JP2504320B2 - 楽音合成装置 - Google Patents

楽音合成装置

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【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、撥弦楽器、打弦楽器等の楽音合成に用いて
好適な楽音合成装置に関する。
「従来の技術」 従来より、自然楽器の発音メカニズムをシミュレート
することにより、自然楽器の楽音を合成する装置が知ら
れている。弦楽器音等の楽音合成装置としては、弦の振
動損失をシミュレートしたローパスフィルタと、弦にお
ける振動の伝播遅延をシミュレートした遅延回路とを閉
ループ接続した構成のものが知られている。このような
構成において、閉ループ回路に例えばインパルス等の励
起信号を導入すると、この励起信号が閉ループ内を循環
する。この場合、励起信号は、弦の振動周期に等しい時
間で閉ループ内を一巡するとともに、ローパスフィルタ
を通過する際に帯域が制限される。そして、この閉ルー
プを循環する信号が弦楽器の楽音信号として取り出され
る。
このような楽音合成装置によれば、遅延回路の遅延時
間およびローパスフィルタの特性を調整することによ
り、ギター等の撥弦楽器音、ピアノ等の打楽器音など、
自然の弦楽器音に近い楽音が合成できる。また、バイオ
リン等の擦打楽器音の楽音合成は、上述した閉ループ回
路に対し、弓によって弦を励起させる振動を演算する励
起回路を接続することにより実現される。なお、この種
の技術は、例えば特開昭63−40199号公報あるいは特公
昭58−58679号公報に開示されている。
「発明が解決しようとする課題」 しかしながら、上述した従来の楽音合成装置にあって
は、閉ループ回路を循環する信号が弦楽器の楽音信号と
して取り出されるが、このとき遅延フィードバック中の
ループ結果を取り出す地点が固定されていたため、演奏
者による楽器の楽音についての微妙な表現の反映という
点で自然楽器の楽音合成が十分にできないというという
問題点があった。
例えば12弦ギターのように1つの発音操作で複数の音
弦を駆動する電子楽器の効率的な実現を目指そうとする
場合、上記のようにループ結果の取り出し地点が固定さ
れていると、複数の発音系列を駆動する楽器に対応する
ようにはシミュレートできず、微妙な表現の反映という
点で自然楽器の楽音合成が十分にできない。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたもので、
1つの発音指示で複数の音源を駆動する電子楽器の効率
的な実現を可能とし、演奏者による楽器の楽音について
の微妙な表現を反映できる楽音合成装置を提供すること
を目的としている。
「課題を解決するための手段」 上述した問題を解決するために、本発明では、駆動波
形を発生する駆動波形発生手段と、フィルタおよび遅延
手段とを閉ループ接続した複数の閉ループ手段と、前記
複数の遅延時間を設定する遅延時間制御手段と、この複
数の閉ループ手段のうちの一部の閉ループ手段の遅延手
段から、当該遅延手段に対して前記遅延時間設定手段で
設定された遅延時間以下の所定の時間だけ遅延された信
号を取り出すとともに、前記複数の閉ループ手段のうち
の他部の閉ループ手段から当該閉ループ手段を循環する
信号を取り出し、該取り出した複数の信号を合成して楽
音信号として出力する出力手段と、前記出力手段が前記
一部の閉ループ手段の遅延手段から取り出す信号に関す
る前記所定の時間を可変制御する制御手段とを備え、発
音指示に応答して前記駆動波形を前記複数の閉ループ手
段に入力することにより楽音を合成するように構成した
ことを特徴としている。
さらに、前記複数の閉ループ手段のうちの一部の閉ル
ープ手段と他部の閉ループ手段とで、前記フィルタの特
性および前記遅延手段の最大遅延弛緩のうちの少なくと
も一方を独立に制御する特性制御手段を備えることを特
徴としている。
また、前記複数の閉ループ手段のうちの一部の閉ルー
プ手段に入力される駆動波形と他部の閉ループ手段に入
力される駆動波形とを異ならせることを特徴としてい
る。
「作用」 本発明では、駆動波形発生手段が駆動波形を発生し、
遅延時間制御手段が複数の遅延時間を設定し、出力手段
がフィルタおよび遅延手段とを閉ループ接続した複数の
閉ループ手段のうちの一部の閉ループ手段の遅延手段か
ら、当該遅延手段に対して前記遅延時間設定手段で設定
された遅延時間以下の所定の時間だけ遅延された信号を
取り出すとともに、前記複数の閉ループ手段のうちの他
部の閉ループ手段から当該閉ループ手段を循環する信号
を取り出し、該取り出した複数の信号を合成して楽音信
号として出力する。また、制御手段が、前記出力手段が
前記一部の閉ループ手段の遅延手段から取り出す信号に
関する前記所定の時間を可変制御する。すなわち、発音
指示に応答して前記駆動波形を前記複数の閉ループ手段
に入力することにより楽音を合成する。
さらに、特性制御手段が、前記複数の閉ループ手段の
うちの一部の閉ループ手段と他部の閉ループ手段とで、
前記フィルタの特性および前記遅延手段の最大遅延時間
のうちの少なくとも一方を独立に制御する。
また、前記複数の閉ループ手段のうちの一部の閉ルー
プ手段に入力される駆動波形と他部の閉ループ手段に入
力される駆動波形とが異なるよう設定される。
したがって、1つの発音指示で複数の音源を駆動する
電子楽器については、自然楽器の楽音合成が効率的に行
われ、演奏者による楽音についての微妙な表現が反映さ
れる。
「実施例」 次に、図面を参照して本発明の実施例について説明す
る。
第1図は本発明による楽音合成装置を適用した電子楽
器の一実施例の構成を示すブロック図であり、12弦ギタ
ーのシミュレートに本発明を適用したものである。
第1図において、本実施例における楽音合成装置は、
鍵盤1、タッチ情報検出回路2、CPU3、ROM4、音源5、
セレクタ(SEL)6、RAM7、サウンドシステム8および
スピーカ9により構成される。鍵盤1は演奏者によって
操作され、キーコードKC、キーオン信号KON、キーオフ
信号KOFFをCPU3に出力する。タッチ情報検出回路2は鍵
盤1からの情報を受取り、前述のキーコードKCに同期し
てCPU3に対しタッチ情報を出力する。ROM4はCPU3の動作
制御プログラム、各種楽音制御用のパラメータも格納し
ており、パラメータとしては、例えばキーコードKCに応
じた各音源の総遅延量DLやタッチ情報をタップボイント
情報TPに変換するためのテーブル等が含まれる。CPU3は
装置全体の動作を制御管理し、必要に応じてセレクタ6
に制御信号を出力する。音源5は単音発音の音源を複数
並列に配置しており、本実施例においては12弦ギターを
実現するために音源は12個が用意され、それぞれ2組ず
つが同時に駆動されるものである。したがって、音源5
は12弦ギターに対応して複数の発音体としての弦を有
し、該弦の一部が発音操作子(例えば、ピック)により
同時にピックされると、励起し、この弦を往復伝播する
振動を発生せしめるようになっている。
RAM7は音源5とCPU3の両方からアクセスされ、音源5
との間では音源に必要な遅延を実現するためのデータが
アクセスされる。具体的には、前述した従来技術の公報
に記載されているようなシフトレジスタではなく、RAM7
を用いて遅延を実現するために必要なデータがアクセス
される他、フィルタの一時記憶などのためにもアクセス
される。一方、CPU3は音源5におけるフィルタのフィル
タ係数を、音色やキーコードKCに応じて制御するために
RAM7を共有し、RAM7を通して音源5に対してこれらのパ
ラメータを与える。また、CPU3は音源5のRAMアクセス
のタイミングクロックと同期して音源5がRAM7をアクセ
スしないタイミングで前記制御信号をセレクタ6に出力
し、セレクタ6を切換えてRAM7に直接にアドレッシング
し、RAM7の値を書換える。サウンドシステム8は、通常
の楽音に対する効果付与や音量制御およびD/A変換を行
う他に、ギターのシミュレーションであればギターの共
鳴胴の共振特性を表すフィルタなどを含んで楽音の増幅
等を行い、スピーカ9を駆動する。
第2図は第1図に示した音源5の1つずつのブロック
図である。なお、各音源は基本的には共通である。1つ
の音源は第2図に示すように、アドレス発生器11、駆動
波形メモリ12、乗算器13、加算器14、遅延回路15および
フィルタ回路16により構成される。アドレス発生器11は
CPU3からの各信号、すなわち駆動波形メモリ12の読み出
し開始指示信号ST(STart)、読み出し開始ポイントSP
(STart Point)、読み出しサイズDS(Data Size)の
各信号に基づいて駆動波形メモリ12の読み出しアドレス
を自動的に生成する。アドレス生成タイミングは回路の
他の部分と同期しているクロックclによって与えられ
る。駆動波形メモリ12には何種類かの駆動波形が記憶さ
れており、CPU3からは読み出し開始のアドレスを与える
ことにより、間接的にそれらのうちの1つが指定され、
出力される。駆動波形メモリ12の後段にある乗算器13は
駆動波形の位相をそのまま次段に出力するか反転して出
力するかを選択可能にするためのもので、[+1]は正
相、[−1]は逆相の制御信号を示し、これらの制御信
号はCPU3から与えられ、この信号に従って上述の選択を
行う。加算器14は遅延回路15およびフィルタ回路16とと
もに乗算器13からの出力信号に対する閉ループ回路17を
形成し、閉ループ回路17により駆動波形をフィードバッ
クして楽音を合成するものである。すなわち、遅延回路
15は弦における振動の伝播遅延をシミュレートし、フィ
ルタ回路16は、例えばローパスフィルタを含んで構成さ
れ、弦の振動損失をシミュレートする。この場合、遅延
回路15に与えられる信号DPS(Delay ParameterS)には
ディレイ長dl、出力タップをとる地点の情報TP等が含ま
れる。また、フィルタ回路16に与えられる信号FPS(Fil
ter ParameterS)にはフィルタの係数などの情報が与
えられる。
ここで、本実施例の特徴部分の1つである遅延回路15
は、単純なシフトレジスタではなく、中間地点からタッ
プをとることが可能な構成になっており、さらにタッチ
によってタップの位置を変化させるために、ハードウェ
ア的な構成とせず、ソフトウェアによる構成としてい
る。後述の第4図にソフトウェアによる実現のフローチ
ャートを示すが、ハードウェア的には次の第3図に示す
ような遅延制御回路21がある。
第3図において、遅延制御回路21は一般的なCPUで実
現してもよいし、論理回路によるロジックで形成しても
よい。本実施例ではCPUで実現している。なお、入力信
号線のうち「動作」と示してあるものはCPUの動作を決
定する信号である。本実施例においては、楽器全体の動
作を管理するCPUと、遅延動作を管理するCPUを並列に動
作させている。したがって、楽器全体のCPUの都合によ
り遅延回路15のCPUを停止させたいときは、何等かの信
号でそれを知らせなければならない。この場合、動作信
号が“1"のときは遅延用のCPUは通常の処理を行い、
“0"のときは動作を停止し、次の割込みにより動作を再
開するようにしている。この例では、「動作」信号のつ
ながったポートが“0"になると、CPUの動作を停止(HAL
T)する。その後、全体動作用のCPUからのインタラプト
要求IRQにより処理を初めから再開する。
第4図は第3図に示した遅延制御回路21に使用される
メモリの領域を表しており、ディレイ実現用のメモリ領
域22と、現在のインデックス記憶用のレジスタixおよび
初期設定用のレジスタiをそれぞれ記憶する領域23、24
が確保されている。
なお、第3図の遅延制御回路21の動作は後述のフロー
チャートに従って詳細に説明する。
次に、第5図は第1図中の音源回路のうち、同一系列
に割当てられている2つの音源回路を取り出したもので
ある。第5図に示すように2つの音源回路はA系列およ
びB系列を有し、これらの各系列はそれぞれ駆動波形発
生回路31、32、遅延回路33、34、フィルタ回路35、36、
加算器37、38およびアンプ39、40によって構成されると
ともに、各系列の信号は加算器41によって加算され、波
形出力として取り出される。各制御信号のうち、駆動波
形の立上がりを与える信号STARTは各系列に共通である
が、その他の駆動波形制御信号WPS(Wave Parameter
S)、遅延回路制御信号DPS(Delay ParameterS)、フ
ィルタ制御信Filter ParameterS)、ゲインK等は各系
列において独立であり、これらの微妙な差によって楽音
の特徴付けを行うようになっている。
次に、上述した構成における実施例の動作について第
6、7図のフローチャートを参照して説明する。
第6図は遅延制御回路21の動作を示すフローチャート
である。まず、ステップS1で初期設定を行う。具体的に
は、初期設定用のレジスタiを[0]にするとともに、
シフト動作をソフトウェア的にシミュレートするために
必要なインデックスレジスタixを[0]とし、遅延デー
タ記憶領域として用いる記憶領域をすべてクリアする。
これにより、デイレイ長DL段のデイレイが実現するため
に必要な[0]から[DL−1]までのDL個の記憶領域が
確保される。
次いで、ステップS2でメモリ参照のクリアを行い、D
(ix)=0とする。なお、メモリ参照という処理はD
(ix)の形式で表される書式を有しており、それは第4
図の[0]から[DL−1]までのメモリ配置をD(ix)
という形で表現したもので、ixはその添字である。ステ
ップS3では初期設定用のレジスタiの値のインクリメン
トし、ステップS4でこのインクリメントが[DL−1]の
値を超えたか否かを判別する。
「NO」のときはステップS2に戻り、YESになると、ス
テップS5でixの位置(デイレイを実現するためのメモリ
配置の位置)に入力を書込む。次いで、ステップS6でタ
ップポイントの位置ix+TPに書込まれているデータD
(ix+TP)を出力する。最後に、ステップS7でインデッ
クスレジスタixの値をデクリメントしてステップS5に戻
る。
この処理を繰り返すことによって第3図に示す遅延制
御回路21の動作がソフトウェアでシミュレートされる。
なお、D(ix+TP)のような形でメモリをアクセスした
場合、配列の上限を超えてしまうことが考えられるが、
その場合はメモリ配列の頭部に折返してくるものとす
る。数式で厳密に表現すると、 D[(ix+TP) mod DL)] となる。このようにしておかないと、シフト動作を実現
しづらいからである。また、通常の処理の他にタイマ割
込みによる動作信号を監視の処理が行われるとともに、
さらに外部からの割込み信号IRQが入ると、第6図のSTA
RTから処理を開始する。
次に、第7図のフローチャートを参照して全体処理に
ついて説明する。
まず、ステップS11でイニシャライズを行い、楽器の
処理を開始したときのさまざまな初期設定を行う。ま
た、ステップS12で通常の楽音合成の最初の処理として
鍵スキャンを行う。次いで、ステップS13で鍵に関する
イベントがあるか否かを判別し、イベントがあるときは
ステップS14に進み、イベントがないときは後述のステ
ップS29に進む。ステップS14ではキーオン信号KONが出
力されたか否かを判別し、YESのときはステップS15でキ
ーコードKCに応じて楽音を割当てるべき音源の系列を決
定する。例えば、ギター等では6弦中のいくつかの点で
同一音程の楽音を発音することができるが、ここでは各
キーコードKCに応じてどの弦で発音させるかを記憶して
いるテーブルを参照し、割当てるべき音源を判断する。
次いで、ステップS16で上記の方法によって選択された
系列に発音中の楽音が存在すれば、その楽音を強制的に
ダンプする。なお、ダンプの時点では前述の「動作」信
号によって遅延制御回路用のCPUの動作を停止させる。
これは、遅延制御回路用のCPUが動作したままである
と、不都合の生じる可能性があるからである。次いで、
ステップS17でダンプの終了した音源に対して新たなパ
ラメータを与える。
ステップS18では所定のアサイン条件を満たしている
か否かを判別する。アサイン条件とは、前回アサインさ
れたキーコードKCと同じであり、かつその時間がある定
められた範囲内であるというものである。前回アサイン
されたものと同一の音高がある時間内にもう一度アサイ
ンされると、CPU3は同一の弦をアップダウンのストロー
クで弾いていると判断し、ステップS19で弦を弾く方向
を記憶しているレジスタDIRを反転する。これによっ
て、オクターブ差を持った弦をトレモロ弾いたときの微
妙な発音立上がりの差を実現できる。一方、ステップS1
8で「NO」の判断がなされると、ステップS20でレジスタ
DIRを反転せずにそのままとしてステップS21に進む。ス
テップS21ではイニシャルタッチ情報ITによりタップポ
イントに関する情報Tを求める。なお、各情報IT、Tの
相関はROM4内に記憶されている。次いで、ステップS22
でレジスタDIRの方向によってどちらの系列の位相を遅
らせるかを判断し、“1"のときはステップS23でA系列
における出力タップをとる地点の情報TPについてTP=0
を出力するとともに、ステップS24でB系列についてはT
P=1を出力し、さらにステップS25でCPU3から乗算器13
に正相[+1]の制御信号を出力して入力駆動波形の位
相をそのまま次段に出力する。一方、ステップS22でレ
ジスタDIRの方向が“0"のときはステップS26でB系列に
おける出力タップをとる地点の情報TPについてTP=0を
出力するとともに、ステップS27でA系列についてはTP
=1を出力し、さらにステップS28で乗算器13に逆相
[−1]の制御信号を出力して入力駆動波形の位相を反
転して次段に出力する。
ステップS25あるいはS28を経ると、次いでステップS2
9に進み、パネルスキャンを行う。これは通常のパネル
処理である。次いで、ステップS30でイベントがあるか
否かを判別し、YESのときはステップS31で該当するパネ
ルイベント処理を行ってステップS12に戻り、NOのとき
は直ちにステップS12に戻る。
一方、ステップS14でキーオン信号KONが出力されてい
ないときは、ステップS32に進み、キーオフ信号KOFFが
出力されたか否かを判別する。YESのときはステップS33
でキーオフ処理を行い、NOのときはステップS34でその
他の処理を行った後、ステップS29に進む。
このように本実施例では、ある楽音開始要求に対し、
同時に楽音生成を開始する複数の遅延フィードバック型
音源の出力タップをとる地点が各系列で互いに異なった
ものとなる。言換えれば、遅延フィードバック中の任意
の地点から出力を取り出すことができる。したがって、
1つの発音操作で複数の音源を駆動する電子楽器、本実
施例では12弦ギターに対応するように十分にシミュレー
ト(すなわち、自然楽器の楽音合成)を行うことがで
き、演奏者による楽器の楽音についての微妙な表現の反
映を図ることができる。
また、互いに関連付けられた複数のフィードバックル
ープの出力読み出し地点を、タッチによって変化させる
ことによって復弦のギターをゆっくり弾いたときと、速
く弾いたときの両弦の発音タイミングの違いを実現する
ことができる。
例えば、12弦ギターの場合、強く(速く)弾いたとき
は2弦間の発音時間差は小さく、だんだん弱く(ゆっく
り)弾くに従って時間差は大きくなり、本実施例ではこ
の状態を模倣することができる。
また、一般に、低い方(低音域)の弦では2弦間でオ
クターブずれており、これによってギターでいうアップ
とダウンでは弦の発音順序が入れ替わる。特に、トレモ
ロ演法(同一キーを続けて発音させる)のとき、これを
模倣するため、本実施例では各信号出力の順序などを交
互に入替え、駆動波形の入力位相も反転させている。こ
れによって、12弦ギターで弾いたときの演奏状態を十分
に再現することができる。
次に、本発明は上記実施例に限定されず、以下に述べ
るような各種の変形態様が可能である。
(I)本実施例は遅延フィードバック回路の出力のタッ
プ位置によって出力の時間差を実現しているが、例え
ば、マイクロコンピュータを用いタイマによって各々の
駆動波形を入力するタイミングを制御するようにしても
よい。また、他の音源方式にも応用可能である。
(II)本実施例は12弦ギターの例であるが、これに限ら
ず、例えばマンドリンなどのような一発音やピアノなど
の出弦楽器にも適用できる。
(III)本実施例では、各12弦に対して固定の楽音発生
系列を用いたが、楽音発生系列を12より少なくして発音
割当てを行うようにしてもよい。また、2本の弦の例を
示したが、2本でなく他の複数本にも同様に適用でき
る。
(IV)タップポイントの切換えをタッチのみで制御して
いるが、音色や演法を指定する他の操作子の出力などを
参照して制御するようにしてもよい。
(V)本実施例では、全体用のCPUと、遅延制御用のCPU
を独立としたが、1つのCPUで制御することももちろん
可能である。
(VI)フィードバックループ内の遅延時間よりも大きな
遅延時間を実現するために、波形メモリの出力を、ある
遅延をもってループに与えるような構成にしてもよい。
これによって、いわゆるアルペジオ的な効果が期待でき
る。
(VII)A、B系列の片方のタップ位置を固定するよう
にしてもよく、この場合は処理をさらに単純化すること
ができる。
(VIII)両系列の出力を物理的に別系列から音響的に出
力するようにしてもよく、そのようにすると、より実際
に近い楽音の効果を出すことができる。
「発明の効果」 本発明によれば、1つの発音指示で複数の音源を駆動
する電子楽器について、自然楽器の楽音合成を効率的に
行うことができ、演奏者による楽音についての微妙な表
現を反映を図ることができる。従って、例えば、12弦ギ
ターのシミュレートを忠実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の構成を示すブロック図、第
2図は同実施例における音源の1つずつのブロック図、
第3図は同実施例における遅延制御回路の構成を示す
図、第4図は同実施例における遅延制御回路に使用され
るメモリの領域を示す図、遅延制御回路の構成を示す
図、第5図は同実施例における音源回路のうち同一系列
に割当てられている2つの音源回路を取り出して示す
図、第6図は同実施例における遅延制御回路の動作を示
すフローチャート、第7図は同実施例における楽音合成
制御の全体のフローチャートである。 5……音源、 15、33、34……遅延回路、 16、35、36……フィルタ回路、 17……閉ループ回路、 21……遅延制御回路。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動波形を発生する駆動波形発生手段と、 フィルタおよび遅延手段とを閉ループ接続した複数の閉
    ループ手段と、 前記複数の遅延時間を制定する遅延時間制御手段と、 この複数の閉ループ手段のうちの一部の閉ループ手段の
    遅延手段から、当該遅延手段に対して前記遅延時間設定
    手段で設定された遅延時間以下の所定の時間だけ遅延さ
    れた信号を取り出すとともに、前記複数の閉ループ手段
    のうちの他部の閉ループ手段から当該閉ループ手段を循
    環する信号を取り出し、該取り出した複数の信号を合成
    して楽音信号として出力する出力手段と、 前記出力手段が前記一部の閉ループ手段の遅延手段から
    取り出す信号に関する前記所定の時間を可変制御する制
    御手段と を備え、発音指示に応答して前記駆動波形を前記複数の
    閉ループ手段に入力することにより楽音を合成するよう
    に構成したことを特徴とする楽音合成装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の楽音合成装置において、さ
    らに、 前記複数の閉ループ手段のうちの一部の閉ループ手段と
    他部の閉ループ手段とで、前記フィルタの特性および前
    記遅延手段の最大遅延時間のうちの少なくとも一方を独
    立に制御する特性制御手段を備えることを特徴とする楽
    音合成装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の楽音合成装置にお
    いて、 前記複数の閉ループ手段のうちの一部の閉ループ手段に
    入力される駆動波形と他部の閉ループ手段に入力される
    駆動波形とを異ならせることを特徴とする楽音合成装
    置。
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