JP2004307828A - 絶縁膜形成用塗布液、絶縁膜の製造方法および絶縁膜 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 成分(A)および(B)を含有する塗布液であって、塗布液中の水分含量が1重量%以下である絶縁膜形成用塗布液。他。
成分(A):非極性であり、かつ分子内に炭素−炭素二重結合を2個以上有するか、炭素−炭素三重結合を2個以上有するか、もしくは炭素−炭素二重結合を少なくとも1個と炭素−炭素三重結合を少なくとも1個有する熱反応性化合物、または該熱反応性化合物を重合して得られるポリマー。
成分(B):式(1)で示されるシラン化合物またはそれと同等の化合物。
(R1およびR2は水素原子、アルキル基またはアリール基。R3はアルキル基またはアリール基。R4はアルキル基、アシル基またはアリール基。Xは2価の基。nおよびmは1〜3。n+mは4以下。)
【選択図】 なし
Description
低誘電率の絶縁膜の材料としてポリアリーレンが着目されているが、これは分子内に極性基を有しないため、絶縁膜とした場合、シリコン、酸化シリコン、アルミニウム、銅、窒化シリコン等の半導体基板に対して密着性が低いという問題があった。
成分(A):非極性であり、かつ分子内に炭素−炭素二重結合を2個以上有するか、炭素−炭素三重結合を2個以上有するか、もしくは炭素−炭素二重結合を少なくとも1個と炭素−炭素三重結合を少なくとも1個有する熱反応性化合物、または該熱反応性化合物を重合して得られるポリマー。
成分(B):以下の式(1)〜(3)で示されるシラン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物。
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、または炭素原子数6〜20のアリール基を表わし、R3は炭素原子数1〜4のアルキル基、または炭素原子数6〜20のアリール基を表わし、R4は炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアシル基、または炭素原子数6〜20のアリール基を表わし、Xは2価の基を表わし、nおよびmはそれぞれ1〜3の整数を表わし、n+mは4以下である。)
(式中、R3、R4、X、nおよびmはそれぞれ前記と同じ意味を表わし、R5およびR6は水素原子または1価の有機基を表わす。但し、R5とR6とは同時に水素原子となることはない。)
(式中、R3、R4、X、nおよびmはそれぞれ前記と同じ意味を表わし、R7は炭素原子数3〜8のアルキレン基を表わす。)
ここで、非極性とは、エーテル基、カルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、ニトリル基、メルカプト基、スルホン基、ホスホン基、ホスフィン基等の炭素原子および水素原子以外の原子を有する極性基が分子内に存在しないことをいう。
(式中、Arは芳香環を有する基を表わし、R8は式(8)または式(9)で示される基を表わし、xは1〜3の整数を表わし、xが2以上の場合、複数のR8は互いに同一でも異なっていてもよく、yは1〜3の整数を表わし、yが2以上の場合、複数のArおよび複数のR8はそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、x×yは2〜9の整数を表わす。)
炭素原子数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
炭素原子数2〜4のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ブタジニル基が挙げられる。
炭素原子数2〜4のアルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基が挙げられる。
炭素原子数6〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基、ナフチル基が挙げられ、フェニル基が好ましい。
アダマンタン骨格を有する化合物の橋かけメチン基を塩素、臭素、ヨウ素等によりハロゲン化した後、塩化アルミニウム、塩化スズ、塩化アンチモン、塩化チタン、臭化アルミニウム、臭化スズ、臭化アンチモン、臭化チタン等のルイス酸を触媒とし、ブロモベンゼン、ブロモナフタレン、ブロモアントラセン、ブロモビフェニル、ブロモターフェニル、ジブロモベンゼン、ジブロモナフタレン、ジブロモアントラセン、トリブロモベンゼン、トリブロモナフタレン、トリブロモアントラセン、ヨードベンゼン、ヨードナフタレン、ヨードアントラセン、ヨードビフェニル、ヨードターフェニル、ジヨードベンゼン、ジヨードナフタレン、ジヨードアントラセン、トリヨードベンゼン、トリヨードナフタレン、トリヨードアントラセン等の芳香族ハロゲン化物とカップリング反応させて、ハロゲン化アリール基をアダマンタン骨格のメチン基に結合させる。また、そのようにして得たハロゲン化アリール基がアダマンタン骨格のメチン基に結合した化合物をトリス(トリフルオロメチル)ボロン、フッ化アンチモン等で処理して異性化させることでアダマンタン骨格のメチレン基にハロゲン化アリール基を転移させる。
このようにして得られた、ハロゲン化アリール基が結合したアダマンタン骨格を有する化合物を更に、式(10)または式(11)で示される化合物と薗頭カップリング反応させることにより、アリール基に結合しているハロゲン原子と式(10)または式(11)で示される化合物の水素原子とを脱離させ、式(7)で示される化合物が得られる。
式中、Q1〜Q3は前記と同じ意味を表わす。
式中、Q4は前記と同じ意味を表わす。
重合は、通常、炭素−炭素二重結合や炭素−炭素三重結合同士が反応することにより進行する。得られるポリマーの具体例としては、ポリ(ジエチニルアダマンタン)、ポリ(トリエチニルアダマンタン)、ポリ(テトラエチニルアダマンタン)ポリ(ビス(エチニルフェニル)アダマンタン)、ポリ(トリス(エチニルフェニル)アダマンタン)、ポリ(ビス(ジエチニルフェニル)アダマンタン)、ポリ(トリス(ジエチニルフェニル)アダマンタン)、ポリ(ビス(エチニルフェニルエチニル)アダマンタン)、ポリ(トリス(エチニルフェニルエチニル)アダマンタン)等が挙げられる。
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、または炭素原子数6〜20のアリール基を表わし、R3は炭素原子数1〜4のアルキル基、または炭素原子数6〜20のアリール基を表わし、R4は炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアシル基、または炭素原子数6〜20のアリール基を表わし、Xは2価の基を表わし、nおよびmはそれぞれ1〜3の整数を表わし、n+mは4以下である。)
炭素原子数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、トルイル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、ジエチルフェニル基、トリエチルフェニル基、プロピルフェニル基等が挙げられる。
炭素原子数1〜4のアシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が挙げられる。
アミノエチルメチルジメトキシシラン、アミノエチルメチルジエトキシシラン、アミノエチルメチルジアセトキシシラン、アミノエチルエチルジメトキシシラン、アミノエチルエチルジエトキシシラン、アミノエチルエチルジアセトキシシラン、アミノエチルフェニルジメトキシシラン、アミノエチルフェニルジエトキシシラン、アミノエチルフェニルジアセトキシシラン、
アミノエチルジメチルエトキシシラン、アミノエチルジエチルエトキシシラン、アミノエチルメチルフェニルエトキシシラン、アミノエチルエチルメチルエトキシシラン、アミノエチルメチルフェニルエトキシシラン、アミノエチルエチルフェニルエトキシシラン、N−メチルアミノエチルトリメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノエチルトリメトキシシラン、N−エチルアミノエチルトリメトキシシラン、N,N−ジエチルアミノエチルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノエチルトリメトキシシラン、N,N−ジフェニルアミノエチルトリメトキシシラン、N−トルイルアミノエチルトリメトキシシラン、N−(ジメチルフェニル)アミノエチルトリメトキシシラン、N−メチルアミノエチルトリエトキシシラン、N,N−ジメチルアミノエチルトリエトキシシラン、N−エチルアミノエチルトリエトキシシラン、N,N−ジエチルアミノエチルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノエチルトリエトキシシラン、N,N−ジフェニルアミノエチルトリエトキシシラン、N−トルイルアミノエチルトリエトキシシラン、N−(ジメチルフェニル)アミノエチルトリエトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチルアミノエチルメチルジエトキシシラン、N,N−ジメチルアミノエチルメチルジエトキシシラン、N−メチルアミノエチルトリプロポキシシラン、N−メチルアミノエチルトリブトキシシラン、N−メチルアミノエチルトリヘキソキシシラン、N,N−ジメチルアミノエチルトリプロポキシシラン、N,N−ジメチルアミノエチルトリブトキシシラン、N,N−ジメチルアミノエチルトリヘキソキシシランなどが挙げられ、これらのうちのいずれかであることが好ましい。
(R3、R4、X、nおよびmはそれぞれ前記と同じ意味を表わす。)
式(4)で示される化合物はアミノ基を有するため、通常、極性基との水素結合で密着性を発現するが、前記した非極性の熱反応性化合物から得られる絶縁膜に対しても、半導体デバイス製造において実用上、十分に高い密着性を発現することができる。
アミノエチルメチルジメトキシシラン、アミノエチルメチルジエトキシシラン、アミノエチルメチルジアセトキシシラン、アミノエチルエチルジメトキシシラン、アミノエチルエチルジエトキシシラン、アミノエチルエチルジアセトキシシラン、アミノエチルフェニルジメトキシシラン、アミノエチルフェニルジエトキシシラン、アミノエチルフェニルジアセトキシシラン、
アミノエチルジメチルエトキシシラン、アミノエチルジエチルエトキシシラン、アミノエチルメチルフェニルエトキシシラン、アミノエチルエチルメチルエトキシシラン、アミノエチルメチルフェニルエトキシシラン、アミノエチルエチルフェニルエトキシシラン等が挙げられる。
(式中、R5およびR6はそれぞれ前記と同じ意味を表わす。)
(式中、R7は前記と同じ意味を表わす。)
この反応では、式(2)で示される化合物、式(3)で示される化合物のOR4基が加水分解縮合したオリゴマーが副生することがあるが、これらのオリゴマーは、前記公報に記載の通り、蒸留によって分離することが可能であるが、そのまま使用しても本発明においては差し支えない。
半導体用の絶縁膜形成プロセスでは、大気下、50〜250℃でのプレベーク工程が、塗布溶剤を除去するため一般に用いられており、該ベーク工程では下記に示す反応が生じ、式(4)で示される化合物が発生すると考えられる。その際に、式(5)または式(6)で示される化合物は蒸散もしくは揮発することが好ましいことから、式(5)または式(6)で示される化合物としては、大気圧下における沸点が250℃以下のものを選択することが好ましい。
成分(C)としては、例えば、以下の化合物などが挙げられ、これらのうちのいずれかであることが好ましい。
成分(C)の使用量は、成分(A)100重量部に対して、20重量部以下であることが好ましく、10重量部以下であることがより好ましく、5重量部以下であることがさらに好ましい。成分(C)の使用量が多いと、比誘電率が悪化する傾向がある。
ラジカル発生剤としては、例えば、t−ブチルパーオキシド、ペンチルパーオキシド、ヘキシルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、例えば、オクチルポリエチレンオキシド、デシルポリエチレンオキシド、ドデシルポリエチレンオキシド、オクチルポリプロピレンオキシド、デシルポリプロピレンオキシド、ドデシルポリプロピレンオキシド等が挙げられる。
フッ素系非イオン界面活性剤としては、例えば、パーフルオルオクチルポリエチレンオキシド、パーフルオルデシルポリエチレンオキシド、パーフルオルドデシルポリエチレンオキシド等が挙げられる。
また、塗布液に発泡剤を添加して多孔質膜として絶縁膜を得てもよい。
1,3−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)アダマンタンを固形分が15重量%になるようにアニソールに溶解した。更に、3−アミノプロピルトリエトキシシランを1,3−ビス(3,5−ジエチニルフェニル)アダマンタン 100重量部に対して、1重量部になるように添加し、0.2μm PTFEフィルターでろ過し、塗布液を調整した。
得られた塗布液を4インチシリコンウェハーに回転数2000rpmでスピンコートした後、150℃で1分間プリベークを行い、窒素雰囲気下、400℃で30分間加熱処理を行った。得られた絶縁膜の比誘電率を水銀プローブ法(日本エス・エス・エム SSM495)で測定した。
密着性はセバスチャン試験(Quard Group製V型)で測定した。結果を表1に示す。
実施例1の3−アミノプロピルトリエトキシシランをビニルトリエトキシシランに変更した以外は実施例1と同等の操作を行った。結果を表1に示す。
実施例1の3−アミノプロピルトリエトキシシランを添加しない以外は実施例1と同等の操作を行った。結果を表1に示す。
Claims (14)
- 以下の成分(A)および(B)を含有する塗布液であって、塗布液中の水分含量が1重量%以下である絶縁膜形成用塗布液。
成分(A):非極性であり、かつ分子内に炭素−炭素二重結合を2個以上有するか、炭素−炭素三重結合を2個以上有するか、もしくは炭素−炭素二重結合を少なくとも1個と炭素−炭素三重結合を少なくとも1個有する熱反応性化合物、または該熱反応性化合物を重合して得られるポリマー。
成分(B):以下の式(1)〜(3)で示されるシラン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物。
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、または炭素原子数6〜20のアリール基を表わし、R3は炭素原子数1〜4のアルキル基、または炭素原子数6〜20のアリール基を表わし、R4は炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアシル基、または炭素原子数6〜20のアリール基を表わし、Xは2価の基を表わし、nおよびmはそれぞれ1〜3の整数を表わし、n+mは4以下である。)
(式中、R3、R4、X、nおよびmはそれぞれ前記と同じ意味を表わし、R5およびR6は水素原子または1価の有機基を表わす。但し、R5とR6とは同時に水素原子となることはない。)
(式中、R3、R4、X、nおよびmはそれぞれ前記と同じ意味を表わし、R7は炭素原子数3〜8のアルキレン基を表わす。) - 成分(B)が、2−アミノエチルトリメトキシシラン、2−アミノエチルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノエチルトリアセトキシシラン、または3−アミノプロピルトリアセトキシシランである請求項1記載の塗布液。
- 式(5)または式(6)で示される化合物が、大気圧下における沸点が250℃以下の化合物である請求項4記載の塗布液。
- 式(5)または式(6)で示される化合物が、メチルエチルケトン、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、およびアセチルアセトンからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項4記載の塗布液。
- 成分(B)の割合が、成分(A)100重量部に対して0.01〜10重量部である請求項1〜6のいずれかに記載の塗布液。
- 成分(A)が、アダマンタン骨格を有する熱反応性化合物、または該熱反応性化合物を重合して得られるポリマーである請求項1〜7のいずれかに記載の塗布液。
- 成分(A)が、式(7)で示される化合物、または該化合物を重合して得られるポリマーである請求項1〜7のいずれかに記載の塗布液。
(式中、Arは芳香環を有する基を表わし、R8は式(8)または式(9)で示される基を表わし、xは1〜3の整数を表わし、xが2以上の場合、複数のR8は互いに同一でも異なっていてもよく、yは1〜3の整数を表わし、yが2以上の場合、複数のArおよび複数のR8はそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、x×yは2〜9の整数を表わす。)
(式中、Q1〜Q3はそれぞれ独立に水素原子または炭素原子数1〜20の炭化水素基を表わす。)
(式中、Q4は水素原子または炭素原子数1〜20の炭化水素基を表わす。) - 式(7)で示される化合物が、Arがアダマンタン骨格のメチン基に結合した化合物である請求項9記載の塗布液。
- R8がエチニル基またはフェニルエチニル基である請求項9または10記載の塗布液。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の塗布液を基板に塗布し、空気中、大気圧下、80〜250℃でベーク処理を行った後、250〜400℃で熱硬化処理をする絶縁膜の製造方法。
- 請求項13記載の製造方法により得られる絶縁膜。
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