JP4074544B2 - カメラのセクタ駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラのシャッタ等のセクタ駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のカメラのセクタ駆動装置は、セクタの全閉位置を初期位置としており、この初期位置を検知するために、ばねとばね受けとからなるホームスイッチを設けていた(特開平2002−196392号)。このホームスイッチのばねは、地板に固定した軸に支持され、その一端を固定状態とし、他端を開放端としている。ばね受けは、地板に固定した軸に嵌合し、ばねの開放端が所定の弾性力で弾接可能な位置に設けてある。開放端がばね受けから離反した状態が、ホームスイッチのオフ状態であり、これをセクタ駆動リングの初期位置に設定してある。
【0003】
ホームスイッチがオフ状態の初期位置において、アクチュエータによりロータの軸及びカナが回転すると、この回転に連動して歯車のカナが回転し、セクタ駆動リングを回転させる。セクタ駆動リングの回転により、セクタを開放し始める。これと同時に、駆動ピンが時計方向へ移動し、スイッチ駆動レバーのアームへの押圧力を開放する。そこでスイッチ駆動レバーはフリーとなり、ばねの開放端に及ぼしていた押圧力を開放するので、ばねは自身の弾性力により開放端を所定の弾性力でばね受けに弾接させてホームスイッチをオン状態にする。ホームスイッチがオフ状態からオン状態に反転することにより、セクタの開放動作が検出される。そして、必要な露出時間が経過したらアクチュエータを逆回転させて、セクタ駆動リングを初期位置に戻すとホームスイッチがオン状態からオフ状態に反転してセクタが初期位置に戻ったことを検出する。
【0004】
また、フォーカルプレーンシャッタでは、上述のようなスイッチを先幕及び後幕のそれぞれのセクタ駆動レバーの作動終端に設け、セクタ駆動レバーの走行終了を検知することが行われている。
【0005】
【特許文献1】
特開平2002−196392号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の通り、従来は1つのスイッチを使ってセクタの動き出し又は初期位置への戻りの検知を行っていた。これは、スイッチの数を増やすとスペースの面で不利になるからである。また、比較的大きなシャッタであるフォーカルプレーンシャッタには上述のように2つのスイッチを設けてレバーの走行終了を検知していた。これは、フォーカルプレーンシャッタは大型なものが多く、スペースに余裕があるために2つのスイッチ設けることが容易であったためである。本発明の目的は、部品点数の少ない小型で低コストなセクタ駆動装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明におけるカメラ用のセクタ駆動装置は、アパーチャを有する地板と、地板に設けられてアパーチャを開閉可能なセクタと、揺動することによりセクタを駆動するセクタ駆動レバーと、セクタがアパーチャを開放している状態を検知する第1の検知手段と、セクタがアパーチャを閉鎖している状態を検知する第2の検知手段とを有し、第1の検知手段と第2の検知手段とは、それぞれ可動スイッチを備え、第1の検知手段の可動スイッチと第2の検知手段の可動スイッチとの間には、セクタ駆動レバーの回転中心と、回転中心と同軸上で当該両可動スイッチが当接する固定スイッチとセクタに連動して作動するスイッチ作動部材とが配置されており、スイッチ作動部材は、セクタがアパーチャを開放している状態では、第1の検知手段の可動スイッチまたは第2の検知手段の可動スイッチの一方を固定スイッチから離反させ、セクタがアパーチャを閉鎖している状態では他方の可動スイッチを固定スイッチから離反させるようにしている。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態例について図面を参照して説明する。ここでは主にデジタルカメラの遮光装置のセクタを駆動するセクタ駆動装置について説明する。図1、図2は、本発明の一形態例に係るデジタルカメラの遮光装置の要部を示したものである。なお、これらの図面では内部構成を分かりやすく表示するために、後述するプリント基板Pと後述の支持基板3の天板部とを省略して基板の輪郭だけを示してある。図1、図2に示してあるように、この遮光装置は、構造上、重畳及び展開する遮光羽根(セクタ)群によって画枠(アパーチャ)を開閉可能としてある点において、フォーカルプレーンシャッタに似たものとなっている。しかし、フォーカルプレーンシャッタのように先幕と後幕とを備えたものではなく、先後いずれかの幕に相当する1つの遮光幕を備えただけのシンプルなものとなっている。この形態例では、セクタアーム13,14と遮光幕であるセクタ12とを地板1に取り付けたセクタユニットUとこのセクタユニットUを開閉駆動するセクタ駆動ユニットDをセクタユニットUの地板1に対して着脱容易としてある。
【0009】
セクタユニットUの地板1は、実質的に長方形に形成された板状体からなり、その中心付近の位置にアパーチャ1aが設けてある。そして、地板1の下面には、後述のセクタ12とセクタアーム13,14等が設けてある。地板1の上面には、セクタアーム13を介してセクタ12を駆動するセクタ駆動ユニットDが装着してある。セクタ駆動ユニットDは、地板1の上面に突設された不図示の位置決めピンにより位置決めされ、固定手段であるビス10によって地板1に固定されている(図3参照)。
【0010】
セクタ駆動ユニットDは、後述の中間部材6を介して予め支持基板3に装着された駆動手段である電磁アクチュエータ(以下「アクチュエータ」という。)4、後述のセクタ位置検出手段であるシンクロスイッチ5及び中間部材6(図4参照)の下面側に後に装着される駆動伝達手段Tを備えている。セクタ駆動ユニットDの図面上部には、アクチュエータ4やシンクロスイッチ5に電力を供給するためのプリント基板Pが設けられている。
【0011】
図4は、セクタ駆動ユニットD及びセクタユニットUの各機構要部を拡大断面図で示したものである。セクタ駆動ユニットDの駆動機構のうち、アクチュエータ4及びシンクロスイッチ5を含む駆動部は、支持基板3の一方の面(下面)に脱落不能に装着してある中間部材6を介して固定されている。支持基板3の他方の面(上面)には、プリント基板Pが固定されている。支持基板3は、地板部3aが長方形の板状体からなり(図1参照)、その両端部には、上記の中間部材6を保持するための掛止部3bが設けてある。中間部材6は、アクチュエータ4やシンクロスイッチ5を保持可能としてあるとともに、地板1への取付部6fを備えている。こうしてユニット化されたセクタ駆動ユニットDは、セクタユニットUに対して着脱容易な独立体としてあるため、各種のセクタユニットに取付可能となっている。
【0012】
上述のアクチュエータ4は、公知のパルスモータの一種であり、ステータ4a、駆動コイル4b及び永久磁石製のロータ4cからなる。このアクチュエータ4は、ロータ4cの磁極とステータ4aに設けられた磁極の位置とにより、ロータ4cが無通電保持される静的安定位置を有している。このため、通電によりロータ4cの磁極がステータ4aの磁極間を移動して静的安定位置に静止してロータ4cを保持可能となっている。静的安定位置は、ロータ4cの磁極数と、このロータを取り囲むステータ4aの凹部の内周部に設けてある磁極の数とにより定まるが、ここではロータ4cの磁極が2極でステータ4aの磁極数を4極の組み合わせとすることにより、2ヶ所に静的安定位置を設けてある。アクチュエータ4は、中間部材6によって支持基板3の地板部3aに押さえ付けた状態に固定されている。そして、ロータ4cと一体の回転軸4dがこの中間部材6を貫通して下面側に突出するように設けてある。
【0013】
アクチュエータ4のロータ4cと一体の回転軸4dの先端部(図4下端部)には、駆動伝達手段Tを構成する駆動レバー8が固着してある。また、中間部材6の下面に突設された支軸部6bには、駆動レバー8に連動可能な駆動伝達手段Tを構成するセクタ駆動レバー9が揺動自在に支持されている。セクタ駆動レバー9は、歯部9aが駆動レバー8の歯部8aと噛合することによりこの駆動レバー8と連動可能となっている。駆動レバー8は、図3、図4に示すように、開き度を小さくした扇形に形成した板状体からなり、扇の要に相当する部分がアクチュエータ4の回転軸4dに一体回転可能に固着してある。駆動レバー8の先端に形成してある円弧部は、歯車の歯形を刻設してなる歯部8aとなっている。セクタ駆動レバー9は、回転中心から所定距離の範囲を円弧状に形成し、この円弧状になっている部分の周囲の一部に駆動レバーの歯部8aと噛合可能な歯部9aが設けてある。歯部9aが設けられていない円弧部の部分のうちの一部は、外方へ延伸してなるアーム部9bが形成してある。上記の円弧部の上面(図4参照)には、短いアーム9eの先端部で上向きに突出する後述の接離ピン9cが設けてある。また、アーム部9bの先端部下面には、上述のセクタユニットUを駆動するためセクタアーム13に係合する駆動ピン9dが設けてある。
【0014】
こうして駆動伝達手段Tは、駆動レバー8がアクチュエータ4の回転により揺動し、セクタ駆動レバー9は、歯車変速機構を介して駆動レバー8に連動するが、その揺動角は、ギア比に応じた角度となっている。セクタ駆動レバー9の揺動角は、セクタアーム13の揺動角と同一であり、結局、セクタ12の往復移動量はセクタ駆動レバー9の揺動角とセクタアーム13の長さにより定まるようになっている。セクタ駆動レバー9の揺動角を変える場合は、ギア比を変えるか揺動角を規制する度当て部材を設けるかすればよい。
【0015】
次に、上述のシンクロスイッチ5について説明する。このセクタ駆動装置に用いるシンクロスイッチ5は、2つの検知手段によりセクタ駆動レバー9の駆動状態を検出して露出の際にセクタ12が全開又は全閉になっていることを検知するためのセクタ位置検出用センサである。そして、図3に示すように固定スイッチである検出ピン18と検出ピン18を挟んで対称位置に設けてある可動スイッチであり付勢部材でもある検出ばね17,19と検出ばね17と検出ばね19との間を揺動可能なスイッチ作動部材である接離ピン9cとからなる。第1の検知手段である検出ばね17は、両端を反対方向に延伸してなる直線部を有するねじりコイルばねを採用してある。このばねの中央に位置するコイル部は、中間部材6に突設した軸部6gに挿着してあり、一方の直線部をセクタ駆動レバー9の接離ピン9cにセクタ12の重畳時に当接可能としてある。また、他方の直線部は、中間部材6の上面に突設してある突部6cに当接してある。この他方の直線部は、先端部で直角に折り曲げられて上向きに延伸しており、その先端部をプリント基板Pと導通させて情報出力部17aとすることにより、カメラ本体の制御手段であるCPUへ検出したデータを出力可能としてある(図4参照)。
【0016】
第2の検知手段である検出ばね19は、検出ばね17と同様な構成であり、両端を反対方向に延伸してなる直線部を有するねじりコイルばねを採用してある。このばねの中央に位置するコイル部は、中間部材6に突設した軸部6hに挿着してあり、一方の直線部をセクタ駆動レバー9の接離ピン9cにセクタ12の展開時に検出ピン18と当接可能としてある。また、他方の直線部は、中間部材6の上面に突設してある突部6iに当接してある。この他方の直線部は、検出ばね17と同様に先端部で直角に折り曲げられて上向きに延伸しており、その先端部をプリント基板Pと導通させて情報出力部とすることにより、カメラ本体のCPUへ検出したデータを出力可能としてある。
【0017】
また、検出ピン18は導電体の丸棒材からなり、その両端はプリント基板Pと中間部材6との間で支持されており、その一端にある端子部18aは、プリント基板Pに導通している。検出ピン18は、セクタ12が展開してアパーチャ1aを全閉状態にしているときには、検出ばね17の直線部の中間位置が当接可能であり、セクタ12を重畳して全開状態にしているときには検出ばね19の直線部の中間位置が当接可能な位置に設けてある。つまり、検出ばね17と検出ばね19は検出ピン18を共有している。検出ばね17及び検出ばね19と検出ピン18との接離状態を検出した検出データは、プリント基板Pに設けられた端子部17a,18a等から出力可能となっている。なお、この接離動作はセクタ駆動レバー9と一体の接離ピン9cの揺動に対して検出ばね17又は検出ばね19がこれに従動することによって行われる。
【0018】
第1、第2の検知手段である検出ばね17,19は、両端を反対方向に延伸してなる直線部を有するねじりコイルばねを採用し、共用する検出ピン18を挟むようにそれぞれの検出ばね17,19を設け、検出ピン18が存在する検出ばね17と検出ばね19との間にスイッチ作動部材である接離ピン9cを揺動可能に設けている構成としているため、省スペースで2つの検知手段をセクタ駆動装置に設けることができる。このため、従来の検知手段が1つのものを大型化せずに1つの部材の作動の開始と終了の2つの状態を検知することが可能となる。
【0019】
図4に示すように、セクタユニットUの地板1と駆動ユニットDとの一体化結合は、地板1の上面の複数か所に設けてある不図示の位置決めピンと、中間部材6の取付部6fに設けてある位置決め孔6aとを合わせて、両者を互いに接近する方向へ押し付け、さらに固定手段であるビス10で締め付けることにより行われる。図4は、地板1にセクタ駆動ユニットDを装着した状態を示している。この装着により、中間部材6に突設された軸部6bに揺動自在に支持されているセクタ駆動レバー9は、地板1に突設してある突部1gにより安定的に支持されるとともに、駆動ピン9bが地板の円弧溝部1cを貫通して背面側へ突出している。
【0020】
地板1の他方の面(背面)には、アパーチャ1aを開閉するセクタ12及びセクタアーム13,14が取り付けてある。地板1、セクタ12及び各セクタアーム13,14でセクタユニットUを構成している。図1,2に示すように、セクタの駆動機構は、複数のセクタ12(1枚だけ図示)と、これを往復移動させる1対のセクタアーム13,14とからなる平行リンク機構となっている。この平行リンク機構を構成するセクタアームのうち、下方に位置するセクタアーム13は、セクタ駆動レバー9の回転中心と同心の軸部1d(図3参照)に揺動自在に支持されている。セクタアーム13の中間位置に設けられた孔部には、セクタ駆動レバー9の駆動ピン9dが嵌入することにより、このアームをセクタ駆動レバー9に従動可能としてある。また、第1セクタアーム13の先端部は、連結ピン13aを介してセクタ12に連結されている。これに対し、セクタアーム13の上方に位置するセクタアーム14は、セクタアーム13の支持点と少し離れた位置の地板1の上面に揺動自在に支持されている。セクタアーム13,14の各先端部は、セクタ12に揺動自在に連結されていることにより、平行リンク機構を成立させてセクタ12を平行移動可能としてある。なお、セクタ12は、羽根押さえ板15により保護されている。
【0021】
次に、図5に示すシーケンスチャートを参照して、この実施の形態例の動作を説明する。図5の開閉レバーとはセクタ駆動レバー9を示し、クローズスイッチとは検出ばね19を示し、オープンスイッチとは、検出ばね17を示している。まず、初期状態においては、アクチュエータ4の駆動コイル4bへの通電がオフとなっているため、セクタ駆動レバー9もセクタ12も初期位置(静的安定位置)に静止している。このときには、シンクロスイッチ5は検出ばね17と検出ピン18とが当接(ショート)している(図1及び図3参照)。そして検出ばね19と検出ピン18とが離反(オープン)している。次にカメラ本体のレリーズスイッチ(図示略)をオンにすると、CPUからアクチュエータ4の駆動コイル4bへマイナス電流を流し、ロータ4cが正転し、駆動伝達手段Tを介してセクタ12を移動させてアパーチャ1aを開き始める。なお、この時には、セクタ12は、検知ばね19の付勢力も駆動力に使えるためより始動が容易となっている。このため、駆動時の電力消費が少なくまた、加速もつきやすくなってセクタ駆動の省電力化及び高速化が容易になっている。駆動伝達手段Tの駆動によって接離ピン9cが時計方向へ回転し、検出ばね19と検出ピン18とが当接(ショート)する。この状態変化により生じる信号データがCPUへ出力される。
【0022】
さらに接離ピン9cが回転すると、接離ピン9cが検出ばね17を押し、検出ばね17と検出ピン18とを離反(オープン)させる(図2参照)。この状態変化により生じる信号データが出力される。なお、この時には、セクタ12は検知ばね17の付勢力によってブレーキがかけられセクタ12の走行終了時の衝撃や衝突音を軽減される。CPUは検出ばね17及び検出ばね19との2つの検知手段からの信号によりセクタ12の開放動作終了を確認する。そして、駆動コイル4bへの通電がオフされる。この位置は、ロータ4cのもう一つの静的安定位置となっており、無通電状態でもこの位置に停止できるようになっている。また、接離ピン9cを介して駆動伝達手段Tに検知ばね17の付勢力が伝わるため駆動伝達手段T及びセクタアームはガタ寄せ状態になっている。この通電オフ期間にCPUにより撮像素子が駆動され、撮像素子による露出(図5の画像取り込み)が行われる。なお、図5で各スイッチの状態変化時に矢印が複数描かれているのは、部品精度等の問題でスイッチ切り替わり位置が一定ではないため、そのあたりのタイミングでスイッチが切り替わることを示している。
【0023】
上記の露出は、検出ばね17及び検出ばね19の信号データ変化の出力を受けたCPUが、アパーチャ1aが開いていることを確認し、撮像素子に露出開始の信号を出すことにより開始される。露出動作中は、アクチュエータ4の駆動コイル4bへの通電がオフになっているため、露出中におけるノイズの発生を防止するとともに、電力消費の軽減が可能となっている。ロータ4cは、駆動コイル4bへの通電オフ中も静的安定位置に無通電保持されているため、セクタ12が勝手に動いてしまうようなことは生じない。
【0024】
こうして既に開始されている露出動作が終了すると、それに合わせてアクチュエータの駆動コイル4bにセクタ12が展開する方向へ回転させるプラス電流をCPUが流すことによりセクタ駆動レバー9が回動し、同時にセクタ12がアパーチャ1aを閉じ始める。駆動伝達手段Tの駆動によって接離ピン9cが反時計方向へ回転し、検出ばね17と検出ピン18とが当接(ショート)する。この状態変化により生じる信号データがCPUへ出力される。
【0025】
さらに接離ピン9cが回転すると、接離ピン9cが検出ばね19を押し、検出ばね19と検出ピン18とを離反(オープン)させる。なお、この時には、セクタ12は検知ばね19の付勢力によってブレーキがかけられセクタ12の走行終了時の衝撃や衝突音を軽減される。検出ばね17及び検出ばね19の信号変化の出力を受けたCPUは、アパーチャ1aの閉鎖を確認する。こうしてセクタ12は、初期位置へ復帰、すなわちアパーチャ1aの閉鎖状態になり、CPUはアクチュエータの駆動コイル4bの通電をオフする。初期位置は静的安定位置のため無通電状態でも初期位置に停止できるようになっている。駆動コイル4bへの通電停止とともに、露出(図5の画像取り込み)により撮像素子に蓄積された撮像データはCPUへ出力(図5のデータ読込)され、これにより撮影の1動作が完了する。撮像素子から読み込まれたデータは、カメラ本体の記憶素子へ出力されることにより保存される。
【0026】
以上の説明において、このセクタ駆動装置は、上記の遮光装置以外にフォーカルプレーンシャッタやレンズシャッタや絞り装置等にも適用可能である。また、電磁アクチュエータのロータの着磁は2つに限らずそれ以上でも良い。その場合は、2ヶ所以上の静的安定位置ができるが、隣り合う2ヶ所の静的安定位置をアパーチャの全開位置及び全閉位置に対応させればよい。また、駆動コイルへの通電は定電圧回路により駆動されることを前提として説明して来たが、これはもちろん定電流回路を採用することも可能である。また、駆動伝達手段の変速機構として歯車機構を採用してあるが、この他にもリンク機構やスライダ・クランク機構等を採用可能である。また、本実施の形態では、セクタがアパーチャを開放している状態を第1の検知手段がオープンして第2の検知手段がショートした状態で検知、セクタがアパーチャを閉鎖している状態を第1の検知手段がショートして第2の検知手段がオープンした状態で検知しているが、逆にしてもよい。つまり、第1の検知手段がオープンして第2の検知手段がショートした状態で閉鎖を検知、第1の検知手段がショートして第2の検知手段がオープンした状態で開放を検知させるようにしてもよい。また、駆動手段は電磁アクチュエータに限らず、ばね等の付勢部材で駆動してもよい。
【0027】
【発明の効果】
本発明に係るセクタ駆動装置は、第1の検知手段の可動スイッチと第2の検知手段の可動スイッチとの間に、固定スイッチとスイッチ作動部材とを配置し、固定スイッチを共有する構成としたため、部品点数を減らすことができ、小型で低コストになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アパーチャが全閉となっている状態を示す平面図である。
【図2】アパーチャが全開となっている状態を示す平面図である。
【図3】要部の拡大図である。
【図4】要部の拡大断面図である。
【図5】一形態例の動作を示すシーケンスチャートである。
【符号の説明】
U セクタユニット
D セクタ駆動ユニット
T 駆動伝達手段
1 地板
1a アパーチャ
3 支持基板
4 駆動手段(アクチュエータ)
5 セクタ位置検出手段(シンクロスイッチ)
6 固定部材
8 駆動レバー
9 セクタ駆動レバー
9c 接離ピン
12 セクタ
13,14 セクタアーム
15 羽根押さえ板
17,19 検出ばね
18 検出ピン

Claims (1)

  1. アパーチャを有する地板と、
    前記地板に設けられて前記アパーチャを開閉可能なセクタと、
    揺動することにより前記セクタを駆動するセクタ駆動レバーと、
    前記セクタが前記アパーチャを開放している状態を検知する第1の検知手段と、
    前記セクタが前記アパーチャを閉鎖している状態を検知する第2の検知手段と、
    を有し、
    前記第1の検知手段と前記第2の検知手段とは、それぞれ可動スイッチを備え、前記第1の検知手段の可動スイッチと前記第2の検知手段の可動スイッチとの間には、前記セクタ駆動レバーの回転中心と、前記回転中心と同軸上で当該両可動スイッチが当接する固定スイッチと前記セクタに連動して作動するスイッチ作動部材とが配置されており、
    前記スイッチ作動部材は、前記セクタが前記アパーチャを開放している状態では、前記第1の検知手段の可動スイッチまたは前記第2の検知手段の可動スイッチの一方を前記固定スイッチから離反させ、前記セクタが前記アパーチャを閉鎖している状態では他方の可動スイッチを前記固定スイッチから離反させる
    ことを特徴とするカメラ用のセクタ駆動装置。
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