判断を行うことができるとともに、固定資産の対象となった知的財産を容易に把握することができ、固定資産として確実に計上することができる。
【0028】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、固定資産の対象である知的財産毎に帳簿価額を記憶する固定資産記憶部を備え、前記固定資産判断部は、前記所定金額以上の帳簿価額を前記固定資産記憶部に記憶させることを特徴とする。
【0029】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、前記取得年度は当該知的財産が出願された年度であることを特徴とする。
【0030】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、前記取得年度は当該知的財産が権利登録された年度であることを特徴とする。
【0031】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、前記消滅年度は、工業所有権法で定められた権利存続期間、又は税法で定められた期間のうち、短い方の期間に基づいて算出されることを特徴とする。
【0032】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、前記消滅年度は、工業所有権法で定められた権利存続期間、又は、税法で定められた期間、又は、当該知的財産の技術余命のうち、最も短い期間に基づいて算出されることを特徴とする。
【0033】
本発明の知的財産会計管理プログラムは、知的財産の会計上の各種処理を行う処理部と知的財産の会計上の管理に使用される各種データを記憶する各種記憶部とを備えた知的財産会計管理装置における知的財産会計管理処理を行うための知的財産会計管理プログラムであって、特定の知的財産の取得のために費やされた取得費用の金額を入力する処理と、前記入力された取得費用額に基づいて、知的財産毎に取得価額を記憶する取得価額記憶部に記憶されている取得価額を更新する取得価額更新処理と、該更新された取得価額により知的財産の会計上の処理を行う会計管理処理とをコンピュータに実行させることを特徴としている。
【0034】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記入力された取得費用額を、知的財産毎に取得費用額を会計年度別に記憶する費用記憶部に記憶されている当該知的財産の当該会計年度の取得費用額に加算する処理と、前記費用記憶部に記憶されている取得費用額を知的財産毎に集計する処理と、該各集計結果を各々該当する知的財産の取得価額として前記取得価額記憶部に記憶させる処理とを含むことを特徴とする。
【0035】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記費用記憶部には、前記取得費用額の内訳が費用項目別に記憶され、前記知的財産会計管理装置には、前記費用項目のうち、知的財産の取得価額に含める項目を記憶する選択項目記憶部が備えられ、前記選択項目記憶部の設定内容に従って知的財産の取得価額に含める費用を選択する処理をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0036】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記費用項目は、知的財産の創作者に支払う還元費用、研究開発費用、知的財産に係る手続きを委任する代理人に支払う代理人費用、知的財産に係る納付費用のうち、少なくとも二つ以上を含むことを特徴とする。
【0037】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記知的財産会計管理装置には、知的財産毎に技術分野を記憶する技術分野記憶部が備えられ、技術分野別に入力される研究開発費用額を当該技術分野に属する知的財産の個々に配賦し、この配賦結果を前記費用記憶部に反映させる研究開発費配賦処理をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0038】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記研究開発費配賦処理において、同じ技術分野に属する知的財産の件数分に当該技術分野の研究開発費用額を均等割りすることを特徴とする。
【0039】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記知的財産会計管理装置には、知的財産毎に重み係数を記憶する重み係数記憶部が備えられ、前記研究開発費配賦処理において、同じ技術分野に属する知的財産が有する重み係数の比率に応じて当該技術分野の研究開発費用額を配分することを特徴とする。
【0040】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記知的財産会計管理装置には、配賦可能な知的財産が未取得である研究開発費用額を繰延資産として記憶する繰延資産記憶部が備えられ、前記研究開発費配賦処理において、前記繰延資産となっている研究開発費用額に基づく知的財産が発生した場合に、当該研究開発費用額の配賦を開始することを特徴とする。
【0041】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記会計管理処理は、前記取得価額が固定資産に計上する対象となる所定金額以上であるか否かを判断して固定資産情報を出力する処理を含むことを特徴とする。
【0042】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記会計管理処理は、前記所定金額以上の取得価額を、固定資産の対象である知的財産毎に取得価額を記憶する固定資産記憶部に記憶させる処理を含むことを特徴とする。
【0043】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記会計管理処理は、前記取得価額記憶部に記憶されている取得価額と、知的財産毎に減価償却期間を記憶する減価償却期間記憶部に記憶されている減価償却期間とに基づいて、知的財産毎に減価償却額と未償却残高を算出する処理を含むことを特徴とする。
【0044】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記会計管理処理は、知的財産毎に最新の前記算出された減価償却額を会計年度別に記憶する減価償却費記憶部と、知的財産毎に前回算出された減価償却額を会計年度別に記憶する旧減価償却費記憶部とに各々記憶されている減価償却額の差額を会計年度別に算出する処理と、前記算出された減価償却額の差額に基づいて、全知的財産の減価償却費の差額を会計年度別に集計する処理とを含むことを特徴とする。
【0045】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、特定の知的財産の取得年度と消滅年度を入力する処理をコンピュータに実行させ、前記会計管理処理は、前記入力された取得年度と消滅年度に基づいて当該知的財産の減価償却期間を算出する処理を含むことを特徴とする。
【0046】
本発明の知的財産会計管理プログラムは、知的財産の会計上の各種処理を行う処理部と知的財産の会計上の管理に使用される各種データを記憶する各種記憶部とを備えた知的財産会計管理装置における知的財産会計管理処理を行うための知的財産会計管理プログラムであって、特定の知的財産の取得のために費やされた取得費用の金額を入力する処理と、前記入力された取得費用額を、知的財産毎に取得費用額を会計年度別に記憶する費用記憶部に記憶されている当該知的財産の当該会計年度の取得費用額に加算する処理と、知的財産毎に消滅年度を記憶する消滅年度記憶部に記憶されている消滅年度に基づいて、特定年度の前年度からの減価償却期間を算出する処理と、この減価償却期間と、知的財産毎に帳簿価額を記憶する帳簿価額記憶部に記憶されている該前年度の帳簿価額とから、該前年度分の減価償却費を算出する処理と、前記算出された前年度分の減価償却費を前記前年度の帳簿価額から減算し、この減算結果に前記費用記憶部に記憶されている前記特定年度の取得費用額を加算し、この加算結果を前記特定年度の帳簿価額として前記帳簿価額記憶部に記憶させる処理とをコンピュータに実行させることを特徴としている。
【0047】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記費用記憶部には、前記取得費用額の内訳が費用項目別に記憶され、前記知的財産会計管理装置には、前記費用項目のうち、知的財産の帳簿価額に含める項目を記憶する選択項目記憶部が備えられ、前記選択項目記憶部の設定内容に従って知的財産の帳簿価額に含める費用を選択する処理をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0048】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記費用項目は、知的財産の創作者に支払う還元費用、研究開発費用、知的財産に係る手続きを委任する代理人に支払う代理人費用、知的財産に係る納付費用のうち、少なくとも二つ以上を含むことを特徴とする。
【0049】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記知的財産会計管理装置には、知的財産毎に技術分野を記憶する技術分野記憶部が備えられ、技術分野別に入力される研究開発費用額を当該技術分野に属する知的財産の個々に配賦し、この配賦結果を前記費用記憶部に反映させる研究開発費配賦処理をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0050】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記研究開発費配賦処理において、同じ技術分野に属する知的財産の件数分に当該技術分野の研究開発費用額を均等割りすることを特徴とする。
【0051】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記知的財産会計管理装置には、知的財産毎に重み係数を記憶する重み係数記憶部が備えられ、前記研究開発費配賦処理において、同じ技術分野に属する知的財産が有する重み係数の比率に応じて当該技術分野の研究開発費用額を配分することを特徴とする。
【0052】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記知的財産会計管理装置には、配賦可能な知的財産が未取得である研究開発費用額を繰延資産として記憶する繰延資産記憶部が備えられ、前記研究開発費配賦処理において、前記繰延資産となっている研究開発費用額に基づく知的財産が発生した場合に、当該研究開発費用額の配賦を開始することを特徴とする。
【0053】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記帳簿価額が固定資産に計上する対象となる所定金額以上であるか否かを判断して固定資産情報を出力する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0054】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記所定金額以上の帳簿価額を、固定資産の対象である知的財産毎に帳簿価額を記憶する固定資産記憶部に記憶させる処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
上記知的財産会計管理プログラムにより、前述の知的財産会計管理装置がコンピュータを利用して実現できるようになる。
【0055】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態による知的財産会計管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図1において、知的財産会計管理装置は処理部1と記憶部2と操作部3と表示部4と入出力インタフェース5から構成されている。各部1〜5はバスで接続されている。処理部1は知的財産の会計上の各種処理を行う知的財産会計管理部10を有する。記憶部2は知的財産の会計上の管理に使用される各種データを記憶する。操作部3は作業者がデータを入力するためのキーボード、マウス等の入力デバイスから構成される。表示部4はデータを表示するための表示装置(CRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置等)から構成される。入出力インタフェース5は、印刷装置や記録媒体(フレキシブルディスク等)の読み書き装置等の外部装置に接続し、データの入出力を行う。また、入出力インタフェース5は通信機能を備え、通信回線を介して外部のコンピュータと接続し、データの送受を行うものであってもよい。
以下、上記図1に示すハードウェア構成により実現される知的財産会計管理装置の各実施形態を順次説明する。
【0056】
図2は、第1の実施形態による知的財産会計管理装置の機能構成を示すブロック図である。図2において、知的財産会計管理装置は、費用更新部101と費用集計部102と固定資産判断部103と減価償却費算出部104と減価償却費差額算出部105と減価償却費差額総額算出部106と費用記憶部201と取得価額記憶部202と固定資産記憶部203と減価償却期間記憶部204と減価償却費記憶部205と旧減価償却費記憶部206とから構成される。上記各部101〜106は、図1の知的財産会計管理部10に含まれるものである。また、上記各記憶部201〜206は、図1の記憶部2に含まれるものである。
【0057】
図3は費用記憶部201の構成例を示す図である。費用記憶部201は知的財産毎に取得費用額を会計年度別に記憶する。取得費用額とは、特定の知的財産の取得のために費やされた取得費用の金額である。取得費用額には、発明者に支払われた還元額が含まれる。例えば、企業(出願人)から知的財産の発明者に支払われた「知的財産の出願に対する還元額」、「知的財産の権利登録に対する還元額」、「知的財産の実施に対する還元額」、「知的財産権の実施権の許諾に対する還元額」などである。また、取得費用額には、研究開発費の金額を含めるようにしてもよい。
【0058】
図3に示すように、出願番号に対応付けて各知的財産の取得費用額が会計年度別に記憶されている。例えば、出願番号「H0X−AAAAAA」の知的財産の会計年度「1年目」に計上された取得費用額は「10万円」であり、会計年度「2年目」に計上された取得費用額は「15万円」である。
なお、本実施形態においては、知的財産の出願番号が当該知的財産の管理番号として利用されている。
【0059】
図4は取得価額記憶部202の構成例を示す図である。取得価額記憶部202は知的財産毎に取得価額を記憶する。取得価額とは、特定の知的財産の取得のために費やされた取得費用額の総額である。図4に示すように、出願番号に対応付けて各知的財産の取得価額が記憶されている。例えば、出願番号「H0X−AAAAAA」の知的財産の取得価額は「100万円」であり、出願番号「200X−CCCCCC」の知的財産の取得価額は「5万円」である。
【0060】
図5は固定資産記憶部203の構成例を示す図である。固定資産記憶部203は固定資産の対象である知的財産毎に取得価額を記憶する。固定資産の対象である知的財産とは、取得価額が所定金額(例えば20万円)以上の知的財産のことである。図5に示すように、出願番号に対応付けて固定資産の対象である各知的財産の取得価額が記憶されている。例えば、出願番号「H0X−AAAAAA」の知的財産の取得価額「100万円」は、固定資産に計上する対象となる所定金額(20万円)以上であり、固定資産記憶部203に記憶されている。
【0061】
図6は減価償却期間記憶部204の構成例を示す図である。減価償却期間記憶部204は知的財産毎に減価償却期間を記憶する。減価償却期間とは、特定の知的財産の取得年度から消滅年度迄の期間として算出された、減価償却する期間のことである。知的財産の取得年度とは、知的財産が取得された年度のことであり、例えば当該知的財産が出願された年度である。あるいは、知的財産の取得年度として当該知的財産が権利登録された年度を用いるようにしてもよい。
【0062】
消滅年度とは、知的財産の価値が消滅する年度のことであり、知的財産の価値が存続する期間が取得年度から経過した年度として算出される。知的財産の価値が存続する期間としては、例えば、工業所有権法で定められた権利存続期間(例えば特許権の場合は20年)、税法で定められた期間(8年)、知的財産の技術余命などが利用可能である。知的財産の技術余命とは、当該知的財産の技術的ライフサイクルまたは意匠ライフサイクルでの想定ライフ期間のことである。また、工業所有権法で定められた権利存続期間、又は税法で定められた期間のうち、短い方の期間を知的財産の価値が存続する期間としてもよい。あるいは、工業所有権法で定められた権利存続期間、又は、税法で定められた期間、又は、当該知的財産の技術余命のうち、最も短い期間を知的財産の価値が存続する期間としてもよい。
【0063】
図6に示すように、出願番号に対応付けて各知的財産の減価償却期間が記憶されている。例えば、出願番号「H0X−AAAAAA」の知的財産の減価償却期間は20年(特許権の存続期間)である。
【0064】
図7は減価償却費記憶部205の構成例を示す図である。減価償却費記憶部205は知的財産毎に最新の算出された減価償却額を会計年度別に記憶する。図7に示すように、出願番号に対応付けて各知的財産の最新の減価償却額が会計年度別に記憶されている。例えば、出願番号「H0X−AAAAAA」の知的財産の会計年度「1年目」、「2年目」分の最新の減価償却額は共に「5万円」である。
【0065】
図8は旧減価償却費記憶部206の構成例を示す図である。旧減価償却費記憶部206は知的財産毎に前回算出された減価償却額を会計年度別に記憶する。図8に示すように、出願番号に対応付けて各知的財産の旧減価償却額が会計年度別に記憶されている。例えば、出願番号「H0X−AAAAAA」の知的財産の会計年度「1年目」、「2年目」分の旧減価償却額は共に「4.5万円」である。
【0066】
次に、図2に示す第1の実施形態による知的財産会計管理装置の動作を説明する。
先ず、特定の知的財産の取得費用額がその出願番号とともに操作部3により入力されると、費用更新部101は該入力された取得費用額を費用記憶部201に記憶されている当該知的財産の当該会計年度(ここでは今年度)の取得費用額に加算する。なお、会計年度を指定して取得費用額を入力することも可能である。
【0067】
次いで、費用集計部102は、費用記憶部201に記憶されている取得費用額を知的財産毎に集計し、各集計結果を各々該当する知的財産の取得価額として取得価額記憶部202に記憶させる。これにより、各知的財産の取得価額が更新される。なお、この取得価額更新処理は所定日に行うようにしてもよい。例えば、半期毎の所定日に行ってもよく、あるいは四半期毎の所定日に行ってもよい。
【0068】
固定資産判断部103は、更新された取得価額が固定資産に計上する対象となる所定金額(例えば20万円)以上であるか否かを判断し、この判断結果に基づいて固定資産情報を出力する。例えば、新たに固定資産の対象となった知的財産の出願番号とその取得価額を固定資産情報として表示または印字出力する。これにより、管理者は、固定資産の対象となった知的財産を容易に把握することができ、固定資産として確実に計上することができる。
【0069】
さらに、固定資産判断部103は、該所定金額以上の取得価額を当該知的財産の出願番号に対応付けて固定資産記憶部203に記憶させる。これにより、知的財産の固定資産情報を自動的に記録することができる。
【0070】
減価償却費算出部104は、費用集計部102により取得価額が更新されると、取得価額記憶部202に記憶されている取得価額と減価償却期間記憶部204に記憶されている減価償却期間とに基づいて、知的財産毎に減価償却額と未償却残高を算出する。ここで、減価償却費算出部104は、所定の減価償却規則に従って減価償却額と未償却残高を算出する。例えば、定額法により、毎年一定の金額を減価償却するように、各会計年度の減価償却額を算出する。
【0071】
そして、減価償却費算出部104は、該算出した減価償却額により減価償却費記憶部205の各知的財産の会計年度別の減価償却額を更新する。ここで、減価償却費算出部104は、減価償却費記憶部205の更新前の各知的財産の会計年度別の減価償却額を旧減価償却費記憶部206にコピーする。これにより、減価償却費記憶部205には、知的財産毎に最新の算出された減価償却額が会計年度別に記憶される。また、旧減価償却費記憶部206には、知的財産毎に前回算出された減価償却額が会計年度別に記憶される。
【0072】
次いで、減価償却費差額算出部105は、減価償却費記憶部205及び旧減価償却費記憶部206に各々記憶されている減価償却額の差額を会計年度別に算出する。次いで、減価償却費差額総額算出部106は、その算出された減価償却額の差額に基づいて、全知的財産の減価償却費の差額を会計年度別に集計する。図9にその会計年度別の集計結果(減価償却費差額総額)の例が示されている。減価償却費差額算出部105は、この減価償却費差額総額情報を表示または印字出力する。これにより、管理者は会計年度毎に減価償却費の前年度分からの差額総額を容易に把握することができ、会計処理の能率が向上する。
なお、取得価額や減価償却費、未償却残高などの会計情報についても表示または印字出力することが可能である。
【0073】
上述したように第1の実施形態によれば、新たに追加された取得費用の金額に基づいて当該知的財産の取得価額を更新することができ、この更新後の取得価額により当該知的財産の取得年度からの減価償却費の算出や固定資産の判断などの知的財産の会計上の処理を行うことができる。これにより、知的財産の会計上の管理に対応することが可能となる。
【0074】
また、知的財産毎に取得費用額を会計年度別に記憶するので、知的財産の会計年度別の取得費用額を管理することができる。
【0075】
また、全知的財産の減価償却費の差額を会計年度別に集計するので、会計年度毎に減価償却費の前年度分からの差額総額を容易に把握することができ、会計処理の能率が向上する。
【0076】
また、特定の知的財産の取得年度と消滅年度を入力するようにし(償却期間算出情報入力部に対応)、知的財産会計管理部が、入力された取得年度と消滅年度に基づいて当該知的財産の減価償却期間を算出するようにしてもよい(減価償却期間算出部に対応)。これにより、取得年度と消滅年度とから自動的に知的財産の減価償却期間を算出することができる。
【0077】
次に、第2の実施形態を説明する。図10は、第2の実施形態による知的財産会計管理装置の機能構成を示すブロック図である。図10において、知的財産会計管理装置は、費用更新部101と固定資産判断部103と帳簿価額更新部111と前年減価償却費算出部112と費用記憶部201と固定資産記憶部203と消滅年度記憶部211と帳簿価額記憶部212とから構成される。上記各部101,103,111及び112は、図1の知的財産会計管理部10に含まれるものである。また、上記各記憶部201,203,211及び212は、図1の記憶部2に含まれるものである。なお、図10において図2の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
【0078】
図11は消滅年度記憶部211の構成例を示す図である。消滅年度記憶部211は知的財産毎に消滅年度を記憶する。図11に示すように、出願番号に対応付けて各知的財産の消滅年度が記憶されている。例えば、出願番号「H0X−AAAAAA」の知的財産の消滅年度は「201X年」である。
【0079】
図12は帳簿価額記憶部212の構成例を示す図である。帳簿価額記憶部212は知的財産毎に帳簿価額を会計年度別に記憶する。図7に示すように、出願番号に対応付けて各知的財産の帳簿価額が会計年度別に記憶されている。例えば、出願番号「H0X−AAAAAA」の知的財産の会計年度「1年目」の帳簿価額は「10万円」であり、会計年度「2年目」の帳簿価額は「24.5万円」である。
【0080】
なお、固定資産記憶部203は固定資産の対象である知的財産毎に帳簿価額を記憶する。
【0081】
次に、図10に示す第2の実施形態による知的財産会計管理装置の動作を説明する。
先ず、特定の知的財産の取得費用額がその出願番号とともに操作部3により入力されると、上記第1の実施形態と同様に費用更新部101は該入力された取得費用額に基づいて費用記憶部201に記憶されている取得費用額を更新する。
【0082】
前年減価償却費算出部112は、消滅年度記憶部211に記憶されている消滅年度に基づいて特定年度(ここでは2002年度とする)の前年度(2001年度)からの減価償却費を算出する。上記特定年度は、新たに帳簿価額を算出する会計年度である。ここでは、2001年度から消滅年度迄の期間を減価償却期間として算出する。そして、前年減価償却費算出部112は、その減価償却期間と帳簿価額記憶部212に記憶されている該前年度(2001年度)の帳簿価額とから、該前年度分(2001年度分)の減価償却費を例えば定額法により算出する。
【0083】
次いで、帳簿価額更新部111は、該算出された前年度分(2001年度分)の減価償却費を該前年度(2001年度)の帳簿価額から減算し、この減算結果に費用記憶部201に記憶されている特定年度(2002年度)の取得費用額を加算する。そして、この加算結果を特定年度(2002年度)の帳簿価額として帳簿価額記憶部212に記憶させる。
なお、この帳簿価額更新処理は所定日に行うようにしてもよい。例えば、半期毎の所定日に行ってもよく、あるいは四半期毎の所定日に行ってもよい。
【0084】
固定資産判断部103は、帳簿価額が固定資産に計上する対象となる所定金額(例えば20万円)以上であるか否かを判断し、この判断結果に基づいて固定資産情報を出力する。例えば、新たに固定資産の対象となった知的財産の出願番号とその帳簿価額を固定資産情報として表示または印字出力する。さらに、固定資産判断部103は、該所定金額以上の帳簿価額を当該知的財産の出願番号に対応付けて固定資産記憶部203に記憶させる。
【0085】
上述したように第2の実施形態によれば、新たに追加された取得費用の金額に基づいて当該知的財産の当該会計年度の帳簿価額を更新することができる。これにより、更新後の帳簿価額に基づいて該取得費用追加年度以降の減価償却費の算出ができるので、それ以前の減価償却費の更新を行う必要がなくなる。また、最新の帳簿価額に基づいて固定資産の判断を行うことができる。
【0086】
なお、上述した実施形態において、特定の知的財産の取得費用額や償却期間算出情報(取得年度と消滅年度)は、操作部3から入力してもよく、あるいは入出力インタフェース5により通信回線を介して外部のコンピュータや入力端末などから入力してもよい。上記実施形態においては、操作部3と入出力インタフェース5が、取得費用額入力部と償却期間算出情報入力部に対応する。
【0087】
次に、第3の実施形態を説明する。図13は、第3の実施形態による知的財産会計管理装置の機能構成を示すブロック図である。この図13において図2の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。図13に示す知的財産会計管理装置においては、上記図2の知的財産会計管理装置の構成に加えてさらに、選択部1001と選択項目記憶部2001とを備える。また、図2に示す費用記憶部201の代わりに項目別費用記憶部201aを備える。
【0088】
図14は、項目別費用記憶部201aの構成例を示す図である。図14に示されるように項目別費用記憶部201aは、上記図3の費用記憶部201と同様に、知的財産毎に取得費用額を会計年度別に記憶するが、該取得費用額の内訳を費用項目別に記憶している。その費用項目としては、知的財産の創作者(例えば発明者)に支払う還元費用(出願時補償金、登録時補償金、実績報奨金等)、知的財産を生みだす研究開発に要する研究開発費用、知的財産に係る手続きを委任する代理人に支払う代理人費用、知的財産に係る納付費用(出願手数料、出願審査請求手数料、特許料等)などがある。
【0089】
図15は、選択項目記憶部2001の構成例を示す図である。選択項目記憶部2001は、上記費用項目(還元費用、研究開発費用、代理人費用、納付費用)のうち、知的財産の取得価額に含める項目を記憶する。図15の例では、取得価額に含める項目が選択ON、含めない項目が選択OFFとして示されている。
【0090】
次に、図13に示す第3の実施形態による知的財産会計管理装置の動作を説明する。ここでは、上記図2の知的財産会計管理装置とは異なる、第3の実施形態における特徴的な動作のみを説明する。
図13において、費用更新部101は、取得費用額が入力されると、費用項目別に項目別費用記憶部201aを更新する。次いで、選択部1001は、項目別費用記憶部201aの取得費用額の中から、知的財産の取得価額に含める費用項目の取得費用額のみを選択して費用集計部102へ出力する。この選択時には選択項目記憶部2001が参照される。すなわち、選択部1001は、選択項目記憶部2001において選択項目として設定されている費用項目の取得費用額のみを選択する。図15の例では、選択ONに設定されている還元費用及び研究開発費用が選択項目となる。次いで、費用集計部102は、選択部1001から入力された取得費用額を知的財産毎に集計し、各集計結果を各々該当する知的財産の取得価額として取得価額記憶部202に記憶させる。
【0091】
上述した第3の実施形態によれば、選択項目記憶部2001の設定内容を変更することにより知的財産の取得価額として計上する費用項目を変更することができるので、会計制度の変更等により計上対象の費用項目の種類が変更されたとしても柔軟に対応することができる。
【0092】
なお、上述した第3の実施形態においては、上記図2の知的財産会計管理装置に対して適用したが、上記図10の知的財産会計管理装置(第2の実施形態)に対しても同様に適用することができる。図16に、その第4の実施形態による知的財産会計管理装置の機能構成を示すブロック図が示されている。この図16の知的財産会計管理装置においては、選択項目記憶部2001には知的財産の帳簿価額に含める費用項目が記憶される。そして、選択部1001が、該選択項目記憶部2001の設定内容に従って、項目別費用記憶部201aの取得費用額の中から、知的財産の帳簿価額に含める費用項目の取得費用額のみを選択して帳簿価額更新部111へ出力する。
この構成によれば、選択項目記憶部2001の設定内容を変更することにより知的財産の帳簿価額として計上する費用項目を変更することができる。
【0093】
次に、第5の実施形態を説明する。図17は、第5の実施形態による知的財産会計管理装置の機能構成を示すブロック図である。この図17において図13の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。図17に示す知的財産会計管理装置においては、上記図13の知的財産会計管理装置の構成に加えてさらに研究開発費管理部1100を設けている。この研究開発費管理部1100以外の構成及び動作は上記図13に示される第3の実施形態と同様である。
【0094】
研究開発費管理部1100には、取得費用情報のうち、研究開発費用に係る情報が入力される。この研究開発費情報には、研究開発費用額及び当該研究開発の技術分野が含まれる。研究開発費管理部1100は、入力された研究開発費額を当該研究開発技術分野に属する知的財産に対して適正な配賦を行う。この配賦額3001に基づいて、費用更新部101が項目別費用記憶部201aの該当する知的財産の研究開発費用額を更新する。
以下、この研究開発費管理部1100の実施形態を順次説明する。
【0095】
[研究開発費管理部1100の実施形態A]
初めに、図18及び図21を参照して、研究開発費管理部1100の一実施形態を説明する。図18は、同実施形態による研究開発費管理部1100aの構成を示すブロック図である。図21は、図18に示す技術分野記憶部2101aの構成例を示す図である。図18において、研究開発費管理部1100aは研究開発費配賦部1101aと技術分野記憶部2101aから構成される。
【0096】
図21に示されるように、技術分野記憶部2101aは、各知的財産の属する技術分野を記憶している。研究開発費配賦部1101aは、研究開発費情報(研究開発費用額及び技術分野)が入力されると、技術分野記憶部2101aを参照し、該入力された技術分野に属する知的財産の件数を求める。次いで、入力された研究開発費用額を該求めた件数で除して、知的財産一件当たりの配賦額3001aを算出する。次いで、研究開発費配賦部1101aは、その配賦額3001aを費用更新部101へ出力する。次いで、費用更新部101が、該配賦額3001aを項目別費用記憶部201aの該当する知的財産の研究開発費用額に加算して、研究開発費用額を更新する。
この実施形態Aでは、研究開発費用額を当該技術分野に属する知的財産の個々に対してそれぞれ均等に配分する。これにより、簡易に研究開発費の配賦額を算出可能である。
【0097】
[研究開発費管理部1100の実施形態B]
次に、図19及び図22を参照して、研究開発費管理部1100の他の実施形態を説明する。図19は、同実施形態による研究開発費管理部1100bの構成を示すブロック図である。図22は、図19に示す技術分野及び重み係数記憶部2101bの構成例を示す図である。図19において、研究開発費管理部1100bは研究開発費配賦部1101bと技術分野及び重み係数記憶部2101bから構成される。
【0098】
図22に示されるように、技術分野及び重み係数記憶部2101bは、知的財産毎に、その技術分野と重み係数を記憶している。この重み係数は知的財産の重要度に応じて設定される。研究開発費配賦部1101bは、研究開発費情報(研究開発費用額及び技術分野)が入力されると、技術分野及び重み係数記憶部2101bを参照し、該入力された技術分野に属する知的財産の重み係数の総和を求める。次いで、入力された研究開発費用額を該求めた総和で除して重み係数一単位当たりの研究開発費用額を算出する。次いで、当該技術分野に属する知的財産個々について、その重み係数を重み係数一単位当たりの研究開発費用額に乗じて、各知的財産に対する配賦額3001bを算出する。次いで、研究開発費配賦部1101bは、その配賦額3001bを費用更新部101へ出力する。次いで、費用更新部101が、該配賦額3001aを項目別費用記憶部201aの該当する知的財産の研究開発費用額に加算して、研究開発費用額を更新する。
この実施形態Bでは、研究開発費用額を当該技術分野に属する知的財産の個々に対してそれぞれの重み係数の比率に応じて配分する。これにより、知的財産の重要度に応じて研究開発費用額の配賦を行うことができる。
【0099】
[研究開発費管理部1100の実施形態C]
次に、図20及び図23を参照して、研究開発費管理部1100の他の実施形態を説明する。図20は、同実施形態による研究開発費管理部1100cの構成を示すブロック図である。図23は、図20に示す繰延資産記憶部2110の構成例を示す図である。図20において、研究開発費管理部1100cは研究開発費配賦部1101cと繰延資産記憶部2110と上記図21の技術分野記憶部2101aとから構成される。
【0100】
繰延資産記憶部2110は、配賦可能な知的財産が未取得である研究開発費用額を繰延資産として記憶する。図23の例では、研究開発費用額の管理番号に対応付けて、技術分野、繰延資産となっている研究開発費用額、及び配賦の可否が記憶されている。
【0101】
この実施形態Cでは、研究開発費情報として、研究開発費用額及び技術分野に加えてさらに、当該研究開発費用額が配賦可能なものか否かの情報が入力される。そして、この配賦可否情報により配賦が不可である研究開発費用額については、配賦が行われず、繰延資産記憶部2110に配賦否として記憶される。また、繰延資産となっている研究開発費用額に基づく知的財産が発生した場合には、研究開発費情報として、配賦可の情報が入力される。この配賦可情報により、繰延資産記憶部2110において配賦否であったものが配賦可に更新される。これにより、研究開発費配賦部1101cが、繰延資産となっていた研究開発費用額の配賦を開始する。
【0102】
研究開発費配賦部1101cは、入力された研究開発費用額のうち配賦可のものと、繰延資産記憶部2110の研究開発費用額のうち配賦可のものとについて配賦を行う。この配賦後、繰延資産記憶部2110の配賦可の研究開発費用額については繰延資産記憶部2110から削除する。この図20の実施形態では、上記図18の実施形態と同様に、研究開発費用額を当該技術分野に属する知的財産の個々に均等割りして配賦する。なお、上記図19の実施形態と同様に、技術分野及び重み係数記憶部2101bを備えて、研究開発費用額を当該技術分野に属する知的財産の個々に対してそれぞれの重み係数の比率に応じて配分するようにしてもよい。
【0103】
この実施形態Cによれば、配賦時期が未確定である研究開発費用額に対しても対応することができる。従来、事業の用に供していない資産は減価償却できず、研究開発においても事業の用に供するまでに時間がかかる場合があり、減価償却が開始できなかった。しかしながら、この実施形態により、知的財産を取得した時期を事業の用に供した時期と見なして簡便に減価償却を開始することが可能となる。
【0104】
上述した第5の実施形態によれば、研究開発費用額を該当する知的財産の取得価額として適正に会計計上することができる。従来、企業の収益が知的財産権に依存する割合が高くなっているにもかかわらず、研究開発費を費用化し、自己創出した知的財産が資産計上されないために、株式会社の株価時価総額と、貸借対照表が示す会計上の純資産簿価との乖離幅が大きくなっていた。しかしながら、上記研究開発費管理部1100を設けることにより、研究開発費が知的財産の取得価額の一部として適正に計上されて減価償却されることとなるので、株式会社の株価時価総額と、会計上の純資産簿価との乖離幅を小さくすることができる。
【0105】
なお、上述した第5の実施形態においては、上記図13の知的財産会計管理装置に適用したが、上記図16の知的財産会計管理装置にも同様に適用することができる。
【0106】
また、図2、図10、図13、図16、図17のいずれかに示す知的財産会計管理装置が行う各処理を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより知的財産会計管理処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0107】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0108】
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0109】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、新たに追加された取得費用の金額を反映させて知的財産の会計上の処理を行うことができ、知的財産の会計上の管理に対応することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による知的財産会計管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態による知的財産会計管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】費用記憶部201の構成例を示す図である。
【図4】取得価額記憶部202の構成例を示す図である。
【図5】固定資産記憶部203の構成例を示す図である。
【図6】減価償却期間記憶部204の構成例を示す図である。
【図7】減価償却費記憶部205の構成例を示す図である。
【図8】旧減価償却費記憶部206の構成例を示す図である。
【図9】減価償却費差額総額情報の構成例を示す図である。
【図10】第2の実施形態による知的財産会計管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図11】消滅年度記憶部211の構成例を示す図である。
【図12】帳簿価額記憶部212の構成例を示す図である。
【図13】第3の実施形態による知的財産会計管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図14】項目別費用記憶部201aの構成例を示す図である。
【図15】選択項目記憶部2001の構成例を示す図である。
【図16】第4の実施形態による知的財産会計管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図17】第5の実施形態による知的財産会計管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図18】研究開発費管理部1100の一構成を示すブロック図である。
【図19】研究開発費管理部1100の他の構成を示すブロック図である。
【図20】研究開発費管理部1100の他の構成を示すブロック図である。
【図21】図18に示す技術分野記憶部2101aの構成例を示す図である。
【図22】図19に示す技術分野及び重み係数記憶部2101bの構成例を示す図である。
【図23】図20に示す繰延資産記憶部2110の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1…処理部、2…記憶部、3…操作部、4…表示部、5…入出力インタフェース、101…費用更新部、102…費用集計部、103…固定資産判断部、104…減価償却費算出部、105…減価償却費差額算出部、106…減価償却費差額総額算出部、111…帳簿価額更新部、112…前年減価償却費算出部、201…費用記憶部、201a…項目別費用記憶部、202…取得価額記憶部、203…固定資産記憶部、204…減価償却期間記憶部、205…減価償却費記憶部、206…旧減価償却費記憶部、211…消滅年度記憶部、212…帳簿価額記憶部、1001…選択部、1100…研究開発費管理部、1101a,1101b,1101c…研究開発費配賦部、2001…選択項目記憶部、2101a…技術分野記憶部、2101b…技術分野及び重み係数記憶部、2110…繰延資産記憶部
【発明の属する技術分野】
本発明は、発明、考案、意匠等の知的財産の会計上の管理を行う知的財産会計管理装置及び知的財産会計管理プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の会計管理装置としては、各資産の取得時の価額が入力され、この取得価額に基づき定額法により各資産の減価償却額を算出し、全資産の減価償却額の総額を総計するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−125969号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の会計管理装置では、取得価額が固定的なものとして減価償却しており、知的財産のように取得時点から減価償却終了時点までの途中で取得価額が上がることを考慮していない。例えば、企業が発明者から発明の権利譲渡を受けて出願した時点を知的財産の取得時点とすると、この時点での取得価額は、企業が発明者に支払った「知的財産の出願に対する還元額」等からなる。そして、当該発明が特許として権利登録された時点で、企業が「知的財産の権利登録に対する還元額」を発明者に支払うと、当該知的財産の取得価額はその分上昇する。また、企業が発明を実施した場合に、「知的財産の実施に対する還元額」が企業から発明者に支払われると、当該知的財産の取得価額はその分上昇する。また、企業が他者との間で特許権のライセンス契約を締結して当該特許権の実施権を許諾した場合に、「知的財産権の実施権の許諾に対する還元額」が企業から発明者に支払われると、当該知的財産の取得価額はその分上昇する。
このように、知的財産の取得価額は、通常、取得時点の価額から上昇するものであり、従来の会計管理装置では知的財産の会計上の管理に対応することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、知的財産の会計上の管理に対応することができる知的財産会計管理装置を提供することにある。
【0006】
また、本発明は、その知的財産会計管理装置をコンピュータを利用して実現するための知的財産会計管理プログラムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の知的財産会計管理装置は、知的財産毎に取得価額を記憶する取得価額記憶部と、特定の知的財産の取得のために費やされた取得費用の金額を入力する取得費用額入力部と、前記入力された取得費用額に基づいて前記取得価額記憶部に記憶されている取得価額を更新し、知的財産の会計上の処理を行う知的財産会計管理部とを備えたことを特徴としている。
この発明によれば、新たに追加された取得費用の金額に基づいて当該知的財産の取得価額を更新することができ、この更新後の取得価額により知的財産の会計上の処理を行うことができる。
【0008】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、知的財産毎に取得費用額を会計年度別に記憶する費用記憶部を備え、前記知的財産会計管理部は、前記入力された取得費用額を前記費用記憶部に記憶されている当該知的財産の当該会計年度の取得費用額に加算する費用更新部と、前記費用記憶部に記憶されている取得費用額を知的財産毎に集計し、各集計結果を各々該当する知的財産の取得価額として前記取得価額記憶部に記憶させる費用集計部とを備えることを特徴とする。この発明によれば、知的財産の会計年度別の取得費用額を管理することができる。
【0009】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、前記費用記憶部は、前記取得費用額の内訳を費用項目別に記憶し、前記費用項目のうち、知的財産の取得価額に含める項目を記憶する選択項目記憶部と、前記選択項目記憶部の設定内容に従って知的財産の取得価額に含める費用を選択する選択部とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、選択項目記憶部の設定内容を変更することにより知的財産の取得価額として計上する費用項目を変更することができるので、会計制度の変更等により計上対象の費用項目の種類が変更されたとしても柔軟に対応することができる。
【0010】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、前記費用項目は、知的財産の創作者に支払う還元費用、研究開発費用、知的財産に係る手続きを委任する代理人に支払う代理人費用、知的財産に係る納付費用のうち、少なくとも二つ以上を含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、知的財産毎に技術分野を記憶する技術分野記憶部と、技術分野別に入力される研究開発費用額を当該技術分野に属する知的財産の個々に配賦し、この配賦結果を前記費用記憶部に反映させる研究開発費配賦部とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、研究開発費用額を該当する知的財産の取得価額として適正に会計計上することができる。
【0012】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、前記研究開発費配賦部は、同じ技術分野に属する知的財産の件数分に当該技術分野の研究開発費用額を均等割りすることを特徴とする。
この発明によれば、簡易に研究開発費用の配賦額を算出できる。
【0013】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、知的財産毎に重み係数を記憶する重み係数記憶部を備え、前記研究開発費配賦部は、同じ技術分野に属する知的財産が有する重み係数の比率に応じて当該技術分野の研究開発費用額を配分することを特徴とする。
この発明によれば、知的財産の重要度に応じて研究開発費用額の配賦を行うことができる。
【0014】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、配賦可能な知的財産が未取得である研究開発費用額を繰延資産として記憶する繰延資産記憶部を備え、前記研究開発費配賦部は、前記繰延資産となっている研究開発費用額に基づく知的財産が発生した場合に、当該研究開発費用額の配賦を開始することを特徴とする。この発明によれば、配賦時期が未確定である研究開発費用額に対しても対応することができる。
【0015】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、前記知的財産会計管理部は、前記取得価額が固定資産に計上する対象となる所定金額以上であるか否かを判断して固定資産情報を出力する固定資産判断部を備えることを特徴とする。
この発明によれば、固定資産の対象となった知的財産を容易に把握することができ、固定資産として確実に計上することができる。
【0016】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、固定資産の対象である知的財産毎に取得価額を記憶する固定資産記憶部を備え、前記固定資産判断部は、前記所定金額以上の取得価額を前記固定資産記憶部に記憶させることを特徴とする。
この発明によれば、知的財産の固定資産情報を自動的に記録することができる。
【0017】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、知的財産毎に減価償却期間を記憶する減価償却期間記憶部を備え、前記知的財産会計管理部は、前記取得価額記憶部に記憶されている取得価額と前記減価償却期間記憶部に記憶されている減価償却期間とに基づいて、知的財産毎に減価償却額と未償却残高を算出する減価償却費算出部を備えることを特徴とする。
この発明によれば、取得費用の追加により更新された取得価額により、知的財産の取得年度からの減価償却費の算出することができる。
【0018】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、知的財産毎に最新の前記算出された減価償却額を会計年度別に記憶する減価償却費記憶部と、知的財産毎に前回算出された減価償却額を会計年度別に記憶する旧減価償却費記憶部とを備え、前記知的財産会計管理部は、前記減価償却費記憶部及び前記旧減価償却費記憶部に各々記憶されている減価償却額の差額を会計年度別に算出する減価償却費差額算出部と、前記算出された減価償却額の差額に基づいて、全知的財産の減価償却費の差額を会計年度別に集計する減価償却費差額総額算出部とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、会計年度毎に減価償却費の前年度分からの差額総額を容易に把握することができ、会計処理の能率が向上する。
【0019】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、特定の知的財産の取得年度と消滅年度を入力する償却期間算出情報入力部を備え、前記知的財産会計管理部は、前記入力された取得年度と消滅年度に基づいて当該知的財産の減価償却期間を算出する減価償却期間算出部を備えることを特徴とする。
この発明によれば、取得年度と消滅年度とから自動的に知的財産の減価償却期間を算出することができる。
【0020】
本発明の知的財産会計管理装置は、特定の知的財産の取得のために費やされた取得費用の金額を入力する取得費用額入力部と、知的財産毎に取得費用額を会計年度別に記憶する費用記憶部と、前記入力された取得費用額を前記費用記憶部に記憶されている当該知的財産の当該会計年度の取得費用額に加算する費用更新部と、知的財産毎に消滅年度を記憶する消滅年度記憶部と、知的財産毎に帳簿価額を記憶する帳簿価額記憶部と、前記消滅年度記憶部に記憶されている消滅年度に基づいて特定年度の前年度からの減価償却期間を算出し、この減価償却期間と前記帳簿価額記憶部に記憶されている該前年度の帳簿価額とから該前年度分の減価償却費を算出する前年減価償却費算出部と、前記算出された前年度分の減価償却費を前記前年度の帳簿価額から減算し、この減算結果に前記費用記憶部に記憶されている前記特定年度の取得費用額を加算し、この加算結果を前記特定年度の帳簿価額として前記帳簿価額記憶部に記憶させる帳簿価額更新部とを備えたことを特徴としている。
この発明によれば、新たに追加された取得費用の金額に基づいて当該知的財産の当該会計年度の帳簿価額を更新することができる。これにより、更新後の帳簿価額に基づいて該取得費用追加年度以降の減価償却費の算出ができるので、それ以前の減価償却費の更新を行う必要がなくなる。
【0021】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、前記費用記憶部は、前記取得費用額の内訳を費用項目別に記憶し、前記費用項目のうち、知的財産の帳簿価額に含める項目を記憶する選択項目記憶部と、前記選択項目記憶部の設定内容に従って知的財産の帳簿価額に含める費用を選択する選択部とを備えたことを特徴とする。
【0022】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、前記費用項目は、知的財産の創作者に支払う還元費用、研究開発費用、知的財産に係る手続きを委任する代理人に支払う代理人費用、知的財産に係る納付費用のうち、少なくとも二つ以上を含むことを特徴とする。
【0023】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、知的財産毎に技術分野を記憶する技術分野記憶部と、技術分野別に入力される研究開発費用額を当該技術分野に属する知的財産の個々に配賦し、この配賦結果を前記費用記憶部に反映させる研究開発費配賦部とを備えたことを特徴とする。
【0024】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、前記研究開発費配賦部は、同じ技術分野に属する知的財産の件数分に当該技術分野の研究開発費用額を均等割りすることを特徴とする。
【0025】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、知的財産毎に重み係数を記憶する重み係数記憶部を備え、前記研究開発費配賦部は、同じ技術分野に属する知的財産が有する重み係数の比率に応じて当該技術分野の研究開発費用額を配分することを特徴とする。
【0026】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、配賦可能な知的財産が未取得である研究開発費用額を繰延資産として記憶する繰延資産記憶部を備え、前記研究開発費配賦部は、前記繰延資産となっている研究開発費用額に基づく知的財産が発生した場合に、当該研究開発費用額の配賦を開始することを特徴とする。
【0027】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、前記帳簿価額が固定資産に計上する対象となる所定金額以上であるか否かを判断して固定資産情報を出力する固定資産判断部を備えることを特徴とする。
この発明によれば、最新の帳簿価額に基づいて固定資産の判断を行うことができるとともに、固定資産の対象となった知的財産を容易に把握することができ、固定資産として確実に計上することができる。
【0028】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、固定資産の対象である知的財産毎に帳簿価額を記憶する固定資産記憶部を備え、前記固定資産判断部は、前記所定金額以上の帳簿価額を前記固定資産記憶部に記憶させることを特徴とする。
【0029】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、前記取得年度は当該知的財産が出願された年度であることを特徴とする。
【0030】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、前記取得年度は当該知的財産が権利登録された年度であることを特徴とする。
【0031】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、前記消滅年度は、工業所有権法で定められた権利存続期間、又は税法で定められた期間のうち、短い方の期間に基づいて算出されることを特徴とする。
【0032】
また、本発明の知的財産会計管理装置においては、前記消滅年度は、工業所有権法で定められた権利存続期間、又は、税法で定められた期間、又は、当該知的財産の技術余命のうち、最も短い期間に基づいて算出されることを特徴とする。
【0033】
本発明の知的財産会計管理プログラムは、知的財産の会計上の各種処理を行う処理部と知的財産の会計上の管理に使用される各種データを記憶する各種記憶部とを備えた知的財産会計管理装置における知的財産会計管理処理を行うための知的財産会計管理プログラムであって、特定の知的財産の取得のために費やされた取得費用の金額を入力する処理と、前記入力された取得費用額に基づいて、知的財産毎に取得価額を記憶する取得価額記憶部に記憶されている取得価額を更新する取得価額更新処理と、該更新された取得価額により知的財産の会計上の処理を行う会計管理処理とをコンピュータに実行させることを特徴としている。
【0034】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記入力された取得費用額を、知的財産毎に取得費用額を会計年度別に記憶する費用記憶部に記憶されている当該知的財産の当該会計年度の取得費用額に加算する処理と、前記費用記憶部に記憶されている取得費用額を知的財産毎に集計する処理と、該各集計結果を各々該当する知的財産の取得価額として前記取得価額記憶部に記憶させる処理とを含むことを特徴とする。
【0035】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記費用記憶部には、前記取得費用額の内訳が費用項目別に記憶され、前記知的財産会計管理装置には、前記費用項目のうち、知的財産の取得価額に含める項目を記憶する選択項目記憶部が備えられ、前記選択項目記憶部の設定内容に従って知的財産の取得価額に含める費用を選択する処理をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0036】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記費用項目は、知的財産の創作者に支払う還元費用、研究開発費用、知的財産に係る手続きを委任する代理人に支払う代理人費用、知的財産に係る納付費用のうち、少なくとも二つ以上を含むことを特徴とする。
【0037】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記知的財産会計管理装置には、知的財産毎に技術分野を記憶する技術分野記憶部が備えられ、技術分野別に入力される研究開発費用額を当該技術分野に属する知的財産の個々に配賦し、この配賦結果を前記費用記憶部に反映させる研究開発費配賦処理をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0038】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記研究開発費配賦処理において、同じ技術分野に属する知的財産の件数分に当該技術分野の研究開発費用額を均等割りすることを特徴とする。
【0039】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記知的財産会計管理装置には、知的財産毎に重み係数を記憶する重み係数記憶部が備えられ、前記研究開発費配賦処理において、同じ技術分野に属する知的財産が有する重み係数の比率に応じて当該技術分野の研究開発費用額を配分することを特徴とする。
【0040】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記知的財産会計管理装置には、配賦可能な知的財産が未取得である研究開発費用額を繰延資産として記憶する繰延資産記憶部が備えられ、前記研究開発費配賦処理において、前記繰延資産となっている研究開発費用額に基づく知的財産が発生した場合に、当該研究開発費用額の配賦を開始することを特徴とする。
【0041】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記会計管理処理は、前記取得価額が固定資産に計上する対象となる所定金額以上であるか否かを判断して固定資産情報を出力する処理を含むことを特徴とする。
【0042】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記会計管理処理は、前記所定金額以上の取得価額を、固定資産の対象である知的財産毎に取得価額を記憶する固定資産記憶部に記憶させる処理を含むことを特徴とする。
【0043】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記会計管理処理は、前記取得価額記憶部に記憶されている取得価額と、知的財産毎に減価償却期間を記憶する減価償却期間記憶部に記憶されている減価償却期間とに基づいて、知的財産毎に減価償却額と未償却残高を算出する処理を含むことを特徴とする。
【0044】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記会計管理処理は、知的財産毎に最新の前記算出された減価償却額を会計年度別に記憶する減価償却費記憶部と、知的財産毎に前回算出された減価償却額を会計年度別に記憶する旧減価償却費記憶部とに各々記憶されている減価償却額の差額を会計年度別に算出する処理と、前記算出された減価償却額の差額に基づいて、全知的財産の減価償却費の差額を会計年度別に集計する処理とを含むことを特徴とする。
【0045】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、特定の知的財産の取得年度と消滅年度を入力する処理をコンピュータに実行させ、前記会計管理処理は、前記入力された取得年度と消滅年度に基づいて当該知的財産の減価償却期間を算出する処理を含むことを特徴とする。
【0046】
本発明の知的財産会計管理プログラムは、知的財産の会計上の各種処理を行う処理部と知的財産の会計上の管理に使用される各種データを記憶する各種記憶部とを備えた知的財産会計管理装置における知的財産会計管理処理を行うための知的財産会計管理プログラムであって、特定の知的財産の取得のために費やされた取得費用の金額を入力する処理と、前記入力された取得費用額を、知的財産毎に取得費用額を会計年度別に記憶する費用記憶部に記憶されている当該知的財産の当該会計年度の取得費用額に加算する処理と、知的財産毎に消滅年度を記憶する消滅年度記憶部に記憶されている消滅年度に基づいて、特定年度の前年度からの減価償却期間を算出する処理と、この減価償却期間と、知的財産毎に帳簿価額を記憶する帳簿価額記憶部に記憶されている該前年度の帳簿価額とから、該前年度分の減価償却費を算出する処理と、前記算出された前年度分の減価償却費を前記前年度の帳簿価額から減算し、この減算結果に前記費用記憶部に記憶されている前記特定年度の取得費用額を加算し、この加算結果を前記特定年度の帳簿価額として前記帳簿価額記憶部に記憶させる処理とをコンピュータに実行させることを特徴としている。
【0047】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記費用記憶部には、前記取得費用額の内訳が費用項目別に記憶され、前記知的財産会計管理装置には、前記費用項目のうち、知的財産の帳簿価額に含める項目を記憶する選択項目記憶部が備えられ、前記選択項目記憶部の設定内容に従って知的財産の帳簿価額に含める費用を選択する処理をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0048】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記費用項目は、知的財産の創作者に支払う還元費用、研究開発費用、知的財産に係る手続きを委任する代理人に支払う代理人費用、知的財産に係る納付費用のうち、少なくとも二つ以上を含むことを特徴とする。
【0049】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記知的財産会計管理装置には、知的財産毎に技術分野を記憶する技術分野記憶部が備えられ、技術分野別に入力される研究開発費用額を当該技術分野に属する知的財産の個々に配賦し、この配賦結果を前記費用記憶部に反映させる研究開発費配賦処理をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0050】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記研究開発費配賦処理において、同じ技術分野に属する知的財産の件数分に当該技術分野の研究開発費用額を均等割りすることを特徴とする。
【0051】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記知的財産会計管理装置には、知的財産毎に重み係数を記憶する重み係数記憶部が備えられ、前記研究開発費配賦処理において、同じ技術分野に属する知的財産が有する重み係数の比率に応じて当該技術分野の研究開発費用額を配分することを特徴とする。
【0052】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記知的財産会計管理装置には、配賦可能な知的財産が未取得である研究開発費用額を繰延資産として記憶する繰延資産記憶部が備えられ、前記研究開発費配賦処理において、前記繰延資産となっている研究開発費用額に基づく知的財産が発生した場合に、当該研究開発費用額の配賦を開始することを特徴とする。
【0053】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記帳簿価額が固定資産に計上する対象となる所定金額以上であるか否かを判断して固定資産情報を出力する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0054】
また、本発明の知的財産会計管理プログラムにおいては、前記所定金額以上の帳簿価額を、固定資産の対象である知的財産毎に帳簿価額を記憶する固定資産記憶部に記憶させる処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
上記知的財産会計管理プログラムにより、前述の知的財産会計管理装置がコンピュータを利用して実現できるようになる。
【0055】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態による知的財産会計管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図1において、知的財産会計管理装置は処理部1と記憶部2と操作部3と表示部4と入出力インタフェース5から構成されている。各部1〜5はバスで接続されている。処理部1は知的財産の会計上の各種処理を行う知的財産会計管理部10を有する。記憶部2は知的財産の会計上の管理に使用される各種データを記憶する。操作部3は作業者がデータを入力するためのキーボード、マウス等の入力デバイスから構成される。表示部4はデータを表示するための表示装置(CRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置等)から構成される。入出力インタフェース5は、印刷装置や記録媒体(フレキシブルディスク等)の読み書き装置等の外部装置に接続し、データの入出力を行う。また、入出力インタフェース5は通信機能を備え、通信回線を介して外部のコンピュータと接続し、データの送受を行うものであってもよい。
以下、上記図1に示すハードウェア構成により実現される知的財産会計管理装置の各実施形態を順次説明する。
【0056】
図2は、第1の実施形態による知的財産会計管理装置の機能構成を示すブロック図である。図2において、知的財産会計管理装置は、費用更新部101と費用集計部102と固定資産判断部103と減価償却費算出部104と減価償却費差額算出部105と減価償却費差額総額算出部106と費用記憶部201と取得価額記憶部202と固定資産記憶部203と減価償却期間記憶部204と減価償却費記憶部205と旧減価償却費記憶部206とから構成される。上記各部101〜106は、図1の知的財産会計管理部10に含まれるものである。また、上記各記憶部201〜206は、図1の記憶部2に含まれるものである。
【0057】
図3は費用記憶部201の構成例を示す図である。費用記憶部201は知的財産毎に取得費用額を会計年度別に記憶する。取得費用額とは、特定の知的財産の取得のために費やされた取得費用の金額である。取得費用額には、発明者に支払われた還元額が含まれる。例えば、企業(出願人)から知的財産の発明者に支払われた「知的財産の出願に対する還元額」、「知的財産の権利登録に対する還元額」、「知的財産の実施に対する還元額」、「知的財産権の実施権の許諾に対する還元額」などである。また、取得費用額には、研究開発費の金額を含めるようにしてもよい。
【0058】
図3に示すように、出願番号に対応付けて各知的財産の取得費用額が会計年度別に記憶されている。例えば、出願番号「H0X−AAAAAA」の知的財産の会計年度「1年目」に計上された取得費用額は「10万円」であり、会計年度「2年目」に計上された取得費用額は「15万円」である。
なお、本実施形態においては、知的財産の出願番号が当該知的財産の管理番号として利用されている。
【0059】
図4は取得価額記憶部202の構成例を示す図である。取得価額記憶部202は知的財産毎に取得価額を記憶する。取得価額とは、特定の知的財産の取得のために費やされた取得費用額の総額である。図4に示すように、出願番号に対応付けて各知的財産の取得価額が記憶されている。例えば、出願番号「H0X−AAAAAA」の知的財産の取得価額は「100万円」であり、出願番号「200X−CCCCCC」の知的財産の取得価額は「5万円」である。
【0060】
図5は固定資産記憶部203の構成例を示す図である。固定資産記憶部203は固定資産の対象である知的財産毎に取得価額を記憶する。固定資産の対象である知的財産とは、取得価額が所定金額(例えば20万円)以上の知的財産のことである。図5に示すように、出願番号に対応付けて固定資産の対象である各知的財産の取得価額が記憶されている。例えば、出願番号「H0X−AAAAAA」の知的財産の取得価額「100万円」は、固定資産に計上する対象となる所定金額(20万円)以上であり、固定資産記憶部203に記憶されている。
【0061】
図6は減価償却期間記憶部204の構成例を示す図である。減価償却期間記憶部204は知的財産毎に減価償却期間を記憶する。減価償却期間とは、特定の知的財産の取得年度から消滅年度迄の期間として算出された、減価償却する期間のことである。知的財産の取得年度とは、知的財産が取得された年度のことであり、例えば当該知的財産が出願された年度である。あるいは、知的財産の取得年度として当該知的財産が権利登録された年度を用いるようにしてもよい。
【0062】
消滅年度とは、知的財産の価値が消滅する年度のことであり、知的財産の価値が存続する期間が取得年度から経過した年度として算出される。知的財産の価値が存続する期間としては、例えば、工業所有権法で定められた権利存続期間(例えば特許権の場合は20年)、税法で定められた期間(8年)、知的財産の技術余命などが利用可能である。知的財産の技術余命とは、当該知的財産の技術的ライフサイクルまたは意匠ライフサイクルでの想定ライフ期間のことである。また、工業所有権法で定められた権利存続期間、又は税法で定められた期間のうち、短い方の期間を知的財産の価値が存続する期間としてもよい。あるいは、工業所有権法で定められた権利存続期間、又は、税法で定められた期間、又は、当該知的財産の技術余命のうち、最も短い期間を知的財産の価値が存続する期間としてもよい。
【0063】
図6に示すように、出願番号に対応付けて各知的財産の減価償却期間が記憶されている。例えば、出願番号「H0X−AAAAAA」の知的財産の減価償却期間は20年(特許権の存続期間)である。
【0064】
図7は減価償却費記憶部205の構成例を示す図である。減価償却費記憶部205は知的財産毎に最新の算出された減価償却額を会計年度別に記憶する。図7に示すように、出願番号に対応付けて各知的財産の最新の減価償却額が会計年度別に記憶されている。例えば、出願番号「H0X−AAAAAA」の知的財産の会計年度「1年目」、「2年目」分の最新の減価償却額は共に「5万円」である。
【0065】
図8は旧減価償却費記憶部206の構成例を示す図である。旧減価償却費記憶部206は知的財産毎に前回算出された減価償却額を会計年度別に記憶する。図8に示すように、出願番号に対応付けて各知的財産の旧減価償却額が会計年度別に記憶されている。例えば、出願番号「H0X−AAAAAA」の知的財産の会計年度「1年目」、「2年目」分の旧減価償却額は共に「4.5万円」である。
【0066】
次に、図2に示す第1の実施形態による知的財産会計管理装置の動作を説明する。
先ず、特定の知的財産の取得費用額がその出願番号とともに操作部3により入力されると、費用更新部101は該入力された取得費用額を費用記憶部201に記憶されている当該知的財産の当該会計年度(ここでは今年度)の取得費用額に加算する。なお、会計年度を指定して取得費用額を入力することも可能である。
【0067】
次いで、費用集計部102は、費用記憶部201に記憶されている取得費用額を知的財産毎に集計し、各集計結果を各々該当する知的財産の取得価額として取得価額記憶部202に記憶させる。これにより、各知的財産の取得価額が更新される。なお、この取得価額更新処理は所定日に行うようにしてもよい。例えば、半期毎の所定日に行ってもよく、あるいは四半期毎の所定日に行ってもよい。
【0068】
固定資産判断部103は、更新された取得価額が固定資産に計上する対象となる所定金額(例えば20万円)以上であるか否かを判断し、この判断結果に基づいて固定資産情報を出力する。例えば、新たに固定資産の対象となった知的財産の出願番号とその取得価額を固定資産情報として表示または印字出力する。これにより、管理者は、固定資産の対象となった知的財産を容易に把握することができ、固定資産として確実に計上することができる。
【0069】
さらに、固定資産判断部103は、該所定金額以上の取得価額を当該知的財産の出願番号に対応付けて固定資産記憶部203に記憶させる。これにより、知的財産の固定資産情報を自動的に記録することができる。
【0070】
減価償却費算出部104は、費用集計部102により取得価額が更新されると、取得価額記憶部202に記憶されている取得価額と減価償却期間記憶部204に記憶されている減価償却期間とに基づいて、知的財産毎に減価償却額と未償却残高を算出する。ここで、減価償却費算出部104は、所定の減価償却規則に従って減価償却額と未償却残高を算出する。例えば、定額法により、毎年一定の金額を減価償却するように、各会計年度の減価償却額を算出する。
【0071】
そして、減価償却費算出部104は、該算出した減価償却額により減価償却費記憶部205の各知的財産の会計年度別の減価償却額を更新する。ここで、減価償却費算出部104は、減価償却費記憶部205の更新前の各知的財産の会計年度別の減価償却額を旧減価償却費記憶部206にコピーする。これにより、減価償却費記憶部205には、知的財産毎に最新の算出された減価償却額が会計年度別に記憶される。また、旧減価償却費記憶部206には、知的財産毎に前回算出された減価償却額が会計年度別に記憶される。
【0072】
次いで、減価償却費差額算出部105は、減価償却費記憶部205及び旧減価償却費記憶部206に各々記憶されている減価償却額の差額を会計年度別に算出する。次いで、減価償却費差額総額算出部106は、その算出された減価償却額の差額に基づいて、全知的財産の減価償却費の差額を会計年度別に集計する。図9にその会計年度別の集計結果(減価償却費差額総額)の例が示されている。減価償却費差額算出部105は、この減価償却費差額総額情報を表示または印字出力する。これにより、管理者は会計年度毎に減価償却費の前年度分からの差額総額を容易に把握することができ、会計処理の能率が向上する。
なお、取得価額や減価償却費、未償却残高などの会計情報についても表示または印字出力することが可能である。
【0073】
上述したように第1の実施形態によれば、新たに追加された取得費用の金額に基づいて当該知的財産の取得価額を更新することができ、この更新後の取得価額により当該知的財産の取得年度からの減価償却費の算出や固定資産の判断などの知的財産の会計上の処理を行うことができる。これにより、知的財産の会計上の管理に対応することが可能となる。
【0074】
また、知的財産毎に取得費用額を会計年度別に記憶するので、知的財産の会計年度別の取得費用額を管理することができる。
【0075】
また、全知的財産の減価償却費の差額を会計年度別に集計するので、会計年度毎に減価償却費の前年度分からの差額総額を容易に把握することができ、会計処理の能率が向上する。
【0076】
また、特定の知的財産の取得年度と消滅年度を入力するようにし(償却期間算出情報入力部に対応)、知的財産会計管理部が、入力された取得年度と消滅年度に基づいて当該知的財産の減価償却期間を算出するようにしてもよい(減価償却期間算出部に対応)。これにより、取得年度と消滅年度とから自動的に知的財産の減価償却期間を算出することができる。
【0077】
次に、第2の実施形態を説明する。図10は、第2の実施形態による知的財産会計管理装置の機能構成を示すブロック図である。図10において、知的財産会計管理装置は、費用更新部101と固定資産判断部103と帳簿価額更新部111と前年減価償却費算出部112と費用記憶部201と固定資産記憶部203と消滅年度記憶部211と帳簿価額記憶部212とから構成される。上記各部101,103,111及び112は、図1の知的財産会計管理部10に含まれるものである。また、上記各記憶部201,203,211及び212は、図1の記憶部2に含まれるものである。なお、図10において図2の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
【0078】
図11は消滅年度記憶部211の構成例を示す図である。消滅年度記憶部211は知的財産毎に消滅年度を記憶する。図11に示すように、出願番号に対応付けて各知的財産の消滅年度が記憶されている。例えば、出願番号「H0X−AAAAAA」の知的財産の消滅年度は「201X年」である。
【0079】
図12は帳簿価額記憶部212の構成例を示す図である。帳簿価額記憶部212は知的財産毎に帳簿価額を会計年度別に記憶する。図7に示すように、出願番号に対応付けて各知的財産の帳簿価額が会計年度別に記憶されている。例えば、出願番号「H0X−AAAAAA」の知的財産の会計年度「1年目」の帳簿価額は「10万円」であり、会計年度「2年目」の帳簿価額は「24.5万円」である。
【0080】
なお、固定資産記憶部203は固定資産の対象である知的財産毎に帳簿価額を記憶する。
【0081】
次に、図10に示す第2の実施形態による知的財産会計管理装置の動作を説明する。
先ず、特定の知的財産の取得費用額がその出願番号とともに操作部3により入力されると、上記第1の実施形態と同様に費用更新部101は該入力された取得費用額に基づいて費用記憶部201に記憶されている取得費用額を更新する。
【0082】
前年減価償却費算出部112は、消滅年度記憶部211に記憶されている消滅年度に基づいて特定年度(ここでは2002年度とする)の前年度(2001年度)からの減価償却費を算出する。上記特定年度は、新たに帳簿価額を算出する会計年度である。ここでは、2001年度から消滅年度迄の期間を減価償却期間として算出する。そして、前年減価償却費算出部112は、その減価償却期間と帳簿価額記憶部212に記憶されている該前年度(2001年度)の帳簿価額とから、該前年度分(2001年度分)の減価償却費を例えば定額法により算出する。
【0083】
次いで、帳簿価額更新部111は、該算出された前年度分(2001年度分)の減価償却費を該前年度(2001年度)の帳簿価額から減算し、この減算結果に費用記憶部201に記憶されている特定年度(2002年度)の取得費用額を加算する。そして、この加算結果を特定年度(2002年度)の帳簿価額として帳簿価額記憶部212に記憶させる。
なお、この帳簿価額更新処理は所定日に行うようにしてもよい。例えば、半期毎の所定日に行ってもよく、あるいは四半期毎の所定日に行ってもよい。
【0084】
固定資産判断部103は、帳簿価額が固定資産に計上する対象となる所定金額(例えば20万円)以上であるか否かを判断し、この判断結果に基づいて固定資産情報を出力する。例えば、新たに固定資産の対象となった知的財産の出願番号とその帳簿価額を固定資産情報として表示または印字出力する。さらに、固定資産判断部103は、該所定金額以上の帳簿価額を当該知的財産の出願番号に対応付けて固定資産記憶部203に記憶させる。
【0085】
上述したように第2の実施形態によれば、新たに追加された取得費用の金額に基づいて当該知的財産の当該会計年度の帳簿価額を更新することができる。これにより、更新後の帳簿価額に基づいて該取得費用追加年度以降の減価償却費の算出ができるので、それ以前の減価償却費の更新を行う必要がなくなる。また、最新の帳簿価額に基づいて固定資産の判断を行うことができる。
【0086】
なお、上述した実施形態において、特定の知的財産の取得費用額や償却期間算出情報(取得年度と消滅年度)は、操作部3から入力してもよく、あるいは入出力インタフェース5により通信回線を介して外部のコンピュータや入力端末などから入力してもよい。上記実施形態においては、操作部3と入出力インタフェース5が、取得費用額入力部と償却期間算出情報入力部に対応する。
【0087】
次に、第3の実施形態を説明する。図13は、第3の実施形態による知的財産会計管理装置の機能構成を示すブロック図である。この図13において図2の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。図13に示す知的財産会計管理装置においては、上記図2の知的財産会計管理装置の構成に加えてさらに、選択部1001と選択項目記憶部2001とを備える。また、図2に示す費用記憶部201の代わりに項目別費用記憶部201aを備える。
【0088】
図14は、項目別費用記憶部201aの構成例を示す図である。図14に示されるように項目別費用記憶部201aは、上記図3の費用記憶部201と同様に、知的財産毎に取得費用額を会計年度別に記憶するが、該取得費用額の内訳を費用項目別に記憶している。その費用項目としては、知的財産の創作者(例えば発明者)に支払う還元費用(出願時補償金、登録時補償金、実績報奨金等)、知的財産を生みだす研究開発に要する研究開発費用、知的財産に係る手続きを委任する代理人に支払う代理人費用、知的財産に係る納付費用(出願手数料、出願審査請求手数料、特許料等)などがある。
【0089】
図15は、選択項目記憶部2001の構成例を示す図である。選択項目記憶部2001は、上記費用項目(還元費用、研究開発費用、代理人費用、納付費用)のうち、知的財産の取得価額に含める項目を記憶する。図15の例では、取得価額に含める項目が選択ON、含めない項目が選択OFFとして示されている。
【0090】
次に、図13に示す第3の実施形態による知的財産会計管理装置の動作を説明する。ここでは、上記図2の知的財産会計管理装置とは異なる、第3の実施形態における特徴的な動作のみを説明する。
図13において、費用更新部101は、取得費用額が入力されると、費用項目別に項目別費用記憶部201aを更新する。次いで、選択部1001は、項目別費用記憶部201aの取得費用額の中から、知的財産の取得価額に含める費用項目の取得費用額のみを選択して費用集計部102へ出力する。この選択時には選択項目記憶部2001が参照される。すなわち、選択部1001は、選択項目記憶部2001において選択項目として設定されている費用項目の取得費用額のみを選択する。図15の例では、選択ONに設定されている還元費用及び研究開発費用が選択項目となる。次いで、費用集計部102は、選択部1001から入力された取得費用額を知的財産毎に集計し、各集計結果を各々該当する知的財産の取得価額として取得価額記憶部202に記憶させる。
【0091】
上述した第3の実施形態によれば、選択項目記憶部2001の設定内容を変更することにより知的財産の取得価額として計上する費用項目を変更することができるので、会計制度の変更等により計上対象の費用項目の種類が変更されたとしても柔軟に対応することができる。
【0092】
なお、上述した第3の実施形態においては、上記図2の知的財産会計管理装置に対して適用したが、上記図10の知的財産会計管理装置(第2の実施形態)に対しても同様に適用することができる。図16に、その第4の実施形態による知的財産会計管理装置の機能構成を示すブロック図が示されている。この図16の知的財産会計管理装置においては、選択項目記憶部2001には知的財産の帳簿価額に含める費用項目が記憶される。そして、選択部1001が、該選択項目記憶部2001の設定内容に従って、項目別費用記憶部201aの取得費用額の中から、知的財産の帳簿価額に含める費用項目の取得費用額のみを選択して帳簿価額更新部111へ出力する。
この構成によれば、選択項目記憶部2001の設定内容を変更することにより知的財産の帳簿価額として計上する費用項目を変更することができる。
【0093】
次に、第5の実施形態を説明する。図17は、第5の実施形態による知的財産会計管理装置の機能構成を示すブロック図である。この図17において図13の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。図17に示す知的財産会計管理装置においては、上記図13の知的財産会計管理装置の構成に加えてさらに研究開発費管理部1100を設けている。この研究開発費管理部1100以外の構成及び動作は上記図13に示される第3の実施形態と同様である。
【0094】
研究開発費管理部1100には、取得費用情報のうち、研究開発費用に係る情報が入力される。この研究開発費情報には、研究開発費用額及び当該研究開発の技術分野が含まれる。研究開発費管理部1100は、入力された研究開発費額を当該研究開発技術分野に属する知的財産に対して適正な配賦を行う。この配賦額3001に基づいて、費用更新部101が項目別費用記憶部201aの該当する知的財産の研究開発費用額を更新する。
以下、この研究開発費管理部1100の実施形態を順次説明する。
【0095】
[研究開発費管理部1100の実施形態A]
初めに、図18及び図21を参照して、研究開発費管理部1100の一実施形態を説明する。図18は、同実施形態による研究開発費管理部1100aの構成を示すブロック図である。図21は、図18に示す技術分野記憶部2101aの構成例を示す図である。図18において、研究開発費管理部1100aは研究開発費配賦部1101aと技術分野記憶部2101aから構成される。
【0096】
図21に示されるように、技術分野記憶部2101aは、各知的財産の属する技術分野を記憶している。研究開発費配賦部1101aは、研究開発費情報(研究開発費用額及び技術分野)が入力されると、技術分野記憶部2101aを参照し、該入力された技術分野に属する知的財産の件数を求める。次いで、入力された研究開発費用額を該求めた件数で除して、知的財産一件当たりの配賦額3001aを算出する。次いで、研究開発費配賦部1101aは、その配賦額3001aを費用更新部101へ出力する。次いで、費用更新部101が、該配賦額3001aを項目別費用記憶部201aの該当する知的財産の研究開発費用額に加算して、研究開発費用額を更新する。
この実施形態Aでは、研究開発費用額を当該技術分野に属する知的財産の個々に対してそれぞれ均等に配分する。これにより、簡易に研究開発費の配賦額を算出可能である。
【0097】
[研究開発費管理部1100の実施形態B]
次に、図19及び図22を参照して、研究開発費管理部1100の他の実施形態を説明する。図19は、同実施形態による研究開発費管理部1100bの構成を示すブロック図である。図22は、図19に示す技術分野及び重み係数記憶部2101bの構成例を示す図である。図19において、研究開発費管理部1100bは研究開発費配賦部1101bと技術分野及び重み係数記憶部2101bから構成される。
【0098】
図22に示されるように、技術分野及び重み係数記憶部2101bは、知的財産毎に、その技術分野と重み係数を記憶している。この重み係数は知的財産の重要度に応じて設定される。研究開発費配賦部1101bは、研究開発費情報(研究開発費用額及び技術分野)が入力されると、技術分野及び重み係数記憶部2101bを参照し、該入力された技術分野に属する知的財産の重み係数の総和を求める。次いで、入力された研究開発費用額を該求めた総和で除して重み係数一単位当たりの研究開発費用額を算出する。次いで、当該技術分野に属する知的財産個々について、その重み係数を重み係数一単位当たりの研究開発費用額に乗じて、各知的財産に対する配賦額3001bを算出する。次いで、研究開発費配賦部1101bは、その配賦額3001bを費用更新部101へ出力する。次いで、費用更新部101が、該配賦額3001aを項目別費用記憶部201aの該当する知的財産の研究開発費用額に加算して、研究開発費用額を更新する。
この実施形態Bでは、研究開発費用額を当該技術分野に属する知的財産の個々に対してそれぞれの重み係数の比率に応じて配分する。これにより、知的財産の重要度に応じて研究開発費用額の配賦を行うことができる。
【0099】
[研究開発費管理部1100の実施形態C]
次に、図20及び図23を参照して、研究開発費管理部1100の他の実施形態を説明する。図20は、同実施形態による研究開発費管理部1100cの構成を示すブロック図である。図23は、図20に示す繰延資産記憶部2110の構成例を示す図である。図20において、研究開発費管理部1100cは研究開発費配賦部1101cと繰延資産記憶部2110と上記図21の技術分野記憶部2101aとから構成される。
【0100】
繰延資産記憶部2110は、配賦可能な知的財産が未取得である研究開発費用額を繰延資産として記憶する。図23の例では、研究開発費用額の管理番号に対応付けて、技術分野、繰延資産となっている研究開発費用額、及び配賦の可否が記憶されている。
【0101】
この実施形態Cでは、研究開発費情報として、研究開発費用額及び技術分野に加えてさらに、当該研究開発費用額が配賦可能なものか否かの情報が入力される。そして、この配賦可否情報により配賦が不可である研究開発費用額については、配賦が行われず、繰延資産記憶部2110に配賦否として記憶される。また、繰延資産となっている研究開発費用額に基づく知的財産が発生した場合には、研究開発費情報として、配賦可の情報が入力される。この配賦可情報により、繰延資産記憶部2110において配賦否であったものが配賦可に更新される。これにより、研究開発費配賦部1101cが、繰延資産となっていた研究開発費用額の配賦を開始する。
【0102】
研究開発費配賦部1101cは、入力された研究開発費用額のうち配賦可のものと、繰延資産記憶部2110の研究開発費用額のうち配賦可のものとについて配賦を行う。この配賦後、繰延資産記憶部2110の配賦可の研究開発費用額については繰延資産記憶部2110から削除する。この図20の実施形態では、上記図18の実施形態と同様に、研究開発費用額を当該技術分野に属する知的財産の個々に均等割りして配賦する。なお、上記図19の実施形態と同様に、技術分野及び重み係数記憶部2101bを備えて、研究開発費用額を当該技術分野に属する知的財産の個々に対してそれぞれの重み係数の比率に応じて配分するようにしてもよい。
【0103】
この実施形態Cによれば、配賦時期が未確定である研究開発費用額に対しても対応することができる。従来、事業の用に供していない資産は減価償却できず、研究開発においても事業の用に供するまでに時間がかかる場合があり、減価償却が開始できなかった。しかしながら、この実施形態により、知的財産を取得した時期を事業の用に供した時期と見なして簡便に減価償却を開始することが可能となる。
【0104】
上述した第5の実施形態によれば、研究開発費用額を該当する知的財産の取得価額として適正に会計計上することができる。従来、企業の収益が知的財産権に依存する割合が高くなっているにもかかわらず、研究開発費を費用化し、自己創出した知的財産が資産計上されないために、株式会社の株価時価総額と、貸借対照表が示す会計上の純資産簿価との乖離幅が大きくなっていた。しかしながら、上記研究開発費管理部1100を設けることにより、研究開発費が知的財産の取得価額の一部として適正に計上されて減価償却されることとなるので、株式会社の株価時価総額と、会計上の純資産簿価との乖離幅を小さくすることができる。
【0105】
なお、上述した第5の実施形態においては、上記図13の知的財産会計管理装置に適用したが、上記図16の知的財産会計管理装置にも同様に適用することができる。
【0106】
また、図2、図10、図13、図16、図17のいずれかに示す知的財産会計管理装置が行う各処理を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより知的財産会計管理処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0107】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0108】
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0109】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、新たに追加された取得費用の金額を反映させて知的財産の会計上の処理を行うことができ、知的財産の会計上の管理に対応することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による知的財産会計管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態による知的財産会計管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】費用記憶部201の構成例を示す図である。
【図4】取得価額記憶部202の構成例を示す図である。
【図5】固定資産記憶部203の構成例を示す図である。
【図6】減価償却期間記憶部204の構成例を示す図である。
【図7】減価償却費記憶部205の構成例を示す図である。
【図8】旧減価償却費記憶部206の構成例を示す図である。
【図9】減価償却費差額総額情報の構成例を示す図である。
【図10】第2の実施形態による知的財産会計管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図11】消滅年度記憶部211の構成例を示す図である。
【図12】帳簿価額記憶部212の構成例を示す図である。
【図13】第3の実施形態による知的財産会計管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図14】項目別費用記憶部201aの構成例を示す図である。
【図15】選択項目記憶部2001の構成例を示す図である。
【図16】第4の実施形態による知的財産会計管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図17】第5の実施形態による知的財産会計管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図18】研究開発費管理部1100の一構成を示すブロック図である。
【図19】研究開発費管理部1100の他の構成を示すブロック図である。
【図20】研究開発費管理部1100の他の構成を示すブロック図である。
【図21】図18に示す技術分野記憶部2101aの構成例を示す図である。
【図22】図19に示す技術分野及び重み係数記憶部2101bの構成例を示す図である。
【図23】図20に示す繰延資産記憶部2110の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1…処理部、2…記憶部、3…操作部、4…表示部、5…入出力インタフェース、101…費用更新部、102…費用集計部、103…固定資産判断部、104…減価償却費算出部、105…減価償却費差額算出部、106…減価償却費差額総額算出部、111…帳簿価額更新部、112…前年減価償却費算出部、201…費用記憶部、201a…項目別費用記憶部、202…取得価額記憶部、203…固定資産記憶部、204…減価償却期間記憶部、205…減価償却費記憶部、206…旧減価償却費記憶部、211…消滅年度記憶部、212…帳簿価額記憶部、1001…選択部、1100…研究開発費管理部、1101a,1101b,1101c…研究開発費配賦部、2001…選択項目記憶部、2101a…技術分野記憶部、2101b…技術分野及び重み係数記憶部、2110…繰延資産記憶部
Claims (48)
- 知的財産毎に取得価額を記憶する取得価額記憶部と、
特定の知的財産の取得のために費やされた取得費用の金額を入力する取得費用額入力部と、
前記入力された取得費用額に基づいて前記取得価額記憶部に記憶されている取得価額を更新し、知的財産の会計上の処理を行う知的財産会計管理部と、
を備えたことを特徴とする知的財産会計管理装置。 - 知的財産毎に取得費用額を会計年度別に記憶する費用記憶部を備え、
前記知的財産会計管理部は、
前記入力された取得費用額を前記費用記憶部に記憶されている当該知的財産の当該会計年度の取得費用額に加算する費用更新部と、
前記費用記憶部に記憶されている取得費用額を知的財産毎に集計し、各集計結果を各々該当する知的財産の取得価額として前記取得価額記憶部に記憶させる費用集計部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の知的財産会計管理装置。 - 前記費用記憶部は、前記取得費用額の内訳を費用項目別に記憶し、
前記費用項目のうち、知的財産の取得価額に含める項目を記憶する選択項目記憶部と、
前記選択項目記憶部の設定内容に従って知的財産の取得価額に含める費用を選択する選択部と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の知的財産会計管理装置。 - 前記費用項目は、知的財産の創作者に支払う還元費用、研究開発費用、知的財産に係る手続きを委任する代理人に支払う代理人費用、知的財産に係る納付費用のうち、少なくとも二つ以上を含むことを特徴とする請求項3に記載の知的財産会計管理装置。
- 知的財産毎に技術分野を記憶する技術分野記憶部と、
技術分野別に入力される研究開発費用額を当該技術分野に属する知的財産の個々に配賦し、この配賦結果を前記費用記憶部に反映させる研究開発費配賦部と、
を備えたことを特徴とする請求項4に記載の知的財産会計管理装置。 - 前記研究開発費配賦部は、同じ技術分野に属する知的財産の件数分に当該技術分野の研究開発費用額を均等割りすることを特徴とする請求項5に記載の知的財産会計管理装置。
- 知的財産毎に重み係数を記憶する重み係数記憶部を備え、
前記研究開発費配賦部は、同じ技術分野に属する知的財産が有する重み係数の比率に応じて当該技術分野の研究開発費用額を配分することを特徴とする請求項5に記載の知的財産会計管理装置。 - 配賦可能な知的財産が未取得である研究開発費用額を繰延資産として記憶する繰延資産記憶部を備え、
前記研究開発費配賦部は、前記繰延資産となっている研究開発費用額に基づく知的財産が発生した場合に、当該研究開発費用額の配賦を開始することを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかの項に記載の知的財産会計管理装置。 - 前記知的財産会計管理部は、
前記取得価額が固定資産に計上する対象となる所定金額以上であるか否かを判断して固定資産情報を出力する固定資産判断部、
を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかの項に記載の知的財産会計管理装置。 - 固定資産の対象である知的財産毎に取得価額を記憶する固定資産記憶部を備え、
前記固定資産判断部は、前記所定金額以上の取得価額を前記固定資産記憶部に記憶させる
ことを特徴とする請求項9に記載の知的財産会計管理装置。 - 知的財産毎に減価償却期間を記憶する減価償却期間記憶部を備え、
前記知的財産会計管理部は、
前記取得価額記憶部に記憶されている取得価額と前記減価償却期間記憶部に記憶されている減価償却期間とに基づいて、知的財産毎に減価償却額と未償却残高を算出する減価償却費算出部、
を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかの項に記載の知的財産会計管理装置。 - 知的財産毎に最新の前記算出された減価償却額を会計年度別に記憶する減価償却費記憶部と、
知的財産毎に前回算出された減価償却額を会計年度別に記憶する旧減価償却費記憶部とを備え、
前記知的財産会計管理部は、
前記減価償却費記憶部及び前記旧減価償却費記憶部に各々記憶されている減価償却額の差額を会計年度別に算出する減価償却費差額算出部と、
前記算出された減価償却額の差額に基づいて、全知的財産の減価償却費の差額を会計年度別に集計する減価償却費差額総額算出部と、
を備えることを特徴とする請求項11に記載の知的財産会計管理装置。 - 特定の知的財産の取得年度と消滅年度を入力する償却期間算出情報入力部を備え、
前記知的財産会計管理部は、前記入力された取得年度と消滅年度に基づいて当該知的財産の減価償却期間を算出する減価償却期間算出部、
を備えることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の知的財産会計管理装置。 - 特定の知的財産の取得のために費やされた取得費用の金額を入力する取得費用額入力部と、
知的財産毎に取得費用額を会計年度別に記憶する費用記憶部と、
前記入力された取得費用額を前記費用記憶部に記憶されている当該知的財産の当該会計年度の取得費用額に加算する費用更新部と、
知的財産毎に消滅年度を記憶する消滅年度記憶部と、
知的財産毎に帳簿価額を記憶する帳簿価額記憶部と、
前記消滅年度記憶部に記憶されている消滅年度に基づいて特定年度の前年度からの減価償却期間を算出し、この減価償却期間と前記帳簿価額記憶部に記憶されている該前年度の帳簿価額とから該前年度分の減価償却費を算出する前年減価償却費算出部と、
前記算出された前年度分の減価償却費を前記前年度の帳簿価額から減算し、この減算結果に前記費用記憶部に記憶されている前記特定年度の取得費用額を加算し、この加算結果を前記特定年度の帳簿価額として前記帳簿価額記憶部に記憶させる帳簿価額更新部と、
を備えたことを特徴とする知的財産会計管理装置。 - 前記費用記憶部は、前記取得費用額の内訳を費用項目別に記憶し、
前記費用項目のうち、知的財産の帳簿価額に含める項目を記憶する選択項目記憶部と、
前記選択項目記憶部の設定内容に従って知的財産の帳簿価額に含める費用を選択する選択部と、
を備えたことを特徴とする請求項14に記載の知的財産会計管理装置。 - 前記費用項目は、知的財産の創作者に支払う還元費用、研究開発費用、知的財産に係る手続きを委任する代理人に支払う代理人費用、知的財産に係る納付費用のうち、少なくとも二つ以上を含むことを特徴とする請求項15に記載の知的財産会計管理装置。
- 知的財産毎に技術分野を記憶する技術分野記憶部と、
技術分野別に入力される研究開発費用額を当該技術分野に属する知的財産の個々に配賦し、この配賦結果を前記費用記憶部に反映させる研究開発費配賦部と、
を備えたことを特徴とする請求項16に記載の知的財産会計管理装置。 - 前記研究開発費配賦部は、同じ技術分野に属する知的財産の件数分に当該技術分野の研究開発費用額を均等割りすることを特徴とする請求項17に記載の知的財産会計管理装置。
- 知的財産毎に重み係数を記憶する重み係数記憶部を備え、
前記研究開発費配賦部は、同じ技術分野に属する知的財産が有する重み係数の比率に応じて当該技術分野の研究開発費用額を配分することを特徴とする請求項17に記載の知的財産会計管理装置。 - 配賦可能な知的財産が未取得である研究開発費用額を繰延資産として記憶する繰延資産記憶部を備え、
前記研究開発費配賦部は、前記繰延資産となっている研究開発費用額に基づく知的財産が発生した場合に、当該研究開発費用額の配賦を開始することを特徴とする請求項17乃至請求項19のいずれかの項に記載の知的財産会計管理装置。 - 前記帳簿価額が固定資産に計上する対象となる所定金額以上であるか否かを判断して固定資産情報を出力する固定資産判断部、
を備えることを特徴とする請求項14乃至請求項20のいずれかの項に記載の知的財産会計管理装置。 - 固定資産の対象である知的財産毎に帳簿価額を記憶する固定資産記憶部を備え、
前記固定資産判断部は、前記所定金額以上の帳簿価額を前記固定資産記憶部に記憶させる
ことを特徴とする請求項21に記載の知的財産会計管理装置。 - 前記取得年度は当該知的財産が出願された年度であることを特徴とする請求項13に記載の知的財産会計管理装置。
- 前記取得年度は当該知的財産が権利登録された年度であることを特徴とする請求項13に記載の知的財産会計管理装置。
- 前記消滅年度は、工業所有権法で定められた権利存続期間、又は税法で定められた期間のうち、短い方の期間に基づいて算出されることを特徴とする請求項13乃至請求項24のいずれかの項に記載の知的財産会計管理装置。
- 前記消滅年度は、工業所有権法で定められた権利存続期間、又は、税法で定められた期間、又は、当該知的財産の技術余命のうち、最も短い期間に基づいて算出されることを特徴とする請求項13乃至請求項24のいずれかの項に記載の知的財産会計管理装置。
- 知的財産の会計上の各種処理を行う処理部と知的財産の会計上の管理に使用される各種データを記憶する各種記憶部とを備えた知的財産会計管理装置における知的財産会計管理処理を行うための知的財産会計管理プログラムであって、
特定の知的財産の取得のために費やされた取得費用の金額を入力する処理と、
前記入力された取得費用額に基づいて、知的財産毎に取得価額を記憶する取得価額記憶部に記憶されている取得価額を更新する取得価額更新処理と、
該更新された取得価額により知的財産の会計上の処理を行う会計管理処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする知的財産会計管理プログラム。 - 前記取得価額更新処理は、
前記入力された取得費用額を、知的財産毎に取得費用額を会計年度別に記憶する費用記憶部に記憶されている当該知的財産の当該会計年度の取得費用額に加算する処理と、
前記費用記憶部に記憶されている取得費用額を知的財産毎に集計する処理と、
該各集計結果を各々該当する知的財産の取得価額として前記取得価額記憶部に記憶させる処理と、
を含むことを特徴とする請求項27に記載の知的財産会計管理プログラム。 - 前記費用記憶部には、前記取得費用額の内訳が費用項目別に記憶され、
前記知的財産会計管理装置には、前記費用項目のうち、知的財産の取得価額に含める項目を記憶する選択項目記憶部が備えられ、
前記選択項目記憶部の設定内容に従って知的財産の取得価額に含める費用を選択する処理をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする請求項28に記載の知的財産会計管理プログラム。 - 前記費用項目は、知的財産の創作者に支払う還元費用、研究開発費用、知的財産に係る手続きを委任する代理人に支払う代理人費用、知的財産に係る納付費用のうち、少なくとも二つ以上を含むことを特徴とする請求項29に記載の知的財産会計管理プログラム。
- 前記知的財産会計管理装置には、知的財産毎に技術分野を記憶する技術分野記憶部が備えられ、
技術分野別に入力される研究開発費用額を当該技術分野に属する知的財産の個々に配賦し、この配賦結果を前記費用記憶部に反映させる研究開発費配賦処理をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする請求項30に記載の知的財産会計管理プログラム。 - 前記研究開発費配賦処理において、同じ技術分野に属する知的財産の件数分に当該技術分野の研究開発費用額を均等割りすることを特徴とする請求項31に記載の知的財産会計管理プログラム。
- 前記知的財産会計管理装置には、知的財産毎に重み係数を記憶する重み係数記憶部が備えられ、
前記研究開発費配賦処理において、同じ技術分野に属する知的財産が有する重み係数の比率に応じて当該技術分野の研究開発費用額を配分することを特徴とする請求項31に記載の知的財産会計管理プログラム。 - 前記知的財産会計管理装置には、配賦可能な知的財産が未取得である研究開発費用額を繰延資産として記憶する繰延資産記憶部が備えられ、
前記研究開発費配賦処理において、前記繰延資産となっている研究開発費用額に基づく知的財産が発生した場合に、当該研究開発費用額の配賦を開始することを特徴とする請求項31乃至請求項33のいずれかの項に記載の知的財産会計管理プログラム。 - 前記会計管理処理は、前記取得価額が固定資産に計上する対象となる所定金額以上であるか否かを判断して固定資産情報を出力する処理を含むことを特徴とする請求項27乃至請求項34のいずれかの項に記載の知的財産会計管理プログラム。
- 前記会計管理処理は、前記所定金額以上の取得価額を、固定資産の対象である知的財産毎に取得価額を記憶する固定資産記憶部に記憶させる処理を含むことを特徴とする請求項35に記載の知的財産会計管理プログラム。
- 前記会計管理処理は、前記取得価額記憶部に記憶されている取得価額と、知的財産毎に減価償却期間を記憶する減価償却期間記憶部に記憶されている減価償却期間とに基づいて、知的財産毎に減価償却額と未償却残高を算出する処理を含むことを特徴とする請求項27乃至請求項36のいずれかの項に記載の知的財産会計管理プログラム。
- 前記会計管理処理は、
知的財産毎に最新の前記算出された減価償却額を会計年度別に記憶する減価償却費記憶部と、知的財産毎に前回算出された減価償却額を会計年度別に記憶する旧減価償却費記憶部とに各々記憶されている減価償却額の差額を会計年度別に算出する処理と、
前記算出された減価償却額の差額に基づいて、全知的財産の減価償却費の差額を会計年度別に集計する処理と、
を含むことを特徴とする請求項37に記載の知的財産会計管理プログラム。 - 特定の知的財産の取得年度と消滅年度を入力する処理をコンピュータに実行させ、
前記会計管理処理は、前記入力された取得年度と消滅年度に基づいて当該知的財産の減価償却期間を算出する処理を含む
ことを特徴とする請求項37または請求項38に記載の知的財産会計管理プログラム。 - 知的財産の会計上の各種処理を行う処理部と知的財産の会計上の管理に使用される各種データを記憶する各種記憶部とを備えた知的財産会計管理装置における知的財産会計管理処理を行うための知的財産会計管理プログラムであって、
特定の知的財産の取得のために費やされた取得費用の金額を入力する処理と、
前記入力された取得費用額を、知的財産毎に取得費用額を会計年度別に記憶する費用記憶部に記憶されている当該知的財産の当該会計年度の取得費用額に加算する処理と、
知的財産毎に消滅年度を記憶する消滅年度記憶部に記憶されている消滅年度に基づいて、特定年度の前年度からの減価償却期間を算出する処理と、
この減価償却期間と、知的財産毎に帳簿価額を記憶する帳簿価額記憶部に記憶されている該前年度の帳簿価額とから、該前年度分の減価償却費を算出する処理と、
前記算出された前年度分の減価償却費を前記前年度の帳簿価額から減算し、この減算結果に前記費用記憶部に記憶されている前記特定年度の取得費用額を加算し、この加算結果を前記特定年度の帳簿価額として前記帳簿価額記憶部に記憶させる処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする知的財産会計管理プログラム。 - 前記費用記憶部には、前記取得費用額の内訳が費用項目別に記憶され、
前記知的財産会計管理装置には、前記費用項目のうち、知的財産の帳簿価額に含める項目を記憶する選択項目記憶部が備えられ、
前記選択項目記憶部の設定内容に従って知的財産の帳簿価額に含める費用を選択する処理をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする請求項40に記載の知的財産会計管理プログラム。 - 前記費用項目は、知的財産の創作者に支払う還元費用、研究開発費用、知的財産に係る手続きを委任する代理人に支払う代理人費用、知的財産に係る納付費用のうち、少なくとも二つ以上を含むことを特徴とする請求項41に記載の知的財産会計管理プログラム。
- 前記知的財産会計管理装置には、知的財産毎に技術分野を記憶する技術分野記憶部が備えられ、
技術分野別に入力される研究開発費用額を当該技術分野に属する知的財産の個々に配賦し、この配賦結果を前記費用記憶部に反映させる研究開発費配賦処理をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする請求項42に記載の知的財産会計管理プログラム。 - 前記研究開発費配賦処理において、同じ技術分野に属する知的財産の件数分に当該技術分野の研究開発費用額を均等割りすることを特徴とする請求項43に記載の知的財産会計管理プログラム。
- 前記知的財産会計管理装置には、知的財産毎に重み係数を記憶する重み係数記憶部が備えられ、
前記研究開発費配賦処理において、同じ技術分野に属する知的財産が有する重み係数の比率に応じて当該技術分野の研究開発費用額を配分することを特徴とする請求項43に記載の知的財産会計管理プログラム。 - 前記知的財産会計管理装置には、配賦可能な知的財産が未取得である研究開発費用額を繰延資産として記憶する繰延資産記憶部が備えられ、
前記研究開発費配賦処理において、前記繰延資産となっている研究開発費用額に基づく知的財産が発生した場合に、当該研究開発費用額の配賦を開始することを特徴とする請求項43乃至請求項45のいずれかの項に記載の知的財産会計管理プログラム。 - 前記帳簿価額が固定資産に計上する対象となる所定金額以上であるか否かを判断して固定資産情報を出力する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項40乃至請求項46のいずれかの項に記載の知的財産会計管理プログラム。
- 前記所定金額以上の帳簿価額を、固定資産の対象である知的財産毎に帳簿価額を記憶する固定資産記憶部に記憶させる処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項47に記載の知的財産会計管理プログラム。
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