JP2669149B2 - 楽音信号発生装置 - Google Patents

楽音信号発生装置

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JP2669149B2 JP2330141A JP33014190A JP2669149B2 JP 2669149 B2 JP2669149 B2 JP 2669149B2 JP 2330141 A JP2330141 A JP 2330141A JP 33014190 A JP33014190 A JP 33014190A JP 2669149 B2 JP2669149 B2 JP 2669149B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、楽音信号発生装置に関し、例えば電子ピ
アノなどを物理モデル音源を用いて構成した場合におい
て共鳴効果やダンパーペダルを操作したときの音色変化
の効果などを実現した楽音信号発生装置に関する。
[従来技術] 従来、ピアノなどの自然楽器を物理モデル音源でシミ
ュレートする音源回路の技術がある。例えば、特公昭58
−48109号公報には、所望の周波数特性を有するフィル
タの入力端子に楽音波形を加え、このフィルタの出力端
子に現れる楽音波形を遅延して再び前記フィルタの入力
端子に加えるようにして楽音波形がフィルタを循環する
ようにし、フィルタを通過するたびにフィルタの特性に
よって順次変化していく楽音波形を取り出すようにした
電子楽器が開示されている。これによれば、管、弦ある
いは膜の振動を利用する自然楽器の楽音に近似した楽音
をよくシミュレートすることができる。
一方、ピアノなどにおいてダンパーペダルを踏み込ん
だ際の残響効果を実現するため、従来の電子楽器ではダ
ンパーペダルによりリリースレートを延ばしていた。ま
た、特開昭63−267999号公報には、音源からの楽音信号
をピッチに対応した複数のコムフィルタ(櫛形フィル
タ)に入力することにより共鳴弦をシミュレートし残響
効果を得る楽音信号発生装置が開示されている。
[発明が解決しようとする課題 特公昭58−48109号のような自然楽器を物理モデル音
源でシミュレートする音源回路において、残響効果、共
鳴効果、電子ピアノのダンパーペダルの効果などを総合
的に制御するようにしたものはない。
また、ダンパーペダルにより単にリリースレートを延
ばして残響効果を実現するのでは、より自然楽器に近い
効果を得ることができない。
特開昭63−267999号のような共鳴弦をシミュレートす
ることによりダンパーペダルの効果を実現するもので
は、自然楽器に近い残響効果を得ることができる。しか
し、実際のピアノなどではキーオンされ鳴っている弦は
共鳴弦として働かないにもかかわらず、上記の方式では
当該弦についても共鳴弦としてシミュレートしてしま
う。例えば、PCM音源などでキーオンに対応して発生さ
れる押鍵音の信号を、その押鍵音と同じピッチのコムフ
ィルタに入力すると、コムフィルタのピークにはまり音
色の劣化が発生することがあった。
この発明は、上述の従来例における問題点に鑑み、物
理モデル音源を用いて楽器全体を構成するとともに、残
響効果、共鳴効果、電子ピアノのダンパーペダルの効果
などを総合的に実現し、かつこれらの効果を働かせた場
合などでも音色の劣化を引起こすことのない楽音信号発
生装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するため、請求項1に係る楽音信号
発生装置は、加算手段と、遅延手段またはフィルタ手段
の少なくとも一方とを直列接続したループ手段、および
前記加算手段に所定の駆動波形を供給する駆動波形発生
手段を備え、前記ループ手段の遅延時間に対応した所定
の楽音波形を出力する複数の楽音波形出力手段と、前記
複数の楽音波形出力手段の出力である楽音波形を合成
し、該合成信号を出力する楽音波形合成手段と、前記楽
音波形合成手段の出力を前記複数の楽音波形出力手段の
各ループ手段を巡回する信号になるように入力するフィ
ードバック手段とを具備することを特徴とする。
なお、上記の楽音波形出力手段の出力はループ手段の
ループ内のどこから取り出してもよい。また、ループ手
段のループ内の複数の異なる位置から出力を取り出して
合成するようにしてもよい。
請求項2に係る楽音信号発生装置は、請求項1におい
て、さらに操作子を備え、該操作子の操作に応じて、前
記フィードバック手段により前記各ループ手段に入力さ
れる信号のレベル、および/または、前記ループ手段を
循環する信号の特性を、制御するようにしたことを特徴
とする。
例えば、ダンパーの効果を実現するために、前記ルー
プ手段のループ内にさらにダンパーの特性を近似する可
変フィルタ手段を直列接続し、ダンパーペダルなどの操
作子の操作量に応じてこの可変フィルタ手段の特性を変
化させるようにするとよい。
さらに、駆動波形発生手段から駆動波形が供給された
楽音波形出力手段(例えば対応する鍵が打鍵された音
源)については、その楽音波形出力手段のループ手段に
接続された可変フィルタ手段を強制的にダンパーの開放
状態に設定するとともに、フィードバック手段によるフ
ィードバックを行わないようにするとよい。
[作 用] 駆動波形発生手段から加算手段に駆動波形を入力する
と、この波形はループ手段を循環し、ループ手段のルー
プ内の適当な位置から楽音波形が出力される。この楽音
波形のピッチはループ手段全体の遅延時間によって定ま
る。駆動波形発生手段とループ手段を有する楽音波形出
力手段は複数であり、それぞれの楽音波形出力手段から
の楽音波形は楽音波形合成手段にて合成され出力され
る。さらに、この出力は、複数の楽音波形出力手段の各
ループ手段を巡回する信号になるようにフィードバック
される。これらのループ手段は、各音高の周波数と各々
整数倍にある複数の周波数位置に各々共振峰を有するコ
ムフィルタとして作用するから、合成出力に含まれる周
波数と整数倍関係にある信号成分が継続的に残り出力さ
れていく。以上のようにして、共鳴(残響)効果が実現
される。
さらに操作子を備え、該操作子の操作に応じて、フィ
ードバック手段により各ループ手段に入力される信号の
レベル、および/または、ループ手段を循環する信号の
特性を制御するようにすれば、ダンパーの効果などが実
現できる。例えば、楽音波形出力手段のループ手段内に
さらにダンパーの特性を近似する可変フィルタ手段を直
列接続し、操作子の操作量に応じてこの可変フィルタ手
段の特性を変化させればよい。具体的には、可変フィル
タ手段をローパスフィルタで構成し、ダンパーペダルの
踏込み量が大きくなるにしたがってこのローパスフィル
タのカットオフ周波数やフィルタゲインが上がるように
する。
また、駆動波形発生手段から駆動波形が供給された楽
音波形出力手段については、その楽音波形出力手段のル
ープ手段に接続された可変フィルタ手段を強制的にダン
パーの開放状態(例えばダンパーペダルの踏込み量がゼ
ロ)とするとともに、フィードバック手段によるフィー
ドバックを行なわないこととすれば、当該楽音波形出力
手段については共鳴に関与しないようにできる。
[実施例] 以下、図面を用いてこの発明の実施例を説明する。
第1図は、この発明の一実施例に係る楽音信号発生装
置を適用した電子ピアのブロック構成を示す。
この実施例の電子ピアノは、88鍵の鍵盤(キーボー
ド)2およびダンパー操作子であるダンパーペダル4を
有する。
制御部6は、鍵盤2の各鍵の押下およびダンパーペダ
ル4の操作を検出し、検出結果に応じて各鍵ごとのキー
オン信号KON1〜KON88およびダンパー操作量DMPRを出力
する。また、制御部6は、各鍵に対応したピッチと該特
性を有する楽音を合成するためのパラメータである遅延
時間DLY1〜DLY88および弦特性フィルタ係数STRG1〜STRG
88を生成し、音源部8に出力する。さらに、制御部6は
音源部8における全体フィールドバックレベルFBを出力
する。
8は音源部(楽音波形出力手段)を示す。音源部8は
各鍵に対応した88個の音源8−1〜8−88を有する。18
は情報変換部である。情報変換部18は、制御部6からダ
ンパー操作量DMPRおよびキーオン信号KON1〜KON88を入
力し、音源部8の各音源8−1〜8−88に与えるダンパ
ー特性フィルタ係数DMPF1〜DMPF88,DMPG1〜DMPG88およ
びフィードバックレベルFBLV1〜FBLVL88を出力する。
音源8−n(n=1〜88)は、キーオン信号KONn、遅
延時間DLYn、弦特性フィルタ係数STRGn、ダンパー特性
フィルタ係数DMPFn,DMPGn、フィードバックレベルFBLVL
nを入力し、これらのパラメータに応じて所定のピッチ
の楽音波形を出力する。音源8−nからの出力は加算器
(楽音波形合成手段)10にて合成され楽音信号(合成出
力)として出力される。
一方、この出力楽音信号(加算器10の合成出力)は、
乗算器12および響板共鳴付与部14に入力する。乗算器12
はその入力信号に全体フィードバックレベルFBを乗算し
加算器16に出力する。響板共鳴付与部14は自然楽器であ
るピアノの響板の特性をシミュレートするフィルタであ
る。響板共鳴付与部14は、響板による共鳴の効果を付与
した出力信号を加算器16に向けて出力する。加算器16
は、これらの入力を加算し、各音源8−1〜8−88へと
フィードバックする。
次に第2図を参照して、1つの音源8−nの構成を説
明する。
音源8−n(n=1〜88)は、加算器26と、遅延回路
20と、弦特性フィルタ22と、ダンパー特性フィルタ24と
を直列接続したループ回路29を有する。また、音源8−
nはキーオン信号KONnに対応する初期駆動波形を出力す
る初期駆動波形発生部28を有する。初期駆動波形発生部
28から出力される初期駆動波形は、加算器26を介して上
記のループ回路29に供給される。
このループ回路29の遅延回路20は、入力楽音波形を遅
延時間DLYnだけ遅延させて出力する。この音源8−nで
発生する楽音信号のピッチはループ回路全体の遅延時間
によって決まるので、ここでは遅延時間DLYnにより制御
される。なお、フィルタとして高次のFIRなどのフィル
タで所望のピッチを得るに十分な遅延量を持つものを使
用する場合は、特に別途、遅延回路を用意する必要はな
く、フィルタの係数を適宜設定することにより、遅延量
を制御できることは公知である。
弦特性フィルタ22は、シミュレートすべき発音体(こ
の実施例ではピアノ弦)の周波数特性と同等のフィルタ
であり、入力楽音波形をその周波数特性に基づいて変化
させ出力する。その周波数特性は弦特性フィルタ係数ST
RGnに応じて各音源ごとに設定される。
ダンパー特性フィルタ24は、ダンパーの特性を近似す
る可変フィルタであり、入力楽音波形をダンパー特性に
基づいて変化させ出力する。ダンパー特性フィルタ24の
周波数特性は、ダンパー操作量DMPRに対応する周波数特
性係数DMPFnに応じて変化する。ダンパー特性フィルタ2
4のゲイン特性は、ダンパー操作量DMPRに対応するゲイ
ン特性係数DMPGnに応じて変化する。
ループ回路29の加算器26は、初期駆動波形発生部28か
らの初期駆動波形と、ダンパー特性フィルタ24の出力波
形と、乗算器30からのフィードバック入力とを加算し出
力する。
乗算器30は、第1図における合成出力のフィードバッ
クをフィードバック入力FBINとして入力し、これに音源
ごとのフィードバックレベルFBLVLnを乗算して出力す
る。
加算器26の出力が音源8−nとしての最終出力とな
る。
次に第3図を参照して、第2図のダンパー特性フィル
タ24について説明する。
ここで用いたダンパー特性フィルタ24は、基本的には
ローパスフィルタである。ダンパー特性フィルタ24は、
減算器26、乗算器28、加算器30、および遅延回路32を直
列接続したループ回路を有する。遅延回路32の出力は減
算器26だけでなく加算器30にもフィードバックする。ダ
ンパー特性フィルタ24への入力波形INnは減算器26を介
してこのループ回路に注入され、このループ回路を循環
する。
乗算器28は、このフィルタ24のカットオフ周波数を制
御するためのものである。乗算器28の乗数である周波数
特性係数DMPFnはダンパーペダルの操作量(踏み込み
量)に応じて、例えば第7図のように、変化する。第7
図において、横軸はダンパー位置を示し、ダンパー位置
「0」でダンパーペダルを踏み込んでいない状態を、ダ
ンパー位置「1」でダンパーペダルを最大踏み込みした
状態を、それぞれ示す。ダンパーペダルの踏み込み量が
増加するにつれて、乗算器28における乗数である周波数
特性係数DMPFnが増加し、ダンパー特性フィルタ24のカ
ットオフ周波数が高くなる。
ダンパー特性フィルタ24の出力は、加算器30の出力か
ら乗算器34を介して取出される。乗算器34は、このフィ
ルタ24のレベル制御のためのものである。乗算器34の乗
数であるゲイン特性係数DMPGnは、ダンパーペダルの操
作量(踏み込み量)に応じて、例えば第8図のように、
変化する。この図に示すようにダンパーペダルの踏み込
み量が増加するにつれて、乗算器34の乗数であるゲイン
特性係数DMPGnが増加し、ダンパー特性フィルタ24のゲ
インが高くなる。
なお、ダンパー特性フィルタは簡単には乗算器のみで
構成してもよい。第4図は、ダンパー特性フィルタ24′
をゲイン特性係数DMPGnを乗数とする乗算器36のみで構
成した例を示す。ただし、実際のピアノのダンパーペダ
ルのように弦をフェルトで押えた効果を出すためには第
3図の構成の方が好ましい。
次に第5図を参照して、第1図の情報変換部18につい
て説明する。
情報変換部18は、ダンパー特性フィルタ24に与えるた
めのダンパー特性を規定する係数などを算出する回路で
ある。情報変換部18は、各鍵に対応する88個の個別の変
換部40−1〜40−88を有する。各変換部は同様の構成で
あるので、以下変換部40−1につき説明する。
変換部40−1は、N個のオア(OR)回路、フィルタ係
数テーブル44、ゲイン係数テーブル46、およびフィード
バック入力係数テーブル48を有する。
オア回路42−1はキーオン信号KON1(1ビット)とダ
ンパー操作量DMPR(所定のビット数)の第1ビットとを
入力し、オア演算した結果を出力する。同様に、オア回
路42−n(n=1〜N)はキーオン信号KON1とダンパー
操作量DMPRの第nビットを入力し、オア演算した結果を
出力する。したがって、N個のオア回路42−1〜42−N
は、対応する鍵がキーオンされていないときはダンパー
操作量DMPRを出力し、対応する鍵がキーオンされたとき
は全ビット「1」を出力する。
フィルタ係数テーブル44は、ダンパー操作量DMPRに対
応する周波数特性係数DMPF1の一覧表を記憶したテーブ
ルである。また、ゲイン係数46は、ダンパー操作量DMPR
に対応するゲイン特性係数DMPG1の一覧表を記憶したテ
ーブルである。
オア回路42−1〜42−Nの出力に応じてフィルタ係数
テーブル44およびゲイン係数テーブル46が読み出され、
周波数特性係数DMPF1およびゲイン特性係数DMPG1が出力
される。対応する鍵がキーオンされている場合は、テー
ブル44,46には全ビット「1」のデータが入力する。こ
れは、ダンパー操作量DMPRを強制的に「1」(即ち最大
踏み込み状態)にすることに相当する。
一方、1ビットのキーオン信号KON1と所定ビットのダ
ンパー操作量DMPRは、フィードバック入力係数テーブル
48に入力する。フィードバック入力係数テーブル48は、
対応する鍵がオンされている場合といない場合のそれぞ
れについて、ダンパー操作量DMPRに対応するフィードバ
ックレベルFBLVL1の一覧表を記憶したテーブルである。
そして、キーオンの有無およびダンパー操作量DMPRに
対応してフィードバックレベルFBLVL1が読出され出力さ
れる。
なお、通常キーオンされた弦は共鳴に関与しないよう
にすべきであるから、キーオン信号KON1が「1」である
場合はダンパー操作量DMPRの値にかかわらずフィードバ
ックレベルFBLVL1を「0」とするようにフィードバック
入力係数テーブル48を設定しておくとよい。
また、フィードバック入力係数テーブル48には、キー
オンされていない場合の情報のみ記憶し、テーブル出力
をキーオン信号でゲーティングするようにしてもよい。
第6図は、このようなフィードバック入力係数テーブ
ルの接続例を示す。この図において、フィードバック入
力係数テーブル50はダンパー操作量DMPRを入力し、それ
に対応するフィードバックレベルFBLVLnを出力する。こ
の出力はアンド(AND)回路54に入力する。一方、キー
オン信号KONnはノット(NOT)回路52により反転され
て、アンド回路54に入力する。したがって、キーオン信
号KONnが「0」のときすなわち対応する鍵がキーオンさ
れていないときはフィードバックレベルFBLVLnがアンド
回路54から出力され、キーオン信号KONnが「1」のとき
すなわち対応する鍵がキーオンされているときはフィー
ドバックレベルFBLVLnとして全ビット「0」のデータが
アンド回路54から出力される。
フィードバックレベルFBLVLnが全ビット「0」という
ことは、第3図の音源回路においてフィードバック入力
FBINを切断するということになり、当該音源回路は共鳴
に関与しないこととなる。
次に、この電子ピアノの動作を簡単に説明する。この
電子ピアノの鍵盤2を押下すると、制御部6はこの押下
を検出し対応するキーオン信号KONn、遅延時間DLYn、お
よび弦特性フィルタ係数STRGnを出力する。また制御部
6は、ダンパーペダル4の操作量を検出し、対応するダ
ンパー操作量DMPRおよび全体フィードバックレベルFBを
出力する。
制御部6から出力されたキーオン信号KONnなどの信号
は、対応する音源8−nに入力する。音源8−nにおい
て、キーオン信号KONnは初期駆動波形発生部28に入力
し、これにより初期駆動波形がループ回路29の加算器26
に供給される。初期駆動波形はループ回路29を循環し出
力波形が生成出力される。ループ回路29の出力すなわち
音源8−nの出力は、加算器10にて他の音源からの出力
と合成され出力される。
また加算器10の出力は、乗算器12および加算器16を介
して、さらに響板共鳴付与部14および加算器16を介し
て、全音源8−1〜8−88のフィードバック入力FBINに
入力する。各音源8−1〜8−88では、このフィードバ
ック入力FBINにフィードバックレベルFBLVLnを乗算し
て、ループ回路29に注入する。
以上により、例えばピアノなどの楽器において、ある
鍵が打鍵されて発音された場合に、その振動がピアノの
フレームや響板を伝搬して他の弦全体を加振し、共鳴音
が発生される状況をシミュレートすることができる。
一方、制御部6から出力されたダンパー操作量DMPR
は、キーオン信号KON1〜KON88とともに情報変換部18に
入力する。情報変換部18において、ダンパー操作量DMPR
に対応する周波数特性係数DMPFn、ゲイン特性係数DMPG
n、およびフィードバックレベルFBLVLnが読み出され出
力される。このとき、キーオンされた鍵に対応する音源
に与えるこれらのパラメータとしては、強制的にダンパ
ー操作量DMPRの最大値に対応する値を出力し、共鳴効果
のためのフィードバックレベルFBLVLnとしては強制的に
「0」を出力する。これにより、キーオンされた音源が
共鳴音を発生しないようにできる。
情報変換部18から出力された周波数特性係数DMPFn、
ゲイン特性係数DMPGnおよびフィードバックFBLVLnは、
対応する音源8−nに入力する。周波数特性係数DMPFn
およびゲイン特性係数DMPGnは、音源8−nのループ回
路29のダンパー特性フィルタ29の特性を変化させる。こ
れにより、ダンパーの効果が付与されて共鳴音成分の楽
音波形が出力される。また、フィードバックレベルFBLV
Lnにより合成出力のフィードバックのレベルを制御して
共鳴音成分を出力することができる。
以上説明したように、上記の実施例では、ループ回路
を用いて物理モデル音源を構成しているので、ピアノな
どの自然楽器の楽音に近似した楽音を発生させることが
できる。また、各音源からの出力を合成した合成出力波
形を再び各音源のループ回路に供給しており、共鳴や残
響効果が物理モデル音源により実現されたこととなる。
さらに、各音源のループ回路内にダンパーの特性を近似
する可変フィルタを設けて、ダンパーレベルなどによる
ダンパーの効果を実現している。
なお、上記の実施例では物理モデルの例として初期波
形を入力する撥弦のモデルを用いたが、これに限らず種
々の励起信号を用いるようにしてよい。例えば、初期波
形の代わりに弦を打つハンマーをシミュレートしたモデ
ルを用いてもよい。
ダンパーによる減衰特性は弦のループの中に挿入され
た可変フィルタにより近似したが、ダンパーの物理モデ
ルを用いてもよい。
弦の本数は88本としたが、それぞれが複数弦の場合
や、88本より少なくしてキーアサインにおいて弦の長さ
を変化させるようなモデルを用いてもよい。
音源に与える遅延時間DLYや弦特性フィルタ係数STRG
は制御部6から入力するようにしているが、あらかじめ
固定された値を設定しておいてもよい。
第5図の変換部18において、フィードバック入力係数
テーブル48はキーオンされている場合とされていない場
合の2つの場合に対応してテーブルを設けているが、第
6図に示したようにキーオン信号KONnによりゲーティン
グすることとし、フィードバック入力係数テーブルはキ
ーオンされていない場合のデータのみをもつようにして
もよい。
ただし、キーオンされている場合とされていない場合
とで、音源のループ回路へのフィードバック入力信号FB
INのレベルを適宜可変制御することが望ましいので、上
記実施例のようにペダル操作量DMPRとキーオン信号KONn
を並列化した信号をアドレスとしてフィードバック入力
係数テーブルを参照することが好ましい。
現実のピアノの高音域弦にはダンパー機構が備えられ
ていないので、その範囲の高音弦に対応する音源につい
ては、ダンパー開放状態に固定することとし対応する変
換部40−iを省略してもよい。
ループ回路からの出力はループ回路内のどこから取り
出してもよい。また、ループ回路の複数の異なる位置か
ら出力を取り出して合成するようにしてもよい。
上記実施例のように遅延回路を設けることなく、例え
ば所望のピッチを得るに十分な遅延量を有するフィルタ
のみをループ回路に用いてよい。この場合、フィルタの
係数を適宜設定して遅延量を制御すればよい。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明によれば、物理モデル
をシミュレートした音源の出力を合成した合成出力を再
び音源にフィードバックするようにしているので、残響
効果、共鳴効果、およびダンパーの効果などを総合的に
実現することができる。
また、キーオンされた音源については共鳴に関与しな
いようにしているので、音色の劣化が防止される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例に係る楽音信号発生装置
を適用した電子ピアノのブロック構成図、 第2図は、この楽音信号発生装置の音源のブロック構成
図、 第3図は、音源のダンパー特性フィルタのブロック構成
図、 第4図は、ダンパー特性フィルタの別の例を示す構成
図、 第5図は、上記楽音信号発生装置の情報変換部のブロッ
ク構成図、 第6図は、フィードバック入力係数テーブルの接続例を
示すブロック構成図、 第7図は、ダンパー位置と周波数特性係数との対応を示
すグラフ、 第8図は、ダンパー位置とゲイン特性係数との対応を示
すグラフである。 2……鍵盤、4……ダンパーペダル、6……制御部、 8……音源部、8−1〜8−88……各音源、 10,16……加算器、12……乗算器、 14……響板共鳴付与部、18……情報変換部、 20……遅延回路、22……弦特性フィルタ、 24……ダンパー特性フィルタ、26……加算器、 28……初期駆動波形発生部、29……ループ回路、 30……乗算器、42−1〜42−N……オア回路、 44……フィルタ係数テーブル、 46……ゲイン係数テーブル、 48……フィードバック入力係数テーブル。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加算手段と、遅延手段またはフィルタ手段
    の少なくとも一方とを直列接続したループ手段、および
    前記加算手段に所定の駆動波形を供給する駆動波形発生
    手段を備え、前記ループ手段の遅延時間に対応した所定
    の楽音波形を出力する複数の楽音波形出力手段と、 前記複数の楽音波形出力手段の出力である楽音波形を合
    成し、該合成信号を出力する楽音波形合成手段と、 前記楽音波形合成手段の出力を前記複数の楽音波形出力
    手段の各ループ手段を巡回する信号になるように入力す
    るフィードバック手段と を具備することを特徴とする楽音信号発生装置。
  2. 【請求項2】さらに操作子を備え、該操作子の操作に応
    じて、前記フィードバック手段により前記各ループ手段
    に入力される信号のレベル、および/または、前記ルー
    プ手段を循環する信号の特性を、制御するようにした請
    求項1に記載の楽音信号発生装置。
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