JP2004314466A - 化粧板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】大型のスクリーン版を用いるスクリーン印刷によって所望の模様、特に直線の目地部で区画された複数区画に所望の模様を形成しても、印刷の際にスキージにより負荷が掛かる印刷方向にスクリーン版が湾曲しても、所望の形状の模様、目地部が印刷される化粧板の製造方法を提供すること。
【解決手段】基板表面に下塗り塗装を施し、その下塗り塗膜上にインク組成物を用いてスクリーン印刷によって所望の模様を形成させる化粧板の製造方法において、該スクリーン印刷に用いるスクリーン版として、印刷の際にスキージにより負荷が掛かる印刷方向にスクリーン版が湾曲することを考慮して、その湾曲に相当する距離を印刷方向と逆の方向に湾曲させた模様を有するスクリーン版を用いる、化粧版の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】基板表面に下塗り塗装を施し、その下塗り塗膜上にインク組成物を用いてスクリーン印刷によって所望の模様を形成させる化粧板の製造方法において、該スクリーン印刷に用いるスクリーン版として、印刷の際にスキージにより負荷が掛かる印刷方向にスクリーン版が湾曲することを考慮して、その湾曲に相当する距離を印刷方向と逆の方向に湾曲させた模様を有するスクリーン版を用いる、化粧版の製造方法。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は基板表面に下塗り塗装を施し、その下塗り塗膜上にインク組成物、例えば紫外線硬化型インク組成物を用いて大型のスクリーン版を用いるスクリーン印刷によって所望の模様を形成させ、紫外線硬化型インク組成物を用いた場合には紫外線照射により該模様を硬化させる化粧板の製造方法に関し、より詳しくは、大型のスクリーン版を用いるとスクリーン印刷の際にスキージにより負荷が掛かる印刷方向に湾曲することを考慮して、所望の模様、特に直線の目地部が形成されるように湾曲させた模様、目地相当部を有するスクリーン版を用いて印刷することにより化粧版を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、住宅等の外装用や内装用として各種化粧板が使用されている。例えば、外装用途としては、窯業系サイディングボードやALCパネルといった無機系の建材が使われるようになり、表面に模様が設けられている。特に、1枚の基材表面に互いに異なる色調、柄模様の複数のレンガやタイルを模した非常に高級感のある窯業系サイディングボードを用いる場合には、実際のレンガやタイルを用いて施工を行うよりもはるかに簡便で且つ安価に施工を行うことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような化粧板は、例えば、基板表面に下塗り塗装を施し、その下塗り塗膜上にインク組成物、例えば紫外線硬化型インク組成物を用いてスクリーン印刷によって所望の模様を形成させ、紫外線硬化型インク組成物を用いた場合には紫外線照射により該模様を硬化させることにより製造されている。しかしながら、このような製造方法においては、図1に模式的に示すような模様、目地部を有する大型のスクリーン版を用いるスクリーン印刷によって所望の図1に示す模様、特に直線の目地部で区画された複数区画に所望の模様を形成しようとしても、印刷の際にスキージにより負荷が掛かる印刷方向にスクリーン版が湾曲する傾向があるので、図2に誇張して模式的に示すように印刷方向とは直角方向が湾曲した模様、目地部が印刷されることになる。特に、目地部が湾曲すると高級感が失われることになる。
【0004】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み為されたものであり、大型、例えば800mm×900mm以上のスクリーン版を用いるスクリーン印刷によって所望の模様、特に直線の目地部で区画された複数区画に所望の模様を形成しても、印刷の際にスキージにより負荷が掛かる印刷方向にスクリーン版が湾曲しても、所望の形状の模様、目地部が印刷される化粧板の製造方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、スクリーン印刷によって所望の模様、特に直線の目地部で区画された複数区画に所望の模様を形成させる際に用いる大型のスクリーン版として、印刷の際にスキージにより負荷が掛かる印刷方向にスクリーン版が湾曲することを考慮して、その湾曲に相当する距離を印刷方向と逆の方向に湾曲させた模様を有するスクリーン版を用いることにより上記の目的が達成されることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
即ち、本発明の化粧板の製造方法は、基板表面に下塗り塗装を施し、その下塗り塗膜上にインク組成物を用いてスクリーン印刷によって所望の模様を形成させる化粧板の製造方法において、該スクリーン印刷に用いるスクリーン版として、印刷の際にスキージにより負荷が掛かる印刷方向にスクリーン版が湾曲することを考慮して、その湾曲に相当する距離を印刷方向と逆の方向に湾曲させた模様を有するスクリーン版を用いることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の化粧板の製造方法は、基板表面に下塗り塗装を施し、その下塗り塗膜上に紫外線硬化型インク組成物を用いてスクリーン印刷によって所望の模様を形成させ、紫外線照射により該模様を硬化させる化粧板の製造方法において、該スクリーン印刷に用いるスクリーン版として、印刷の際にスキージにより負荷が掛かる印刷方向にスクリーン版が湾曲することを考慮して、その湾曲に相当する距離を印刷方向と逆の方向に湾曲させた模様を有するスクリーン版を用いることを特徴とする。
【0008】
更に、本発明の化粧板の製造方法は、基板表面に下塗り塗装を施し、その下塗り塗膜上に紫外線硬化型インク組成物を用いてスクリーン印刷によって直線の目地部で区画された複数区画に所望の模様を形成させ、紫外線照射により該模様を硬化させる化粧板の製造方法において、該スクリーン印刷に用いるスクリーン版として、印刷の際にスキージにより負荷が掛かる印刷方向にスクリーン版が湾曲することを考慮して、その湾曲に相当する距離を印刷方向と逆の方向に湾曲させた模様を有するスクリーン版を用いて、印刷された目地部が直線になるようにすることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の化粧板の製造方法を詳細に説明する。
本発明の製造方法は、スクリーン印刷に用いるスクリーン版が大型である場合に特に有用であり、800mm×900mm以上のスクリーン版、例えば、幅が1450mm(印刷部800mm+左右余白200mm+240mm+フレーム105mm×2)、長さが3150mm(印刷部2500mm+左右余白200mm+240mm+フレーム105mm×2)のスクリーン版の場合に有用である。
【0010】
本発明の製造方法においては、スクリーン印刷に用いるスクリーン版として、印刷の際にスキージにより負荷が掛かる印刷方向にスクリーン版が湾曲することを考慮して、図3に誇張して模式的に示すようにその湾曲に相当する距離を印刷方向と逆の方向に湾曲させた模様を有するスクリーン版を用いる。このスキージにより負荷が掛かる印刷方向にスクリーン版が湾曲する程度については、スクリーン版の紗の材質( シルク、ナイロン、テトロン等)、スクリーン版の大きさ、スキージによる負荷等によって変化する。
【0011】
しかしながら、そのような湾曲の程度は現場の熟練者には経験に基づいて容易に判断できることである。また、その湾曲に相当する距離を印刷方向と逆の方向に湾曲させた模様を有するスクリーン版を作製する方法として、例えば、コンピューター処理によってそのような模様を有するポジフイルムを作成し、そのポジフイルムを用いて従来技術に従ってスクリーン版を作製する方法を挙げることができる。
【0012】
本発明の製造方法で下塗り塗装に用いる下塗り塗料は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂等を結合剤として含有し、さらに着色顔料、体質顔料、水、有機溶剤及びその他の各種添加剤等を配合することができる。
【0013】
上記の着色顔料として、酸化チタン、亜鉛華、酸化鉄、黄鉛、フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー、カーボンブラック等を代表的な例として挙げることができる。
上記の体質顔料として、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、石英粉等を代表的な例として挙げることができる。
【0014】
また、上記の有機溶剤として、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤等を代表的な例として挙げることができる。
上記のその他の各種添加剤として、分散剤、沈殿防止剤、増粘剤、防カビ剤等を挙げることができる。
【0015】
本発明の製造方法で用いるインク組成物はスクリーン印刷に適しており且つ化粧板を形成するのに適したものであれば特には制限はない。しかし、紫外線硬化型インク組成物を用いることが好ましい。
【0016】
本発明の製造方法で用いる紫外線硬化型インク組成物として、従来から普通に使用されている組成物を特に制限なく使用することができる。即ち、本発明の製造方法で用いる紫外線硬化型インク組成物は、紫外線重合性化合物、光開始剤を必須成分として含有し、さらに必要に応じて体質顔料、溶剤、添加剤等を含有することができる。
【0017】
上記の紫外線重合性化合物として、分子内にラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する化合物を用いることができる。具体的には、比較的低分子量のポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリル系オリゴマー又はプレポリマー、及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の反応性モノマーの単独又は混合物を代表的なものとして挙げることができる。
【0018】
また、紫外線重合性化合物として、カチオン開環重合型のビニル−2−エチルヘキシルエーテル、ビニルデシルエーテル、1,2−エポキシシクロヘキサン、ジシクロペンタジエンジオキサイド、ソルビトールポリグリシジルエーテル等も使用することができる。
【0019】
光開始剤として、ベンゾイン、ベンゾフェノン又はこれらのエステル、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジサルファイド、N−メチルジエタノールアミン、アシルホスフィンオキサイド、2,5−ジエトキシ−4−(p−トリルチオ)ベンゼンアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチロフェノン等の通常の反応開始剤を例として挙げることができる。
【0020】
体質顔料として、珪砂、珪酸塩、タルク、カオリン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、粉末状、フレーク状又はファイバー状のガラス、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレン等の樹脂粉末を代表的なものとして挙げることができる。
さらに、溶剤として、トルオール、キシロール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチルを代表的なものとして挙げることができる。
【0021】
本発明の製造方法で用いる紫外線硬化型インク組成物においては、上記の諸成分からなるクリヤー組成物に、着色顔料、染料を配合する。このような着色顔料、染料として、通常の無機、有機の顔料、染料を使用することができる。具体的には、酸化チタン、硫化亜鉛、亜鉛華、鉛白、リトポン、カーボンブラック、油煙、紺青、フタロシアニンブルー、群青、カーミンFB、黄鉛、亜鉛黄、ハンザイエロー、オーカー、ベンガラ、不溶性含金属アゾ染料を代表的なものとして挙げることができる。本発明においては、紫外線吸収率の小さな硫化亜鉛、油煙、群青、フタロシアニンブルー、カミンFB、黄鉛、オーカー、ベンガラ、不溶性含金属アゾ染料等が特に好適である。
【0022】
本発明の製造方法においては、スクリーン印刷し、紫外線照射により硬化させた後、その上に更にクリヤー塗料で塗装することもできる。
本発明で用いることのできるクリヤー塗料としては、前記の下塗り塗料から着色顔料を除いた組成のもの、又は、前記の紫外線硬化型インク組成物から着色顔料を除いた組成のものを挙げることができる。
【0023】
次に、本発明の製造方法について説明する。本発明の製造方法においては、まず、基材表面に下塗り塗料を塗布し、硬化させて下塗り塗膜を形成する。下塗り塗料の塗布は、具体的には、基材表面に下塗り塗料を塗布し、含浸させ、素地固めをし、かつ、基材中の空隙部の空気を塗料で置換して充填させることにより行う。下塗り塗料にはシーラーとしての機能を持たせるが、場合により、無機質基材に予めシーラーを塗布し、含浸させ、その後下塗り塗料を塗布してもよく、そのような態様も本発明の製造方法に含まれるものである。塗布した下塗り塗料は常温乾燥または強制乾燥により硬化させるが、予熱した基材を使用することにより乾燥を早めることも可能である。このようにして下塗り塗装が完了する。
【0024】
次いで、その下塗り塗膜上に、上記のように作製したスクリーン版、即ち、印刷の際にスキージにより負荷が掛かる印刷方向にスクリーン版が湾曲することを考慮して、その湾曲に相当する距離を印刷方向と逆の方向に湾曲させた模様、目地相当部を有するスクリーン版を用い、紫外線硬化型インク組成物を用いてスクリーン印刷することによって所望の模様、目地部を形成させる。
【0025】
スクリーン印刷の後、紫外線を照射し、光重合反応を誘起させて該模様、目地部を硬化させる。尚、紫外線を照射するための光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ケミカルランプ等を使用することができる。
この後に、必要に応じて、更にその上に、クリヤー塗料を用いて全面に仕上げ塗装し、意匠性に優れた模様を有する化粧板を製造することもできる。
【0026】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例に基づいて本発明を具体的に説明する。以下の記載において部は全て質量部である。また、実施例1〜3及び比較例1においては以下の諸成分を用いた。
【0027】
<着色紫外線硬化型塗料(I)>
イソホロンジイソシアネート1モルと2−ヒドロキシエチルアクリレート2モルとを常法により付加反応させて平均分子量500のアクリルウレタンオリゴマーを調製した。
【0028】
上記のアクリルウレタンオリゴマー22部、N−ビニルピロリドン6部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフォンオキサイド0.6部、中心粒径30μmの透明なソーダガラスビーズ40部、酸化チタン14部、及びトリメチロールプロパントリアクリレート17.4部を調合混合して着色紫外線硬化型塗料(I)を調製した。
【0029】
<着色紫外線硬化型塗料(II)>
エピコート828(油化シェルエポキシ社製ビスフェノールA型ジエポキシ化合物、分子量380)1モルとアクリル酸2モルとを常法により付加反応させて酸価20のエポキシアクリレート樹脂オリゴマーを調製した。
【0030】
上記のエポキシアクリレート樹脂オリゴマー18.5部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート15部、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド0.5部、α,α−ジメチル−α−ヒドロキシアセトフェノン0.5部、炭酸カルシウム10部、カーボンブラック0.5部、中心粒径10μm、最大粒径80μm以下に調整した透明なソーダライムガラス粉末55部を調合混合して着色紫外線硬化型塗料(II)を調製した。
【0031】
実施例1
レンガ1個に相当する部分の大きさが210mm×100mmであり、目地に相当する部分の幅が10mmであり、長手方向の両端の余白が150mmであり、長手方向と直交する方向の両端の余白が500mmであり、全体の大きさが2970(210×9+10×8+500×2)mm×1280(100×9+10×8+150×2)mmとなるレンガ積み模様をスクリーン印刷によって形成するためのスクリーン版として、印刷の際にスキージにより負荷が掛かる印刷方向にスクリーン版が湾曲することを考慮して、その湾曲に相当する距離を印刷方向と逆の方向に湾曲させた模様を有する図3に誇張して模式的に示したスクリーン版を用意した。
【0032】
石綿スレート板(JIS A 5403、フレキシブルボード)表面にエポニックス #10 白(大日本塗料株式会社製エポキシ樹脂塗料)を塗装し、乾燥させた後、さらにその上にVシリコン グレー色(大日本塗料株式会社製アクリルシリコン樹脂塗料)を塗装し、乾燥させた。その後、その下塗り塗膜上に、上記のスクリーン印刷用スクリーン版及び上記の着色紫外線硬化型塗料(I)を用いて、印刷膜厚が100μmのレンガ積み模様となるようにスクリーン印刷した。その後紫外線照射により該レンガ積み模様部を硬化させてレンガ積み模様の化粧板を得た。
【0033】
更に、この化粧板の表面上に、クリヤー塗料としてVフロン#200クリヤー(大日本塗料株式会社製フッ素樹脂塗料)を塗装し、乾燥させた。得られたレンガ積み模様の化粧板の各々のレンガ部分間の目地部は直線状態であり、全体として意匠性に優れていた。
【0034】
実施例2
ケイ酸カルシウム板表面に、Vトップ#100 白(大日本塗料株式会社製ウレタン樹脂塗料)を塗装し、乾燥させた。この下塗り塗膜上に、実施例1で用いたスクリーン印刷用スクリーン版及び上記の着色紫外線硬化型塗料(II)を用いて、印刷膜厚が100μmのレンガ積み模様となるようにスクリーン印刷した。その後紫外線照射により該レンガ積み模様部を硬化させてレンガ積み模様の化粧板を得た。
【0035】
更に、この化粧板の表面上に、クリヤー塗料として、上記の着色紫外線硬化型塗料(I)からソーダガラス及び酸化チタンを除いた配合組成の塗料を30μmの膜厚となるように塗装し、紫外線照射により硬化させた。得られたレンガ積み模様の化粧板の各々のレンガ部分間の目地部は直線状態であり、全体として意匠性に優れていた。
【0036】
実施例3
軽量気泡コンクリート板表面に、上記のVトップ#100を塗装し、乾燥させた。その後、その下塗り塗膜上に、実施例1で用いたスクリーン印刷用スクリーン版及び前記の着色紫外線硬化型塗料(II)を用いて、印刷膜厚が100μmのレンガ積み模様となるようにスクリーン印刷した。その後紫外線照射により該レンガ積み模様部を硬化させてレンガ積み模様の化粧板を得た。
【0037】
更に、この化粧板の表面上に、クリヤー塗料として、Vトップクリヤー(大日本塗料株式会社製アクリルウレタン樹脂塗料)を塗装し、乾燥させた。得られたレンガ積み模様の化粧板の各々のレンガ部分間の目地部は直線状態であり、全体として意匠性に優れていた。
【0038】
比較例1
スクリーン印刷用スクリーン版として、レンガ1個に相当する部分の大きさが210mm×100mmであり、目地に相当する部分の幅が10mmであり、長手方向の両端の余白が150mmであり、長手方向と直交する方向の両端の余白が500mmであり、全体の大きさが2970(210×9+10×8+500×2)mm×1280(100×9+10×8+150×2)mmとなるレンガ積み模様の図1に模式的に示すスクリーン版を用いた以外は実施例1に記載の製造方法に従ってレンガ積み模様の化粧板を作製した。得られたレンガ積み模様の化粧板の各々のレンガ部分間の目地部は、図2に誇張して模式的に示すように、印刷方向の先端に行くに従って湾曲度が大きくなっていた。
【0039】
【発明の効果】
本発明の化粧板の製造方法においては、大型のスクリーン版を用いるスクリーン印刷によって所望の模様、特に直線の目地部で区画された複数区画に所望の模様を形成しても、印刷の際にスキージにより負荷が掛かる印刷方向にスクリーン版が湾曲して、所望の形状の模様、目地部が印刷された化粧板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術で用いられているスクリーン版の模様、目地相当部を示す模式図である。
【図2】図1のスクリーン版を用いてスクリーン印刷して得られる模様、目地部を誇張してしめす模式図である。
【図3】本発明で用いるスクリーン版の模様、目地相当部を誇張して示す模式図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は基板表面に下塗り塗装を施し、その下塗り塗膜上にインク組成物、例えば紫外線硬化型インク組成物を用いて大型のスクリーン版を用いるスクリーン印刷によって所望の模様を形成させ、紫外線硬化型インク組成物を用いた場合には紫外線照射により該模様を硬化させる化粧板の製造方法に関し、より詳しくは、大型のスクリーン版を用いるとスクリーン印刷の際にスキージにより負荷が掛かる印刷方向に湾曲することを考慮して、所望の模様、特に直線の目地部が形成されるように湾曲させた模様、目地相当部を有するスクリーン版を用いて印刷することにより化粧版を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、住宅等の外装用や内装用として各種化粧板が使用されている。例えば、外装用途としては、窯業系サイディングボードやALCパネルといった無機系の建材が使われるようになり、表面に模様が設けられている。特に、1枚の基材表面に互いに異なる色調、柄模様の複数のレンガやタイルを模した非常に高級感のある窯業系サイディングボードを用いる場合には、実際のレンガやタイルを用いて施工を行うよりもはるかに簡便で且つ安価に施工を行うことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような化粧板は、例えば、基板表面に下塗り塗装を施し、その下塗り塗膜上にインク組成物、例えば紫外線硬化型インク組成物を用いてスクリーン印刷によって所望の模様を形成させ、紫外線硬化型インク組成物を用いた場合には紫外線照射により該模様を硬化させることにより製造されている。しかしながら、このような製造方法においては、図1に模式的に示すような模様、目地部を有する大型のスクリーン版を用いるスクリーン印刷によって所望の図1に示す模様、特に直線の目地部で区画された複数区画に所望の模様を形成しようとしても、印刷の際にスキージにより負荷が掛かる印刷方向にスクリーン版が湾曲する傾向があるので、図2に誇張して模式的に示すように印刷方向とは直角方向が湾曲した模様、目地部が印刷されることになる。特に、目地部が湾曲すると高級感が失われることになる。
【0004】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み為されたものであり、大型、例えば800mm×900mm以上のスクリーン版を用いるスクリーン印刷によって所望の模様、特に直線の目地部で区画された複数区画に所望の模様を形成しても、印刷の際にスキージにより負荷が掛かる印刷方向にスクリーン版が湾曲しても、所望の形状の模様、目地部が印刷される化粧板の製造方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、スクリーン印刷によって所望の模様、特に直線の目地部で区画された複数区画に所望の模様を形成させる際に用いる大型のスクリーン版として、印刷の際にスキージにより負荷が掛かる印刷方向にスクリーン版が湾曲することを考慮して、その湾曲に相当する距離を印刷方向と逆の方向に湾曲させた模様を有するスクリーン版を用いることにより上記の目的が達成されることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
即ち、本発明の化粧板の製造方法は、基板表面に下塗り塗装を施し、その下塗り塗膜上にインク組成物を用いてスクリーン印刷によって所望の模様を形成させる化粧板の製造方法において、該スクリーン印刷に用いるスクリーン版として、印刷の際にスキージにより負荷が掛かる印刷方向にスクリーン版が湾曲することを考慮して、その湾曲に相当する距離を印刷方向と逆の方向に湾曲させた模様を有するスクリーン版を用いることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の化粧板の製造方法は、基板表面に下塗り塗装を施し、その下塗り塗膜上に紫外線硬化型インク組成物を用いてスクリーン印刷によって所望の模様を形成させ、紫外線照射により該模様を硬化させる化粧板の製造方法において、該スクリーン印刷に用いるスクリーン版として、印刷の際にスキージにより負荷が掛かる印刷方向にスクリーン版が湾曲することを考慮して、その湾曲に相当する距離を印刷方向と逆の方向に湾曲させた模様を有するスクリーン版を用いることを特徴とする。
【0008】
更に、本発明の化粧板の製造方法は、基板表面に下塗り塗装を施し、その下塗り塗膜上に紫外線硬化型インク組成物を用いてスクリーン印刷によって直線の目地部で区画された複数区画に所望の模様を形成させ、紫外線照射により該模様を硬化させる化粧板の製造方法において、該スクリーン印刷に用いるスクリーン版として、印刷の際にスキージにより負荷が掛かる印刷方向にスクリーン版が湾曲することを考慮して、その湾曲に相当する距離を印刷方向と逆の方向に湾曲させた模様を有するスクリーン版を用いて、印刷された目地部が直線になるようにすることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の化粧板の製造方法を詳細に説明する。
本発明の製造方法は、スクリーン印刷に用いるスクリーン版が大型である場合に特に有用であり、800mm×900mm以上のスクリーン版、例えば、幅が1450mm(印刷部800mm+左右余白200mm+240mm+フレーム105mm×2)、長さが3150mm(印刷部2500mm+左右余白200mm+240mm+フレーム105mm×2)のスクリーン版の場合に有用である。
【0010】
本発明の製造方法においては、スクリーン印刷に用いるスクリーン版として、印刷の際にスキージにより負荷が掛かる印刷方向にスクリーン版が湾曲することを考慮して、図3に誇張して模式的に示すようにその湾曲に相当する距離を印刷方向と逆の方向に湾曲させた模様を有するスクリーン版を用いる。このスキージにより負荷が掛かる印刷方向にスクリーン版が湾曲する程度については、スクリーン版の紗の材質( シルク、ナイロン、テトロン等)、スクリーン版の大きさ、スキージによる負荷等によって変化する。
【0011】
しかしながら、そのような湾曲の程度は現場の熟練者には経験に基づいて容易に判断できることである。また、その湾曲に相当する距離を印刷方向と逆の方向に湾曲させた模様を有するスクリーン版を作製する方法として、例えば、コンピューター処理によってそのような模様を有するポジフイルムを作成し、そのポジフイルムを用いて従来技術に従ってスクリーン版を作製する方法を挙げることができる。
【0012】
本発明の製造方法で下塗り塗装に用いる下塗り塗料は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂等を結合剤として含有し、さらに着色顔料、体質顔料、水、有機溶剤及びその他の各種添加剤等を配合することができる。
【0013】
上記の着色顔料として、酸化チタン、亜鉛華、酸化鉄、黄鉛、フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー、カーボンブラック等を代表的な例として挙げることができる。
上記の体質顔料として、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、石英粉等を代表的な例として挙げることができる。
【0014】
また、上記の有機溶剤として、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤等を代表的な例として挙げることができる。
上記のその他の各種添加剤として、分散剤、沈殿防止剤、増粘剤、防カビ剤等を挙げることができる。
【0015】
本発明の製造方法で用いるインク組成物はスクリーン印刷に適しており且つ化粧板を形成するのに適したものであれば特には制限はない。しかし、紫外線硬化型インク組成物を用いることが好ましい。
【0016】
本発明の製造方法で用いる紫外線硬化型インク組成物として、従来から普通に使用されている組成物を特に制限なく使用することができる。即ち、本発明の製造方法で用いる紫外線硬化型インク組成物は、紫外線重合性化合物、光開始剤を必須成分として含有し、さらに必要に応じて体質顔料、溶剤、添加剤等を含有することができる。
【0017】
上記の紫外線重合性化合物として、分子内にラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する化合物を用いることができる。具体的には、比較的低分子量のポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリル系オリゴマー又はプレポリマー、及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の反応性モノマーの単独又は混合物を代表的なものとして挙げることができる。
【0018】
また、紫外線重合性化合物として、カチオン開環重合型のビニル−2−エチルヘキシルエーテル、ビニルデシルエーテル、1,2−エポキシシクロヘキサン、ジシクロペンタジエンジオキサイド、ソルビトールポリグリシジルエーテル等も使用することができる。
【0019】
光開始剤として、ベンゾイン、ベンゾフェノン又はこれらのエステル、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジサルファイド、N−メチルジエタノールアミン、アシルホスフィンオキサイド、2,5−ジエトキシ−4−(p−トリルチオ)ベンゼンアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチロフェノン等の通常の反応開始剤を例として挙げることができる。
【0020】
体質顔料として、珪砂、珪酸塩、タルク、カオリン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、粉末状、フレーク状又はファイバー状のガラス、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレン等の樹脂粉末を代表的なものとして挙げることができる。
さらに、溶剤として、トルオール、キシロール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチルを代表的なものとして挙げることができる。
【0021】
本発明の製造方法で用いる紫外線硬化型インク組成物においては、上記の諸成分からなるクリヤー組成物に、着色顔料、染料を配合する。このような着色顔料、染料として、通常の無機、有機の顔料、染料を使用することができる。具体的には、酸化チタン、硫化亜鉛、亜鉛華、鉛白、リトポン、カーボンブラック、油煙、紺青、フタロシアニンブルー、群青、カーミンFB、黄鉛、亜鉛黄、ハンザイエロー、オーカー、ベンガラ、不溶性含金属アゾ染料を代表的なものとして挙げることができる。本発明においては、紫外線吸収率の小さな硫化亜鉛、油煙、群青、フタロシアニンブルー、カミンFB、黄鉛、オーカー、ベンガラ、不溶性含金属アゾ染料等が特に好適である。
【0022】
本発明の製造方法においては、スクリーン印刷し、紫外線照射により硬化させた後、その上に更にクリヤー塗料で塗装することもできる。
本発明で用いることのできるクリヤー塗料としては、前記の下塗り塗料から着色顔料を除いた組成のもの、又は、前記の紫外線硬化型インク組成物から着色顔料を除いた組成のものを挙げることができる。
【0023】
次に、本発明の製造方法について説明する。本発明の製造方法においては、まず、基材表面に下塗り塗料を塗布し、硬化させて下塗り塗膜を形成する。下塗り塗料の塗布は、具体的には、基材表面に下塗り塗料を塗布し、含浸させ、素地固めをし、かつ、基材中の空隙部の空気を塗料で置換して充填させることにより行う。下塗り塗料にはシーラーとしての機能を持たせるが、場合により、無機質基材に予めシーラーを塗布し、含浸させ、その後下塗り塗料を塗布してもよく、そのような態様も本発明の製造方法に含まれるものである。塗布した下塗り塗料は常温乾燥または強制乾燥により硬化させるが、予熱した基材を使用することにより乾燥を早めることも可能である。このようにして下塗り塗装が完了する。
【0024】
次いで、その下塗り塗膜上に、上記のように作製したスクリーン版、即ち、印刷の際にスキージにより負荷が掛かる印刷方向にスクリーン版が湾曲することを考慮して、その湾曲に相当する距離を印刷方向と逆の方向に湾曲させた模様、目地相当部を有するスクリーン版を用い、紫外線硬化型インク組成物を用いてスクリーン印刷することによって所望の模様、目地部を形成させる。
【0025】
スクリーン印刷の後、紫外線を照射し、光重合反応を誘起させて該模様、目地部を硬化させる。尚、紫外線を照射するための光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ケミカルランプ等を使用することができる。
この後に、必要に応じて、更にその上に、クリヤー塗料を用いて全面に仕上げ塗装し、意匠性に優れた模様を有する化粧板を製造することもできる。
【0026】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例に基づいて本発明を具体的に説明する。以下の記載において部は全て質量部である。また、実施例1〜3及び比較例1においては以下の諸成分を用いた。
【0027】
<着色紫外線硬化型塗料(I)>
イソホロンジイソシアネート1モルと2−ヒドロキシエチルアクリレート2モルとを常法により付加反応させて平均分子量500のアクリルウレタンオリゴマーを調製した。
【0028】
上記のアクリルウレタンオリゴマー22部、N−ビニルピロリドン6部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフォンオキサイド0.6部、中心粒径30μmの透明なソーダガラスビーズ40部、酸化チタン14部、及びトリメチロールプロパントリアクリレート17.4部を調合混合して着色紫外線硬化型塗料(I)を調製した。
【0029】
<着色紫外線硬化型塗料(II)>
エピコート828(油化シェルエポキシ社製ビスフェノールA型ジエポキシ化合物、分子量380)1モルとアクリル酸2モルとを常法により付加反応させて酸価20のエポキシアクリレート樹脂オリゴマーを調製した。
【0030】
上記のエポキシアクリレート樹脂オリゴマー18.5部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート15部、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド0.5部、α,α−ジメチル−α−ヒドロキシアセトフェノン0.5部、炭酸カルシウム10部、カーボンブラック0.5部、中心粒径10μm、最大粒径80μm以下に調整した透明なソーダライムガラス粉末55部を調合混合して着色紫外線硬化型塗料(II)を調製した。
【0031】
実施例1
レンガ1個に相当する部分の大きさが210mm×100mmであり、目地に相当する部分の幅が10mmであり、長手方向の両端の余白が150mmであり、長手方向と直交する方向の両端の余白が500mmであり、全体の大きさが2970(210×9+10×8+500×2)mm×1280(100×9+10×8+150×2)mmとなるレンガ積み模様をスクリーン印刷によって形成するためのスクリーン版として、印刷の際にスキージにより負荷が掛かる印刷方向にスクリーン版が湾曲することを考慮して、その湾曲に相当する距離を印刷方向と逆の方向に湾曲させた模様を有する図3に誇張して模式的に示したスクリーン版を用意した。
【0032】
石綿スレート板(JIS A 5403、フレキシブルボード)表面にエポニックス #10 白(大日本塗料株式会社製エポキシ樹脂塗料)を塗装し、乾燥させた後、さらにその上にVシリコン グレー色(大日本塗料株式会社製アクリルシリコン樹脂塗料)を塗装し、乾燥させた。その後、その下塗り塗膜上に、上記のスクリーン印刷用スクリーン版及び上記の着色紫外線硬化型塗料(I)を用いて、印刷膜厚が100μmのレンガ積み模様となるようにスクリーン印刷した。その後紫外線照射により該レンガ積み模様部を硬化させてレンガ積み模様の化粧板を得た。
【0033】
更に、この化粧板の表面上に、クリヤー塗料としてVフロン#200クリヤー(大日本塗料株式会社製フッ素樹脂塗料)を塗装し、乾燥させた。得られたレンガ積み模様の化粧板の各々のレンガ部分間の目地部は直線状態であり、全体として意匠性に優れていた。
【0034】
実施例2
ケイ酸カルシウム板表面に、Vトップ#100 白(大日本塗料株式会社製ウレタン樹脂塗料)を塗装し、乾燥させた。この下塗り塗膜上に、実施例1で用いたスクリーン印刷用スクリーン版及び上記の着色紫外線硬化型塗料(II)を用いて、印刷膜厚が100μmのレンガ積み模様となるようにスクリーン印刷した。その後紫外線照射により該レンガ積み模様部を硬化させてレンガ積み模様の化粧板を得た。
【0035】
更に、この化粧板の表面上に、クリヤー塗料として、上記の着色紫外線硬化型塗料(I)からソーダガラス及び酸化チタンを除いた配合組成の塗料を30μmの膜厚となるように塗装し、紫外線照射により硬化させた。得られたレンガ積み模様の化粧板の各々のレンガ部分間の目地部は直線状態であり、全体として意匠性に優れていた。
【0036】
実施例3
軽量気泡コンクリート板表面に、上記のVトップ#100を塗装し、乾燥させた。その後、その下塗り塗膜上に、実施例1で用いたスクリーン印刷用スクリーン版及び前記の着色紫外線硬化型塗料(II)を用いて、印刷膜厚が100μmのレンガ積み模様となるようにスクリーン印刷した。その後紫外線照射により該レンガ積み模様部を硬化させてレンガ積み模様の化粧板を得た。
【0037】
更に、この化粧板の表面上に、クリヤー塗料として、Vトップクリヤー(大日本塗料株式会社製アクリルウレタン樹脂塗料)を塗装し、乾燥させた。得られたレンガ積み模様の化粧板の各々のレンガ部分間の目地部は直線状態であり、全体として意匠性に優れていた。
【0038】
比較例1
スクリーン印刷用スクリーン版として、レンガ1個に相当する部分の大きさが210mm×100mmであり、目地に相当する部分の幅が10mmであり、長手方向の両端の余白が150mmであり、長手方向と直交する方向の両端の余白が500mmであり、全体の大きさが2970(210×9+10×8+500×2)mm×1280(100×9+10×8+150×2)mmとなるレンガ積み模様の図1に模式的に示すスクリーン版を用いた以外は実施例1に記載の製造方法に従ってレンガ積み模様の化粧板を作製した。得られたレンガ積み模様の化粧板の各々のレンガ部分間の目地部は、図2に誇張して模式的に示すように、印刷方向の先端に行くに従って湾曲度が大きくなっていた。
【0039】
【発明の効果】
本発明の化粧板の製造方法においては、大型のスクリーン版を用いるスクリーン印刷によって所望の模様、特に直線の目地部で区画された複数区画に所望の模様を形成しても、印刷の際にスキージにより負荷が掛かる印刷方向にスクリーン版が湾曲して、所望の形状の模様、目地部が印刷された化粧板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術で用いられているスクリーン版の模様、目地相当部を示す模式図である。
【図2】図1のスクリーン版を用いてスクリーン印刷して得られる模様、目地部を誇張してしめす模式図である。
【図3】本発明で用いるスクリーン版の模様、目地相当部を誇張して示す模式図である。
Claims (3)
- 基板表面に下塗り塗装を施し、その下塗り塗膜上にインク組成物を用いてスクリーン印刷によって所望の模様を形成させる化粧板の製造方法において、該スクリーン印刷に用いるスクリーン版として、印刷の際にスキージにより負荷が掛かる印刷方向にスクリーン版が湾曲することを考慮して、その湾曲に相当する距離を印刷方向と逆の方向に湾曲させた模様を有するスクリーン版を用いることを特徴とする化粧版の製造方法。
- 基板表面に下塗り塗装を施し、その下塗り塗膜上に紫外線硬化型インク組成物を用いてスクリーン印刷によって所望の模様を形成させ、紫外線照射により該模様を硬化させる化粧板の製造方法において、該スクリーン印刷に用いるスクリーン版として、印刷の際にスキージにより負荷が掛かる印刷方向にスクリーン版が湾曲することを考慮して、その湾曲に相当する距離を印刷方向と逆の方向に湾曲させた模様を有するスクリーン版を用いることを特徴とする化粧版の製造方法。
- 基板表面に下塗り塗装を施し、その下塗り塗膜上に紫外線硬化型インク組成物を用いてスクリーン印刷によって直線の目地部で区画された複数区画に所望の模様を形成させ、紫外線照射により該模様を硬化させる化粧板の製造方法において、該スクリーン印刷に用いるスクリーン版として、印刷の際にスキージにより負荷が掛かる印刷方向にスクリーン版が湾曲することを考慮して、その湾曲に相当する距離を印刷方向と逆の方向に湾曲させた模様を有するスクリーン版を用いて、印刷された目地部が直線になるようにすることを特徴とする化粧版の製造方法。
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