JP3149708B2 - 楽音合成装置 - Google Patents

楽音合成装置

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JP3149708B2
JP3149708B2 JP28240894A JP28240894A JP3149708B2 JP 3149708 B2 JP3149708 B2 JP 3149708B2 JP 28240894 A JP28240894 A JP 28240894A JP 28240894 A JP28240894 A JP 28240894A JP 3149708 B2 JP3149708 B2 JP 3149708B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダンプの制御に関する
ものであり、特にピアノ打弦モデルなどの減衰系アルゴ
リズムを有する楽音合成装置に適用して好適なものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ピアノにおいては鍵盤を操作しな
い時はダンパが弦に当接しており、この状態においては
弦の振動が抑制されている。そして、鍵盤がキーオンさ
れた時に、キーオンに対応した弦からダンパが離れて打
弦され、その弦から楽音が発生される。また、その鍵が
キーオフされた時には、ダンパが再び弦に当接して急速
に弦の振動が抑制されて発音の消音(ダンプ)が行われ
る。また、サスティンペダルが操作された場合は、ダン
パは弦から離れて弦の振動は許容される。
【0003】すなわち、サスティンペダルが操作されて
サスティンが指示されている時は、発音中の弦の振動は
許容されているため、キーオフされても発音中の弦の消
音は猶予され楽音は自然減衰していく。また、打弦され
た弦以外の弦もフレームや本体等を介して共鳴振動され
て若干発音するようになる。さらに、演奏者はサスティ
ンペダルを十分押し込まずダンパが若干弦に当接するよ
う操作するハーフペダル状態による演奏態様がある。こ
のようにサスティンペダルの操作態様に応じて、演奏さ
れるピアノの音質は大きく変わるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
楽音合成装置においてはダンプの制御が一義的であっ
て、ハーフペダルの状態を忠実に実現することができな
いという問題点があった。そこで、本発明はダンプの制
御を任意に行えるようにしてハーフペダル等のサスティ
ンペダル効果を忠実に実現できる楽音合成装置を提供す
ることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の楽音合成装置は、楽音を生成する閉ループ
を駆動する励振信号を発生する励振信号発生手段と、前
記閉ループのループゲインを制御するループゲイン制御
手段と、前記楽音の発生および前記楽音の終了を減衰情
報により指示する第1の演奏情報発生手段と、前記楽音
の減衰態様を減衰情報により指示する第2の演奏情報発
生手段と、前記第1の演奏情報発生手段より発生される
減衰情報と、前記第2の演奏情報発生手段より発生され
減衰情報とを比較して、いずれか大とされる減衰情報
を選択する選択手段と、該選択手段により選択された
情報を平滑して前記ループゲイン制御手段に供給する
平滑手段とを備え、前記第1の演奏情報発生手段より発
生される減衰情報と、前記第2の演奏情報発生手段より
発生される減衰情報の双方の値に応じて、前記ループゲ
インが決定されるようにしたものである。
【0006】
【0007】
【作用】本発明によれば、楽音の減衰状態を減衰状態制
御手段で制御すること、具体的には、閉ループのループ
ゲインをサスティンペダル等よりの制御信号により制御
することにより、ハーフペダル等のサスティンペダルの
忠実なペダル効果を実現することができる。
【0008】
【実施例】本発明の楽音合成装置の一実施例の概略構成
を図1に示すが、この楽音合成装置は弦楽器で云うと1
弦だけの構成とされている。この概略構成を図1および
図2を参照しながら説明する。図1において、遅延手段
(Delay)1と、弦の特性を代表するフィルタ(F
ilter)2、および駒での反射・減衰を代表する係
数乗算器(MPY)3とにより閉ループが形成されてお
り、この閉ループは、加算回路5に励振波形が供給され
ることにより駆動されている。また、係数乗算器3には
閉ループの減衰特性(ダンプ特性)を主に決定する乗算
係数Mが印加されているが、この乗算係数Mは最大値選
択手段4より出力されている。なお、最大値選択手段4
には、キーオン信号KONとダンプ信号DUMPとが入
力されており、そのうちの大きい値の信号が最大値選択
手段4により選択されて出力されている。なお、弦楽器
における楽音は反射を繰り返すうちに高域成分の方が減
衰されるため、一般にフィルタ1はローパスフィルタに
より構成される。
【0009】このように構成された楽音合成装置におい
て、閉ループから出力される楽音のピッチは閉ループの
全遅延時間に対応したピッチとなり、出力される楽音の
ピッチを変える場合には遅延手段1の遅延時間を制御す
るようにすれば良い。また、閉ループのループゲインは
主に係数乗算器3に印加されている乗算係数Mにより決
定される。すなわち、出力される楽音の減衰特性は乗算
係数Mに応じた減衰特性となる。そこで、キーオフ時に
「0」、キーオン時に「1」の係数となるキーオン信号
KONに応じて係数乗算器3を制御すると、キーオフ時
には係数乗算器3の係数が「0」とされてループゲイン
が最小となるため、閉ループを循環する楽音信号は急速
に減衰するようになり、キーオン時には係数乗算器3の
係数が「1」とされてループゲインが最大となるため、
閉ループを循環する楽音信号は主にフィルタ2の特性に
従って減衰されながら循環するようになる。
【0010】また、ダンプ信号DUMPに応じて係数乗
算器3を制御すると、ダンプ信号DUMPは、例えばサ
スティンペダルの踏み込み量に応じた信号であって、弦
を解放する程度を示す信号であり、その大きさは「0〜
1.0」の任意の値をとることができるため、楽音信号
の減衰特性を任意の減衰特性とすることができる。例え
ばハーフペダル程度の大きさのダンプ信号DUNPを係
数乗算器3に印加した場合、閉ループ内を循環する楽音
信号はハーフペダルの減衰特性で減衰されるようにな
る。したがって、サスティンペダルの信号をダンプ信号
DUMPとすることにより、ハーフペダル等のサスティ
ンペダルの忠実なペダル効果を実現することができるよ
うになる。
【0011】なお、実際のピアノにおいてサスティンペ
ダルが操作されている最中にキーオンされた場合は、サ
スティンペダルの操作量に関係なくキーオンされた弦の
ダンパは弦から完全に離れて弦は解放されるため、キー
オン時に「1」の最大係数となるキーオン信号KONと
ダンプ信号DUMPとの最大値を最大値選択手段4によ
り選択するようにして係数乗算器3に印加すれば、これ
をシミュレートすることができる。このような最大値選
択手段4の動作を図2を参照しながら説明すると、まず
ダンプ信号DUMPが同図(b)に示すようにt1の時
点でオンされてt4の時点でオフされている。また、キ
ーオン信号KONが同図(a)に示すように時点t1後
の時点t2においてキーオンされ、時点t4前の時点t
3においてキーオフされている。ただし、DUNP信号
はハーフペダルに相当する「0.5」とされている。
【0012】すると、最大値選択手段4からは、同図
(c)に乗算係数Mとして示すように、時点t1から時
点t2のキーオンまではDUNP信号の「0.5」が選
択されて出力され、時点t2から時点t3のキーオフま
ではキーオン信号KONの「1.0」が選択されて出力
され、時点t3から時点t4までは再びDUNP信号が
選択されて出力される。これにより、同図(d)に示す
ように時点t1から時点t2までの間は弦はいくぶん解
放されているため、例えば打弦された他の弦の振動に共
鳴する楽音信号が閉ループから出力されるようになり、
時点t2からt3までの間は、キーオンに伴い供給され
た励振波形が主にフィルタ2の減衰特性に応じて自然減
衰しながら閉ループを循環して、生成された楽音信号が
閉ループから出力されるようになり、時点t3からt4
までの間は、閉ループを循環していた楽音信号がハーフ
ペダルによる減衰特性でダンプされるようになる。そし
て、時点t4においてM値が「0」となるため閉ループ
内の楽音は急速にダンプされる。
【0013】なお、他の弦の振動に共鳴する楽音を閉ル
ープから出力するためには閉ループに他の弦の信号を供
給する必要があるが、例えば加算器5に他弦の信号を印
加するようにすれば良い。そして、前記したようにハー
フペダルとすると、主に時点t3からt4の間の減衰特
性がハーフペダル効果となるよう制御されることにな
る。また、ペダルの操作量を任意とすると、操作量に応
じて前記時点間のダンプ特性をサスティンペダルの操作
量であるDUNP信号に応じて制御することができる。
【0014】次に、前記図1に示す楽音合成装置の詳細
なブロック図を図3に示すが、同一機能のブロックには
同一の符号を割り当てその説明は省略する。この図にお
いて、6は演奏操作部(例えば、鍵盤)がキーオンされ
た時に励振波形(DW)を発生する励振波形発生部、7
は最大値選択部4より出力される乗算係数Mの急激な変
化を滑らかにするローパスフィルタから構成される平滑
フィルタ、8はフィルタ1、遅延手段2および係数乗算
器3からなる閉ループから出力される楽音の音色を設定
する音色設定部、9は所定のピッチを有し、設定された
音色で、かつサスティンペダルの操作量に応じた楽音が
出力されるよう楽音信号合成装置全体を制御する制御部
であり、サンプリングクロックφS を各部に供給してい
る。
【0015】また、10は鍵盤等の演奏操作子、11は
サスティンペダル等の演奏補助操作子、12はフィルタ
1に係数IMおよび音色パラメータTCに応じたフィル
タ係数FCを供給することのできる係数供給部、13は
平滑フィルタ7より出力される係数IMに調整係数Ad
jを乗算して係数IMを調整する乗算器、14は他の弦
の信号を生成して加算器5に供給する他弦信号生成部で
ある。なお、調整係数Adjは制御部9より供給されて
いる。
【0016】このように構成された楽音信号合成装置に
おいて、鍵盤等の演奏操作子10が操作されず閉ループ
内の係数乗算器(MPY)3の係数が略「0」とされて
いる状態において、サスティンペダル等の演奏補助操作
子11を操作すると、その操作量パラメータSUSTA
INが制御部9に供給され、制御部9においてこのパラ
メータに基づいて出力されたダンプ信号DUMPが最大
値選択部4に入力される。この場合、ダンプ信号DUM
Pは「0〜1」の間の任意の係数とされるが、演奏補助
操作子11が操作される場合は「0」を超える係数値と
なり、キーオン信号KONはキーオンされていない場
合、その係数は「0」となるため、最大値選択部4にお
ける比較器4−2がA<Bと判定してセレクタ4−1に
選択信号を与える。すると、セレクタ4−1はダンプ信
号DUMPを乗算係数Mとして選択し出力する。出力さ
れた乗算係数Mは平滑フィルタ7により平滑されて乗算
器13に入力される。
【0017】なお、平滑フィルタ7は遅延回路(DR)
7−1、および遅延回路7−1で1サンプリング遅延さ
れた乗算係数Mと、現在入力された乗算係数Mとを加算
する加算器7−2と、加算器7−2で加算された出力を
1/2にする乗算器7−3より構成されている。すなわ
ち、平滑フィルタ7において平均化されて係数IMとし
て出力され、さらに乗算器13において調整係数Adj
が乗算されてダンプ制御パラメータDCとして係数乗算
器3に印加され、閉ループのループゲイン、すなわち減
衰特性を制御している。この場合、他弦信号生成部14
から他弦の信号が加算器5に入力されていると、この他
弦の信号がフィルタ1を介して係数乗算器3に加わり、
この信号に「0〜1」の任意の値とされるダンプ制御パ
ラメータDCが乗算されながら、閉ループを他弦の信号
が循環するようになる。
【0018】このようにして他弦の信号が閉ループ内を
減衰しながら循環し、この楽音信号が閉ループから出力
されるため、ピアノにおける他弦の振動による共鳴効果
をシミュレートすることができる。なお、閉ループから
出力される楽音の音色は音色設定部8により設定される
が、音色設定部8から出力される音色パラメータTCは
制御部9に供給され、制御部9はこのパラメータTCに
基づいたフィルタパラメータFCをフィルタ1に印加す
ることにより、閉ループから設定された音色の楽音が出
力されるようになる。さらに、係数供給部12を設ける
ようにして、サスティンペダルの操作に応じたダンパの
当接具合で音色を変化させるように、平滑フィルタ7よ
り出力される係数IMにより音色パラメータTCを制御
するようにして、この係数供給部12から求められたフ
ィルタパラメータFCをフィルタ1に供給するようにし
ても良い。
【0019】また、演奏操作子10が操作されてキーオ
ンされると、そのキーオンのタイミングを示すKey
on信号が励振波形発生部6に印加されて、発生された
励振波形(DW)が加算器5を介して閉ループに供給さ
れることにより、閉ループが駆動される。さらに、演奏
操作子10より操作された鍵を示すKEY信号が制御部
9に供給され、この信号に基づいて制御部9は遅延手段
2の遅延時間制御パラメータDLYを決定し、遅延手段
2に印加する。これにより、閉ループ内の全遅延時間が
操作された鍵のピッチの楽音を出力できる遅延時間とさ
れる。さらに、「1」とされたキーオン信号KONが最
大値選択部4に出力される。最大値選択部4には、サス
ティンペダル等の演奏操作補助操作子11の操作に応じ
たダンプ信号DUMPが制御部9から最大値選択部4に
入力されているが、ダンプ信号DUMPは最大「1」と
されているため、通常はキーオン信号KONの方が大き
い値とされる。
【0020】従って、最大値選択部4の比較器4−2は
セレクタ4−1に選択信号を与えず、このためセレクタ
4−1はキーオン信号KONを選択して乗算係数Mとし
て出力する。この乗算係数Mは平滑フィルタ7および乗
算器13を介して制御パラメータDCとされ、係数乗算
器3に印加される。この場合、制御パラメータDCは最
大値となるため、閉ループを循環する励振信号DWで駆
動された楽音信号は乗算係数器3により減衰されること
なく循環するようになり、主にフィルタ1の特性に応じ
て自然減衰するようになる。すなわち、サスティン状態
とされた楽音が閉ループから出力される。
【0021】また、制御部9からは、例えば鍵の押鍵速
度等に応じた励振波形パラメータDPが励振信号発生部
6に与えられて、励振信号DWの波形が制御されてい
る。この励振信号DWは単一の周波数信号からなるもの
ではなく、多くの周波数信号が含まれている信号とされ
ており、励振信号発生部6は波形メモリ方式やノン・リ
ニア回路等の前記信号を発生できる信号発生回路により
構成されている。さらに、係数乗算器3の減衰特性可変
機能をフィルタ1に持たせて、係数乗算器3を省略して
も良い。
【0022】なお、キーオン信号KONとダンプ信号D
UMPとの内の大きい係数を最大値選択部4より出力す
る代わりに、図4(a)に示すようにOR回路を用いて
キーオン信号KONとダンプ信号DUMPとの論理和を
演算して出力するようにしても良く、または同図(b)
に示すように加算器とリミッタとを用いて、キーオン信
号KONとダンプ信号DUMPとを加算して+1を上限
とするリミッタを通すことにより、乗算係数Mを発生す
るようにしても良い。この場合の入力−出力特性を同図
(c)に示すが、入力が「1」の時出力が「1」となる
Aのようなリミッタ特性にするのが一般的であるが、一
点鎖線で示すBのようにしても、また入力が「1」にな
る前に出力が「1」で飽和するようにしても良いもので
ある。
【0023】次に、本発明の楽音合成装置の変形例を図
5に示すが、この例においては少なくとも発音数分の楽
音を発生する楽音発生手段を備えており、例えばピアノ
の鍵数に相当する楽音発生手段を設けるようにしても良
いものである。この図において、SG1〜SGnは楽音
発生手段であり、全て同じ構成とされており、ピアノを
シミュレーションする場合に、それぞれピアノの弦に相
当するものとすると好適である。23は共鳴体部であ
り、各楽音発生手段SG1〜SGnより出力される楽音
信号が入力されて、共鳴体部23において共鳴された楽
音信号が生成され、生成された楽音信号が各楽音発生手
段SG1〜SGnに戻されている。この共鳴体部23は
ピアノの響板に相当するものであり、共鳴体部23によ
り生成された楽音が出力される。
【0024】また、各楽音発生手段SG1〜SGnは同
じ構成とされているので、SG1だけの構成を例として
示しているが、20はダンプ係数生成部であり、サステ
ィンペダルの踏み込み量等に応じたダンプ信号DUM
P、およびキーオン信号KONが供給されて乗算係数M
が生成され、ストリング部(STRING)22に減衰
を制御する信号として供給されている。21はキーオン
信号KONが入力されて、キーオンのタイミングで各鍵
に対応する波形の励振信号を発生してストリング部22
に供給することにより、ストリング部22の閉ループを
駆動する励振部であり、鍵の速度信号に応じた励振信号
を発生しても良い。なお、ダンプ信号DUMPは各SG
1〜SGnに共通に印加され、各SG1〜SGnには、
各弦に対応するキーオン信号KONKON 1〜KON
nがそれぞれ供給されている。
【0025】ここで、ストリング部22は図1および図
3に示すような閉ループからなる構成とされるが、図6
に示すような構成としても良い。この図6において、遅
延手段35,38はDELAY1nとDELAY2nと
の2つに分割され、弦の特性を代表するフィルタ33,
36もFILTER1nとFILTER2nとに分割さ
れている。そして、遅延手段38(DELAY2n)と
フィルタ33(FILTER1n)との間に加算器31
を、遅延手段35(DELAY1n)とフィルタ36
(FILTER2n)との間に加算器32を設けて、励
振波形発生部21より発生された励振波形Wnを加算器
31,32に供給することにより、打弦する位置に励振
波形を供給することができる。
【0026】また、係数乗算器34には減衰特性を制御
する制御パラメータDCが印加されており、位相反転回
路(REF)37は弦の固定端による反射を模擬するた
めのものである。さらに、FILTER1nから出力さ
れる信号STRINGnはストリング部22から共鳴体
部23に出力される楽音信号であり、係数乗算器40に
入力される信号RESINnは共鳴体部23からストリ
ング部22にフィードバックされる共鳴された楽音信号
である。この係数乗算器40は、ダンプの制御を共鳴体
部23からストリング部22へフィードバックされる信
号量を定めるフィードバック係数で行うために設けられ
ており、係数乗算器40には共鳴体フィードバック係数
供給部39より、音色パラメータTCおよび制御パラメ
ータDCに応じた共鳴体フィードバック係数が乗算係数
として印加されている。この場合、制御パラメータDC
が「1」に近いほど共鳴音の帰還量が大きくされるフィ
ードバック係数とされている。
【0027】なお、この図に示すように励振波形発生部
(DRIVERn)21に演奏操作子10の鍵の押鍵速
度信号(KEYVn)を与えるようにして、この信号に
応じた励振波形を発生して、ストリング部22に供給す
るようにしても良い。さらに、共鳴体部23の一構成例
を図7に示すが、共鳴体部23は共鳴音を生成するウェ
ーブガイド(WG)41,42,・・・・,48,・・
・をジャンクション(J)50,51,52,53,・
・・を介して図示するように接続して二次元的に構成さ
れている。
【0028】この共鳴体部23のジャンクション50,
52・・・にはストリング部22より出力される楽音信
号が入力されると共に、共鳴体部23により生成される
共鳴された楽音信号がジャンクション50,52・・・
からストリング部22にフィードバックされている。そ
して、共鳴体部23により生成された楽音信号はいずれ
のウェーブガイド41,42,・・・から取り出すよう
にしても良いが、図7においてはWG45から取り出す
ようにしている。なお、ウェーブガイド41,42,・
・・は従来から当技術分野においては知られており、例
えば特開昭63−40199号公報に記載されているよ
うな構成とされている。
【0029】このように、前記変形例によれば共鳴体部
23を設けるようにしたため、打弦された弦以外の弦も
振動するといった物理現象を実現することができる。こ
の場合、最高音から1オクターブと5度下の鍵までのダ
ンプ係数は常に「1.0」として、ダンプ機能を持たな
いようにしておくと、実際のピアノのような高音弦の共
鳴を実現することができる(実際のピアノにおいては、
高音弦にはダンパはなく解放状態とされている。)。
【0030】また、本発明は特開平4−52698号公
報に記載されているより忠実なモデリングによるダンパ
のモデルへの入力としても有効である。この様子を図8
に示すが、この図において01は弦の挙動をシミュレー
トしたストリング部であり、02は鍵の動きすなわち打
弦するハンマの挙動をシミュレートする励振部である。
この励振部02において、制振情報FDが加算器79に
与えられるが、この制振情報FDはダンパが弦を押圧す
る圧力をダンパの加速度に変換したものであり、「1」
の場合にダンプ状態とされる。そこで、「0」の場合に
ダンプ状態とされる制御パラメータDCを制振情報FD
とするには、「+1」から制御パラメータDCを差し引
くようにすればよいため、減算器83において「+1」
から制御パラメータDCを引いて制振情報FDとしてい
る。これにより、制御パラメータDCをダンパのモデル
へ入力することによりハーフペダル等のダンプの制御を
行うことができるようになる。
【0031】なお、以上の説明では直接弦の反射係数を
制御するようにしてダンプ制御を行うようにしたが、ダ
ンパ用の簡単なフィルタを閉ループ内に挿入し、その係
数を制御パラメータDCにより制御するとより実際に近
いモデルとすることができる。あるいは、弦の特性を代
表するループ内フィルタを制御パラメータDCで制御す
るようにしても良い。また、ダンプ信号DUMPは「0
〜1」の間の連続値としたが、例えば「0.1〜0.9
9」等のあるレンジ内で制御を行うようレンジ幅を設定
しても良い。さらに、制御パラメータDCに時間変化す
るエンベロープ信号等を乗算するようにしても良い。
【0032】なお、本発明はサスティンペダルに関する
制御のほか、ソステヌート・ペダルが操作された時に押
鍵されていた鍵に対応する弦モデルに対してのみ、サス
ティンペダルを操作した時と同様の処理を行うようにす
ると、ソステヌート・ペダル機能のシミュレートにも適
用することができる。また、本発明の楽音信号合成装置
はハードウェアによって構成することはもちろん、DS
P等の演算処理手段によっても実現することができるも
のである。さらにまた、以上の説明においては弦楽器等
の減衰音を合成する楽音合成装置について説明したが、
本発明はこれに限らず、管楽器等の持続音を合成する楽
音合成装置に適用しても良いものである。例えば、トラ
ンペットにおけるミュート操作を行うことができるよう
になる。
【0033】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、ハーフペダル等のサスティンペダルの忠実なペダル
効果を実現することができる。さらに、他の弦モデルか
らの信号を共鳴系等を介して伝達するようにすると、共
鳴弦のシミュレーションを可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の楽音合成装置の概略構成を示すブロ
ック図である。
【図2】 図1の説明を行うためのタイミング図であ
る。
【図3】 本発明の楽音合成装置の詳細構成を示すブロ
ック図である。
【図4】 乗算係数を発生させるための他の例を示す図
である。
【図5】 本発明の楽音合成装置の変形例を示す図であ
る。
【図6】 ストリング部および励振波形発生部の他の例
を示す図である。
【図7】 共鳴体部の構成を示す図である。
【図8】 本発明の適用例を示す図である。
【符号の説明】
1 遅延手段、2 フィルタ、3 係数乗算器、4 最
大値選択手段(最大値選択部)、5 加算器、6 励振
波形発生部、7 平滑フィルタ、8 音色設定部、9
制御部、10 演奏操作子、11 演奏補助操作子、1
2 係数供給部、20 ダンプ係数生成部、21 励振
部、22 ストリング部、23 共鳴体部、SG1,S
G2・・・SGn 楽音合成手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−204599(JP,A) 特開 平3−163597(JP,A) 特開 平5−73063(JP,A) 特開 平6−149246(JP,A) 特開 昭64−91193(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10H 1/053 G10H 1/00 G10H 7/00 513 G10H 7/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 楽音を生成する閉ループを駆動する励
    振信号を発生する励振信号発生手段と、 前記閉ループのループゲインを制御するループゲイン制
    御手段と、 前記楽音の発生および前記楽音の終了を減衰情報により
    指示する第1の演奏情報発生手段と、 前記楽音の減衰態様を減衰情報により指示する第2の演
    奏情報発生手段と、 前記第1の演奏情報発生手段より発生される減衰情報
    と、前記第2の演奏情報発生手段より発生される減衰
    報とを比較して、いずれか大とされる減衰情報を選択す
    る選択手段と、 該選択手段により選択された減衰情報を平滑して前記ル
    ープゲイン制御手段に供給する平滑手段とを備え、 前記第1の演奏情報発生手段より発生される減衰情報
    と、前記第2の演奏情報発生手段より発生される減衰
    報の双方の値に応じて、前記ループゲインが決定されて
    いることを特徴とする楽音合成装置。
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