JP2620715B2 - 多彩模様塗膜の形成方法 - Google Patents

多彩模様塗膜の形成方法

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JP2620715B2
JP2620715B2 JP8419489A JP8419489A JP2620715B2 JP 2620715 B2 JP2620715 B2 JP 2620715B2 JP 8419489 A JP8419489 A JP 8419489A JP 8419489 A JP8419489 A JP 8419489A JP 2620715 B2 JP2620715 B2 JP 2620715B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は着色紫外線硬化型塗料を使用した多彩模様塗
膜の形成方法に関するものである。
〈従来の技術及びその解決すべき課題〉 従来からインテリア材料や建材等において美観をもた
せるための多彩模様を施したものが広く採用されてい
る。このような多彩模様を施す方法として、異色の多層
塗膜を (i) グラビア、オフセットあるいはオフセットグラ
ビア印刷法 (ii) スクリーン印刷法 (iii) 塗装による方法 あるいはこれらの組合せによる方法等により形成させて
いるが、これらに使用される塗料もしくはインキには通
常有機溶剤が使用されている。
一方、近年無公害化、省資源などの社会的要請に伴
い、無溶剤もしくは有機溶剤量の少ない紫外線硬化型塗
料が一部採用される傾向にある。そのため、多彩模様を
形成する塗料として有機溶剤を使用しない、もしくはそ
の使用量の少ない紫外線硬化型塗料の利用が考えられ
る。ところが、このような紫外線硬化型塗料を多層塗膜
による多彩模様形成用塗料として利用する場合、以下の
条件を満たすことが必要である。
(1) 多層塗膜を形成した場合、層間密着性がよいこ
と。
(2) 巾広い光量域で安定した硬化性を有すること。
(3) 膜厚のばらつきが生じても安定した硬化性を有
すること。
(4) 数回の紫外線照射でも影響を受けない初期の塗
膜色等を維持していること。
しかしながら、従来の紫外線硬化型塗料で、これら条
件を満す塗料は知られておらず、それ故着色紫外線硬化
型塗料を使用した多彩模様は、ほとんど実用化されてい
ない。
すなわち、多層塗膜により多彩模様表現をした場合、
初期に塗られた塗膜つまり、下層塗膜は数回紫外線に曝
され、オーバーキュアー状態となり、層間密着性が低下
したり、変色等が生じやすくなる。
また、紫外線硬化装置の発光部は通常チューブ状ラン
プが使用されているが、該ランプの平行方向の光強度は
一定でなく、特に電極付近の光強度は低く、またランプ
の経時劣化による光強度低下が生じる。このような状態
下では塗膜が部分的に硬化不良を生じたり変色が生じや
すくなる。また紫外線硬化の場合、紫外線が塗膜表層か
ら入射し、塗膜の基体との境界層まで達して硬化反応が
終結するのであるが通常塗料の粘度等の塗料性状、塗装
条件あるいは基体の粗さ、塗料の吸込みやすさ等の基体
表面性状などの相違により塗膜にばらつきが生じ、その
結果、部分的に塗膜の深層における硬化反応が不十分な
個所が生じやすくなり、密着性不良、フクレ、シワ等が
生じやすくなる。
本発明者等はこのような現状に鑑み、前記条件を満た
す多彩模様形成用着色紫外線硬化型塗料を鋭意検討した
結果、本発明に至ったものである。
〈課題を解決するための手段〉 すなわち、本発明は、 ビヒクル成分としてアクリルウレタンオリゴマーを主
成分とし、また光反応開始剤としてチタノセン化合物を
含む着色紫外線硬化型塗料を基体表面に全面もしくは部
分的に塗布し、紫外線を照射することにより下層着色塗
膜を形成し、 次いでビヒクル成分としてアクリルウレタンオリゴマ
ーを主成分とし、また光反応開始剤としてチタノセン化
合物を含み、かつ前記塗料とは異色の着色紫外線硬化型
塗料を前記下層着色塗膜上に部分的に塗布し、紫外線を
照射することにより上層着色塗膜を形成する多彩模様塗
膜の形成方法に関するものである。
すなわち、本発明は前記特定のビヒクル成分と光反応
開始剤との組合からなる着色紫外線硬化型塗料を使用す
ることにより予想外にも前記条件を満す、多彩模様塗膜
の形成方法を見出したものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において使用する着色紫外線硬化型塗料は紫外
線重合性のビヒクル、光反応開始剤及び着色顔料を必須
成分とし、さらに必要に応じ体質顔料・光伝導性充填
剤、溶剤、添加剤等を配合せしめたものである。
前記ビヒクルは、アクリルウレタンオリゴマーを主成
分とするものであり、該アクリルウレタンオリゴマーは
分子中にウレタン結合を有し、かつラジカル重合可能な
不飽和二重結合を有する平均分子量数百〜数万程度の常
温の粘稠状のものが広く包含される。
例えば、ポリイソシアネートと水酸基を有する(メ
タ)アクリル酸エステルとの反応によって得られるオリ
ゴマーの他にポリエーテル系アクリルウレタンオリゴマ
ー、ポリエステル系アクリルウレタンオリゴマー、ポリ
ブタジエン系アクリルウレタンオリゴマー等も挙げられ
る。
具体的にはトルエンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジ
フェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシア
ネート、これらの異性体あるいは過剰のポリイソシアネ
ートとポリエステルポリオール、ポリオキシメチレング
リコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシ
プロピレングリコール、カプロラクトンポリオール、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどとの
反応生成物であるイソシアネート末端を有する化合物等
のポリイソシアネート(特に好ましくは無黄変型ポリイ
ソシアネート)と水酸基及び不飽和基を有する化合物と
の反応生成物等が挙げられる。前記水酸基及び不飽和基
を有する化合物としてはヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル
(メタ)アクリレート等が代表的なものとして挙げられ
る。
ビヒクルはこれらアクリルウレタンオリゴマーと反応
性希釈剤とからなる。反応性希釈剤としては2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレ
ート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレング
リコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペン
タアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、ジメチル
(メタ)アクリルアミド、ビニルトルエン、ジビニルベ
ンゼン等が代表的なものとして挙げられ、これら反応希
釈剤はアクリルウレタンオリゴマー100重量部に対し、1
0〜100重量部配合するのが好適である。
本発明で使用する光反応開始剤としては、チタノセン
化合物が使用される。該チタノセン化合物は特開昭63-4
1484号で公知の化合物であり、具体的には以下の一般式
で示される化合物である。
式(I) 〔式中、2つのR1基は各々独立して、シクロペンタジエ
ニル、インデニルまたは4,5,6,7−テトラヒドロイ
ンデニルであって、非置換のものであってもC1〜C18
−アルキルまたはC1〜C18−アルコキシ、C2〜C18−アル
ケニル、C5〜C8−シクロアルキル、C6〜C16−アリー
ル、C7〜C16−アラルキル、シアノまたはハロゲンの1
個以上で置換されたものであってもよく、または2つの
R1基は、連結して、非置換または上記のように置換され
た式(II) 〔式中、Xは(-CH2-)n)(nは1,2または3であ
る。)、フェニルで置換されているか、されていない2
〜12個の炭素原子を持つアルキリデン、さらには5〜7
の環炭素原子を持つシクロアルキリデン、▲SiR4 2▼、
または▲nmR4 2▼(R4はC1〜C12−アルキル、C5〜C12
シクロアルキル、C6〜C16−アリールまたはC7〜C16−ア
ラルキルである。)である。〕の基であって、R2は、金
属−炭素結合に対しての2つのオルト位の少くとも一方
が弗素で置換されている6員の炭素環または5員または
6員の複素環であって芳香族環についてはさらに置換基
を含むものであってもよく、またはR2とR3は連結して、
式(III)の基 −Q−Y−Q− (III) 〔式中、Qは、炭素環芳香族環であって、この二つの結
合はY基に対してo−位にあり、Y基に対してm−位が
弗素原子で置換されており、Qについては、さらに置換
基を含有していてもよい。Yは、CH2、2〜12個の炭素
原子を持つアルキリデン、環炭素原子5−7のシクロア
ルキリデン、直接結合、NR4、O、S、SO、SO2、CO、▲
SiR4 2▼または▲SnR4 2▼(R4は上記の通りである。)で
あり、R3はR2と同一の意味のもの、またはアルキニル、
非置換のものまたは置換のフェニルアルキニル、N
CN、▲SiR4 3▼または、▲SiR4 3▼であり、しかもチタノ
セン中でR2は1個以上の遊離のエステル化またはエーテ
ル化されたポリオキサアルキレン基を含有しており、こ
の基は、芳香族環に直接または橋基を介して結合してい
るものである。〕 で示されるチタノセン。
該チタノセン化合物としては具体的にはビス(シクロ
ペンタジエニル)−ビス(4−デシルオキシ−2,3,5,6
−テトラフルオロフェニル)−チタニウム、ビス(シク
ロペンタジエニル)−ビス(ペンタフルオロフェニル)
−チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス
〔4−(1′,4′,7′−トリオキサウンデシル)−2,3,
5,6−テトラフルオロフェニル〕−チタニウム、ビス
(メチルシクロペンタジエニル)−ビス〔4−(1′,
4′,7′−トリオキサウンデシル)−2,3,5,6−テトラフ
ルオロフェニル〕−チタニウム、ビス(シクロペンタジ
エニル)−ビス〔4−(1′,4′,7′,10′−テトラオ
キサドデシル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル〕
−チタニウム、ビス(メチルシクロペンタジエニル)−
ビス〔3−(1′,4′,7′,−トリオキサヘンデシル)
−2,6−ジフルオロフェニル〕−チタニウム、ビス(シ
クロペンタジエニル)−ビス〔3−(1′,4′,7′,1
0′−トリオキサドデシル)−2,6−トリフルオロフェニ
ル〕−チタニウムおよびビス(シクロペンタジエニル)
−ビス〔3−(1′,4′−ジオキサペンチル)−2,6−
ジフルオロフェニル〕−チタニウム等が代表的なものと
して挙げられる。
チタノセン化合物は前記ビヒクル成分100重量部に対
し、0.1〜5重量部、特に好ましくは0.2〜3重量部配合
するのが適当である。
場合によりα,α−ジメチル−α−ヒドロキシアセト
フェノン、ヒドロキシシクロヘキシルアセトフェノン、
ベンジルジメチルケタール、α,α−ジメチル−α−モ
ルホリンアセトp−メチルチオフェノン、α,α−ジエ
チル−α−ジメチルアミノアセト−p−モルフォリノフ
ェノン、アシルフォスフィンオキサイド等の通常の光反
応開始剤を併用することも可能である。
前記着色顔料としては通常の無機・有機染顔料が使用
出来る。具体的には、酸化チタン、硫化亜鉛、亜鉛華、
鉛白、リトポン、カーボンブラック、油煙、紺青、フタ
ロシアニンブルー、群青、カーミンFB、黄鉛、亜鉛黄、
ハンザイエロー、オーカー、ベンガラ、不溶性含金属ア
ゾ染料等が代表的なものとして挙げられる。特に本発明
においては、紫外線吸収率の小さな硫化亜鉛、油煙、群
青、フタロシアニンブルー、カーミンFB、黄鉛、オーカ
ー、ベンガラ、不溶性含金属アゾ染料等が好適である。
なお、着色顔料の配合量は生成塗膜中40重量%以下が適
当であり、下限は所望する塗膜の隠蔽力や着色力に応じ
任意に決定される。
必要に応じて配合される前記体質顔料としては珪砂、
珪酸塩、タルク、カオリン、硫酸バリウム、炭酸カルシ
ウム、粉末状、フレーク状、ファイバー状のガラス、ポ
リウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレ
ン等の樹脂粉末等が代表的なものとして挙げられる。
また、前記光伝導性充填剤は光エネルギーを塗膜内部
に伝播させる機能を有し、それ故厚膜を形成する場合、
特に立体多彩模様塗膜を形成する場合に有用であり、該
充填剤としてはガラスビーズが好適である。
ガラスビーズは前記機能を持たせるため次の条件を満
たさなけれなならない。
(イ) 中心粒径は100μ以下、好ましくは10〜60μで
ある。なお、中心粒径が100μを越えると塗膜硬化性に
ついては影響を及ぼさないが、ガラスビーズが生成塗膜
中で目立ち、ざらつき等が出るので塗膜外観上好ましく
ない。また引張り強度等の物理的特性の低下が見られ
る。一方、粒径の下限は、特に制限がないが、透過率が
実質的に低下する傾向にあるため、前記範囲内とする。
(ロ) 透明な球状である。なお、球状のガラスビーズ
はレンズの働きをし、透過率を上げる効果を有する。そ
れ以外の形状のものは乱反射しやすく、再帰反射が生じ
塗膜を硬化させる光エネルギーが、塗膜深部において大
幅に減衰するため適当でない。
(ハ) ガラスビーズの屈折率が、着色顔料を除く紫外
線硬化型塗料のクリヤー塗膜の屈折率との差が0.3以内
のものである。なお、屈折率の差が0.3を越えると、厚
膜化した場合塗膜を硬化させる光エネルギーが塗膜深部
において大幅に減衰し、硬化不良を生じるので適当でな
い。
本発明において使用されるガラスビーズは、以上の条
件を満すものであれば特に制限なく利用出来る。
通常、紫外線硬化型塗料のクリヤー塗膜の屈折率N
Dは、約1.4〜1.6であり、したがって屈折率NDは、約1.4
〜1.6であり、したがって屈折率NDが1.5前後のソーダラ
イムガラス、ソーダライム・鉛ガラス、カリ・鉛ガラ
ス、カリ・鉛ガラス、カリ・ソーダ・鉛ガラス、硼珪酸
ガラス、高アルミナガラス、カリ・ソーダ・バリウムガ
ラス等を具体例として挙げられるが、これらに限定され
るものでないことは自明であろう。
ガラスビーズの配合量は生成塗膜中0〜80重量%、特
に単層の塗膜厚を100μm以上の厚膜にする場合は30〜7
0重量%が適当である。
また、前記溶剤は塗装粘度を適度に調整するために使
用されるものであり、トルエン、キシレン、アセト、メ
チルエチルケトン、酢酸エチル等が代表的なものとして
挙げられる。
本発明において使用する着色紫外線硬化型塗料は以上
説明した成分からなるものであり、下層着色塗膜を形成
する塗料と上層着色塗膜を形成する塗料とは異色の塗料
を使用している点が異なるだけである。なお、本発明に
おいて「異色」とは多彩模様塗膜を得ることを目的とし
ているので色相の違いだけでなく、同一色相でも明度、
彩度等の違う色も含めるものである。
次に本発明の多彩模様塗膜の形成方法につき説明す
る。
塗膜を形成する基体としては金属・木材、プラスチッ
ク、ガラス、陶磁器、コンクリート、紙等の各種基体が
使用出来る。特に、意匠性、耐摩耗性、耐衝撃性、耐ス
リ傷性、難燃性、遮音性等において優れた塗膜が得られ
るので、建築内外装用に好適に使用出来る。これら基体
は、必要に応じて目止め処理、研磨処理、着色処理等の
下地処理を施したものでもよく、さらには凹凸表面を有
するものであってもよい。
このような基体表面に、フローコーター、ロールコー
ター、スプレーガン、パターンローラー等の塗装手段あ
るいはグラビア、オフセット、オフセットグラビア、ス
クリーン等の印刷手段により下層着色塗膜となる着色紫
外線硬化型塗料を全面もしくは部分的に塗布する。
次いで紫外線を照射し、下層着色塗膜を硬化させる。
なお、紫外線を照射するに用いられる光源としては低
圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボ
ンアーク灯、キセノンランプ、ケミカルランプ等が使用
される。
また厚膜、例えば100〜500μの場合、入力は80W/cm以
上、好ましくは120W/cm以上で、光源は特に前記メタル
ハライドランプが好適である。下層着色塗膜を硬化させ
た後、該塗膜上に部分的に、及び/又は該塗膜を施して
ない基体表面上に、下層塗膜とは異色の着色紫外線硬化
型塗料を前記と同様の手段により塗布する。
次いで紫外線を照射し、上層着色塗膜を硬化させる。
このようにして得られた多層塗膜は各層の色が異なる
ため、多彩模様が形成されるのである。
なお、本発明において前記ガラスビーズを配合したも
のは数百μまで厚膜化出来るので着色紫外線硬化塗料の
一方もしくは両方に配合することにより立体的な多彩模
様が得られる。
〈発明の効果〉 本発明においては前記特定のビヒクル成分と特定の光
反応開始剤を含む着色紫外線硬化型塗料を使用している
ため、多層塗膜による多彩模様を形成させても層間密着
性がよく、また巾広い光量域で安定した硬化性を有し、
それ故短時間で、かつ塗膜性能のよい多彩模様塗膜を得
ることが出来る。
なお、従来一般的に使用されている光反応開始剤では
塗膜内部が十分硬化しないため塗膜厚が数ミクロンと薄
いものでしかこのような多彩模様塗膜を得ることが出来
なかったものである。
また本発明においてガラスビーズを配合した着色紫外
線硬化型塗料を使用した場合従来不可能とされていた数
百μという厚膜においても安定した硬化性を有するた
め、立体的な多彩模様塗膜をも得ることも出来、さらに
得られた塗膜は、耐摩耗性、耐衝撃性、耐スリ傷性、難
燃性、遮音性、密着性等に優れており、さらに紫外線照
射時、熱も生じ難いので熱に弱い基材にも適用出来、ま
た熱による塗膜のシワ等の発生が防止出来るというよう
な特徴をあわせ有している。
(実施例) 以下、本発明を更に実施例により詳細に説明する。
なお、実施例中「部」は重量基準で示す。
〔アクリルウレタンオリゴマー(I)の調製〕
イソホロンジイソシアネート1モルと2−ヒドロキシ
エチルアクリレート2モルとを常法により付加反応さ
せ、平均分子量約500のアクリルウレタンオリゴマー
(I)を調製した。
〔アクリルウレタンオリゴマー(II)の調製〕
1,6−ヘキサンジオール2.1モル、エチレングリコール
1モル及びアジピン酸2.4モルを縮合反応させ、分子量
約1000のポリエステルを製造した。該ポリエステル1モ
ル、イソホロンジイソシアネート2モル、2−ヒドロキ
シエチルアクリレート2モルとを常法により付加反応さ
せ、平均分子量約1700のポリエステル型アクリルウレタ
ンオリゴマー(II)を調製した。
〔アクリルエポキシオリゴマー(III)の調製〕
ビスフェノールA型ジエポキシ化合物〔油化シェルエ
ポキシ社製商品名「エピコート828」分子量約380〕1モ
ルとアクリル酸2モルとを常法により付加反応させ、酸
価20のアクリルエポキシオリゴマー(III)を調製し
た。
〔不飽和ポリエステル(IV)の調製〕
無水マレイン酸1モル、無水フタル酸1モル、1,2−
プロピレングリコール2.1モルとを常法により縮合反応
させ、酸価45、平均分子量約8000の不飽和ポリエステル
を調製した。
〔ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(4−デシルオ
キシ−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)−チタニウ
ムの調製〕 1モルの1−デカノール中に1モルのナトリウム金属
を入れ、外側を冷却することで混合物の温度を約45℃に
保持した。反応がおさまった後、ナトリウムが完全に溶
解するまで撹拌しながら50℃に温めた。この溶液を1時
間かけて約42℃の1.16モルのクロロペンタフルオロベン
ゼン中に注入した。しかる後70℃に加温した状態で7時
間かけて反応せしめた。冷却後同量の水中に注入し、同
量のメチレンクロライドで抽出した。有機層を分離し硫
酸ナトリウムで乾燥し、メチレンクロライドを減圧蒸留
することにより精製し、デシル(2,3,5,6−テトラフル
オロ−4−クロロ)フェニルエーテルを製造した。
得られたデシル(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ク
ロロ)フェニルエーテル2モルをアルゴン不活性ガス雰
囲気下で無水ジエチルエーテルに溶解し、この溶液を−
75℃まで冷却した。次いでリチウムブチルのヘキサン溶
液を滴下し、同温下で15分間撹拌した。
次に1モルのビス(シクロペンタジエニル)−チタニ
ウムジクロライドを粉末の形態で添加し、2時間かけて
混合物を室温まで温めて反応を終了させた。
反応物を2倍量の水中に注入し、酢酸エチルで何回に
も分けて抽出を行なった。酢酸エチル相を硫酸ナトリウ
ムで乾燥させ、減圧蒸留を行なって得た残留物を移動相
としてシリカゲル上でヘキサン−エーテル(2:1)混合
物を使用したクロマトグラフィーで精製し、次いで溶媒
を蒸発させることによりビス(シクロペンタジエニル)
−ビス(4−デシルオキシ−2,3,5,6−テトラフルオロ
フェニル)−チタニウムを調製した。
〔ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(ペンタフルオロフェニル)−チタニウムの調製〕
前記デシル(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−クロ
ロ)フェニルエーテルの代りにクロロペンタフルオロベ
ンゼン2モルを使用する以外は同様にして反応させ、ビ
ス(シクロペンタジエニル)−ビス(ペンタフルオロフ
ェニル)−チタニウムを調製した。
〔着色紫外線硬化型塗料(I)〕
アクリルウレタンオリゴマー(I) 22部 N−ビニルピロリドン 10部 ビス(シクロペンタジエニル)− ビス(4−デシルオキシ−2,3,5,6 −テトラフルオロフェニル)− チタニウム 0.5部 ルチル型酸化チタン30部 酢酸ブチル37.5部 〔着色紫外線硬化型塗料(II)〕 アクリルウレタンオリゴマー(II) 40部 1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 31部 ビス(シクロペンタジエニル)− ビス(4−デシルオキシ−2,3,5,6 −テトラフルオロフェニル)− チタニウム 2部 硫酸バリウム 20部 カーボンブラック 2.5部 α,α−ジメチル−α−ヒドロキシ アセトフェノン 0.5部 無水ケイ酸 4部 〔着色紫外線硬化型塗料(III)〕 アクリルウレタンオリゴマー(I) 22部 N−ビニルピロリドン 6部 ビス(シクロペンタジエニル)− ビス(4−デシルオキシ−2,3,5,6 −テトラフルオロフェニル)− チタニウム 0.6部 ソーダガラスビーズ注1) 40部 硫化亜鉛 14部 トリメチロールプロパントリ アクリレート 17.4部 注1)屈折率ND=1.52、中心粒径10μの透明な球状ビー
ズ(なお、塗料(III)からガラスビーズ、硫化亜鉛を
除いたクリヤー塗膜の屈折率ND=1.5である。) 〔着色紫外線硬化型塗料(IV)〕 アクリルウレタンオリゴマー(II) 18.5部 1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 15部 ビス(シクロペンタジエニル)− ビス(ペンタフルオロフェニル) −チタニウム 0.5部 ソーダガラスビーズ注2) 55部 α,α−ジメチル−α−ヒドロキシ アセトフェノン 0.5部 炭酸カルシウム 10部 カーボンブラック 0.5部 注2)屈折率ND=1.52、中心粒径30μの透明な球状ビー
ズ(なお、塗料(III)からガラスビーズ、炭酸カルシ
ウム、カーボンブラックを除いたクリヤー塗膜の屈折率
ND=1.5である。) 実施例1 灰色硬質塩化ビニル樹脂材にエアスプレーにて白色の
前記塗料(I)を膜厚30μになるよう塗布し、60℃、1
分間フラッシュオフ後、メタルハライドランプ(入力12
0w/cm)の下方100mmの位置より通過させ、紫外線照射に
より塗膜を硬化させた。なお、通過スピード3.7m/min、
積算光量値1000mJ/cm2(アイグラフィラク社製積算光量
計UVPZ−1にて測定)の条件下で行なった。次いで100
μ深さに腐食させた木目柄の銅製グラビア版に黒色の前
記塗料(II)をドクターでかき取りゴムロールで前記塗
装した基体に転写印刷(膜厚30μm)し、前記と同一条
件にて塗膜を硬化させた。仕上った塗板は白地に黒色の
木目模様のある多彩模様が形成された。
得られた塗板の基板と白色塗膜、白色塗膜と黒色塗膜
とは完全一体化されており密着性が良好であった。
また黒色塗膜に紫外線を照射する前と後の、黒色塗膜
を塗り重ねていない個所の白色塗膜のΔEは0.3であ
り、実質的に変色してないことが判明した。
比較例1 実施例1において塗料(II)に配合の光反応開始剤を
α,α−ジメチル−α−ヒドロキシアセトフェノンに変
更する以外は全く同一条件にて多彩模様を形成した。
得られた木目模様の黒色塗膜の下層は硬化不良が生
じ、白色塗膜との層間密着性が不良であった。
比較例2 実施例1において塗料(I)に配合のアクリルウレタ
ンオリゴマー(I)をアクリルエポキシオリゴマー(II
I)に変更する以外は全く同一条件にて多彩模様を形成
した。
得られた白色塗膜と黒色塗膜はテープで簡単に剥離
し、リコート性が不良であった。
比較例3 実施例1において塗料(I)に配合のアクリルウレタ
ンオリゴマー(I)を不飽和ポリエステル(IV)に変更
する以外は全く同一条件にて多彩模様を形成した。
得られた白色塗膜と黒色塗膜はテープで簡単に剥離
し、リコート性が不良であった。
また、黒色塗膜に紫外線を照射する前と後の白色塗膜
のΔEは4.0であり、黄変色していた。
実施例2 灰色硬質塩化ビニル樹脂材に、150メッシュの目地巾4
mmの100角タイル模様のスクリーン版を用い、白色の前
記塗料(III)を、硬度82度のウレタンゴムスキージに
て膜厚50μの印刷を行なった。
次いで実施例1と同様にして紫外線照射し、塗膜を硬
化させた。
次いで30メッシュの前記100角タイル模様に同調させ
たストライプ模様のスクリーン版を用い、前記スクリー
ン印刷した基体に黒色の前記塗料(IV)を硬度82度のウ
レタンゴムスキージにて膜厚300μで印刷し、前記と同
一条件にて塗膜を硬化させた。仕上った塗板は灰色の目
地に黒色の立体的なストライプ模様を持った白色の100
角タイル模様の立体的多彩模様が形成された。
得られた塗板の基板と白色塗膜、白色塗膜と黒色塗膜
とは完全一体化されており密着性が良好であった。
また黒色塗膜に紫外線を照射する前と後の、黒色塗膜
を塗り重ねていない個所の白色塗膜のΔEは0.3であ
り、実質的に変色していないことが判明した。
比較例4 実施例2において塗料(IV)に配合の光反応開始剤を
α,α−ジメチル−α−ヒドロキシアセトフェノンに変
更する以外は全く同一条件にて多彩模様を形成した。
黒色のストライプ模様塗膜の深層は硬化不良により下
層の白色塗膜との密着性は不良であった。
比較例5 実施例2において塗料(III)に配合のアクリルウレ
タンオリゴマー(I)をアクリルエポキシオリゴマー
(III)に変更する以外は全く同一条件にて多彩模様を
形成した。
黒色のストライプ模様塗膜はテープで簡単に剥離し、
リコート性が不良であった。
比較例6 実施例2において塗料(III)に配合のアクリルウレ
タンオリゴマー(I)を不飽和ポリエステル(IV)に変
更する以外は全く同一条件にて多彩模様を形成した。
黒色のストライプ模様塗膜はテープで簡単に剥離し、
リコート性が不良であった。
また黒色塗膜に紫外線を照射する前と後の白色塗膜の
ΔEは4.0であり、黄変色していた。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビヒクル成分としてアクリルウレタンオリ
    ゴマーを主成分とし、また光反応開始剤としてチタノセ
    ン化合物を含む着色紫外線硬化型塗料を基体表面に全面
    もしくは部分的に塗布し、紫外線を照射することにより
    下層着色塗膜を形成し、 次いでビヒクル成分としてアクリルウレタンオリゴマー
    を主成分とし、また光反応開始剤としてチタノセン化合
    物を含み、かつ前記塗料とは異色の着色紫外線硬化型塗
    料を前記下層着色塗膜上に部分的に塗布し、紫外線を照
    射することにより上層着色塗膜を形成する多彩模様塗膜
    の形成方法。
  2. 【請求項2】前記着色紫外線硬化型塗料のすくなくとも
    一方が、該塗料の顔料を除くクリヤー塗膜との屈折率の
    差が0.3以内で、かつ中心粒径が100μ以下の透明な球状
    ガラスビーズを含有することを特徴とする請求項(1)
    記載の多彩模様塗膜の形成方法。
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