JP2004309216A - エンコーダ信号処理回路および信号処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】A相・B相信号の双方を補正することで位置精度が向上するエンコーダ信号処理回路を提供する。
【解決手段】X1−X0を出力する差動増幅器31、Y1−Y0を出力する差動増幅器32、X1*Y0を乗算する乗算器20、X0*Y1を乗算する乗算器21、(X0*Y1−X1*Y0)を求める差動増幅器30、(X0*Y1−X1*Y0)/(Y1−Y0)を求め補正係数=1/X軸切片値、を算出する割算器40、(X0*Y1−X1*Y0)/(X0−X1)を求め補正係数=1/Y軸切片値、を算出する割算器41、A相信号の補正値=(Y1−Y0)*X1/(X0*Y1−X1*Y0)を出力する乗算器22、B相信号の補正値=(X0−X1)*Y1/(X0*Y1−X1*Y0)を出力する乗算器23で構成している。
【選択図】 図1
【解決手段】X1−X0を出力する差動増幅器31、Y1−Y0を出力する差動増幅器32、X1*Y0を乗算する乗算器20、X0*Y1を乗算する乗算器21、(X0*Y1−X1*Y0)を求める差動増幅器30、(X0*Y1−X1*Y0)/(Y1−Y0)を求め補正係数=1/X軸切片値、を算出する割算器40、(X0*Y1−X1*Y0)/(X0−X1)を求め補正係数=1/Y軸切片値、を算出する割算器41、A相信号の補正値=(Y1−Y0)*X1/(X0*Y1−X1*Y0)を出力する乗算器22、B相信号の補正値=(X0−X1)*Y1/(X0*Y1−X1*Y0)を出力する乗算器23で構成している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンコーダの振幅変動を補正して正確なエンコーダ回転位置を測定するための補償回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のエンコーダ信号処理回路について、図を用いて説明する。図10は、特許文献1に開示の従来のエンコーダ信号処理回路の構成を示す回路図である。LED112から出射された光はそれぞれa相、a’相のフォトダイオード116及びb相、b’相のフォトダイオード118に入射され差動増幅器によりA相信号及びB相信号が合成される。この発明においては、絶対値回路130、132によりA相信号の絶対値を絶対値回路132によりB相信号の絶対値を計算し、差動増幅器134によりA相信号とB相信号の絶対値の和が求められる。そして、その和が一定になるようにOPアンプとトランジスタからなる回路128によりLED112の電流を制御している。その結果、補正後のA相信号とB相信号のリサージュ面における軌跡は図9の実線に示される正方形になる。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−311630号公報(第4頁、図3、図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の振幅補償回路においては、エンコーダ信号のA相信号・B相信号の振幅比が等しい比率で変化する場合には信号振幅を一定とする有効な方法であるが、2つの信号の振幅変化の比率が異なる場合、補償の前後におけるエンコーダ信号から求められるエンコーダの回転位置は同じ位置が求められることになり振幅変動の補償は求める位置精度を向上させない。具体的に図をもって説明する。エンコーダ信号が三角波で振幅が1の場合、図8に示すようにA相信号及びB相信号のリサージュ波形は制御をかけない場合、実線の正方形上を移動する。B相信号の振幅が1/2になるとき、リサージュ波形は点線のひし形上を移動することになる。図10の従来の発明による補正回路によりLED112にフィードバックをかけるとき、リサージュ波形は点線のひし形から実線の正方形になるが、例えば、点線のひし形上の点B(0.5,0.25)は実線の正方形上の点B’(0.67,0.33)に移動するのみであり、エンコーダの回転位置を示す回転角はθ=26.6°のままで補正回路の有無により求められる回転位置精度は向上することはない。
このように、従来のエンコーダ信号処理回路は、エンコーダ信号の一相のみの振幅が変化する場合においても光源の強度を調整してエンコーダのA相信号とB相信号のリサージュ面における軌跡が一定になるようにエンコーダ光源にフィードバックをかけ、光源強度を制御するものであるがこの信号補償により求められる位置精度が向上することはないという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その波形が三角波であるエンコーダ信号のA相信号及びB相信号が異なる比率で変化する場合においても2つのエンコーダ信号から正確に現在の回転位置が得られる信号補償回路を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載のエンコーダ信号処理回路の発明は、信号波形が三角波波形であるA相信号と90度位相差を有するB相信号の振幅補償を行うエンコーダ信号処理回路において、A相信号をX軸方向、B相信号をY軸方向とするリサージュ面の第1象限において、X軸方向の現在のサンプリング点の座標と時間遅れ要素を介した1つ前のサンプリング点の座標の差を出力する第1差動増幅器と、Y軸方向の現在のサンプリング点の座標と時間遅れ要素を介した1つ前のサンプリング点の座標の差を出力する第2差動増幅器と、前記X軸方向の現在のサンプリング点の座標と前記Y軸方向の1つ前のサンプリング点の座標を乗算する第1乗算器と、前記Y軸方向の現在のサンブリング点の座標と前記X軸方向の1つ前のサンプリング点の座標を乗算する第2乗算器と、前記第1および第2の乗算器の出力の差を求める第3差動増幅器と、前記第2差動増幅器の出力を前記第3差動増幅器の出力で割算して現在のサンプリング点と1つ前のサンプリング点2点間の直線のX軸切片値を求めX軸補正係数=1/(X軸切片値)を算出する第1割算器と、前記第1差動増幅器の出力を前記第3差動増幅器の出力で割算して前記2点間の直線のY軸切片値を求めY軸補正係数=1/(Y軸切片値)を算出する第2割算器と、前記第1割算器からのX軸補正係数と現在のA相信号を入力して乗算しX軸切片値を1に調整して補正を行ったA相信号を出力する第3の乗算器と、前記第2割算器からのY軸補正係数と現在のB相信号とを入力して乗算しY軸切片値を1に調整して補正を行ったB相信号を出力する第4の乗算器と、を備えたことを特徴とする。
このエンコーダ信号処理回路によれば、エンコーダ信号のリサージュ図形が第1象限に存在する場合、この直線のX軸切片およびY軸切片を求め、このX軸、Y軸切片の値が1になるようにA相信号およびB相信号に補正係数を掛けて、2信号を独立に補正することにより、A相信号、B相信号が異なる比率で変化する場合も、正確に現在の回転位置を求めることができる。
【0007】
また、請求項2記載のエンコーダ信号処理回路の発明は、信号波形が三角波波形であるA相信号と90度位相差を有するB相信号の振幅補償を行うエンコーダ信号処理回路において、A相信号をX軸方向、B相信号をY軸方向とするリサージュ面の第一象限において、Y軸方向の現在のサンプリング点の座標と時間遅れ要素を介した1つ前のサンプリング点の座標の差を出力する第1差動増幅器と、前記X軸方向の現在のサンプリング点の座標と前記Y軸方向の1つ前のサンプリング点の座標を乗算する第1乗算器と、前記Y軸方向の現在のサンプリング点の座標と前記X軸方向の1つ前のサンプリング点の座標を乗算する第2乗算器と、前記第1および第2乗算器の出力の差を求める第2差動増幅器と、前記第2差動増幅器の出力を前記第1差動差動増幅器の出力で割算して現在のサンプリング点と1つ前のサンプリング点2点間の直線のX軸切片値を算出する第1割算器と、前記X軸切片値によりA相信号を割算して補正されたA相信号を出力する第2割算器と、1から補正後のA相信号を引くことによって補正されたB相信号を求める第3差動増幅器と、を備えたことを特徴とする。
このエンコーダ信号処理回路によれば、補正後のA相信号およびB相信号のリサージュ面における座標(Va、Vb)がVa+Vb=1となることより、B相信号は、定数1からA相信号の補正後の値を引くことにより補正値を求めることができる。
【0008】
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載のエンコーダ信号処理回路において、リサージュ面における象限を判定する各相信号に設けられたコンパレータとコンパレータ信号を−1と1にクリップするリミッタ及びリミッタの出力信号を各相の補正信号に掛けるための乗算器を備えたことを特徴とする。
このエンコーダ信号処理回路によれば、A相信号およびB相信号のリサージュ面における象限を判定することにより、A相信号およびB相信号が共に同じ象限にあれば、リサージュ面の何れの象限に存在する場合でも信号の補正処理が可能になる。
また、請求項4記載の発明は、請求項1記載のエンコーダ信号処理において、第1の割算器と第3の乗算器の間と第2の割算器と第4の乗算器の間に絶対値回路を設けたことを特徴とする。
このエンコーダ信号処理回路によれば、補正係数の絶対値を求めることによりA相信号とB相信号が成すリサージュ面の象限を求める必要がなく、如何なる象限にあっても補正処理が可能となる。
【0009】
請求項5記載のエンコーダ信号処理方法の発明は、A相・B相信号をデジタル値に変換するA/Dコンバータと変換されたデジタル値を取り込むCPUから構成されてCPUのソフトウェアによりA相・B相信号の振幅補償を行うエンコーダ信号処理方法において、
一定周期で、A相信号およびB相信号の現在値をA/D変換入力するステップと、A相信号の補正値X1’=補正係数*X1、B相信号補正値Y1’=補正係数*Y1として次式、
X1’=(Y1−Y0)*X1/(X0*Y1−X1*Y0)…(1)
Y1’=(X0−X1)*Y1/(X0*Y1−X1*Y0)…(2)
但し、X1、Y1は現在の測定点の座標
X0、Y0は1サンプリング前の測定点の座標
(1)式、(2)式により計算するステップと、現在の測定点X1、Y1を1サンプリング前の測定点X0、Y0に代入するステップを有することを特徴とする。
このエンコーダ信号処理方法によれば、ソフトウェアによって、X軸・Y軸の補正係数の演算を行い、補正処理をCPUの内部で実行させることができる。
【0010】
また、請求項6記載の発明は、請求項5記載のエンコーダ信号処理方法において、現在の測定点が1サンプリング前の測定点と異なる象限に存在するか否かを判断するステップと、現在の測定点の象限及び1サンプリング前の測定点の象限が異なる場合に、A相信号の補正値X1’、B相信号の補正値Y1’を
X1’=|Hx|*X1 …(3)
Y1’=|Hy|*Y1 …(4)
但し、Hx、Hyは1サンプリング前の測定点の補正係数
により計算するステップと、現在の測定点の象限σx1、σy1を1サンプリング前の測定点の象限σx0、σy0に代入するステップと、現在の補正係数を1サンプリング前の補正係数Hx、Hyに代入するステップを有して、現在の測定点の補正を1サンプリング前の測定点の補正係数により代用することを特徴としている。
このエンコーダ信号処理方法によれば、現在の測定点と1サンプリング前の測定点がぞれぞれ異なる象限に存在する場合に、1サンプリング前の補正係数を用いて現在の測定点を補正するようにしたので、2つの測定点が異なる象限間を移動する場合においても、正確な補正計算が可能になり、リサージュ面上の全ての点での振幅変動を補正することが可能になる。すなわち、請求項1〜4の処理では、現在の測定点と1サンプリング前の測定点の2点共、第1象限にあるか、あるいは象限が異なっても2点共に同一象限に存在する場合にのみ補正が可能であって、2点がそれぞれ異なる象限に存在する場合、つまり象限に跨がっている場合は補正不可能であったものが、当方法によって補正が可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態について図に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るエンコーダの信号処理回路の回路図である。
この発明においては、エンコーダから発生する信号は回転角度位置とともに三角波波形を出力することを前提としている。この第1の実施の形態においては、2信号がリサージュ面の第1象限に存在するときのみを補正することができる構成とする。
【0012】
図1において、補正回路は、A相信号及びB相信号を遅らせる2つの時間遅れ要素10、11、A相信号及び時間遅れ要素11の出力信号を掛ける乗算器20(第1乗算器)、B相信号及び時間遅れ要素10の出力信号を掛ける乗算器21(第2乗算器)、2つの乗算器20及び21の差分を得る差動増幅器30(第3差動増幅器)、A相信号と時間遅れ要素10の差分を得る差動増幅器31(第1差動増幅器)、B相信号と時間遅れ要素11の差分を得る差動増幅器32(第2差動増幅器)、差動増幅器30の出力を差動増幅器31の出力で割り、差動増幅器31の出力を差動増幅器30の出力で割る割算器41(第2割算器)、と差動増幅器30の出力を差動増幅器32の出力で割り、差動増幅器32の出力を差動増幅器30の出力で割る割算器40(第1割算器)、割算器40の出力とA相信号を掛ける乗算器22(第3乗算器)及び割算器41の出力とB相信号を掛ける乗算器23(第4乗算器)から構成される。
【0013】
つぎに動作について説明する。
例えば、フォトダイオードに入射され差動増幅器により合成され、オフセット補正されたA相信号Va、B相信号Vbは、それぞれ時間遅れ要素10、11により1サンプリング時間遅れる。A相信号・B相信号及び時間遅れ要素10、11の出力から乗算器20、21、22、23、及び差動増幅器30、31、32、割算器40、41により次の演算処理を行って、補正処理は、A相信号・B相信号からなる位相面において、現在のエンコーダ信号が第1象限にある場合、X切片が1及びY切片が1となる処理により行う。これは位相面においてY軸方向を拡大または縮小することにより実現できる。
【0014】
先ず、現在の位相面上の点を(X1、Y1)として、1サンプリング前の点を(X0、Y0)とする。このとき直線の傾きは、
m=(Y1−Y0)/(X1−X0)
で表すことができる。
また、展開すれば、この直線のX切片は、
(X0*Y1−X1*Y0)/(Y1−Y0)
となる。
本発明の補正においては、このX切片の値が1となるようにする。この得られるX座標がA相信号及びB相信号の振幅が1の場合のX座標となる。
【0015】
すなわち、補正後のX座標X1’=補正係数*X1であって、補正係数=1/(X軸切片値)=1/(X0*Y1−X1*Y0)/(Y1−Y0)、から、
X1’=(Y1−Y0)*X1/(X0*Y1−X1*Y0) …(1)
(1)式となる。
また、補正後のY座標Y1’は、同様に補正係数*Y1から、
Y1’=(X0−X1)*Y1/(X0*Y1−X1*Y0)… (2)
(2)式となる。この補正後のX座標・Y座標を得る(1)式、(2)式を得る回路を実現したものが図1である。
【0016】
つまり、X切片値の演算は、(X0*Y1−X1*Y0)の乗算と引き算が乗算器21、20と差動増幅器30によって行われ、(Y1−Y0)は差動増幅器32により、除算は割算器40により行われる。すなわち、(1)式のX1’の演算は、(Y1−Y0)が差動増幅器32により、(X0*Y1−X1*Y0)は乗算器21、20と差動増幅器30により、双方の商を割算器40によって求めてX軸切片値を得て、1/(X軸切片値)を算出し、乗算器22によりX1を乗じて(1)式の補正後A相信号Vacが得られる。
同様に、(2)式のY1’は、差動増幅器31と、乗算器21、20と差動増幅器30と、割算器41、乗算器23とにより(2)式の補正後B相信号Vbcが得られる。
以上の(1)、(2)式の処理によって図8に示したような、従来技術ではA相とB相の合成信号Vsによって補正するフィードバック制御を行っていたために、B’点において回転角が26.6°のままであったものが、本実施の形態によるA、B相を個々に補正する補償回路に置換える構成とすることによって、Bc点に補正され正確な回転角45°が求められるようになる。
【0017】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面に基づいて説明する。
図2は、本発明の第2の実施の形態に係るエンコーダ信号処理回路の回路図である。
第2の実施の形態の振幅補償回路は、前実施の形態がA相、B相夫々補正したのに対して、A相信号及びB相信号のリサージュ面における座標(Va、Vb)がVa+Vb=1となることにより、補正後のB相信号の値を定数1からA相信号の補正後の値を引くことにより求める点が異なる。なお、第2の実施の形態も前実施の形態と同様に、2信号がリサージュ面の第1象限に存在するときのみを補正することができるものとする。
【0018】
図2において、この補償回路は、差動増幅器30の出力を差動増幅器32の出力で割る割算器40及び時間遅れ要素10の出力を割算器40の出力で割る割算器42(第3割算器)及び定数1から割算器42の出力を差し引く差動増幅器33(第4差動増幅器)から構成される。
なお、その他の図1との同一構成には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0019】
つぎに動作について説明する。
A相信号・B相信号はそれぞれ時間遅れ要素10、11により1サンプリング時間遅れる。A相信号・B相信号及び時間遅れ要素10、11の出力から乗算器20、21及び差動増幅器30、差動増幅器32、割算器40により次の演算処理による補正により、A相信号・B相信号からなる位相面において、現在のエンコーダ信号が第1象限にある場合、まずX切片が1となる処理を行う。次に直線の傾きを補償することを行い傾きが−1となるようにする。これは位相面においてY軸方向を拡大または縮小することにより実現できる。
【0020】
現在の位相面上の点を(X1、Y1)とし、1サンプリング前の点を(X0、Y0)とする。このとき直線の傾きは(Y1−Y0)/(X1−X0)で表すことができる。また、この直線のX切片は(X0*Y1−X1*Y0)/(Y1−Y0)となる。本発明においては、このX切片の値が1となるようにする。この得られるX座標がA相信号及びB相信号の振幅が1の場合のX座標となる。
すなわち、補正後のX座標X1’は、
X1’=(Y1−Y0)*X1/(X0*Y1−X1*Y0)…(1)
(1)式となる。また、補正後のY座標Y1’は、
Y1’=1−(Y1−Y0)*X1/(X0*Y1−X1*Y0)…(5)式
(5)式となる。
【0021】
この補正後のX座標・Y座標を得る(1)式、(5)式を得る回路を実現したものが図2である。
すなわち、(5)式のY1’は、差動増幅器33により、(1−X1’)として算出する。またX1’は差動増幅器32、乗算器21、20と、差動増幅器30と、割算器41、42で演算される。
このように、第2の実施の形態によれば、図1の回路より処理が簡単化され、乗算器など複数の回路を削減できる。
【0022】
次に、本発明の第3の実施の形態について図に基づいて説明する。
図3は本発明の第3の実施の形態に係るエンコーダ信号処理回路の回路図である。
本実施の形態においては、第1の実施の形態の図1の回路に加えて現在の点のA相信号の符号及びB相信号の符号を計算するためにA相信号をコンパレータ50及び−1と1によりクリップされるリミッタ60により、その符号σxを求めている。またB相信号をコンパレータ51及びリミッタ61によりB相信号の符号σyを求めている。A相補正信号X1’は、乗算器24に乗算器22の出力及びA相信号の符号σxを入力して2つの値の積を求めることにより求められる。同様にB相補正信号Y1’は乗算器23の出力及びB相信号の符号σyの積を乗算器25により求めることにより得ることができる。
なお、その他の図1と同一構成には同一符号を付して、構成上の重複する説明は省略する。
【0023】
つぎに動作について説明する。
第1、2の実施の形態においては、A相信号・B相信号がリサージュ面の第1象限に存在する場合にのみ有効であり、第2の実施の形態の例では、(1)式・(5)式の補正が第1象限でのみ有効であった。本実施の形態においては、A相信号・B相信号がリサージュ面の第1象限以外に存在する場合においても有効に各相信号の補正が実現されるものである。補正後のX切片の値は、リサージュ面の第1象限及び第4象限にある場合1となる必要があり、第2象限及び第3象限にある場合−1となる必要がある。また、補正後のY切片の値は、リサージュ面の第1象限及び第2象限にある場合1となる必要があり、第3象限及び第4象限にある場合−1となる必要がある。
【0024】
そのため、X切片及びY切片の符号を考慮したA相信号及びB相信号の補正式は次の(6)式及び(7)式となる。
X1’=σx*(Y1−Y0)*X1/(X0*Y1−X1*Y0)… (6)
Y1’=σy*(X0−X1)*Y1/(X0*Y1−X1*Y0)… (7)
ここで、σx・σyは現在のA相信号の符号71・B相信号の符号72で、それぞれリミッタ60とリミッタ61の出力信号である。
このように(6)、(7)式は(1)、(2)式に象限判定符号71、72の−1、+1を乗じて、象限を判定することによりA相信号及びB相信号がリサージュ面の何れの象限に存在する場合においても信号の補正処理が可能となる。
【0025】
次に、本発明の第4の実施の形態について図に基づいて説明する。
図4は本発明の第4の実施の形態に係るエンコーダの信号処理回路の回路図である。
第4の実施の形態は、第3の実施の形態が、1又は−1の符号の判定を各象限を求めることで行ったが、絶対値回路により補正係数の絶対値を求めることによって行っている。
【0026】
第4の実施の形態は、第1の実施の形態の割算器40と乗算器22の間に絶対値回路100を、割算器41と乗算器23の間に絶対値回路101を挿入している。これにより第3の実施例における(6)式及び(7)式を実現している。
従って、A相信号とB相信号が成すリサージュ面の象限を求める必要がなくなり、回路構成を簡単化して振幅変動が補正できる回路を提供できる。
【0027】
次に、本発明の第5の実施の形態について図に基づいて説明する。
図5は本発明の第5の実施の形態に係るエンコーダ信号処理方法を実証する信号処理回路の構成を示す図である。
図5において、A相信号及びB相信号は、A/Dコンバータ80及び81によりCPU90に取り込まれる。CPU90の内部においては、第1〜4の実施の形態に示したような図1〜図4の処理回路によるアルゴリズムの処理がソフトウェアにより可能とされる。
【0028】
次に、本発明の第6の実施の形態について図に基づいて説明する。
図6は本発明の第6の実施の形態に係るエンコーダ信号処理方法のフローチャートである。
図6は回路構成は図5の構成を利用して、処理回路の動作をソフトウェアにより行う例であって、A相信号及びB相信号の補正値を、それぞれ求める処理を示したものである。
【0029】
つぎに図6を参照して動作について説明する。
図6のフローチャートは、回路の動作をCPUの内部で実行させるようになっている。
先ず、サンプリング時間Ts毎に実行され、現在のA/D変換値を(X1,Y1)に入力する(S10)。そして、X1’、Y1’の補正計算を実行する(S30)。但し、この場合は、2点が同一象限(例えば、第1象限)にある場合として、補正計算式は象限記号σx、σyが不要なので、(1)、(2)式を適用して計算している。
そして現在の測定点を1サンプリング前の測定点に代入する(S40)。これによりデジタル化された補正値X1’及びY1’がCPUの内部で計算され、デジタル値として記憶される。
【0030】
次に、本発明の第7の実施の形態について図7に基づいて説明する。
図7は本発明の第7の実施の形態に係るエンコーダの信号処理方法のフローチャートである。
本実施の形態の回路構成は、第6の実施の形態と同様に図5の構成を利用するものである。
また、図7に示す本実施の形態は、図6に示すフローチャートが現在の測定点と1サンプリング前の測定点2点が共に第1象限にある場合だったのに対して、2点がどの象限にあっても補正可能な方法に関するものである。
【0031】
つぎに動作について説明する。
従って、図7のフローチャートは、図6のフローチャートに、次の(S50〜S80)ステップが追加されたものとなっている。
先ず、周期Ts時間毎に、A相・B相信号の現在値X1、Y1をA/D変換して入力する(S10)。
次に、現在の象限(σx1,σy1)と1サンプリング前の象限(σx0,σy0)を比較する(S50)。S50の処理において2つの測定点の象限が同じ場合は、(1)式と(2)式の補正計算を適用する(S30)。
【0032】
S50の判断で2つの象限が異なる場合は、1サンプリング前の補正係数を利用して二相の信号振幅の補正計算を、
X1’=|Hx|*X1 …(3)
Y1’=|Hy|*Y1 …(4)
但し、Hx、Hyは1サンプリング前の補正係数、
により行う(S60)。なお、この場合のHx、Hyは絶対値を用いて計算する。
次に、現在の測定点X1、Y1を1サンプリング前の測定点に代入する(S40)。現在の測定点の象限(σx1,σy1)を1サンプリング前の測定点の象限(σx0,σy0)に代入する(S70)。現在の補正係数値を1サンプリング前の補正係数に代入する(S80)。
【0033】
これらのステップの追加により本実施の形態では、2つの測定点が異なる象限間を移動する場合においても補正計算が可能となり、リサージュ面上のすべての点での振幅変動を補正することが可能となる。
第1の実施の形態〜第4の実施の形態においては、A相信号及びB相信号からなるリサージュ面上の現在の測定点と1サンプリング前の測定点が同じ象限に存在するとして、その補正方法を示している。しかし2点が夫々異なる象限に存在する場合、第1〜4の実施の形態では補正を正しく行うことはできなった。本実施例は、この2点の象限が異なる場合においても、適正な補正が可能な方法を提供している。
また、図3に示した回路では、補正方法ついて詳述はしていないが、例えば、図3の構成と図7の方法を組合わせること等も可能である。
このように、本実施の形態によれば、現在のサンプリング点及び1サンプリング前のサンプリング点が異なる象限に存在する場合においても振幅変動を補正する方法を提供できる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、各相の信号振幅の変化を計算により求め、現在の測定点を補正することによって2つの相の信号振幅が異なった比率で変化する場合においても、2相の振幅補正を同時に行う補正計算をすることができ、振幅変動が生じた場合においても精度が良い位置測定ができるという効果がある。
また、請求項2の発明によれば、B相信号の補正値を1からA相信号の補正値を減算することにより行うようにして、請求項1に示された回路構成より乗算器及び割算器を削減した補正回路を構成することができるという効果がある。
また、請求項3の発明によれば、現在の信号のリサージュ面における象限を求めることが可能となり、また各象限における係数の違いを補正することができる回路構成としているので、現在の測定点及び1サンプリング前の測定点が同じ象限にあれば4つの象限のいずれの象限にある場合においても振幅変動の補正処理ができるという効果がある。
また、請求項4の発明によれば、補正係数値の絶対値を求めることができるため、この補正係数の絶対値と現在のサンプリング点を掛けることにより現在の測定点及び1サンプリング前の測定点が同じ象限にあれば4つの象限のいずれの象限にある場合においても振幅変動の補正処理ができるという効果がある。
また、請求項5の発明によれば、ソフトウェアによる演算によって、補正処理がCPU内部の動作によって可能になる効果がある。
また、請求項6の発明によれば、現在の測定点と1サンプリング前の測定点が異なる象限に存在する場合、1サンプリング前の補正係数を用いて現在の測定点を補正する構成としているためエンコーダが回転して測定点のリサージュ面の象限が切り替わる場合においても正しい信号補正処理を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るエンコーダ信号処理回路の回路図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るエンコーダ信号処理回路の回路図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係るエンコーダ信号処理回路の回路図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係るエンコーダ信号処理回路の回路図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態に係るエンコーダ信号処理方法を実証する信号処理回路の構成図である。
【図6】本発明の第6の実施の形態に係るエンコーダ信号処理方法のフローチャートである。
【図7】本発明の第7の実施の形態に係るエンコーダ信号処理方法のフローチャートである。
【図8】従来のエンコーダ処理回路の問題点を説明するための図。
【図9】従来のエンコーダ処理回路の動作を説明するための図。
【図10】従来のエンコーダ信号処理回路の回路図である。
【符号の説明】
10、11 時間遅れ要素
20、21、22、23、24,25 乗算器
30、31、32、33 差動増幅器
40、41、42 割算器
50、51 コンパレータ
60、61 リミッタ
70 A相信号の象限符号
71 B相信号の象限符号
80、81 A/Dコンバータ
90 CPU
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンコーダの振幅変動を補正して正確なエンコーダ回転位置を測定するための補償回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のエンコーダ信号処理回路について、図を用いて説明する。図10は、特許文献1に開示の従来のエンコーダ信号処理回路の構成を示す回路図である。LED112から出射された光はそれぞれa相、a’相のフォトダイオード116及びb相、b’相のフォトダイオード118に入射され差動増幅器によりA相信号及びB相信号が合成される。この発明においては、絶対値回路130、132によりA相信号の絶対値を絶対値回路132によりB相信号の絶対値を計算し、差動増幅器134によりA相信号とB相信号の絶対値の和が求められる。そして、その和が一定になるようにOPアンプとトランジスタからなる回路128によりLED112の電流を制御している。その結果、補正後のA相信号とB相信号のリサージュ面における軌跡は図9の実線に示される正方形になる。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−311630号公報(第4頁、図3、図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の振幅補償回路においては、エンコーダ信号のA相信号・B相信号の振幅比が等しい比率で変化する場合には信号振幅を一定とする有効な方法であるが、2つの信号の振幅変化の比率が異なる場合、補償の前後におけるエンコーダ信号から求められるエンコーダの回転位置は同じ位置が求められることになり振幅変動の補償は求める位置精度を向上させない。具体的に図をもって説明する。エンコーダ信号が三角波で振幅が1の場合、図8に示すようにA相信号及びB相信号のリサージュ波形は制御をかけない場合、実線の正方形上を移動する。B相信号の振幅が1/2になるとき、リサージュ波形は点線のひし形上を移動することになる。図10の従来の発明による補正回路によりLED112にフィードバックをかけるとき、リサージュ波形は点線のひし形から実線の正方形になるが、例えば、点線のひし形上の点B(0.5,0.25)は実線の正方形上の点B’(0.67,0.33)に移動するのみであり、エンコーダの回転位置を示す回転角はθ=26.6°のままで補正回路の有無により求められる回転位置精度は向上することはない。
このように、従来のエンコーダ信号処理回路は、エンコーダ信号の一相のみの振幅が変化する場合においても光源の強度を調整してエンコーダのA相信号とB相信号のリサージュ面における軌跡が一定になるようにエンコーダ光源にフィードバックをかけ、光源強度を制御するものであるがこの信号補償により求められる位置精度が向上することはないという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その波形が三角波であるエンコーダ信号のA相信号及びB相信号が異なる比率で変化する場合においても2つのエンコーダ信号から正確に現在の回転位置が得られる信号補償回路を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載のエンコーダ信号処理回路の発明は、信号波形が三角波波形であるA相信号と90度位相差を有するB相信号の振幅補償を行うエンコーダ信号処理回路において、A相信号をX軸方向、B相信号をY軸方向とするリサージュ面の第1象限において、X軸方向の現在のサンプリング点の座標と時間遅れ要素を介した1つ前のサンプリング点の座標の差を出力する第1差動増幅器と、Y軸方向の現在のサンプリング点の座標と時間遅れ要素を介した1つ前のサンプリング点の座標の差を出力する第2差動増幅器と、前記X軸方向の現在のサンプリング点の座標と前記Y軸方向の1つ前のサンプリング点の座標を乗算する第1乗算器と、前記Y軸方向の現在のサンブリング点の座標と前記X軸方向の1つ前のサンプリング点の座標を乗算する第2乗算器と、前記第1および第2の乗算器の出力の差を求める第3差動増幅器と、前記第2差動増幅器の出力を前記第3差動増幅器の出力で割算して現在のサンプリング点と1つ前のサンプリング点2点間の直線のX軸切片値を求めX軸補正係数=1/(X軸切片値)を算出する第1割算器と、前記第1差動増幅器の出力を前記第3差動増幅器の出力で割算して前記2点間の直線のY軸切片値を求めY軸補正係数=1/(Y軸切片値)を算出する第2割算器と、前記第1割算器からのX軸補正係数と現在のA相信号を入力して乗算しX軸切片値を1に調整して補正を行ったA相信号を出力する第3の乗算器と、前記第2割算器からのY軸補正係数と現在のB相信号とを入力して乗算しY軸切片値を1に調整して補正を行ったB相信号を出力する第4の乗算器と、を備えたことを特徴とする。
このエンコーダ信号処理回路によれば、エンコーダ信号のリサージュ図形が第1象限に存在する場合、この直線のX軸切片およびY軸切片を求め、このX軸、Y軸切片の値が1になるようにA相信号およびB相信号に補正係数を掛けて、2信号を独立に補正することにより、A相信号、B相信号が異なる比率で変化する場合も、正確に現在の回転位置を求めることができる。
【0007】
また、請求項2記載のエンコーダ信号処理回路の発明は、信号波形が三角波波形であるA相信号と90度位相差を有するB相信号の振幅補償を行うエンコーダ信号処理回路において、A相信号をX軸方向、B相信号をY軸方向とするリサージュ面の第一象限において、Y軸方向の現在のサンプリング点の座標と時間遅れ要素を介した1つ前のサンプリング点の座標の差を出力する第1差動増幅器と、前記X軸方向の現在のサンプリング点の座標と前記Y軸方向の1つ前のサンプリング点の座標を乗算する第1乗算器と、前記Y軸方向の現在のサンプリング点の座標と前記X軸方向の1つ前のサンプリング点の座標を乗算する第2乗算器と、前記第1および第2乗算器の出力の差を求める第2差動増幅器と、前記第2差動増幅器の出力を前記第1差動差動増幅器の出力で割算して現在のサンプリング点と1つ前のサンプリング点2点間の直線のX軸切片値を算出する第1割算器と、前記X軸切片値によりA相信号を割算して補正されたA相信号を出力する第2割算器と、1から補正後のA相信号を引くことによって補正されたB相信号を求める第3差動増幅器と、を備えたことを特徴とする。
このエンコーダ信号処理回路によれば、補正後のA相信号およびB相信号のリサージュ面における座標(Va、Vb)がVa+Vb=1となることより、B相信号は、定数1からA相信号の補正後の値を引くことにより補正値を求めることができる。
【0008】
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載のエンコーダ信号処理回路において、リサージュ面における象限を判定する各相信号に設けられたコンパレータとコンパレータ信号を−1と1にクリップするリミッタ及びリミッタの出力信号を各相の補正信号に掛けるための乗算器を備えたことを特徴とする。
このエンコーダ信号処理回路によれば、A相信号およびB相信号のリサージュ面における象限を判定することにより、A相信号およびB相信号が共に同じ象限にあれば、リサージュ面の何れの象限に存在する場合でも信号の補正処理が可能になる。
また、請求項4記載の発明は、請求項1記載のエンコーダ信号処理において、第1の割算器と第3の乗算器の間と第2の割算器と第4の乗算器の間に絶対値回路を設けたことを特徴とする。
このエンコーダ信号処理回路によれば、補正係数の絶対値を求めることによりA相信号とB相信号が成すリサージュ面の象限を求める必要がなく、如何なる象限にあっても補正処理が可能となる。
【0009】
請求項5記載のエンコーダ信号処理方法の発明は、A相・B相信号をデジタル値に変換するA/Dコンバータと変換されたデジタル値を取り込むCPUから構成されてCPUのソフトウェアによりA相・B相信号の振幅補償を行うエンコーダ信号処理方法において、
一定周期で、A相信号およびB相信号の現在値をA/D変換入力するステップと、A相信号の補正値X1’=補正係数*X1、B相信号補正値Y1’=補正係数*Y1として次式、
X1’=(Y1−Y0)*X1/(X0*Y1−X1*Y0)…(1)
Y1’=(X0−X1)*Y1/(X0*Y1−X1*Y0)…(2)
但し、X1、Y1は現在の測定点の座標
X0、Y0は1サンプリング前の測定点の座標
(1)式、(2)式により計算するステップと、現在の測定点X1、Y1を1サンプリング前の測定点X0、Y0に代入するステップを有することを特徴とする。
このエンコーダ信号処理方法によれば、ソフトウェアによって、X軸・Y軸の補正係数の演算を行い、補正処理をCPUの内部で実行させることができる。
【0010】
また、請求項6記載の発明は、請求項5記載のエンコーダ信号処理方法において、現在の測定点が1サンプリング前の測定点と異なる象限に存在するか否かを判断するステップと、現在の測定点の象限及び1サンプリング前の測定点の象限が異なる場合に、A相信号の補正値X1’、B相信号の補正値Y1’を
X1’=|Hx|*X1 …(3)
Y1’=|Hy|*Y1 …(4)
但し、Hx、Hyは1サンプリング前の測定点の補正係数
により計算するステップと、現在の測定点の象限σx1、σy1を1サンプリング前の測定点の象限σx0、σy0に代入するステップと、現在の補正係数を1サンプリング前の補正係数Hx、Hyに代入するステップを有して、現在の測定点の補正を1サンプリング前の測定点の補正係数により代用することを特徴としている。
このエンコーダ信号処理方法によれば、現在の測定点と1サンプリング前の測定点がぞれぞれ異なる象限に存在する場合に、1サンプリング前の補正係数を用いて現在の測定点を補正するようにしたので、2つの測定点が異なる象限間を移動する場合においても、正確な補正計算が可能になり、リサージュ面上の全ての点での振幅変動を補正することが可能になる。すなわち、請求項1〜4の処理では、現在の測定点と1サンプリング前の測定点の2点共、第1象限にあるか、あるいは象限が異なっても2点共に同一象限に存在する場合にのみ補正が可能であって、2点がそれぞれ異なる象限に存在する場合、つまり象限に跨がっている場合は補正不可能であったものが、当方法によって補正が可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態について図に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るエンコーダの信号処理回路の回路図である。
この発明においては、エンコーダから発生する信号は回転角度位置とともに三角波波形を出力することを前提としている。この第1の実施の形態においては、2信号がリサージュ面の第1象限に存在するときのみを補正することができる構成とする。
【0012】
図1において、補正回路は、A相信号及びB相信号を遅らせる2つの時間遅れ要素10、11、A相信号及び時間遅れ要素11の出力信号を掛ける乗算器20(第1乗算器)、B相信号及び時間遅れ要素10の出力信号を掛ける乗算器21(第2乗算器)、2つの乗算器20及び21の差分を得る差動増幅器30(第3差動増幅器)、A相信号と時間遅れ要素10の差分を得る差動増幅器31(第1差動増幅器)、B相信号と時間遅れ要素11の差分を得る差動増幅器32(第2差動増幅器)、差動増幅器30の出力を差動増幅器31の出力で割り、差動増幅器31の出力を差動増幅器30の出力で割る割算器41(第2割算器)、と差動増幅器30の出力を差動増幅器32の出力で割り、差動増幅器32の出力を差動増幅器30の出力で割る割算器40(第1割算器)、割算器40の出力とA相信号を掛ける乗算器22(第3乗算器)及び割算器41の出力とB相信号を掛ける乗算器23(第4乗算器)から構成される。
【0013】
つぎに動作について説明する。
例えば、フォトダイオードに入射され差動増幅器により合成され、オフセット補正されたA相信号Va、B相信号Vbは、それぞれ時間遅れ要素10、11により1サンプリング時間遅れる。A相信号・B相信号及び時間遅れ要素10、11の出力から乗算器20、21、22、23、及び差動増幅器30、31、32、割算器40、41により次の演算処理を行って、補正処理は、A相信号・B相信号からなる位相面において、現在のエンコーダ信号が第1象限にある場合、X切片が1及びY切片が1となる処理により行う。これは位相面においてY軸方向を拡大または縮小することにより実現できる。
【0014】
先ず、現在の位相面上の点を(X1、Y1)として、1サンプリング前の点を(X0、Y0)とする。このとき直線の傾きは、
m=(Y1−Y0)/(X1−X0)
で表すことができる。
また、展開すれば、この直線のX切片は、
(X0*Y1−X1*Y0)/(Y1−Y0)
となる。
本発明の補正においては、このX切片の値が1となるようにする。この得られるX座標がA相信号及びB相信号の振幅が1の場合のX座標となる。
【0015】
すなわち、補正後のX座標X1’=補正係数*X1であって、補正係数=1/(X軸切片値)=1/(X0*Y1−X1*Y0)/(Y1−Y0)、から、
X1’=(Y1−Y0)*X1/(X0*Y1−X1*Y0) …(1)
(1)式となる。
また、補正後のY座標Y1’は、同様に補正係数*Y1から、
Y1’=(X0−X1)*Y1/(X0*Y1−X1*Y0)… (2)
(2)式となる。この補正後のX座標・Y座標を得る(1)式、(2)式を得る回路を実現したものが図1である。
【0016】
つまり、X切片値の演算は、(X0*Y1−X1*Y0)の乗算と引き算が乗算器21、20と差動増幅器30によって行われ、(Y1−Y0)は差動増幅器32により、除算は割算器40により行われる。すなわち、(1)式のX1’の演算は、(Y1−Y0)が差動増幅器32により、(X0*Y1−X1*Y0)は乗算器21、20と差動増幅器30により、双方の商を割算器40によって求めてX軸切片値を得て、1/(X軸切片値)を算出し、乗算器22によりX1を乗じて(1)式の補正後A相信号Vacが得られる。
同様に、(2)式のY1’は、差動増幅器31と、乗算器21、20と差動増幅器30と、割算器41、乗算器23とにより(2)式の補正後B相信号Vbcが得られる。
以上の(1)、(2)式の処理によって図8に示したような、従来技術ではA相とB相の合成信号Vsによって補正するフィードバック制御を行っていたために、B’点において回転角が26.6°のままであったものが、本実施の形態によるA、B相を個々に補正する補償回路に置換える構成とすることによって、Bc点に補正され正確な回転角45°が求められるようになる。
【0017】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面に基づいて説明する。
図2は、本発明の第2の実施の形態に係るエンコーダ信号処理回路の回路図である。
第2の実施の形態の振幅補償回路は、前実施の形態がA相、B相夫々補正したのに対して、A相信号及びB相信号のリサージュ面における座標(Va、Vb)がVa+Vb=1となることにより、補正後のB相信号の値を定数1からA相信号の補正後の値を引くことにより求める点が異なる。なお、第2の実施の形態も前実施の形態と同様に、2信号がリサージュ面の第1象限に存在するときのみを補正することができるものとする。
【0018】
図2において、この補償回路は、差動増幅器30の出力を差動増幅器32の出力で割る割算器40及び時間遅れ要素10の出力を割算器40の出力で割る割算器42(第3割算器)及び定数1から割算器42の出力を差し引く差動増幅器33(第4差動増幅器)から構成される。
なお、その他の図1との同一構成には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0019】
つぎに動作について説明する。
A相信号・B相信号はそれぞれ時間遅れ要素10、11により1サンプリング時間遅れる。A相信号・B相信号及び時間遅れ要素10、11の出力から乗算器20、21及び差動増幅器30、差動増幅器32、割算器40により次の演算処理による補正により、A相信号・B相信号からなる位相面において、現在のエンコーダ信号が第1象限にある場合、まずX切片が1となる処理を行う。次に直線の傾きを補償することを行い傾きが−1となるようにする。これは位相面においてY軸方向を拡大または縮小することにより実現できる。
【0020】
現在の位相面上の点を(X1、Y1)とし、1サンプリング前の点を(X0、Y0)とする。このとき直線の傾きは(Y1−Y0)/(X1−X0)で表すことができる。また、この直線のX切片は(X0*Y1−X1*Y0)/(Y1−Y0)となる。本発明においては、このX切片の値が1となるようにする。この得られるX座標がA相信号及びB相信号の振幅が1の場合のX座標となる。
すなわち、補正後のX座標X1’は、
X1’=(Y1−Y0)*X1/(X0*Y1−X1*Y0)…(1)
(1)式となる。また、補正後のY座標Y1’は、
Y1’=1−(Y1−Y0)*X1/(X0*Y1−X1*Y0)…(5)式
(5)式となる。
【0021】
この補正後のX座標・Y座標を得る(1)式、(5)式を得る回路を実現したものが図2である。
すなわち、(5)式のY1’は、差動増幅器33により、(1−X1’)として算出する。またX1’は差動増幅器32、乗算器21、20と、差動増幅器30と、割算器41、42で演算される。
このように、第2の実施の形態によれば、図1の回路より処理が簡単化され、乗算器など複数の回路を削減できる。
【0022】
次に、本発明の第3の実施の形態について図に基づいて説明する。
図3は本発明の第3の実施の形態に係るエンコーダ信号処理回路の回路図である。
本実施の形態においては、第1の実施の形態の図1の回路に加えて現在の点のA相信号の符号及びB相信号の符号を計算するためにA相信号をコンパレータ50及び−1と1によりクリップされるリミッタ60により、その符号σxを求めている。またB相信号をコンパレータ51及びリミッタ61によりB相信号の符号σyを求めている。A相補正信号X1’は、乗算器24に乗算器22の出力及びA相信号の符号σxを入力して2つの値の積を求めることにより求められる。同様にB相補正信号Y1’は乗算器23の出力及びB相信号の符号σyの積を乗算器25により求めることにより得ることができる。
なお、その他の図1と同一構成には同一符号を付して、構成上の重複する説明は省略する。
【0023】
つぎに動作について説明する。
第1、2の実施の形態においては、A相信号・B相信号がリサージュ面の第1象限に存在する場合にのみ有効であり、第2の実施の形態の例では、(1)式・(5)式の補正が第1象限でのみ有効であった。本実施の形態においては、A相信号・B相信号がリサージュ面の第1象限以外に存在する場合においても有効に各相信号の補正が実現されるものである。補正後のX切片の値は、リサージュ面の第1象限及び第4象限にある場合1となる必要があり、第2象限及び第3象限にある場合−1となる必要がある。また、補正後のY切片の値は、リサージュ面の第1象限及び第2象限にある場合1となる必要があり、第3象限及び第4象限にある場合−1となる必要がある。
【0024】
そのため、X切片及びY切片の符号を考慮したA相信号及びB相信号の補正式は次の(6)式及び(7)式となる。
X1’=σx*(Y1−Y0)*X1/(X0*Y1−X1*Y0)… (6)
Y1’=σy*(X0−X1)*Y1/(X0*Y1−X1*Y0)… (7)
ここで、σx・σyは現在のA相信号の符号71・B相信号の符号72で、それぞれリミッタ60とリミッタ61の出力信号である。
このように(6)、(7)式は(1)、(2)式に象限判定符号71、72の−1、+1を乗じて、象限を判定することによりA相信号及びB相信号がリサージュ面の何れの象限に存在する場合においても信号の補正処理が可能となる。
【0025】
次に、本発明の第4の実施の形態について図に基づいて説明する。
図4は本発明の第4の実施の形態に係るエンコーダの信号処理回路の回路図である。
第4の実施の形態は、第3の実施の形態が、1又は−1の符号の判定を各象限を求めることで行ったが、絶対値回路により補正係数の絶対値を求めることによって行っている。
【0026】
第4の実施の形態は、第1の実施の形態の割算器40と乗算器22の間に絶対値回路100を、割算器41と乗算器23の間に絶対値回路101を挿入している。これにより第3の実施例における(6)式及び(7)式を実現している。
従って、A相信号とB相信号が成すリサージュ面の象限を求める必要がなくなり、回路構成を簡単化して振幅変動が補正できる回路を提供できる。
【0027】
次に、本発明の第5の実施の形態について図に基づいて説明する。
図5は本発明の第5の実施の形態に係るエンコーダ信号処理方法を実証する信号処理回路の構成を示す図である。
図5において、A相信号及びB相信号は、A/Dコンバータ80及び81によりCPU90に取り込まれる。CPU90の内部においては、第1〜4の実施の形態に示したような図1〜図4の処理回路によるアルゴリズムの処理がソフトウェアにより可能とされる。
【0028】
次に、本発明の第6の実施の形態について図に基づいて説明する。
図6は本発明の第6の実施の形態に係るエンコーダ信号処理方法のフローチャートである。
図6は回路構成は図5の構成を利用して、処理回路の動作をソフトウェアにより行う例であって、A相信号及びB相信号の補正値を、それぞれ求める処理を示したものである。
【0029】
つぎに図6を参照して動作について説明する。
図6のフローチャートは、回路の動作をCPUの内部で実行させるようになっている。
先ず、サンプリング時間Ts毎に実行され、現在のA/D変換値を(X1,Y1)に入力する(S10)。そして、X1’、Y1’の補正計算を実行する(S30)。但し、この場合は、2点が同一象限(例えば、第1象限)にある場合として、補正計算式は象限記号σx、σyが不要なので、(1)、(2)式を適用して計算している。
そして現在の測定点を1サンプリング前の測定点に代入する(S40)。これによりデジタル化された補正値X1’及びY1’がCPUの内部で計算され、デジタル値として記憶される。
【0030】
次に、本発明の第7の実施の形態について図7に基づいて説明する。
図7は本発明の第7の実施の形態に係るエンコーダの信号処理方法のフローチャートである。
本実施の形態の回路構成は、第6の実施の形態と同様に図5の構成を利用するものである。
また、図7に示す本実施の形態は、図6に示すフローチャートが現在の測定点と1サンプリング前の測定点2点が共に第1象限にある場合だったのに対して、2点がどの象限にあっても補正可能な方法に関するものである。
【0031】
つぎに動作について説明する。
従って、図7のフローチャートは、図6のフローチャートに、次の(S50〜S80)ステップが追加されたものとなっている。
先ず、周期Ts時間毎に、A相・B相信号の現在値X1、Y1をA/D変換して入力する(S10)。
次に、現在の象限(σx1,σy1)と1サンプリング前の象限(σx0,σy0)を比較する(S50)。S50の処理において2つの測定点の象限が同じ場合は、(1)式と(2)式の補正計算を適用する(S30)。
【0032】
S50の判断で2つの象限が異なる場合は、1サンプリング前の補正係数を利用して二相の信号振幅の補正計算を、
X1’=|Hx|*X1 …(3)
Y1’=|Hy|*Y1 …(4)
但し、Hx、Hyは1サンプリング前の補正係数、
により行う(S60)。なお、この場合のHx、Hyは絶対値を用いて計算する。
次に、現在の測定点X1、Y1を1サンプリング前の測定点に代入する(S40)。現在の測定点の象限(σx1,σy1)を1サンプリング前の測定点の象限(σx0,σy0)に代入する(S70)。現在の補正係数値を1サンプリング前の補正係数に代入する(S80)。
【0033】
これらのステップの追加により本実施の形態では、2つの測定点が異なる象限間を移動する場合においても補正計算が可能となり、リサージュ面上のすべての点での振幅変動を補正することが可能となる。
第1の実施の形態〜第4の実施の形態においては、A相信号及びB相信号からなるリサージュ面上の現在の測定点と1サンプリング前の測定点が同じ象限に存在するとして、その補正方法を示している。しかし2点が夫々異なる象限に存在する場合、第1〜4の実施の形態では補正を正しく行うことはできなった。本実施例は、この2点の象限が異なる場合においても、適正な補正が可能な方法を提供している。
また、図3に示した回路では、補正方法ついて詳述はしていないが、例えば、図3の構成と図7の方法を組合わせること等も可能である。
このように、本実施の形態によれば、現在のサンプリング点及び1サンプリング前のサンプリング点が異なる象限に存在する場合においても振幅変動を補正する方法を提供できる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、各相の信号振幅の変化を計算により求め、現在の測定点を補正することによって2つの相の信号振幅が異なった比率で変化する場合においても、2相の振幅補正を同時に行う補正計算をすることができ、振幅変動が生じた場合においても精度が良い位置測定ができるという効果がある。
また、請求項2の発明によれば、B相信号の補正値を1からA相信号の補正値を減算することにより行うようにして、請求項1に示された回路構成より乗算器及び割算器を削減した補正回路を構成することができるという効果がある。
また、請求項3の発明によれば、現在の信号のリサージュ面における象限を求めることが可能となり、また各象限における係数の違いを補正することができる回路構成としているので、現在の測定点及び1サンプリング前の測定点が同じ象限にあれば4つの象限のいずれの象限にある場合においても振幅変動の補正処理ができるという効果がある。
また、請求項4の発明によれば、補正係数値の絶対値を求めることができるため、この補正係数の絶対値と現在のサンプリング点を掛けることにより現在の測定点及び1サンプリング前の測定点が同じ象限にあれば4つの象限のいずれの象限にある場合においても振幅変動の補正処理ができるという効果がある。
また、請求項5の発明によれば、ソフトウェアによる演算によって、補正処理がCPU内部の動作によって可能になる効果がある。
また、請求項6の発明によれば、現在の測定点と1サンプリング前の測定点が異なる象限に存在する場合、1サンプリング前の補正係数を用いて現在の測定点を補正する構成としているためエンコーダが回転して測定点のリサージュ面の象限が切り替わる場合においても正しい信号補正処理を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るエンコーダ信号処理回路の回路図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るエンコーダ信号処理回路の回路図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係るエンコーダ信号処理回路の回路図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係るエンコーダ信号処理回路の回路図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態に係るエンコーダ信号処理方法を実証する信号処理回路の構成図である。
【図6】本発明の第6の実施の形態に係るエンコーダ信号処理方法のフローチャートである。
【図7】本発明の第7の実施の形態に係るエンコーダ信号処理方法のフローチャートである。
【図8】従来のエンコーダ処理回路の問題点を説明するための図。
【図9】従来のエンコーダ処理回路の動作を説明するための図。
【図10】従来のエンコーダ信号処理回路の回路図である。
【符号の説明】
10、11 時間遅れ要素
20、21、22、23、24,25 乗算器
30、31、32、33 差動増幅器
40、41、42 割算器
50、51 コンパレータ
60、61 リミッタ
70 A相信号の象限符号
71 B相信号の象限符号
80、81 A/Dコンバータ
90 CPU
Claims (6)
- 信号波形が三角波波形であるA相信号と90度位相差を有するB相信号の振幅補償を行うエンコーダ信号処理回路において、
A相信号をX軸方向、B相信号をY軸方向とするリサージュ面の第1象限において、X軸方向の現在のサンプリング点の座標と時間遅れ要素を介した1つ前のサンプリング点の座標の差を出力する第1差動増幅器と、Y軸方向の現在のサンプリング点の座標と時間遅れ要素を介した1つ前のサンプリング点の座標の差を出力する第2差動増幅器と、
前記X軸方向の現在のサンプリング点の座標と前記Y軸方向の1つ前のサンプリング点の座標を乗算する第1乗算器と、前記Y軸方向の現在のサンブリング点の座標と前記X軸方向の1つ前のサンプリング点の座標を乗算する第2乗算器と、
前記第1および第2の乗算器の出力の差を求める第3差動増幅器と、
前記第2差動増幅器の出力を前記第3差動増幅器の出力で割算して現在のサンプリング点と1つ前のサンプリング点2点間の直線のX軸切片値を求めX軸補正係数=1/(X軸切片値)を算出する第1割算器と、前記第1差動増幅器の出力を前記第3差動増幅器の出力で割算して前記2点間の直線のY軸切片値を求めY軸補正係数=1/(Y軸切片値)を算出する第2割算器と、
前記第1割算器からのX軸補正係数と現在のA相信号を入力して乗算しX軸切片値を1に調整して補正を行ったA相信号を出力する第3の乗算器と、
前記第2割算器からのY軸補正係数と現在のB相信号とを入力して乗算しY軸切片値を1に調整して補正を行ったB相信号を出力する第4の乗算器と、を備えたことを特徴とするエンコーダ信号処理回路。 - 信号波形が三角波波形であるA相信号と90度位相差を有するB相信号の振幅補償を行うエンコーダ信号処理回路において、
A相信号をX軸方向、B相信号をY軸方向とするリサージュ面の第一象限において、Y軸方向の現在のサンプリング点の座標と時間遅れ要素を介した1つ前のサンプリング点の座標の差を出力する第1差動増幅器と、
前記X軸方向の現在のサンプリング点の座標と前記Y軸方向の1つ前のサンプリング点の座標を乗算する第1乗算器と、前記Y軸方向の現在のサンプリング点の座標と前記X軸方向の1つ前のサンプリング点の座標を乗算する第2乗算器と、
前記第1および第2乗算器の出力の差を求める第2差動増幅器と、前記第2差動増幅器の出力を前記第1差動差動増幅器の出力で割算して現在のサンプリング点と1つ前のサンプリング点2点間の直線のX軸切片値を算出する第1割算器と、前記X軸切片値によりA相信号を割算して補正されたA相信号を出力する第2割算器と、
1から補正後のA相信号を引くことによって補正されたB相信号を求める第3差動増幅器と、を備えたことを特徴とするエンコーダ信号処理回路。 - リサージュ面における象限を判定する各相信号に設けられたコンパレータとコンパレータ信号を−1と1にクリップするリミッタ及びリミッタの出力信号を各相の補正信号に掛けるための乗算器を備えたことを特徴とする請求項1記載のエンコーダ信号処理回路。
- 請求項1記載のエンコーダ信号処理において、第1の割算器と第3の乗算器の間と第2の割算器と第4の乗算器の間に絶対値回路を設けたことを特徴とするエンコーダ信号処理回路。
- A相・B相信号をデジタル値に変換するA/Dコンバータと変換されたデジタル値を取り込むCPUから構成されてCPUのソフトウェアによりA相・B相信号の振幅補償を行うエンコーダ信号処理方法において、
一定周期で、A相信号およびB相信号の現在値をA/D変換入力するステップと、A相信号の補正値X1’=補正係数*X1、B相信号補正値Y1’=補正係数*Y1として次式、
X1’=(Y1−Y0)*X1/(X0*Y1−X1*Y0)…(1)
Y1’=(X0−X1)*Y1/(X0*Y1−X1*Y0)…(2)
但し、X1、Y1は現在の測定点の座標
X0、Y0は1サンプリング前の測定点の座標
(1)式、(2)式により計算するステップと、現在の測定点X1、Y1を1サンプリング前の測定点X0、Y0に代入するステップを有することを特徴とするエンコーダ信号処理方法。 - 請求項5記載のエンコーダ信号処理方法において、
現在の測定点が1サンプリング前の測定点と異なる象限に存在するか否かを判断するステップと、現在の測定点の象限及び1サンプリング前の測定点の象限が異なる場合に、A相信号の補正値X1’、B相信号の補正値Y1’を
X1’=|Hx|*X1 …(3)
Y1’=|Hy|*Y1 …(4)
但し、Hx、Hyは1サンプリング前の測定点の補正係数
(3)式、(4)式により計算するステップと、現在の測定点の象限σx1、σy1を1サンプリング前の測定点の象限のσx0、σy0に代入するステップと、現在の補正係数を1サンプリング前の補正係数Hx、Hyに代入するステップを有して、現在の測定点の補正を1サンプリング前の測定点の補正係数により代用することを特徴とするエンコーダ信号処理方法。
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