JP2004061157A - レゾルバの信号処理装置及び信号処理方法 - Google Patents
レゾルバの信号処理装置及び信号処理方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004061157A JP2004061157A JP2002216434A JP2002216434A JP2004061157A JP 2004061157 A JP2004061157 A JP 2004061157A JP 2002216434 A JP2002216434 A JP 2002216434A JP 2002216434 A JP2002216434 A JP 2002216434A JP 2004061157 A JP2004061157 A JP 2004061157A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- phase
- signal
- value
- resolver
- signal processing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
Abstract
【課題】製造コストを低減できるレゾルバの信号処理装置を提供する。
【解決手段】測定対象となった回転体の回転角を2相の正弦波形信号に基づいて出力するレゾルバ1の信号処理装置であって、制御部11が、レゾルバ1から出力される2相信号について、前記回転体が実質的に停止している間に規定される2相信号の振幅ピーク発生時刻を挟んだ所定のタイミングで各相の信号を取得し、各相の信号間のサンプリング・タイミングのずれによる誤差補正を行いつつ、サンプリングされたそれぞれの信号に基づいて角度を演算して出力する信号処理装置である。
【選択図】 図1
【解決手段】測定対象となった回転体の回転角を2相の正弦波形信号に基づいて出力するレゾルバ1の信号処理装置であって、制御部11が、レゾルバ1から出力される2相信号について、前記回転体が実質的に停止している間に規定される2相信号の振幅ピーク発生時刻を挟んだ所定のタイミングで各相の信号を取得し、各相の信号間のサンプリング・タイミングのずれによる誤差補正を行いつつ、サンプリングされたそれぞれの信号に基づいて角度を演算して出力する信号処理装置である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータの回転角等を検出するレゾルバの信号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
モータの回転角等を検出する装置として、従来図10に示すように、レゾルバ1と、信号処理部2と含むものがある。レゾルバ1は、回転角の検出の対象となるモータに取り付けられており、励磁信号の入力を受けて、この励磁信号により励磁されるコイルを用いてモータの回転角の正弦値、余弦値で振幅変調された2相信号(2相の正弦波変調信号)を出力する。これら各相の信号はそれぞれVsin、Vcosと呼ばれる。信号処理部2は、各相に対応したA/D変換器を有し、各相の信号をそれぞれ対応するA/D変換器でディジタル値に変換する。そして、Vsinに対応する相の信号を、Vcosに対応する相の信号で除して、当該除した商に対して4象限逆正接演算して角度の値を得ている。
【0003】
また、この信号処理部2は、レゾルバ1から入力される信号にノイズが乗じた場合などに発生する、一時的な異常値出力があった場合、当該異常と判断される値を出力せずに、次回のサンプリングタイミングで再度サンプリングを行って角度値の演算を行っている。
【0004】
なお、レゾルバから出力される信号に乗じたノイズの影響を低減するため、レゾルバから入力される正弦波形のピーク位置近傍で少なくとも2度のサンプリングを行う技術が特開2001−82981号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のレゾルバの信号処理装置では、A/D変換回路が各相に対応する2系統必要で、製造コストがかかってしまう。また上述のように、異常値が発生した場合、次のサンプリングタイミングで再度、角度値の演算を行うので、処理時間が長くなる。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、その目的の一つは、製造コストを低減できるレゾルバの信号処理装置を提供することである。また、これとは異なる本発明の目的の一つは、異常値が発生したときの処理時間を短縮することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のある態様によると、測定対象となった回転体の回転角を2相の正弦波変調信号に基づいて出力するレゾルバの信号処理装置であって、前記レゾルバから出力される2相信号について、前記回転体が実質的に停止している間に規定される2相信号の振幅ピーク発生時刻を挟んだ所定のタイミングで、前記2相信号の各相の信号をそれぞれサンプリングするサンプリング手段と、前記各相の信号間のサンプリング・タイミングのずれによる誤差補正を行いつつ、サンプリングされた前記それぞれの信号に基づいて角度を演算する演算手段と、を備えることとした。ここで前記サンプリング手段は、ピークを挟んで等間隔に離れた2つの時刻を所定のタイミングとして、各相の信号をそれぞれ取り込むこととしても好ましい。また、演算した角度の値に基づき、角加速度値を演算する手段と、前記演算された角加速度値が、予め定められた角加速度値範囲外となると、演算した角度の値を所定の演算により補正する加速度補正手段と、をさらに備えても好ましい。
【0008】
また、本発明の別の態様によると、2相の正弦波変調信号に基づいて角度を演算して出力するレゾルバの信号処理装置であって、演算した角度の値に基づき、角加速度値を演算する手段と、前記演算された角加速度値が、予め定められた角加速度値範囲外となると、演算した角度の値を所定の演算により補正する加速度補正手段と、を備えることとした。
【0009】
さらに、本発明の別の態様では、測定対象となった回転体の回転角を2相の正弦波変調信号に基づいて出力するレゾルバの信号処理方法であって、前記レゾルバから出力される2相信号について、前記回転体が実質的に停止している間に規定される2相信号の振幅ピーク発生時刻を挟んだ所定のタイミングで、前記2相信号の各相の信号をそれぞれサンプリングする工程と、前記各相の信号間のサンプリング・タイミングのずれによる誤差補正を行いつつ、サンプリングされた前記それぞれの信号に基づいて角度を演算する工程と、を備えることとした。
【0010】
本発明のさらに別の態様では、2相の正弦波変調信号に基づいて角度出力するレゾルバの信号処理方法であって、演算した角度の値に基づき、角加速度値を演算する工程と、前記演算された角加速度値が、予め定められた角加速度値範囲外となると、演算した角度の値を所定の演算により補正する工程と、を備えることとした。
【0011】
本発明のさらに別の態様では、測定対象となった回転体の回転角を2相の正弦波変調信号に基づいて出力するレゾルバの信号処理プログラムであって、コンピュータに、前記レゾルバから出力される2相信号について、前記回転体が実質的に停止している間に規定される2相信号の振幅ピーク発生時刻を挟んだ所定のタイミングで、前記2相信号の各相の信号をそれぞれサンプリングする手順と、前記各相の信号間のサンプリング・タイミングのずれによる誤差補正を行いつつ、サンプリングされた前記それぞれの信号に基づいて角度を演算する手順と、を実行させることとした。
【0012】
本発明のさらに別の態様によれば、2相の正弦波変調信号に基づいて角度出力するレゾルバの信号処理プログラムであって、コンピュータに、演算した角度の値に基づき、角加速度値を演算する手順と、前記演算された角加速度値が、予め定められた角加速度値範囲外となると、演算した角度の値を所定の演算により補正する手順と、を実行させることとした。
【0013】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係るレゾルバの信号処理装置は、図1に示すように、2相信号を出力するレゾルバ1に接続され、制御部11と、ROM12と、フィルタ13と、第1及び第2のバッファ14a,14bと、A/D変換器15とを含んで構成されている。
【0014】
レゾルバ1は、測定対象となった回転体に取り付けられ、回転体の回転角に応じて変化する2相信号を出力している。制御部11は、電流制御周期に同期した矩形波電圧信号を出力している。また、この制御部11は、ROM12に格納されたプログラムに従って動作しており、バッファ14を介してレゾルバ1から入力される2相信号に基づいて角度値を演算して出力する。この制御部11の具体的な処理の内容については後に詳しく述べる。
【0015】
ROM12は、制御部11によって実行されるプログラムを格納したコンピュータ可読な記録媒体である。フィルタ13は、制御部11から矩形波電圧信号の入力を受けてこれをフィルタリングし、正弦波形の励磁信号を生成してレゾルバ1に出力する。バッファ14は、レゾルバ1が出力する2相信号の各相に対応して設けられており、第1のバッファ14aは、レゾルバ1からVsinの信号の入力を受けて、これを制御部11に伝達する。また第2のバッファ14bは、レゾルバ1から入力されるVcosの信号を制御部11に伝達する。A/D変換器15は、例えば制御部11に内蔵されており、Vsin及びVcosの信号のピーク位置との関係で定められる、互いに異なる所定のタイミングで、Vsinと、Vcosとの信号をそれぞれA/D変換して、それぞれに対応するディジタル値を生成し、その結果を出力する。
【0016】
ここで制御部11の処理について説明する。制御部11は、測定対象となっている回転体が実質的に停止しているときに規定される2相信号の振幅ピーク(以下、単にピークと呼ぶ)の発生時刻を挟んだ所定のタイミング(振幅ピーク発生時刻の前後)で、A/D変換の結果として得られた、Vsin,Vcosのそれぞれをサンプリングする。そして、これらVsin,Vcosのそれぞれに対応するディジタル値を用いてVsin/Vcosを演算し、さらにその4象限逆正接値θ0を演算する。そしてこの4象限逆正接値θ0に対してサンプリングタイミングがVsinとVcosとで異なることによる補正(サンプリング補正)を行って、補正後の値θを演算した角度値として出力し、処理を終了する。なお、VsinとVcosとをA/D変換のためにサンプリングするタイミングは、Vsin(又はVcos)のピークの発生時刻を挟んで等間隔に離れた2つの時点であることが好ましい。例えばA/D変換の処理を連続して行うための最短の時間がΔtであるとすると、ピークの発生時刻のΔt/2だけ前の時点と、ピークの発生時刻のΔt/2だけ後の時点とでそれぞれVsin又はVcosのいずれかをサンプリングする。
【0017】
ここで、回転体が実質的に停止しているとは、例えば電源投入時など、回転体が停止しているときや、極低速回転中などをいう。
【0018】
[サンプリング補正]
次に、サンプリング補正の詳しい内容について数式を用いて説明する。レゾルバの電圧変換式は、励磁信号Vref、励磁信号の電圧振幅E0、励磁信号と2相信号との変圧比K、レゾルバの回転角度をθ、レゾルバの回転の電気角速度をα、励磁信号の電気角速度をω、励磁信号と2相信号との位相ずれ量をφとして、次のように記述できる。
【数1】
いま、レゾルバの回転角の初期値をθ0とし、K・E0=1ととると、レゾルバの2相信号は、次のように記述できる。
【数2】
2相信号の励磁信号周波数成分の振幅ピーク発生時刻tは、
【数3】
と表せるので、θ=αt+θ0とすると、(1),(2)式は、それぞれ
【数4】
となるので、これらからtanθ=sinθ/cosθを作ることができ、tanθの4象限逆正接としてθを求めることができる。
【0019】
さてここで(1),(2)式の2相信号をそれぞれ次の(4)式のタイミングでサンプリングする。
【数5】
t1、t2は、2相信号の励磁信号周波数成分の振幅ピークの発生時刻t0の近傍の時刻なので、t0近傍での2相信号の角度変化について考察すると次のようになる。
【0020】
まず、(3)式の時刻近傍での2相信号の合成ベクトル(リサージュ図)の角速度を求める。最初に、(1)式の時間微分から、t=t0のときのVsinの微係数を求めると、次のようになる。
【数6】
ここで、θe0=αt0+θ0である。
【0021】
同様に、(2)式に対する時間微分から、(4)式で示された時刻におけるVcosの微係数を求めると、次のようになる。
【数7】
これら(5)、(6)式に対応する合成ベクトルは、(1)、(2)式に(4)式を代入して、次の(7)、(8)式のようになる。
【数8】
この(7)、(8)式の合成ベクトルは、互いに直交し、その大きさは2αとなる。
【0022】
つまり、(4)式で示された時刻近傍でのレゾルバの2相信号の合成ベクトルは、実際の回転の2倍の速度で変化している。つまり、(4)式で示した時刻からΔt/2だけ遅れた時刻で得られる2相信号Vsin,Vcosの値を元に4象限逆正接変換して得られた角度は、α・Δt/2だけ実際の角度より進みすぎた値となっていることが分かる。従って、
【数9】
の時点で得られた2相信号Vsin、Vcosを元にして4象限逆正接変換して得られた角度については、−α・Δt/2の値を加えたものが実際の角度を表す。
【0023】
図2(a)に角速度αで回転しているときのレゾルバ2相信号のリサージュ図を示す。図2(a)において点Aから点Bへのベクトルが速度ベクトルであり、2αの大きさとなる。次に、図2(b)に示す単位円(半径1の円)を用いて、この円の中心Oと、x軸とのなす角を求める角として考える。
【数10】
のt1の時刻の2相信号のベクトルはOA、(9)式のt2の時刻の2相信号のベクトルはOBとなる。t2の時刻の角度は角XOBで表され、この角度をθeとする。また、t1からt2の時刻の間に2相信号が進む角度をΔθeとする。すると、Δθeは、図2(b)の弧ABの大きさに等しく、Δtの間に進む2相信号の角度は、(4)式で示した時刻近傍では、実際の速度の2倍で変化するので、2α・Δtに等しくなる。
【0024】
t1の時刻でサンプリングされるVsinと、t2の時刻でサンプリングされるVcosとは、それぞれ、
【数11】
従って、これらから得られる4象限逆正接演算の結果と、t2の時刻の2相信号の角度θeとの誤差θerrは、
【数12】
となる。よって補正項として、(11)式の結果を加算すれば、
【数13】
となる。さらにθeは、(4)式で示した時刻からΔt/2だけ遅れた時刻t2((9)式)の時点でのサンプリング値であるので、既に説明したように、−α・Δt/2の値を加えて実際の角度θrealを得る:
【数14】
【0025】
すなわち、制御部11は、各タイミングで得られたVsin及びVcosを用いて、(13)式の演算を行って、角度値θをθ=θrealとして演算する。
【0026】
なお、電気角速度αが微小で、補正による項((13)式の、第2項、第3項目)が無視できる程度にそれぞれ所定の値より小さくなる場合(低速回転時)には、このサンプリング補正を行わずに、Vsin/Vcosに対する4象限逆正接の演算結果を以て角度値θとしても構わない。
【0027】
[加速度制限]
さらに、本実施の形態においては、レゾルバ1から入力される信号にノイズが乗じた場合などに発生する、一時的な異常値出力があった場合に配慮して、演算された角度値から角加速度値を演算し、この角加速度値が予め定めた値の範囲にない場合に所定の処理(加速度制限処理)を行う。すなわち、レゾルバ1が取り付けられているモータについて、物理学的に不可能な加速度が生じているかのように演算される場合、当該値は異常値であると判断し、例えば出力する角度値を特定の値に設定する。
【0028】
この加速度制限処理は制御部11の処理として実現され、その一例としては図3に示すように、まず角度値θ0を演算し、少なくとも前回及び前々回に演算した角度値を記憶しておき、今回と前回との間の差分により、今回の角速度値dθ0を求め、さらに今回の角速度値と前回の角速度値との差分により角加速度値Acc0を求める(S11)。そして、この角加速度値の絶対値が予め定めた値AccLIM1より小さいか否かを判断し(S13;これにより、±AccLIM1の範囲に角加速度値が入っているか否かが判断される)、小さいならば(Yesならば)、処理S11で求めた角度値θ0と、角速度値dθ0と、角加速度値Acc0とを、それぞれ出力する角度値θ1、角速度値dθ1と、角加速度値Acc1とする(S14)。次にこれらの値について、VsinとVcosとのサンプリング・タイミングがずれていることによる補正(第1補正)を補正前の角速度dθ1を使って行い、補正後の角度値θ2、角速度値dθ2を求め(S15)、さらに補正後の角速度dθ2を使ってサンプリング・タイミングがずれていることによる補正(第2補正)を行って補正後の角度値θ3、角速度値dθ3、角加速度値Acc3を求める(S16)。これら、第1補正及び第2補正の内容は、既に説明したサンプリング補正に相当するものである。すなわち、これらの補正のうち第1補正は、次の(14),(15)式によって行われ、第2補正は、次の(16)から(18)式によって行われる。なお、VsinとVcosとのサンプリング・タイミングのずれをΔt、これらを1度サンプリングしてから、次にこれらをサンプリングするまでの時間をΔTとしている。
【0029】
【数15】
【数16】
【0030】
次に、角加速度値Acc3の絶対値が予め補正後の角速度値の限界として規定されているAccLIMより小さいか否かを判断し(S17;これにより、±AccLIMの範囲に角加速度値が入っているか否かが判断される)、小さいならば(Yesならば)、処理S16で求めた角度値θ3、角速度値dθ3、角加速度値Acc3をそれぞれ出力する角度値θ、角速度値dθ、角加速度値Accとして定め(S18)、さらに角度値θを、処理S18で定めた値からdθ×Δt/ΔT×1/2を差し引いた値として補正し(S19)、処理を終了する。なお、ここでΔtは、Vsinのサンプリング・タイミングとVcosのサンプリング・タイミングとの時間差であり、ΔTは、サンプリング間隔(Vsinをサンプリングしてから次にVsinをサンプリングするまでの時間)である。
【0031】
また、処理S13において、角加速度値Acc0の絶対値が、AccLIM1以上ならば(Noならば)、角加速度値はAccLIM1であったとして、角度値θ1、角速度値dθ1と、角加速度値Acc1とを過去の角度値等を用いて次のように定め(S20)、処理S15に移行する。
【数17】
dθ1=dθ1old+AccLIM1
θ1=θ1old+dθ1
Acc1=AccLIM1
ここで、dθ1oldは、前回のdθ1の値である。
【0032】
同様に処理S17において、角加速度値Acc3の絶対値がAccLIM以上ならば(Noならば)、角加速度値はAccLIMであったとして、出力する角度値θ、角速度値dθ、角加速度値Accを過去の角度値等を用いて次のように定め(S21)、処理をS19に移行する。
【数18】
dθ=dθold+AccLIM
θ=θold+dθ
Acc=AccLIM
ここでdθoldは、前回のdθの値である。
【0033】
なお、既に述べたようにθ1oldは、前回のθ1の値、dθ1oldは、前回のdθ1の値、θoldは、前回のθの値、dθoldは、前回のdθの値であるが、これらは、それぞれ記憶しておく。
【0034】
[サンプリング・タイミングの調整]
本実施の形態では、サンプリング・タイミングは、レゾルバ1に入力する励磁信号の位相を利用して決定できるが、励磁信号の位相と2相信号の位相との間には、レゾルバごとに固有の位相ずれがある。従って、このようなレゾルバごとの位相ずれの個体差を予め調べておき、レゾルバごとの固有の個体差も利用してサンプリング・タイミングを規定することが好ましい。
【0035】
本実施の形態の信号処理回路の電源が投入されたとき、そのときにはレゾルバ1が取り付けられているモータは停止した状態にあると考えられる。そこで制御部11は、電源投入時に、次の図4に示す処理を開始し、まずVsinの値をA/D変換して取得する(S31)。次に予め定められた間隔(励磁信号の周期)ΔTでVcos値をA/D変換して取得する(S32)。次に処理S31,S32でそれぞれ得られたVsinの絶対値と、Vcosの絶対値とを比較し、その大きい方の値を選択する(S33)。そして選択した方の信号を所定回数だけ等時間間隔でサンプリングし(S34)、最小二乗法によって位相ずれを求めて(S35)、処理を終了する。
【0036】
この処理S35における最小二乗法による位相ずれを求める処理は、原信号をE・cos(ωt+φ)=yiとすると(ここでφが位相ずれに相当する)、Vsinφ=−Σ(sin・yi)/Σsin^2、Vcosφ=Σ(cos・yi)/Σcos^2、とし、φ=tan^−1(Vsinφ/Vcosφ)として位相ずれを求める。この場合の逆正接演算は−π/2からπ/2までの値をとる通常の逆正接演算を行う。具体的な例として、1周期を8分割する場合(例えば100μ秒(μs)を8分割する場合)、
V0:0μs
V1:1×100/8μs
V2:2×100/8μs
V3:3×100/8μs
V4:4×100/8μs
V5:5×100/8μs
V6:6×100/8μs
V7:7×100/8μs
V8:8×100/8μs
のタイミングでA/Dサンプリングし、
【数19】
として位相ずれ量φを演算する。この位相ずれ量φに基づき、A/D起動時刻を正規の位置にずらす。また、A/D起動時刻を正規の位置にずらす代わりに、励磁信号の位相をずらしてもよい。
【0037】
また、本実施の形態における別のサンプリング・タイミングの調整法としては、制御部11が、電源投入時に、連続して2度(間隔Δtだけ時間をあけて)Vsinのサンプリングを行い、次にVsinを最初にサンプリングしたタイミングから予め定められた間隔(励磁信号の周期)ΔTだけ待って再度連続して2度(間隔Δtだけ時間をあけて)Vcosのサンプリングを行う。ここで、Vsinのうち、先にサンプリングされたものをVsinN、後にサンプリングされたものをVsinPとし、同様にVcosについて先にサンプリングされたものをVcosN、後にサンプリングされたものをVcosPとする。
【0038】
制御部11は、
【数20】
を演算する。このとき、それぞれ連続して行った2度のサンプリングのタイミングがピークを挟んでそれぞれピークから等しい時間だけずれていれば、図5(a)に示すように、VsinNとVsinPとが等しくなり、VcosNとVcosPとも等しくなる(図5(a)で「X」で示したタイミング)から、(20)式で演算されるDは、「0」となるはずである。そこで、制御部11は、このDの絶対値が予め定めたしきい値Dshよりも小さくなるまで、励磁信号の位相をずらすよう制御する。この方法を用いると、励磁電圧が正弦波から歪んでいる場合にも精度を向上できる。
【0039】
具体的には、図6に示すように、VsinN及びVsinPの値を取り込むようA/D変換器15を設定して(S41)、VsinN及びVsinPの値を取り込み(S42)、次に、VcosN及びVcosPの値を取り込むようA/D変換器15を設定して(S43)、VcosN及びVcosPの値を取り込む(S44)。そして、(20)式によってDを演算し(S45)、このDの絶対値がDshより小さいか否かを判断する(S46)。
【0040】
そしてDの絶対値がDshより大きい場合(Noの場合)、D>0であるか否かを判断し(S47)、D>0であれば(Yesならば)、励磁電圧の位相を予め定めたステップ値だけ進ませる処理を行う(S48〜S50)。また、処理S47において、D>0でなければ(Noならば)、励磁電圧の位相を予め定めたステップ値だけ遅らせる処理を行う(S51〜S53)。なお、図6に示した例では、測定には誤差があることにも配慮して、例えばN回(図6では10回としている)繰り返してVsinN,VsinP,VcosN,VcosPの取得と、Dの演算と、DとDshとの比較とを行うこととし、一定回数以上連続してDの絶対値がDshより大きい場合に、励磁電圧の位相調整を行ってもよい(S48〜S50,並びにS51〜S53)。これは例えばDの絶対値がDshより大であり、かつD>0のときに当初0にリセットしておいた変数CNT_Pをインクリメントし、繰り返し回数をカウントするCNT_0とD≦0が連続していた場合の回数を表すCNT_Nとを0にリセットする(処理S48)。そしてCNT_Pが予め定めた回数より大となったときに(処理S49)、励磁電圧の位相を予め定めたステップ値だけ進ませる(処理S50)。また、Dの絶対値がDshより大であり、かつD>0でないとき(D≦0のとき)も、当初0にリセットしておいた変数CNT_Nをインクリメントし、CNT_0とD>0が連続していた場合の回数を表すCNT_Pとを0にリセットする(処理S51)。そしてCNT_Nが予め定めた回数より大となったときに(処理S52)、励磁電圧の位相を予め定めたステップ値だけ遅らせる(処理S53)こととしてもよい。なお、このように一定回数以上Dの絶対値がDshより大きい場合に、励磁電圧の位相調整を行うときには、処理S46において、Dの絶対値がDshより小さい場合(Yesの場合)、カウンタCNT_0をインクリメントし、CNT_PとCNT_Nとを0にリセットして(S54)、CNT_0が予め定めた回数(ここでは50回)よりも大きいか否かを判断し(S55)、大きい場合は(Yesならば)、処理を終了する。また、処理S55において、CNT_0が予め定めた回数以下であれば(Noならば)、処理S41に戻って処理を続ける。
【0041】
これらの方法により起動時にサンプリング・タイミングを調整した後は、制御部11は、レゾルバ1の信号を処理し、角度値を演算して出力する動作に戻って処理を続ける。
【0042】
[動作中のサンプリング・タイミングの調整]
なお、サンプリング・タイミングの調整は、好ましくは動作中にも行うべき(例えば周囲温度の影響によりレゾルバ本体の位相ずれ量やフィルタ13の位相遅れ量が変化することがある)であるが、モータが回転しているときには、調整が困難であることに鑑み、モータが停止しているか否かを制御部11にて検出し、モータが停止しているときには、サンプリング・タイミング調整モードに移行して、上述のサンプリング・タイミングの調整処理を行い、調整後、レゾルバ1の信号を処理し、角度値を演算して出力する動作に戻って処理を続ける。なお、この場合はDの演算等を繰り返して行わず、1度だけとすることも好ましい。すなわち、この場合の処理も図6に示した処理と同様の処理であるが、図7に示すように、停止中にのみ処理を実行し(処理S40にて停止中でなければ処理をそのまま終了する)、またCNT_0を用いずに、CNT_P及びCNT_Nのみについて処理する(図7の処理S48′、S51′、S54′)。また、図6の処理S55に対応する処理(50回繰り返して処理するまで終了しないようにする処理)は、行わない。
【0043】
尤も、レゾルバ1の信号を処理し、角度値を演算して出力する動作を停止せずにサンプリング・タイミングを調整してもよい。以下、この方法について説明する。この場合の制御部11は、モータが停止しているか否かを検出し、モータが停止しているときに、図5(b)に示すように、通常通り、ΔTごとに、Δtの間隔で連続してVsinとVcosとを取得する処理を続けながら(図5(b)の「O」で示した点でのサンプリング)、これと反対のピーク位置近傍で(13)式を用いたサンプリング・タイミング調整のためのVsin又はVcos測定を行う(図5(b)の「X」で示した点でのサンプリング)。これにより、角度値の演算の処理を中断することなく、サンプリング・タイミングの調整が実現される。
【0044】
[動作]
本実施の形態のレゾルバの信号処理装置の各部は、以上の動作を行い、従って全体として次のように動作する。まず、信号処理装置に電源が投入されたとき、サンプリング・タイミングの調整の処理が行われ、これによりレゾルバ1ごとの個体差に伴う励磁電圧と2相信号との間の位相ずれ量が検出される。制御部11は、この位相ずれ量を用いてサンプリング・タイミングを決定する。
【0045】
制御部11は、サンプリング・タイミングとして例えば、連続してA/D変換可能な最短の時間Δtをピークの前後に等分して、ピーク前Δt/2の時点でVsinの値をA/D変換して取得する。また、ピーク後Δt/2の時点でVcosの値をA/D変換して取得する。
【0046】
次に、Vsin/Vcosの値を求め、さらにこれの4象限逆正接、
【数21】
を演算して、仮の角度値θ0を得る。そしてこれに対して(13)式の演算(サンプリング補正)を行って、補正後の角度値θを求める。
【0047】
この後、制御部11は、好ましくは図3に示した加速度制限処理を実行し、この処理後に得られた角度値θを取得して、これを出力する。
【0048】
[変形例]
ここまでの説明では、Vsin,Vcosの2nπ(n=0,1,2…)の位相でのピーク前後でそれぞれサンプリングを行い、角度値を演算してサンプリング補正する例について説明したが、このピークだけでなく、(2n+1)π(n=0,1,2…)の位相でのピーク前後でもVsin,Vcosのそれぞれをサンプリングして角度値に「π」を加えてサンプリング補正を行い、角度値として出力するようにすれば、レゾルバ角度の演算周期を2倍にできる。
【0049】
また、2nπでサンプリングした2相信号をそれぞれVsin1,Vcos1とし、(2n+1)πでサンプリングした2相信号をそれぞれVsin2,Vcos2として、Vsin1とVsin2との平均と、Vcos1とVcos2との平均とを演算して、それぞれをVsin,Vcosとし、角度値の演算とサンプリング補正とを行った後、励磁電圧の周期Tと、上述のαとを用いて、サンプリング補正後の角度値にα・T/4を加えて、補正後の角度値を得て出力するようにしてもよい。この場合、サンプリング・タイミングの調整として(13)式を用いる演算を2nπでサンプリングしたVsin,Vcosと(2n+1)πでサンプリングしたVsin,Vcosとの双方で行うこととしてもよい。これにより、サンプリング・タイミングの調整精度を高めることができる。
【0050】
[第2の実施の形態]
ここまでの説明では、A/D変換が1系統のみであっても構わない場合について説明したが、サンプリング補正や、加速度制限、サンプリング・タイミングの調整といった処理は、A/D変換が2系統以上あってVsinとVcosとの処理を並列的に扱う場合にも、角度値の演算精度を向上できるものである。
【0051】
本発明の第2の実施の形態に係るレゾルバの信号処理装置は、図8に示すように、2相信号を出力するレゾルバ1に接続され、制御部11と、ROM12と、フィルタ13と、第1及び第2のバッファ14a,14bと、第1及び第2のA/D変換器15a,15bとを含んで構成されている。なお、第1の実施の形態と同様の構成をとる部分については、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。ただし本実施の形態においては、制御部11の動作(すなわちROM12内に格納されているプログラム)が第1の実施の形態に係るものとは少々異なるので、後に詳しく述べる。第1,第2のA/D変換器15a,15bは、それぞれ第1,第2のバッファ14a,14bに対応して設けられ、対応するバッファ14から入力される信号をディジタル値に変換して制御部11に出力する。
【0052】
制御部11は、入力されるVsin、Vcosのそれぞれに対応するディジタル値に基づき、Vsin/Vcosを演算し、さらにこれの4象限逆正接を演算して角度値として出力する。またここで制御部11は、サンプリング・タイミングがピーク位置からずれた場合に配慮して、サンプリング・タイミングとピーク位置とのずれ時間Δτを演算乃至測定しておき、角度値にα・Δτを加算する、サンプリング補正をおこなう。ここでαは、レゾルバの回転の電気角速度である。
【0053】
また、制御部11は、加速度制限処理をさらに行うのも好ましい。この場合は図9に示すような処理を実行し、A/D値を取り込んで(S61)、θ0を4象限逆正接の演算結果(又はサンプリング補正後の値)としておき、例えば前回の加速度制限処理後の角度値θを、θoldとして記憶して、速度dθ0=θ0−θoldを求め、また、前回の加速度制限処理後の角速度値dθoldも記憶しておいて、加速度Acc0=dθ0−dθoldを求める(S62)。
【0054】
そしてAcc0の絶対値が予め定めた加速度範囲の値AccLIMより小さいか否かを判断し(S63)、小さいならば(Yesならば)、角度値θ0、角速度値dθ0、加速度値Acc0を、そのまま出力対象となる角度値θ、角速度値dθ、加速度値Accとして(S64)、処理を終了する。また、処理S63において、Acc0の絶対値が予め定めた加速度範囲の値AccLIM以上の場合(Noの場合)は、
【数22】
dθ=dθold+AccLIM
θ=θold+dθ
Acc=AccLIM
として設定し(S65)、処理を終了する。そして制御部11は、これら設定した角度値θ、角速度値dθ、加速度値Accを出力する。
【0055】
さらに制御部11は、サンプリング・タイミングの調整処理を行ってもよい。例えば制御部11は、電源投入時に、図4に示したのと同様の処理を行ってサンプリング・タイミングの調整を行う。なお、本実施の形態では、VsinとVcosとを並列的に処理できるので、これらを同じタイミングで一斉に取得し(ΔTだけまたずに)処理を行う。モータ動作時には、モータが停止したことを検出して、この処理を行うようにする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るレゾルバの信号処理装置の構成ブロック図である。
【図2】サンプリング補正処理の原理を説明するための図である。
【図3】加速度制限処理の一例を表すフローチャート図である。
【図4】サンプリング・タイミングの調整処理の一例を表すフローチャート図である。
【図5】サンプリング・タイミングの調整処理の別の例での動作状況を説明するための図である。
【図6】サンプリング・タイミングの調整処理の一例を表すフローチャート図である。
【図7】動作中のサンプリング・タイミングの調整処理の一例を表すフローチャート図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るレゾルバの信号処理装置の構成ブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るレゾルバの信号処理装置における加速度制限処理の一例を表すフローチャート図である。
【図10】従来のレゾルバの信号処理装置の構成ブロック図である。
【符号の説明】
1 レゾルバ、11 制御部、12 ROM、13 フィルタ、14 バッファ、15 A/D変換器。
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータの回転角等を検出するレゾルバの信号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
モータの回転角等を検出する装置として、従来図10に示すように、レゾルバ1と、信号処理部2と含むものがある。レゾルバ1は、回転角の検出の対象となるモータに取り付けられており、励磁信号の入力を受けて、この励磁信号により励磁されるコイルを用いてモータの回転角の正弦値、余弦値で振幅変調された2相信号(2相の正弦波変調信号)を出力する。これら各相の信号はそれぞれVsin、Vcosと呼ばれる。信号処理部2は、各相に対応したA/D変換器を有し、各相の信号をそれぞれ対応するA/D変換器でディジタル値に変換する。そして、Vsinに対応する相の信号を、Vcosに対応する相の信号で除して、当該除した商に対して4象限逆正接演算して角度の値を得ている。
【0003】
また、この信号処理部2は、レゾルバ1から入力される信号にノイズが乗じた場合などに発生する、一時的な異常値出力があった場合、当該異常と判断される値を出力せずに、次回のサンプリングタイミングで再度サンプリングを行って角度値の演算を行っている。
【0004】
なお、レゾルバから出力される信号に乗じたノイズの影響を低減するため、レゾルバから入力される正弦波形のピーク位置近傍で少なくとも2度のサンプリングを行う技術が特開2001−82981号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のレゾルバの信号処理装置では、A/D変換回路が各相に対応する2系統必要で、製造コストがかかってしまう。また上述のように、異常値が発生した場合、次のサンプリングタイミングで再度、角度値の演算を行うので、処理時間が長くなる。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、その目的の一つは、製造コストを低減できるレゾルバの信号処理装置を提供することである。また、これとは異なる本発明の目的の一つは、異常値が発生したときの処理時間を短縮することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のある態様によると、測定対象となった回転体の回転角を2相の正弦波変調信号に基づいて出力するレゾルバの信号処理装置であって、前記レゾルバから出力される2相信号について、前記回転体が実質的に停止している間に規定される2相信号の振幅ピーク発生時刻を挟んだ所定のタイミングで、前記2相信号の各相の信号をそれぞれサンプリングするサンプリング手段と、前記各相の信号間のサンプリング・タイミングのずれによる誤差補正を行いつつ、サンプリングされた前記それぞれの信号に基づいて角度を演算する演算手段と、を備えることとした。ここで前記サンプリング手段は、ピークを挟んで等間隔に離れた2つの時刻を所定のタイミングとして、各相の信号をそれぞれ取り込むこととしても好ましい。また、演算した角度の値に基づき、角加速度値を演算する手段と、前記演算された角加速度値が、予め定められた角加速度値範囲外となると、演算した角度の値を所定の演算により補正する加速度補正手段と、をさらに備えても好ましい。
【0008】
また、本発明の別の態様によると、2相の正弦波変調信号に基づいて角度を演算して出力するレゾルバの信号処理装置であって、演算した角度の値に基づき、角加速度値を演算する手段と、前記演算された角加速度値が、予め定められた角加速度値範囲外となると、演算した角度の値を所定の演算により補正する加速度補正手段と、を備えることとした。
【0009】
さらに、本発明の別の態様では、測定対象となった回転体の回転角を2相の正弦波変調信号に基づいて出力するレゾルバの信号処理方法であって、前記レゾルバから出力される2相信号について、前記回転体が実質的に停止している間に規定される2相信号の振幅ピーク発生時刻を挟んだ所定のタイミングで、前記2相信号の各相の信号をそれぞれサンプリングする工程と、前記各相の信号間のサンプリング・タイミングのずれによる誤差補正を行いつつ、サンプリングされた前記それぞれの信号に基づいて角度を演算する工程と、を備えることとした。
【0010】
本発明のさらに別の態様では、2相の正弦波変調信号に基づいて角度出力するレゾルバの信号処理方法であって、演算した角度の値に基づき、角加速度値を演算する工程と、前記演算された角加速度値が、予め定められた角加速度値範囲外となると、演算した角度の値を所定の演算により補正する工程と、を備えることとした。
【0011】
本発明のさらに別の態様では、測定対象となった回転体の回転角を2相の正弦波変調信号に基づいて出力するレゾルバの信号処理プログラムであって、コンピュータに、前記レゾルバから出力される2相信号について、前記回転体が実質的に停止している間に規定される2相信号の振幅ピーク発生時刻を挟んだ所定のタイミングで、前記2相信号の各相の信号をそれぞれサンプリングする手順と、前記各相の信号間のサンプリング・タイミングのずれによる誤差補正を行いつつ、サンプリングされた前記それぞれの信号に基づいて角度を演算する手順と、を実行させることとした。
【0012】
本発明のさらに別の態様によれば、2相の正弦波変調信号に基づいて角度出力するレゾルバの信号処理プログラムであって、コンピュータに、演算した角度の値に基づき、角加速度値を演算する手順と、前記演算された角加速度値が、予め定められた角加速度値範囲外となると、演算した角度の値を所定の演算により補正する手順と、を実行させることとした。
【0013】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係るレゾルバの信号処理装置は、図1に示すように、2相信号を出力するレゾルバ1に接続され、制御部11と、ROM12と、フィルタ13と、第1及び第2のバッファ14a,14bと、A/D変換器15とを含んで構成されている。
【0014】
レゾルバ1は、測定対象となった回転体に取り付けられ、回転体の回転角に応じて変化する2相信号を出力している。制御部11は、電流制御周期に同期した矩形波電圧信号を出力している。また、この制御部11は、ROM12に格納されたプログラムに従って動作しており、バッファ14を介してレゾルバ1から入力される2相信号に基づいて角度値を演算して出力する。この制御部11の具体的な処理の内容については後に詳しく述べる。
【0015】
ROM12は、制御部11によって実行されるプログラムを格納したコンピュータ可読な記録媒体である。フィルタ13は、制御部11から矩形波電圧信号の入力を受けてこれをフィルタリングし、正弦波形の励磁信号を生成してレゾルバ1に出力する。バッファ14は、レゾルバ1が出力する2相信号の各相に対応して設けられており、第1のバッファ14aは、レゾルバ1からVsinの信号の入力を受けて、これを制御部11に伝達する。また第2のバッファ14bは、レゾルバ1から入力されるVcosの信号を制御部11に伝達する。A/D変換器15は、例えば制御部11に内蔵されており、Vsin及びVcosの信号のピーク位置との関係で定められる、互いに異なる所定のタイミングで、Vsinと、Vcosとの信号をそれぞれA/D変換して、それぞれに対応するディジタル値を生成し、その結果を出力する。
【0016】
ここで制御部11の処理について説明する。制御部11は、測定対象となっている回転体が実質的に停止しているときに規定される2相信号の振幅ピーク(以下、単にピークと呼ぶ)の発生時刻を挟んだ所定のタイミング(振幅ピーク発生時刻の前後)で、A/D変換の結果として得られた、Vsin,Vcosのそれぞれをサンプリングする。そして、これらVsin,Vcosのそれぞれに対応するディジタル値を用いてVsin/Vcosを演算し、さらにその4象限逆正接値θ0を演算する。そしてこの4象限逆正接値θ0に対してサンプリングタイミングがVsinとVcosとで異なることによる補正(サンプリング補正)を行って、補正後の値θを演算した角度値として出力し、処理を終了する。なお、VsinとVcosとをA/D変換のためにサンプリングするタイミングは、Vsin(又はVcos)のピークの発生時刻を挟んで等間隔に離れた2つの時点であることが好ましい。例えばA/D変換の処理を連続して行うための最短の時間がΔtであるとすると、ピークの発生時刻のΔt/2だけ前の時点と、ピークの発生時刻のΔt/2だけ後の時点とでそれぞれVsin又はVcosのいずれかをサンプリングする。
【0017】
ここで、回転体が実質的に停止しているとは、例えば電源投入時など、回転体が停止しているときや、極低速回転中などをいう。
【0018】
[サンプリング補正]
次に、サンプリング補正の詳しい内容について数式を用いて説明する。レゾルバの電圧変換式は、励磁信号Vref、励磁信号の電圧振幅E0、励磁信号と2相信号との変圧比K、レゾルバの回転角度をθ、レゾルバの回転の電気角速度をα、励磁信号の電気角速度をω、励磁信号と2相信号との位相ずれ量をφとして、次のように記述できる。
【数1】
いま、レゾルバの回転角の初期値をθ0とし、K・E0=1ととると、レゾルバの2相信号は、次のように記述できる。
【数2】
2相信号の励磁信号周波数成分の振幅ピーク発生時刻tは、
【数3】
と表せるので、θ=αt+θ0とすると、(1),(2)式は、それぞれ
【数4】
となるので、これらからtanθ=sinθ/cosθを作ることができ、tanθの4象限逆正接としてθを求めることができる。
【0019】
さてここで(1),(2)式の2相信号をそれぞれ次の(4)式のタイミングでサンプリングする。
【数5】
t1、t2は、2相信号の励磁信号周波数成分の振幅ピークの発生時刻t0の近傍の時刻なので、t0近傍での2相信号の角度変化について考察すると次のようになる。
【0020】
まず、(3)式の時刻近傍での2相信号の合成ベクトル(リサージュ図)の角速度を求める。最初に、(1)式の時間微分から、t=t0のときのVsinの微係数を求めると、次のようになる。
【数6】
ここで、θe0=αt0+θ0である。
【0021】
同様に、(2)式に対する時間微分から、(4)式で示された時刻におけるVcosの微係数を求めると、次のようになる。
【数7】
これら(5)、(6)式に対応する合成ベクトルは、(1)、(2)式に(4)式を代入して、次の(7)、(8)式のようになる。
【数8】
この(7)、(8)式の合成ベクトルは、互いに直交し、その大きさは2αとなる。
【0022】
つまり、(4)式で示された時刻近傍でのレゾルバの2相信号の合成ベクトルは、実際の回転の2倍の速度で変化している。つまり、(4)式で示した時刻からΔt/2だけ遅れた時刻で得られる2相信号Vsin,Vcosの値を元に4象限逆正接変換して得られた角度は、α・Δt/2だけ実際の角度より進みすぎた値となっていることが分かる。従って、
【数9】
の時点で得られた2相信号Vsin、Vcosを元にして4象限逆正接変換して得られた角度については、−α・Δt/2の値を加えたものが実際の角度を表す。
【0023】
図2(a)に角速度αで回転しているときのレゾルバ2相信号のリサージュ図を示す。図2(a)において点Aから点Bへのベクトルが速度ベクトルであり、2αの大きさとなる。次に、図2(b)に示す単位円(半径1の円)を用いて、この円の中心Oと、x軸とのなす角を求める角として考える。
【数10】
のt1の時刻の2相信号のベクトルはOA、(9)式のt2の時刻の2相信号のベクトルはOBとなる。t2の時刻の角度は角XOBで表され、この角度をθeとする。また、t1からt2の時刻の間に2相信号が進む角度をΔθeとする。すると、Δθeは、図2(b)の弧ABの大きさに等しく、Δtの間に進む2相信号の角度は、(4)式で示した時刻近傍では、実際の速度の2倍で変化するので、2α・Δtに等しくなる。
【0024】
t1の時刻でサンプリングされるVsinと、t2の時刻でサンプリングされるVcosとは、それぞれ、
【数11】
従って、これらから得られる4象限逆正接演算の結果と、t2の時刻の2相信号の角度θeとの誤差θerrは、
【数12】
となる。よって補正項として、(11)式の結果を加算すれば、
【数13】
となる。さらにθeは、(4)式で示した時刻からΔt/2だけ遅れた時刻t2((9)式)の時点でのサンプリング値であるので、既に説明したように、−α・Δt/2の値を加えて実際の角度θrealを得る:
【数14】
【0025】
すなわち、制御部11は、各タイミングで得られたVsin及びVcosを用いて、(13)式の演算を行って、角度値θをθ=θrealとして演算する。
【0026】
なお、電気角速度αが微小で、補正による項((13)式の、第2項、第3項目)が無視できる程度にそれぞれ所定の値より小さくなる場合(低速回転時)には、このサンプリング補正を行わずに、Vsin/Vcosに対する4象限逆正接の演算結果を以て角度値θとしても構わない。
【0027】
[加速度制限]
さらに、本実施の形態においては、レゾルバ1から入力される信号にノイズが乗じた場合などに発生する、一時的な異常値出力があった場合に配慮して、演算された角度値から角加速度値を演算し、この角加速度値が予め定めた値の範囲にない場合に所定の処理(加速度制限処理)を行う。すなわち、レゾルバ1が取り付けられているモータについて、物理学的に不可能な加速度が生じているかのように演算される場合、当該値は異常値であると判断し、例えば出力する角度値を特定の値に設定する。
【0028】
この加速度制限処理は制御部11の処理として実現され、その一例としては図3に示すように、まず角度値θ0を演算し、少なくとも前回及び前々回に演算した角度値を記憶しておき、今回と前回との間の差分により、今回の角速度値dθ0を求め、さらに今回の角速度値と前回の角速度値との差分により角加速度値Acc0を求める(S11)。そして、この角加速度値の絶対値が予め定めた値AccLIM1より小さいか否かを判断し(S13;これにより、±AccLIM1の範囲に角加速度値が入っているか否かが判断される)、小さいならば(Yesならば)、処理S11で求めた角度値θ0と、角速度値dθ0と、角加速度値Acc0とを、それぞれ出力する角度値θ1、角速度値dθ1と、角加速度値Acc1とする(S14)。次にこれらの値について、VsinとVcosとのサンプリング・タイミングがずれていることによる補正(第1補正)を補正前の角速度dθ1を使って行い、補正後の角度値θ2、角速度値dθ2を求め(S15)、さらに補正後の角速度dθ2を使ってサンプリング・タイミングがずれていることによる補正(第2補正)を行って補正後の角度値θ3、角速度値dθ3、角加速度値Acc3を求める(S16)。これら、第1補正及び第2補正の内容は、既に説明したサンプリング補正に相当するものである。すなわち、これらの補正のうち第1補正は、次の(14),(15)式によって行われ、第2補正は、次の(16)から(18)式によって行われる。なお、VsinとVcosとのサンプリング・タイミングのずれをΔt、これらを1度サンプリングしてから、次にこれらをサンプリングするまでの時間をΔTとしている。
【0029】
【数15】
【数16】
【0030】
次に、角加速度値Acc3の絶対値が予め補正後の角速度値の限界として規定されているAccLIMより小さいか否かを判断し(S17;これにより、±AccLIMの範囲に角加速度値が入っているか否かが判断される)、小さいならば(Yesならば)、処理S16で求めた角度値θ3、角速度値dθ3、角加速度値Acc3をそれぞれ出力する角度値θ、角速度値dθ、角加速度値Accとして定め(S18)、さらに角度値θを、処理S18で定めた値からdθ×Δt/ΔT×1/2を差し引いた値として補正し(S19)、処理を終了する。なお、ここでΔtは、Vsinのサンプリング・タイミングとVcosのサンプリング・タイミングとの時間差であり、ΔTは、サンプリング間隔(Vsinをサンプリングしてから次にVsinをサンプリングするまでの時間)である。
【0031】
また、処理S13において、角加速度値Acc0の絶対値が、AccLIM1以上ならば(Noならば)、角加速度値はAccLIM1であったとして、角度値θ1、角速度値dθ1と、角加速度値Acc1とを過去の角度値等を用いて次のように定め(S20)、処理S15に移行する。
【数17】
dθ1=dθ1old+AccLIM1
θ1=θ1old+dθ1
Acc1=AccLIM1
ここで、dθ1oldは、前回のdθ1の値である。
【0032】
同様に処理S17において、角加速度値Acc3の絶対値がAccLIM以上ならば(Noならば)、角加速度値はAccLIMであったとして、出力する角度値θ、角速度値dθ、角加速度値Accを過去の角度値等を用いて次のように定め(S21)、処理をS19に移行する。
【数18】
dθ=dθold+AccLIM
θ=θold+dθ
Acc=AccLIM
ここでdθoldは、前回のdθの値である。
【0033】
なお、既に述べたようにθ1oldは、前回のθ1の値、dθ1oldは、前回のdθ1の値、θoldは、前回のθの値、dθoldは、前回のdθの値であるが、これらは、それぞれ記憶しておく。
【0034】
[サンプリング・タイミングの調整]
本実施の形態では、サンプリング・タイミングは、レゾルバ1に入力する励磁信号の位相を利用して決定できるが、励磁信号の位相と2相信号の位相との間には、レゾルバごとに固有の位相ずれがある。従って、このようなレゾルバごとの位相ずれの個体差を予め調べておき、レゾルバごとの固有の個体差も利用してサンプリング・タイミングを規定することが好ましい。
【0035】
本実施の形態の信号処理回路の電源が投入されたとき、そのときにはレゾルバ1が取り付けられているモータは停止した状態にあると考えられる。そこで制御部11は、電源投入時に、次の図4に示す処理を開始し、まずVsinの値をA/D変換して取得する(S31)。次に予め定められた間隔(励磁信号の周期)ΔTでVcos値をA/D変換して取得する(S32)。次に処理S31,S32でそれぞれ得られたVsinの絶対値と、Vcosの絶対値とを比較し、その大きい方の値を選択する(S33)。そして選択した方の信号を所定回数だけ等時間間隔でサンプリングし(S34)、最小二乗法によって位相ずれを求めて(S35)、処理を終了する。
【0036】
この処理S35における最小二乗法による位相ずれを求める処理は、原信号をE・cos(ωt+φ)=yiとすると(ここでφが位相ずれに相当する)、Vsinφ=−Σ(sin・yi)/Σsin^2、Vcosφ=Σ(cos・yi)/Σcos^2、とし、φ=tan^−1(Vsinφ/Vcosφ)として位相ずれを求める。この場合の逆正接演算は−π/2からπ/2までの値をとる通常の逆正接演算を行う。具体的な例として、1周期を8分割する場合(例えば100μ秒(μs)を8分割する場合)、
V0:0μs
V1:1×100/8μs
V2:2×100/8μs
V3:3×100/8μs
V4:4×100/8μs
V5:5×100/8μs
V6:6×100/8μs
V7:7×100/8μs
V8:8×100/8μs
のタイミングでA/Dサンプリングし、
【数19】
として位相ずれ量φを演算する。この位相ずれ量φに基づき、A/D起動時刻を正規の位置にずらす。また、A/D起動時刻を正規の位置にずらす代わりに、励磁信号の位相をずらしてもよい。
【0037】
また、本実施の形態における別のサンプリング・タイミングの調整法としては、制御部11が、電源投入時に、連続して2度(間隔Δtだけ時間をあけて)Vsinのサンプリングを行い、次にVsinを最初にサンプリングしたタイミングから予め定められた間隔(励磁信号の周期)ΔTだけ待って再度連続して2度(間隔Δtだけ時間をあけて)Vcosのサンプリングを行う。ここで、Vsinのうち、先にサンプリングされたものをVsinN、後にサンプリングされたものをVsinPとし、同様にVcosについて先にサンプリングされたものをVcosN、後にサンプリングされたものをVcosPとする。
【0038】
制御部11は、
【数20】
を演算する。このとき、それぞれ連続して行った2度のサンプリングのタイミングがピークを挟んでそれぞれピークから等しい時間だけずれていれば、図5(a)に示すように、VsinNとVsinPとが等しくなり、VcosNとVcosPとも等しくなる(図5(a)で「X」で示したタイミング)から、(20)式で演算されるDは、「0」となるはずである。そこで、制御部11は、このDの絶対値が予め定めたしきい値Dshよりも小さくなるまで、励磁信号の位相をずらすよう制御する。この方法を用いると、励磁電圧が正弦波から歪んでいる場合にも精度を向上できる。
【0039】
具体的には、図6に示すように、VsinN及びVsinPの値を取り込むようA/D変換器15を設定して(S41)、VsinN及びVsinPの値を取り込み(S42)、次に、VcosN及びVcosPの値を取り込むようA/D変換器15を設定して(S43)、VcosN及びVcosPの値を取り込む(S44)。そして、(20)式によってDを演算し(S45)、このDの絶対値がDshより小さいか否かを判断する(S46)。
【0040】
そしてDの絶対値がDshより大きい場合(Noの場合)、D>0であるか否かを判断し(S47)、D>0であれば(Yesならば)、励磁電圧の位相を予め定めたステップ値だけ進ませる処理を行う(S48〜S50)。また、処理S47において、D>0でなければ(Noならば)、励磁電圧の位相を予め定めたステップ値だけ遅らせる処理を行う(S51〜S53)。なお、図6に示した例では、測定には誤差があることにも配慮して、例えばN回(図6では10回としている)繰り返してVsinN,VsinP,VcosN,VcosPの取得と、Dの演算と、DとDshとの比較とを行うこととし、一定回数以上連続してDの絶対値がDshより大きい場合に、励磁電圧の位相調整を行ってもよい(S48〜S50,並びにS51〜S53)。これは例えばDの絶対値がDshより大であり、かつD>0のときに当初0にリセットしておいた変数CNT_Pをインクリメントし、繰り返し回数をカウントするCNT_0とD≦0が連続していた場合の回数を表すCNT_Nとを0にリセットする(処理S48)。そしてCNT_Pが予め定めた回数より大となったときに(処理S49)、励磁電圧の位相を予め定めたステップ値だけ進ませる(処理S50)。また、Dの絶対値がDshより大であり、かつD>0でないとき(D≦0のとき)も、当初0にリセットしておいた変数CNT_Nをインクリメントし、CNT_0とD>0が連続していた場合の回数を表すCNT_Pとを0にリセットする(処理S51)。そしてCNT_Nが予め定めた回数より大となったときに(処理S52)、励磁電圧の位相を予め定めたステップ値だけ遅らせる(処理S53)こととしてもよい。なお、このように一定回数以上Dの絶対値がDshより大きい場合に、励磁電圧の位相調整を行うときには、処理S46において、Dの絶対値がDshより小さい場合(Yesの場合)、カウンタCNT_0をインクリメントし、CNT_PとCNT_Nとを0にリセットして(S54)、CNT_0が予め定めた回数(ここでは50回)よりも大きいか否かを判断し(S55)、大きい場合は(Yesならば)、処理を終了する。また、処理S55において、CNT_0が予め定めた回数以下であれば(Noならば)、処理S41に戻って処理を続ける。
【0041】
これらの方法により起動時にサンプリング・タイミングを調整した後は、制御部11は、レゾルバ1の信号を処理し、角度値を演算して出力する動作に戻って処理を続ける。
【0042】
[動作中のサンプリング・タイミングの調整]
なお、サンプリング・タイミングの調整は、好ましくは動作中にも行うべき(例えば周囲温度の影響によりレゾルバ本体の位相ずれ量やフィルタ13の位相遅れ量が変化することがある)であるが、モータが回転しているときには、調整が困難であることに鑑み、モータが停止しているか否かを制御部11にて検出し、モータが停止しているときには、サンプリング・タイミング調整モードに移行して、上述のサンプリング・タイミングの調整処理を行い、調整後、レゾルバ1の信号を処理し、角度値を演算して出力する動作に戻って処理を続ける。なお、この場合はDの演算等を繰り返して行わず、1度だけとすることも好ましい。すなわち、この場合の処理も図6に示した処理と同様の処理であるが、図7に示すように、停止中にのみ処理を実行し(処理S40にて停止中でなければ処理をそのまま終了する)、またCNT_0を用いずに、CNT_P及びCNT_Nのみについて処理する(図7の処理S48′、S51′、S54′)。また、図6の処理S55に対応する処理(50回繰り返して処理するまで終了しないようにする処理)は、行わない。
【0043】
尤も、レゾルバ1の信号を処理し、角度値を演算して出力する動作を停止せずにサンプリング・タイミングを調整してもよい。以下、この方法について説明する。この場合の制御部11は、モータが停止しているか否かを検出し、モータが停止しているときに、図5(b)に示すように、通常通り、ΔTごとに、Δtの間隔で連続してVsinとVcosとを取得する処理を続けながら(図5(b)の「O」で示した点でのサンプリング)、これと反対のピーク位置近傍で(13)式を用いたサンプリング・タイミング調整のためのVsin又はVcos測定を行う(図5(b)の「X」で示した点でのサンプリング)。これにより、角度値の演算の処理を中断することなく、サンプリング・タイミングの調整が実現される。
【0044】
[動作]
本実施の形態のレゾルバの信号処理装置の各部は、以上の動作を行い、従って全体として次のように動作する。まず、信号処理装置に電源が投入されたとき、サンプリング・タイミングの調整の処理が行われ、これによりレゾルバ1ごとの個体差に伴う励磁電圧と2相信号との間の位相ずれ量が検出される。制御部11は、この位相ずれ量を用いてサンプリング・タイミングを決定する。
【0045】
制御部11は、サンプリング・タイミングとして例えば、連続してA/D変換可能な最短の時間Δtをピークの前後に等分して、ピーク前Δt/2の時点でVsinの値をA/D変換して取得する。また、ピーク後Δt/2の時点でVcosの値をA/D変換して取得する。
【0046】
次に、Vsin/Vcosの値を求め、さらにこれの4象限逆正接、
【数21】
を演算して、仮の角度値θ0を得る。そしてこれに対して(13)式の演算(サンプリング補正)を行って、補正後の角度値θを求める。
【0047】
この後、制御部11は、好ましくは図3に示した加速度制限処理を実行し、この処理後に得られた角度値θを取得して、これを出力する。
【0048】
[変形例]
ここまでの説明では、Vsin,Vcosの2nπ(n=0,1,2…)の位相でのピーク前後でそれぞれサンプリングを行い、角度値を演算してサンプリング補正する例について説明したが、このピークだけでなく、(2n+1)π(n=0,1,2…)の位相でのピーク前後でもVsin,Vcosのそれぞれをサンプリングして角度値に「π」を加えてサンプリング補正を行い、角度値として出力するようにすれば、レゾルバ角度の演算周期を2倍にできる。
【0049】
また、2nπでサンプリングした2相信号をそれぞれVsin1,Vcos1とし、(2n+1)πでサンプリングした2相信号をそれぞれVsin2,Vcos2として、Vsin1とVsin2との平均と、Vcos1とVcos2との平均とを演算して、それぞれをVsin,Vcosとし、角度値の演算とサンプリング補正とを行った後、励磁電圧の周期Tと、上述のαとを用いて、サンプリング補正後の角度値にα・T/4を加えて、補正後の角度値を得て出力するようにしてもよい。この場合、サンプリング・タイミングの調整として(13)式を用いる演算を2nπでサンプリングしたVsin,Vcosと(2n+1)πでサンプリングしたVsin,Vcosとの双方で行うこととしてもよい。これにより、サンプリング・タイミングの調整精度を高めることができる。
【0050】
[第2の実施の形態]
ここまでの説明では、A/D変換が1系統のみであっても構わない場合について説明したが、サンプリング補正や、加速度制限、サンプリング・タイミングの調整といった処理は、A/D変換が2系統以上あってVsinとVcosとの処理を並列的に扱う場合にも、角度値の演算精度を向上できるものである。
【0051】
本発明の第2の実施の形態に係るレゾルバの信号処理装置は、図8に示すように、2相信号を出力するレゾルバ1に接続され、制御部11と、ROM12と、フィルタ13と、第1及び第2のバッファ14a,14bと、第1及び第2のA/D変換器15a,15bとを含んで構成されている。なお、第1の実施の形態と同様の構成をとる部分については、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。ただし本実施の形態においては、制御部11の動作(すなわちROM12内に格納されているプログラム)が第1の実施の形態に係るものとは少々異なるので、後に詳しく述べる。第1,第2のA/D変換器15a,15bは、それぞれ第1,第2のバッファ14a,14bに対応して設けられ、対応するバッファ14から入力される信号をディジタル値に変換して制御部11に出力する。
【0052】
制御部11は、入力されるVsin、Vcosのそれぞれに対応するディジタル値に基づき、Vsin/Vcosを演算し、さらにこれの4象限逆正接を演算して角度値として出力する。またここで制御部11は、サンプリング・タイミングがピーク位置からずれた場合に配慮して、サンプリング・タイミングとピーク位置とのずれ時間Δτを演算乃至測定しておき、角度値にα・Δτを加算する、サンプリング補正をおこなう。ここでαは、レゾルバの回転の電気角速度である。
【0053】
また、制御部11は、加速度制限処理をさらに行うのも好ましい。この場合は図9に示すような処理を実行し、A/D値を取り込んで(S61)、θ0を4象限逆正接の演算結果(又はサンプリング補正後の値)としておき、例えば前回の加速度制限処理後の角度値θを、θoldとして記憶して、速度dθ0=θ0−θoldを求め、また、前回の加速度制限処理後の角速度値dθoldも記憶しておいて、加速度Acc0=dθ0−dθoldを求める(S62)。
【0054】
そしてAcc0の絶対値が予め定めた加速度範囲の値AccLIMより小さいか否かを判断し(S63)、小さいならば(Yesならば)、角度値θ0、角速度値dθ0、加速度値Acc0を、そのまま出力対象となる角度値θ、角速度値dθ、加速度値Accとして(S64)、処理を終了する。また、処理S63において、Acc0の絶対値が予め定めた加速度範囲の値AccLIM以上の場合(Noの場合)は、
【数22】
dθ=dθold+AccLIM
θ=θold+dθ
Acc=AccLIM
として設定し(S65)、処理を終了する。そして制御部11は、これら設定した角度値θ、角速度値dθ、加速度値Accを出力する。
【0055】
さらに制御部11は、サンプリング・タイミングの調整処理を行ってもよい。例えば制御部11は、電源投入時に、図4に示したのと同様の処理を行ってサンプリング・タイミングの調整を行う。なお、本実施の形態では、VsinとVcosとを並列的に処理できるので、これらを同じタイミングで一斉に取得し(ΔTだけまたずに)処理を行う。モータ動作時には、モータが停止したことを検出して、この処理を行うようにする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るレゾルバの信号処理装置の構成ブロック図である。
【図2】サンプリング補正処理の原理を説明するための図である。
【図3】加速度制限処理の一例を表すフローチャート図である。
【図4】サンプリング・タイミングの調整処理の一例を表すフローチャート図である。
【図5】サンプリング・タイミングの調整処理の別の例での動作状況を説明するための図である。
【図6】サンプリング・タイミングの調整処理の一例を表すフローチャート図である。
【図7】動作中のサンプリング・タイミングの調整処理の一例を表すフローチャート図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るレゾルバの信号処理装置の構成ブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るレゾルバの信号処理装置における加速度制限処理の一例を表すフローチャート図である。
【図10】従来のレゾルバの信号処理装置の構成ブロック図である。
【符号の説明】
1 レゾルバ、11 制御部、12 ROM、13 フィルタ、14 バッファ、15 A/D変換器。
Claims (8)
- 測定対象となった回転体の回転角を2相の正弦波変調信号に基づいて出力するレゾルバの信号処理装置であって、
前記レゾルバから出力される2相信号について、前記回転体が実質的に停止している間に規定される2相信号の振幅ピーク発生時刻を挟んだ所定のタイミングで、前記2相信号の各相の信号をそれぞれサンプリングするサンプリング手段と、
前記各相の信号間のサンプリング・タイミングのずれによる誤差補正を行いつつ、サンプリングされた前記それぞれの信号に基づいて角度を演算する演算手段と、
を備えた信号処理装置。 - 請求項1に記載の信号処理装置において、
前記サンプリング手段は、前記振幅ピーク発生時刻を挟んで等間隔に離れた2つの時刻を所定のタイミングとして、各相の信号をそれぞれ取り込む信号処理装置。 - 請求項1又は2に記載の信号処理装置において、
演算した角度の値に基づき、角加速度値を演算する手段と、
前記演算された角加速度値が、予め定められた角加速度値範囲外となると、演算した角度の値を所定の演算により補正する加速度補正手段と、
を備えた信号処理装置。 - 2相の正弦波変調信号に基づいて角度を演算して出力するレゾルバの信号処理装置であって、
演算した角度の値に基づき、角加速度値を演算する手段と、
前記演算された角加速度値が、予め定められた角加速度値範囲外となると、演算した角度の値を所定の演算により補正する加速度補正手段と、
を備えた信号処理装置。 - 測定対象となった回転体の回転角を2相の正弦波変調信号に基づいて出力するレゾルバの信号処理方法であって、
前記レゾルバから出力される2相信号について、前記回転体が実質的に停止している間に規定される2相信号の振幅ピーク発生時刻を挟んだ所定のタイミングで、前記2相信号の各相の信号をそれぞれサンプリングする工程と、
前記各相の信号間のサンプリング・タイミングのずれによる誤差補正を行いつつ、サンプリングされた前記それぞれの信号に基づいて角度を演算する工程と、
を備えた信号処理方法。 - 2相の正弦波変調信号に基づいて角度出力するレゾルバの信号処理方法であって、
演算した角度の値に基づき、角加速度値を演算する工程と、
前記演算された角加速度値が、予め定められた角加速度値範囲外となると、演算した角度の値を所定の演算により補正する工程と、
を備えた信号処理方法。 - 測定対象となった回転体の回転角を2相の正弦波変調信号に基づいて出力するレゾルバの信号処理プログラムであって、コンピュータに、
前記レゾルバから出力される2相信号について、前記回転体が実質的に停止している間に規定される2相信号の振幅ピーク発生時刻を挟んだ所定のタイミングで、前記2相信号の各相の信号をそれぞれサンプリングする手順と、
前記各相の信号間のサンプリング・タイミングのずれによる誤差補正を行いつつ、サンプリングされた前記それぞれの信号に基づいて角度を演算する手順と、
を実行させる信号処理プログラム。 - 2相の正弦波変調信号に基づいて角度出力するレゾルバの信号処理プログラムであって、コンピュータに、
演算した角度の値に基づき、角加速度値を演算する手順と、
前記演算された角加速度値が、予め定められた角加速度値範囲外となると、演算した角度の値を所定の演算により補正する手順と、
を実行させる信号処理プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002216434A JP2004061157A (ja) | 2002-07-25 | 2002-07-25 | レゾルバの信号処理装置及び信号処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002216434A JP2004061157A (ja) | 2002-07-25 | 2002-07-25 | レゾルバの信号処理装置及び信号処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004061157A true JP2004061157A (ja) | 2004-02-26 |
Family
ID=31938197
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002216434A Pending JP2004061157A (ja) | 2002-07-25 | 2002-07-25 | レゾルバの信号処理装置及び信号処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004061157A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7692566B2 (en) | 2007-06-18 | 2010-04-06 | Aisan Kogyo Kabushiki Kaisha | Angle detection device |
WO2011010516A1 (ja) | 2009-07-24 | 2011-01-27 | トヨタ自動車株式会社 | 回転角検出装置 |
WO2012063297A1 (ja) | 2010-11-08 | 2012-05-18 | トヨタ自動車株式会社 | 回転角算出装置および回転角算出方法 |
US8471506B2 (en) | 2009-10-29 | 2013-06-25 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Motor control apparatus |
US8669734B2 (en) | 2010-07-20 | 2014-03-11 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Control device and control method for motor |
US9016123B2 (en) | 2011-07-15 | 2015-04-28 | Mitsubishi Electric Corporation | Angle detection method with resolver |
JP2015169464A (ja) * | 2014-03-05 | 2015-09-28 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | モータの回転角度検出装置 |
JP6405502B1 (ja) * | 2017-09-07 | 2018-10-17 | 多摩川精機株式会社 | 角度検出器のキャリア成分の位相ズレ量を検出する方法および手段、回転角度を検出する方法、角度検出器 |
WO2021240191A1 (ja) * | 2020-05-28 | 2021-12-02 | 日産自動車株式会社 | 監視制御装置及び監視制御方法 |
DE102012207881B4 (de) | 2011-12-08 | 2024-05-16 | Hyundai Motor Company | Technik zum Kompensieren eines anormalen Ausgangs eines Resolvers für ein umweltfreundliches Fahrzeug |
-
2002
- 2002-07-25 JP JP2002216434A patent/JP2004061157A/ja active Pending
Cited By (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7692566B2 (en) | 2007-06-18 | 2010-04-06 | Aisan Kogyo Kabushiki Kaisha | Angle detection device |
WO2011010516A1 (ja) | 2009-07-24 | 2011-01-27 | トヨタ自動車株式会社 | 回転角検出装置 |
US8872511B2 (en) | 2009-07-24 | 2014-10-28 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Angle of rotation detection device |
US8471506B2 (en) | 2009-10-29 | 2013-06-25 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Motor control apparatus |
US8669734B2 (en) | 2010-07-20 | 2014-03-11 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Control device and control method for motor |
US8288977B2 (en) | 2010-11-08 | 2012-10-16 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Rotation angle calculation apparatus and rotation angle calculation method |
WO2012063297A1 (ja) | 2010-11-08 | 2012-05-18 | トヨタ自動車株式会社 | 回転角算出装置および回転角算出方法 |
US9016123B2 (en) | 2011-07-15 | 2015-04-28 | Mitsubishi Electric Corporation | Angle detection method with resolver |
DE102012207881B4 (de) | 2011-12-08 | 2024-05-16 | Hyundai Motor Company | Technik zum Kompensieren eines anormalen Ausgangs eines Resolvers für ein umweltfreundliches Fahrzeug |
JP2015169464A (ja) * | 2014-03-05 | 2015-09-28 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | モータの回転角度検出装置 |
JP6405502B1 (ja) * | 2017-09-07 | 2018-10-17 | 多摩川精機株式会社 | 角度検出器のキャリア成分の位相ズレ量を検出する方法および手段、回転角度を検出する方法、角度検出器 |
JP2019045448A (ja) * | 2017-09-07 | 2019-03-22 | 多摩川精機株式会社 | 角度検出器のキャリア成分の位相ズレ量を検出する方法および手段、回転角度を検出する方法、角度検出器 |
WO2021240191A1 (ja) * | 2020-05-28 | 2021-12-02 | 日産自動車株式会社 | 監視制御装置及び監視制御方法 |
JPWO2021240191A1 (ja) * | 2020-05-28 | 2021-12-02 | ||
US11781887B2 (en) | 2020-05-28 | 2023-10-10 | Nissan Motor Co., Ltd. | Monitoring control device and monitoring control method |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6163874B2 (ja) | 回転角度検出装置、画像処理装置及び回転角度検出方法 | |
JP4138899B2 (ja) | 位置検出のための位相差検出装置及び位置検出システム並びに方法 | |
JP5802588B2 (ja) | 角度検出装置およびモータ駆動制御装置 | |
JP5173962B2 (ja) | レゾルバ/デジタル変換装置およびレゾルバ/デジタル変換方法 | |
US6389373B1 (en) | Resolver signal processing system | |
US8004434B2 (en) | RD converter and angle detecting apparatus | |
WO2016139849A1 (ja) | レゾルバ装置 | |
WO2015029427A1 (ja) | 角度位置検出装置 | |
JP2004061157A (ja) | レゾルバの信号処理装置及び信号処理方法 | |
JP4422757B2 (ja) | リファレンス信号生成回路、角度変換器及び角度検出装置 | |
JP2010145149A (ja) | 電磁誘導式位置検出器及び電磁誘導式位置検出方法 | |
JP2005257565A (ja) | レゾルバディジタル角度変換装置および方法ならびにプログラム | |
JP3365063B2 (ja) | 回転角度検出方法 | |
JP2004333156A (ja) | エンコーダ信号内挿分割器 | |
JP6112832B2 (ja) | 角度補正装置及び回転角センサ | |
JP2005147729A (ja) | 回転角検出装置 | |
JP2002315374A (ja) | モータ制御装置 | |
JP4561024B2 (ja) | レゾルバ信号処理装置 | |
JP2010139405A (ja) | エンコーダ信号処理方法、エンコーダ装置及びサーボモータ | |
JP2003035566A (ja) | 補正機能付き絶対位置検出器 | |
JPH01138992A (ja) | デジタル式すべり周波数発生方法及び装置 | |
JPH0919198A (ja) | 誘導電動機の適応滑り周波数形ベクトル制御方法及び装置 | |
JP2002243501A (ja) | エンコーダ出力信号の自動調整装置 | |
JP2865219B2 (ja) | レゾルバを用いた位置検出装置 | |
JPS62162917A (ja) | 位相検出装置 |