JP2004317615A - 共鳴装置、共鳴方法及び共鳴のためのコンピュータプログラム - Google Patents

共鳴装置、共鳴方法及び共鳴のためのコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】発音操作による直接音には打弦衝撃音が含まれ、発音操作によらない共鳴音には打弦衝撃音が含まれず、直接音と共鳴音との音質が異なることが可能となる。
【解決手段】楽音波形メモリ41には全鍵の弦衝撃音(先頭アドレスTA−中間アドレスMA)と弦振動音(中間アドレスMA−エンドアドレスEA)とが記憶される。図4の楽音波形読み出し回路42において、直接音として楽音波形データMWの先頭アドレスTAから読み出されて弦衝撃音と弦振動音とが出力される。共鳴音として楽音波形データMWの中間アドレスMAから読み出されて弦振動音が出力される。このような手法は、図11のエンベロープ合成、図14のフィルタ処理によっても達成される。この直接音と共鳴音とは図15のサウンドシステム6で音像が形成される。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、共鳴装置、共鳴方法及び共鳴のためのコンピュータプログラムに関し、特に電子的な打弦楽器において共鳴を付加する装置に関する。
【0002】
【発明の背景】従来の共鳴装置は、各音高の相互間の共鳴のし易さを「共鳴度」として数値化し、この共鳴度に応じた大きさで、発音操作されていないにも係わらず他の音高の楽音が発生させるようにしていた。
【0003】
本発明の目的は、このような共鳴装置に対して、さらに直接音と共鳴音との音質を異ならせることである。また直接音と共鳴音との発生タイミングに差を持たせることである。
【0004】
従来技術は以下のものがある。
特開平7−219529号(特願平6−7812号)
特開2000−20083(特願平10−184166号)
特開平3−174590号(特願平1−314818号)
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明は、発音操作に応じて、発音操作に対応する弦または音高の打弦衝撃音を読み出し、この打弦衝撃音を読み出した後、当該弦または音高の上記弦振動音を読み出して出力し、発音操作の行われない他の弦または音高の弦振動音を読み出して出力する。
【0006】
これにより、発音操作による直接音には打弦衝撃音が含まれ、発音操作によらない共鳴音には打弦衝撃音が含まれず、直接音と共鳴音との音質が異なることが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
(1)全体回路
図1は電子ピアノなどの共鳴装置、共鳴方法を実施する装置、楽音発生装置または電子楽器の全体回路を示す。キーボード11の各キーは、楽音の発音及び消音を操作/指示するもので、キースキャン回路12によってスキャンされ、キーオン、キーオフを示すデータが検出され、コントローラ2によってプログラム/データ記憶部4に書き込まれる。そして、それまでプログラム/データ記憶部4に記憶されていた各キーのオン、オフの状態を示すデータと比較され、各キーのオンイベント、オフイベントの判別が、コントローラ2によって行われる。
【0008】
このキーボード11の各キー(鍵)には段差タッチスイッチが設けられ、段差スイッチごとに上記スキャンが行われ、各段差スイッチの先頭のオン/オフごとにオンイベント/オフイベントの検出が行われる。この段差スイッチによってタッチの速さと強さを示す上記タッチ情報つまりイニシャルタッチデータとアフタタッチデータとが発生される。
【0009】
このキーボード11は、ローアキーボード、アッパーキーボード、ペダルキーボード等から成っており、それぞれにつき異なる/同じ音色の楽音、つまり楽音波形または/及びエンベロープ波形の異なる/同じ楽音が発音される。そして、アッパーキーボードについては、1つのキーオンで2音色の楽音を同時に鳴らすことも可能である。なお、キーボード11は、電子弦楽器、電子吹奏(管)楽器、電子打楽器(パッド等)、コンピュータのキーボード等で代用される。
【0010】
パネルスイッチ群13の各スイッチは、パネルスキャン回路14によって、スキャンされる。このスキャンにより、各スイッチのオン、オフを示すデータが検出され、コントローラ2によってプログラム/データ記憶部4に書き込まれる。そして、それまでプログラム/データ記憶部4に記憶されていた各スイッチのオン、オフの状態を示すデータと比較され、各スイッチのオンイベント、オフイベントの判別が、コントローラ2によって行われる。このスイッチにはペダル、ベンダー、コントローラ、ジョイスティックなどのスイッチも含まれる。
【0011】
この発音される楽音は上記キーボード11による手動演奏の楽音または自動演奏情報から再生された自動演奏の楽音である。この手動演奏または自動演奏の各楽音はミディインターフェース15からも送られてくる。
【0012】
ミディインターフェース15は、外部接続された電子楽器との間で楽音データの送受を行うためのインターフェイスである。この楽音データはMIDI(ミュージカルインスツルメントデジタルインタフェース)規格のもので、この楽音データに基づいた発音も行われる。
【0013】
上記キーボード11またはミディインターフェース15には、自動演奏装置も含まれる。これらキーボード11、パネルスイッチ群13及びミディインターフェース15から発生された演奏情報(楽音発生情報)は、楽音を発生させるための情報である。キーボード11の手動演奏情報は自動演奏情報としてプログラム/データ記憶部4に書き込まれ記憶される。このミディインターフェース15を通じて、他の機器から自動演奏情報が送られてきたり、プログラム/データ記憶部4内の自動演奏情報が他の機器へ送られたりする。
【0014】
上記演奏情報(楽音発生情報)は、音楽的ファクタ(因子)情報であり、音高(音域)情報(音高決定因子)、発音時間情報、演奏分野情報、発音数情報、共鳴度情報などである。発音時間情報は楽音の発音開始からの経過時間を示す。演奏分野情報は、演奏パート情報、楽音パート情報、楽器パート情報等を示し、例えばメロディ、伴奏、コード、ベース、リズム、MIDI等に対応し、または上鍵盤、下鍵盤、足鍵盤、ソロ鍵盤、MIDI等に対応している。
【0015】
上記音高情報はキーナンバデータKNとして取り込まれる。このキーナンバデータKNはオクターブデータ(音域データ)と音名データとからなる。演奏分野情報は、パートナンバデータPNとして取り込まれ、このパートナンバデータPNは各演奏エリアを識別するデータであって、発音操作された楽音がどの演奏エリアからのものかによって設定される。
【0016】
発音時間情報は、トーンタイムデータTMとして取り込まれ、後述のフローチャートによって求められたり、キーオンイベントからのタイムカウントデータに基づいたり、またはエンベロープフェーズで代用される。この発音時間情報は特願平6−219324号明細書及び図面に発音開始からの経過時間情報として詳しく示される。
【0017】
発音数情報(同時発音数データSS)は同時に発音している楽音の数を示し、例えばアサインメントメモリ40のオン/オフデータが「1」の楽音の数に基づき、後述するフローチャートの処理によって求められる。
【0018】
共鳴度情報は、共鳴係数データRとして取り込まれ、発音している1つの楽音と他の楽音との共鳴度を示す。この1つの楽音の音高周波数と他の楽音の音高周波数とが1:2、2:3、3:4、4:5、5:6など小さい整数数倍比であれば共鳴係数データRの値は大きく、9:8、15:8、15:16、45:32、64:45など大きい整数数倍比であれば共鳴係数データRの値は小さくなる。この共鳴係数データRは直接音の周波数ナンバデータFN及びエンベロープスピードデータESまたはエンベロープレベルデータELに基づいて求められる。
【0019】
さらに、上記パネルスイッチ群13には各種スイッチが設けられ、この各種スイッチは音色タブレット、エフェクトスイッチ、リズムスイッチ、ペダル、ホイール、レバー、ダイヤル、ハンドル、タッチスイッチ等であって楽器用のものである。このペダルはダンパペダル16、サスティンペダル、ミュートペダル、ソフトペダル等である。ダンパペダル16がオンされると、発音操作されていないキーの弦振動音も読み出され出力され、発音操作されたキーの弦または音高と発音操作の行われないキーの弦または音高との間の共鳴効果が実現される。
【0020】
この各種スイッチより、楽音発生情報が発生され、この楽音発生情報は発生された楽音を制御する情報であって音楽的ファクタ(因子)情報であり、音色情報、タッチ情報(発音指示操作の速さ/強さ)、発音数情報、共鳴度情報、エフェクト情報、リズム情報、音像(ステレオ)情報、クオンタイズ情報、変調情報、テンポ情報、ラウドネス(音量)情報、エンベロープ情報等である。これら音楽的ファクタ情報も上記演奏情報(楽音情報)に合体され、上記各種スイッチより入力されるほか、上記自動演奏情報に合体され、上記インターフェイスで送受される演奏情報に合体される。
【0021】
上記音色情報は、鍵盤楽器(ピアノ等)、管楽器(フルート等)、弦楽器(バイオリン等)、打楽器(ドラム等)の楽器(発音媒体/発音手段)の種類等に対応しており、トーンナンバデータTNとして取り込まれる。上記エンベロープ情報は、上述のエンベロープスピードES、エンベロープレベルEL、エンベロープタイムET、エンベロープフェーズEFなどである。
【0022】
上記ラウドネス(音量)情報はラウドネスデータLNとして取り込まれ、各楽音の大きさを表す。このラウドネスデータLNは、上記タッチデータTC、音量データ等に基づいて決定され、場合によって発音数情報などによっても決定される。
【0023】
このような音楽的ファクタ情報は、コントローラ2へ送られ、後述の各種信号、データ、パラメータの切り換えが行われ、楽音の内容が決定される。上記演奏情報(楽音発生情報)及び楽音発生情報はコントローラ2で処理され、各種データが楽音信号発生部5へ送られ、楽音波形信号MWが発生される。コントローラ2はCPU、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)、ROM及びRAMなどからなっている。
【0024】
プログラム/データ記憶部4(内部記憶媒体/手段)には、自動演奏情報が記憶されている。この自動演奏情報の中には発音開始タイミング情報とエンベロープ種類情報とが記憶されている。このエンベロープ種類情報に基づいて発音開始タイミング情報が変更制御される。
【0025】
プログラム/データ記憶部4(内部記憶媒体/手段)はROMまたは書き込み可能なRAM、フラッシュメモリまたはEEPROM等の記憶装置からなり、光ディスクまたは磁気ディスク等の情報記憶部7(外部記憶媒体/手段)に記憶されるコンピュータのプログラムが書き写され記憶される(インストール/転送される)。またプログラム/データ記憶部4には外部の電子楽器またはコンピュータから上記ミディインターフェース15または送受信装置を介して送信されるプログラムも記憶される(インストール/転送される)。このプログラムの記憶媒体は通信媒体も含む。
【0026】
このプログラムは、コントローラ(CPU)2が各種処理を行うための後述する各フローチャートに応じた楽音発生のためのプログラムである。このプログラム/データ記憶部4には、上述した音楽的ファクタ情報、上述した各種データ及びその他の各種データも記憶される。この各種データには時分割処理に必要なデータや時分割チャンネルへの割当のためデータ等も含まれる。
【0027】
楽音信号発生部5では、各楽音ごとに楽音波形信号MWが繰り返し発生されサウンドシステム6から発音出力される。上記音高情報に応じて、この繰り返し発生される楽音波形信号MWの発生速度は変化される。また上記音色情報などの音楽的ファクタ情報に応じて、この繰り返し発生される楽音波形信号MWの波形形状は切り換えられる。この楽音信号発生部5は時分割処理によって複数の楽音信号TSが同時に生成されポリフォニックに発音される。
【0028】
タイミング発生部3からは、楽音生成装置の全回路の同期を取るためのタイミングコントロール信号が各回路に出力される。このタイミングコントロール信号は、各周期のクロック信号のほか、これらのクロック信号を論理積または論理和した信号、時分割処理のチャンネル分割時間の周期を持つチャンネルクロック信号CHφ、この4倍の周波数を持つチャンネルクロック信号4CHφ、チャンネルナンバデータCHNo、この4倍インクリメント速度を持つチャンネルナンバデータ4CHNo、タイムカウントデータTIなどを含む。
【0029】
このタイムカウントデータTIは、絶対時間つまり時間の経過を示し、このタイムカウントデータTIのオーバフローリセットから次のオーバフローリセットまでの周期は、各楽音のうち最も長い発音時間より長く、場合によって数倍に設定される。
【0030】
(2)楽音波形メモリ41
図2は楽音波形メモリ41を示す。この楽音波形メモリ41には、上記キーボード11の全キー(64鍵、88鍵または128鍵など)ごとの楽音波形データMWが全て記憶されている。この各キーの楽音波形データMWはアタック(立ち上がり)からディケイ、サスティンを経て、リリース(立ち下がり/減衰)までの全波形が記憶されている。
【0031】
この楽音波形データMWの先頭部分は、打弦楽器の打弦による打弦衝撃音の信号となっており、これに続く部分は、打弦楽器の弦振動音の信号となっている。したがってこの楽音波形データMWは、打弦楽器の打弦による打弦衝撃音とこれに続く弦振動音との全波形が、複数の異なる弦または音高/全弦または全音高につき、それぞれ記憶されている。
【0032】
この各楽音波形データMWの先頭アドレスTAつまり打弦衝撃音の信号の先頭アドレスTAは、キーナンバデータKNの値と一致または対応しており、これに下位の読み出しアドレスカウント値が加算合成されて、楽音波形データMWが読み出される。
【0033】
この各楽音波形データMWの打弦衝撃音と弦振動音との境界のアドレス、つまり打振動音の信号の先頭アドレスは、中間アドレスMAとなる。この中間アドレスMAの後にリピートトップアドレスRT、リピートエンドアドレスRE及びエンドアドレスデータEAが続いている。このリピートトップアドレスRTとリピートエンドアドレスREとの間の楽音波形データMWはキーオフまで繰り返し読み出される。キーオフ以降リピートエンドアドレスREからエンドアドレスデータEAまで読み出される。
【0034】
各楽音波形データMWの先頭アドレスデータTA、中間アドレスデータMA、リピートトップアドレスRT、リピートエンドアドレスRE及びエンドアドレスデータEAの各間の長さは一致しているが、場合によって低音域、中音域と高音域とで何れかが異なっていてもよい。
【0035】
上記先頭アドレスデータTA、中間アドレスデータMA、リピートトップアドレスRT、リピートエンドアドレスRE及びエンドアドレスデータEAは、各キーナンバデータKN(音高)ごとに後述するアドレスデコーダ50に記憶されている。なお、中間アドレスデータMAとリピートトップアドレスRTとは一致していてもよい。
【0036】
キーオン(発音操作)のあったキーの楽音波形データMWは先頭アドレスTAからの打弦衝撃音及び弦振動音が直接音として読み出され、キーオンのないキーの楽音波形データMWは、ダンパペダル16がオンされているときのみ、中間アドレスMAからの弦振動音が共鳴音として読み出される。
【0037】
これにより、発音操作されたキーの弦または音高と発音操作の行われないキーの弦または音高との間の共鳴効果が実現される。よって、ダンパペダル16の操作によって記憶されている上記直接音の途中または上記弦振動音及び上記弦振動音の途中から読み出される。
【0038】
したがって、上記発音操作の行われている打弦衝撃音と弦振動音の読み出し開始タイミングまたは出力開始タイミングは、上記発音操作の行われていない弦振動音の読み出し開始タイミングまたは出力開始タイミングより早くなる。また、上記発音操作の行われる打弦衝撃音と弦振動音の読み出し開始アドレスは、上記発音操作の行われない弦振動音の読み出し開始アドレスとは異なる、またはより前にある。
【0039】
さらに、各楽音波形データMWのエンドアドレスデータEAは一致している場合、上記発音操作の行われている打弦衝撃音と弦振動音の読み出し終了タイミングまたは出力終了タイミングは、上記発音操作の行われていない弦振動音の読み出し終了タイミングまたは出力終了タイミングとほぼ同じとなる。
【0040】
この楽音波形データMWは、ピアノの高音、中音及び低音などの音域に応じた楽音波形のサンプリングデータである。この楽音波形データMWは、他にピアノ、バイオリン、フルート、シンバル等の楽器音の波形に対応したり、サイン波、三角波、短形波等の波形やこれらの加算合成波形に対応したり、高調波成分の含有率やノイズ音成分の含有率等、特定成分の含有率の大きさに対応したり、特定フォルマントに応じたスペクトル成分グループに対応したり、発音開始から発音終了までの全波形の種類に対応したり、タッチデータTCまたは/及びキースケーリングデータKSに対応したりしてもよい。
【0041】
上記サイン波、三角波、短形波などの単純形状波形やこれらの加算合成波形の楽音波形データMWについては、高速演算処理によって発生させる事も可能である。むろん複雑な波形についても、高速演算処理によって発生させる事も可能である。
【0042】
(3)楽音信号発生部5
図3は上記楽音信号発生部5を示す。アサインメントメモリ40の各チャンネルエリアから順次読み出された各チャンネルのキーナンバデータKN及びオン/オフデータに基づき、楽音波形読み出し回路42によって、楽音波形メモリ41から楽音波形データMWが読み出される。この読み出された楽音波形データMWは、乗算器43でエンベロープ波形データENが乗算され、残響付加回路44で残響が付加され、フィルタ回路45でフィルタ処理され、累算器47で全チャンネル分が累算されて上記サウンドシステム6へ送られる。
【0043】
上記サインメントメモリ40の各チャンネルエリアから順次読み出された各チャンネルの共鳴係数データRはラッチ46aにストアされ、乗算器48へ送られる。上記サインメントメモリ40の各チャンネルエリアから順次読み出された各チャンネルのエンベロープレベルデータELはラッチ46bにストアされ、上記乗算器48で共鳴係数Rが乗算され、エンベロープジェネレータ49へ送られる。これにより、エンベロープ波形データENのエンベロープレベルENが共鳴係数データRに応じた大きさ/レベル/音量とされる。
【0044】
共鳴係数データRは「1」以下の値であり、共鳴係数データRが大きいと、エンベロープ波形データENのレベルが大きくなり、音量も大きくなる。共鳴係数データRは、上記キーオン(発音操作)/直接音の楽音については大きく、キーオフ/共鳴音の楽音については小さくされる。むろん一致していてもよいし、逆でもよい。
【0045】
したがって、上記キーオン(発音操作)の行われる打弦衝撃音と弦振動音の音量は、上記発音操作の行われない弦振動音の音量と異なる、またはより大きく制御される。また、上記発音操作の行われる打弦衝撃音と弦振動音のエンベロープは、上記発音操作の行われない弦振動音のエンベロープと形状が異なる、またはより大きく制御される。
【0046】
上記サインメントメモリ40の各チャンネルエリアから順次読み出された各チャンネルのエンベロープスピードデータESは、ラッチ46cにストアされ、エンベロープジェネレータ49へ送られる。エンベロープジェネレータ49では、エンベロープスピードデータESに応じたスピードで、エンベロープレベルデータELに応じた大きさ/レベルでエンベロープ波形データENが演算され、上記乗算器43へ送られる。
【0047】
上記エンベロープレベルデータELとENスピードデータESとは、エンベロープ波形のアタック、ディケイ、サスティン、リリースの各フェーズごとに設定される。サスティンは上記中間アドレスMAまたはリピートトップアドレスRTとリピートエンドアドレスREとの間に一致している、または一致していない。
【0048】
上記ダンパペダル16のオン信号はラッチ46dにストアされ、オアゲート46eを経て、上記エンベロープジェネレータ49へ送られる。また、アサインメントメモリ40の各チャンネルエリアから順次読み出されるオン/オフデータは、上記オアゲート46eを経て、上記エンベロープジェネレータ49へ送られる。
【0049】
エンベロープジェネレータ49では、このオン/オフデータが「0」にされると、エンベロープフェーズがリリースにされ、消音処理に入る。このオン/オフデータが「0」でも、ダンパペダル16のオン信号がストアされると、このオン/オフデータが「1」にされ、消音状態が解除され発音状態になる。ダンパペダル16のオン信号がクリアされると、このオン/オフデータが「0」にされ、消音状態に入る。
【0050】
(4)楽音波形読み出し回路42
図4は上記楽音波形読み出し回路42を示す。アサインメントメモリ40の各チャンネルエリアから順次読み出された各チャンネルのキーナンバデータKNは、アドレスデコーダ50で上記先頭アドレスデータTA、中間アドレスデータMA、リピートトップアドレスRT及びリピートエンドアドレスREに変換され並行して出力される。
【0051】
この先頭アドレスデータTAはラッチ52にストアされ、加算器53に送られる。上記中間アドレスデータMAはラッチ54にストアされ、ゲート55を通って、上記加算器53でキーナンバデータKN(先頭アドレスTA)に加算され、加算器56を経て、上記楽音波形メモリ51へ上位読み出しアドレスデータとして送られる。
【0052】
中間アドレスデータMAは、実際には先頭アドレスデータTAと中間アドレスデータMAとの差である。ダンパペダル16のオン信号はコントローラ2によってインバータ59で反転されてラッチ57にストアされ、オアゲート58及びインバータ60を経て、上記ゲート55に送られる。また、アサインメントメモリ50の各チャンネルエリアから順次読み出された各チャンネルのオン/オフデータは上記オアゲート58及びインバータ60を経て上記ゲート55へ送られる。
【0053】
これにより、オン/オフデータが「0」のオフであり、ダンパペダル16がオンされているときのみ、先頭アドレスデータTAに中間アドレスデータMAが加算され、楽音波形メモリ41の楽音波形データMWの弦振動音信号が読み出され出力される。
【0054】
読み出しアドレスシフトレジスタ61には、全チャンネル分または全キー分の下位の読み出しアドレスデータが記憶されており、チャンネルクロック信号CHφによって順次シフト出力され、上記加算器56を経て楽音波形メモリ41へ下位読み出しアドレスデータとして送られる。
【0055】
この読み出しアドレスシフトレジスタ61からの下位読み出しアドレスデータは、加算器62で「1」または歩進値が加算されて、セレクタ63を経て、読み出しアドレスシフトレジスタ61に帰還入力され、下記読み出しアドレスデータが順次歩進される。この歩進値または「1」は、楽音波形メモリ41に記憶されている楽音波形データMWの記憶サンプリング周波数に応じた値となる。
【0056】
この読み出しアドレスシフトレジスタ61にはオンイベント信号がリセット信号として送られ、リセットするレジスタの指定アドレスとしてチャンネルナンバデータCHNoが送られる。これにより、オンイベントがあると、割り当てチャンネルの下位アドレスデータが「0」にリセットされる。
【0057】
上記アドレスデコーダ50からのリピートエンドアドレスデータREは、コンパレータ64に送られ、上記加算器62からの下位読み出しアドレスデータもコンパレータ64に送られ、コンパレータ64の一致信号は上記セレクタ63にセレクト切換信号として送られる。セレクタ63には加算器62からの下位読み出しアドレスデータと、上記アドレスデコーダ50からのリピートトップアドレスデータRTとが送られている。
【0058】
従って、下位読み出しアドレスデータがリピートエンドアドレスデータREに一致すると、読み出しアドレスシフトレジスタ61の下位読み出しアドレスデータはリピートトップアドレスデータRTに書き換えられる。これにより、リピートトップアドレスRTからリピートエンドアドレスREの間の楽音波形データMWが繰り返し読み出される。
【0059】
以上のように、上記発音操作の行われている打弦衝撃音または直接音が読み出されるとき、ダンパペダル16が操作されれば、上記発音操作の行われない弦振動音または共鳴音が並行して読み出される。
【0060】
(5)残響付加回路44
図5は残響付加回路44を示す。上記乗算器43でエンベロープ波形データENが乗算された楽音波形データMWは、加算器71を経て、乗算器で減衰率データDが乗算され、ディレイシフト回路73で遅延され、上記加算器71に帰還され、楽音波形データMWに加算合成される。減衰率データDは、「1」より小さいので、楽音波形データMWには、遅れて小さくなった古い楽音波形データMWが累算されていき、残響が付加されて出力されていく。
【0061】
上記ディレイシフト回路73は、CCD(チャージカップルドデバイス)などから構成され、全チャンネル分または全キー分の楽音波形データMWが記憶されており、チャンネルクロック信号CHφによって順次シフト出力される。したがって、ディレイシフト回路73によって全チャンネル時間分遅延されて同じチャンネルの楽音波形データMWに加算される。
【0062】
減衰率シフトレジスタ74には、全チャンネル分または全キー分の減衰率データDが記憶されており、チャンネルクロック信号CHφによって順次シフトされ上記乗算器72へ出力されるとともに、減衰率シフトレジスタ74に帰還入力される。この減衰率データDは、プ音楽的ファクタに基づいてログラム/データ記憶部4からコントローラ2によって読み出され、減衰率シフトレジスタ74に書き込まれる。
【0063】
この減衰率データDは「1」以下の値であり、減衰率データDが大きいと、ディレイシフト回路73での繰り返しディレイ時間が長くなる。減衰率データDは、上記キーオン(発音操作)/直接音の楽音については大きく、キーオフ/共鳴音の楽音については小さくされる。むろん一致していてもよいし、逆でもよい。
【0064】
したがって、上記発音操作の行われている打弦衝撃音と弦振動音の残響は、上記発音操作の行われていない弦振動音の残響と異なる、またはより大きく制御される。また、上記発音操作の行われない弦振動音の遅延量は、上記発音操作の行われる打弦衝撃音と弦振動音の遅延量と異なる、またはより大きくより遅れて出力される。
【0065】
(6)音楽的ファクタテーブル10
図6はプログラム/データ記憶部4内の音楽的ファクタテーブル10を示す。この音楽的ファクタテーブル10には、種々の音楽的ファクタごとに、減衰率データD、フィルタ係数データF、エンベロープスピードデータES、エンベロープレベルデータELなどが異なる値で記憶される。
【0066】
入力される音楽的ファクタに応じたこれらのデータが音楽的ファクタテーブル10から読み出され、アサインメントメモリ40に書き込まれる。したがって、減衰率データD、フィルタ係数データF、エンベロープスピードデータES、エンベロープレベルデータELなどは、音楽的ファクタに応じて変化する。
【0067】
この書き込みは、各チャンネルの楽音ごとに行われ、各楽音の音楽的ファクタに基づいて、対応する減衰率データD、フィルタ係数データF、エンベロープスピードデータES、エンベロープレベルデータELなどが読み出される。この音楽的ファクタは、タッチデータTC、トーンナンバデータTN(音色)、キーナンバデータKN(音高)、パートナンバデータPN、トーンタイムデータTM(発音経過時間)、同時発音数データSSなどである。上記音楽的ファクタには、ダンパペダル16のオン/オフ、キーボード11のキーのオン/オフも含まれる。
【0068】
上述のように減衰率データDは「1」以下の値であり、減衰率データDが大きいと、遅延量(時間)が長くなり、残響も大きくなる。減衰率データDは、上記キーオン(発音操作)/直接音の楽音については大きく、ダンパパダル16のオン時、キーオフ/共鳴音の楽音については小さくされる。むろん一致していてもよいし、逆でもよい。
【0069】
(7)共鳴係数テーブル17
図7はプログラム/データ記憶部4内の共鳴係数テーブル17を示す。この共鳴係数テーブル17内の各共鳴係数データRは、あるキーナンバデータKNの楽音と他のキーナンバデータKNの楽音との共鳴関係の高さを示す。例えば、キーナンバC1に対して、キーナンバC2は2倍音の関係にあるので、共鳴係数データRは「0.8」と高く、キーナンバC1に対して、キーナンバD2は全音の音程関係なので共鳴係数データRは「0.1」と低くなっている。
【0070】
この共鳴係数データは、1:n(n=1、2、3、4、5、6、…)の周波数比の関係にあるときが高く、次いで、2:3n(n=1、2、3、…)(完全5度など)、3:4n(n=1、2、3、…)(完全4度など)、3:5n(n=1、2、3、…)(長六度など)、4:5n(n=1、2、3、…)(長三度など)、5:6n(n=1、2、3、…)(短三度など)、…の周波数比の関係にあるときが順次高くなる。ただし、上記1:n(n=1、2、3、4、5、6、…)の周波数比の関係は、「n」の値が大きくなるほど、共鳴係数データは小さくなる。
【0071】
同時に発音されているすべての楽音、またはダンパパダル16がオンされているときのキーオフ中の全楽音/全共鳴音の相互の共鳴係数データRがこの共鳴係数テーブル17から求められ、各共鳴係数データRが合算(加算合成)される。この算出された共鳴係数データRに基づいて、残響特性の遅延率または減衰率が変更される。
【0072】
上記同時に発音されている楽音のキーナンバデータKNは、次述するアサインメントメモリ40から読み出される。このキーナンバデータKNは、アサインメントメモリ40に書き込まれて発音されていてオン/オフデータが「1」の楽音のものである。むろん、オン/オフデータが「0」のリリース中のものも含まれてもよい。
【0073】
上述のように共鳴係数データRは「1」以下の値であり、共鳴係数データRが大きいと、エンベロープ波形データENのレベルが大きくなり、音量も大きくなる。共鳴係数データRは、上記キーオン(発音操作)/直接音の楽音については大きく、ダンパパダル16のオン時、キーオフ/共鳴音の楽音については小さくされる。むろん一致していてもよいし、逆でもよい。
【0074】
(8)アサインメントメモリ40
図8は、楽音信号発生部5のアサインメントメモリ40を示す。アサインメントメモリ40には、複数(32、64、88、128または256等)のチャンネルメモリエリアが形成されており、上記楽音信号発生部5に形成された複数の楽音生成チャンネルに割り当てられた楽音信号TSの直接音及び共鳴音に関するデータが記憶される。
【0075】
これら各チャンネルメモリエリアには、チャンネルが割当られた各楽音信号TSのキーナンバデータKN(周波数ナンバデータFN)、共鳴係数データR、減衰率データD、音像データSI、エンベロープデータなどが記憶される。なお、トーンナンバデータTN、タッチデータTC、トーンタイムデータTM、パートナンバデータPN、上記オン/オフデータ等も記憶される。
【0076】
なおキーナンバデータKN(周波数ナンバデータFN)は省略可能である。アサインメントメモリ40にはキーボード11の全弦及び全鍵の楽音データが記憶されるためである。
【0077】
オン/オフデータは割り当られ発音する楽音がキーオン中または発音中(“1”)かキーオフ中または消音中(“0”)かを示す。周波数ナンバデータFNは割り当られ発音する楽音の周波数値を示し、上記キーナンバデータKNから変換される。上記プログラム/データ記憶部4には、この変換のためのテーブル(デコーダ)が設けられている。
【0078】
上記エンベロープデータは、各エンベロープフェーズのエンベロープスピードデータES及びエンベロープレベルデータELからなっている。エンベロープスピードデータESはエンベロープのデジタル演算1周期当たりの演算のステップ値を示す。
【0079】
エンベロープレベルデータELは各フェーズのエンベロープ演算の到達目標値を示す。エンベロープジェネレータ49の中のフェーズカウンタ(図示せず)からのカウント値はエンベロープフェーズデータEFとしてこのアサインメントメモリ40に記憶される。これらエンベロープデータは上記トーンナンバデータTNなどの音楽的ファクタまたはパネルスイッチ群13の操作者による選択操作に基づいてプログラム/データ記憶部4から読み出される。
【0080】
キーナンバデータKNは割り当られ発音する楽音の音高(周波数)を示し、上記音高情報に応じて決定される。このキーナンバデータKNは、オンイベントがあって当該楽音がチャンネル割り当てされ合成されるたびに、キーナンバデータKNがアサインメントメモリ40の該当チャンネルメモリエリアに記憶され、オフイベントのたびに対応するキーナンバデータKNは消去される。キーナンバデータKNの上位データは音域またはオクターブを示し、下位データは音名を示す。
【0081】
トーンナンバデータTNは、割り当てられ発音する楽音の音色を示し、上記音色情報に応じて決定される。このトーンナンバデータTNが異なれば音色も異なり、この楽音の楽音波形も異なる。タッチデータTCは、発音操作の速さまたは強さを示し、上記タッチ情報に応じて決定される。パートナンバデータPNは、上述したように各演奏エリアを示し、発音操作された楽音がどの演奏エリアからのものかによって設定される。トーンタイムデータTMは、キーオンイベントからの経過時間を示す。
【0082】
これら各チャンネルメモリエリアの各データは、オンタイミング及び/又はオフタイミングに書き込まれ、各チャンネルタイミングごとに書き換えられたり、読み出されたりして、上記楽音信号発生部5で処理される。このアサインメントメモリ40は、楽音信号発生部5の中ではなく、プログラム/データ記憶部4またはコントローラ2の中に設けてもよい。
【0083】
上記時分割処理によって形成されるチャンネル、つまり複数の楽音発生システムへの各楽音の割り当て方法またはトランケート方法は、例えば特願平1−42298号、特願平1−305818号、特願平1−312175号、特願平2−208917号、特願平2−409577号、特願平2−409578号に示される。
【0084】
(9)処理全体
図9はコントローラ(CPU)2によって実行される処理全体のフローチャートを示す。この処理全体は本楽音生成装置の電源オンによって開始され、電源オフまで繰り返し実行される。まず、プログラム/データ記憶部4の初期化など種々のイニシャライズ処理が行われ(ステップ01)、上記キーボード11での手動演奏またはプログラム/データ記憶部4からの自動演奏に基づき、発音処理が行われる(ステップ03)。
【0085】
この発音処理では、空きチャンネルがサーチされ、サーチされた空きチャンネルにオンイベントに係る楽音が割り当てられる。この楽音の内容は、上記キーボード11及びパネルスイッチ群13からの演奏情報(楽音発生情報)、楽音発生情報の音楽的ファクタ及びこのときプログラム/データ記憶部4の音楽的ファクタテーブル10、共鳴係数テーブル17なども使用される。
【0086】
この場合、サーチされた空きチャンネルのアサインメントメモリ40のエリアに「1」のオン/オフデータ、キーナンバデータKN(周波数ナンバデータFN)などが書き込まれる。また、上記音楽的ファクタテーブル10、共鳴係数テーブル17が使用されて、音楽的ファクタから、共鳴係数データR、減衰率データD、エンベロープスピードデータES、エンベロープタイムデータELも求められ、サーチされた空きチャンネルのアサインメントメモリ40のエリアに書き込まれる。さらに、トーンナンバデータTN、タッチデータTC、パートナンバデータPN、「0」のトーンタイムデータTMも書き込まれる。
【0087】
これにより、キーオン(発音操作)に応じて、楽音波形メモリ41からオンキー(発音操作)に対応するキーナンバデータKN(弦または音高)の打弦衝撃音が先頭アドレスTAから読み出しさせられる。そして、この打弦衝撃音が読み出されると、当該キーナンバデータKN(弦または音高)の上記弦振動音が中間アドレスMAから読み出しされる。
【0088】
次いで、上記キーボード11/パネルスイッチ群13での手動演奏またはプログラム/データ記憶部4からの自動演奏に基づき、消音(減衰)処理が行われる(ステップ05)。この消音(減衰)処理では、オフイベント(キーオフイベント、消音イベント)に係る楽音が割り当てられているチャンネルがサーチされ、アサインメントメモリ40内のオン/オフデータが「0」にされ、当該楽音が減衰され消音される。この場合、キーオフイベントに係る楽音のエンベロープフェーズがリリースとなり、エンベロープレベルが次第に「0」になる。
【0089】
この場合、ダンパパダル16がオンされていれば、キーオフがあっても、オン/オフデータは「0」にされず、楽音は鳴り続ける。ダンパパダル16がオフされたときに、オン/オフデータが「0」にされて消音される。
【0090】
さらに、上記パネルスイッチ群13の各種スイッチの操作があれば、このスイッチに対応する音楽的ファクタ情報が取り込まれ、プログラム/データ記憶部4に記憶され、音楽的ファクタ情報が変更される(ステップ06)。この後、その他の処理が実行され(ステップ07)、上記ステップ02からこのステップ07までの処理が繰り返される。
【0091】
(10)各種スイッチ処理
図10は上記ステップ06の各種スイッチ処理のフローチャートを示す。上記ダンパペダル16がオンされると(ステップ11)、コントローラ2によって、ダンパペダル16のオン信号が楽音波形読み出し回路42のラッチ57及び楽音信号発生部5のラッチ46dにストアされる(ステップ12)。
【0092】
次いで、アサインメントメモリ40の中のオン/オフデータが「1」のキーオン中のキーナンバKNがサーチされ(ステップ13)、このキーオン中のキーナンバKN以外の全てのキーナンバデータKNがアサインメントメモリ40に書き込まれる(ステップ14)。そして、読み出しアドレスシフトレジスタ61のキーオフの全チャンネルの全エリアにオンイベント信号がリセット信号として送られる(ステップ15)。
【0093】
これにより、楽音波形メモリ41のキーオフされている(発音操作の行われない)のキーナンバKN(弦または音高)の楽音波形データの中間アドレスMAから弦振動音/共鳴音の読み出しが開始される。この弦振動音/共鳴音は、キーオンされている打弦衝撃音または弦振動音/直接音と、累算器47で合成されて出力される。よって、ダンパペダル16のオンにより、キーオン(発音操作)された楽音(弦音または音高音)と、キーオフされている(発音操作されてない)楽音(弦音または音高音)との間の共鳴効果が実現される。
【0094】
また、キーオン/発音操作の行われている打弦衝撃音と弦振動音の読み出し開始タイミングまたは出力開始タイミングは、キーオン/発音操作の行われていない弦振動音の読み出し開始タイミングまたは出力開始タイミングより早くなる。さらに、キーオン/発音操作の行われる打弦衝撃音と弦振動音の読み出し開始アドレスは、キーオン/発音操作の行われない弦振動音の読み出し開始アドレスとは異なる、またはより前にある。
【0095】
次いで、残響付加回路44の中の減衰率シフトレジスタ74のキーオフの全チャンネルの全エリアに所定の減衰率データDが書き込まれ(ステップ16)、残響付加回路44の中の減衰率シフトレジスタ74のキーオンのチャンネルのエリアの減衰率データDが大きい値に書き換えられる(ステップ17)。この場合、キーオン中の減衰率データDはキーオフ中の減衰率データDより大きいが、場合によって同じでも小さくてもよい。
【0096】
これにより、ダンパパダル16のオンにより、キーオン中(直接音)及びキーオフ中(共鳴音)の打弦衝撃音及び弦振動音に残響が付加される。また、キーオン/発音操作の行われている打弦衝撃音と弦振動音の残響は、キーオン/発音操作の行われていない弦振動音の残響と異なる、またはより大きく制御される。さらに、キーオン/発音操作の行われない弦振動音の遅延量は、キーオン/発音操作の行われる打弦衝撃音と弦振動音の遅延量と異なる、またはより大きくより遅れて出力される。
【0097】
そして、上記ステップ13でサーチされたキーオン中のキーナンバデータKNにつき、共鳴係数テーブル17から他のキーオフ中のキーナンバデータKNについての共鳴係数データRが求められる(ステップ18)。この場合、キーオン中のキーナンバKNが複数あれば、それぞれの共鳴係数データRが加算/累算されて、加算数で除算される。
【0098】
この求められた共鳴係数データRは、アサインメントメモリ40の対応するキーナンバKNのメモリエリアに書き込まれる(ステップ19)。次いで、音楽的ファクタテーブル10からキーオフ中の共鳴音の各エンベロープフェーズのエンベロープレベルデータEL及びエンベロープスピードデータES等が読み出されアサインメントメモリ40の対応するキーナンバKNのメモリエリアに書き込まれる(ステップ20)。
【0099】
この場合、キーオン中の直接音の共鳴係数データRは「1.0」であり、キーオフ中の間接音の共鳴係数データRは「1」以下であり、これらの共鳴係数データRはそれぞれのエンベロープレベルデータELに乗算器48で乗算される。
【0100】
これにより、キーオン/発音操作の行われる打弦衝撃音と弦振動音の音量は、キーオン/発音操作の行われない弦振動音の音量と異なる、またはより大きく制御される。また、キーオン/発音操作の行われる打弦衝撃音と弦振動音のエンベロープは、キーオン/発音操作の行われない弦振動音のエンベロープと形状が異なる、またはより大きく制御される。
【0101】
また、ダンパペダル16がオフされると(ステップ21)、コントローラ2によって、楽音波形読み出し回路42のラッチ57及び楽音信号発生部5のラッチ46d内のダンパペダル16のオン信号がクリアされる(ステップ22)。これにより、エンベロープジェネレータ49に送り込まれていた「1」のオン/オフデータが「0」にされ、エンベロープがリリースに入り、消音処理が実行される。
【0102】
次いで、残響付加回路44の中の減衰率シフトレジスタ74のキーオフの全チャンネルの全エリアの減衰率データDが元に戻されるまたは「0」にされる(ステップ23)。そして、残響付加回路44の中の減衰率シフトレジスタ74のキーオンのチャンネルのエリアの減衰率データDが元の値に戻されるまたは「0」にされる(ステップ24)。
【0103】
これにより、ダンパペダル16のオフにより、残響が消去される、またはダンパペダル16のオン前の残響に戻される。そして、アサインメントメモリ40内のオン/オフデータが「0」の共鳴音のエリアの全ての共鳴係数データRが「0」にされる(ステップ25)。
【0104】
次いで、ダンパペダル16がオン中にキーオフされたキーがサーチされる(ステップ26)。このとき、アサインメントメモリ40内のオン/オフデータが「1」であり、キーボードスキャン回路12のスキャンではオン/オフが「0」となっているキーがサーチされる。
【0105】
このサーチされたキーのアサインメントメモリ40内のオン/オフデータが「0」にされる(ステップ27)。これにより、エンベロープジェネレータ49に「0」のオン/オフデータが送り込まれ、エンベロープがリリースに入り、消音処理が実行される。
【0106】
なお、上記ステップ14のキーオフチャンネル/共鳴音のキーナンバデータKN、ステップ15の読み出しアドレスシフトレジスタ61内のキーオフチャンネル/共鳴音の下位読み出しアドレスデータ、ステップ16の減衰率シフトレジスタ74内のキーオフチャンネル/共鳴音の減衰率データDは、ステップ01のイニシャライズ処理で予め書き込まれていてもよい。この場合、上記ステップ23の処理は省略される。
【0107】
(11)第2実施例
図11及び図12は第2実施例を示し、図11はエンベロープジェネレータ49で生成されるエンベロープ波形を示す。キーオン/発音操作による直接音のエンベロープ波形は、図11(1)に示すように、キーオンから急激に立ち上がってアタック、ディケイ、サスティン、リリースと変化する。このエンベロープ波形の先頭及び末尾が上記楽音波形データMWの先頭アドレスデータTA及びエンドアドレスデータEAに一致し、サスティンの中に順番に中間アドレスデータMA、リピートトップアドレスデータRT、リピートエンドアドレスデータREが位置する。
【0108】
先頭のアタックからディケイを経て中間アドレスMAまでが打弦衝撃音に合成され、中間アドレスMAからエンドアドレスデータEAまでが弦振動音に合成される。なお、ディケイとサスティンの境界、中間アドレスMAまたは/及びリピートトップアドレスRTは一致していてもよいし、サスティンとリリースの境界とリピートエンドアドレスREとが一致していてもよい。
【0109】
このような直接音のエンベロープ波形を形成するエンベロープレベルデータELとエンベロープスピードデータESとは、キーオン時、音楽的ファクタテーブル10から読み出され、ステップ03の発音処理でアサインメントメモリ40に書き込まれる。
【0110】
また、キーオン/発音操作によらない共鳴音のエンベロープ波形は、図11(2)に示すように、キーオンの先頭からしばらくほぼ「0」レベルが続き中間アドレスMAからゆるやかに立ち上がってアタック、サスティン、リリースと変化する。このエンベロープ波形の先頭及び末尾が上記楽音波形データMWの先頭アドレスデータTA及びエンドアドレスデータEAに一致し、上記緩やかなアタックの中に中間アドレスMAが位置し、サスティンの中に順番にリピートトップアドレスデータRT、リピートエンドアドレスデータREが位置する。
【0111】
この共鳴音の先頭部分はレベルがほぼ「0」であるから、楽音波形データMWの先頭部分の打弦衝撃音が読み出されても、この打弦衝撃音は出力されない。中間アドレスMAからエンドアドレスデータEAまではエンベロープ波形にレベルがあるので、弦振動音は合成されて出力される。なお、アタックとサスティンの境界、中間アドレスMAまたは/及びリピートトップアドレスRTは一致していてもよいし、サスティンとリリースの境界とリピートエンドアドレスREとが一致していてもよい。
【0112】
このような共鳴音のエンベロープ波形を形成するエンベロープレベルデータELとエンベロープスピードデータESとは、ダンパペダル16のオン時、音楽的ファクタテーブル10から読み出され、ステップ03の発音処理またはステップ01のイニシャライズ処理でアサインメントメモリ40に書き込まれる。ステップ20の処理は省略される。
【0113】
したがって、ダンパペダル16の操作によって上記弦振動音及び上記弦振動音のエンベロープ波形が変化することになるし、共鳴音のエンベロープ波形の生成が開始されることになる。
【0114】
また、楽音波形読み出し回路42のラッチ54、ゲート55アンドゲート58、ラッチ57、楽音信号発生部5のラッチ46d、オアゲート46eは省略される。読み出しアドレスシフトレジスタ61には全共鳴音の下位読み出しアドレスデータもストアされて歩進され、エンベロープジェネレータ49にも全共鳴音の鳴音のエンベロープレベルデータELとエンベロープスピードデータESもストアされてエンベロープ波形が生成される。
【0115】
図12は第2実施例の楽音信号発生部5の一部を示す。上記エンベロープジェネレータ49と乗算器43との間にはゲート81が設けられ、このゲート81には上記アサインメントメモリ40からのオン/オフデータがオアゲート82を介して送られ、またダンパペダル16のオン信号もラッチ83にストアされてオアゲート82を介して送られる。
【0116】
これにより、エンベロープジェネレータ49で生成される全音高/全弦のエンベロープ波形データENのうち、オン/オフデータが「1」の図11(1)のエンベロープ波形データENだけが乗算器43に送られる。ただし、ダンパペダル16がオンされると、図11(2)も含む直接音及び共鳴音の全音高/全弦のエンベロープ波形データENが出力される。よって、キーオン/発音操作された弦または音高とキーオン/発音操作の行われない弦または音高との間の共鳴効果が実現される。他の構成及び動作は上記第1実施例と同じである。
【0117】
(12)第3実施例
図13及び図14は第3実施例を示し、図13は上記フィルタ回路45を示す。上記残響付加回路44からの楽音波形データMWは、デマルチプレクサ91を経て、デジタルフィルタ92またはデジタルフィルタ93のいずれかに入力されて、フィルタ処理されて上記累算器47へ送られる。
【0118】
上記音楽的ファクタテーブル10から読み出されたフィルタ係数データFは、コントローラ2によってフィルタ係数メモリ94及び95にストアされ、このデジタルフィルタ92及び93に送られる。上記デマルチプレクサ91には、上記アサインメントメモリ40から読み出されるオン/オフデータが送られ、デジタルフィルタ92にはキーオンされる直接音の楽音波形データMWが入力され、デジタルフィルタ93にはキーオンされない共鳴音の楽音波形データMWが入力される。
【0119】
図14(1)はデジタルフィルタ92のフィルタ特性を示し、全周波数帯域にわたって通過特性を有し、図14(2)はデジタルフィルタ93のフィルタ特性を示し、高調波帯域に阻止特性を有するとともに、低周波帯域に減衰特性を有する。
【0120】
したがって、デジタルフィルタ92では、入力される楽音波形データMWの周波数成分が変化せず、そのままの状態で出力される。したがって、デジタルフィルタ92からは打弦衝撃音と弦振動音とが出力される。また、デジタルフィルタ93では、入力される楽音波形データMWの高調波帯域と低周波帯域の周波数成分が変化する。
【0121】
したがって、デジタルフィルタ92からは打弦衝撃音はカットされ、弦振動音のみが出力される。なお、図示しないが、デマルチプレクサ91とデジタルフィルタ93との間にはゲートが設けられ、このゲートにはダンパペダル16のオン信号がラッチを介して送られる。
【0122】
したがって、ダンパペダル16の操作よって上記弦振動音及び上記弦振動音のフィルタ処理内容がデジタルフィルタ92からデジタルフィルタ93へ切り換えられ、フィルタ特性が変化する。または、共鳴音を生成するためのフィルタ処理が開始されることになる。なお、デジタルフィルタ93の低周波帯域の減衰特性はなくてもよいし、低周波帯域は阻止特性であってもよい。他の構成及び動作は上記第2実施例と同じである。
【0123】
(13)第4実施例
図15及び図16は第4実施例のサウンドシステム6を示す。上記楽音信号発生部5からの楽音信号TSは、ディレイ回路101LA、101LB、101RA、101RBで遅延され、乗算器102LA、102LB、102RA、102RBで音像データSIが乗算され、累算器103LA、103LB、103RA、103RBで累算され、D−A変換器104LA、104LB、104RA、104RBでアナログ信号に変換され、アンプ105LA、105LB、105RA、105RBで増幅され、スピーカー106LA、106LB、106RA、106RBから放音される。
【0124】
ディレイ回路101LA、101LB、101RA、101RBでは、送られてくる音像データSIに応じて入力された楽音信号TSが遅延される。このスピーカー106LA、106LB、106RA、106RBは左奥、左手前、右奥及び右手前または左上、左下、右上及び右下に配置され、またはヘッドホンに組み込まれる。いずれかのスピーカーから発音される楽音信号TSの大きさが変化されること、またはいずれかの楽音信号TSのディレイ量が変化されることによって、音像位置が変化する。
【0125】
この音像データSIは、プログラム/データ記憶部4の音楽的ファクタテーブル10に8つずつ記憶されており、上記音楽的ファクタに応じた音像データSIが8つ1組読み出され、アサインメントメモリ40の割り当てチャンネルエリアに書き込まれる。この書き込まれた音像データSIは、4つのサウンドシステムに対応しており、ゲート群107を介して、上記ディレイ回路101LA、101LB、101RA、101RB、乗算器102LA、102LB、102RA、102RBに送られる。
【0126】
音像データSIは、左右及び上下または前後の楽音信号(音響信号)TSの位相(時間)の差及び振幅(大きさ)の差を示す。また、この音像データSIの値の大きさによって、楽音信号(音響信号)TSの直接音と共鳴音または弦衝撃音と弦振動音との間の音像関係がそれぞれ変化する。
【0127】
例えば、音像データSIの値が適当に選択されることによって、直接音または弦衝撃音の音像を手前とし、共鳴音または弦振動音の音像を奥にできる。この場合、共鳴音または弦振動音の音像をキーナンバKNに応じて左から右まで一列に配列できる。
【0128】
なお、これらの音像はこれ以外の位置であってもよい。このように、直接音の音像と共鳴音の音像、または発音操作の行われる弦衝撃音及び弦振動音の音像と発音操作の行われない弦振動音の音像と異ならせたり、同じにしたりできる。
【0129】
この音像データSIは「0」より大きいプラス値であり、音像データSIが「1」より大きければ、一方の信号の振幅が他方の信号の振幅より大きくなり、音像データSIが「1」より小さければ、一方の信号の振幅が他方の信号の振幅/大きさより小さくなる。また、音像データSIが「0」であれば位相(時間)の差がなく、音像データSIが「0」より大きければ、一方の信号の位相(時間)が他方の信号の位相(時間)より遅れる。
【0130】
上記ゲート107には上記アサインメントメモリ40からのオン/オフデータがオアゲート108を介して送られ、またダンパペダル16のオン信号もラッチ109にストアされてオアゲート108を介して送られる。
【0131】
これにより、オン/オフデータが「1」の楽音信号TSだけに音像データSIが供給されて音像が形成される。ただし、ダンパペダル16がオンされると、共鳴音または弦振動音にも音像データSIが供給されて音像が形成される。よって、キーオン/発音操作された弦または音高とキーオン/発音操作の行われない弦または音高とは、異なる音像で共鳴される。また、ダンパペダル16の操作によって上記弦振動音または共鳴音の音像が形成される。他の構成及び動作は上記第1実施例乃至第3実施例と同じである。
【0132】
なお、乗算器102LA、102LB、102RA、102RBは省略されてもよい。 これにより、位相制御だけによって音像形成がされる。さらに、ディレイ回路101LA、101LB、101RA、101RBも省略されてもよい。これにより、音量制御だけによって音像が形成される、または音像も形成されない。なお、この第4実施例では上記図3の累算器47は省略される。
【0133】
以上のように、上記弦衝撃音または/及び上記弦振動音は複数のサウンドシステムに分配され、上記音楽的ファクタに応じて音像データSIが発生され、この発生された音像データSIに応じて、当該分配される複数の弦衝撃音または/及び弦振動音のそれぞれの振幅または位相に差が付加されることになる。また、弦衝撃音の振幅または位相と上記弦振動音の振幅または位相とに差が付加されることになる。
【0134】
(14)ディレイ回路101
図16は上記ディレイ回路101LA、101LB、101RA、101RBの1つを示す。上記楽音信号TSは、ディレイ素子111に入力されて順次シフトされて送られる。このディレイ素子111はCCD(チャージカップルドデバイス)などからなり、印加されるクロック信号φによって、入力された楽音信号TSは各素子にわたって順次シフトされる。このクロック信号φの周波数は、楽音波形信号MWのサンプリング周波数と同じまたは整数倍若しくは整数分の1である。
【0135】
このディレイ素子111の各素子の出力はデータセレクタ112を介していずれかが選択されて上記乗算器102LA、102LB、102RA、102RBに送られる。チャンネルナンバデータCHNoはシフタ113で上記音像データSIによってビットシフトされ、ラッチ114を介して、このデータセレクタ112に供給される。
【0136】
上記ディレイ素子111には各チャンネルの楽音信号TSが周期的に繰り返し書き込まれている。上記チャンネルナンバデータCHNoがセレクト信号としてデータセレクタ112に送られるので、この周期的に書き込まれている各チャンネルの楽音信号TSのうち、対応するチャンネルの楽音信号TSのみが選択される。また、チャンネルナンバデータCHNoが音像データSIに応じてビットシフトされるので、音像データSIに応じたディレイ位置の楽音信号TSデータが選択される。
【0137】
(15)他の実施例
本発明は上記実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記楽音波形データMWは、ある波形が周期的に繰り返されるものであったが、複雑な変化をするアタック部分の波形や、アタックからリリースまで必ずしも周期的とはいえないPCM波形や、ほとんど周期的に変化しないノイズのような音のように、音響信号はもともと周期性がないものであってもよいし、振動信号であってもよい。
【0138】
上記サウンドシステム6の4つのステレオチャンネルは1つだけにされてモノラルにされてもよい。この場合、上記楽音信号TS(弦衝撃音及び弦振動音)は分配されないことになり、音像データSIは省略される。また、ダンパペダル16は省略されても良い。
【0139】
図1乃至図16等の回路及び機構は、複数の場所に分散され、それぞれインターネットなどの通信システムを介して互いに情報または処理結果が送受されて、上述の処理が行われてもよい。また、上記図9乃至図10等のフローチャート若しくは上記各演算に応じたプログラム、オペレーティングシステムまたは/及びシステムプログラムは複数の場所に分散されて実行され、それぞれインターネットなどの通信システムを介して互いに情報または処理結果が送受されて、上述の処理が行われてもよい。本発明はコンピュータプログラム自体、コンピュータプログラムを記憶した記憶媒体、当該コンピュータプログラムの通信媒体/通信方法/通信装置としても成立する。
【0140】
(16)本発明の説明
[1]打弦楽器の打弦による打弦衝撃音とこれに続く弦振動音とを、複数の異なる弦または音高につき、それぞれ記憶する記憶手段と、 発音操作に応じて、この記憶手段の発音操作に対応する弦または音高の打弦衝撃音を読み出し、この打弦衝撃音を読み出した後、当該弦または音高の上記弦振動音を読み出す第1の読み出し手段と、 発音操作の行われない他の弦または音高の弦振動音を上記記憶手段から読み出す第2の読み出し手段と、 これら第1及び第2の読み出し手段から読み出された打弦衝撃音及び弦振動音を合成して出力する出力手段とを備え、 発音操作された弦または音高と発音操作の行われない弦または音高との間の共鳴効果を実現することを特徴とする共鳴装置。これにより、発音操作による直接音には打弦衝撃音が含まれ、発音操作によらない共鳴音には打弦衝撃音が含まれず、直接音と共鳴音との音質が異なることが可能となる。
【0141】
[2]打弦楽器の打弦による打弦衝撃音とこれに続く弦振動音とを、複数の異なる音高につき、それぞれ記憶する記憶手段と、 発音操作に応じて、この記憶手段の発音操作に対応する弦または音高の打弦衝撃音を読み出し、この打弦衝撃音を読み出した後、当該弦または音高の上記弦振動音を読み出し、この読み出した打弦衝撃音と弦振動音とに対し、先頭に立ち上がり部分のあるエンベロープを合成する第1の読み出し手段と、 発音操作の行われない他の弦または音高の弦振動音を上記記憶手段から読み出し、この読み出した打弦衝撃音と弦振動音とに対し、先頭にレベルがほぼ「0」の部分のあるエンベロープを合成する第2の読み出し手段と、 これら第1及び第2の読み出し手段から読み出された打弦衝撃音及び弦振動音を合成して出力する出力手段とを備え、 発音操作された弦または音高と発音操作の行われない弦または音高との間の共鳴効果を実現することを特徴とする共鳴装置。これにより、発音操作による直接音には打弦衝撃音が含まれ、発音操作によらない共鳴音には打弦衝撃音が含まれず、直接音と共鳴音との音質が異なることが可能となる。
【0142】
[3]打弦楽器の打弦による打弦衝撃音とこれに続く弦振動音とを、複数の異なる弦または音高につき、それぞれ記憶する記憶手段と、 発音操作に応じて、この記憶手段の発音操作に対応する弦または音高の打弦衝撃音を読み出し、この打弦衝撃音を読み出した後、当該弦または音高の上記弦振動音を読み出し、この読み出した打弦衝撃音と弦振動音とに対し、全周波数帯域にわたって通過特性を有するフィルタ処理を行う第1の読み出し手段と、 発音操作の行われない他の弦または音高の弦振動音を上記記憶手段から読み出し、この読み出した打弦衝撃音と弦振動音とに対し、高調波帯域に阻止特性を有するフィルタ処理を行う第2の読み出し手段と、 これら第1及び第2の読み出し手段から読み出された打弦衝撃音及び弦振動音を合成して出力する出力手段とを備え、 発音操作された弦または音高と発音操作の行われない弦または音高との間の共鳴効果を実現することを特徴とする共鳴装置。これにより、発音操作による直接音には打弦衝撃音が含まれ、発音操作によらない共鳴音には打弦衝撃音が含まれず、直接音と共鳴音との音質が異なることが可能となる。
【0143】
[4]上記弦振動音によって共鳴音が形成され、上記弦衝撃音及び弦振動音によって直接音が形成され、上記第2の読み出し手段は、ペダル操作によって読み出しを行い、発音操作の行われない他の音高の弦振動音の音量レベルを下げて出力し、 またはペダル操作によって記憶されている上記直接音の途中または上記弦振動音及び上記弦振動音の途中から読み出され、 またはペダル操作によって上記弦振動音及び上記弦振動音のエンベロープ波形が変化し、 またはペダル操作によって上記弦振動音及び上記弦振動音のフィルタ特性が変化して、共鳴音を生成するためのフィルタ処理が開始され、またはペダル操作によって上記弦振動音または共鳴音の音像が形成されることを特徴とする請求項1、2または3記載の共鳴装置。これにより、ペダル操作によって、出力される楽音の内容が変化し共鳴効果を出すことができる。
【0144】
[5]上記発音操作の行われている打弦衝撃音と弦振動音の読み出し開始タイミングまたは出力開始タイミングは、上記発音操作の行われていない弦振動音の読み出し開始タイミングまたは出力開始タイミングより早いことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の共鳴装置。これにより、直接音が共鳴音より早く出力され、共鳴音が直接音より遅れる。
【0145】
上記発音操作の行われている打弦衝撃音と弦振動音の読み出し終了タイミングまたは出力終了タイミングは、上記発音操作の行われていない弦振動音の読み出し終了タイミングまたは出力終了タイミングとほぼ同じであることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の共鳴装置。これにより、直接音と共鳴音とを同じタイミングで終わらせることができる。
【0146】
上記発音操作の行われる打弦衝撃音と弦振動音の読み出し開始アドレスは、上記発音操作の行われない弦振動音の読み出し開始アドレスとは異なる、またはより前にあることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の共鳴装置。これにより、直接音が共鳴音より早く出力され、共鳴音が直接音より遅れる。
【0147】
上記発音操作の行われている打弦衝撃音と弦振動音の残響は、上記発音操作の行われていない弦振動音の残響と異なる、またはより大きく制御され、 上記発音操作の行われない弦振動音の遅延量は、上記発音操作の行われる打弦衝撃音と弦振動音の遅延量と異なる、またはより大きくより遅れて出力されることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の共鳴装置。これにより、直接音の残響は共鳴音の残響より大きくなるまたは異ならせることができる。
【0148】
上記発音操作の行われる打弦衝撃音と弦振動音の音量は、上記発音操作の行われない弦振動音の音量と異なる、またはより大きく制御され、 上記発音操作の行われる打弦衝撃音と弦振動音のエンベロープは、上記発音操作の行われない弦振動音のエンベロープと形状が異なる、またはより大きく制御されることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の共鳴装置。これにより、直接音の音量を共鳴音の音量より小さくまたは異ならせることができる。
【0149】
上記発音操作の行われる打弦衝撃音と弦振動音のフィルタ処理内容は、上記発音操作の行われない弦振動音のフィルタ処理内容と異なる、または高周波成分と低周波成分がより強調され、 上記発音操作の行われる打弦衝撃音と弦振動音の音像は、上記発音操作の行われない弦振動音の音像と異なることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の共鳴装置。これにより、直接音の音質または周波数成分と共鳴音の音質または周波数成分とを異ならせることができる。
【0150】
[6]上記発音操作の行われている打弦衝撃音が読み出されるとき、ペダル操作があると、上記発音操作の行われない弦振動音が読み出されることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の共鳴装置。これにより、ペダル操作によって、出力される楽音の内容が変化し共鳴効果を出すことができる。
【0151】
[7]上記発音操作の行われない弦振動音の読み出しにおけるフィルタ処理は低周波帯域に減衰特性を有するフィルタ処理も行うことを特徴とする請求項3記載の共鳴装置。これにより、人間の耳に聞こえやすい共鳴音を出すことができる。
【0152】
[8]上記弦衝撃音または/及び上記弦振動音は複数のサウンドシステムに分配され、上記音楽的ファクタに応じて音像データが発生され、この発生された音像データに応じて、当該分配される複数の弦衝撃音または/及び弦振動音のそれぞれの振幅または位相に差が付加される、または弦衝撃音の振幅または位相と上記弦振動音の振幅または位相とに差が付加されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の共鳴装置。これにより、直接音以外に共鳴音にも音像を形成することができ、直接音と共鳴音の音像を異ならせることができる。
【0153】
[9]打弦楽器の打弦による打弦衝撃音とこれに続く弦振動音とを、複数の異なる弦または音高につき、それぞれ記憶する記憶手段に対し、 発音操作に応じて、この記憶手段の発音操作に対応する弦または音高の打弦衝撃音を読み出し、この打弦衝撃音を読み出した後、当該弦または音高の上記弦振動音を読み出しさせる工程と、 発音操作の行われない他の弦または音高の弦振動音を上記記憶手段から読み出しさせる工程と、 これらの工程で読み出された打弦衝撃音及び弦振動音を出力させる工程と、を備え、 発音操作された弦または音高と発音操作の行われない弦または音高との間の共鳴効果を実現させることを特徴とする共鳴方法。これにより、発音操作による直接音には打弦衝撃音が含まれ、発音操作によらない共鳴音には打弦衝撃音が含まれず、直接音と共鳴音との音質が異なることが可能となる。
【0154】
[10]打弦楽器の打弦による打弦衝撃音とこれに続く弦振動音とを、複数の異なる音高につき、それぞれ記憶する記憶手段に対し、 発音操作に応じて、この記憶手段の発音操作に対応する弦または音高の打弦衝撃音を読み出しさせ、この打弦衝撃音を読み出した後、当該弦または音高の上記弦振動音を読み出しさせる処理と、 発音操作の行われない他の弦または音高の弦振動音を上記記憶手段から読み出しさせる処理と、 これらの処理で読み出された打弦衝撃音及び弦振動音を出力させる処理と、をコンピュータに実行させ、 発音操作された弦または音高と発音操作の行われない弦または音高との間の共鳴効果を実現させることを特徴とする共鳴のためのコンピュータプログラム。これにより、発音操作による直接音には打弦衝撃音が含まれ、発音操作によらない共鳴音には打弦衝撃音が含まれず、直接音と共鳴音との音質が異なることが可能となる。
【0155】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、発音操作に応じて、発音操作に対応する弦または音高の打弦衝撃音を読み出し、この打弦衝撃音を読み出した後、当該弦または音高の上記弦振動音を読み出して出力し、発音操作の行われない他の弦または音高の弦振動音を読み出して出力するようにした。
【0156】
したがって、発音操作による直接音には打弦衝撃音が含まれ、発音操作によらない共鳴音には打弦衝撃音が含まれず、直接音と共鳴音との音質が異なることが可能となる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】共鳴装置、楽音発生装置または電子楽器の全体回路を示す。
【図2】楽音波形メモリ41を示す。
【図3】楽音信号発生部5を示す。
【図4】楽音信号発生部5の楽音波形読み出し回路42を示す。
【図5】楽音信号発生部5の残響付加回路44を示す。
【図6】プログラム/データ記憶部4の音楽的ファクタテーブル10を示す。
【図7】プログラム/データ記憶部4の共鳴係数テーブル17を示す。
【図8】楽音信号発生部5のアサインメントメモリ40を示す。
【図9】楽音発生処理の処理全体のフローチャートを示す。
【図10】ステップ06の各種スイッチ処理のフローチャートを示す。
【図11】第2実施例のキーオンされる直接音及びキーオンされない共鳴音のエンベロープ波形を示す。
【図12】第2実施例の楽音信号発生部5の一部を示す。
【図13】第3実施例のフィルタ回路45を示す。
【図14】第3実施例のフィルタ回路45のフィルタ特性を示す。
【図15】第4実施例のサウンドシステム6を示す。
【図16】第4実施例のディレイ回路101を示す。
【符号の説明】
2…コントローラ(CPU)、3…タイミング発生部、4…プログラム/データ記憶部、5…楽音信号発生部、6…サウンドシステム、7…情報記憶部、10…音楽的ファクタテーブル、11…キーボード、12…キーボードスキャン回路、13…パネルスイッチ群、14…スイッチスキャン回路、15…ミディ回路、16…ダンパペダル、17…共鳴係数テーブル、40…アサインメントメモリ、41…楽音波形メモリ、42…楽音波形読み出し回路、43…乗算器、44…残響付加回路、45…フィルタ回路、46a、46b、46c、46d…ラッチ、47…累算器、48…乗算器、49…エンベロープジェネレータ、50…アドレスデコーダ、51…楽音波形メモリ、52…ラッチ、53…加算器、54…ラッチ、55…ゲート、56…加算器、57…ラッチ、58…アンドゲート、59…インバータ、61…読み出しアドレスシフトレジスタ、62…加算器、63…セレクタ、64…コンパレータ、71…加算器、72…乗算器、73…ディレイシフト回路、74…減衰率シフトレジスタ、81…ゲート、82…オアゲート、83…ラッチ、91…デマルチプレクサ、92、93…デジタルフィルタ、94、95…フィルタ係数メモリ、101LA、101LB、101RA、101RB…ディレイ回路、102LA、102LB、102RA、102RB…乗算器、103LA、103LB、103RA、103RB…累算器、104LA、104LB、104RA、104RB…D−A変換器、105LA、105LB、105RA、105RB…アンプ、106LA、106LB、106RA、106RB…スピーカー、107…ゲート、108…オアゲート、109…ラッチ、111…ディレイ素子、112…データセレクタ、113…シフタ、114…ラッチ。

Claims (10)

  1. 打弦楽器の打弦による打弦衝撃音とこれに続く弦振動音とを、複数の異なる弦または音高につき、それぞれ記憶する記憶手段と、
    発音操作に応じて、この記憶手段の発音操作に対応する弦または音高の打弦衝撃音を読み出し、この打弦衝撃音を読み出した後、当該弦または音高の上記弦振動音を読み出す第1の読み出し手段と、
    発音操作の行われない他の弦または音高の弦振動音を上記記憶手段から読み出す第2の読み出し手段と、
    これら第1及び第2の読み出し手段から読み出された打弦衝撃音及び弦振動音を合成して出力する出力手段とを備え、
    発音操作された弦または音高と発音操作の行われない弦または音高との間の共鳴効果を実現することを特徴とする共鳴装置。
  2. 打弦楽器の打弦による打弦衝撃音とこれに続く弦振動音とを、複数の異なる音高につき、それぞれ記憶する記憶手段と、
    発音操作に応じて、この記憶手段の発音操作に対応する弦または音高の打弦衝撃音を読み出し、この打弦衝撃音を読み出した後、当該弦または音高の上記弦振動音を読み出し、この読み出した打弦衝撃音と弦振動音とに対し、先頭に立ち上がり部分のあるエンベロープを合成する第1の読み出し手段と、
    発音操作の行われない他の弦または音高の弦振動音を上記記憶手段から読み出し、この読み出した打弦衝撃音と弦振動音とに対し、先頭にレベルがほぼ「0」の部分のあるエンベロープを合成する第2の読み出し手段と、
    これら第1及び第2の読み出し手段から読み出された打弦衝撃音及び弦振動音を合成して出力する出力手段とを備え、
    発音操作された弦または音高と発音操作の行われない弦または音高との間の共鳴効果を実現することを特徴とする共鳴装置。
  3. 打弦楽器の打弦による打弦衝撃音とこれに続く弦振動音とを、複数の異なる弦または音高につき、それぞれ記憶する記憶手段と、
    発音操作に応じて、この記憶手段の発音操作に対応する弦または音高の打弦衝撃音を読み出し、この打弦衝撃音を読み出した後、当該弦または音高の上記弦振動音を読み出し、この読み出した打弦衝撃音と弦振動音とに対し、全周波数帯域にわたって通過特性を有するフィルタ処理を行う第1の読み出し手段と、
    発音操作の行われない他の弦または音高の弦振動音を上記記憶手段から読み出し、この読み出した打弦衝撃音と弦振動音とに対し、高調波帯域に阻止特性を有するフィルタ処理を行う第2の読み出し手段と、
    これら第1及び第2の読み出し手段から読み出された打弦衝撃音及び弦振動音を合成して出力する出力手段とを備え、
    発音操作された弦または音高と発音操作の行われない弦または音高との間の共鳴効果を実現することを特徴とする共鳴装置。
  4. 上記弦振動音によって共鳴音が形成され、上記弦衝撃音及び弦振動音によって直接音が形成され、
    上記第2の読み出し手段は、ペダル操作によって読み出しを行い、発音操作の行われない他の音高の弦振動音の音量レベルを下げて出力し、
    またはペダル操作によって記憶されている上記直接音の途中または上記弦振動音及び上記弦振動音の途中から読み出され、
    またはペダル操作によって上記弦振動音及び上記弦振動音のエンベロープ波形が変化し、
    またはペダル操作によって上記弦振動音及び上記弦振動音のフィルタ特性が変化して、共鳴音を生成するためのフィルタ処理が開始され、
    またはペダル操作によって上記弦振動音または共鳴音の音像が形成されることを特徴とする請求項1、2または3記載の共鳴装置。
  5. 上記発音操作の行われている打弦衝撃音と弦振動音の読み出し開始タイミングまたは出力開始タイミングは、上記発音操作の行われていない弦振動音の読み出し開始タイミングまたは出力開始タイミングより早く、
    上記発音操作の行われている打弦衝撃音と弦振動音の読み出し終了タイミングまたは出力終了タイミングは、上記発音操作の行われていない弦振動音の読み出し終了タイミングまたは出力終了タイミングとほぼ同じであり、
    上記発音操作の行われる打弦衝撃音と弦振動音の読み出し開始アドレスは、上記発音操作の行われない弦振動音の読み出し開始アドレスとは異なる、またはより前にあり、
    上記発音操作の行われている打弦衝撃音と弦振動音の残響は、上記発音操作の行われていない弦振動音の残響と異なる、またはより大きく制御され、
    上記発音操作の行われない弦振動音の遅延量は、上記発音操作の行われる打弦衝撃音と弦振動音の遅延量と異なる、またはより大きくより遅れて出力され、
    上記発音操作の行われる打弦衝撃音と弦振動音の音量は、上記発音操作の行われない弦振動音の音量と異なる、またはより大きく制御され、
    上記発音操作の行われる打弦衝撃音と弦振動音のエンベロープは、上記発音操作の行われない弦振動音のエンベロープと形状が異なる、またはより大きく制御され、
    上記発音操作の行われる打弦衝撃音と弦振動音のフィルタ処理内容は、上記発音操作の行われない弦振動音のフィルタ処理内容と異なる、または高周波成分と低周波成分がより強調され、
    上記発音操作の行われる打弦衝撃音と弦振動音の音像は、上記発音操作の行われない弦振動音の音像と異なることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の共鳴装置。
  6. 上記発音操作の行われている打弦衝撃音が読み出されるとき、ペダル操作があると、上記発音操作の行われない弦振動音が読み出されることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の共鳴装置。
  7. 上記発音操作の行われない弦振動音の読み出しにおけるフィルタ処理は低周波帯域に減衰特性を有するフィルタ処理も行うことを特徴とする請求項3記載の共鳴装置。
  8. 上記弦衝撃音または/及び上記弦振動音は複数のサウンドシステムに分配され、上記音楽的ファクタに応じて音像データが発生され、この発生された音像データに応じて、当該分配される複数の弦衝撃音または/及び弦振動音のそれぞれの振幅または位相に差が付加される、または弦衝撃音の振幅または位相と上記弦振動音の振幅または位相とに差が付加されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の共鳴装置。
  9. 打弦楽器の打弦による打弦衝撃音とこれに続く弦振動音とを、複数の異なる弦または音高につき、それぞれ記憶する記憶手段に対し、
    発音操作に応じて、この記憶手段の発音操作に対応する弦または音高の打弦衝撃音を読み出し、この打弦衝撃音を読み出した後、当該弦または音高の上記弦振動音を読み出しさせる工程と、
    発音操作の行われない他の弦または音高の弦振動音を上記記憶手段から読み出しさせる工程と、
    これらの工程で読み出された打弦衝撃音及び弦振動音を出力させる工程と、を備え、
    発音操作された弦または音高と発音操作の行われない弦または音高との間の共鳴効果を実現させることを特徴とする共鳴方法。
  10. 打弦楽器の打弦による打弦衝撃音とこれに続く弦振動音とを、複数の異なる音高につき、それぞれ記憶する記憶手段に対し、
    発音操作に応じて、この記憶手段の発音操作に対応する弦または音高の打弦衝撃音を読み出しさせ、この打弦衝撃音を読み出した後、当該弦または音高の上記弦振動音を読み出しさせる処理と、
    発音操作の行われない他の弦または音高の弦振動音を上記記憶手段から読み出しさせる処理と、
    これらの処理で読み出された打弦衝撃音及び弦振動音を出力させる処理と、をコンピュータに実行させ、
    発音操作された弦または音高と発音操作の行われない弦または音高との間の共鳴効果を実現させることを特徴とする共鳴のためのコンピュータプログラム。
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