JPH1034124A - 重金属・シアン化合物により汚染された土地の修復方法 - Google Patents

重金属・シアン化合物により汚染された土地の修復方法

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JPH1034124A
JPH1034124A JP8193147A JP19314796A JPH1034124A JP H1034124 A JPH1034124 A JP H1034124A JP 8193147 A JP8193147 A JP 8193147A JP 19314796 A JP19314796 A JP 19314796A JP H1034124 A JPH1034124 A JP H1034124A
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contaminated
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cyanide
solid
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JP8193147A
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Tatsuo Irie
辰男 入江
Tomonori Nagasawa
知紀 長澤
Haruo Ishii
春雄 石井
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Tokyo Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】重金属塩による汚染と共にシアン化合物による
汚染も併存する複合汚染土地の汚染土壌を安価な薬剤を
使用して包括的に浄化し、広い汚染土地を環境基準等に
適合するように修復する方法を提供する。 【解決手段】汚染土地を一定の間隔及び深さごとに分析
し、汚染物質に対応して汚染土壌を区分し、各区分ごと
に汚染物質に対応する薬剤を用いてスラリー状で洗浄す
ることにより薬剤使用量を大幅に低減する。且つ、第一
鉄塩の添加により残存汚染物質を不溶化し、残存汚染物
質の溶出を環境基準以下に抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重金属や重金属化
合物等(以下、重金属塩と総称する。)及びシアン化合
物により汚染された土地の汚染土壌を薬剤により化学的
に浄化して、複合汚染された土地を経済的に修復する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】有害物質により汚染された土壌を浄化し
て、汚染土地を環境基準に適合するように修復すること
が跡地利用のための大きな社会的ニーズになっている。
従来、化学的浄化の方法として、汚染土地を不透水性シ
ートや鋼矢板等で隔離し、この隔離された土地に薬剤を
散布し、滲出液を土壌外に排出させることにより無害化
処理する方法が提案されている。例えば、特公昭58-352
34号公報には、重金属塩で汚染された土地の周囲及び底
部を不透水性シートにより隔離し、この地面に硫酸、硫
黄、石膏等の処理剤を散布し、汚染物質を可溶化し、洗
浄し、排出した洗浄水から汚染物質を沈殿等により除去
して土壌を浄化する技術が開示されている。
【0003】また特公昭58-29111号公報には、重金属で
汚染された土地の底部にアスファルト等の遮断層を設
け、此処の土壌内部又は底部に空気導入管を設置し、空
気を送入して重金属化合物を空気酸化により可溶化し、
酸性水溶液を土地表面から散布して汚染物質を溶出し除
去する技術が開示されている。
【0004】更に、特開平4-225886号公報には、汚染土
地を掘削し、穴の底部を遮水性シートで覆い、穴内に水
汲み上げ用パイプを配設し、掘り上げておいた汚染土壌
を埋め戻し、その表面から洗浄水を散布し、汚染物質を
溶出した洗浄水を水汲み上げ用パイプにより汲み上げて
汚染物質を除去する技術が開示されている。
【0005】しかし、上記いずれの方法も土地に薬剤を
散布する処理方法であるため、汚染物質をむら無く除去
することは困難である。特に処理に適切な薬剤が全く異
なる汚染物質が併存している場合には、汚染物質の残存
含有率や溶出濃度を規制する環境基準や地方自治体の土
壌処理基準がますます厳しくなる中で、上記の方法では
環境基準等を充分に満足することは困難である。
【0006】他の方法として、従来から汚染土壌を採掘
し、これを水や薬剤と共に攪拌槽に入れてスラリー状に
混合し、汚染物質を抽出し、分離し、除去する方法が提
案されている。例えば、特開昭52-72368号公報には、掘
削した土壌を空気攪拌装置を備えた攪拌槽中で水、酸、
キレート剤と共にスラリー状に混合し、汚染物質を水溶
液として分離し、アルカリ、フミン酸等により汚染物質
を沈殿させ除去する方法が開示されている。この方法
は、汚染物質を所定水準まで均一に除去できる点で優れ
ているが、浄化に用いる薬剤であるキレート剤が高価で
あり、広い汚染土地の修復には、実用上不向きである。
【0007】この点を改善するため、特開平4-263874号
公報には、重金属塩により汚染された土壌をキレート剤
であるEDTA(エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム)に
より洗浄した洗浄液を分離し、重金属不溶化剤を洗浄液
に加えて重金属塩を沈殿分離することによりEDTAを再生
させ、循環使用する方法が開示されている。しかしこの
方法でも、上記処理中に損失するEDTAの補給が必要であ
り、より安価な薬剤による浄化方法が望まれていた。
【0008】また、特表平7-507960号公報には、Pb等
の重金属塩を含む汚染土壌を水酸化ナトリウム水溶液等
のアルカリによりスラリー化して浸出させ、浸出液に含
まれる金属イオンをZn金属との酸化還元反応により金
属として沈殿させるというセメンテーション操作を行う
湿式精錬を利用して除去する方法が開示されている。し
かし、この方法では処理剤として金属亜鉛粉末が必要で
あり、また浄化設備も浸出装置、セメンテーション装
置、電気分解装置、洗浄及び分離装置などが必要であ
る。汚染土壌を環境基準等に適合するように浄化するた
め、上記のようなスラリー法を更に改良し実用的な浄化
法を確立することが望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、重金
属塩による汚染と共にシアン化合物による汚染も併存す
る言わば複合汚染された土地の汚染土壌を、安価な薬剤
を使用する実用的かつ簡易な改良スラリー法により包括
的に浄化して、広い汚染土地を環境基準等に適合するよ
うに修復する方法を提供することを課題とするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、広い汚染
土地を一定の間隔及び深さごとに分析することによっ
て、汚染物質に対応して汚染土壌を区分し、夫々の区分
ごとに土壌中の不溶性汚染物質に対応する薬剤を用いて
化学的に汚染物質を可溶化すれば、薬剤使用量を大幅に
低減できることに着目した。更に、こうして汚染物質を
水溶液として浸出した後、なおも土壌に残る微量の汚染
物質を少量の第一鉄塩のみの添加により不溶化すること
により、浄化処理後の土壌からの汚染物質の溶出を著し
く抑制できるという事実に着目した。そしてこれ等に関
係する単位操作を合理的に組み立てることにより、複合
汚染された土地の汚染土壌を環境基準等に適合するよう
に包括的に浄化するプロセスを創出し、上記課題を解決
した。
【0011】すなわち本発明は、重金属塩(ア)及び、
又はシアン化合物(イ)により汚染された土壌が併存す
る土地の汚染土壌を鉱酸又は無機アルカリを用いてスラ
リー法により浄化するに際し、 (1)予め汚染土壌を分析して、重金属塩(ア)のみに
て汚染された土壌A、シアン化合物(イ)のみにて汚染
された土壌B、重金属塩(ア)及びシアン化合物(イ)
の両者にて汚染された土壌Cに区分する (2)上記土壌Aは希薄鉱酸と常温乃至加温下に混合し
て重金属を抽出した後、固液分離し、土壌を中和する (3)上記土壌Bは希薄無機アルカリと常温乃至加温下
に混合してシアン化合物を抽出した後、固液分離し、土
壌を中和する (4)上記土壌Cは逐次、希薄無機アルカリと常温乃至
加温下に混合してシアン化合物を抽出し固液分離する操
作、また希薄鉱酸と常温乃至加温下に混合して重金属を
抽出し固液分離する操作を順序に構わず行った後、中和
する (5)上記中和後の各土壌に第一鉄塩を添加する、こと
を特徴とする汚染土地の修復方法の発明である。
【0012】本発明の方法は、修復の対象とする土地に
Pbなどの重金属塩(ア)により汚染された土壌Aと共
にプルシアンブルー等のシアン化合物(イ)により汚染
された土壌B、更には重金属塩(ア)及びシアン化合物
(イ)の両者が種々の割合で含有される汚染土壌Cが併
存している土地、即ち異なる種類の汚染物質が局部的に
夫々異なる濃度で不均一に分布している土地を対象と
し、夫々の汚染土壌に適した浄化を行うことにより、全
体として汚染土地を修復する方法である。
【0013】本発明の構成及び代表的な実施形態につい
て以下に詳述する。まず、(1)修復の対象とする土地
を水平方向に一定間隔、例えば10mの碁盤目状に区画
し、また深さ方向に一定間隔、例えば1mごとに区画す
る。こうして得られた夫々の直方体の区画について汚染
物質の分析を行い、各区画単位で土壌を前記の分類基準
に従いA、B、またはCに分類する。
【0014】ここで用いる汚染物質の分析方法は、原子
吸光法、ICP発光分析法、ICP質量分析法、吸光光
度法など、当業界で通常使用されている全ての分析方法
を使用することができる。
【0015】次に汚染土壌を各区画単位で掘削し、上記
の分類に従って集めて夫々A、B及びC土壌区分を作
り、各区分の汚染物質に対応する薬剤及び水と共に混合
装置に投入し、スラリー状に混合する。混合装置として
は通常、攪拌槽を用いるが、管型装置に薬剤と水を流
し、土壌を投入して管内流動中に混合しても良い。
【0016】次に、(2)土壌Aについては、薬剤とし
て鉱酸を使用する。鉱酸の種類としては塩酸、硫酸、硝
酸、燐酸、或いはこれ等の回収廃酸等を例示できる。使
用する鉱酸の濃度は特に制限が無く、実用上0.01−
2mol/l程度の希薄な酸としてスラリー状に混合が
行われれば良い。
【0017】土壌Aを鉱酸及び水と共に攪拌混合し流動
化することによりスラリー状とする際に、鉱酸や水を予
め加温して土壌と混合し又は水蒸気を吹き込みつつ土壌
と混合することによりスラリーの温度を20℃−80℃
に維持すると、図2に示すように温度と共に鉱酸水溶液
への重金属塩の溶出量が増加し、重金属塩の除去率が向
上する。
【0018】混合条件として最適な薬剤の濃度及び温度
は、含有する重金属塩の種類や含有率によって異なるの
で一概に規定することはできない。具体的な薬剤濃度及
び温度は予備実験等によって決定する必要がある。
【0019】土壌Aの単位重量当たり使用する希薄な鉱
酸の割合もまた、含有する重金属塩の種類や含有率によ
って異なるので一概に規定することはできない。実用
上、土壌1tに対して鉱酸は3−4m3 程度使用される
が、具体的な混合割合は予備実験等によって決定する必
要がある。
【0020】攪拌時間もやはり、重金属塩の種類や含有
量、並びに土壌を構成する鉱物の種類や土壌の粒度等に
より異なるので一概に規定することはできないが、実用
上はおおむね0.5−1時間程度である。
【0021】鉱酸、水と土壌の攪拌混合による重金属の
浸出(以下、酸洗浄と略称する。)を終了した後、スラ
リーを固液分離工程へ送り、例えばオリバー型真空濾過
機、液体サイクロン、遠心分離機或いはフィルタープレ
スのような手段により土壌と重金属を溶解した廃酸とに
分離する。廃酸は、沈降槽で土壌微粒子を沈殿させた
後、廃液中和槽へ送られる。
【0022】分離された土壌は、前記攪拌槽又は別の中
和用攪拌槽へ送り、このまま中和処理しても良いが、中
和薬剤の節減のために水と共に再び攪拌して微量の残存
鉱酸を洗い出し除去することが好ましい。このスラリー
状の土壌を再び固液分離工程へ送り、土壌と洗浄廃水と
に分け、洗浄廃水は廃水処理槽へ送る。
【0023】別の簡便法として、固液分離を行う装置に
水平ベルト型真空濾過機を採用する場合は、長いベルト
型濾布の先頭部位に酸洗浄を終了したスラリーを供給し
てベルト型濾布の前半で廃酸を真空吸引し、ベルト型濾
布の中間部位に水を供給して後半で洗浄廃水を真空吸引
することにより、攪拌槽で水洗する工程を省略しても良
い。
【0024】水洗後の土壌は、再び攪拌槽に送り、スラ
リー状に攪拌しつつ少量のアルカリを加えて中和する。
次いでスラリー状の土壌を再び固液分離工程へ送り、中
和廃水を除去した土壌は後処理工程(5)へ送る。
【0025】(3)土壌Bには、薬剤として無機アルカ
リを使用する。無機アルカリとしては生石灰(Ca
O)、消石灰(Ca(OH)2 )、苛性ソーダ(NaO
H)、炭酸ソーダ(Na2 CO3 )、重炭酸ソーダ(N
aHCO3 )、及びこれらの回収廃アルカリ、その他カ
ルサイト(CaCO3 )など有害金属を含有しない塩基
性鉱物等を例示することができる。
【0026】無機アルカリ、水及び土壌の混合によるシ
アン化合物の浸出(以下アルカリ洗浄と略称。)を行う
混合装置は、上記(2)酸洗浄と同様な装置を使用する
ことができ、または同一の混合装置を使用しても良い。
アルカリ洗浄の操作方法も上記(2)と同様である。ア
ルカリ洗浄を終了した土壌Bは、上記(2)と同様な固
液分離機又は同一の固液分離器を使用して廃アルカリの
分離、好ましくは水洗を行い、中和を経て後処理工程
(5)へ送る。
【0027】(4)土壌Cについては、逐次(2)と同
様にして酸洗浄及び固液分離を、また(3)と同様にし
てアルカリ洗浄及び固液分離を行うことにより汚染物質
を溶出させる。この際、酸洗浄とアルカリ洗浄のいずれ
を先に行うかについての順序には特に制限はない。また
各洗浄の後で好ましくは水洗を行う。更に中和処理を経
て該土壌を後処理工程(5)へ送る。
【0028】(5)次いで、上記(2)、(3)、
(4)工程によって汚染物質の洗浄と中和を終了した各
土壌に第一鉄塩を添加すること(以下、後処理工程と略
称)により、酸洗浄及びアルカリ洗浄の後なおも土壌中
に残存する微量重金属塩(ア)及びシアン化合物(イ)
を不溶化する。添加の方法としては、例えば前記(2)
工程と同様又は同一の攪拌槽及び固液分離機を用いて、
水と共に混合した後、廃水を分離する方法、或いは前記
(2)工程で述べた水平ベルト型真空濾過機の後半部分
で中和剤の供給と中和廃水の真空吸引を行った後、更に
ベルト型濾布の末端部に第一鉄塩水溶液を供給し、後処
理廃水を真空吸引する方法、更には土壌をベルトコンベ
アで移動させながら、第一鉄塩水溶液を土壌に散布し、
土壌を野積みしておく間に水分を滲出水として滲出させ
る方法等を挙げることができる。
【0029】第一鉄塩としては、硫酸第一鉄、塩化第一
鉄等を例示することができる。第一鉄塩の添加量は、通
常、土壌1t当たりFe換算で2−3kg程度使用する
が、特に厳密な制限はない。なお、具体的な添加量は予
備実験等によって決定する必要がある。また、第一鉄塩
を水溶液としてコンベアベルト上の土壌に散布する場合
は、まんべんなく散布できる容量になるように水溶液の
濃度を調整することが望ましい。
【0030】後処理により、浄化後の土壌から溶出する
重金属塩の溶出量は顕著に減少する(表1)。第一鉄塩
の作用は、鉄イオンが反応して酸化物、水酸化物を生成
する際に、土壌中の金属陽イオン、例えばPb2+、Hg
2+等の形で残存する微量の重金属塩を沈殿物中に取り込
み、重金属塩が不溶化されるものと考えられる。
【表1】 ────────────────────────────────── 汚染物質 Fe2+添加前 Fe2+添加後 環境基準 ────────────────────────────────── シアン 0.385 0.0092 (0.1)* Cr 0.145 0.0019 0.05 As 0.031 0.0007 0.01 Cd 0.0006 0.0003 0.01 Hg 0.001 0.0001 0.0005 Pb 0.035 0.0024 0.01 ────────────────────────────────── (単位:mg/l) (注)*JIS K 0102による定量下限値(不検出) なお溶出量は、風乾した土壌50gと純水500mlを
混合し、6時間振盪した後、濾過し、濾液について前記
分析方法により測定した。なお、シアンの環境基準値は
JIS K 0102における定量下限値を算出したも
のである。
【0031】また、同じく表1に示すように、後処理は
浄化後の土壌から溶出するシアン化合物の溶出量を著し
く減少させる効果がある。これは、第一鉄塩が土壌中の
シアン錯イオン、例えばフェリシアンイオン、フェロシ
アンイオン等の形で残存する微量のシアン化合物と反応
して難溶性のシアン錯塩を生成し、不溶化されるものと
考えられる。
【0032】後処理を終了した土壌は清浄土壌として直
接埋め戻し、或いは一時堆積させて野積み中に滲出水を
充分に滲出させた後に元の土地の埋め戻し修復、または
他の土地の造成に使用される。
【0033】酸洗浄により生じる廃酸及びアルカリ洗浄
により生じる廃アルカリは、夫々別々に沈降槽または沈
殿池などに一旦貯留され、ここで土壌微粒子を沈降させ
て回収する。回収微粒子は、後処理工程へ入る土壌に加
える。
【0034】微粒子の沈降を終了した廃酸及び廃アルカ
リは、廃液中和槽へ送られ、ここで廃液相互の中和反応
を利用してpH調整を行い、重金属塩及びシアン化合物
を凝集沈殿させ、静置分離させる。静置分離後の廃水
は、廃水処理槽へ送られ、排水基準を満足するように通
常の廃水処理を行った後、河川へ放流され、または当該
汚染土壌浄化設備へ循環され再使用される。
【0035】水洗浄、中和、後処理において夫々発生す
る洗浄水、中和廃水、後処理廃水などは、沈殿池で土壌
微粒子を沈降させた後、廃水処理槽へ導入され、廃水処
理を行った後、放流または再使用される。
【0036】
【実施例】代表的な重金属塩及びシアン化合物につい
て、実施例により本発明の具体的方法を例示する。 [実施例1] 汚染土壌の薬剤洗浄 1.サンプリング 対象土地をボ−リングし、適量の土壌を試料としてサン
プリングした。
【0037】2.事前分析 試料土壌について夫々重金属、シアンの含有量、溶出量
を測定した。重金属については、含有量は土壌を酸分解
して得られた検液を用い、溶出量は環境基準に規定する
方法で得られた検液を用い、分析機器としてICP−M
Sを使用して測定した。またシアンについては、JIS
−K0102に基づいて測定した。 3.土壌の区分 事前分析により汚染が確認されたものを次に記す薬剤洗
浄テストに使用した。ここではPb600ppm含有土
壌を酸洗浄テストに、シアン100ppm含有土壌をア
ルカリ洗浄テストに使用した。 4.分級 試料土壌は、風乾後、網目2mmの篩による篩い下を使
用した。
【0038】5.薬剤洗浄 試料土壌50gをプラスチック容器に入れ、夫々適量
(100−200ml程度)の酸またはアルカリを加
え、ウォーターバス中で加温しながらマグネチックスタ
ーラーにて1−2時間攪拌した。酸には塩酸(0.1−
2mol/l)、アルカリには水酸化ナトリウム水溶液
(0.1−2mol/l)を用いた。
【0039】6.固液分離 遠心分離器にて回転数3000rpmで10分間、遠心
分離した後、メンブランフィルターにて濾過して固液分
離した。 7.水洗 濾過後の土壌に純水500mlを加え、軽く攪拌して水
洗いした後、再び遠心分離、濾過を行った。
【0040】8.中和 分離した土壌に中和剤を加えて中和した。中和剤として
は、酸洗浄土壌には炭酸水素ナトリウムを、アルカリ洗
浄土壌には酢酸を夫々適量加えた。中和後、再び遠心分
離、濾過を行った。 9.風乾 中和後の土壌を風乾し、汚染物質の含有量、溶出量を測
定した。
【0041】10.汚染物質除去率の計算 分析結果のバラツキを補正するため、このテストでは除
去率を次に記す計算式により求めた。
【数1】R = 100L/(L+S) ここで、R :除去率(%) L :洗浄液中の汚染物質量(mg) S :処理後の土壌中の汚染物質量(mg)
【0042】11.薬剤洗浄テスト結果 酸としてHCl1mol/l及び0.8mol/l水溶
液を用い、Pb600ppm含有土壌50gを酸100
mlと混合し、洗浄温度を変えて1時間攪拌して酸洗浄
した結果を図2に示す。また、アルカリとしてNaOH
0.2mol/l及び0.4mol/l水溶液を用い
て、シアン100ppm含有土壌50gをアルカリ10
0mlと混合し、洗浄温度を変えて1.5時間攪拌して
アルカリ洗浄した結果を図3に示す。この結果から、除
去率は洗浄条件により大きく変化するので、対象土壌の
汚染レベルに合わせて適切な条件を設定すれば、最適な
コストで汚染土地の修復が図れることがわかる。
【0043】第一鉄塩による後処理 12.試料土壌 酸洗浄またはアルカリ洗浄により汚染物質の溶出量が増
加した土壌を後処理用の試料土壌として使用した。 13.不溶化剤添加 試料土壌50gに不溶化剤として1%硫酸第一鉄水溶液
15mlを添加し、混合し、そのまま風乾した。
【0044】14.後処理テスト結果 後処理し、風乾した上記土壌50gを純水500mlと
混合し、6時間振盪した後の溶出量を測定した。後処理
する前の土壌の溶出量も測定して比較した結果を表1に
示した。この結果から、溶出量が環境基準値を上回って
いる汚染土壌に対し、適量の第一鉄塩を添加することに
よって、規制対象となっているシアン、重金属の全項目
について環境基準値を満足できることが判る。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、複合汚染土地の小区画
ごとにきめ細かく、夫々の汚染物質の種類と濃度に適し
た薬剤を用いて汚染土壌を薬剤洗浄するので、明らかに
全体として薬剤使用量を節減できる。また、本発明によ
れば薬剤洗浄後も残存する汚染物質を不溶化する後処理
を行っているので、薬剤洗浄を行った場合に問題となる
浄化後の土壌からの残存汚染物質の溶出が著しく低減さ
れ、環境基準等が容易に遵守される。
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を工程系統により示す工程図。
【0047】
【図2】Pb汚染土壌の酸洗浄条件と除去率の関係を示
す図。
【0048】
【図3】シアン汚染土壌のアルカリ洗浄条件と除去率の
関係を示す図。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重金属塩(ア)及び、又はシアン化合物
    (イ)により汚染された土壌が併存する土地の汚染土壌
    を鉱酸又は無機アルカリを用いてスラリー法により浄化
    するに際し、 (1)予め汚染土壌を分析して、重金属塩(ア)のみに
    て汚染された土壌A、シアン化合物(イ)のみにて汚染
    された土壌B、重金属塩(ア)及びシアン化合物(イ)
    の両者にて汚染された土壌Cに区分する (2)上記土壌Aは希薄鉱酸と常温乃至加温下に混合し
    て重金属を抽出した後、固液分離し、土壌を中和する (3)上記土壌Bは希薄無機アルカリと常温乃至加温下
    に混合してシアン化合物を抽出した後、固液分離し、土
    壌を中和する (4)上記土壌Cは逐次、希薄無機アルカリと常温乃至
    加温下に混合してシアン化合物を抽出し固液分離する操
    作、また希薄鉱酸と常温乃至加温下に混合して重金属を
    抽出し固液分離する操作を順序に構わず行った後、中和
    する (5)上記中和後の各土壌に第一鉄塩を添加する、こと
    を特徴とする汚染土地の修復方法。
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Cited By (12)

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