JP2004305116A - 飲食物およびその製造方法 - Google Patents

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真奈美 大石
Hideyuki Sumiyoshi
秀幸 住吉
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Abstract

【課題】不快臭味を有する薬用植物および/かつ水に溶けにくい性質を有するビタミン類の味質、風味、溶解性、安定性を改善したことを特徴とする
【解決手段】薬用植物 および/かつ ビタミン類とシクロデキストリンを包接し、複合体を形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、不快臭味を有する薬用植物、水に溶けにくい性質を有するビタミン類をシクロデキストリンで包接させることにより、その味質、風味、溶解性、安定性を改善したことを特徴とする飲食物またはその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
消費者の健康志向が高まる中、最近ではドラッグストアやコンビニエンスストアなどにおいて、ビタミン剤や各種健康食品素材を配合した健康食品が手ごろな価格で売られている。特に、ビタミン類や生薬、ハーブの様な薬用植物を配合したドリンク剤を始め、様々な機能を謳った健康食品が市場を賑わせている。ビタミン類の溶解性を向上させる技術として、例えば「特願平6−247096」や「特願2000−208261」に記載されている様に、各種の脂肪酸エステル系の界面活性剤を用いる方法が従来より知られている。
【0003】
しかしながら、消費者の自然派志向や健康志向が高まり、化学的に合成された界面活性剤が使用された商品は、消費者に悪い印象を与えることがある。また、薬用植物の味質改善方法として、例えば、「特開2002−363105」に、多価アルコールを用いる方法が記載されている。しかしながら、多価アルコールによる苦味の抑制効果は十分ではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ビタミン類や薬用植物の中には水に溶けにくい性質のものや不快臭味を有するものも多くあり、そのような素材は添加量や利用用途に制限がかかる場合が多く、商品開発の際に、最も大きな問題となっている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
また、製造直後の状態は改善されたとしても、保存中にそれらの素材が劣化したり、沈殿物を発生するなどの問題もあった。
【0006】
これらの問題を解決するため本発明者は鋭意研究を行った結果、シクロデキストリンに包接させることで、薬用植物の不快臭味が十分に防止でき、水に溶けにくいビタミン類の溶解性や安定性を改善できることを見出し本発明を完成した。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる薬用植物とは、揮発臭や苦味、渋み等の不快臭味を有するものであれば特に限定されない。具体的には次のものが挙げられ、これらは1種でも2種以上を組み合せて用いてもよい。アカンボジア、アガリクス(カワリハラタケ、ヒメマツタケ、セイヨウマツタケ)、秋ウコン、アキョウ、アジョワン、アニス、アメリカニンジン、アリウム、アルテミジア、アレクサンダース、アレコスト、アロエ、アンゼリカ、イチョウ葉、イブニングプリムローズ、インヨウカク、ウィンターサボリ、エキナセア、エノキタケ、エリキャンペーン、オウレン、オニオン、オタネニンジン、オレガノ、カイクジン、カウスリップ、柿葉、カシア、ガジュツ、カッコン、カフェイン、ガーデンルー、カモミール、ガラナ、ガーリック、ガルシニア、カルダモン、カレープラント、カンゾウ、キジツ、キョウオウ、キョウニン、キダチアロエ、キャッツクロー、キャットニップ、キャラウェイ、ギョウジャニンニク、グアバ葉、クコヨウ、クジン、グッドキングヘンリー、クマザサ、クミン、グラビオラ、グリーンペッパー、グルコサミン、クローブ、クローブピンク、クロレラ、クロロフィル、ゲニステイン、ケーパー、ケール、ゲンノショウコ、ゲンチアナ、ゴウカイ、コウボク、高麗人参、紅参、コットンティストル、コリアンダー、コンフリー、サイコ、サイシン、サフラン、サボリ、サンシチニンジン、サンシュユ、サラダバーネット、サントリーナ、サンフラワー、サンショウ、ジオウ、シナモン、シベット、シベリアニンジン、シャキヤク、ジャコウ、シャロット、ジュニパーベリー、シリマリン(マリアアザミ)、ジリュウ、ジンジャー、シロマイタケ、スウィートウッドラフ、スウィートシスリー、スウィートジョウパイ、スウィートバイオレット、スウィートバジル、スウィートロケット、スキレット、スターアニス、スピルリナ、セージ、セイヨウオトギリソウ、セイヨウナツユキソウ、セイヨウノコギリソウ、セサミ、セネガ、セロリシード、センキュウ、センナ、センティッドゼラニューム、セントジョーンズワート、センブリ、ソウハクヒ、ソープワート、ソレル、タイム、タクシャ、タヒボ、ターメリック、タラゴン、タンジー、チクセツニンジン、チコリ、チャービル、チンピ、ディル、トウキ、トウニン、トウヒ、トウチュウカソウ、ドクダミ、トチバニンジン、トチュウ、トチュウ葉、ナツメグ、ナメコ、ニガウリ、ニンニク、ノコギリヤシ、ハウスリーク、バジル、パセリ、ハタケシメジ、ハブ、バーベイン、バームオブギリアド、バレリアン、ハンピ、ヒソップ、ヒラタケ、ピレスラム、ピンクペッパー、フィーバーフュー、フェネグリーク、フェンネル、ブナシメジ、ブラックペッパー、プリムローズ、ブルーポピー、フレンチマリーゴールド、ベルガモット、ホアハウンド、ボウイ、ホースラディッシュ、ホップ、ポピー、ポリジ、ホワイトペッパー、ホワイトポピー、マイタケ、マオウ、マシュマロウ、マジョラム、マスタード、マッシュルーム、マートル、マリーゴールド、マレイン、ミント、ムイラブアマ、メース、メリロット、モクツウ、モズク、モッコウ、ヤマブシタケ、ヨモギ、ラフマ茶、ラベンダー、ローヤルゼリー、ロクジョウ、緑茶抽出物、レディースマントル、レッドペッパー、レモンバーベナ、レモンバーム、ローズ、ローズマリー、ローレル、ロベッジ、ワイルドストロベリー、ワイルドセロリ、霊芝等が挙げられ、これらの薬用植物は、1種又は2種以上を使用できる。
【0008】
また、本発明で用いる薬用植物は、それらの未乾燥品、乾燥品、粉砕物、抽出物など、形状は特に限定されない。
【0009】
本発明において包接に用いるシクロデキストリンは、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ―シクロデキストリン、それらの混合物、それらを含有する粉飴又はシラップである。上記に挙げたシクロデキストリンで特に好ましいシクロデキストリンは、β−シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリンである。
【0010】
本発明におけるシクロデキストリン包接物を含有させるのに適した食品の例としては、ドリンク剤、錠剤、顆粒、飲料、酒類、キャンディー類、チューイングガム、パン、餅、菓子類(アイスクリーム類、シャーベット、あんこ、ようかん、饅頭、ゼリー、ケーキ、カステラ、クッキー、ビスケット、クラッカー)、乳製品(乳飲料、バター、マーガリン、チーズ、ヨーグルト、ホイップクリーム)、水産練り製品(カマボコ、竹輪、揚げ天)、畜肉加工品(ソ−セージ、ハム、サラミ)、果実加工品(ジャム、マーマレード、果実ソース)、調味料(しょうゆ、味噌、ドレッシング、マヨネーズ、ポン酢、めんつゆ等)、麺類(うどん、そば)、嗜好品(漬物、佃煮)、及び畜肉、魚肉、果実の瓶詰、缶詰類等が挙げられる。
【0011】
本発明におけるシクロデキストリン包接物を含有する食品は、上記食品の製造工程において、より高い効果を得るにはシクロデキストリン類とビタミン類、薬用植物の成分を予め包接させたものを添加することが望ましいが、簡便にはシクロデキストリンを原料とともに配合し、基本的には通常と同じ工程を経て製造することでも得ることができる。
【0012】
シクロデキストリン類の効果がより好ましい形で発現させるためには、原料となるビタミン類、薬用植物の形状や、目的とする食品の加工工程に適した方法を採用することが望ましい。シクロデキストリン類と、ビタミン類、薬用植物に含まれる有用成分とを包接させるためには、これら物質が単分子として相互に会合できる環境が必要となる。最も汎用性のある環境としては、シクロデキストリン類とビタミン類、薬用植物が一部、より好ましくは全量溶解している水溶液が望ましい。
【0013】
水は多くの物質を溶解できる優れた溶媒ではあるが、ビタミン類、薬用植物の成分には、水に難溶性または不溶性のものが含まれる場合がある。このような場合には、製造工程の状況に応じて、温水や熱水、水蒸気、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩を用いたアルカリ性水溶液、またはエタノール、グリセリン、プロピレングリコールなどの有機溶媒など、これら1種以上を用いて、よりシクロデキストリン類とビタミン類、薬用植物の成分が溶液として存在できる環境を整えることが望ましい。
【0014】
シクロデキストリン類とビタミン類、薬用植物の成分との包接による複合体化は、化学的な結合を介したものではなく、化学平衡に基づく物理化学的な相互作用による。シクロデキストリン類との包接複合体を、より効率的に製造せしめるためには、その製造工程において、加熱冷却、pH調整、加圧減圧などの物理操作を加えることが望ましい。これらの物理条件は、ビタミン類、薬用植物の成分が揮散または分解しない範囲でおこなうことが望ましい。しかしながら、シクロデキストリン類とビタミン類、薬用植物の成分が包接を行うに十分量溶解している環境では、包接は短時間で完了し、且つ、包接に伴う揮散または分解抑制が働くため、より望ましくは180℃以下、pH14以下、5気圧以下、更に望ましくは、120℃以下、pH12以下、2気圧以下から徐々に冷却、中和、減圧を経て常温、中性、常圧状態に戻す操作、或いは120℃以下、pH14以下、0.1気圧以下から、シクロデキストリン類とビタミン類、薬用植物の成分が包接を行うに十分量溶解している溶液を濃縮する操作を工程に加えることで、包接物製造に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0015】
得られたシクロデキストリン包接物を食品へ含有せしめるには、その製品が完成するまでの工程で、例えば混和、混練、溶解、浸漬、散布、塗布、噴霧等の公知の方法の中から、含有させる食品に応じたものを選択し、使用すればよい。
【0016】
【実施例】
1)秋ウコンの味質改善試験
ウコン末12gを2000mlビーカーに量り取り、純水1500gを加えてよく混合した(0.8%・w/w)。攪拌棒を用いて攪拌しながら、300mlビーカーに250gずつ分注した。糖質を各2.0gで添加し、よく溶解した後、官能評価(パネル:研究所員14名)を行った。
【0017】
官能評価結果(パネル14名/サンプル4種)として、表1は各パネルが付けた、苦みの少ない順位を表にまとめたものである。表1の合計値をもとに、Baskerの検定表を用いて解析した結果を表2に示した。Baskerの検定表より、パネル数14名・サンプル数4種の場合、合計値の差が18以上の時、p=0.05(表中グレーで塗りつぶした。)で有意差があり、22以上の時、p=0.01(表中黒色で塗りつぶした。)で有意差があることがわかる。表2より、▲3▼β−シクロデキストリン添加品は、▲1▼デキストリン添加品と比較してp=0.01で有意に苦みが弱いと言える。
【0018】
【表1】
Figure 2004305116
【0019】
【表2】
Figure 2004305116
【0020】
2)春ウコンの味質改善試験
春ウコン18gを2000mlビーカーに量り取り、純水1500gを加えてよく混合した(1.2%・w/w)。攪拌棒を用いて攪拌しながら、300mlビーカーに250gずつ分注した。糖質を各2.0gで添加し、よく溶解した後、官能評価(パネル:研究所員9名)を行った。官能評価は順位法にて行い、苦みの少ない順に順位を付けさせた。
【0021】
官能評価結果(パネル9名/サンプル4種)として、表3は各パネルが付けた、苦みの少ない順位を表にまとめたものである。表3の合計値をもとに、Baskerの検定表を用いて解析した結果を表4に示した。Baskerの検定表より、パネル数9名・サンプル数4種の場合、合計値の差が15以上の時、p=0.05で有意差があり、17以上の時、p=0.01で有意差があることがわかる。表4より、▲3▼β−シクロデキストリン添加品は、▲1▼デキストリン添加品と比較してp=0.01で有意に苦みが弱いと言える。▲4▼セルデックスG−100添加品は、▲1▼デキストリン添加品と比較して、p=0.05で有意に苦みが弱いと言える。
【0022】
【表3】
Figure 2004305116
【0023】
【表4】
Figure 2004305116
【0024】
3)ガジュツ(紫ウコン)の味質改善試験
ガジュツ末6gを2000mlビーカーに量り取り、純水1500gを加えてよく混合した(0.4%・w/w)。攪拌棒を用いて攪拌しながら、300mlビーカーに250gずつ分注した。糖質を各2.0gで添加し、よく溶解した後、官能評価(パネル:研究所員10名)を行った。官能評価は順位法にて行い、苦みの少ない順に順位を付けさせた。
【0025】
官能評価結果(パネル9名/サンプル4種)として、表5は各パネルが付けた、苦みの少ない順位を表にまとめたものである。表5の合計値をもとに、Baskerの検定表を用いて解析した結果を表7に示した。Baskerの検定表より、パネル数9名・サンプル数4種の場合、合計値の差が15以上の時、p=0.05で有意差があり、17以上の時、p=0.01で有意差があることがわかる。表6より、▲3▼β−シクロデキストリン及び▲4▼γ−シクロデキストリン添加品は、▲1▼デキストリン添加品と比較してp=0.01で有意に苦みが弱いと言える。
【0026】
【表5】
Figure 2004305116
【0027】
【表6】
Figure 2004305116
【0028】
4)高麗人参の味質改善試験
高麗人参エキス粉末18gを2000mlビーカーに量り取り、純水1500gを加えてよく混合した(1.2%・w/w)後、300mlビーカーに250gずつ分注した。糖質を各2.0gで添加し、よく溶解した後、官能評価(パネル:研究所員5名)を行った。官能評価は順位法にて行い、苦みの少ない順に順位を付けさせた。
【0029】
官能評価結果(パネル5名/サンプル4種)として、表7はパネルが付けた、苦みの少ない順位を表にまとめたものである。表7の合計値をもとに、Baskerの検定表を用いて解析した結果を表8に示した。Baskerの検定表より、パネル数5名・サンプル数4種の場合、合計値の差が11以上の時、p=0.05で有意差があり、13以上の時、p=0.01で有意差があることがわかる。表8より、▲3▼β−シクロデキストリン添加品は、▲1▼デキストリン添加品と比較してp=0.01で有意に苦みが弱いと言える。
【0030】
【表7】
Figure 2004305116
【0031】
【表8】
Figure 2004305116
【0032】
5)霊芝の味質改善試験
霊芝エキス顆粒3.6gを2000mlビーカーに量り取り、純水1200gを加えてよく混合した(0.3%・w/w)後、300mlビーカーに250gずつ分注した。糖質を各2.25gで添加し、よく溶解した後、官能評価を行った。官能評価は順位法(パネル:研究所員9名)にて行い、苦みの少ない順に順位を付けさせた。
【0033】
官能評価結果(パネル10名/サンプル5種)として、表9は各パネルが付けた、苦みの少ない順位を表にまとめたものである。表9の合計値をもとに、Baskerの検定表を用いて解析した結果を表10に示した。Baskerの検定表より、パネル数10名・サンプル数5種の場合、合計値の差が20以上の時、p=0.05で有意差があり、23以上の時、p=0.01で有意差があることがわかる。表10より、▲3▼β−シクロデキストリン添加品は、▲1▼デキストリン添加品と比較してp=0.01で有意に苦みが弱いと言える。
【0034】
【表9】
Figure 2004305116
【0035】
【表10】
Figure 2004305116
【0036】
6)イチョウ葉の味質改善試験
イチョウの粉18gを2000mlビーカーに量り取り、純水1500gを加えてよく混合した(1.2%・w/w)。攪拌棒を用いて攪拌しながら、300mlビーカーに250gずつ分注した。糖質を各2.0gで添加し、よく溶解した後、官能評価を行った。官能評価は順位法(パネル:研究所員9名)にて行い、苦みの少ない順に順位を付けさせた。
【0037】
官能評価結果(パネル9名/サンプル4種)として、表11は各パネルが付けた、苦みの少ない順位を表にまとめたものである。表11の合計値をもとに、Baskerの検定表を用いて解析した結果を表12に示した。Baskerの検定表より、パネル数名9名・サンプル数4種の場合、合計値の差が15以上の時、p=0.05で有意差があり、17以上の時、p=0.01で有意差があることがわかる。表12より、▲3▼β−シクロデキストリン及び▲4▼γ−シクロデキストリン添加品は、▲1▼デキストリン添加品と比較してp=0.01で有意に苦みが弱いと言える。
【0038】
【表11】
Figure 2004305116
【0039】
【表12】
Figure 2004305116
【0040】
7)リボフラビン(ビタミンB2)の可溶化試験
各種CDの2%(w/v)水溶液を、100ml容メスフラスコを用いて調製した。この溶液を0%から2%までの6段階に希釈し、密栓できる10ml容ガラス試験管にそれぞれ5mlずつ分注した。この中に約10mgのリボフラビンを加え、20分間超音波処理を行なった後、サンプルをアルミホイルで遮光し、バイオシェイカーにて振盪しながら7日間放置した(25℃/155rpm)。7日間放置後、0.45μmメンブランフィルターにてろ過した液を5倍に希釈し、分光光度計にて測定を行なった。検量線用試料として、5.15mg/100mlのリボフラビン水溶液を用いた。リボフラビンの定量計算は、444nm付近のピーク吸光度を用いた。本試験では、α−CD、β−CD、γ−CD、HP−β−CD、HB−β−CD、β−CDポリマーの6種のCDを用いた。
【0041】
ビタミンB2の溶解度相図におけるリボフラビンの可溶化試験結果を、図1に示した。図1より、無添加(CD濃度0%)と比較して、シクロデキストリンを添加することでリボフラビンの溶解性が向上した。リボフラビンの可溶化効果は、β−CD、HB−β−CD、HP−β−CD、β−CDポリマー、α−CD、γ−CDの順に高かった。
【0042】
8)ヘスペリジン(ビタミンP)の可溶化試験
各種CDの2%(w/v)水溶液を、100ml容メスフラスコを用いて調製した。この溶液を0%から2%までの6段階に希釈し、密栓できる10ml容ガラス試験管にそれぞれ5mlずつ分注した。この中に約10mgのヘスペリジンを加え、20分間超音波処理を行なった後、サンプルをアルミホイルで遮光し、バイオシェイカーにて振盪しながら7日間放置した(25℃/155rpm)。7日間放置後、0.45μmメンブランフィルターにてろ過した液を3倍に希釈し、分光光度計にて測定を行なった。検量線用試料として、2mg/100mlのヘスペリジン水溶液を用いた。ヘスペリジンの定量計算は、284nm付近のピーク吸光度を用いた。本試験では、α−CD、β−CD、γ−CD、HP−β−CDの4種のCDを用いた。
【0043】
ヘスペリジンの溶解度相図におけるヘスペリジンの可溶化試験結果を、図2に示した。図2より、無添加(CD濃度0%)と比較して、シクロデキストリンを添加することでヘスペリジンの溶解性が向上した。ヘスペリジンの可溶化効果は、HP−β−CD、β−CD、γ−CD、α−CDの順に高かった。
【0044】
9)2−メチル−1,4−ナフトキノン(ビタミンK3)の可溶化試験
各種CDの2%(w/v)水溶液を、100ml容メスフラスコを用いて調製した。この溶液を0%から2%までの6段階に希釈し、密栓できる10ml容ガラス試験管にそれぞれ5mlずつ分注した。この中に約10mgの2−メチル−1,4−ナフトキノンを加え、20分間超音波処理を行なった後、サンプルをアルミホイルで遮光し、バイオシェイカーにて振盪しながら7日間放置した(25℃/155rpm)。7日間放置後、0.45μmメンブランフィルターにてろ過した液を5倍に希釈し、分光光度計にて測定を行なった。検量線用試料として、1.16mg/100mlの2−メチル−1,4−ナフトキノン水溶液を用いた。2−メチル−1,4−ナフトキノンの定量計算は、250nm付近のピーク吸光度を用いた。本試験では、α−CD、β−CD、γ−CD、HP−β−CD、HB−β−CD、β−CDポリマーの6種のCDを用いた。
【0045】
2−メチル−1,4−ナフトキノン(ビタミンK3)の溶解度相図における2−メチル−1,4−ナフトキノンの可溶化試験結果を、図3に示した。図3より、無添加(CD濃度0%)と比較して、シクロデキストリン(γ−CD以外)を添加することで2−メチル−1,4−ナフトキノンの溶解性が向上した。2−メチル−1,4−ナフトキノンの可溶化効果は、HB−β−CD、β−CD、HP−β−CD、β−CDポリマー、α−CDの順に高かった。γ−CDは、2−メチル−1,4−ナフトキノンの可溶化効果がなかった。
【0046】
10)葉酸(ビタミンM) の可溶化試験
各種CDの2%(w/v)水溶液を、100ml容メスフラスコを用いて調製した。この溶液を0%から2%までの6段階に希釈し、密栓できる10ml容ガラス試験管にそれぞれ5mlずつ分注した。この中に約10mgの葉酸を加え、20分間超音波処理を行なった後、サンプルをアルミホイルで遮光し、バイオシェイカーにて振盪しながら7日間放置した(25℃/155rpm)。7日間放置後、0.45μmメンブランフィルターにてろ過した液を5倍に希釈し、分光光度計にて測定を行なった。検量線用試料として、1.02mg/100mlの葉酸水溶液を用いた。葉酸の定量計算は、281nm付近のピーク吸光度を用いた。本試験では、α−CD、β−CD、γ−CD、HP−β−CDの4種のCDを用いた。
【0047】
葉酸(ビタミンM)の可溶化試験における葉酸の可溶化試験結果を、図4に示した。図4より、無添加(CD濃度0%)と比較して、シクロデキストリンを添加することで溶解性が向上した。2−メチル−1,4−ナフトキノンの可溶化効果は、β−CD、γ−CD、HP−β−CD、α−CDの順に高かった。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、従来多量の添加が困難であった薬用植物やビタミン類を飲食物に添加を可能にしたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】リボフラビンの可溶化試験結果を示す溶解度相図
【図2】ヘスペリジンの可溶化試験結果を示す溶解度相図
【図3】2−メチル−1,4−ナフトキノン(ビタミンK3)の可溶化試験結果を示す溶解度相図
【図4】葉酸(ビタミンM)の可溶化試験結果を示す溶解度相図

Claims (4)

  1. 薬用植物および/かつ水に溶けにくい性質を有するビタミン類から選ばれる1種又は2種以上とシクロデキストリンとの包接複合体を含有することを特徴とする飲食物
  2. シクロデキストリンと包接させることで、薬用植物の味質又は風味を改善することを特徴する請求項1に記載の飲食物
  3. シクロデキストリンと包接させることで水に溶けにくい性質を有するビタミン類の溶解性または安定性を改善することを特徴する請求項1に記載の飲食物
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の包接物を含有する飲食物の製造方法
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