以下に、本発明にかかる配賦装置、配賦方法および配賦プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
[1.概要]
企業等が複数の土地や建物、什器等の固定資産を一括で複数購入する場合に、購入の際にかかる諸費用や値引等の共通費の金額が、納品書上はまとめて記載される場合がある。しかしながら、企業等は、会計処理上では、個々の固定資産ごとに、諸費用や値引等の共通費の金額を含めた取得金額を計上する。以下、このような諸費用や各種の共通費を総称する場合は、共通費等と称する。
また、共通費等に含まれる什器等の搬入設置費用や値引は、一括購入した複数の固定資産のうち、一部の固定資産にのみかかる場合もある。また、固定資産の購入代価に対して共通費等を按分して配賦し、その配賦後の金額に対してさらに別の共通費等を按分して配賦するといった、多段階の配賦を行う場合がある。しかしながら、従来の技術では、配賦先の指定や多段階の配賦を行うことが困難であった。このため、企業等の担当者は、手動による計算で共通費等を各固定資産に配賦しており、配賦にかかる作業負荷の低減や、購入した固定資産の登録作業の効率化が求められていた。
そこで、本実施形態においては、例えば、複数の固定資産に対する共通費等の配賦にかかる担当者の作業負荷を低減すると共に、購入した固定資産の登録作業を効率化することができる配賦装置、配賦方法および配賦プログラムを提供している。以下、具体的な構成および動作について説明する。
[2.構成]
本実施形態にかかる配賦装置100の構成について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態にかかる配賦装置100の構成の一例を示すブロック図である。
配賦装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、配賦装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
配賦装置100は、図1に示すように、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。配賦装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、配賦装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、配賦装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する記憶部106に格納されるデータは、サーバ200に格納されてもよい。また、制御部102が備える各機能部は、サーバ200が備えるものとしてもよい。
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
記憶部106は、図1に示すように、見積ヘッダデータベース(DB)106aと、見積明細データベース(DB)106bと、見積詳細データベース(DB)106cと、配賦ヘッダデータベース(DB)106dと、配賦明細データベース(DB)106eと、資産データベース(DB)106fと、償却データベース(DB)106gと、月別償却データベース(DB)106hと、仕訳データベース(DB)106iと、を記憶する。
見積ヘッダデータベース106aは、固定資産の購入に関する見積データの概要情報が登録されるデータベースである。見積データの概要情報とは、一括して購入された複数の固定資産の取引全体に関する情報である。
図2は、本実施形態にかかるデータベースのテーブル構成の一例を示す図である。図2に示すように、見積ヘッダデータベース106aは、項目として、見積番号と、取得日と、発注税抜金額と、発注消費税と、配賦番号と、を含む。
項目「見積番号」は、見積番号が登録される項目である。見積番号は、固定資産の購入取引を特定する番号またはコードである。見積番号は、固定資産の購入の際の見積書(納品書)の単位で採番されてもよいし、複数の見積書を統合する物であってもよい。見積番号は、見積ヘッダデータベース106aの主キーであり、他の項目に格納されたデータは見積番号に対応付けられる。また、項目「見積番号」は、見積ヘッダデータベース106aと、後述する見積明細データベース106bとを紐付ける項目である。
項目「取得日」は、登録対象の固定資産が取得された日付を登録する項目である。あるいは、取得日は、見積データの入力日であってもよいし、見積書に記載の納品日付等でもよい。
項目「発注税抜金額」は、固定資産の購入取引ごとの取得価額の総額が登録される項目である。また、発注税抜金額は、消費税を含まない。
項目「発注消費税」は、発注税抜金額に対してかけられる消費税の金額が登録される項目である。言い換えれば、発注消費税は、固定資産の購入取引ごとの消費税の総額である。
項目「配賦番号」は、後述する配賦部102dにより共通費等の配賦処理が行われた後に、当該配賦処理を特定する配賦番号が格納される項目である。また、項目「配賦番号」は、見積ヘッダデータベース106aと、後述する配賦ヘッダデータベース106dとを紐付ける項目である。
図1に戻り、見積明細データベース106bは、固定資産の購入に関する見積データの、各固定資産ごとの明細情報が登録されるデータベースである。また、見積明細データベース106bには、固定資産の購入に関する共通費等の明細情報も登録される。見積明細データベース106bは、本実施形態における明細テーブルの一例である。
図2に示すように、見積明細データベース106bは、項目として、見積番号と、見積内部行番号と、資産経費共通費区分と、資産名と、見積金額と、見積数量と、按分後税抜金額と、按分消費税と、按分後税込金額と、按分合計金額と、を含む。
項目「見積番号」は、見積番号が登録される項目であり、見積明細データベース106bと見積ヘッダデータベース106aとを紐付ける項目である。
項目「見積内部行番号」は、見積内部行番号が登録される項目である。見積内部行番号は、固定資産の購入取引にかかる固定資産または共通費等を特定するための番号またはコードである。一の見積番号には、一または複数の見積内部行番号が紐付く。見積番号と、見積内部行番号とは、見積明細データベース106bの主キーである。見積明細データベース106bの他の項目に格納されたデータは見積番号と、見積内部行番号とに対応付けられる。
また、項目「見積番号」と、項目「見積内部行番号」とは、見積明細データベース106bと後述する見積詳細データベース106cおよび配賦明細データベース106eとを紐付ける項目である。
項目「資産経費共通費区分」は、レコードごとに登録された情報が、固定資産であるのか、経費または共通費であるのかを識別するための区分の値またはコードが設定される項目である。言い換えれば、資産経費共通費区分は、見積明細データベース106bに含まれる各レコードが、配賦先である固定資産に対応するレコードか、配賦元である共通費等に対応するレコードであるか、を区別する。例えば、項目「資産経費共通費区分」に設定された値が“1”の場合は、登録された情報は固定資産である。また、項目「資産経費共通費区分」に設定された値が“9”の場合は、登録された情報は経費または共通費である。本実施形態の資産経費共通費区分の値は一例であり、これに限定されるものではない。
見積明細データベース106bに含まれる各レコードのうち、配賦先である固定資産に対応するレコードは、本実施形態における配賦先レコードの一例である。また、配賦元である共通費等に対応するレコードは、本実施形態における配賦元レコードの一例である。
項目「資産名」は、固定資産または共通費等の名称が登録される項目である。
項目「見積金額」は、各固定資産ごとの個別の見積金額が登録される項目である。また、項目「見積金額」には、共通費等の見積金額が個別に登録される。各固定資産ごとの個別の見積金額は、本実施形態における購入代価の一例である。また、共通費等の見積金額は、本実施形態における金額の一例である。
項目「見積数量」は、購入される各固定資産ごとの数量が登録される項目である。
項目「按分後税抜金額」は、後述する配賦部102dにより共通費等の配賦処理が行われた後に、各固定資産ごとの、共通費等が配賦された購入代価が登録される項目である。按分後税抜金額は、本実施形態における取得価額の一例である。また、按分後税抜金額は、金額が配賦された後の配賦先ごとの購入代価の一例である。
項目「按分消費税」は、後述する配賦部102dにより共通費等の配賦処理が行われた後に、見積ヘッダデータベース106aの発注消費税が按分後税抜金額の値に応じて按分された値が設定される項目である。
項目「按分後税込金額」は、按分後税抜金額に按分消費税を加算した値が設定される項目である。按分後税込金額は、本実施形態における税込取得価額の一例である。
項目「按分合計金額」は、後述する配賦部102dにより共通費等の配賦処理が行われた後に、購入される各固定資産ごとに配賦された共通費等の金額が設定される項目である。
図1に戻り、見積詳細データベース106cは、固定資産の購入に関する見積データについての、配賦の実行順と、配賦元と配賦先とを紐付ける紐付けデータとが登録されるデータベースである。見積詳細データベース106cは、本実施形態における按分テーブルの一例である。図2に示すように、見積詳細データベース106cは、項目として、見積番号と、見積内部行番号と、対応按分レベルと、対応按分コードと、按分レベル金額と、を含む。
項目「見積番号」は、見積番号が登録される項目であり、見積詳細データベース106cと見積明細データベース106bとを紐付ける項目である。
項目「見積内部行番号」は、見積内部行番号が登録される項目であり、見積詳細データベース106cと見積明細データベース106bとを紐付ける項目である。
項目「対応按分レベル」は、見積番号と見積内部行番号とによって特定される固定資産または共通費等に対応する対応按分レベルが登録される項目である。対応按分レベルとは、共通費等を多段階(複数レベル)に分けて按分して配賦する場合における、配賦の実行順を示す値またはコードである。対応按分レベルは、本実施形態における配賦の実行順を示すデータの一例である。対応按分レベルに基づく按分の詳細については、後述する。
項目「対応按分コード」は、見積番号と見積内部行番号とによって特定される固定資産または共通費等に対応する対応按分コードが登録される項目である。対応按分コードは、配賦元である共通費等と、配賦先である固定資産を紐付けるデータである。例えば、一括購入した複数の固定資産のうち、一部の固定資産にのみかかる共通費等がある場合、対応按分コードによって配賦元である当該共通費等と、配賦先である一部の固定資産とは、対応按分コードによって特定される。また、同一の対応按分レベル内に複数の対応按分コードが設定されている場合は、例えば、対応按分コードの昇順に按分を行うものとしてもよい。対応按分コードは、本実施形態における配賦元と配賦先を紐付ける紐付データの一例である。
また、項目「対応按分レベル」および項目「対応按分コード」は、見積詳細データベース106cと、後述する配賦明細データベース106eとを紐付ける項目である。
項目「按分レベル金額」は、後述する配賦部102dにより共通費等の配賦処理が行われた後に、購入される各固定資産に対して各対応按分レベルおよび対応按分コードごとに配賦された共通費等の金額が設定される項目である。
見積番号と、見積内部行番号と、対応按分レベルと、対応按分コードとは、見積詳細データベース106cの主キーであり、按分レベル金額はこれらの項目に対応付けられる。
図1に戻り、配賦ヘッダデータベース106dは、各固定資産に対する費用または共通費の配賦結果である配賦データの概要情報が登録されるデータベースである。図2に示すように、配賦ヘッダデータベース106dは、項目として、配賦番号と、登録日と、を含む。
項目「配賦番号」は、配賦処理を特定する配賦番号が格納される項目であり、配賦ヘッダデータベース106dと、見積ヘッダデータベース106aとを紐付ける項目である。また、項目「配賦番号」は、配賦ヘッダデータベース106dと、後述する配賦明細データベース106eとを紐付ける項目でもある。
項目「登録日」は、配賦データが登録された日付が格納される項目である。
図1に戻り、配賦明細データベース106eは、各固定資産に対する費用または共通費の配賦結果である配賦データの明細情報が登録されるデータベースである。配賦データの明細情報とは、配賦のレベル(段階)ごとに各固定資産に配賦される金額を含むデータである。
図2に示すように、配賦明細データベース106eは、項目として、配賦番号と、見積番号と、見積内部行番号と、対応按分レベルと、対応按分コードと、共通費番号と、共通費内部行番号と、按分割当金額と、を含む。
項目「配賦番号」は、配賦番号が格納される項目であり、配賦明細データベース106eと、配賦ヘッダデータベース106dとを紐付ける項目である。
項目「見積番号」は、配賦処理の対象の見積データを特定する見積番号が登録される項目であり、配賦明細データベース106eと、見積明細データベース106bとを紐付ける項目である。
項目「見積内部行番号」は、配賦処理において配賦先となる固定資産を特定する見積内部行番号が登録される項目である。また、項目「見積内部行番号」は、配賦明細データベース106eと、見積明細データベース106bとを紐付ける項目である。
項目「対応按分レベル」は、対応按分レベルが登録される項目であり、配賦明細データベース106eと、見積詳細データベース106cとを紐付ける項目である。
項目「対応按分コード」は、対応按分コードが登録される項目であり、配賦明細データベース106eと、見積詳細データベース106cとを紐付ける項目である。
項目「共通費番号」は、配賦処理において配賦元となる共通費等を含む見積データを特定する見積番号が登録される項目である。
項目「共通費内部行番号」は、配賦処理において配賦元となる共通費等を特定する見積内部行番号が登録される項目である。
項目「按分割当金額」は、項目「共通費内部行番号」に登録された共通費等の金額から、項目「見積内部行番号」に登録された固定資産に対して、対応按分レベルおよび対応按分コードごとに按分された按分割当金額を登録する項目である。按分割当金額は、本実施形態における按分金額の一例である。
配賦番号と、見積番号と、見積内部行番号と、対応按分レベルと、対応按分コードと、共通費番号と、共通費内部行番号とは、配賦明細データベース106eの主キーであり、按分割当金額はこれらの項目に対応付けられる。
図1に戻り、資産データベース106fは、購入した固定資産に関する情報が登録されるデータベースである。
償却データベース106gは、購入した固定資産に関する減価償却費が登録されるデータベースである。
月別償却データベース106hは、購入した固定資産に関する減価償却費を月別に換算した金額が登録されるデータベースである。
仕訳データベース106iは、固定資産の購入や減価償却により発生する仕訳データが登録されるデータベースである。
上述の各データベースの項目は一例であり、各データベースの構成は、これに限定されるものではない。例えば、各データベースは、上述の項目に加えて、さらに他の項目を含むものであってもよい。また、上述の各データベースのうち、ヘッダと明細または詳細とに分かれているデータベースは、1つのデータベースとして構成されてもよい。
制御部102は、配賦装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
制御部102は、図1に示すように、表示制御部102aと、受付部102bと、見積データ登録部102cと、配賦部102dと、固定資産情報生成部102eと、を備える。
表示制御部102aは、モニタ114を制御して、見積データ入力画面、配賦実行画面、承認画面等を表示する。見積データ入力画面は、固定資産の購入について購入元から送付された見積書等に記載された情報を、担当者が入力するための画面である。配賦実行画面は、登録された見積データに対する配賦処理を実行するための画面である。承認画面は、共通費等が配賦された後の固定資産の見積を表示し、表示された結果に対して管理者等が承認をするための画面である。
受付部102bは、担当者が見積データ入力画面に入力した見積データを受け付ける。この場合、受付部102bは、入力された見積データを、見積データ登録部102cに送出する。
また、受付部102bは、担当者が配賦実行画面に入力した配賦対象の見積データを特定する情報と、配賦処理の実行命令とを受け付ける。この場合、受付部102bは、入力された配賦対象の見積データを特定する情報、例えば見積番号を、配賦部102dに送出する。
また、受付部102bは、管理者等が承認画面から、固定資産の見積を承認する入力をしたことを受け付ける。この場合、受付部102bは、承認された見積を特定する情報、例えば見積番号を、固定資産情報生成部102eに送出する。
見積データ登録部102cは、受付部102bが受け付けた見積データを、見積ヘッダデータベース106a、見積明細データベース106b、見積詳細データベース106cに登録する。
配賦部102dは、受付部102bが受け付けた配賦対象の見積データを見積ヘッダデータベース106a、見積明細データベース106b、見積詳細データベース106cに登録された見積データから特定し、共通費等を固定資産に配布する。言い換えれば、配賦部102dは、見積内部行番号によって紐付けられる配賦元と配賦先とに対応する配賦元レコードおよび配賦先レコードを見積明細データベース106bから特定する。また、配賦部102dは、配賦元である共通費等に対応付けられた見積金額を、配賦先である固定資産に対応付けられた見積金額に配賦する。
また、配賦部102dは、複数の固定資産を配賦先として特定した場合、共通費等の見積金額を、按分レベルが1つ前までの配賦において共通費等の見積金額が配賦された後の固定資産の見積金額に基づいて按分し、按分により得られた按分割当金額を、固定資産に対応付けられた見積金額に配賦する。
また、配賦部102dは、共通費等が配賦された後の固定資産ごとの見積金額に対して、複数の固定資産にかかる消費税の総額を按分し、固定資産ごとの税込取得価額を算出する。配賦部102dは、配賦処理によって生成したデータを、見積ヘッダデータベース106a、見積明細データベース106b、見積詳細データベース106cに登録する。
固定資産情報生成部102eは、受付部102bが見積の承認を受け付けた場合に、承認された配賦処理後の見積データから、固定資産に関する各種の情報を生成し、生成した情報を、各情報に対応するデータベースに登録する。例えば、固定資産情報生成部102eは、購入した固定資産に関する情報を資産データベース106fに登録する。また、固定資産情報生成部102eは、購入した固定資産に関する減価償却費を、償却データベース106gに登録する。また、固定資産情報生成部102eは、購入した固定資産に関する減価償却費を月別に換算した金額を、月別償却データベース106hに登録する。また、固定資産情報生成部102eは、固定資産の購入や減価償却により発生する仕訳データを、仕訳データベース106iに登録する。
なお、固定資産情報生成部102eが生成する情報は、上述の例に限定されるものではない。
[3.処理の流れ]
次に、以上のように構成された本実施形態の配賦処理について説明する。図3は、本実施形態にかかる配賦を含む一連の処理の流れの一例を示す図である。図3に示すように、まず、見積データ入力処理において、見積データが見積ヘッダデータベース106aと、見積明細データベース106bと、見積詳細データベース106cとに登録される。
具体的には、見積データ入力処理において、表示制御部102aは、モニタ114を制御して、見積データ入力画面を表示する。図4は、本実施形態にかかる見積データ入力画面の一例を示す図である。図4に示すように、見積データ入力画面は、見積データに含まれる情報を入力するための、複数の入力欄を備える。また、図4に示すように、見積データ入力画面はヘッダ部と、資産明細部と、経費共通費明細部と、を含む。
ヘッダ部には固定資産の購入に関する見積データの概要情報が入力される。また、資産明細部には、固定資産の購入に関する見積データの、各固定資産ごとの明細情報が入力される。また、経費共通費明細部には、固定資産の購入に関する共通費等の明細情報が入力される。
見積データ入力画面の表示レイアウトの一例として、ヘッダ部は画面の上部に、資産明細部は画面の中部に、経費共通費明細部は画面の下部にそれぞれ表示されるが、表示レイアウトはこれに限定されるものではない。
図5は、本実施形態にかかる見積データの登録の一例を示す図である。図5の上部に示す入力データは、図4に示した見積データ入力画面のヘッダ部と、資産明細部と、経費共通費明細部と、にそれぞれ入力される見積データである。受付部102bは、担当者が見積データ入力画面に入力した見積データを受け付ける。
また、見積データ登録部102cは、入力された見積データを、図5の下部に示すように、見積ヘッダデータベース106aと、見積明細データベース106bと、見積詳細データベース106cとに登録する。なお、図5では、入力データおよびデータベースに登録されるデータの主要な項目を示し、一部の項目は省略している。
見積データ登録部102cは、図5に示すように、ヘッダ部に入力された見積番号と、取得日と、発注税抜金額と、発注消費税とを対応付けて、見積ヘッダデータベース106aに登録する。また、見積番号は、見積データ登録部102c等により自動的に採番されてもよい。
また、見積データ登録部102cは、ヘッダ部に入力された見積番号と、資産明細部に入力された各固定資産ごとの明細情報と、経費共通費明細部に入力された共通費等の明細情報とを、対応付けて、見積明細データベース106bおよび見積詳細データベース106cに登録する。
具体的には、資産明細部および経費共通費明細部の「行番号」に入力されたデータは、見積明細データベース106bおよび見積詳細データベース106cの項目「見積内部行番号」に登録される。
また、資産明細部の「資産分類」は、固定資産の名称を示す。当該項目に入力されたデータは、見積明細データベース106bの項目「資産名」に登録される。また、経費共通費明細部の「資産分類」は、共通費等の名称を示す。当該項目に入力されたデータは、見積明細データベース106bの項目「資産名」に登録される。
資産明細部および経費共通費明細部の「見積金額」に入力されたデータは、見積明細データベース106bの項目「見積金額」に登録される。
資産明細部および経費共通費明細部の「按1」〜「按5」は、固定資産または共通費等の対応按分レベルを示す。また、「按1」〜「按5」に入力されたデータは、固定資産または共通費等の対応按分コードを示す。例えば、見積データ登録部102cは、「按1」に入力された対応按分コードを、見積詳細データベース106cに、「対応按分レベル」=“1”、「対応按分コード」=“10”として登録する。
図4では、対応按分レベル5までの入力欄が表示されているが、見積データを入力する担当者の操作等により、表示制御部102aが入力欄を追加する構成を採用してもよい。
また、図4,5に示す見積データの値は一例であり、これに限定されるものではない。例えば、対応按分コードとして設定されるデータは、配賦元と配賦先とを紐付けることができればよく、数値ではなく“A”、“B”、“C”等の文字やコードが設定されてもよい。
見積データ登録部102cが見積データを登録することにより、図5の下部に示すように、各データベースに配賦前の状態の見積データが登録される。また、見積明細データベース106bに登録された固定資産および共通費等にかかる対応按分レベル、対応按分コードが、見積詳細データベース106cに対応付けられて登録される。
図3に示すように、見積データ入力処理の後に、配賦処理が行われる。図6は、本実施形態にかかる配賦処理の流れの一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、例えば、担当者が配賦実行画面に表示された実行ボタンを押下する操作を入力した場合に開始される。
図7は、本実施形態にかかる配賦実行画面の一例を示す図である。表示制御部102aは、モニタ114を制御して、配賦実行画面を表示する。担当者は、配賦処理の対象となる見積データを特定する見積番号を、配賦実行画面の「対象見積番号」の入力欄に入力する。ここで、担当者は配賦実行画面の「対象見積番号」の入力欄に複数の見積番号を入力することも可能である。
担当者が配賦実行画面に表示された実行ボタンを押下する操作をすると、受付部102bは、配賦実行画面から入力された対象見積番号を受け付ける(S1)。
配賦部102dは、当該配賦処理を特定するための配賦番号を生成する(S2)。また、配賦番号は、担当者等が決定し、配賦実行画面から入力するものとしてもよい。また、配賦部102dは、配賦実行画面から入力された対象見積番号に対応する見積番号を見積ヘッダデータベース106aから検索し、当該見積番号に対応付けられた発注税抜金額を、表示制御部102aに送出する。表示制御部102aは、取得した発注税抜金額を、見積金額として、配賦実行画面に表示する。また、図7に示す登録日は、表示制御部102aまたは配賦部102dにより生成されて配賦実行画面に表示されるものとしてもよいし、担当者等が入力するものとしてもよい。
また、上述の図7に示す配賦実行画面から複数の見積番号が入力された場合、配賦部102dは、複数の見積番号に対応する見積データに対して、1つの配賦番号を生成する。これにより、配賦部102dは、見積書ごとに作成された見積データを統合して、1度の配賦処理で配賦を行うことができる。
次に、配賦部102dは、配賦実行画面から対象見積番号として入力された見積番号に対応する見積データを見積ヘッダデータベース106aと、見積明細データベース106bと、見積詳細データベース106cとから抽出する(S3)。
そして、配賦部102dは、見積詳細データベース106cに登録された対応按分レベルに従って、共通費等の按分処理を実行する。本実施形態においては、図5に示したように、対応按分レベル1〜3が登録されている。この場合、配賦部102dは、まず、按分レベル1の按分処理を実行する(S4)。
図8は、本実施形態にかかる按分レベル1の按分処理の流れの一例を示すフローチャートである。配賦部102dは、見積詳細データベース106cから、見積番号=“DEN001”、対応按分レベル=“1”のレコードを抽出する(S41)。
図9Aは、本実施形態にかかる按分レベル1の按分対象の見積データの一例を示す図である。配賦部102dは、見積詳細データベース106cから抽出したレコードを、対応按分コードで昇順ソートする(S42)。図9Aに示す例では、対応按分コードは全て“10”であるが、複数の対応按分コードが含まれる場合については、後述する。
配賦部102dは、ソート結果の先頭の対応按分コード“10”に対応する見積内部行番号“1”〜“4”,“901”を取得する(S43)。
図9Aに示すように、配賦部102dは、取得した見積内部行番号“1”〜“4”に対応する固定資産(配賦先)と、見積内部行番号“901” に対応する経費または共通費(配賦元)とを、見積明細データベース106bから検索する(S44)。配賦部102dは、各見積内部行番号に対応するレコードに登録されたデータが、固定資産であるのか、経費または共通費であるのかを、資産経費共通費区分によって判別する。
そして、配賦部102dは、配賦先となる固定資産の見積金額の合計値に対する、各固定資産の見積金額の占める割合に応じて、経費または共通費の見積金額を按分する(S45)。図9Bは、本実施形態にかかる按分レベル1の按分処理の一例を説明する図である。図9Bに示すように、配賦部102dは、見積内部行番号“1”〜“4” に対応する固定資産“器具備品A”〜“器具備品D”のそれぞれの見積金額を、“器具備品A”〜“器具備品D”見積金額の合計値で除算する。そして、配賦部102dは、除算結果に対して配賦元の経費である“設置費用1”の見積金額“300”を乗算して算出結果を求める。当該算出結果において、配賦部102dは、小数点以下の端数は切捨てる。
そして、配賦部102dは、算出結果に対して端数の調整をする(S46)。具体的には、図9Bに示すように、配賦部102dは、算出結果と“設置費用1”の見積金額“300”とを比較し、差分の“2”を、上述の算出結果のうち、値が最も大きいものに加算する。図9Bに示す例では、“器具備品A”に対応する算出結果“140”が最も大きいため、差分を加算して“142”として、按分レベル1における按分結果とする。
図9Bに示す例は按分レベル1であり、本配賦処理における初回の按分処理であるため、配賦部102dは、固定資産の見積金額を按分処理の計算基礎額として用いている。もし、現在実行している按分レベルの処理よりも前のレベルの按分処理が既に行われている場合、配賦部102dは、1つ前のレベルまでの按分処理の結果が配布された固定資産の見積金額を用いて按分処理を行う。按分レベル2以降の按分処理については、後述する。
端数の調整後、配賦部102dは、S41で抽出したレコードに含まれる全ての対応按分コードについて、按分処理が終了したか否かを判断する(S47)。全ての対応按分コードについて、按分処理が終了していないと判断した場合(S47“No”)、配賦部102dは次の対応按分コードに対応する見積内部行番号を取得する(S48)。配賦部102dは、全ての対応按分コードについて、按分処理が終了するまで、S44〜S48の処理を繰り返す。
図9Aに示す例では、按分レベル1にかかる対応按分コードは“10”のみであるので、配賦部102dは、全ての対応按分コードについて、按分処理が終了したと判断し(S47“Yes”)、配賦明細データベース106eに、按分結果を登録する(S49)。
図9Cは、本実施形態にかかる按分レベル1の按分処理結果の一例を説明する図である。図9Cに示すように、配賦部102dは、図9Bに示す数式で求めた按分結果を、按分割当金額として配賦明細データベース106eに登録する。また、この際、配賦部102dは、当該按分割当金額を、当該配賦処理にかかる配賦番号と、見積番号と、按分レベル1にかかる見積内部行番号と、対応按分レベルと、対応按分コードと、共通費番号(共通費等の見積番号)と、共通費内部行番号(共通費等の見積内部行番号)と、対応付けて配賦明細データベース106eに登録する。
また、配賦部102dは、配賦明細データベース106eに登録した按分レベル1で算出された固定資産ごとの按分割当金額を当該固定資産の見積金額に加算して按分後税抜金額を算出し、見積明細データベース106bに登録する(S50)。当該按分後税抜金額は、次の按分レベル2,3の処理において参照可能であればよく、保存方法は、データベースへの登録に限定されるものではない。例えば、配賦部102dは、図6に示す配賦処理の実行中は、算出した按分後税抜金額をメモリ上に形成された一時テーブルや変数等に保持してもよい。
ここで、図8に示すフローチャートの処理は終了する。次に、配賦部102dは、図6のフローチャートに戻り、按分レベル2の按分処理を実行する(S5)。按分レベル2の按分処理の基本的な流れは、図8に示した按分レベル1の按分処理の流れと同様である。按分レベル1の按分処理と一部異なる部分については、個別に説明する。
図8のS41の処理と同様に、配賦部102dは、見積詳細データベース106cから、按分処理の対象となるレコードを抽出する。図10Aは、本実施形態にかかる按分レベル2の按分対象の見積データの一例を示す図である。按分レベル2の按分処理においては、図10Aに示すように、配賦部102dは、見積詳細データベース106cから、見積番号=“DEN001”、対応按分レベル=“2”のレコードを抽出する。
次に、S42の処理と同様に、配賦部102dは、見積詳細データベース106cから抽出したレコードを、対応按分コードで昇順ソートする。図10Aに示すように、見積番号=“DEN001”、対応按分レベル=“2”のレコードには、対応按分コード“20”と“30”とが含まれる。
次に、S43の処理と同様に、配賦部102dは、ソート結果の先頭の対応按分コードに対応する見積内部行番を見積詳細データベース106cから取得する。按分レベル2の按分処理においては、配賦部102dは、ソート結果の先頭の対応按分コード“20”に対応する見積内部行番号“2”,“3”,“902”と、ソート結果の先頭の対応按分コード“30”に対応する見積内部行番号“4”,“904”とを取得する。
次に、S44の処理と同様に、配賦部102dは、取得した見積内部行番号に対応する固定資産と、経費または共通費とを、見積明細データベース106bから検索する。図10Aに示すように、按分レベル2の按分処理においては、配賦部102dは、見積内部行番号“2”,“3”に対応する固定資産と、見積内部行番号“902”に対応する経費または共通費とを、見積明細データベース106bから検索する。また、配賦部102dは、見積内部行番号“4” に対応する固定資産と、見積内部行番号“904”に対応する経費または共通費とを、見積明細データベース106bから検索する。
そして、配賦部102dは、経費または共通費の見積金額を按分する。S45の処理とは異なり、配賦部102dは、配賦先となる固定資産の按分レベル1で算出された按分後税抜金額の合計値に対する、各固定資産の按分レベル1で算出された按分後税抜金額の占める割合に応じて、経費または共通費の見積金額を按分する。按分後税抜金額は、上述したように、見積金額に前レベルまでの按分処理で算出された按分割当金額が配賦された金額である。
本実施形態では、同一の按分レベルに複数の対応按分コードが含まれる場合、対応按分コードの昇順で按分処理を実行する。なお、同一の按分レベルにおける按分処理の実行順は、これに限定されるものではない。
図10Bは、本実施形態にかかる按分レベル2の按分処理の一例を説明する図である。図10Bに示すように、配賦部102dは、まず、対応按分コード“20”に対応する固定資産および経費または共通費について按分処理を行う。配賦部102dは、見積内部行番号“2”,“3”に対応する固定資産“器具備品B”,“器具備品C”のそれぞれの按分後税抜金額を“器具備品B”,“器具備品C”の按分後税抜金額の合計値で除算する。そして、配賦部102dは、除算結果に対して配賦元の経費である“設置費用2”の見積金額“60”を乗算して算出結果を求める。当該算出結果において、配賦部102dは、小数点以下の端数は切捨てる。
そして、S46の処理と同様に、配賦部102dは、算出結果に対して端数の調整をする。
次に、S47の処理と同様に、配賦部102dは、端数の調整後、抽出したレコードに含まれる全ての対応按分コードについて、按分処理が終了したか否かを判断する。図10A,10Bに示す例では、按分レベル2にかかる対応按分コードは複数存在するため、配賦部102dは、全ての対応按分コードについて、按分処理が終了していないと判断する。
この場合、S48の処理と同様に、配賦部102dは、次の対応按分コードである“30”に対応する見積内部行番号を取得する。
次に、配賦部102dは、対応按分コード“30”に対応する固定資産および経費または共通費について按分処理を行う。図10Bに示すように、配賦部102dは、見積内部行番号“4”に対応する固定資産“器具備品D”の按分後税抜金額を“器具備品D”の按分後税抜金額の合計値で除算する。そして、配賦部102dは、除算結果に対して配賦元の経費である“設置費用3”の見積金額“70”を乗算して算出結果を求める。当該算出結果において、配賦部102dは、小数点以下の端数は切捨てる。そして、S46の処理と同様に、配賦部102dは、算出結果に対して端数の調整をする。
そして、S47の処理と同様に、配賦部102dは、端数の調整後、抽出したレコードに含まれる全ての対応按分コードについて、按分処理が終了したか否かを再度判断する。図10A,10Bに示す例では、按分レベル2にかかる対応按分コードは“20”,“30”のみであるので、配賦部102dは、全ての対応按分コードについて、按分処理が終了したと判断する。
この場合、S49の処理と同様に、配賦部102dは、配賦明細データベース106eに、按分結果を登録する。図10Cは、本実施形態にかかる按分レベル2の按分処理結果の一例を説明する図である。図10Cに示すように、配賦部102dは、図10Bに示す数式で求めた按分結果を、他の項目と対応付けて、按分割当金額として配賦明細データベース106eに登録する。
また、S50の処理と同様に、配賦部102dは、按分後税抜金額を算出し、見積明細データベース106bに登録する。按分レベル2の按分処理においては、配賦部102dは、按分レベル2で算出された固定資産ごとの按分割当金額と、按分レベル1で算出された固定資産ごとの按分割当金額とを、当該固定資産の見積金額に加算して按分後税抜金額を算出する。
次に、配賦部102dは、図6のフローチャートに戻り、按分レベル3の按分処理を実行する(S6)。按分レベル3の按分処理の基本的な流れは、上述の按分レベル2の按分処理の流れと同様である。
図8のS41の処理と同様に、配賦部102dは、見積詳細データベース106cから、按分処理の対象となるレコードを抽出する。図11Aは、本実施形態にかかる按分レベル3の按分対象の見積データの一例を示す図である。按分レベル3の按分処理においては、図11Aに示すように、配賦部102dは、見積詳細データベース106cから、見積番号=“DEN001”、対応按分レベル=“3”のレコードを抽出する。
次に、S42の処理と同様に、配賦部102dは、見積詳細データベース106cから抽出したレコードを、対応按分コードで昇順ソートする。図11Aに示すように、見積番号=“DEN001”、対応按分レベル=“10”のレコードには、対応按分コード“10”が含まれる。
抽出したレコードのソートから、対応按分コードに対応する見積内部行番号の取得までは、図8に示すS42,S43の処理と同様である。
次に、S44の処理と同様に、配賦部102dは、取得した見積内部行番号に対応する固定資産と、経費または共通費とを、見積明細データベース106bから検索する。図10Aに示すように、按分レベル3の按分処理においては、配賦部102dは、見積内部行番号“1”,“3”,“4”に対応する固定資産と、見積内部行番号“904” に対応する経費または共通費とを、見積明細データベース106bから検索する。
そして、配賦部102dは、配賦先となる固定資産の按分レベル2までに算出された按分後税抜金額の合計値に対する、各固定資産の按分レベル2までに算出された按分後税抜金額の占める割合に応じて、経費または共通費の見積金額を按分する。図11Bは、本実施形態にかかる按分レベル3の按分処理の一例を説明する図である。図11Bに示すように、配賦部102dは、見積内部行番号“1”,“3”,“4”に対応する固定資産“器具備品A”,“器具備品C”,“器具備品D”のそれぞれの按分後税抜金額を“器具備品A”,“器具備品C”,“器具備品D”の按分後税抜金額の合計値で除算する。そして、配賦部102dは、除算結果に対して配賦元の経費である“値引”の見積金額“−120”を乗算して算出結果を求める。当該算出結果において、配賦部102dは、小数点以下の端数は切捨てる。
そして、S46の処理と同様に、配賦部102dは、算出結果に対して端数の調整をする。全ての対応按分コードについて按分処理が終了したか否かの判断から、按分結果の登録までの処理は、図8のS47,S49の処理と同様である。図11Cは、本実施形態にかかる按分レベル3の按分処理結果の一例を説明する図である。図11Cに示すように、配賦部102dは、図11Bに示す数式で求めた按分結果を、他の項目と対応付けて、按分割当金額として配賦明細データベース106eに登録する。
そして、S50の処理と同様に、配賦部102dは、按分後税抜金額を算出し、見積明細データベース106bに登録する。按分レベル3の按分処理においては、配賦部102dは、按分レベル1〜3で算出された固定資産ごとの按分割当金額を、当該固定資産の見積金額に加算して按分後税抜金額を算出する。
次に、配賦部102dは、図6のフローチャートに戻り、按分消費税と、按分後税込金額とを算出する(S7)。具体的には、配賦部102dは、按分レベル1〜3の按分処理後の、固定資産ごとの按分後税込金額に対して、見積ヘッダデータベース106aに登録された発注消費税を按分し、固定資産ごとの按分消費税を算出する。また、配賦部102dは、算出した固定資産ごとの按分消費税を、当該固定資産の見積金額に加算し、按分後税込金額を算出する。
言い換えれば、配賦部102dは、按分レベル1〜3の按分処理で共通費等の見積金額が配賦された後の固定資産ごとの見積金額に対して、複数の固定資産にかかる消費税の総額を按分し、固定資産ごとの税込取得価額を算出する。
次に、配賦部102dは、配賦結果を各データベースに登録する(S8)。また、配賦部102dは、上述の按分処理において都度更新していた配賦明細データベース106eおよび見積明細データベース106b等のデータを更新し、当該配賦処理における最終的な処理結果を登録する。
図12Aは、本実施形態にかかる配賦処理後の配賦ヘッダデータベース106dおよび配賦明細データベース106eに登録されたデータの一例を示す図である。図12Aに示すように、配賦部102dは、配賦ヘッダデータベース106dおよび配賦明細データベース106eに、上述の配賦処理を特定する配賦番号を登録する。配賦番号によって、配賦ヘッダデータベース106dと配賦明細データベース106eとは紐付けられる。また、配賦部102dは、配賦ヘッダデータベース106dに、当該配賦処理の配賦データが登録された日付である登録日を登録する。また、配賦部102dは、配賦明細データベース106eに、各按分レベルの按分処理で算出された按分割当金額を登録する。
また、図12Bは、本実施形態にかかる配賦処理後の見積ヘッダデータベース106a、見積明細データベース106bおよび見積詳細データベース106cに登録されたデータの一例を示す図である。図12Bに示すように、配賦部102dは、見積ヘッダデータベース106aに、上述の配賦処理を特定する配賦番号を登録する。
また、配賦部102dは、見積詳細データベース106cに、見積内部行番号、対応按分レベル、対応按分コードごとの按分レベル金額を登録する。
また、配賦部102dは、見積明細データベース106bに、按分後税抜金額、按分消費税、按分後税込価格、按分合計金額を、それぞれ見積番号および見積内部行番号と対応付けて登録する。按分合計金額は、見積詳細データベース106cに登録された按分レベル金額を、固定資産ごとに合計した金額である。
上述の図8〜11Cに示す例では、各按分レベルでの按分処理ごとに都度、配賦明細データベース106eおよび見積明細データベース106b等に値を登録しているが、各データベースへの値の登録タイミングはこれに限定されるものではない。例えば、配賦部102dは、配賦処理中は算出した値をメモリ上に形成された一時テーブルや変数等に保持し、図6のS8の処理のタイミングで配賦明細データベース106eおよび見積明細データベース106b等に値を登録してもよい。
配賦結果の登録により、図6のフローチャートが示す配賦処理は終了する。
図3に示すように、配賦処理の後に、承認処理および固定資産情報生成処理が行われる。表示制御部102aは、モニタ114を制御して、承認画面を表示する。受付部102bは、管理者等が承認画面から、固定資産の見積を承認する入力をしたことを受け付ける。
固定資産情報生成部102eは、受付部102bが見積の承認を受け付けた場合に、承認された配賦処理後の見積データから、固定資産に関する各種の情報を生成し、生成した情報を、資産データベース106f、償却データベース106g、月別償却データベース106h、仕訳データベース106i等に登録する。
このように、本実施形態の配賦装置100では、複数の固定資産を配賦先とし、複数の固定資産のうちの少なくとも1つの按分後税抜金額に算入される複数の費用または共通費を配賦元として、配賦先のそれぞれの見積金額に配賦元のそれぞれの見積金額を配賦する、制御部102と記憶部106を備える。また、記憶部106は、配賦先および配賦元に対応するレコードを含む見積明細データベース106bと、対応按分レベルと対応按分コードとを対応付けて保存する見積詳細データベース106cと、を記憶する。制御部102は、対応按分レベルに従って、対応按分コードによって紐付けられる配賦元と配賦先とに対応する配賦元レコードおよび配賦先レコードを見積明細データベース106bから特定する特定処理と、費用または共通費の見積金額を、固定資産の見積金額に配賦する配賦処理と、を実行する。また、配賦処理において、制御部102は、複数の固定資産を特定した場合、費用または共通費の見積金額を、1つ前の按分レベルの按分処理において費用または共通費の見積金額が配賦された後の固定資産の見積金額に基づいて按分し、按分により得られた按分割当金額を、固定資産の見積金額に配賦する。言い換えれば、本実施形態の配賦装置100は、配賦元と配賦先とを指定すること、および複数の共通費等を多段階に配賦することが可能である。このため、本実施形態の配賦装置100によれば、複数の固定資産に対する共通費等の配賦にかかる担当者の作業負荷を低減すると共に、購入した固定資産の登録作業を効率化することができる。
さらに、本実施形態の配賦装置100では、配賦処理において、制御部102は、複数の固定資産の見積金額の合計値に対する、それぞれの固定資産の見積金額が占める割合に応じて、経費または共通費の見積金額を按分する。このため、本実施形態の配賦装置100によれば、担当者等が手動で計算をすることなく、各固定資産の見積金額の大きさの比率に応じて、経費または共通費の見積金額を配賦することができる。
さらに、本実施形態の配賦装置100では、配賦処理において、制御部102は、経費または共通費の見積金額が配賦された後の固定資産ごとの見積金額である按分後税抜金額に対して、複数の固定資産にかかる消費税の総額である発注消費税を按分する。そして、配賦部102dは、固定資産ごとの按分後税込金額を算出する。このため、本実施形態の配賦装置100によれば、配賦された共通費等を加味した上で、固定資産ごとにかかる消費税を求めることができる。
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
また、例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、配賦装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
例えば、配賦装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて配賦装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
また、このコンピュータプログラムは、配賦装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム商品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。したがって、本明細書で説明したような処理または処理方法を実行するためのプログラムを格納した記録媒体もまた本発明を構成することとなる。
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
また、配賦装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、配賦装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
また、配賦装置100は、パーソナルコンピュータ等とネットワークを介して接続されたサーバであってもよい。当該構成を採用する場合、サーバである配賦装置100は、ネットワークを介して接続されたパーソナルコンピュータ等からユーザの入力操作を受け付けて処理を実行するものとしてもよい。また、配賦装置100は、クラウド環境等に設けられても良い。
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。