JP2004305815A - シアン汚染土壌又はシアン汚染廃棄物の処理方法 - Google Patents

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Hiroshi Matsutani
浩 松谷
Sayumi Uchimura
彩友美 内村
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Abstract

【課題】シアン汚染土壌又はシアン汚染廃棄物から効率的にシアンを除去して浄化する。
【解決手段】シアン汚染土壌又はシアン汚染廃棄物にpH9以上の水溶液を接触させた後、溶出したシアン含有水を別途処理する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シアン汚染土壌又はシアン汚染廃棄物からシアンを速やかに溶出させることにより、シアンを効率的に除去してシアン汚染土壌又はシアン汚染廃棄物を浄化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シアン化合物はメッキ工場等で広く使用され、また、選鉱精錬所、コークス製造工場等からも排出される場合がある。そのため、管理が適切でない場合や事故等により、これらの設備の周辺の土壌がシアンに汚染されることがある。特に、汚染が帯水層まで到達すると、地下水を汚染することとなり、地下水を飲用等に使用している場合は大きな問題となる。
【0003】
水中のシアンは酸化剤等の使用により比較的容易に分解させることが可能であるが、土壌や廃棄物中に含有されるシアンの分解は容易ではない。従来、シアン汚染土壌の処理方法としては、シアン汚染帯域の土壌を掘削して汚染土壌を処分場に搬出し、その後に清浄土壌を埋め戻す方法が一般的であるが、この方法では、土壌の掘削、搬出、埋め戻しに多大な労力とコストがかかる。また、現場での処理方法として、汚染土壌に鉄塩などを加えて不溶性の塩を生成させてシアンを不溶化したり、汚染土壌にセメント等の固化剤を加えて固化したり、汚染土壌に通電して発熱させ、ガラス状に固化させる等の手法が採用される場合もあるが、いずれの方法も土壌中にシアンを残したままにするものであり、長期的な安定性の面では不安を残すものである。シアン汚染廃棄物についても状況は同様である。
【0004】
このようなことから、シアン汚染土壌又はシアン汚染廃棄物から効率的にシアンを除去して浄化する方法の開発が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、シアン汚染土壌又はシアン汚染廃棄物から効率的にシアンを除去して浄化する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1のシアン汚染土壌又はシアン汚染廃棄物の処理方法は、シアン汚染土壌又はシアン汚染廃棄物にpH9以上の水溶液を接触させた後、溶出したシアン含有水を別途処理することを特徴とする。
【0007】
シアン汚染土壌又はシアン汚染廃棄物に含まれるシアンは、多くの場合、土壌や廃棄物中の鉄イオン等の金属イオンと結合して不溶性のシアン錯体として存在しているため、通常の条件では、これを容易に溶出させることができない。しかし、シアン汚染土壌又はシアン汚染廃棄物にpH9以上のアルカリ性水溶液を接触させると、これらの媒体中に存在する不溶性のシアン錯体が水中に容易に溶出してくる。これは、pH9以上のアルカリ条件であると、シアン錯体が不安定となり、下記反応式に示すように錯体が分解して水中に容易に溶出するようになることによるものと考えられる。
【0008】
【化1】
Figure 2004305815
【0009】
本発明では、アルカリ性水溶液によるこのような溶出作用により、シアン汚染土壌又はシアン汚染廃棄物中のシアンを速やかに水中に溶出させて除去することができる。
【0010】
請求項3のシアン汚染土壌の処理方法は、シアン汚染土壌に含まれるシアンを地下水中に溶出させ、溶出したシアンを含む地下水を揚水井戸で揚水するシアン汚染土壌の処理方法であって、土壌中の帯水層に固体のアルカリ性物質を埋設し、該アルカリ性物質埋設帯域及びシアン汚染土壌帯域を順次通過した地下水を揚水することを特徴とする。
【0011】
この方法であっても、固体のアルカリ性物質の埋設帯域を通過したアルカリ性の地下水が、シアン汚染土壌帯域を通過することにより、このシアン汚染土壌帯域に含まれるシアンを地下水側に効率的に溶出させて除去することができる。
【0012】
このようにして溶出させたシアンを含む水は、公知のシアン含有廃水の処理方法により容易に処理することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のシアン汚染土壌又はシアン汚染廃棄物の処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
本発明のシアン汚染土壌又はシアン汚染廃棄物の処理方法は、シアン汚染土壌又はシアン汚染廃棄物にpH9以上のアルカリ性水溶液を接触させて、シアンを溶出させて除去するものである。シアン汚染土壌又はシアン汚染廃棄物に接触させる水溶液のpHが9未満では、シアンを効率的に溶出させることができない。この水溶液のpHは過度に高いと作業上好ましくないため、pH9〜11程度のアルカリ性水溶液を用いることが好ましい。
【0015】
pH9以上のアルカリ性水溶液にシアン汚染土壌又はシアン汚染廃棄物を接触させる方法としては、特に制限はないが、例えばシアン汚染土壌であれば、次のような方法を採用することができる。
【0016】
▲1▼ 掘削したシアン汚染土壌をpH9以上の水溶液と共に洗浄槽に入れて攪拌する。その後、固液分離を行い、清浄土壌と溶出したシアンを含む水溶液とに分離する。
▲2▼ 土壌調査により汚染された部分を特定し、この部分を矢板等の遮水壁で囲う。この遮水壁内に注入井戸と揚水井戸を掘孔する。注入井戸からpH9以上のアルカリ性水溶液を注入し、汚染土壌と水溶液を接触させる。この水溶液の注入後或いは水溶液を注入しながら揚水井戸から揚水し、汚染土壌と接触することにより、土壌から溶出したシアンを含む水溶液を回収する。
▲3▼ 固体のアルカリ性物質を土壌中の帯水層に埋め込むと共に、揚水井戸を設け、固体のアルカリ性物質と接触してpH9以上のアルカリ性となった地下水をシアン汚染土壌に通過させた後、揚水井戸から揚水する。この場合においても、上記▲2▼と同様に、汚染土壌中のシアンを地下水中に溶出させ、これを揚水して回収することができる。この場合、固体のアルカリ性物質の埋設部の透水性が問題となるので、固体のアルカリ性物質は平均粒径0.1〜4mm程度の粒状のものを用いるのが好ましい。また、透水性を確保するために砂やレキと粒状固体のアルカリ性物質とを混合して埋設しても良い。
【0017】
シアン汚染廃棄物についても上記▲1▼〜▲3▼と同様の方法で処理することができる。
【0018】
上記▲1▼,▲2▼の方法において、pH9以上のアルカリ性水溶液を調製するためのアルカリ剤としては、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸1水素2ナトリウム等のアルカリ剤の1種又は2種以上を用いることができるが、適度なpHのアルカリ性水溶液を調製するためには、炭酸水素塩、炭酸塩、水酸化カルシウムを用いることが好ましい。例えば、炭酸ナトリウムであれば濃度0.1〜10重量%に溶解させれば良い。また、炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの混合物を上記の濃度で溶解させても良い。更に、水酸化カルシウムの飽和水溶液又は飽和水溶液を適当に希釈して調製しても良い。なお、水酸化カルシウムの場合は常温で飽和水溶液を調製すると約0.15重量%の濃度になる。更に、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを使用することも可能であるが、上記の濃度ではpHが高くなりすぎて取り扱い上の危険を生じる。また、上記範囲よりも希薄な濃度で使用すると土壌や廃棄物と混合したときに速やかにpHが低下し、シアンの溶出効果が十分に発揮されない場合がある。
【0019】
また、上記▲3▼の方法において、固体のアルカリ性物質としては、水酸化カルシウム等を用いることができる。
【0020】
シアン汚染土壌又はシアン汚染廃棄物にpH9以上のアルカリ性水溶液を接触させて得られたシアン含有水は、公知のシアン含有廃水の処理方法を適用して容易に処理することができる。例えば、塩素を用いたアルカリ酸化分解法や、pHを弱酸性として鉄塩を添加し、不溶性錯体を形成させて沈殿させ、これを固液分離する方法などを採用することができる。
【0021】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0022】
実施例1〜6、比較例1
メッキ工場の敷地から採取したシアン汚染土壌を風乾し、2mm以下にふるい分けした。この土壌試料8gと、表1に示すアルカリ剤を含む水溶液(ただし、比較例1では純水)40mlをプラスチック製の50mlのフタ付き遠心管に入れ、200rpmの条件で6時間振盪した。振盪終了後、遠心分離機にかけその上澄液を0.45μmのフィルターで濾過し、濾液中の全シアン濃度を測定した。この測定結果から予め測定した汚染土壌中の全シアン含有量(50mg/kg)に対するシアン化合物の溶出量の割合(除去率)を求め、結果を表1に示した。
【0023】
【表1】
Figure 2004305815
【0024】
表1より、pH9以上のアルカリ性水溶液により、土壌中のシアンを容易に溶出させて除去することができることがわかる。
【0025】
実施例7、比較例2
実施例1で処理したものと同じシアン汚染土壌を用いて次のようなカラム通水試験を実施した。
【0026】
実施例7では、3cmφ×10cmのアクリル製カラムの底部に砂20gと水酸化カルシウム(平均粒径2mm)6.25gの混合物を入れ、その上部に汚染土壌50gを充填した。次に、カラム下部より50mL/dayの流量で純水を通水した。
【0027】
比較例2では、同一形状のカラムに水酸化カルシウムを使用しないで砂と土壌のみを充填したこと以外は上記と同様の条件で通水した。
【0028】
図1に通水BVとカラム流出水のシアン濃度との関係を示す。図1より明らかなように、水酸化カルシウムを用いた実施例7では、通水初期にカラム流出水のシアン濃度が上昇し、その後急激に低下する。一方、水酸化カルシウムを使用しなかった比較例2では、環境基準値以上のシアンが長期にわたり溶出し続けた。即ち、実施例7では、水酸化カルシウムを混合した砂層を流通することによりアルカリ性となった水が汚染土壌に通水されることにより、汚染土壌中のシアンの溶出が加速され、通水初期の段階で土壌中のシアンの殆どが溶出除去されたが、比較例2では、このような溶出作用はないために、長期にわたり、少量のシアンが溶出し続けた。
【0029】
この結果から、本発明の方法によれば、帯水層にシアン汚染が広がっている場合であっても、単純な揚水処理法に比べてシアンの除去速度が大きくなり、処理期間を短縮することができることがわかる。
【0030】
なお、実施例7において、水酸化カルシウムと砂との混合層を通過した水のpHは12〜12.5であった。
【0031】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明のシアン汚染土壌又はシアン汚染廃棄物の処理方法によれば、シアン汚染土壌又はシアン汚染廃棄物から効率的にシアンを除去して浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例7及び比較例2の結果を示すグラフである。

Claims (4)

  1. シアン汚染土壌又はシアン汚染廃棄物にpH9以上の水溶液を接触させた後、溶出したシアン含有水を別途処理することを特徴とするシアン汚染土壌又はシアン汚染廃棄物の処理方法。
  2. 請求項1において、pH9以上の水溶液が炭酸水素塩、炭酸塩及び水酸化カルシウムよりなる群から選ばれる1種又は2種以上を含む水溶液であることを特徴とするシアン汚染土壌又はシアン汚染廃棄物の処理方法。
  3. シアン汚染土壌に含まれるシアンを地下水中に溶出させ、溶出したシアンを含む地下水を揚水井戸で揚水するシアン汚染土壌の処理方法であって、土壌中の帯水層に固体のアルカリ性物質を埋設し、該アルカリ性物質埋設帯域及びシアン汚染土壌帯域を順次通過した地下水を揚水することを特徴とするシアン汚染土壌の処理方法。
  4. 請求項3において、該アルカリ性物質が粒状水酸化カルシウムであることを特徴とするシアン汚染土壌の処理方法。
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