JP2004317664A - カメラ用セクタ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】動作の速いカメラ用セクタ駆動装置を安価に提供する。
【解決手段】本発明のカメラ用セクタ駆動装置は、基本的な構成として、基板1に設けられたアパーチャ1aを平行リンク機構により開閉可能に設けてあるセクタ12と、このセクタを駆動する電磁アクチュエータ4と、この電磁アクチュエータの駆動力をセクタに伝達する駆動伝達手段7とを備えているところに特徴がある。この駆動伝達手段7は、上記の電磁アクチュエータの1パルス駆動によりセクタをアパーチャの開放位置と閉鎖位置とに駆動する変速機構を備えているため、安価なパルス駆動回路を採用可能となる。また、変速機構の採用は、1パルス駆動によりアパーチャの開閉操作を可能とすることから、開閉速度が速くなるためタイムラグを少なくする効果がある。変速機構としては、歯車変速機構を採用することによりセクタの円滑な動作を実現してある。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明のカメラ用セクタ駆動装置は、基本的な構成として、基板1に設けられたアパーチャ1aを平行リンク機構により開閉可能に設けてあるセクタ12と、このセクタを駆動する電磁アクチュエータ4と、この電磁アクチュエータの駆動力をセクタに伝達する駆動伝達手段7とを備えているところに特徴がある。この駆動伝達手段7は、上記の電磁アクチュエータの1パルス駆動によりセクタをアパーチャの開放位置と閉鎖位置とに駆動する変速機構を備えているため、安価なパルス駆動回路を採用可能となる。また、変速機構の採用は、1パルス駆動によりアパーチャの開閉操作を可能とすることから、開閉速度が速くなるためタイムラグを少なくする効果がある。変速機構としては、歯車変速機構を採用することによりセクタの円滑な動作を実現してある。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばデジタルカメラの遮光装置を駆動するために用いるカメラ用セクタ駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常の銀塩フィルム式カメラ(以下「フィルム式カメラ」という。)の絞り装置や、デジタルカメラの撮像素子を保護するための遮光装置等は、セクタの揺動によりアパーチャを開閉する機構が採用されている。これらの絞り装置や遮光装置は、いずれもセクタを駆動モータで揺動させることにより絞り開口の大きさを調整可能とし、あるいはアパーチャを開閉可能としてある。セクタの駆動は、駆動モータにセクタがアパーチャを開閉するのに十分な回転量を与えることにより行われている。そのために駆動モータには、セクタの移動量に対応するパルス数の電流を流すことが行われている。例えばデジタルカメラの遮光装置の場合、非撮影時には撮像素子を保護するために遮光幕を閉鎖しておき、撮影時にレリーズオンすることにより遮光幕を開放し、撮影終了後に再び遮光幕が閉鎖するようになっているが、これらの各動作中は常に遮光幕の駆動モータは通電されており、開閉動作の際には複数のパルス電流が通電されていることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、セクタの開閉動作のために常に多数のパルス電流を通電するためには、複雑で高価なパルス駆動回路が必要である。また、複数パルスによる駆動はタイムラグを生じさせるため、シャッタチャンスを逃がす原因となっている。さらにまた、デジタルカメラの遮光装置の場合には、撮像素子による画像の読み込み中も遮光幕を全開状態に保持するために通電を続けていることになるが、これは電力の消費量が多くなるとともに画像ノイズ発生の原因となっている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明のカメラ用セクタ駆動装置は、基板に設けられたアパーチャを平行リンク機構により開閉可能に設けてあるセクタと、このセクタを駆動する電磁アクチュエータと、この電磁アクチュエータの駆動力をセクタに伝達する駆動伝達手段とを備えている。この駆動伝達手段は、上記の電磁アクチュエータの駆動によりセクタをアパーチャの開放位置と閉鎖位置とに駆動する変速機構を備えているため、安価なパルス駆動回路を採用可能となる。また、上記の変速機構の採用は、開閉速度が速くなるためタイムラグを少なくするとともに高価なパルス駆動回路を不要とする効果がある。
【0005】
上記の駆動伝達手段は、電磁アクチュエータの駆動軸に設けてある駆動歯車と、セクタを駆動するセクタ駆動歯車とを有し、上記の変速機構は、駆動歯車とセクタ駆動歯車との間に介在する歯車変速機構とすることにより、円滑な駆動力の伝達と正確な回転比を保障し、電磁アクチュエータの駆動によるアパーチャの開閉を可能としてある。
【0006】
また、上記の駆動伝達手段またはセクタを構成するセクタアームには、セクタをアパーチャの開放方向または閉鎖方向のいずれか一方向に付勢するセクタ付勢部材が設けてある。このセクタ付勢部材の設置により変速機構及びセクタの固体間のばらつきやがたを一方向に寄せるようにして常にバラツキのない状態でアパーチャを開閉可能としてある。特に変速機構として歯車変速機構を採用すると、歯車のバックラッシュによるがたの影響も大きくなるので、セクタ付勢部材の存在は重要となっている。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態例としてデジタルカメラの遮光装置を取り上げ、これについて図面を参照して説明する。図1、図2は、上記の遮光装置の要部を拡大して示したものである。なお、プリント基板Pと後述のユニットケースの天板部とを透過して輪郭だけを示してある。図示してあるように、この遮光装置は、構造上、アパーチャを重畳及び展開する遮光羽根群によって開閉可能としてある点において、フォーカルプレーンシャッタに似たものとなっている。しかし、フォーカルプレーンシャッタのように先幕と後幕とを備えたものではなく、先後いずれかの幕に相当する1つの遮光幕を備えただけのシンプルなものとなっている。
【0008】
図1、図2において、基板1は、外周部を実質的に長方形に形成された板状体からなり、その中心付近の位置にアパーチャ1aが設けてある。このアパーチャ1aの左方上面(図面表面)には、セクタを駆動するセクタ駆動ユニット2が装着してある。セクタ駆動ユニット2は、基板1の上面(図面表側)に突設された位置決めピン1b,1bにより位置決めされ、固定手段としてのビス10,10によって固定されている(図3参照)。また、基板1のセクタ駆動ユニット2が設けてある部分の背面側には、後述のセクタアーム13,14とセクタ12等が設けてあり、セクタ駆動ユニット2により平行リンク機構によるセクタ12のアパーチャ1aの開閉動作が可能となっている。
【0009】
セクタ駆動ユニット2は、予めユニットケース3に装着されている電磁アクチュエータ(以下「アクチュエータ」という。)4及び後述のセクタ位置検出手段であるシンクロスイッチ5と、後述の中間部材6の下面側に装着されている駆動伝達手段7とアクチュエータ4やシンクロスイッチ5に電力を供給するためのプリント基板Pが設けられている。このセクタ駆動ユニット2は、基板1の一方の面(表面)に位置決めされ、固定手段であるビス10により固定してある。また、基板1の他方の面(背面)には、駆動伝達手段7によりアパーチャ1aを開閉可能とするようにセクタ12が設けてある。
【0010】
図3は、セクタ駆動ユニット2、セクタ12及びセクタアーム13,14等の各構成要素を分割したものを拡大断面図で示したものである。セクタ駆動ユニット2の駆動機構のうち、後述のアクチュエータ4及びシンクロスイッチ5を含む駆動部は、ユニットケース3の一方の面(図3下面)に中間部材6を介して固定されている。ユニットケース3の他方の面(図3上面)には、プリント基板Pが固定されている。ユニットケース3は、天板部3aが長方形の板状体からなり(図1参照)、その両端部には、上記の中間部材6を保持するための掛止部3b,…が設けてある。中間部材6は、アクチュエータ4やシンクロスイッチ5をユニットケース3との間に保持可能であるとともに、基板1への取付部6f、6gを備えている。また、中間部材6は、外面(図3下面)に駆動伝達手段7を取り付けられる。セクタ駆動ユニット2は、基板1に対して位置決めピン1bを中間部材6の位置決め孔6aに合わせて挿着し、固定手段であるビス10で締め付けることにより結合してある。基板1の他方の面(図3下面)には、セクタ12がアパーチャ1a(図1参照)を開閉可能に設けてある。こうしてユニット化されたセクタ駆動ユニット2は、基板1に対して着脱容易であるため、各種の基板やセクタに取付可能となっている。
【0011】
上述のアクチュエータ4は、公知のパルスモータの一種を採用したものであり、ステータ4a、駆動コイル4b及び永久磁石製のロータ4cからなる。このアクチュエータ4は、ロータ4cの磁極とステータ4aに設けられた磁極の位置との関係から1パルスの電圧の印加により回転する角度(ステップ角)が定まるようになっている。また、ステータ4aの磁極の位置は、ロータ4cが無通電保持される静的安定位置となっている。このため通電によりロータ4cの磁極がステータの磁極間を移動して静的安定位置に静止してロータ4cを保持可能となっている。静的安定位置は、上記の通り、ロータ4cの磁極数と、このロータを取り囲むステータ4aの凹部の内周部に設けてある磁極の数とにより定まることになる。ここではロータの磁極が2極でステータの磁極数が4極の組み合わせにより、2か所に静的安定位置を設けてある。
【0012】
アクチュエータ4は、中間部材6によってユニットケース3の天板部3aに押さえ付けた状態に固定されている。そして、ロータ4cと一体の回転軸4dがこの中間部材6を貫通して下面側に突出するように設けてある。アクチュエータ4の回転軸4dの先端部(図3下端部)には、駆動伝達手段7を構成する駆動レバー8が設けてある。また、中間部材6の下面に突設された支軸部6bには、駆動レバー8に連動可能なセクタ駆動レバー9が揺動自在に支持されている。駆動伝達手段7を構成するセクタ駆動レバー9は歯部(セクタ駆動歯車)9aが駆動レバー8の歯部(駆動歯車)8aと噛合することにより駆動レバー8と連動可能となっている。上記の駆動レバー8は、開き度を小さくした扇形に形成した板体からなり、扇の要に相当する部分がアクチュエータ4の回転軸4dにこれと一体回転可能に固着してある。上記の駆動レバー8の歯部8aは、駆動レバー8の先端に形成してある円弧部に歯車の歯形を刻設したものからなる。
【0013】
図1、図2に示すように、セクタ駆動レバー9は、回転中心から所定距離の範囲を円弧状に形成してあり、歯部9aは、この円弧状になっている周囲の部分の一部に刻設してある。駆動伝達手段7は、上記の歯部8a及び9aによる歯車変速機構となっているが、この歯車変速機構の回転比(歯数比)は、各レバーの回転中心から各ピッチ円までの距離(ピッチ円の半径)に逆比例するので、駆動レバー8及びセクタ駆動レバー9として歯数比の異なる幾通りかのものを揃えておけば、各種のセクタに対応可能となるため、設計の自由度が高くなる。こうして、アクチュエータ4のステップ角とセクタアーム13の揺動角とを対応させておけば、アクチュエータ4の1パルス駆動によりセクタ12にアパーチャ1aを開放又は閉鎖するに必要な運動をさせることが可能となる。これは、高価で複雑な連続パルスを発生させるパルス駆動回路を必要としなくて済むことからカメラの小形化及びコストダウンに寄与することになる。
【0014】
セクタ駆動アーム9の円弧状になっている部分の歯部9aが設けられていない範囲の一部は、外方へ延伸してアーム部9bが形成してある。上記の円弧状になっている部分とアーム部9bとの境界付近には、図3で上向きに突出する後述の接離ピン9cが設けてある。また、アーム部9bの先端部下面には、上述のセクタ12を駆動するための駆動ピン9dが設けてある。
【0015】
こうして駆動伝達手段7は、駆動レバー8がアクチュエータ4のロータ4cの回転角度(ステップ角)に対応する角度だけ揺動し、変速歯車機構を介して駆動レバー8に連動するセクタ駆動レバー9は、各揺動中心から歯部のピッチ円までの距離の比に応じた角度だけ揺動可能となっている。セクタ駆動レバー9の揺動角は、セクタ12を構成するセクタアーム13の揺動角と同一であり、結局、セクタ12の往復移動量は、セクタ駆動レバー9の揺動角とセクタアーム13の長さにより定まるようになっている。図面では各レバーの揺動中心からピッチ円までの距離が互いに異なるように描かれているため、揺動角も異なるようになっているが、アクチュエータ4のトルクを考慮すると各揺動角はほぼ同一とすることが望ましい。
【0016】
次に、上述のシンクロスイッチ5について説明する。この遮光装置に用いるシンクロスイッチ5は、セクタ駆動レバー9の開閉状態を検出して露出の際にセクタ12が全開になっていることを確認するためのセンサであり、検出ばね17、検出ピン18及び上記の接離ピン9cの三者からなる。検出ばね17としては、両端を反対方向に延伸してなる直線部を有するねじりコイルばねを採用してあり、中央のコイル部をユニットケース3に突設した軸部3dに嵌合し、一方の直線部をセクタ駆動レバー9の接離ピン9cに当接可能としてある。また、検出ばね17の他方の直線部は、中間部材6の上面に突設してある突部6cに当接可能とすることにより揺動範囲を規制してある。検出ばね17の直線部は、先端部で直角に折り曲げられて上向きに延伸し、その先端部をプリント基板Pと導通させて情報出力部17aとすることにより、カメラ本体のCPUへ検出データを出力可能としてある。
【0017】
検出ピン18は、導電体の丸棒材を所定の形状に形成したものからなり、その両端は、プリント基板Pと中間部材6との間で支持されており、プリント基板Pに導通している。検出ピン18は、セクタ12がアパーチャ1aを閉鎖状態にしている時には、検出ばね17の直線部の中間位置に当接可能であり、全開状態になっている時には、この直線部から離反可能とするように設けてある。検出ばね17と検出ピン18との接離状態を検出した検出データは、プリント基板Pに設けられた端子部17a,18aから出力可能となっている。なお、上記両者による接離動作は、セクタ駆動レバー9と一体の接離ピン9cの揺動に対して検出ばね17がこれに従動することによって行われる。
【0018】
図4は、基板1にセクタ駆動ユニット2を装着した状態を示している。この装着により、中間部材6に突設された軸部6bに揺動自在に支持されているセクタ駆動レバー9は、基板1に突設してある突部1gにより安定的に支持されるとともに、駆動ピン9dが基板の円弧溝部1cを貫通して背面側へ突出状態となっている。
【0019】
基板1の他方の面(背面)には、アパーチャ1aを開閉するセクタ12及びセクタアーム13,14が取り付けてある。基板1、セクタ12及び各セクタアーム13,14でセクタユニットを構成している。セクタ12は、図1、図2に示すように、図面上は1枚だけしか示されていないが、実際には複数枚のセクタと、これらを駆動する第1セクタアーム13と、第2セクタアーム14との組み合わせによる平行リンク機構となっている。この平行リンク機構を構成するセクタアームのうち、下方に位置する第1セクタアーム13は、セクタ駆動レバー9の回転中心と同心の軸部1d(図3参照)に揺動自在に支持されている。第1セクタアーム13の中間位置に設けられた孔部(図示略)には、セクタ駆動レバー9の駆動ピン9dが挿通しており、このアームをセクタ駆動レバーに従動可能としてある。また、第1セクタアーム13の先端部は、連結ピン13aを介してセクタ12と揺動自在に連結されている。これに対し、第1セクタアーム13の上方に位置する第2セクタアーム14は、基板1上の第1セクタアームの支持点と少し離れた位置の上面に揺動自在に支持されている。これとともに、各セクタアーム13,14の先端部がセクタ12に揺動自在に連結されていることにより、平行リンク機構を構成してセクタ12をリンク移動可能としてある。
【0020】
図4に示すように、基板1の背面側には、第1セクタアーム13に対してセクタ12を常時一方向に付勢するように作用するセクタ付勢部材16が設けてある。このセクタ付勢部材16は、ねじりコイルばねを採用してあり、中央部に位置するコイル部は、第1セクタアーム13を支持している軸部1dに挿通してあり、このコイル部から延びている一方の直線部を基板1の背面に突設してある係止突起1eに当接可能としてある。また、セクタ付勢部材16の他方の直線部は、第1セクタアーム13の側部に当接してこのアームをセクタ12が開く方向へ付勢可能としてある。このセクタ付勢部材16の第1の機能は、セクタ12が初期位置にあるときには、レリーズオンの際にセクタアーム13を付勢してセクタ12の開放動作を容易にすること。第2の機能は、アパーチャ1aが開放状態になった時に、駆動伝達手段7とセクタ12との間に生じる隙間(ガタ)を一方に押し付けるいわゆるガタ寄せの働きをすることにある。セクタ付勢部材16は、逆にセクタ12が閉じる方向へ付勢可能としてもよい。なお、このセクタ付勢部材16及びセクタ12は、羽根押さえ板15により保護されている。
【0021】
次に、図5に示すシーケンスチャートを参照して、実施の形態例の動作を説明する。図5における横軸の要素として示されているもののうち、開閉レバー駆動コイルとは、既述の構成におけるアクチュエータ4の駆動コイル4bを指しており、開閉レバーとは、駆動伝達手段7のレバー、特にセクタ駆動レバー9を指している。また、映像素子の露出とは、結像した被写体の画像をデジタル信号化する動作を示している。図5の横軸は時間を示しているが、時間の長さの比率については実際の比率通りに表示されているものではなく、あくまでも説明上の便宜から表示しているものである。
【0022】
まず、初期状態においては、アクチュエータの駆動コイル4bへの通電がオフとなっているため、セクタ駆動レバー9もセクタ12も初期位置(静的安定位置)に静止している。このときには、シンクロスイッチ5は検出ばね17と検出ビン18とが当接(ショート)している(図1参照)。次にカメラ本体のレリーズスイッチ(図示略)をオンにすると、CPUからセクタ12がアパーチャ(画枠)1aを閉じる方向へロータを回転させるプラス電流を流して、セクタ12の位置調整(ガタ寄せ)を行う。次に、CPUからアクチュエータの駆動コイル4bへガタ寄せ時とは反対向きのマイナス電流を流すと、ロータ4cが逆方向へ回転し、駆動伝達手段7を介してセクタ12を開く。なお、この時には、セクタ付勢部材16の付勢力によりセクタの始動が容易となっている。セクタ12が開放動作を終了してアパーチャ1aが全開になったら、さらに同方向に電流を流してバウンド防止及びいわゆるガタ寄せを行う。このガタ寄せは上記のセクタ付勢部材16によりコイル3bへの通電がオフとなっている時間帯にも継続可能となっている。
【0023】
セクタ12が完全に開いた状態、すなわちセクタ12が重畳している状態の下では、セクタ駆動レバーの接離ピン9cがシンクロスイッチ5の、検出ばね17の一方の直線部に当接してこれを反時計方向へ押し付けているため、検出ばね17は検出ピン18から離反(オープン)し(図2参照)、この状態変化により生じる信号データが出力される。この信号データ変化の出力を受けたCPUは、アパーチャ1aが開いていることを確認し、駆動コイル4bへの通電をオフにするとともに、撮像素子に露出開始の信号を出すことにより露出が開始される。露出動作の開始に合わせて、アクチュエータ4の駆動コイル4bへの通電をオフにしてあるため、露出動作中におけるノイズの発生を防止するとともに電力消費を節減している。駆動コイル4bへの通電オフ中もロータ4cは、静的安定位置に無通電保持されているため、セクタ12が勝手に動いてしまうようなことは生じない。
【0024】
露出動作が終了すると、それに合わせてアクチュエータの駆動コイル4bに再びセクタ12を重畳する方向へ回転させるプラス電流を流してガタ寄せが行われる。続いて駆動コイル4bへセクタ12を展開する方向に回転させるマイナス電流を流すことにより、セクタ駆動レバー9を回動させ、これに連動してセクタ12を閉じさせる。この時、図1において、セクタ駆動レバー9が反時計方向へ回動すると、シンクロスイッチ5の検出ばね17が原位置へ復帰することにより、検出ばねの直線部は検出ピン18から離反(オープン)する。これによりシンクロスイッチ5からの出力信号の方向を変化させ、この出力を受けたCPUは、アパーチャ1aの閉鎖開始を確認する。こうしてセクタ12は原位置へ復帰するが、駆動コイル4bへの通電は、駆動伝達手段7及びセクタ12の復帰動作が完了した後にも、さらに所定時間だけ駆動コイル4bへ同方向の通電を続けてガタ寄せをした後、通電をオフにしてこれらを初期位置に復帰させる。駆動コイル4bへの通電停止とともに、露出により撮像素子に蓄積された撮像データはCPUへ出力され、これにより撮影の1動作が完了する。読み込まれたデータはカメラ本体の記憶素子へ出力されることにより保存される。
【0025】
以上の説明において、本発明に係るカメラ用セクタ駆動装置は、デジタルカメラの遮光装置に適用するものとしてあるが、本発明はこれに限られるものではなく、絞り式のシャッタやフォーカルプレーンシャッタを備えたデジタルカメラの他、フィルム式カメラの絞り装置等カメラ一般に適用可能である。また、この形態例では、アクチュエータの駆動は、定電圧回路によって行うことを前提に説明してきたが、もちろん定電流回路によって駆動することも可能である。なお、ここでは駆動伝達手段として歯車変速機構を採用してあるが、本発明はこれに限定する趣旨ではなく、リンク機構やスライダ−クランク機構等を採用することも可能である。また、本実施例の形態ではアクチュエータの1パルス駆動によりセクタを駆動させていたが、この電磁アクチュエータに複数のパルスを与えて、セクタの駆動スピードを調整させるようにしてもよい。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、電磁アクチュエータへの駆動によりセクタをアパーチャの開放及び閉鎖が可能となるので、セクタの作動時間を短縮することができる。また、駆動伝達手段として歯車変速機構を採用すれば、円滑な動力伝達が可能となり、セクタの迅速な動作が可能となる。さらに、駆動伝達手段又はセクタに一方向に付勢するためのセクタ付勢部材を設ければ、駆動伝達手段やセクタにより生じたゆがみやガタつきを吸収することが補強されるため、アパーチャの確実な開閉状態を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アパーチャが全閉となっている状態を示す平面図である。
【図2】アパーチャが全開となっている状態を示す平面図である。
【図3】拡大分解断面図である。
【図4】拡大断面図である。
【図5】一形態例の動作を示すシーケンスチャートである。
【符号の説明】
1 基板
1a アパーチャ
2 セクタ駆動ユニット
3 ユニットケース
4 アクチュエータ
4b 駆動コイル
4d 駆動軸
5 シンクロスイッチ
6 固定部材
7 駆動伝達手段(歯車変速機構)
8 駆動レバー(駆動歯車)
9 セクタ駆動レバー(セクタ駆動歯車)
9c 接離ピン
9d 駆動ピン
10 固定手段(ビス)
12 セクタ
13,14 セクタアーム
15 羽根押さえ板
16 セクタ付勢部材
17 検出ばね
18 検出ピン
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばデジタルカメラの遮光装置を駆動するために用いるカメラ用セクタ駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常の銀塩フィルム式カメラ(以下「フィルム式カメラ」という。)の絞り装置や、デジタルカメラの撮像素子を保護するための遮光装置等は、セクタの揺動によりアパーチャを開閉する機構が採用されている。これらの絞り装置や遮光装置は、いずれもセクタを駆動モータで揺動させることにより絞り開口の大きさを調整可能とし、あるいはアパーチャを開閉可能としてある。セクタの駆動は、駆動モータにセクタがアパーチャを開閉するのに十分な回転量を与えることにより行われている。そのために駆動モータには、セクタの移動量に対応するパルス数の電流を流すことが行われている。例えばデジタルカメラの遮光装置の場合、非撮影時には撮像素子を保護するために遮光幕を閉鎖しておき、撮影時にレリーズオンすることにより遮光幕を開放し、撮影終了後に再び遮光幕が閉鎖するようになっているが、これらの各動作中は常に遮光幕の駆動モータは通電されており、開閉動作の際には複数のパルス電流が通電されていることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、セクタの開閉動作のために常に多数のパルス電流を通電するためには、複雑で高価なパルス駆動回路が必要である。また、複数パルスによる駆動はタイムラグを生じさせるため、シャッタチャンスを逃がす原因となっている。さらにまた、デジタルカメラの遮光装置の場合には、撮像素子による画像の読み込み中も遮光幕を全開状態に保持するために通電を続けていることになるが、これは電力の消費量が多くなるとともに画像ノイズ発生の原因となっている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明のカメラ用セクタ駆動装置は、基板に設けられたアパーチャを平行リンク機構により開閉可能に設けてあるセクタと、このセクタを駆動する電磁アクチュエータと、この電磁アクチュエータの駆動力をセクタに伝達する駆動伝達手段とを備えている。この駆動伝達手段は、上記の電磁アクチュエータの駆動によりセクタをアパーチャの開放位置と閉鎖位置とに駆動する変速機構を備えているため、安価なパルス駆動回路を採用可能となる。また、上記の変速機構の採用は、開閉速度が速くなるためタイムラグを少なくするとともに高価なパルス駆動回路を不要とする効果がある。
【0005】
上記の駆動伝達手段は、電磁アクチュエータの駆動軸に設けてある駆動歯車と、セクタを駆動するセクタ駆動歯車とを有し、上記の変速機構は、駆動歯車とセクタ駆動歯車との間に介在する歯車変速機構とすることにより、円滑な駆動力の伝達と正確な回転比を保障し、電磁アクチュエータの駆動によるアパーチャの開閉を可能としてある。
【0006】
また、上記の駆動伝達手段またはセクタを構成するセクタアームには、セクタをアパーチャの開放方向または閉鎖方向のいずれか一方向に付勢するセクタ付勢部材が設けてある。このセクタ付勢部材の設置により変速機構及びセクタの固体間のばらつきやがたを一方向に寄せるようにして常にバラツキのない状態でアパーチャを開閉可能としてある。特に変速機構として歯車変速機構を採用すると、歯車のバックラッシュによるがたの影響も大きくなるので、セクタ付勢部材の存在は重要となっている。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態例としてデジタルカメラの遮光装置を取り上げ、これについて図面を参照して説明する。図1、図2は、上記の遮光装置の要部を拡大して示したものである。なお、プリント基板Pと後述のユニットケースの天板部とを透過して輪郭だけを示してある。図示してあるように、この遮光装置は、構造上、アパーチャを重畳及び展開する遮光羽根群によって開閉可能としてある点において、フォーカルプレーンシャッタに似たものとなっている。しかし、フォーカルプレーンシャッタのように先幕と後幕とを備えたものではなく、先後いずれかの幕に相当する1つの遮光幕を備えただけのシンプルなものとなっている。
【0008】
図1、図2において、基板1は、外周部を実質的に長方形に形成された板状体からなり、その中心付近の位置にアパーチャ1aが設けてある。このアパーチャ1aの左方上面(図面表面)には、セクタを駆動するセクタ駆動ユニット2が装着してある。セクタ駆動ユニット2は、基板1の上面(図面表側)に突設された位置決めピン1b,1bにより位置決めされ、固定手段としてのビス10,10によって固定されている(図3参照)。また、基板1のセクタ駆動ユニット2が設けてある部分の背面側には、後述のセクタアーム13,14とセクタ12等が設けてあり、セクタ駆動ユニット2により平行リンク機構によるセクタ12のアパーチャ1aの開閉動作が可能となっている。
【0009】
セクタ駆動ユニット2は、予めユニットケース3に装着されている電磁アクチュエータ(以下「アクチュエータ」という。)4及び後述のセクタ位置検出手段であるシンクロスイッチ5と、後述の中間部材6の下面側に装着されている駆動伝達手段7とアクチュエータ4やシンクロスイッチ5に電力を供給するためのプリント基板Pが設けられている。このセクタ駆動ユニット2は、基板1の一方の面(表面)に位置決めされ、固定手段であるビス10により固定してある。また、基板1の他方の面(背面)には、駆動伝達手段7によりアパーチャ1aを開閉可能とするようにセクタ12が設けてある。
【0010】
図3は、セクタ駆動ユニット2、セクタ12及びセクタアーム13,14等の各構成要素を分割したものを拡大断面図で示したものである。セクタ駆動ユニット2の駆動機構のうち、後述のアクチュエータ4及びシンクロスイッチ5を含む駆動部は、ユニットケース3の一方の面(図3下面)に中間部材6を介して固定されている。ユニットケース3の他方の面(図3上面)には、プリント基板Pが固定されている。ユニットケース3は、天板部3aが長方形の板状体からなり(図1参照)、その両端部には、上記の中間部材6を保持するための掛止部3b,…が設けてある。中間部材6は、アクチュエータ4やシンクロスイッチ5をユニットケース3との間に保持可能であるとともに、基板1への取付部6f、6gを備えている。また、中間部材6は、外面(図3下面)に駆動伝達手段7を取り付けられる。セクタ駆動ユニット2は、基板1に対して位置決めピン1bを中間部材6の位置決め孔6aに合わせて挿着し、固定手段であるビス10で締め付けることにより結合してある。基板1の他方の面(図3下面)には、セクタ12がアパーチャ1a(図1参照)を開閉可能に設けてある。こうしてユニット化されたセクタ駆動ユニット2は、基板1に対して着脱容易であるため、各種の基板やセクタに取付可能となっている。
【0011】
上述のアクチュエータ4は、公知のパルスモータの一種を採用したものであり、ステータ4a、駆動コイル4b及び永久磁石製のロータ4cからなる。このアクチュエータ4は、ロータ4cの磁極とステータ4aに設けられた磁極の位置との関係から1パルスの電圧の印加により回転する角度(ステップ角)が定まるようになっている。また、ステータ4aの磁極の位置は、ロータ4cが無通電保持される静的安定位置となっている。このため通電によりロータ4cの磁極がステータの磁極間を移動して静的安定位置に静止してロータ4cを保持可能となっている。静的安定位置は、上記の通り、ロータ4cの磁極数と、このロータを取り囲むステータ4aの凹部の内周部に設けてある磁極の数とにより定まることになる。ここではロータの磁極が2極でステータの磁極数が4極の組み合わせにより、2か所に静的安定位置を設けてある。
【0012】
アクチュエータ4は、中間部材6によってユニットケース3の天板部3aに押さえ付けた状態に固定されている。そして、ロータ4cと一体の回転軸4dがこの中間部材6を貫通して下面側に突出するように設けてある。アクチュエータ4の回転軸4dの先端部(図3下端部)には、駆動伝達手段7を構成する駆動レバー8が設けてある。また、中間部材6の下面に突設された支軸部6bには、駆動レバー8に連動可能なセクタ駆動レバー9が揺動自在に支持されている。駆動伝達手段7を構成するセクタ駆動レバー9は歯部(セクタ駆動歯車)9aが駆動レバー8の歯部(駆動歯車)8aと噛合することにより駆動レバー8と連動可能となっている。上記の駆動レバー8は、開き度を小さくした扇形に形成した板体からなり、扇の要に相当する部分がアクチュエータ4の回転軸4dにこれと一体回転可能に固着してある。上記の駆動レバー8の歯部8aは、駆動レバー8の先端に形成してある円弧部に歯車の歯形を刻設したものからなる。
【0013】
図1、図2に示すように、セクタ駆動レバー9は、回転中心から所定距離の範囲を円弧状に形成してあり、歯部9aは、この円弧状になっている周囲の部分の一部に刻設してある。駆動伝達手段7は、上記の歯部8a及び9aによる歯車変速機構となっているが、この歯車変速機構の回転比(歯数比)は、各レバーの回転中心から各ピッチ円までの距離(ピッチ円の半径)に逆比例するので、駆動レバー8及びセクタ駆動レバー9として歯数比の異なる幾通りかのものを揃えておけば、各種のセクタに対応可能となるため、設計の自由度が高くなる。こうして、アクチュエータ4のステップ角とセクタアーム13の揺動角とを対応させておけば、アクチュエータ4の1パルス駆動によりセクタ12にアパーチャ1aを開放又は閉鎖するに必要な運動をさせることが可能となる。これは、高価で複雑な連続パルスを発生させるパルス駆動回路を必要としなくて済むことからカメラの小形化及びコストダウンに寄与することになる。
【0014】
セクタ駆動アーム9の円弧状になっている部分の歯部9aが設けられていない範囲の一部は、外方へ延伸してアーム部9bが形成してある。上記の円弧状になっている部分とアーム部9bとの境界付近には、図3で上向きに突出する後述の接離ピン9cが設けてある。また、アーム部9bの先端部下面には、上述のセクタ12を駆動するための駆動ピン9dが設けてある。
【0015】
こうして駆動伝達手段7は、駆動レバー8がアクチュエータ4のロータ4cの回転角度(ステップ角)に対応する角度だけ揺動し、変速歯車機構を介して駆動レバー8に連動するセクタ駆動レバー9は、各揺動中心から歯部のピッチ円までの距離の比に応じた角度だけ揺動可能となっている。セクタ駆動レバー9の揺動角は、セクタ12を構成するセクタアーム13の揺動角と同一であり、結局、セクタ12の往復移動量は、セクタ駆動レバー9の揺動角とセクタアーム13の長さにより定まるようになっている。図面では各レバーの揺動中心からピッチ円までの距離が互いに異なるように描かれているため、揺動角も異なるようになっているが、アクチュエータ4のトルクを考慮すると各揺動角はほぼ同一とすることが望ましい。
【0016】
次に、上述のシンクロスイッチ5について説明する。この遮光装置に用いるシンクロスイッチ5は、セクタ駆動レバー9の開閉状態を検出して露出の際にセクタ12が全開になっていることを確認するためのセンサであり、検出ばね17、検出ピン18及び上記の接離ピン9cの三者からなる。検出ばね17としては、両端を反対方向に延伸してなる直線部を有するねじりコイルばねを採用してあり、中央のコイル部をユニットケース3に突設した軸部3dに嵌合し、一方の直線部をセクタ駆動レバー9の接離ピン9cに当接可能としてある。また、検出ばね17の他方の直線部は、中間部材6の上面に突設してある突部6cに当接可能とすることにより揺動範囲を規制してある。検出ばね17の直線部は、先端部で直角に折り曲げられて上向きに延伸し、その先端部をプリント基板Pと導通させて情報出力部17aとすることにより、カメラ本体のCPUへ検出データを出力可能としてある。
【0017】
検出ピン18は、導電体の丸棒材を所定の形状に形成したものからなり、その両端は、プリント基板Pと中間部材6との間で支持されており、プリント基板Pに導通している。検出ピン18は、セクタ12がアパーチャ1aを閉鎖状態にしている時には、検出ばね17の直線部の中間位置に当接可能であり、全開状態になっている時には、この直線部から離反可能とするように設けてある。検出ばね17と検出ピン18との接離状態を検出した検出データは、プリント基板Pに設けられた端子部17a,18aから出力可能となっている。なお、上記両者による接離動作は、セクタ駆動レバー9と一体の接離ピン9cの揺動に対して検出ばね17がこれに従動することによって行われる。
【0018】
図4は、基板1にセクタ駆動ユニット2を装着した状態を示している。この装着により、中間部材6に突設された軸部6bに揺動自在に支持されているセクタ駆動レバー9は、基板1に突設してある突部1gにより安定的に支持されるとともに、駆動ピン9dが基板の円弧溝部1cを貫通して背面側へ突出状態となっている。
【0019】
基板1の他方の面(背面)には、アパーチャ1aを開閉するセクタ12及びセクタアーム13,14が取り付けてある。基板1、セクタ12及び各セクタアーム13,14でセクタユニットを構成している。セクタ12は、図1、図2に示すように、図面上は1枚だけしか示されていないが、実際には複数枚のセクタと、これらを駆動する第1セクタアーム13と、第2セクタアーム14との組み合わせによる平行リンク機構となっている。この平行リンク機構を構成するセクタアームのうち、下方に位置する第1セクタアーム13は、セクタ駆動レバー9の回転中心と同心の軸部1d(図3参照)に揺動自在に支持されている。第1セクタアーム13の中間位置に設けられた孔部(図示略)には、セクタ駆動レバー9の駆動ピン9dが挿通しており、このアームをセクタ駆動レバーに従動可能としてある。また、第1セクタアーム13の先端部は、連結ピン13aを介してセクタ12と揺動自在に連結されている。これに対し、第1セクタアーム13の上方に位置する第2セクタアーム14は、基板1上の第1セクタアームの支持点と少し離れた位置の上面に揺動自在に支持されている。これとともに、各セクタアーム13,14の先端部がセクタ12に揺動自在に連結されていることにより、平行リンク機構を構成してセクタ12をリンク移動可能としてある。
【0020】
図4に示すように、基板1の背面側には、第1セクタアーム13に対してセクタ12を常時一方向に付勢するように作用するセクタ付勢部材16が設けてある。このセクタ付勢部材16は、ねじりコイルばねを採用してあり、中央部に位置するコイル部は、第1セクタアーム13を支持している軸部1dに挿通してあり、このコイル部から延びている一方の直線部を基板1の背面に突設してある係止突起1eに当接可能としてある。また、セクタ付勢部材16の他方の直線部は、第1セクタアーム13の側部に当接してこのアームをセクタ12が開く方向へ付勢可能としてある。このセクタ付勢部材16の第1の機能は、セクタ12が初期位置にあるときには、レリーズオンの際にセクタアーム13を付勢してセクタ12の開放動作を容易にすること。第2の機能は、アパーチャ1aが開放状態になった時に、駆動伝達手段7とセクタ12との間に生じる隙間(ガタ)を一方に押し付けるいわゆるガタ寄せの働きをすることにある。セクタ付勢部材16は、逆にセクタ12が閉じる方向へ付勢可能としてもよい。なお、このセクタ付勢部材16及びセクタ12は、羽根押さえ板15により保護されている。
【0021】
次に、図5に示すシーケンスチャートを参照して、実施の形態例の動作を説明する。図5における横軸の要素として示されているもののうち、開閉レバー駆動コイルとは、既述の構成におけるアクチュエータ4の駆動コイル4bを指しており、開閉レバーとは、駆動伝達手段7のレバー、特にセクタ駆動レバー9を指している。また、映像素子の露出とは、結像した被写体の画像をデジタル信号化する動作を示している。図5の横軸は時間を示しているが、時間の長さの比率については実際の比率通りに表示されているものではなく、あくまでも説明上の便宜から表示しているものである。
【0022】
まず、初期状態においては、アクチュエータの駆動コイル4bへの通電がオフとなっているため、セクタ駆動レバー9もセクタ12も初期位置(静的安定位置)に静止している。このときには、シンクロスイッチ5は検出ばね17と検出ビン18とが当接(ショート)している(図1参照)。次にカメラ本体のレリーズスイッチ(図示略)をオンにすると、CPUからセクタ12がアパーチャ(画枠)1aを閉じる方向へロータを回転させるプラス電流を流して、セクタ12の位置調整(ガタ寄せ)を行う。次に、CPUからアクチュエータの駆動コイル4bへガタ寄せ時とは反対向きのマイナス電流を流すと、ロータ4cが逆方向へ回転し、駆動伝達手段7を介してセクタ12を開く。なお、この時には、セクタ付勢部材16の付勢力によりセクタの始動が容易となっている。セクタ12が開放動作を終了してアパーチャ1aが全開になったら、さらに同方向に電流を流してバウンド防止及びいわゆるガタ寄せを行う。このガタ寄せは上記のセクタ付勢部材16によりコイル3bへの通電がオフとなっている時間帯にも継続可能となっている。
【0023】
セクタ12が完全に開いた状態、すなわちセクタ12が重畳している状態の下では、セクタ駆動レバーの接離ピン9cがシンクロスイッチ5の、検出ばね17の一方の直線部に当接してこれを反時計方向へ押し付けているため、検出ばね17は検出ピン18から離反(オープン)し(図2参照)、この状態変化により生じる信号データが出力される。この信号データ変化の出力を受けたCPUは、アパーチャ1aが開いていることを確認し、駆動コイル4bへの通電をオフにするとともに、撮像素子に露出開始の信号を出すことにより露出が開始される。露出動作の開始に合わせて、アクチュエータ4の駆動コイル4bへの通電をオフにしてあるため、露出動作中におけるノイズの発生を防止するとともに電力消費を節減している。駆動コイル4bへの通電オフ中もロータ4cは、静的安定位置に無通電保持されているため、セクタ12が勝手に動いてしまうようなことは生じない。
【0024】
露出動作が終了すると、それに合わせてアクチュエータの駆動コイル4bに再びセクタ12を重畳する方向へ回転させるプラス電流を流してガタ寄せが行われる。続いて駆動コイル4bへセクタ12を展開する方向に回転させるマイナス電流を流すことにより、セクタ駆動レバー9を回動させ、これに連動してセクタ12を閉じさせる。この時、図1において、セクタ駆動レバー9が反時計方向へ回動すると、シンクロスイッチ5の検出ばね17が原位置へ復帰することにより、検出ばねの直線部は検出ピン18から離反(オープン)する。これによりシンクロスイッチ5からの出力信号の方向を変化させ、この出力を受けたCPUは、アパーチャ1aの閉鎖開始を確認する。こうしてセクタ12は原位置へ復帰するが、駆動コイル4bへの通電は、駆動伝達手段7及びセクタ12の復帰動作が完了した後にも、さらに所定時間だけ駆動コイル4bへ同方向の通電を続けてガタ寄せをした後、通電をオフにしてこれらを初期位置に復帰させる。駆動コイル4bへの通電停止とともに、露出により撮像素子に蓄積された撮像データはCPUへ出力され、これにより撮影の1動作が完了する。読み込まれたデータはカメラ本体の記憶素子へ出力されることにより保存される。
【0025】
以上の説明において、本発明に係るカメラ用セクタ駆動装置は、デジタルカメラの遮光装置に適用するものとしてあるが、本発明はこれに限られるものではなく、絞り式のシャッタやフォーカルプレーンシャッタを備えたデジタルカメラの他、フィルム式カメラの絞り装置等カメラ一般に適用可能である。また、この形態例では、アクチュエータの駆動は、定電圧回路によって行うことを前提に説明してきたが、もちろん定電流回路によって駆動することも可能である。なお、ここでは駆動伝達手段として歯車変速機構を採用してあるが、本発明はこれに限定する趣旨ではなく、リンク機構やスライダ−クランク機構等を採用することも可能である。また、本実施例の形態ではアクチュエータの1パルス駆動によりセクタを駆動させていたが、この電磁アクチュエータに複数のパルスを与えて、セクタの駆動スピードを調整させるようにしてもよい。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、電磁アクチュエータへの駆動によりセクタをアパーチャの開放及び閉鎖が可能となるので、セクタの作動時間を短縮することができる。また、駆動伝達手段として歯車変速機構を採用すれば、円滑な動力伝達が可能となり、セクタの迅速な動作が可能となる。さらに、駆動伝達手段又はセクタに一方向に付勢するためのセクタ付勢部材を設ければ、駆動伝達手段やセクタにより生じたゆがみやガタつきを吸収することが補強されるため、アパーチャの確実な開閉状態を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アパーチャが全閉となっている状態を示す平面図である。
【図2】アパーチャが全開となっている状態を示す平面図である。
【図3】拡大分解断面図である。
【図4】拡大断面図である。
【図5】一形態例の動作を示すシーケンスチャートである。
【符号の説明】
1 基板
1a アパーチャ
2 セクタ駆動ユニット
3 ユニットケース
4 アクチュエータ
4b 駆動コイル
4d 駆動軸
5 シンクロスイッチ
6 固定部材
7 駆動伝達手段(歯車変速機構)
8 駆動レバー(駆動歯車)
9 セクタ駆動レバー(セクタ駆動歯車)
9c 接離ピン
9d 駆動ピン
10 固定手段(ビス)
12 セクタ
13,14 セクタアーム
15 羽根押さえ板
16 セクタ付勢部材
17 検出ばね
18 検出ピン
Claims (3)
- 基板に設けられたアパーチャを平行リンク機構により開閉可能に設けてあるセクタと、上記セクタを駆動する電磁アクチュエータと、上記電磁アクチュエータの駆動力を上記セクタに伝達する駆動伝達手段とを備え、
上記駆動伝達手段は、上記電磁アクチュエータの駆動により上記セクタを上記アパーチャの開放位置と閉鎖位置とに駆動する変速機構を備えている
ことを特徴とするカメラ用セクタ駆動装置。 - 請求項1において、上記駆動伝達手段は、上記電磁アクチュエータの駆動軸に設けてある駆動歯車と、上記セクタを駆動するセクタ駆動歯車とを有し、上記変速機構は、上記駆動歯車と上記セクタ駆動歯車との間に介在する歯車変速機構であることを特徴とするカメラ用セクタ駆動装置。
- 請求項1または請求項2において、上記駆動伝達手段または上記セクタを構成するセクタアームには、上記セクタを上記アパーチャの開放方向または閉鎖方向のいずれか一方向に付勢するセクタ付勢部材が設けられていることを特徴とするカメラ用セクタ駆動装置。
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