JP2747881B2 - 浴室用立体模様塗板の製造方法 - Google Patents

浴室用立体模様塗板の製造方法

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JP2747881B2
JP2747881B2 JP1996294A JP1996294A JP2747881B2 JP 2747881 B2 JP2747881 B2 JP 2747881B2 JP 1996294 A JP1996294 A JP 1996294A JP 1996294 A JP1996294 A JP 1996294A JP 2747881 B2 JP2747881 B2 JP 2747881B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、意匠性に優れ、しかも
耐温水性、耐摩耗性等に優れた浴室用立体模様塗板の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、浴室壁面に美観を付与する方
法として、壁面に塗料を塗装する方法や、陶磁器タイル
を貼付つける方法が知られている。しかし、前者の塗装
方法は、施工が容易で、コストも安価であるが、所望の
立体模様塗膜を形成することが困難であった。また、後
者の陶磁器タイルを貼付ける方法は、所望の立体模様の
タイルを選択することが比較的容易であるが、タイル貼
付工程に時間が長くかかり、材料費も高いという問題点
があった。そこで、本願発明者の一部の者が、前記問題
点を解消する方法として、紫外線硬化型塗料をスクリー
ン印刷することにより、立体模様塗膜を短時間に形成す
る方法を見出し、これについては既に特許出願がなされ
ている(特開昭63-270577号参照)。しかしながら、上
記特許出願に係る方法により得られる塗膜は、浴室用塗
膜に求められる耐温水性、耐摩耗性等の塗膜性能が若干
劣るという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の問題点を解決し、施工作業性が良く、所望の立体模
様が形成でき、しかも得られる塗膜が耐温水性、耐摩耗
性等の塗膜性能に優れた浴室用立体模様塗板の製造方法
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、下記の構
成を有する製造方法によれば、本発明の上記目的を達成
することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、 a)セメント基板上に、ガラス転移温度が50℃以上の
アクリルポリオール樹脂とポリイソシアネート化合物と
を結合剤とするベースコート塗料を塗布し、硬化させて
ベースコート塗膜を形成する工程、及び、 b)前記ベースコート塗膜上に、部分的に、 i)紫外線硬化可能なウレタンアクリレート系オリゴマ
ーを主成分とするビヒクル、 ii)光反応開始剤、 iii)着色顔料、及び iv)前記着色顔料を除いた下記紫外線硬化型塗料のクリ
ヤー塗膜との屈折率の差が0.3以内で、中心粒径が6
0μm以下で、下記紫外線硬化型塗料の固形分の重量に
基づいて20〜60重量%配合される透明ガラス粉末 からなる紫外線硬化型塗料を、150メッシュ以下(即
ち、150メッシュより篩いの目の開きが大きくなるも
の)のメッシュ数を有するスクリーン版を用いてスクリ
ーン印刷し、紫外線照射により硬化させてスクリーン印
刷塗膜を形成する工程からなる浴室用立体模様塗板の製
造方法からなる。
【0005】本発明は、さらに、必要に応じて、c)前
記スクリーン印刷塗膜上に、部分的に、 i)紫外線硬化可能なウレタンアクリレート系オリゴマ
ーを主成分とするビヒクル、 ii)光反応開始剤、 iii)着色顔料、及び iv)前記着色顔料を除いた下記紫外線硬化型塗料のクリ
ヤー塗膜との屈折率の差が0.3以内で、中心粒径が6
0μm以下で、下記紫外線硬化型塗料の固形分の重量に
基づいて20〜60重量%配合される透明ガラス粉末 からなる紫外線硬化型塗料を、200メッシュ以下のメ
ッシュ数を有するスクリーン版を用いてスクリーン印刷
し、紫外線照射により硬化させてスクリーン印刷塗膜を
形成する工程からなる前記浴室用立体模様塗板の製造方
法からなる。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
製造方法の第1工程(a)において使用されるベースコ
ート塗料は、耐水性の良い塗膜が得られるアクリルポリ
オール樹脂とポリイソシアネート化合物を結合剤として
いる。前記アクリルポリオール樹脂は、アクリル酸また
はメタクリル酸のアルキルエステルと水酸基を有する
α,β−エチレン性不飽和モノマーを含む共重合体であ
り、ガラス転移温度(以下、「Tg」という)が、50
℃以上でなければならない。Tgが50℃未満になる
と、セメント系基板を使用しているため、アルカリ成分
の影響で得られる塗膜が剥離したり、フクレが生じやす
くなるので好ましくない。
【0007】また、前記アクリルポリオール樹脂は、分
子量が約1000〜15万で、水酸基価が約10〜12
0のものが好ましい。前記アクリルポリオール樹脂は、
具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)
アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メ
タ)アクリル酸2エチルヘキシル等の(メタ)アクリル
酸のアルキルエステル及びヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基
を有するモノマーを構成モノマーとし、さらに必要に応
じて、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリ
レート、スチレン、ビニルトルエン、(メタ)アクリロ
ニトリル、イタコン酸等のモノマーを、前記特性を満た
すように適宜組合せて、該モノマー混合物を、常法に従
って共重合させて得られる。
【0008】前記ポリイソシアネート化合物は硬化剤で
あり、トリレンジイソシアネート、メタフェニレンジイ
ソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポ
リメチレンポリフェニルイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジ
イソシアネートまたはこれらのビューレット体、二量
体、三量体、さらには、これらのポリイソシアネート化
合物の過剰量と低分子ポリオールとの反応生成物が代表
的な例として挙げられる。前記アクリルポリオール樹脂
と前記ポリイソシアネート化合物の混合割合は、前者の
水酸基と後者のイソシアネート基の当量比(OH/NC
O)が、0.5/1〜1.2/1となるような割合が適当
である。
【0009】前記ベースコート塗料は、前記アクリルポ
リオール樹脂と前記ポリイソシアネート化合物を結合剤
とし、さらに着色顔料、体質顔料、有機溶剤及びその他
の各種添加剤等を配合することができる。前記着色顔料
としては、酸化チタン、亜鉛華、酸化鉄、黄鉛、フタロ
シアニンブルー、ベンジジンイエロー、カーボンブラッ
ク等が代表的な例として挙げられる。前記体質顔料とし
ては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、石英粉
等が代表的な例として挙げられる。また、前記有機溶剤
としては、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、酢
酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤等
が代表的な例として挙げられる。前記その他の各種添加
剤としては、分散剤、沈殿防止剤、増粘剤、防カビ剤等
が挙げられる。
【0010】本発明の製造方法の第2工程(b)におい
て使用される紫外線硬化型塗料は、 i)紫外線硬化可能なビヒクル、ii)光反応開始剤、ii
i)着色顔料及びiv)透明ガラス粉末を必須の成分と
し、さらに、必要に応じて、体質顔料、有機溶剤、その
他の各種添加剤等を配合することができる。
【0011】前記i)紫外線硬化可能なビヒクルは、リ
コート性、即ち広範の紫外線照射条件下で硬化し、しか
も層間密着性の優れた塗膜が得られるウレタンアクリレ
ート系オリゴマーを主成分とする。前記ウレタンアクリ
レート系オリゴマーは、分子中にウレタン結合及びラジ
カル重合可能な不飽和二重結合を有し、平均分子量が数
百〜数万程度で、常温で粘稠状のものを広く包含する。
このようなウレタンアクリレート系オリゴマーとして
は、ポリイソシアネートと水酸基を有する(メタ)アク
リル酸エステルとの反応によって得られるオリゴマーの
他、ポリエーテル系ウレタンアクリレートオリゴマー、
ポリエステル系ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリ
ブタジエン系ウレタンアクリレートオリゴマー等が例と
して挙げられる。
【0012】具体的には、前記ベースコート塗料におい
て使用される前記ポリイソシアネート化合物(特に、好
ましくは無黄変型ポリイソシアネート)と水酸基及び不
飽和基を有する化合物との反応生成物等が挙げられる。
前記水酸基及び不飽和基を有する化合物としては、ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等が代表
的な例として挙げられる。
【0013】前記ビヒクルは、主成分の前記ウレタンア
クリレートオリゴマーの他、反応性希釈剤からなる。前
記反応性希釈剤としては、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリプロピ
レングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオー
ルジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジトリメチロールプロパンペンタアクリレート、ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、酢酸ビニ
ル、N−ビニルピロリドン、ジメチル(メタ)アクリル
アミド、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等が代表的
な例として挙げられる。このような反応希釈剤は、前記
ウレタンアクリレート系オリゴマー100重量部に対し
て、10〜110重量部配合するのが好適である。尚、
これらの成分からなる前記ビヒクルは、前記紫外線硬化
型塗料の固形分の重量に基づいて、30〜70重量%配
合されるのが適当である。
【0014】前記ii)光反応開始剤としては、ベンゾイ
ン、ベンゾフェノンまたはこれらのエステル、過酸化ベ
ンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジ
サルファイド、N−メチルジエタノールアミン、アシル
ホスフィンオキサイド、2,5−ジエトキシ−4−(p
−トリルチオ)ベンゼンアゾニウムヘキサフルオロホス
フェート、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシ
イソブチロフェノン等の通常の光反応開始剤が例として
挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0015】また、前記iii)着色顔料としては、通常
の無機及び有機顔料を使用することができ、具体的に
は、酸化チタン、硫化亜鉛、亜鉛華、鉛白、リトポン、
カーボンブラック、油煙、紺青、フタロシアニンブル
ー、群青、カーミンFB、黄鉛、亜鉛黄、ハンザイエロ
ー、オーカー、ベンガラ、不溶性含金属アゾ染料等が代
表的な例として挙げられる。尚、前記着色顔料の配合量
は、前記紫外線硬化型塗料の固形分の重量に基づいて、
40重量%以下とするのが適当であり、その下限は所望
する塗膜の隠蔽力や着色力に応じて任意に決定される。
【0016】前記iv)透明ガラス粉末は、得られる塗膜
に耐摩耗性、光沢等を付与するとともに、光エネルギー
を膜内部に伝播させる機能を有する。そのため、着色顔
料を多量に加えた状態で充分硬化するので、隠蔽力の高
い塗膜を得ることが可能になる。 前記透明ガラス粉末
は、前記機能を有するために下記の条件を満たすもので
なでればならない。
【0017】(イ)中心粒径が、60μm以下、好まし
くは5〜40μmであり、特に光沢を考慮すると10〜
35μmが望ましい。中心粒径が60μmを越えると、塗
膜硬化性には悪影響を及ぼさないが、スクリーン印刷に
おいてスクリーン版に目詰りが生じやすくなり、またガ
ラス粉末が生成塗膜中で目立ち、ざらつき等が出て光沢
がなくなるので、塗膜外観上好ましくなく、引張り強度
等の物理的特性の低下も見られる。一方、中心粒径の下
限は、特に制限がないが、粒径が小さくなると、透過率
が実質的に低下する傾向にあるため、前記範囲内とする
のが望ましい。
【0018】(ロ)前記透明ガラス粉末の屈折率と、着
色顔料を除いた前記紫外線硬化型塗料のクリヤー塗膜の
屈折率との差が、0.3以内のものである。屈折率の差
が0.3を越えると、厚膜化した場合に塗膜を硬化させ
る光エネルギーが塗膜深部において大幅に減衰し、硬化
不良を生じるので適当でない。通常、紫外線硬化型塗料
のクリヤー塗膜の屈折率NDは、約1.4〜1.6である
ので、本発明において用いられる前記透明ガラス粉末と
しては、屈折率NDが1.5前後のソーダライムガラス、
ソーダライム・鉛ガラス、カリ・鉛ガラス、カリ・鉛ガ
ラス、カリ・ソーダ・鉛ガラス、硼珪酸ガラス、高アル
ミナガラス、カリ・ソーダ・バリウムガラス等が具体例
として挙げられ、特に低アルカリガラスが耐加水分解性
が良好なので望ましい。
【0019】尚、前記透明ガラス粉末の形状は、数百μ
mの厚膜塗膜を形成する場合は、球状または球状と不定
形の混合物が好ましく、一方、数十μm以下の薄膜塗膜
を形成する場合は、不定形のものであってもよい。前記
透明ガラス粉末は、上記の条件を満たすものであれば、
特に制限なく種々のものを利用することができる。前記
透明ガラス粉末の配合量は、前記紫外線硬化型塗料の固
形分の重量に基づいて、20〜60重量%とするのが適
当である。配合量が、前記範囲より少なくなると、塗膜
の硬化性が悪くなるだけでなく、得られる塗膜の光沢、
硬度等も悪くなり、前記範囲より多くなると、相対的に
ビヒクルの量が少なくなり、耐温水性、耐水性等の塗膜
性能に悪影響を及ぼすので好ましくない。
【0020】必要に応じて配合される前記体質顔料とし
ては、珪砂、珪酸塩、タルク、カオリン、硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウム、フレーク状、ファイバー状または
中空状のガラス、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエ
チレン、ポリスチレン等の樹脂粉末等が代表的なものと
して挙げられる。また、同様に必要に応じて配合される
前記有機溶剤は、塗装または印刷粘度を適度に調整する
ために使用されるものであり、トルエン、キシレン、ア
セトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等が代表的な
ものとして挙げられる。前記その他の各種添加剤として
は、分散剤、沈殿防止剤、防カビ剤等が挙げられる。
【0021】次に、本発明の浴室用立体模様塗板の製造
方法について説明する。本発明においては、第1工程
(a)で、まず、セメント系基板上に、前記のベースコ
ート塗料を塗布、硬化させてベースコート塗膜を形成す
る。ベースコート塗料の塗布は、具体的には、セメント
系基板上に、前記ベースコートを塗布、含浸させ、素地
固めをし、かつ、基板中の空隙部の空気を塗料で置換、
充填することにより行われる。前記ベースコート塗料に
はシーラーとしての機能も持たせているが、場合によ
り、セメント系基板に予めシーラーを塗布、含浸させ、
その後前記ベースコート塗料を塗布してもよく、そのよ
うな態様も本発明の製造方法に含まれるものである。塗
布されたベースコート塗料は、常温乾燥または強制乾燥
により硬化させるが、予熱した基板を使用することによ
り乾燥を早めることも可能である。このようにしてベー
スコート塗膜が形成される。
【0022】次いで、本発明の製造方法の第2工程
(b)で、第1工程において得られたベースコート塗膜
上に、部分的に、前記紫外線硬化型塗料をスクリーン印
刷し、所望の模様状塗膜を形成する。尚、スクリーン印
刷法とは、適当なメッシュ数の紗に、必要な模様部分以
外を樹脂等にて隠蔽したスクリーン版上を、スキージを
用いて塗料を移動させ、隠蔽されていない模様部分の紗
の網の目にのみ塗料をすり込んだ後、スクリーン版を上
げる方法により盛り上げ模様塗膜を形成させる方法であ
る。
【0023】第2工程(b)で使用するスクリーン版の
メッシュ数は、150メッシュ以下である必要があり、
前記メッシュ数の紗を使用することにより、微細な凹凸
表面を有するベースコート塗膜上にも過大な負荷をかけ
ることなく、平滑な塗膜を形成することができる。メッ
シュ数の下限は特に制限がないが、あまり小さいと微細
な模様塗膜が表現できなくなるので、30メッシュ程度
までが適当である。尚、メッシュ数が150メッシュを
越えると、1回のスキージングでは印刷抜けや飛びを生
じ、また塗膜表面が平滑にならないので、好ましくな
い。
【0024】スクリーン印刷の後、紫外線を照射して光
重合反応を誘起させて、塗膜を硬化させ、スクリーン印
刷塗膜を形成する。尚、紫外線を照射するために用いら
れる光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハ
ライドランプ、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ケ
ミカルランプ等を使用することができる。
【0025】このようにして、前記第1工程及び第2工
程により立体模様塗板を得ることができるが、さらに第
3工程(c)を付加して、前記スクリーン印刷塗膜上ま
たは前記スクリーン印刷塗膜及びベースコート塗膜の一
部分に、さらに、同様の方法でスクリーン印刷塗膜を形
成して、複層スクリーン印刷塗膜を形成することによ
り、複雑で立体感のある立体模様を形成することが望ま
しい。尚、第3工程におけるスクリーン印刷塗膜を形成
するスクリーン版のメッシュ数は、200メッシュ以下
が適当である。また、複層スクリーン印刷塗膜を形成す
る場合、使用する紫外線硬化型塗料は、第2工程におい
て用いたものと同様のものを使用することができるが、
多彩立体模様としたい場合は、異色のものを使用すれば
よい。さらに、必要に応じて、クリヤー塗料を全面に仕
上げ塗装すれば、光沢、耐汚染性、耐薬品性等を向上さ
せることが可能である。
【0026】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、セメント系
基板表面が多孔質または凹凸表面を有する基板であって
も、従来法のように完全な平滑処理等の煩雑な下地処理
をしなくてもすみ、スクリーン印刷塗装の前に単に、ベ
ースコート塗膜を施すだけで、シャープで意匠性に優れ
た浴室用立体模様塗板を製造することができる。また、
本発明の製造方法は、グラビア、オフセット、オフセッ
トグラビア等の手段に比べ、コストが安価であり、また
色替え、模様替えが容易であるという利点を有してい
る。さらに、本発明の製造方法によれば、前記の特定の
着色ベースコート塗料及び前記特定のビヒクル、透明ガ
ラス粉末を配合した着色顔料含有紫外線硬化型塗料の組
合せにより、耐温水性、耐摩耗性、耐スリ傷性、難燃
性、層間密着性等に優れた塗膜が得られるので、優れた
浴室用立体模様塗板が得られる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。尚、実施例中、「部」及び「%」は重量基準で
示す。 [ウレタンアクリレートオリゴマー(I)の調製]イソ
ホロンジイソシアネート1モルと2−ヒドロキシエチル
アクリレート2モルとを、常法により付加反応させ、平
均分子量約500のウレタンアクリレートオリゴマー
(I)を調製した。
【0028】[ウレタンアクリレートオリゴマー(II)
の調製]1,6−ヘキサンジオール2.1モル、エチレング
リコール1モル及びアジピン酸2.4モルを縮合反応さ
せ、分子量約1000のポリエステルを調製した。この
ポリエステル1モル、イソホロンジイソシアネート2モ
ル及び2−ヒドロキシエチルアクリレート2モルを、常
法により付加反応させ、平均分子量約1700のポリエ
ステル型ウレタンアクリレートオリゴマー(II)を調製
した。
【0029】[エポキシアクリレートオリゴマー(II
I)の調製]ビスフェノールA型ジエポキシ化合物
(「エピコート828」(商品名)分子量約380:油
化シェルエポキシ社製)1モルとアクリル酸2モルと
を、常法により付加反応させ、酸価20のエポキシアク
リレートオリゴマー(III)を調製した。
【0030】 [紫外線硬化型塗料A−1] ウレタンアクリレートオリゴマー(I) 22部 N−ビニルピロリドン 6部 アセトフェノン系光反応開始剤 1部 ソーダガラス粉末 40部 硫化亜鉛顔料 14部 トリメチロールプロパントリアクリレート 17部 注)上記配合からソーダガラス粉末(屈折率ND=1.5
2、中心粒径30μmの透明な球状粉末)及び硫化亜鉛
顔料を除いたクリアー塗膜の屈折率は、ND=1.5であ
る。
【0031】[紫外線硬化型塗料A−2]上記塗料A−
1において、ソーダガラス粉末として、屈折率がND
2.2で、中心粒径が30μmの透明な球状ソーダガラス
粉末を使用する以外は、同一配合とした。 [紫外線硬化型塗料A−3]上記塗料A−1において、
ソーダガラス粉末として、屈折率がND=1.55で、中
心粒径20μmの透明な不定形粉末を60部配合する以
外は、同一配合とした。 [紫外線硬化型塗料A−4]上記塗料A−1において、
ソーダガラス粉末の代りに体質顔料として、炭酸カルシ
ウムを使用する以外は、同一配合とした。
【0032】 [紫外線硬化型塗料B−1] ウレタンアクリレートオリゴマー(II) 18.5部 1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 15部 アセトフェノン系光反応開始剤 1部 ソーダガラス粉末 55部 炭酸カルシウム 10部 カーボンブラック 0.5部 注)上記配合からソーダガラス粉末(屈折率ND=1.5
2、中心粒径10μmの透明な球状粉末)及び炭酸カル
シウム、カーボンブラックを除いたクリアー塗膜の屈折
率は、ND=1.5である。 [紫外線硬化型塗料B−2]上記塗料B−1において、
ウレタンアクリレートオリゴマー(II)の代りに、エポ
キシアクリレートオリゴマー(III)を使用する以外
は、同一配合とした。
【0033】 [ベースコート塗料C−1] アクリルポリオール樹脂溶液(注1) 50部 二酸化チタン 19部 酸化鉄(黄) 1部 カオリン 15部 酢酸ブチル 15部 ポリイソシアネート(注2) 3.7部 注1)メタクリル酸メチル72部、アクリル酸ブチル1
8部、2−ヒドロキシメチルメタクリレート8部及びメ
タクリル酸2部から得られるTg58℃、水酸基価35
のアクリル共重合体の41%溶剤(キシレンと酢酸ブチ
ルの1:1溶剤)溶液 注2)「スミジュールN−75」(商品名、NCO1
6.5%、固形分75%;住友バイエル社製)(塗装直
後に他成分混合物と混合する)
【0034】[ベースコート塗料C−2]上記塗料C−
1において、アクリルポリオールとして、メタクリル酸
メチル65部、アクリル酸ブチル25部、2−ヒドロキ
シメチルメタクリレート8部及びメタクリル酸2部から
得られるTg44℃、水酸基価35のアクリル共重合体
を使用する以外は、同一配合とした。
【0035】実施例1 セメント系基板上に、ベースコート塗料C−1を100
g/m2スプレー塗装し、80℃において5分間強制乾
燥し、アイボリー色のベースコート塗膜を形成させた。
尚、塗膜表面は微細な凹凸表面を有していた。次いで、
ベースコート塗膜上に、ポリエステル製の60メッシュ
の平織の紗を張ったスクリーンに目地巾4mmの100mm
の角タイル模様を写真製版したスクリーン版を用いて、
紫外線硬化型塗料A−1を、硬度82度のウレタンゴム
スキージにてかきとり、スクリーン印刷した。次いで、
120W/cmの(Fe・Sn含有)メタルハライドランプを
用いて、100mmの距離から2秒間紫外線照射し、平均
膜厚200μmの第1スクリーン印刷塗膜を形成させ
た。得られた塗板は、アイボリー色の目地に平滑な白地
の立体的タイル模様が形成され、意匠性の高いものであ
った。また、得られた塗膜について性能試験を行った結
果を下記表1に示す。
【0036】実施例2 紫外線硬化型塗料A−1の代りに同A−3を使用する以
外は、実施例1と同様にして塗板を作成した。得られた
塗膜について性能試験を行った結果を下記表1に示す。 比較例1 紫外線硬化型塗料A−1の代りに同A−2を使用する以
外は、実施例1と同様にした塗板を作成した。得られた
塗膜について性能試験を行った結果を下記表1に示す。
【0037】比較例2 紫外線硬化型塗料A−1の代りに同A−4を使用する以
外は、実施例1と同様にして塗板を作成した。得られた
塗膜について性能試験を行った結果を下記表1に示す。 比較例3 ベースコート塗料C−1の代りに同C−2を使用する以
外は、実施例1と同様にして塗板を作成した。得られた
塗膜について性能試験を行った結果を下記表1に示す。
【0038】
【表1】 実施例 比較例 −−−−−−−− −−−−−−−−−−− 1 2 1 2 3 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 耐摩耗性(注1) >350回 >350回 300回 50回 >350回 耐衝撃性(注2) >50cm >50cm 40cm 10cm >50cm 耐温水性(注3) 異常なし 異常なし フクレ発生 剥離 剥離 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (注1)テーバー摩耗試験機のゴム製円盤2個に研磨紙
を巻付け、総荷重1kgで塗膜が50%以上摩耗する回転
数 (注2)デュポン式テスターにて曲率半径1/2インチ落
下重錘に500gの荷重を加え、1回落下させ、クラッ
クが生じる落下高さ (注3)60℃の温水での250時間の浸漬試験
【0039】表1より明らかの通り、本発明の方法によ
り得られた実施例1及び2の塗膜は、優れた塗膜性能を
有しており、浴室用として好適であった。一方、クリア
ー塗膜との屈折率差が0.4以上のガラス粉末を使用し
た比較例1及びガラス粉末を配合しない比較例2では、
いずれも耐温水性等が劣り、浴室用として不適であっ
た。また、ベースコート塗料のアクリルポリオールとし
て、Tgが50℃未満のものを使用した比較例3は、ベ
ースコート塗膜とスクリーン印刷塗膜間で剥離が生じ
た。
【0040】実施例3 実施例1で得られた塗板のタイル模様に同調させた10
0メッシュのストライプ模様のスクリーン版を用いて、
スクリーン印刷塗膜上に、紫外線硬化塗料B−1を硬度
82度のウレタンゴムスキージにてかきとり、スクリー
ン印刷した。次いで、実施例1と同様の方法により紫外
線照射し、平均膜厚100μmのスクリーン印刷塗膜を
形成させた。得られた塗板は、アイボリー色の目地に黒
色の立体的ストライプ模様を有する白色のタイル模様の
立体的多彩模様が形成された。得られた塗板について前
記耐温水性試験を行ったところ異常は全くなかった。
【0041】比較例4 実施例3において、紫外線硬化型塗料B−1の代りに同
B−2を使用する以外は、同様にして立体的多彩模様を
形成させた。得られた塗板について前記耐温水性試験を
行ったところ、スクリーン印刷塗膜がフクレを生じた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−182371(JP,A) 特開 平5−93159(JP,A) 特開 昭63−118249(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)セメント基板上に、ガラス転移温度
    が50℃以上のアクリルポリオール樹脂とポリイソシア
    ネート化合物とを結合剤とするベースコート塗料を塗布
    し、硬化させてベースコート塗膜を形成する工程、及
    び、 b)前記ベースコート塗膜上に、部分的に、 i)紫外線硬化可能なウレタンアクリレート系オリゴマ
    ーを主成分とするビヒクル、 ii)光反応開始剤、 iii)着色顔料、及び iv)前記着色顔料を除いた下記紫外線硬化型塗料のクリ
    ヤー塗膜との屈折率の差が0.3以内で、中心粒径が6
    0μm以下で、下記紫外線硬化型塗料の固形分の重量に
    基づいて20〜60重量%配合される透明ガラス粉末か
    らなる紫外線硬化型塗料を、150メッシュ以下のメッ
    シュ数を有するスクリーン版を用いてスクリーン印刷
    し、紫外線照射により硬化させてスクリーン印刷塗膜を
    形成する工程からなる浴室用立体模様塗板の製造方法。
  2. 【請求項2】 さらに、c)前記スクリーン印刷塗膜上
    に、部分的に、 i)紫外線硬化可能なウレタンアクリレート系オリゴマ
    ーを主成分とするビヒクル、 ii)光反応開始剤、 iii)着色顔料、及び iv)前記着色顔料を除いた下記紫外線硬化型塗料のクリ
    ヤー塗膜との屈折率の差が0.3以内で、中心粒径が6
    0μm以下で、下記紫外線硬化型塗料の固形分の重量に
    基づいて20〜60重量%配合される透明ガラス粉末か
    らなる紫外線硬化型塗料を、200メッシュ以下のメッ
    シュ数を有するスクリーン版を用いてスクリーン印刷
    し、紫外線照射により硬化させてスクリーン印刷塗膜を
    形成する工程からなる請求項1記載の浴室用立体模様塗
    板の製造方法。
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