JP2004315865A - 錫含有物からの錫回収方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】錫を主成分とするはんだなどから、金属錫を単体で容易かつ効率よく回収することができる錫含有物からの錫回収方法を提供する。
【解決手段】錫含有物2に酸を添加し酸溶液6を得る第1工程と、酸溶液6に第1のアルカリ5を添加しpH1〜12に調整することで固形物11を生成し、固形物11を得る第2工程と、固形物11に第2のアルカリを添加し、pH12以上に調整した溶液とする第3工程と、第3工程の溶液を電解する第4工程と、により錫を得る。錫−銀系はんだ、錫−銅系はんだ、錫−ビスマス系はんだ、錫−亜鉛系はんだ及びこれらの化合物並びに類似組成を持つ合金などの錫含有物から、高純度の金属錫を容易かつ効率よく回収することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】錫含有物2に酸を添加し酸溶液6を得る第1工程と、酸溶液6に第1のアルカリ5を添加しpH1〜12に調整することで固形物11を生成し、固形物11を得る第2工程と、固形物11に第2のアルカリを添加し、pH12以上に調整した溶液とする第3工程と、第3工程の溶液を電解する第4工程と、により錫を得る。錫−銀系はんだ、錫−銅系はんだ、錫−ビスマス系はんだ、錫−亜鉛系はんだ及びこれらの化合物並びに類似組成を持つ合金などの錫含有物から、高純度の金属錫を容易かつ効率よく回収することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子部品などの廃棄物から錫を回収するのに利用し、特に錫を主成分とするはんだ、はんだペースト及びこれらを用いた部材から金属錫を単体で容易かつ効率よく回収するための錫含有物からの錫回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
銅や錫などの重金属を沈殿させて回収及び除去する技術として、非鉄精錬やめっきの分野などで湿式回収法が知られているが(例えば、特許文献1参照)、湿式回収法のひとつである「重金属を含む水溶液から重金属を回収する方法」の提案では、重金属を含む水溶液にアルカリ性化合物を添加して重金属の水酸化物として沈殿させて除去する方法を試みたところ、銅の除去率が低く、かつ、生成した水酸化物の凝集性と沈降性とが極めて悪い旨が指摘されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
エレクトロニクスなどの分野において、電子基板への電子部品固定や配線などの製造工程では、従来から、錫と鉛の合金の共晶はんだが用いられてきた。その形態は、鏝付け、浸漬法、リフロー法など様々であるが、製造工程から発生する共晶はんだは、組成の均一性が高く、熱で熔融して再度調合することで共晶はんだとして再使用することができる。再熔融によるはんだの回収は公知の技術として一般的に行われるほか、「はんだの回収方法及びその装置」の発明も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0004】
また、従来用いられてきた共晶はんだは、鉛の持つ有害性から環境への拡散を懸念され、鉛が優先的に回収される例もある。「鉛分離方法」では溶媒抽出により選択的に鉛を回収する方法が提案され(特許文献4参照)、「半田合金の組成成分分離法」では錫と銅が合金化する他方で、鉛と銅が合金化しないことを利用した鉛の分離方法も提案されている(特許文献5参照)。
さらに加えて、低融点化、ぬれ性、機械的特性の改善などの観点から、はんだそのものの組成が見直され、錫と銀、錫とビスマス、錫と亜鉛の合金のはんだも用いられるようになってきた。これらの錫と鉛の合金に代替されるはんだも単体であれば錫と鉛の共晶はんだと同様に熱熔融によるはんだの回収が行われる。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−217634号公報(第1頁から第3頁、第1図及び第3図)
【特許文献2】
特開2002−233882号公報(第1頁から第2頁)
【特許文献3】
特開平11−229048号公報(フロントページ、第1図)
【特許文献4】
特開平9−157767号公報(フロントページ)
【特許文献5】
特開平11−222633号公報(フロントページ、第3図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら熱熔融による回収では、決まった組成のはんだを同種のはんだに戻すことは出来るが、金属錫の分離は不可能である。
また、錫鉛合金のはんだに限らず、錫銀合金のはんだ、錫ビスマス合金のはんだなど多種のはんだが使用されはじめ、各々の廃合金が発生するとともに、これらの混合物も発生するが、錫鉛合金のはんだのみでなく、錫と銀、錫とビスマス、錫と亜鉛及びそれらに適宜添加される銀、銅、ビスマス、 亜鉛、アルミニウムなどの金属元素を同時に含む場合に、容易に錫単体金属を得るのは困難であるという課題がある。
【0007】
本発明は上記課題に鑑み、錫を主成分とする、はんだ、はんだペースト及びこれらを用いた部材から金属錫を単体で容易にかつ効率よく回収することができる錫含有物からの錫回収方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の錫含有物からの錫回収方法は、錫含有物に酸を添加し、該錫含有物を溶解した酸溶液にアルカリ剤を添加し、該アルカリ溶液をpH12以上に調整して該錫含有物中の錫をアルカリ剤に溶解し、該アルカリ溶液を電解することで錫を得ることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、錫含有物に雑多に含まれる成分を酸に対する溶解度で、溶解したものと溶けない残物とに分離し、さらにアルカリ剤を添加することでpH(水素指数)を12以上に調整して錫品位の高い錫イオンを含むアルカリ溶液とし、アルカリ溶液を用いて電解を行うことにより、錫を得ることができる。これにより、錫の電解採取において、容易かつ効率のよい錫回収方法を提供することができる。
【0010】
また、本発明の錫含有物からの錫回収方法は、錫含有物に酸を添加し酸溶液を得る第1工程と、酸溶液に第1のアルカリ剤を添加しpH1〜12に調整することで固形物を生成し、固形物を得る第2工程と、固形物に第2のアルカリ剤を添加し、pH12以上に調整した溶液とする第3工程と、第3工程の溶液を電解する第4工程と、によって錫を得ることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、錫含有物に雑多に含まれる成分を酸に対する溶解度で、溶解したものと溶けない残物とに分離し、さらに第1のアルカリ剤を添加することで、例えば金属成分の固形物を塩として選択的に得ることができ、固形物をさらに第2のアルカリ剤で溶解し、pHを調整してさらに錫品位の高い錫イオンを含むアルカリ溶液とし、このアルカリ溶液を用いて電解を行うことにより、錫を得ることができる。これにより、錫の電解採取において、錫のみを選択的に採取することが可能となる。
【0012】
上記構成において、第3工程の電解に用いた液を、第1のアルカリ剤および/または第2のアルカリ剤として使用するようにしてもよい。
この構成によれば、第3工程の電解に用いた液は、塩(SO4 イオンや塩素(Cl)イオンなどを含む)が少ないので第1のアルカリ剤および/または第2のアルカリ剤として再使用できる。したがって、アルカリ剤などの薬剤品コストと薬剤品の廃水処理コストを下げると共に、廃水処理による廃棄物の増加を抑制することができる。
【0013】
また、上記構成において、錫含有物は、錫と、さらに、アルミニウム、銅、亜鉛、銀、鉛及びビスマスのいずれかの少なくとも一種以上と、からなっていてよい。
また、錫含有物が、40〜99.9質量パーセントの錫と、さらに、アルミニウム、銅、亜鉛、銀、鉛及びビスマスのいずれかの少なくとも一種以上と、からなるはんだ、はんだペースト、錫廃棄物のいずれかであってもよい。上記構成によれば、雑多に成分が含まれている物においても錫の回収が可能であり、特に、アルミニウム、銅、亜鉛、銀、鉛及びビスマス等を含むものにおいても有効に錫を回収することができる。
特に、上記成分比においては、本工程において経済上もっとも好ましく錫の回収効果が得られる。
【0014】
また、本発明の錫含有物からの錫回収方法において、第2工程と第3工程のいずれか、或いは両方をpHを段階的に高くして複数回繰り返すようにすることができる。このようにすれば、簡易な錫回収方法を提供でき、より多様な成分に応じることが可能となる。
【0015】
このような構成の錫含有物からの錫回収方法では、pHを段階的に調整して錫溶解溶液を得るので、錫−鉛系はんだ、錫−銀系はんだ、錫−銅系はんだ、錫−ビスマス系はんだ、錫−亜鉛系はんだ及びそれらの化合物並びに類似組成を持つ合金などの錫含有物から高純度の金属錫を容易にかつ効率よく回収することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実質的に同一の部材には同一の符号を付して説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る錫含有物からの錫回収方法の工程を示す工程図である。本発明の第1の実施形態は、アルミニウム、銅、亜鉛、銀、鉛及びビスマスなどを含む錫含有物から金属錫を回収する方法である。
3種以上の成分を含む錫含有原料は、上記したように錫と多種の金属とが構成成分となり合金となったものでもよいし、電子基板、はんだ、ろう付け品、錫めっき液等の廃棄物から回収された錫が含まれるものでもよい。
なお、廃棄物からの回収においては、予め廃棄物を洗浄し、金属以外の成分を除去しておけば、なお好ましい。
【0017】
本発明の第1の実施形態では、錫40−99.9質量%(以下、質量%を、特に必要がない場合を除き、単に%またはwt%と表記する。)含み、銀、銅、鉛、ビスマス、亜鉛、アルミニウムを合計0.1−60%含むはんだ及びはんだペーストを原料とするが、詳しくは、錫96.5%−銀3.5%のはんだ、錫91.7%−銀3.5%−ビスマス4.8%のはんだ、錫96.5%−銀3.0%−銅0.5%のはんだ等の単体及びこれらの混合物が原料である。はんだ等は未使用のもののみではなく、廃はんだ及び廃はんだペーストも原料となる。同様の組成であれば他の用途に用いられる錫を含んだ合金でも良い。また錫のめっき廃液も錫回収の対象である。これらの原料は本明細書の好適な実施の形態において「錫含有はんだ」と称して説明する。なお、錫を含んだ合金、はんだ、めっき廃液などを錫含有物と称する。
【0018】
図1を参照して、第1の実施形態は、第1工程として、錫含有はんだ2を溶解する酸溶解工程3と、錫などが溶解した酸溶液6と沈殿した固形物7とを分離する第1固液分離工程4と、により酸溶液6を得る(図1のA部参照)。
次に、第2工程として、第1工程で得た酸溶液6に第1アルカリ剤5を添加しpHを1〜12に調整して固形物が沈殿した第1溶液を得る中和工程8と、第2溶液12と沈殿した固形物11とを分離する第2固液分離工程9を実施することで、固形物11を得る(図1のB部参照)。中和工程8のpH値は、錫含有はんだ2の組成に応じて、例えば、酸性から中性のpH5〜7、或いは中性からアルカリ性のpH7〜10に適宜調整すればよい。
【0019】
次に、第3工程として、第2工程で得た固形物11に第2アルカリ剤10でpHを12以上、好ましくはpH12〜14にして錫を溶解するが、他の塩などは沈殿物にするアルカリ溶解工程13と、錫溶解溶液15と他の塩の固形物16とを分離する第3固液分離工程14と、錫溶解溶液15から金属錫を電解採取する電解採取工程17とを備える(図1のC部参照)。
【0020】
本発明の第1の実施形態では、先ず、錫含有はんだを、水及び脱脂剤のいずれか或いは両方で洗浄、焙焼などをして、油脂分を除去する。
次に、図1を参照して、油脂分を除去した錫含有はんだ2を、酸性液1で溶解する(酸溶解工程3)。この酸性液1の種類は無機酸であり、例えば塩酸、硫酸、弗化水素酸、臭化水素酸及びこれらの混酸を用いる。この他に錫含有物の錫含有率が40質量%以上の時は硝酸を用いてもよい。
錫含有はんだ2中の錫を溶解できるものであれば、酸性液1の濃度及び温度は問わない。この酸性液1は、錫含有はんだ量の1〜20当量加えると良い。
【0021】
錫含有はんだを酸溶解後は、酸溶液6と固形物7とに分離する(第1固液分離工程4)。この固形物7は、濾過分離法、沈降分離法及び遠心分離法等で分離可能である。以下の固液分離工程においても濾過分離法等で分離する。
ここで、錫含有はんだ2に銀が含まれる場合は、酸性液1として塩酸又は塩酸を含む混酸を用いることで、塩化銀の沈殿を生成することにより固形物7として銀を分離できる。塩酸の代わりに臭化水素酸を用いて、臭化銀の沈殿を生成することにより固形物7として銀を分離しても良い。このように錫含有物に雑多に含まれる成分を、酸に対する溶解度で溶解したものと溶解しない残物とに分離することができる。
【0022】
酸溶液6には、錫、アルミニウム、銅、亜鉛、銀、鉛及びビスマスなどが含まれており、第1アルカリ剤5の水溶液でpH7〜10にpH調整して添加することにより、各々沈殿を生じて固形物11が得られる(中和工程8)。
このように第1アルカリ剤5を添加することで、アルカリ金属塩としての固形物11を得ることができる。
【0023】
この第1アルカリ剤5はアルカリ金属水酸化物が利用可能であり、具体的には、LiOH、NaOH、KOHが好適である。また、Ca(OH)2 、Ba(OH)2 、K3 PO4 及びNa3 PO4 等も使用可能であり、原則として水溶性かつpH12以上にpH調整可能なものであればよい。
この時の溶液は、酸基と、酸性液1及び第1アルカリ剤5の中和反応により生成した塩とを多く含み、これらの酸基と塩を多く含む溶液を溶液12として排出する(第2固液分離工程9)。
このように液中に残存する酸基と塩を除去し、固形物をより不純物の少ないものとし、後工程における溶液等の酸基の量を抑制することができ、溶液作成のための薬剤等の使用量も抑制できる。
【0024】
この溶液12を排出するときは、酸基と塩を工程の系外に排出することで、後で説明する電解採取工程17における電解浴液19を、第1アルカリ剤5および/または第2アルカリ剤10として繰り返し使用することができる。
電解浴液19を第2アルカリ剤10などとして使用しない場合は、固形物11と溶液12を第2固液分離工程9にて分離せず、そのままアルカリ溶解工程13に導入しても良い。
【0025】
次に、第2アルカリ剤10の水溶液でpH調整して液質をpH12〜14にすることで錫を溶解するが、銅、鉛、ビスマス、亜鉛、アルミニウム等は水酸化物として沈殿状態を維持し(アルカリ溶解工程13)、これらの水酸化物を固形物16として回収する一方で、錫は液中に溶解して溶液15に含まれる(第3固液分離工程14)。
第2アルカリ剤10は、上記したアルカリ金属水酸化物が利用可能であり、このアルカリ溶解工程13では錫(Sn)を溶解するための高pH化に第2アルカリ剤10を使用している。
したがって、第2アルカリ剤10は銅、鉛、ビスマス、亜鉛などの水酸化金属の沈殿を維持させるものであって、水溶性かつ高pHに調整可能であればよい。
【0026】
最後に、錫溶解した溶液15の液中に陰極、陽極を隔離して設置し、陰極の浴液への浸漬面積1デシ平方メートルあたり0.1〜50アンペアを通電することで、電解採取を行う(電解採取工程17)。この電解採取によって陰極に金属錫18が析出する。この陰極には水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ溶液に溶けない電気伝導体であればよく、また陽極にはフェライト、カーボン等の電極が望ましい。
【0027】
電解採取が終了すれば、図1の点線35,36で示すように電解浴液19を第1アルカリ剤5および/または第2アルカリ剤10として再利用することができる。これにより、第1アルカリ剤5または第2アルカリ剤10の使用量を減少できる。また、電解浴液19を第2アルカリ剤10などに再利用すれば、電解浴液19中に残存している錫の再回収ができるので、錫の収率をさら向上させることができる。
【0028】
また、中和工程8と第2固液分離工程9において、固体と液体とに分離する工程を繰り返し、pHを複数の工程にわたり段階的に高くしてもよい。さらにアルカリ溶解工程13と第3固液分離工程14においても同様に複数の工程にわたりpHを段階的に高くして錫溶解溶液を得るようにしてもよい。
【0029】
なお、本発明における、上記各固液分離工程4,9,14の液または他の溶液は、殿物が少ないか、または、殿物がない液体であり、金属イオン等を含有する液体のことを意味している。また、溶液が殿物などを含有する場合は、ろ過、または、デカンテーションなどの方法を用いて溶液から殿物を分離した後の液を示している。
【0030】
これにより、本発明の錫含有物からの錫回収方法によれば、錫含有物に酸を添加して、錫イオンをも含む酸溶液にした溶液に第1のアルカリ剤5を添加後に、溶液12と固形物11とを分離し、固形物11をさらに第2のアルカリ剤10で溶解し、pHを調整し、さらに錫品位の高い錫イオンを含むアルカリ溶液15と固形物16を分離し、このアルカリ溶液を用いて電解などを行うことにより、錫を得ることができる。
さらに、電解後のアルカリ溶液は、酸基(SO4 イオンや塩素(Cl)イオンなどを含む)が少ないので、さらに上記第1または第2のアルカリ剤5,10として使用できることから、アルカリ剤などの薬剤品コストと薬剤品の廃水処理コストを下げると共に、廃水処理による廃棄物の増加を抑制することができる。
【0031】
次に、本発明の第2の実施形態に係る錫含有物からの錫回収方法について説明する。
図2は本発明の第2の実施形態に係る錫含有物からの錫回収方法の工程図を示す図である。本発明の第2の実施形態の特徴は、第1の実施の形態にあっては第1固液分離工程4、中和工程8及び第2固液分離工程9を経ていたが、これらの工程を省略したことにある。
図示するように、第2の実施形態では、油脂分を除去した錫含有はんだ2を酸性液1で溶解する酸溶解工程3から、第2アルカリ剤10の水溶液でpH調整するアルカリ溶解工程13へ直接移行する。このとき、アルカリ溶解工程13では錫を確実に溶解するが、銅、鉛、ビスマス、亜鉛などの水酸化物等は沈殿状態を維持したままになるように、高pHに調整することが必要であり、pH12〜14であればよい。ここで、アルカリ溶解工程13は、pHを複数の工程にわたり段階的に高くしてもよい。
【0032】
これにより、本実施形態の錫含有物からの錫回収方法によれば、錫含有物に酸を添加して、錫イオンをも含む酸溶液にした溶液にアルカリ剤を添加し、そのpHを調整することで錫品位の高い錫イオンを含むアルカリ溶液を得ることができ、該アルカリ溶液を用いて電解などを行うことにより錫を得ることができる。
さらに、電解後のアルカリ溶液は、酸基(SO4 イオンや塩素(Cl)イオンなどを含む)が少ないので、さらに上記アルカリ剤として使用できることから、アルカリ剤などの薬剤品コストと薬剤品の廃水処理コストを下げると共に、廃水処理による廃棄物の増加を抑制することができる。
【0033】
次に、実施例について説明する。
(実施例1)
表1の錫含有はんだ欄に示す組成比率をもつ錫含有はんだについて、本発明の第1の実施の形態の工程を適用し、同表の結果を得た。
【0034】
【表1】
【0035】
錫含有はんだ(含有比率96wt%)2を約3当量の37%塩化水素酸に溶解して、目粗さ1μmのろ紙にてろ過し、酸溶液6及び固形物7を回収した。酸溶液6及び固形物7に含まれる錫、銀、銅、鉛の含有比率は、表1に示す結果であった。
溶解槽は、ポリプロピレン製の円筒形タンクを用いた。反応による発熱を考慮し、外部からの水冷を行った。溶解の反応時は、塩化水素及び水素ガスの発生があるため、局所排気を実施した。
酸溶液6に水酸化ナトリウム25%溶液を添加して中和し、pH8.5に調整した。その後、静置しpH調整により生成した澱物を沈降させ、固形物11として回収した。塩化ナトリウム水溶液を主成分とする上澄み液は溶液12として系外に排出した。
【0036】
得られた固形物11に25%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH13.4に調整し、固形物16を分離して上澄み液を溶液15、つまり電解採取浴液として回収した。
図3は電解採取槽の概略断面図である。図示するように、電解採取槽20は、ガラス製電解槽21と、定電流供給装置25とから構成されている。ガラス製電解槽21内には、電解浴液24が注入されて、ステンレスSUS430製陽極板22とステンレスSUS430製陰極板23とが配設される。陽極板22及び陰極板23は、それぞれ、定電流供給装置25の正負端子と被覆銅線26で接続されている。
溶液15を図3に示す電解槽に充填し、電極間電圧2.1〜2.4ボルト、電流密度1デシ平方メートルあたり1アンペア、浴液温度30℃の条件下で電解採取を行った。このようにして陰極板に析出して採取された金属を分析した結果、99.9wt%の金属錫18であることを確認した。
【0037】
(実施例2)
表2の錫含有はんだ欄に示す組成比率をもつ錫含有はんだについて、本発明の第2の実施の形態の工程を適用し、同表に示す結果を得た。
【0038】
【表2】
【0039】
錫含有はんだ(含有比率96wt%)2を約3当量の37%塩化水素酸に溶解して、目粗さ1μmのろ紙にてろ過し、酸溶液6及び固形物7を回収した。酸溶液6及び固形物7に含まれる錫、銀、銅、鉛の含有比率は表2に示す結果であった。
溶解槽は、ポリプロピレン製の円筒形タンクを用いた。反応による発熱を考慮し、外部からの水冷を行った。溶解の反応時は、塩化水素及び水素ガスの発生があるため、局所排気を実施した。得られた酸溶液6及び固形物7の混合物に25%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH12.4に調整し、固形物16を分離して上澄み液を溶液15、つまり電解採取浴液として回収した。
【0040】
溶液15を、図3に示す電解槽に充填し、電極間電圧1.5〜2.3ボルト、電流密度1デシ平方メートルあたり0.4アンペア、浴液温度28℃の条件下で電解採取を行った。陰極板に析出して採取された金属を分析した結果、99.9wt%の金属錫18であることを確認した。
【0041】
なお、実施例1及び実施例2において、便宜上電極としてSUS430を使用したが、SUS304でも問題がなかった。
また、表1及び表2において、含有比率は各溶液、固形物中での割合を表し、分布比率は錫含有はんだを100.0wt%としたときの各溶液及び固形物への移行比率を表す。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明の錫含有物からの錫回収方法では、pHを段階的に調整して錫溶解溶液を得ることができるため、錫−鉛系はんだに限らず、新規に使われるようになった錫−銀系はんだ、錫−銅系はんだ、錫−ビスマス系はんだ、錫−亜鉛系はんだ及びこれらの化合物並びに類似組成を持つ合金などの錫含有物から、高純度の金属錫を容易かつ効率よく回収することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る錫含有物からの錫回収方法の工程を示す工程図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る錫含有物からの錫回収方法の工程を示す工程図である。
【図3】電解採取槽の概略概念図である。
【符号の説明】
1 酸性液
2 錫含有はんだ
3 酸溶解工程
4 第1固液分離工程
5 第1アルカリ剤
6 酸溶液
12,15 溶液
7,11,16 固形物
8 中和工程
9 第2固液分離工程
10 第2アルカリ剤
13 アルカリ溶解工程
14 第3固液分離工程
17 電解採取工程
18 金属錫
19,24 電解浴液
20 電解採取槽
21 ガラス製電解槽
22 陽極板
23 陰極板
25 定電流供給装置
26 被覆導線
35,36 再利用される電解浴液
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子部品などの廃棄物から錫を回収するのに利用し、特に錫を主成分とするはんだ、はんだペースト及びこれらを用いた部材から金属錫を単体で容易かつ効率よく回収するための錫含有物からの錫回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
銅や錫などの重金属を沈殿させて回収及び除去する技術として、非鉄精錬やめっきの分野などで湿式回収法が知られているが(例えば、特許文献1参照)、湿式回収法のひとつである「重金属を含む水溶液から重金属を回収する方法」の提案では、重金属を含む水溶液にアルカリ性化合物を添加して重金属の水酸化物として沈殿させて除去する方法を試みたところ、銅の除去率が低く、かつ、生成した水酸化物の凝集性と沈降性とが極めて悪い旨が指摘されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
エレクトロニクスなどの分野において、電子基板への電子部品固定や配線などの製造工程では、従来から、錫と鉛の合金の共晶はんだが用いられてきた。その形態は、鏝付け、浸漬法、リフロー法など様々であるが、製造工程から発生する共晶はんだは、組成の均一性が高く、熱で熔融して再度調合することで共晶はんだとして再使用することができる。再熔融によるはんだの回収は公知の技術として一般的に行われるほか、「はんだの回収方法及びその装置」の発明も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0004】
また、従来用いられてきた共晶はんだは、鉛の持つ有害性から環境への拡散を懸念され、鉛が優先的に回収される例もある。「鉛分離方法」では溶媒抽出により選択的に鉛を回収する方法が提案され(特許文献4参照)、「半田合金の組成成分分離法」では錫と銅が合金化する他方で、鉛と銅が合金化しないことを利用した鉛の分離方法も提案されている(特許文献5参照)。
さらに加えて、低融点化、ぬれ性、機械的特性の改善などの観点から、はんだそのものの組成が見直され、錫と銀、錫とビスマス、錫と亜鉛の合金のはんだも用いられるようになってきた。これらの錫と鉛の合金に代替されるはんだも単体であれば錫と鉛の共晶はんだと同様に熱熔融によるはんだの回収が行われる。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−217634号公報(第1頁から第3頁、第1図及び第3図)
【特許文献2】
特開2002−233882号公報(第1頁から第2頁)
【特許文献3】
特開平11−229048号公報(フロントページ、第1図)
【特許文献4】
特開平9−157767号公報(フロントページ)
【特許文献5】
特開平11−222633号公報(フロントページ、第3図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら熱熔融による回収では、決まった組成のはんだを同種のはんだに戻すことは出来るが、金属錫の分離は不可能である。
また、錫鉛合金のはんだに限らず、錫銀合金のはんだ、錫ビスマス合金のはんだなど多種のはんだが使用されはじめ、各々の廃合金が発生するとともに、これらの混合物も発生するが、錫鉛合金のはんだのみでなく、錫と銀、錫とビスマス、錫と亜鉛及びそれらに適宜添加される銀、銅、ビスマス、 亜鉛、アルミニウムなどの金属元素を同時に含む場合に、容易に錫単体金属を得るのは困難であるという課題がある。
【0007】
本発明は上記課題に鑑み、錫を主成分とする、はんだ、はんだペースト及びこれらを用いた部材から金属錫を単体で容易にかつ効率よく回収することができる錫含有物からの錫回収方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の錫含有物からの錫回収方法は、錫含有物に酸を添加し、該錫含有物を溶解した酸溶液にアルカリ剤を添加し、該アルカリ溶液をpH12以上に調整して該錫含有物中の錫をアルカリ剤に溶解し、該アルカリ溶液を電解することで錫を得ることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、錫含有物に雑多に含まれる成分を酸に対する溶解度で、溶解したものと溶けない残物とに分離し、さらにアルカリ剤を添加することでpH(水素指数)を12以上に調整して錫品位の高い錫イオンを含むアルカリ溶液とし、アルカリ溶液を用いて電解を行うことにより、錫を得ることができる。これにより、錫の電解採取において、容易かつ効率のよい錫回収方法を提供することができる。
【0010】
また、本発明の錫含有物からの錫回収方法は、錫含有物に酸を添加し酸溶液を得る第1工程と、酸溶液に第1のアルカリ剤を添加しpH1〜12に調整することで固形物を生成し、固形物を得る第2工程と、固形物に第2のアルカリ剤を添加し、pH12以上に調整した溶液とする第3工程と、第3工程の溶液を電解する第4工程と、によって錫を得ることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、錫含有物に雑多に含まれる成分を酸に対する溶解度で、溶解したものと溶けない残物とに分離し、さらに第1のアルカリ剤を添加することで、例えば金属成分の固形物を塩として選択的に得ることができ、固形物をさらに第2のアルカリ剤で溶解し、pHを調整してさらに錫品位の高い錫イオンを含むアルカリ溶液とし、このアルカリ溶液を用いて電解を行うことにより、錫を得ることができる。これにより、錫の電解採取において、錫のみを選択的に採取することが可能となる。
【0012】
上記構成において、第3工程の電解に用いた液を、第1のアルカリ剤および/または第2のアルカリ剤として使用するようにしてもよい。
この構成によれば、第3工程の電解に用いた液は、塩(SO4 イオンや塩素(Cl)イオンなどを含む)が少ないので第1のアルカリ剤および/または第2のアルカリ剤として再使用できる。したがって、アルカリ剤などの薬剤品コストと薬剤品の廃水処理コストを下げると共に、廃水処理による廃棄物の増加を抑制することができる。
【0013】
また、上記構成において、錫含有物は、錫と、さらに、アルミニウム、銅、亜鉛、銀、鉛及びビスマスのいずれかの少なくとも一種以上と、からなっていてよい。
また、錫含有物が、40〜99.9質量パーセントの錫と、さらに、アルミニウム、銅、亜鉛、銀、鉛及びビスマスのいずれかの少なくとも一種以上と、からなるはんだ、はんだペースト、錫廃棄物のいずれかであってもよい。上記構成によれば、雑多に成分が含まれている物においても錫の回収が可能であり、特に、アルミニウム、銅、亜鉛、銀、鉛及びビスマス等を含むものにおいても有効に錫を回収することができる。
特に、上記成分比においては、本工程において経済上もっとも好ましく錫の回収効果が得られる。
【0014】
また、本発明の錫含有物からの錫回収方法において、第2工程と第3工程のいずれか、或いは両方をpHを段階的に高くして複数回繰り返すようにすることができる。このようにすれば、簡易な錫回収方法を提供でき、より多様な成分に応じることが可能となる。
【0015】
このような構成の錫含有物からの錫回収方法では、pHを段階的に調整して錫溶解溶液を得るので、錫−鉛系はんだ、錫−銀系はんだ、錫−銅系はんだ、錫−ビスマス系はんだ、錫−亜鉛系はんだ及びそれらの化合物並びに類似組成を持つ合金などの錫含有物から高純度の金属錫を容易にかつ効率よく回収することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実質的に同一の部材には同一の符号を付して説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る錫含有物からの錫回収方法の工程を示す工程図である。本発明の第1の実施形態は、アルミニウム、銅、亜鉛、銀、鉛及びビスマスなどを含む錫含有物から金属錫を回収する方法である。
3種以上の成分を含む錫含有原料は、上記したように錫と多種の金属とが構成成分となり合金となったものでもよいし、電子基板、はんだ、ろう付け品、錫めっき液等の廃棄物から回収された錫が含まれるものでもよい。
なお、廃棄物からの回収においては、予め廃棄物を洗浄し、金属以外の成分を除去しておけば、なお好ましい。
【0017】
本発明の第1の実施形態では、錫40−99.9質量%(以下、質量%を、特に必要がない場合を除き、単に%またはwt%と表記する。)含み、銀、銅、鉛、ビスマス、亜鉛、アルミニウムを合計0.1−60%含むはんだ及びはんだペーストを原料とするが、詳しくは、錫96.5%−銀3.5%のはんだ、錫91.7%−銀3.5%−ビスマス4.8%のはんだ、錫96.5%−銀3.0%−銅0.5%のはんだ等の単体及びこれらの混合物が原料である。はんだ等は未使用のもののみではなく、廃はんだ及び廃はんだペーストも原料となる。同様の組成であれば他の用途に用いられる錫を含んだ合金でも良い。また錫のめっき廃液も錫回収の対象である。これらの原料は本明細書の好適な実施の形態において「錫含有はんだ」と称して説明する。なお、錫を含んだ合金、はんだ、めっき廃液などを錫含有物と称する。
【0018】
図1を参照して、第1の実施形態は、第1工程として、錫含有はんだ2を溶解する酸溶解工程3と、錫などが溶解した酸溶液6と沈殿した固形物7とを分離する第1固液分離工程4と、により酸溶液6を得る(図1のA部参照)。
次に、第2工程として、第1工程で得た酸溶液6に第1アルカリ剤5を添加しpHを1〜12に調整して固形物が沈殿した第1溶液を得る中和工程8と、第2溶液12と沈殿した固形物11とを分離する第2固液分離工程9を実施することで、固形物11を得る(図1のB部参照)。中和工程8のpH値は、錫含有はんだ2の組成に応じて、例えば、酸性から中性のpH5〜7、或いは中性からアルカリ性のpH7〜10に適宜調整すればよい。
【0019】
次に、第3工程として、第2工程で得た固形物11に第2アルカリ剤10でpHを12以上、好ましくはpH12〜14にして錫を溶解するが、他の塩などは沈殿物にするアルカリ溶解工程13と、錫溶解溶液15と他の塩の固形物16とを分離する第3固液分離工程14と、錫溶解溶液15から金属錫を電解採取する電解採取工程17とを備える(図1のC部参照)。
【0020】
本発明の第1の実施形態では、先ず、錫含有はんだを、水及び脱脂剤のいずれか或いは両方で洗浄、焙焼などをして、油脂分を除去する。
次に、図1を参照して、油脂分を除去した錫含有はんだ2を、酸性液1で溶解する(酸溶解工程3)。この酸性液1の種類は無機酸であり、例えば塩酸、硫酸、弗化水素酸、臭化水素酸及びこれらの混酸を用いる。この他に錫含有物の錫含有率が40質量%以上の時は硝酸を用いてもよい。
錫含有はんだ2中の錫を溶解できるものであれば、酸性液1の濃度及び温度は問わない。この酸性液1は、錫含有はんだ量の1〜20当量加えると良い。
【0021】
錫含有はんだを酸溶解後は、酸溶液6と固形物7とに分離する(第1固液分離工程4)。この固形物7は、濾過分離法、沈降分離法及び遠心分離法等で分離可能である。以下の固液分離工程においても濾過分離法等で分離する。
ここで、錫含有はんだ2に銀が含まれる場合は、酸性液1として塩酸又は塩酸を含む混酸を用いることで、塩化銀の沈殿を生成することにより固形物7として銀を分離できる。塩酸の代わりに臭化水素酸を用いて、臭化銀の沈殿を生成することにより固形物7として銀を分離しても良い。このように錫含有物に雑多に含まれる成分を、酸に対する溶解度で溶解したものと溶解しない残物とに分離することができる。
【0022】
酸溶液6には、錫、アルミニウム、銅、亜鉛、銀、鉛及びビスマスなどが含まれており、第1アルカリ剤5の水溶液でpH7〜10にpH調整して添加することにより、各々沈殿を生じて固形物11が得られる(中和工程8)。
このように第1アルカリ剤5を添加することで、アルカリ金属塩としての固形物11を得ることができる。
【0023】
この第1アルカリ剤5はアルカリ金属水酸化物が利用可能であり、具体的には、LiOH、NaOH、KOHが好適である。また、Ca(OH)2 、Ba(OH)2 、K3 PO4 及びNa3 PO4 等も使用可能であり、原則として水溶性かつpH12以上にpH調整可能なものであればよい。
この時の溶液は、酸基と、酸性液1及び第1アルカリ剤5の中和反応により生成した塩とを多く含み、これらの酸基と塩を多く含む溶液を溶液12として排出する(第2固液分離工程9)。
このように液中に残存する酸基と塩を除去し、固形物をより不純物の少ないものとし、後工程における溶液等の酸基の量を抑制することができ、溶液作成のための薬剤等の使用量も抑制できる。
【0024】
この溶液12を排出するときは、酸基と塩を工程の系外に排出することで、後で説明する電解採取工程17における電解浴液19を、第1アルカリ剤5および/または第2アルカリ剤10として繰り返し使用することができる。
電解浴液19を第2アルカリ剤10などとして使用しない場合は、固形物11と溶液12を第2固液分離工程9にて分離せず、そのままアルカリ溶解工程13に導入しても良い。
【0025】
次に、第2アルカリ剤10の水溶液でpH調整して液質をpH12〜14にすることで錫を溶解するが、銅、鉛、ビスマス、亜鉛、アルミニウム等は水酸化物として沈殿状態を維持し(アルカリ溶解工程13)、これらの水酸化物を固形物16として回収する一方で、錫は液中に溶解して溶液15に含まれる(第3固液分離工程14)。
第2アルカリ剤10は、上記したアルカリ金属水酸化物が利用可能であり、このアルカリ溶解工程13では錫(Sn)を溶解するための高pH化に第2アルカリ剤10を使用している。
したがって、第2アルカリ剤10は銅、鉛、ビスマス、亜鉛などの水酸化金属の沈殿を維持させるものであって、水溶性かつ高pHに調整可能であればよい。
【0026】
最後に、錫溶解した溶液15の液中に陰極、陽極を隔離して設置し、陰極の浴液への浸漬面積1デシ平方メートルあたり0.1〜50アンペアを通電することで、電解採取を行う(電解採取工程17)。この電解採取によって陰極に金属錫18が析出する。この陰極には水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ溶液に溶けない電気伝導体であればよく、また陽極にはフェライト、カーボン等の電極が望ましい。
【0027】
電解採取が終了すれば、図1の点線35,36で示すように電解浴液19を第1アルカリ剤5および/または第2アルカリ剤10として再利用することができる。これにより、第1アルカリ剤5または第2アルカリ剤10の使用量を減少できる。また、電解浴液19を第2アルカリ剤10などに再利用すれば、電解浴液19中に残存している錫の再回収ができるので、錫の収率をさら向上させることができる。
【0028】
また、中和工程8と第2固液分離工程9において、固体と液体とに分離する工程を繰り返し、pHを複数の工程にわたり段階的に高くしてもよい。さらにアルカリ溶解工程13と第3固液分離工程14においても同様に複数の工程にわたりpHを段階的に高くして錫溶解溶液を得るようにしてもよい。
【0029】
なお、本発明における、上記各固液分離工程4,9,14の液または他の溶液は、殿物が少ないか、または、殿物がない液体であり、金属イオン等を含有する液体のことを意味している。また、溶液が殿物などを含有する場合は、ろ過、または、デカンテーションなどの方法を用いて溶液から殿物を分離した後の液を示している。
【0030】
これにより、本発明の錫含有物からの錫回収方法によれば、錫含有物に酸を添加して、錫イオンをも含む酸溶液にした溶液に第1のアルカリ剤5を添加後に、溶液12と固形物11とを分離し、固形物11をさらに第2のアルカリ剤10で溶解し、pHを調整し、さらに錫品位の高い錫イオンを含むアルカリ溶液15と固形物16を分離し、このアルカリ溶液を用いて電解などを行うことにより、錫を得ることができる。
さらに、電解後のアルカリ溶液は、酸基(SO4 イオンや塩素(Cl)イオンなどを含む)が少ないので、さらに上記第1または第2のアルカリ剤5,10として使用できることから、アルカリ剤などの薬剤品コストと薬剤品の廃水処理コストを下げると共に、廃水処理による廃棄物の増加を抑制することができる。
【0031】
次に、本発明の第2の実施形態に係る錫含有物からの錫回収方法について説明する。
図2は本発明の第2の実施形態に係る錫含有物からの錫回収方法の工程図を示す図である。本発明の第2の実施形態の特徴は、第1の実施の形態にあっては第1固液分離工程4、中和工程8及び第2固液分離工程9を経ていたが、これらの工程を省略したことにある。
図示するように、第2の実施形態では、油脂分を除去した錫含有はんだ2を酸性液1で溶解する酸溶解工程3から、第2アルカリ剤10の水溶液でpH調整するアルカリ溶解工程13へ直接移行する。このとき、アルカリ溶解工程13では錫を確実に溶解するが、銅、鉛、ビスマス、亜鉛などの水酸化物等は沈殿状態を維持したままになるように、高pHに調整することが必要であり、pH12〜14であればよい。ここで、アルカリ溶解工程13は、pHを複数の工程にわたり段階的に高くしてもよい。
【0032】
これにより、本実施形態の錫含有物からの錫回収方法によれば、錫含有物に酸を添加して、錫イオンをも含む酸溶液にした溶液にアルカリ剤を添加し、そのpHを調整することで錫品位の高い錫イオンを含むアルカリ溶液を得ることができ、該アルカリ溶液を用いて電解などを行うことにより錫を得ることができる。
さらに、電解後のアルカリ溶液は、酸基(SO4 イオンや塩素(Cl)イオンなどを含む)が少ないので、さらに上記アルカリ剤として使用できることから、アルカリ剤などの薬剤品コストと薬剤品の廃水処理コストを下げると共に、廃水処理による廃棄物の増加を抑制することができる。
【0033】
次に、実施例について説明する。
(実施例1)
表1の錫含有はんだ欄に示す組成比率をもつ錫含有はんだについて、本発明の第1の実施の形態の工程を適用し、同表の結果を得た。
【0034】
【表1】
【0035】
錫含有はんだ(含有比率96wt%)2を約3当量の37%塩化水素酸に溶解して、目粗さ1μmのろ紙にてろ過し、酸溶液6及び固形物7を回収した。酸溶液6及び固形物7に含まれる錫、銀、銅、鉛の含有比率は、表1に示す結果であった。
溶解槽は、ポリプロピレン製の円筒形タンクを用いた。反応による発熱を考慮し、外部からの水冷を行った。溶解の反応時は、塩化水素及び水素ガスの発生があるため、局所排気を実施した。
酸溶液6に水酸化ナトリウム25%溶液を添加して中和し、pH8.5に調整した。その後、静置しpH調整により生成した澱物を沈降させ、固形物11として回収した。塩化ナトリウム水溶液を主成分とする上澄み液は溶液12として系外に排出した。
【0036】
得られた固形物11に25%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH13.4に調整し、固形物16を分離して上澄み液を溶液15、つまり電解採取浴液として回収した。
図3は電解採取槽の概略断面図である。図示するように、電解採取槽20は、ガラス製電解槽21と、定電流供給装置25とから構成されている。ガラス製電解槽21内には、電解浴液24が注入されて、ステンレスSUS430製陽極板22とステンレスSUS430製陰極板23とが配設される。陽極板22及び陰極板23は、それぞれ、定電流供給装置25の正負端子と被覆銅線26で接続されている。
溶液15を図3に示す電解槽に充填し、電極間電圧2.1〜2.4ボルト、電流密度1デシ平方メートルあたり1アンペア、浴液温度30℃の条件下で電解採取を行った。このようにして陰極板に析出して採取された金属を分析した結果、99.9wt%の金属錫18であることを確認した。
【0037】
(実施例2)
表2の錫含有はんだ欄に示す組成比率をもつ錫含有はんだについて、本発明の第2の実施の形態の工程を適用し、同表に示す結果を得た。
【0038】
【表2】
【0039】
錫含有はんだ(含有比率96wt%)2を約3当量の37%塩化水素酸に溶解して、目粗さ1μmのろ紙にてろ過し、酸溶液6及び固形物7を回収した。酸溶液6及び固形物7に含まれる錫、銀、銅、鉛の含有比率は表2に示す結果であった。
溶解槽は、ポリプロピレン製の円筒形タンクを用いた。反応による発熱を考慮し、外部からの水冷を行った。溶解の反応時は、塩化水素及び水素ガスの発生があるため、局所排気を実施した。得られた酸溶液6及び固形物7の混合物に25%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH12.4に調整し、固形物16を分離して上澄み液を溶液15、つまり電解採取浴液として回収した。
【0040】
溶液15を、図3に示す電解槽に充填し、電極間電圧1.5〜2.3ボルト、電流密度1デシ平方メートルあたり0.4アンペア、浴液温度28℃の条件下で電解採取を行った。陰極板に析出して採取された金属を分析した結果、99.9wt%の金属錫18であることを確認した。
【0041】
なお、実施例1及び実施例2において、便宜上電極としてSUS430を使用したが、SUS304でも問題がなかった。
また、表1及び表2において、含有比率は各溶液、固形物中での割合を表し、分布比率は錫含有はんだを100.0wt%としたときの各溶液及び固形物への移行比率を表す。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明の錫含有物からの錫回収方法では、pHを段階的に調整して錫溶解溶液を得ることができるため、錫−鉛系はんだに限らず、新規に使われるようになった錫−銀系はんだ、錫−銅系はんだ、錫−ビスマス系はんだ、錫−亜鉛系はんだ及びこれらの化合物並びに類似組成を持つ合金などの錫含有物から、高純度の金属錫を容易かつ効率よく回収することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る錫含有物からの錫回収方法の工程を示す工程図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る錫含有物からの錫回収方法の工程を示す工程図である。
【図3】電解採取槽の概略概念図である。
【符号の説明】
1 酸性液
2 錫含有はんだ
3 酸溶解工程
4 第1固液分離工程
5 第1アルカリ剤
6 酸溶液
12,15 溶液
7,11,16 固形物
8 中和工程
9 第2固液分離工程
10 第2アルカリ剤
13 アルカリ溶解工程
14 第3固液分離工程
17 電解採取工程
18 金属錫
19,24 電解浴液
20 電解採取槽
21 ガラス製電解槽
22 陽極板
23 陰極板
25 定電流供給装置
26 被覆導線
35,36 再利用される電解浴液
Claims (6)
- 錫含有物に酸を添加して該錫含有物を溶解した酸溶液とし、次いで、この酸溶液にアルカリ剤を添加してpH12以上に調整することにより該錫含有物中の錫を溶解したアルカリ溶液とし、該アルカリ溶液を電解することで錫を得ることを特徴とする、錫含有物からの錫回収方法。
- 錫含有物に酸を添加して酸溶液を得る第1工程と、
上記酸溶液に第1のアルカリ剤を添加しpH1〜12に調整することで固形物を生成し、固形物を得る第2工程と、
上記固形物に第2のアルカリ剤を添加し、pH12以上に調整したアルカリ溶液とする第3工程と、
上記第3工程のアルカリ溶液を電解する第4工程とにより、錫を得ることを特徴とする、錫含有物からの錫回収方法。 - 前記第4工程の電解に用いた液を、前記第1のアルカリ剤および/または第2のアルカリ剤として使用することを特徴とする、請求項2に記載の錫含有物からの錫回収方法。
- 前記錫含有物が、錫と、さらに、アルミニウム、銅、亜鉛、銀、鉛及びビスマスのいずれかの少なくとも一種以上と、からなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の錫含有物からの錫回収方法。
- 前記錫含有物が、40〜99.9質量パーセントの錫と、さらに、アルミニウム、銅、亜鉛、銀、鉛及びビスマスのいずれかの少なくとも一種以上と、からなるはんだ、はんだペースト、錫廃棄物のいずれかであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の錫含有物からの錫回収方法。
- 第2工程と第3工程のいずれか、或いは両方をpHを段階的に高くして複数回繰り返すことを特徴とする、請求項2〜5のいずれかに記載の錫含有物からの錫回収方法。
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