JP4126226B2 - デジタルスチルカメラ用フォーカルプレンシャッタ - Google Patents

デジタルスチルカメラ用フォーカルプレンシャッタ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルスチルカメラ用のフォーカルプレンシャッタに関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルスチルカメラ用フォーカルプレンシャッタの中には、シャッタ地板,中間板,補助地板と称されている3枚の板部材の間に二つの羽根室を構成し、それらの羽根室内に、先羽根(群),後羽根(群)と称されている二つのシャッタ羽根を個別に配置すると共に、羽根室外においては、シャッタ地板に、先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材を取り付け、それらによって先羽根(群)と後羽根(群)を作動させるように構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。そして、この種のフォーカルプレンシャッタは、デジタルスチルカメラだけではなく、銀塩カメラにも採用されている。
【0003】
そして、この種のフォーカルプレンシャッタは、特許文献1にも記載されているように、シャッタ地板に形成されている撮影光路用の開口部の側方領域に、上記の先羽根用駆動部材や後羽根用駆動部材のほか、それらの駆動部材を先羽根用駆動ばねと後羽根用駆動ばねの付勢力に抗してセット位置へ作動させるためのセット部材や、それらの駆動部材の露光作動を所定のタイミングで開始させるために必要な各々の電磁石なども取り付けている。更に、それらの電磁石やフラッシュ発光用スイッチなどを夫々の制御回路に接続するために、プリント配線板も取り付けている。
【0004】
また、この種のフォーカルプレンシャッタは、撮影時においては、先羽根(群)と後羽根(群)とが所定の間隔で露光作動を開始し、両者間に形成されるスリットにより、長方形をした撮像面を一方の縁から対向する縁へ向けて、部分的に且つ連続して露光していくように構成されている。そのため、二つのシャッタ羽根の露光作動は、撮像面のどの部分領域をとらえてみても、露光時間が全く同じであるように製作するのが理想であり、そのように製作できない場合には、露光むらが生じてしまう。そして、そのような露光むらが特に問題となるのは短い露光時間での撮影の場合であって、露光むらが大きい場合には、良好な露出の画像が得られなくなってしまう。
【0005】
ところで、このような露光むらの発生する要因は主に二つあると考えられる。その一つは、シャッタ羽根の構成自体に起因するものである。即ち、各々のシャッタ羽根は、平行を保ちながら回転する二つのアームと、それらの両方に対して長手方向の一端で枢支された複数枚の羽根から構成されている。そして、それらのアームや羽根は薄い材料で製作されている。従って、高速で露光作動が行われると、各枢支部でのガタツキや、アームや羽根の変形によって、上記したスリットの2辺を常に平行に保ちながら作動させることができなくなってしまい、撮像面の部分領域ごとの露光時間が変則的に変化してしまうことになる。
【0006】
もう一つは、同じカメラに採用する二つのシャッタ羽根を全く同一に製作することが現実的には困難であることと、それらをシャッタ地板に対して設計基準どおりに組み付けることが難しいことに起因している。即ち、レリーズボタンが押された直後には、二つのシャッタ羽根は露光作動開始位置にあるが、仮に二つのシャッタ羽根が全く同じに製作されていた場合でも、先羽根(群)がその位置から作動して撮影光路用開口を開き始めるまでの時間と、後羽根(群)がその位置から作動して撮影光路用開口を閉じ始めるまでの時間とが、全く同じになるように組み立てることは極めて難しい。そのうえ、各々のシャッタ羽根の作動には加速度が働き、時間と作動量との関係が直線的に変化せず、曲線状に変化する。その結果、撮像面の部分領域ごとの露光時間を連続的に変化させていくようになってしまう。
【0007】
従って、上記の一方の要因だけでも問題なのに、常に両方の要因をかかえていることから、それらを取り除くことは至難なことである。そのため、従来は、特許文献1にも明記されているように、先羽根用駆動部材を回転させる先羽根用駆動ばねの付勢力と、後羽根用駆動部材を回転させる後羽根用駆動ばねの付勢力とを個々に変え得るように構成し、それらの付勢力を、フォーカルプレンシャッタの組立後に変えることにより、実用上問題視されない程度に露光むらを調整していた。そして、非特許文献1には、他の形式のカメラ用シャッタの場合も含めて、その露光むら(非特許文献1では「露出時間のむら」)についての許容差が定められている。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−21942号公報(第3−7頁、図1−9)
【非特許文献1】
日本工業規格(JIS)B7091(第3,4頁)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、露光むらの許容差は、非特許文献1によって定められている。そのため、シャッタユニットを製作する場合には、その基準を満足させるように製作し、カメラの組立部門に供給される。また、フォーカルプレンシャッタを備えたカメラは高級なカメラであるため、中には、露光むらについてもよりシビアな基準で製作されたシャッタを要求される場合がある。そのような場合、これまでは、シャッタの部品加工精度や組立加工精度を一段と高め、しかも、上記したような各駆動ばねの付勢力の調整も微細に行えるようにして、対応せざるを得なかった。ところが、そのような対応ではシャッタユニットのコストを極端に高くしてしまうということもあって、より厳しい基準での製作には問題があった。
【0010】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、露光むらについての上記の各基準をクリアしたシャッタユニットの製作完了時において、そのシャッタを最も短い露光時間で作動させ、撮影画枠面の分割領域ごとの露光時間を測定し、そのデータを記録した媒体をシャッタユニットに取り付けておくことによって、そのユニットをカメラに組み付けた後、そのデータによって露光むらをより少なくなるように補正できるようにしたデジタルスチルカメラ用フォーカルプレンシャッタを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、撮影光路用開口を形成していて両者の間に二つの羽根室を構成している二つの地板と、前記二つの羽根室内に個々に配置されていて撮影時には各々の電磁石によって所定の間隔で作動を開始するように制御され両者によって形成されたスリットにより固体撮像素子の撮像面を露光する二つのシャッタ羽根と、を備えているデジタルスチルカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、前記二つの地板の一方には半導体デバイスが取り付けられており、該半導体デバイスは、前記フォーカルプレンシャッタの製作完了時に所定の露光時間で作動させて測定した前記撮影光路用開口の複数の分割領域ごとの実際の露光時間と、前記所定の露光時間の基準の露光時間とを比較して算出した前記分割領域ごとの補正量のデータを記憶しており、カメラ本体への組み付け時には、該カメラ本体の電気回路に接続され、前記補正量のデータを該電気回路に記憶させ、撮影時には、前記固体撮像素子によって得られた撮像データを前記分割領域ごとに補正し得るようにする。
【0012】
その場合、前記二つの地板の一方には前記二つの電磁石に接続する回路を有していて前記カメラ本体の電気回路に接続されるプリント配線板が取り付けられていて、前記半導体デバイスは、該プリント配線板に接合されているようにすると、一層好適な構成となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図示した実施例によって説明する。尚、図1は、実施例のフォーカルプレンシャッタを左側の約半分だけ示した平面図であって、露光作動終了直後の状態を示したものである。また、図2は、本実施例における半導体デバイスに、露光むらの補正データを記録する内容の一例を説明するための図であり、図3は、本実施例のフォーカルプレンシャッタをカメラに組み込んでから露光むらを補正する場合の一例を説明するためのブロック図である。
【0014】
先ず、図1に示されている本実施例の構成を説明する。ただし、本実施例は、特許文献1に記載の実施例と殆ど同じである。そのため、ここでは、フォーカルプレンシャッタの基本的な構成と本実施例の固有の構成についてだけ説明する。シャッタ地板1は、略中央部に、略長方形を横長にした撮影光路用の開口部1aを形成しているが、図1は、シャッタ地板1の左側の約半分を示したものであるため、その開口部1aも一部分だけが示されている。シャッタ地板1の背面側には、シャッタ地板1と外形の大きさが略同じな中間板2と補助地板3とが、所定の間隔を空けて順に取り付けられており、シャッタ地板1と中間板2の間に後羽根の羽根室を構成し、中間板2と補助地板3の間に先羽根の羽根室を構成している。また、中間板2と補助地板3にも、略中央部に開口部2a,3aが形成されていて、それらを開口部1aと重ねて配置することにより、撮影光路用開口を規制している。尚、図1においては、参考のために、撮影光路用開口と略同じ大きさではあるが若干小さな固体撮像素子の撮像画枠Aを二点鎖線で示してある。
【0015】
シャッタ地板1の羽根室外の面(図1の手前の面)には、軸1b,1c,1d,1eが立設されている。プリント配線板4は、シャッタ地板1側に配置された図示していない周知の支持板と重ねられており、その支持板と共に、シャッタ地板1との間に所定の間隔を空け、軸1d,1eの先端にビス5,6によって取り付けられている。また、プリント配線板4の孔4a,4bには、上記の軸1b,1cの先端が挿入されている。このプリント配線板4には、図3に示されたカメラ本体側の電気回路と接続可能な、図示していない少なくとも三つの配線パターンが形成されており、後述の機能を有した半導体デバイス7が、その第1の配線パターンに接合されている。また、上記の支持板のシャッタ地板1側には、周知のように、図示していない先羽根用電磁石と後羽根用電磁石が取り付けられていて、プリント配線板4の一対の孔4c,4dには、先羽根用電磁石の二つの端子が挿入され、第2の配線パターンに接合されるようになっており、もう一対の孔4e,4fには、後羽根用電磁石の二つの端子が挿入され、第3の配線パターンに接合されるようになっている。
【0016】
シャッタ地板1の軸1b,1cには、周知であるため図示していない先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材が回転可能に取り付けられている。この先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材は、図示していない先羽根用駆動ばねと後羽根用駆動ばねによって時計方向へ回転するように付勢されており、各々が、上記の各電磁石に吸着される鉄片部材と、シャッタ地板1に形成された円弧状の長孔を貫通して後述の先羽根、後羽根に連結している駆動ピンを有している。また、図示していないが、軸1b,1cには、各々ラチェット車が回転可能に嵌合していて、上記の各駆動ばねは、それらの一端を各駆動部材に掛け、他端を各ラチェット車に掛けている。そして、それらのラチェット車を回転させ、上記の図示していない支持板に設けられたラチェット爪との係合関係を変えることによって、各駆動ばねの付勢力を変えられるようになっている。
【0017】
また、シャッタ地板1の軸1dには、セット部材8が回転可能に取り付けられている。このセット部材8は、図示していない復帰ばねの付勢力によって、反時計方向へ回転するように付勢されており、カメラに組み込まれた場合には、図1の初期位置からカメラ本体側の部材によって被押動部8aを押されると、その復帰ばねの付勢力に抗して時計方向へ回転し、上記の先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材とを、先羽根用駆動ばねと後羽根用駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向へ回転させ、カメラ本体側の部材による押圧力が解かれると、その復帰ばねの付勢力によって初期位置へ復帰するようになっている。
【0018】
最後に、シャッタ地板1の背面側に配置されている先羽根と後羽根の構成を説明する。先羽根は、シャッタ地板1の羽根室側の面に立設された図示していない二つ軸に枢着された二つのアーム9,10と、それらの先端に向けて順に枢支された4枚の羽根11,12,13,14で構成されており、最先端に枢支された羽根14がスリット形成羽根であり、その上端縁がスリット形成縁である。そして、周知のように、アーム9に形成された孔には、上記の先羽根用駆動部材の駆動ピンが嵌合している。そのため、先羽根用駆動部材が軸1bを中心に反時計方向へ回転すると、アーム9も反時計方向へ回転し、4枚の羽根11〜14を上方へ移動させていくようになっている。
【0019】
他方、後羽根は、先羽根と同じ構成をしているが、羽根室内においては、先羽根を上下方向へ裏返した状態にして配置されている。即ち、後羽根は、シャッタ地板1の羽根室側の面に立設された図示していない二つ軸に枢着された二つのアーム15,16と、それらの先端に向けて順に枢支された4枚の羽根17,18,19,20で構成されており、最先端に枢支された羽根20がスリット形成羽根であり、その下端縁がスリット形成縁である。そして、アーム15に形成された孔には、上記の後羽根用駆動部材の駆動ピンが嵌合している。従って、後羽根用駆動部材が軸1cを中心にして反時計方向へ回転すると、アーム15も反時計方向へ回転し、4枚の羽根17〜20を上方へ移動させていくようになっている。尚、既に述べたように、図1に示されているその他の構成は、この種のフォーカルプレンシャッタの基本構成とは直接関係がなく、且つ本発明にとっても直接関係がないので、説明を省略する。
【0020】
次に、本実施例の作動を説明する。図1は、露光作動の終了直後の状態を示したものである。シャッタのセット作動は、図1の状態において、セット部材8が被押動部8aを押され、時計方向へ回転することによって行われる。セット部材8が初期位置から時計方向への回転を開始すると、先ず、図示していない先羽根用駆動部材を、先羽根用駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向ヘ回転させる。それによって、先羽根用駆動部材の駆動ピンがアーム9を反時計方向ヘ回転させるので、先羽根の4枚の羽根11〜14は、隣接する羽根同士の重なりを小さくしつつ上方へ作動されていく。
【0021】
そして、先羽根のスリット形成羽根14と後羽根のスリット形成羽根20との重なり量が所定量に達した段階で、セット部材8は、図示していない後羽根用駆動部材を、後羽根用駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向ヘ回転させ、その駆動ピンによって後羽根のアーム15を反時計方向ヘ回転させ始める。そのため、後羽根の4枚の羽根17〜20は、隣接する羽根同士の重なりを大きくしつつ上方へ作動させられていく。そして、後羽根の4枚の羽根17〜20が開口部1aの上方へ退き、先羽根の4枚の羽根11〜14が開口部1aを覆った段階になると、セット部材8によるセット作動が終了し、図示していない各駆動部材の鉄片部材が各電磁石の鉄芯に接触した状態となる。
【0022】
撮影に際して、レリーズ操作が行われると、先ず、先羽根用電磁石と後羽根用電磁石に通電され、先羽根用駆動部材の鉄片部材と後羽根用駆動部材の鉄片部材が吸着保持され、セット部材8は、図示していないカメラ本体側の部材が被押動部8aから退くのに伴い、図示していない復帰ばねの付勢力によって初期位置へ復帰する。従って、このときには、二つの駆動部材は、各々の電磁石の吸引力のみによって、各々の駆動ばねの付勢力に抗して保持されていることになる。そして、この状態の位置が、二つの駆動部材にとっての(言い換えれば、先羽根と後羽根にとっての)露光作動開始位置である。
【0023】
このような状態となった後、次に、先羽根用電磁石と後羽根用電磁石に対する通電が所定の時間間隔で順に断たれる。それによって、先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材は、各々の駆動ばねの付勢力によって次々と時計方向へ回転し、それらの駆動ピンによって、アーム9,15を時計方向へ回転させる。その結果、先羽根の4枚の羽根11〜14が、隣接する羽根同士の重なりを大きくしながら下方へ作動し、後羽根の4枚の羽根17〜20が、隣接する羽根同士の重なりを小さくしながら下方へ作動していくので、二点鎖線で示された固体撮像素子の撮像面Aが、二つのスリット形成羽根14,20によって形成されたスリットにより、上方から下方に向けて連続的に露光されていく。そして、その撮像面を全て露光し終わった後、先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材の作動が順に停止させられた状態が、図1に示された状態である。
【0024】
ところで、このような露光作動によって、固体撮像素子の撮像面Aが、どのような部分領域をとりあげてみても、全く同じ露光時間で露光されるというようなことはあり得ない。即ち、先羽根も後羽根も、各部品の加工精度に許容差が設けられていることや、シャッタ地板に対するアームの枢着部と、アームと羽根との枢支部には公差があることなどによって、露光作動中には、走行方向以外の方向へも複雑な動きを伴うことになり、二つのスリット形成羽根14,20のスリット形成縁を常に平行に保っているようにすることができないからである。また、例えば、先羽根と後羽根が全く同じ条件で製作され、且つ設計基準どおりにシャッタ地板1に取り付けられていると仮定しても、上記の先羽根用駆動ばねの付勢力と後羽根用駆動ばねの付勢力とを、露光作動の開始から終了まで、先羽根と後羽根に対して全く同じように作用させるように製作することが極めて難しいからである。
【0025】
更に、先羽根と後羽根の露光作動開始位置を図面で示していないが、その位置では、二つのスリット形成羽根14,20のスリット形成縁は重なっていない。即ち、それらのスリット形成縁から、撮影光路用開口を規制している開口部1aの上辺までの距離が全く同じにはなっていない。何故なら、そのようにするためには、既に説明したように、先羽根や後羽根を構成している部材の加工精度や組立加工精度の問題をクリアするほか、各駆動部材や各電磁石の加工精度や組立加工精度の問題もクリアしなければならないからである。このようなことから、先羽根と後羽根は、スリット形成羽根14,20のスリット形成縁が重なっていない状態から露光作動を開始させざるを得ないが、先羽根と後羽根には加速度が働くため、開口部1aの上方領域と下方領域では、必然的に露光時間が異なったものになってしまう。
【0026】
フォーカルプレンシャッタの場合には、このような理由で多かれ少なかれ露光むらが発生してしまうことから、これまでは、部品精度や組立精度を維持する一方、上記した二つの駆動ばねの付勢力を変えることによって、上記の基準をクリアするようにしていた。しかしながら、本実施例のフォーカルプレンシャッタは、シャッタユニットとして製作されたときの状態よりも、カメラへ組み付けた際に、露光むらをより少なく補正することができるようにするために、プリント配線板4に半導体デバイス7を取り付けている。この半導体デバイス7は、好ましくはEPROMとして構成された記録媒体であって、そこには、シャッタユニットの製作完了時において、最も短い露光時間(最高速のシャッタスピード)で作動させた場合における露光むらの補正量がデータとして記録されている。
【0027】
そこで、そのデータの記録内容の一例を図2を用いて説明する。先ず、撮影光路用開口を碁盤の目のように分割して各領域ごとに測定し、それらの領域ごとの平均露光時間と基準の露光時間との差の割合(%)を算出する。図2(a)は、そのようにして撮影光路用開口を、座標X1〜X3と座標Y1〜Y3との組み合わせによって9分割し、各領域ごとに算出した割合の例を示したものであって、中央の領域においては、基準どおりの露光時間が得られていることを示している。図2(b)は、算出結果に基づく各領域ごとの補正量の割合を示したものであって、半導体デバイス7には、この補正量の割合がデータとして記録されている。
【0028】
次に、図3を用い、本実施例のフォーカルプレンシャッタを組み付けたカメラにおいて、上記のようなデータに基づいて、露光むらを調整する場合の一例を説明する。この図3において、半導体デバイス7とシャッタ以外の各ブロックは、カメラ本体側に予め組み込まれている。電源のオン・オフ,シャッタのレリーズ,撮影済画像の再生などの種々のスイッチの選択操作は、図3の外部操作部で行えるようになっている。これとは別の内部操作部は、カメラの組立完了直前においてだけ操作されるようになっていて、その操作により、フォーカルプレンシャッタに取り付けられている上記の半導体デバイス(7)から、領域指定回路の指定する順序にしたがって、各分割領域ごとに記録されている露光むらの補正量に関するデータがレベル変換回路に入力されて記憶される。そして、このレベル変換回路は、露光むらの補正量のデータが一度入力されると、そのデータによって、CCD等の固体撮像素子が受光した露光量のレベルを、上記の各分割領域に対応した領域ごとに補正することができるようになっている。
【0029】
従って、撮影に際して、外部操作部のレリーズボタンを押すと、先ず、測光回路や測距回路による測定結果にもとづいて絞りモータやAFモータが駆動され、同時にフォーカルプレンシャッタの先羽根用電磁石と後羽根用電磁石にも通電され、上記のように先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材とが夫々の鉄片部材を介して吸着保持される。また、もし、そのカメラが可動ミラーを備えた一眼レフカメラであれば、その間に可動ミラーもアップ状態にさせられる。その後、上記の二つのモータや可動ミラーの作動が停止すると、既に説明したようにして先羽根と後羽根の露光作動が行われる。そして、固体撮像素子で光電変換され、A/D変換回路でデジタル信号に変換された撮像情報は、レベル変換回路によって上記のように露光むらのレベル補正が行われてから、画像処理回路によって色補正,ノイズ除去等が行われ、その後、記憶媒体に記憶される。また、被写体像や撮影済画像を観察したい場合には、画像表示回路を働かせてLCD等で観察可能となる。
【0030】
尚、上記の説明からも分かるように、本実施例のフォーカルプレンシャッタは、固体撮像素子の光電変換機能にむらがないことを前提にしている。従って、もしも、その光電変換機能にむらがあるような場合には、半導体デバイス7に記録されているデータをレベル変換回路に入力する前に、別の手段によって予め補正をしておくことが必要になる。また、本実施例の場合には、半導体デバイス7を、電磁石と接続しているプリント配線板4に取り付けているが、例えばシャッタ地板1に直接取り付けるようにしても差し支えない。また、本実施例は、二つの電磁磁石が、各駆動部材の鉄片部材を露光作動開始位置で吸着保持するように構成しているが、本発明は、露光作動開始位置で各々の駆動部材を機械的な係止部材で係止する構成のものにも適用される。従って、本発明のフォーカルプレンシャッタは、先羽根と後羽根の露光作動開始時機を電気的に制御するシャッタであるとは限らない。更に、本実施例においては、各駆動部材の駆動源がばねであるが、モータであっても差し支えない。その場合、各電磁石が不要になることは言うまでもない。
【0031】
また、本実施例においては、半導体デバイスに、最高速のシャッタスピードで作動させた場合の露光むらの補正量を記憶させるようにしたが、最高速のシャッタスピードとそれよりも低速側のシャッタスピードとの二つの場合の補正データも記憶させるようにして、それらをレベル変換回路に記憶させるようにしても差し支えない。また、本実施例においては、撮影光路用開口を9分割したが、これに限定されるものではない。例えば、より細かく分割した場合には、高精度な露光量のレベル補正が可能となるばかりではなく、撮影光路用開口よりも小さい撮像画枠を有する固体撮像素子を用いた場合には、カメラ本体側に組み込んだ後、その大きさに対応した分割領域のみを領域指定回路で指定することにより、補正が好適に行えるようになる。また、固体撮像素子は、撮影画枠が撮影光路用開口よりも小さくて、その撮像画枠の中心を光軸に合わせて配置するが、シャッタは、撮影光路用開口の中心を光軸からずらして配置する場合があるが、そのような場合にも、必要な分割領域のみを領域指定回路で指定することにより、好適に補正することが可能になる。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、本発明のフォーカルプレンシャッタは、露光むらについての基準をクリアはしているが、シャッタユニットとしては、それ以上、露光むらを少なくすることが困難な場合でも、撮影光路用開口の各分割領域ごとの露光時間の補正データを記録した半導体デバイスを取り付けているため、そのシャッタを採用するカメラが必要とする場合には、カメラ側で一層露光むらの少ない画像を得るようにすることが可能になっている。そのため、高精度を要するカメラにとっては極めて有効なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のフォーカルプレンシャッタを左側の約半分だけ示した平面図であって、露光作動終了直後の状態を示したものである。
【図2】実施例における半導体デバイスに、露光むらの補正データを記録する内容の一例を説明するための図である。
【図3】実施例のフォーカルプレンシャッタをカメラに組み込んでから露光むらを補正する場合の一例を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
1 シャッタ地板
1a,2a,3a 開口部
1b,1c,1d,1e 軸
2 中間板
3 補助地板
4 プリント配線板
4a,4b,4c,4d,4e,4f 孔
5,6 ビス
7 半導体デバイス
8 セット部材
8a 被押動部
9,10,15,16 アーム
11,12,13,14,17,18,19,20 羽根

Claims (2)

  1. 撮影光路用開口を形成していて両者の間に二つの羽根室を構成している二つの地板と、前記二つの羽根室内に個々に配置されていて撮影時には各々の電磁石によって所定の間隔で作動を開始するように制御され両者によって形成されたスリットにより固体撮像素子の撮像面を露光する二つのシャッタ羽根と、を備えているデジタルスチルカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、
    前記二つの地板の一方には半導体デバイスが取り付けられており、該半導体デバイスは、前記フォーカルプレンシャッタの製作完了時に所定の露光時間で作動させて測定した前記撮影光路用開口の複数の分割領域ごとの実際の露光時間と、前記所定の露光時間の基準の露光時間とを比較して算出した前記分割領域ごとの補正量のデータを記憶しており、カメラ本体への組み付け時には、該カメラ本体の電気回路に接続され、前記補正量のデータを該電気回路に記憶させ、撮影時には、前記固体撮像素子によって得られた撮像データを前記分割領域ごとに補正し得るようにしたことを特徴とするデジタルスチルカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  2. 前記二つの地板の一方には前記二つの電磁石に接続する回路を有していて前記カメラ本体の電気回路に接続されるプリント配線板が取り付けられていて、前記半導体デバイスは、該プリント配線板に接合されていることを特徴とする請求項1に記載のデジタルスチルカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
JP2002372565A 2002-12-24 2002-12-24 デジタルスチルカメラ用フォーカルプレンシャッタ Expired - Fee Related JP4126226B2 (ja)

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JPH08304845A (ja) * 1995-04-27 1996-11-22 Nec Corp 液晶表示装置

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