JP2004301058A - エンジンの可変動弁装置 - Google Patents

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    • F01L13/00Modifications of valve-gear to facilitate reversing, braking, starting, changing compression ratio, or other specific operations
    • F01L13/0015Modifications of valve-gear to facilitate reversing, braking, starting, changing compression ratio, or other specific operations for optimising engine performances by modifying valve lift according to various working parameters, e.g. rotational speed, load, torque
    • F01L13/0063Modifications of valve-gear to facilitate reversing, braking, starting, changing compression ratio, or other specific operations for optimising engine performances by modifying valve lift according to various working parameters, e.g. rotational speed, load, torque by modification of cam contact point by displacing an intermediate lever or wedge-shaped intermediate element, e.g. Tourtelot
    • F01L2013/0073Modifications of valve-gear to facilitate reversing, braking, starting, changing compression ratio, or other specific operations for optimising engine performances by modifying valve lift according to various working parameters, e.g. rotational speed, load, torque by modification of cam contact point by displacing an intermediate lever or wedge-shaped intermediate element, e.g. Tourtelot with an oscillating cam acting on the valve of the "Delphi" type

Abstract

【課題】部品点数を少なくして軽量化と信頼性の向上を図り且つ開弁開始時期を略揃えながら、バルブリフト量を変化させる。
【解決手段】バルブ1,2をリフトさせる揺動カム5と、カムシャフト3の偏心輪6に嵌めた外輪7とをリンク8で連結する一方、該外輪7に規制リンク13を連結して外輪7の変位を規制するようにした可変動弁装置において、リンク8と規制リンク13とは外輪7を中間において連係し、コントロールアーム12で規制リンク13の位置を変更してバルブリフト量を変化させ、且つ小リフト制御時には大リフト制御時よりもカムシャフト3の回転方向手前側の回転角度でバルブリフトのピークが現れるようにする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの可変動弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンの吸排気バルブの開閉時期やバルブリフト量をエンジンの運転状態に応じて変化させることは一般に知られている。そのような可変動弁装置の一例として、カムシャフトに設けた偏心輪に外輪を嵌める一方、該カムシャフトに吸気バルブをリフトさせる揺動カムを揺動自在に支持し、偏心輪の回転に伴う外輪の変位を揺動カムにリンク手段で伝えるようにし、このリンク手段を、外輪に連結したロッカアームと、揺動カムに連結したリンクとによって構成し、ロッカアームの揺動支点と揺動カムの軸心との距離をエンジンの運転状態に応じて変化させるようにしたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この可変動弁装置によれば、エンジン高回転高負荷時にはロッカアームの揺動支点を揺動カム軸心に近づけることにより、バルブ開弁開始時期を早めてバルブリフト量を大きくし、エンジン低回転低負荷時には上記揺動支点を離すことにより、バルブの開弁開始時期を遅らせてバルブリフト量を小さくすることができる。
【0004】
可変動弁装置の他の例として、カムシャフトに支持アームを回動自在に支持し、この支持アーム先端に上記ロッカアームを揺動自在に支持し、エンジン低回転低負荷時には、支持アームを回動させてロッカアームの揺動支点をカムシャフトの軸心周りに変位させることにより、バルブ開弁開始時期を遅らせることなくバルブリフト量を小さくするという試みも知られている(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−107725号公報
【特許文献2】
特開平11−264307号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に記載されているような、エンジン低回転低負荷時にバルブリフト量が小さくなるだけでなく、バルブ開弁開始時期が遅くなる可変動弁装置では、これを吸気バルブに適用した場合、バルブリフト量が小さくなると、排気バルブと吸気バルブとのオーパラップ期間を確保することができなくなる。そのため、燃焼排ガスの排出に不利になり、或いは内部EGR効果を得ることができなくなることや、ポンピングロスも小さくすることができない等の不具合がある。
【0007】
一方、特許文献2に記載されているような、バルブ開弁開始時期を遅らせることなくバルブリフト量を小さくするという試みも、ロッカアームを支持するアーム及びこの支持アームを変位させるアクチュエータが必要となり、部品点数が多くなって可変動弁装置が複雑なものになるとともに、その重量が増大する。
【0008】
そこで、本発明は、部品点数を少なくして軽量化と信頼性を満足させつつ、バルブ開弁開始時期を大きく変化させることなくバルブリフト量を変化させることができるようにすることを課題とする。
【0009】
また、本発明の課題は、バルブリフト量を大きく変化させることができるようにすることにある。
【0010】
また、本発明の課題は、既存のエンジンに対して、エンジンの全高が増大することを抑えつつ且つ大きな設計変更をすることなく、組み込むことができる可変動弁装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような課題に対して、偏心輪と外輪とを用いてバルブリフト用の揺動カムを揺動させるようにした可変動弁装置において、外輪と揺動カムとをリンク機構で連結し、偏心輪の回転に伴う外輪の変位をリンク手段で規制するようにした。
【0012】
すなわち、請求項1にかかる発明は、エンジンのクランク軸に同期して回転する偏心輪を有するカムシャフトと、
上記カムシャフトを軸として揺動するように設けられた、バルブをリフトさせる揺動カムと、
上記偏心輪に回転自在に外嵌めされた外輪と、
上記揺動カムと外輪とを連結し、該外輪の変位を揺動カムに伝達するリンク機構と、
上記外輪に連結され、上記偏心輪の回転に伴う該外輪の変位を、上記リンク機構を介して上記揺動カムが揺動するように規制する規制リンクと、
エンジンの運転状態に応じて上記規制リンクの位置を変更するコントロール部材とを備え、
上記リンク機構と上記規制リンクとは上記外輪を中間において連係し、
上記コントロール部材は、上記揺動カムによる上記バルブのリフト量が変化するように、且つ小リフト制御時には大リフト制御時よりも上記カムシャフトの回転方向手前側の回転角度でバルブリフトのピークが現れるように、上記規制リンクの位置を変更することを特徴とするエンジンの可変動弁装置である。
【0013】
従って、カムシャフトの回転に伴って偏心輪が回転すると、外輪とリンク機構との連結点が規制リンクに規制された所定の軌跡で運動し、この外輪の変位がリンク機構を介して揺動カムに伝わり、該揺動カムが揺動してバルブがリフトする。コントロール部材によって規制リンクの位置を変更すると、それに伴って上記外輪とリンク機構との連結点の運動軌跡が変化して、揺動カムの揺動態様が変化してバルブリフト量が変化する。
【0014】
そうして、上記リンク機構と規制リンクとが上記外輪を中間において連係しているから、コントロール部材によって規制リンクの位置を変えて上記外輪とリンク機構との連結点をカムシャフトの軸心回りに変位させることが容易になり、しかも、規制リンクの位置を大きく変更させて揺動カムによるバルブリフト量を大きく変化させることができ、スロットルレス(スロットルバルブの廃止)を達成することも可能になる。また、バルブリフト量の変更にあたっては、小リフト制御時には大リフト制御時よりも上記カムシャフトの回転方向手前側の回転角度でバルブリフトのピークが現れるように規制リンクの位置を変更させるから、バルブ開弁開始時期自体はバルブリフト量の変更に拘わらず略揃えることが容易になる。
【0015】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のエンジンの可変動弁装置において、上記規制リンクは、上記カムシャフトに平行な軸を中心に回動自在に設けられて上記外輪に連結され、上記偏心輪の回転に伴って該外輪と上記リンク機構との連結点が往復円弧運動をするように該外輪の変位を規制し、
上記コントロール部材は、上記連結点の往復円弧運動位置が上記カムシャフトの軸心回りにおいて周方向に変位するように、上記規制リンクの回動軸の位置を変更することを特徴とする。
【0016】
従って、本発明によれば、外輪とリンク機構との連結点を円弧運動させる構成としたから、規制リンクはカムシャフトに平行な軸を中心に回動自在に設ければよく、該規制リンクの構成が簡単になる。また、コントロール部材によって規制リンクの回動軸の位置を変えることによって上記連結点の円弧運動位置をカムシャフト軸心回りに移動させる構成としたから、小リフト制御時には大リフト制御時よりもカムシャフトの回転方向手前側の回転角度で最大リフト時が現れるようにして、バルブの開弁開始時期を略揃えることができる。そうして、コントロール部材自体も、規制リンクの回動軸の位置を変えるものであるから、その構成が簡単になる。
【0017】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載のエンジンの可変動弁装置において、
上記リンク機構は、上記揺動カムと外輪とを連結する1本のリンクで構成され、該リンク及び上記規制リンクは、各々の一端が上記外輪に回動自在に連結されていることを特徴とする。
【0018】
従って、可変動弁装置の部品点数を少なくして構成を簡単にすることができ、そのコンパクト化及び軽量化に有利になるとともに、リンク連結点が少なくなることから、リンクの拗れを招くことや大きな荷重がかかるリンク連結点を生ずることを避けて可変動弁装置の信頼性の向上を図る上で有利になる。
【0019】
請求項4に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載のエンジンの可変動弁装置において、
上記リンク機構は、上記揺動カムに連結された第1リンクと、上記外輪に連結された第2リンクとによって構成され、該第1リンクと第2リンクとが回動自在に連結されており、
上記第2リンクは上記外輪との連結点よりさらに上記第1リンクとは反対側に延長されて上記コントロール部材に連結されており、該第2リンクの延長部が上記規制リンクを形成していることを特徴とする。
【0020】
従って、可変動弁装置の部品点数を少なくして構成を簡単にすることができ、そのコンパクト化及び軽量化に有利になるとともに、リンク連結点が少なくなることから、リンクの拗れを招くことや大きな荷重がかかるリンク連結点を生ずることを避けて可変動弁装置の信頼性の向上を図る上で有利になる。
【0021】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載のエンジンの可変動弁装置において、上記コントロール部材は、上記カムシャフトに平行な軸を中心に回動するものであり、
上記コントロール部材と上記第2リンクとの連結点と、上記揺動カムと上記第1リンクとの連結点とは、上記第2リンクと上記外輪との連結点を支点として互いに逆方向に移動するように配置されていることを特徴とする。
【0022】
すなわち、揺動カムにはバルブ閉弁方向の付勢力が働いているから、バルブリフト量を変更すべく揺動カムの揺動位置を変更するには比較的大きな力が必要になる。これに対して、本発明の場合は、コントロール部材と揺動カムとは、第2リンクを言わばシーソーとして互いに逆方向に移動する関係にあるから、コントロール部材を動かしたときに揺動カムに対してその揺動方向に働く分力を大きくすることができ、その分、各連結点に作用する荷重が小さくなる。よって、バルブリフト量変更のために必要な駆動力を小さくすることができるとともに、リンク部材の動きが円滑になって信頼性が高くなる。
【0023】
請求項6に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載のエンジンの可変動弁装置において、
上記コントロール部材は、上記カムシャフトに平行な軸を中心に回動するものであり、
上記外輪と上記リンク機構との連結点はカムシャフトの上方に配置され、
上記コントロール部材の回動軸は上記連結点の側方に配置されていることを特徴とする。
【0024】
従って、可変動弁装置全体が嵩高なものにならず、既存のエンジンに対して、エンジンの全高が増大することを抑えつつ且つ大きな設計変更をすることなく、組込む上で有利になる。
【0025】
請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載のエンジンの可変動弁装置において、
上記揺動カムは、直動式タペットに当接していることを特徴とする。
【0026】
従って、既存の直動式タペットを備えたエンジンに対して、エンジンの全高が増大することを抑えつつ且つ大きな設計変更をすることなく、組込む上で有利になる。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に係る発明によれば、バルブをリフトさせる揺動カムと、カムシャフトの偏心輪に嵌めた外輪とをリンク機構で連結する一方、該外輪に規制リンクを連結して外輪の変位を規制するようにした可変動弁装置において、上記リンク機構と規制リンクとは上記外輪を中間において連係し、コントロール部材で規制リンクの位置を変更してバルブリフト量を変化させ、且つ小リフト制御時には大リフト制御時よりも上記カムシャフトの回転方向手前側の回転角度でバルブリフトのピークが現れるようにしたから、部品点数を少なくして軽量化と信頼性を満足させつつ、バルブ開弁開始時期を略揃えて所望のバルブオーバラップ期間を確保しながらバルブリフト量を変更することができ、しかも、バルブリフト量を大きく変化させることができ、スロットルレス(小リフト制御時のポンピングロスの低減と、大リフト制御時の吸気充填効率の向上)を図る上で有利になる。
【0028】
請求項2に係る発明によれば、請求項1において、上記規制リンクによって外輪とリンク機構との連結点を往復円弧運動させる構成とし、上記コントロール部材で規制リンクの回動軸を移動させて当該連結点の往復円弧運動位置をカムシャフト軸心回りに移動させる構成としたから、可変動弁装置の構造を簡単なものになり、そのコンパクト化及び軽量化に有利になる。
【0029】
請求項3に係る発明によれば、請求項1又は請求項2において、上記リンク機構は揺動カムと外輪とを連結する1本のリンクで構成し、該リンク及び上記規制リンク各々の一端を上記外輪に回動自在に連結する構成としたから、可変動弁装置の部品点数を少なくして構成を簡単にすることができ、そのコンパクト化及び軽量化に有利になるとともに、可変動弁装置の信頼性向上に有利になる。
【0030】
請求項4に係る発明によれば、請求項1又は請求項2において、上記リンク機構は揺動カムに連結された第1リンクと、外輪に連結された第2リンクとによって構成し、該第1リンクと第2リンクとを回動自在に連結し、該第2リンクは上記外輪との連結点よりさらに上記第1リンクとは反対側に延長して上記コントロール部材に連結し、該延長部が上記規制リンクを形成している構成としたから、可変動弁装置の部品点数を少なくして構成を簡単にすることができ、そのコンパクト化及び軽量化に有利になるとともに、可変動弁装置の信頼性向上に有利になる。
【0031】
請求項5に係る発明によれば、請求項4において、上記コントロール部材は上記カムシャフトに平行な軸を中心に回動するものとし、このコントロール部材と上記第2リンクとの連結点と、上記揺動カムと上記第1リンクとの連結点とは、上記第2リンクと上記外輪との連結点を支点として互いに逆方向に移動するように配置したから、バルブリフト量変更のために必要な駆動力を小さくすることができるとともに、リンク部材の動きが円滑になって信頼性が高くなる。
【0032】
請求項6に係る発明によれば、請求項1又は請求項2において、上記コントロール部材は上記カムシャフトに平行な軸を中心に回動するものとし、上記外輪とリンク機構との連結点をカムシャフトの上方に配置し、上記コントロール部材の回動軸を上記連結点の側方に配置したから、可変動弁装置全体が嵩高なものにならず、既存のエンジンに対して、エンジンの全高が増大することを抑えつつ且つ大きな設計変更をすることなく、組込む上で有利になる。
【0033】
請求項7に係る発明によれば、請求項1乃至請求項6のいずれか一において、直動式タペットを採用したから、既存の直動式タペットを備えたエンジンに対して、エンジンの全高が増大することを抑えつつ且つ大きな設計変更をすることなく、組込む上で有利になる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0035】
<実施形態1>
図1は本発明に係る可変動弁装置をエンジンの吸気バルブに適用した全体構成を示す。このエンジンは1つの気筒に2つの吸気バルブ1,2と2つの排気バルブ(図示省略)とを有する4バルブのダブルオーバヘッドカム方式を採用したものである。同図において、3はエンジンのクランク軸に同期して回転するカムシャフトである。吸気バルブ1,2の各々はカムシャフト3に揺動自在に支持された揺動カム4,5によって駆動され、バルブリフト量及びバルブタイミングがエンジンの運転状態に応じて変更される。
【0036】
吸気バルブ1,2のリフト量及びタイミングの変更のために、カムシャフト3に複数の偏心輪6が軸方向に間隔を一体に形成され、各偏心輪6に外輪7が回転自在に外嵌めされている。この外輪7と上記揺動カム5とが1本の連結リンク(リンク機構)8によって連結されている。揺動カム4は揺動カム5と一体になって揺動するようにカムシャフト3に支持されている。また、上記カムシャフト3と平行に回動軸11が設けられており、この回動軸11に複数のコントロールアーム(コントロール部材)12が軸方向に間隔をおいて結合されている。各コントロールアーム12と上記外輪7とは、上記偏心輪6の回転に伴う外輪7の変位を上記揺動カム4,5が揺動するように規制する規制リンク13によって連結されている。
【0037】
上記回動軸11には、円周の一部のみに歯が形成されたウォーム歯車14が結合されている。このウォーム歯車14の歯にモータ15で回転駆動されるウォーム16が噛み合っている。そうして、エンジンの運転状態に応じてモータ15を作動させて上記コントロールアーム12を回動させ、上記規制リンク13の位置を変えて吸気バルブ1,2のリフト量及びタイミングを変更させるようになっている。この場合、コントロールアーム12は、エンジン負荷が高くなるほどバルブリフト量が大きくなるように制御される。以下、可変動弁装置について具体的に説明する。
【0038】
図2に示すように、吸気バルブ2のステム上端に直動式タペット21が設けられ、該タペット21に揺動カム5が当接している。吸気バルブ2は、タペット内部に設けられたリテーナ22とシリンダヘッドに設けられたリテーナ23との間に設けられたバルブスプリング24によって吸気ポート25を閉じる方向に付勢されている。吸気バルブ1も吸気バルブ2と同様の構成になっている。
【0039】
連結リンク8は一端が揺動カム5にピン31にて回動自在に連結され、規制リンク13は一端がコントロールアーム12の先端にピン32にて回動自在に連結されている。そうして、この連結リンク8と規制リンク13とは、外輪7を中間において連係している。すなわち、連結リンク8及び規制リンク13の各々の他端は外輪7を一部を外方へ突出させてなる突出部に連結ピン33によって同軸で回動自在に連結されている。ピン31〜33はいずれもカムシャフト3と平行に延びている。
【0040】
外輪7と連結リンク8との連結ピン33はカムシャフト3の上方に配置され、該連結点の側方にコントロールアーム12の回動軸11が配置されている。コントロールアーム12の先端のピン32は規制リンク13の回動中心である。このピン32を回動軸11の下方に配置した図2は、大リフト制御状態である。図3に示すようにコントロールアーム12の回動によってピン32を上方へ移動させてカムシャフト3の上方に位置付けると、小リフト制御状態となる。
【0041】
図2の(a)及び(b)に示すように外輪7の位置は偏心輪6の回転に伴って変化し、揺動カム5が同図(a)に示すように直動式タペット21を介して吸気バルブ2を大きくリフトさせた状態(揺動カム4が直動式タペットを介して吸気バルブ1を大きくリフトさせた状態)と、同図(b)に示すように吸気バルブ2(吸気バルブ1)のリフト量零の状態との間で揺動する。小リフト制御状態である図3の場合も同様である(同図(a)及び(b)参照)。
【0042】
図4に上記可変動弁装置の作動を具体的に示す。なお、コントロールアーム12、連結リンク8及び規制リンク13については直線で表している。また、Cは偏心輪6の中心の回転軌跡である。また、吸気バルブ1と揺動カム4との関係も吸気バルブ2と揺動カム5との関係と同じであり、揺動カム4は揺動カム5と同様に働くので、以下では、吸気バルブ2と揺動カム5との関係で当該可変動弁装置を説明する。
【0043】
まず、揺動カム5の周面には、曲率半径が所定角度範囲一定になっている基円面(ベースサークル区間)θ1と、該θ1に続いて曲率半径が漸次大きくなっているカム面(リフト区間)θ2とが形成されている。カムシャフト3(偏心輪6)の回転方向は図4における時計方向(右回り)に設定されている。図4に実線で示す状態は、コントロールアーム12が大リフト制御位置とされ、外輪7の連結ピン33が最も上方に位置付けられたバルブリフトピーク時である。このときに、揺動カム5はカム面θ2のカムノーズ側の端がタペット21に当接した状態になるように設けられている。
【0044】
図4の実線状態において、偏心輪6が回転すると、それに伴って外輪7が変位するが、その変位は規制リンク13によって規制される。すなわち、規制リンク13は回動軸11の下方に配置されたピン32を中心に回動するから、外輪7の連結ピン33は、偏心輪6が1回転する度に、ピン32を中心として往復円弧運動Aをすることになる(規制リンク13は実線状態と破線状態との間で往復回動する)。
【0045】
上記往復円弧運動Aの方向は、揺動カム5と連結リンク8との連結点(ピン31)の揺動方向と略同じになされている。すなわち、連結ピン33の往復円弧運動Aの両端(実線の連結ピン33と破線の連結ピン33と)を結ぶ弦の方向(以下、この方向を往復円弧運動Aの方向という。)と、揺動カム5の連結ピン31の両揺動端(実線の連結ピン31と破線の連結ピン31と)を結ぶ弦の方向(以下、この方向を揺動カム5の揺動方向という。)とのなす角度が小さくなっている(30度以下)。
【0046】
上記連結ピン33の往復円弧運動Aに伴って、外輪7に連結リンク8で連結された揺動カム5は、実線状態と破線状態との間で揺動運動をする。揺動カム5は破線状態ではその基円面θ1がタペット21に接しており、バルブリフト量は零(吸気バルブ1,2は閉)となる。
【0047】
揺動カム5が図4の実線状態と破線状態との間で揺動するときの吸気バルブ1,2のリフト特性を図5にL1で示す。
【0048】
次にコントロールアーム12を図4に実線で示す状態から回動軸11周りに上方へ回動させて、規制リンク13の回動中心であるピン32を大リフト制御時よりもカムシャフト3の回転方向手前側に位置付けた1点鎖線で示す略水平な状態にすると、小リフト制御状態となる。すなわち、偏心輪6が回転するとき、外輪7の連結ピン33は規制リンク13によって変位が規制され、回動軸11の側方に配置されたピン32を中心として往復円弧運動Bをすることになる(規制リンク13は1点鎖線状態と2点鎖線状態との間で往復回動する)。
【0049】
この小リフト制御時の往復円弧運動Bの位置は大リフト制御時の往復円弧運動Aの位置よりもカムシャフト3の回転方向手前側に位置付けられている。また、往復円弧運動Bの方向(1点鎖線の連結ピン33と2点鎖線の連結ピン33とを結ぶ弦の方向)と往復円弧運動Aの方向とは、45度以上90度以下程度の角度をもって交差している。そのため、往復円弧運動Bの方向は、揺動カム5の揺動方向に対して横向きになっている。すなわち、往復円弧運動Bの方向と揺動カム5の揺動方向とのなす角度が大リフト制御時の場合よりも大きくなっている(45度以上120度以下)。
【0050】
上記連結ピン33の往復円弧運動Bに伴って、外輪7に連結リンク8で連結された揺動カム5は、1点鎖線状態と破線状態との間で揺動運動をする。なお、本例の場合、連結ピン33が往復円弧運動Bによってバルブリフト量零になったときの位置(2点鎖線位置)は、往復円弧運動Aによってバルブリフト量零になったときの位置(破線位置)と略同じであるから、連結ピン33が往復円弧運動Bによって2点鎖線位置に位置付けられたときの揺動カム5の状態は破線状態で代用した。
【0051】
揺動カム5が図4の1点鎖線状態と破線状態との間で揺動するときの吸気バルブ1,2のリフト特性を図5にL2で示す。
【0052】
そうして、上述の如く大リフト制御時から小リフト制御時への移行にあたっては、コントロールアーム12の回動により規制リンク13の回動中心であるピン32を移動させて連結ピン33の往復円弧運動の位置をAからBへ、すなわち、カムシャフト3の回転方向手前側に移動させている。これにより、大リフト制御時にはバルブリフトピーク時の偏心輪6の中心はC1に位置するが、小リフト時にはバルブリフトピーク時の偏心輪6の中心はC2に移動する。つまり、大リフト制御時から小リフト制御時に移行したとき、バルブリフトピーク時はC1とC2とに関する中心角αだけ進角することになる。
【0053】
このように、バルブリフト量を小さくしていくと、バルブリフトのピーク時が進角するから、図5に示すように、バルブリフト量の大小に拘わらず吸気バルブ1,2の開弁開始時期を略揃える上で有利になる。
【0054】
次に吸気バルブ2のリフト・ダウン速度をみると、まず、大リフト制御時及び小リフト制御時に揺動カム5がバルブリフト量零側の揺動端に位置するときの偏心輪6の中心は図5のC3にある。
【0055】
偏心輪6の中心がC3点からカムシャフト3の軸心を中心として右回りしていくとき、大リフト制御時の場合、C3点から60度の回転角ぐらいまでは偏心輪6の中心の移動方向が連結ピン33の往復円弧運動Aの方向に対して横向きになっているから、連結ピン33は破線側の揺動端から殆ど上昇しない。従って、揺動カム5も殆ど動かない。
【0056】
上記60度の回転角を過ぎた頃から偏心輪6の中心の回転移動方向が往復円弧運動Aの方向に沿うようになるから、偏心輪6の中心の回転移動に伴って連結ピン33が比較的速く上昇していく。この往復円弧運動Aの方向と揺動カム5の揺動方向とが略同じになっているから、連結ピン33の上昇に伴って揺動カム5が実質的に揺動し始める。そうして、偏心輪6の中心が上記C3点から90度を越えた回転角になると、揺動カム5はそのカム面(リフト区間)θ2がタペット21に当接するようになって吸気バルブ2が開弁し始める。
【0057】
一方、小リフト制御時の場合、偏心輪6の中心が上記C3点から回転移動していくときの移動方向が往復円弧運動Bの方向に比較的近いから、この回転移動に伴って、連結ピン33は大リフト制御時の場合よりも比較的早く上昇していく。
しかし、往復円弧運動Bの方向と揺動カム5の揺動方向との交差角度が大きいから、連結ピン33が往復円弧運動Bでの上昇を開始しても揺動カム5は殆ど揺動せず、偏心輪6の中心がC3から90度乃至120度程度の回転角になったときに吸気バルブ2が開き始める。
【0058】
すなわち、バルブリフト量の制御において、リフト量が小さくなるほど、連結ピン33の往復円弧運動の位置をカムシャフト3の回転方向手前側に移動させてバルブリフトピーク時を進角させるようにしたことに加えて、上記往復円弧運動の方向と揺動カム5の揺動方向とのなす角度を大きくしていくようにしたから、吸気バルブ2の開弁開始時期を略揃える上でさらに有利になっている。
【0059】
また、本例の場合、バルブリフト量が大きくなるほど、規制リンク13の回動中心(連結ピン32)をカムシャフト3の軸心側に近づけて、連結ピン33の往復円弧運動の弦がカムシャフト3の軸心側を向くようにしている。従って、偏心輪6の中心がC1点から右回りに回転移動するときの、連結ピン33の下降速度が速くなり、その結果、吸気バルブ2が早めに閉弁する。すなわち、吸気バルブ2を早閉じにすることができ、ポンピングロス低減にも有利になる。
【0060】
そうして、上記連結リンク8と規制リンク13とが外輪7を中間において連係しているから、コントロールアーム12によって規制リンク13の位置を大きく変更させて揺動カム5によるバルブリフト量を大きく変化させることができ、このバルブリフト量の制御のみでエンジンの運転状態に応じた最適な吸気量を得ることができるため、スロットルレスとしてポンピングロスを低減することができるとともに、大リフト制御時の吸気充填効率を向上させることができる。
【0061】
また、上記実施形態では、揺動カム5と外輪7とを1本のリンク8で連結し、該リンク8及び規制リンク13各々の一端を外輪7に連結する構成としたから、部品点数を少なくして構成を簡単にすることができ、可変動弁装置のコンパクト化及び軽量化に有利になる。しかも、コントロールアーム12の回動軸11を外輪7の連結ピンの側方に配置したから、可変動弁装置全体が嵩高なものにならず、既存のエンジンに対して、特に直動タペット式のエンジンに対して、エンジンの全高が増大することを抑えつつ且つ大きな設計変更をすることなく、組込む上で有利になる。
【0062】
なお、連結リンク8と規制リンク13とは、外輪7に対して別個のピンで異なる位置に連結することもできる。
【0063】
<実施形態2>
図6は本実施形態に係る吸気バルブの可変動弁装置の全体構成を示す。実施形態1と同様に、このエンジンは1つの気筒に2つの吸気バルブ1,2と2つの排気バルブ(図示省略)とを有する4バルブのダブルオーバヘッドカム方式を採用したものである。同図において、3はエンジンのクランク軸に同期して回転するカムシャフトである。吸気バルブ1,2の各々はカムシャフト3に揺動自在に支持された揺動カム4,5によって駆動され、バルブリフト量及びバルブタイミングがエンジンの運転状態に応じて変更される。
【0064】
吸気バルブ1,2のリフト量及びタイミングの変更のために、カムシャフト3には複数の偏心輪6が軸方向に間隔をおいて且つ該カムシャフト3と一体になって回転するように設けられ、各偏心輪6に外輪7が回転自在に外嵌めされている。この外輪7と上記揺動カム5とがリンク機構によって連結されている。揺動カム4は揺動カム5と一体になって揺動するようにカムシャフト3に支持されている。リンク機構は、揺動カム5に連結された第1リンク9と、外輪7に連結された第2リンク10とによって構成され、該第1リンク9と第2リンク10とが回動自在に連結されている。
【0065】
また、上記カムシャフト3と平行に回動軸11が設けられており、この回動軸11に複数のコントロールアーム(コントロール部材)12が軸方向に間隔をおいて結合されている。各コントロールアーム12と上記外輪7とは、上記第2リンク10を利用して連結されている。すなわち、第2リンク10は外輪7との連結点よりさらに上記第1リンク9とは反対側に延長されてコントロールアーム12に連結されている。この第2リンク10の延長部が、偏心輪6の回転に伴う外輪7の変位を上記揺動カム5が揺動するように規制する規制リンク13を形成している。
【0066】
上記回動軸11には、ウォーム歯車14が結合されている。このウォーム歯車14の歯にモータ15で回転駆動されるウォーム16が噛み合っている。そうして、エンジンの運転状態に応じてモータ15を作動させて上記コントロールアーム12を回動させ、上記規制リンク13の位置を変えて吸気バルブ1,2のリフト量及びタイミングを変更させるようになっている。この場合、コントロールアーム12は、エンジン負荷が高くなるほどバルブリフト量が大きくなるように制御される。以下、可変動弁装置について具体的に説明する。
【0067】
図7に示すように、吸気バルブ2のステム上端に直動式タペット21が設けられ、該タペット21に揺動カム5が当接している。吸気バルブ2は、タペット内部に設けられたリテーナ22とシリンダヘッドに設けられたリテーナ23との間に設けられたバルブスプリング24によって吸気ポート25を閉じる方向に付勢されている。吸気バルブ1も吸気バルブ2と同様の構成になっている。
【0068】
第1リンク9は、一端が揺動カム5にピン31にて回動自在に連結され、他端は第2リンク10の一端にピン30にて回動自在に連結されている。第2リンク10は、その中間部が外輪7を一部を外方へ突出させてなる突出部に連結ピン33によって連結されている。第2リンク10の他端、すなわち、規制リンク13の基端はコントロールアーム12の先端にピン32にて回動自在に連結されている。従って、リンク機構と規制リンク13とは外輪7を中間において連係している。ピン30〜33はいずれもカムシャフト3と平行に延びている。
【0069】
外輪7と第2リンク10との連結ピン33はカムシャフト3の上方に配置され、該連結ピン33の側方にコントロールアーム12の回動軸11が配置されている。コントロールアーム12の先端のピン32は第2リンク10(規制リンク13)の回動中心である。このピン32を高位置(カムシャフト3の軸心位置よりも比較的上方に離した位置)に配置した図7は、大リフト制御状態である。図8に示すようにコントロールアーム12の回動によってピン32を下方へ移動させて低位置(カムシャフト3の軸心の側方位置)に位置付けると、小リフト制御状態となる。
【0070】
図7の(a)及び(b)に示すように外輪7の位置は偏心輪6の回転に伴って変化し、揺動カム5が同図(a)に示すように直動式タペット21を介して吸気バルブ2を大きくリフトさせた状態(揺動カム4が直動式タペットを介して吸気バルブ1を大きくリフトさせた状態)と、同図(b)に示すように吸気バルブ2(吸気バルブ1)のリフト量零の状態との間で揺動する。小リフト制御状態である図8の場合も同様である(同図(a)及び(b)参照)。
【0071】
図9に上記可変動弁装置の作動を具体的に示す。なお、コントロールアーム12、第1リンク9及び第2リンク10(規制リンク13)については直線で表している。また、Cは偏心輪6の中心の回転軌跡である。また、吸気バルブ1と揺動カム4との関係も吸気バルブ2と揺動カム5との関係と同じであり、揺動カム4は揺動カム5と同様に働くので、以下では、吸気バルブ2と揺動カム5との関係で当該可変動弁装置を説明する。
【0072】
まず、揺動カム5の周面には、曲率半径が所定角度範囲一定になっている基円面(ベースサークル区間)θ1と、該θ1に続いて曲率半径が漸次大きくなっているカム面(リフト区間)θ2とが形成されている。カムシャフト3(偏心輪6)の回転方向は図9における時計方向(右回り)に設定されている。図9に実線で示す状態は、コントロールアーム12が大リフト制御位置とされ、外輪7の連結ピン33が最も下方に位置付けられたバルブリフトピーク時である。このときに、揺動カム5はカム面θ2のカムノーズ側の端がタペット21に当接した状態になるように設定されている。
【0073】
図9の実線状態において、偏心輪6が回転すると、それに伴って外輪7が変位するが、その変位は規制リンク13によって規制される。すなわち、規制リンク13はピン32を中心に回動するから、外輪7の連結ピン33は、偏心輪6が1回転する度に、ピン32を中心として往復円弧運動Aをすることになる(規制リンク13は実線状態と破線状態との間で往復回動する)。
【0074】
上記連結ピン33の往復円弧運動Aに伴って、外輪7に第1及び第2のリンク9,10で連結された揺動カム5は、実線状態と破線状態との間で揺動運動をする。揺動カム5は破線状態ではその基円面θ1がタペット21に接しており、バルブリフト量は零(吸気バルブ1,2は閉)となる。
【0075】
次にコントロールアーム12を図9に実線で示す状態から回動軸11周りに下方へ回動させて規制リンク13の回動中心であるピン32を大リフト制御時よりもカムシャフト3の回転方向手前側に位置付けると、小リフト制御状態となる。
すなわち、偏心輪6が回転するとき、外輪7の連結ピン33は規制リンク13によって変位が規制され、回動軸11の下方に配置されたピン32を中心として往復円弧運動Bをすることになる(規制リンク13は1点鎖線状態と2点鎖線状態との間で往復回動する)。
【0076】
この小リフト制御時の往復円弧運動Bの位置は大リフト制御時の往復円弧運動Aの位置よりもカムシャフト3の回転方向手前側に位置付けられている。
【0077】
上記連結ピン33の往復円弧運動Bに伴って、外輪7に連結リンク8で連結された揺動カム5は、1点鎖線状態と2点鎖線状態との間で揺動運動をする。
【0078】
上述の如く大リフト制御時から小リフト制御時へ移行すると、連結ピン33の往復円弧運動の位置がカムシャフト3の回転方向手前側に移動するから、バルブリフトピーク時の偏心輪6の中心はC1からC2に移動する。つまり、大リフト制御時から小リフト制御時に移行したとき、バルブリフトピーク時はC1とC2とに関する中心角αだけ進角することになる。
【0079】
このように、バルブリフト量を小さくしていくと、バルブリフトのピーク時が進角するから、バルブリフト量の大小に拘わらず吸気バルブ1,2の開弁開始時期を略揃える上で有利になる。
【0080】
そうして、上記連結リンク8と規制リンク13とが外輪7を中間において連係しているから、コントロールアーム12によって規制リンク13の位置を大きく変更させて揺動カム5によるバルブリフト量を大きく変化させることができ、このバルブリフト量の制御のみでエンジンの運転状態に応じた最適な吸気量を得ることができるため、スロットルレスとしてポンピングロスを低減することができるとともに、大リフト制御時の吸気充填効率を向上させることができる。
【0081】
また、上記実施形態では、揺動カム5と外輪7とを2本のリンク9,10で連結するとともに、第2リンク10の一部を規制リンク13とする構成としたから、部品点数を少なくして構成を簡単にすることができ、可変動弁装置のコンパクト化及び軽量化に有利になる。しかも、コントロールアーム12の回動軸11を外輪7の連結ピンの側方に配置したから、可変動弁装置全体が嵩高なものにならず、既存のエンジンに対して、特に直動タペット式のエンジンに対して、エンジンの全高が増大することを抑えつつ且つ大きな設計変更をすることなく、組込む上で有利になる。
【0082】
また、コントロールアーム12と第2リンク10(規制リンク13)との連結ピン32と、揺動カム5と第1リンク9との連結ピン31とは、第2リンク10と外輪7との連結ピン33を支点として互いに逆方向に移動する。すなわち、コントロールアーム12と揺動カム5とは、第2リンク10を言わばシーソーとして互いに逆方向に移動する関係にあるから、エンジンの運転状態に応じてコントロールアーム12を動かしたときに、揺動カム5に対してその揺動方向に働く分力が大きくなり、その分、各連結ピン30〜33に作用する荷重が小さくなる。
よって、バルブリフト量変更のために必要な駆動力を小さくすることができるとともに、リンク9,10及びコントロールアーム12の動きが円滑になって当該可変動弁装置の信頼性が高くなる。
【0083】
なお、上記各実施形態では、コントロール部材(アーム12)が規制リンクの基端の回動中心を旋回移動させるようにしたが、コントロール部材は規制リンクの回転中心を直線的に移動させるものであってもよい。
【0084】
また、上記各実施形態では、外輪とリンク機構との連結点が往復円弧運動をするように規制リンクが該外輪の変位を規制するようにしたが、規制リンクは上記連結点が例えば楕円状に循環軌跡移動するように外輪の変位を規制するものであってもよい。
【0085】
また、上記各実施形態は吸気バルブの可変動弁装置に関するが、本発明は、排気バルブの可変動弁装置とし採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る可変動弁装置を示す斜視図。
【図2】同装置の大リフト制御時におけるバルブリフトピーク時(a)及びリフト量零時(b)各々の状態を示す断面図。
【図3】同装置の小リフト制御時におけるバルブリフトピーク時(a)及びリフト量零時(b)各々の状態を示す断面図。
【図4】同装置の作動の説明図。
【図5】同装置のバルブリフト特性を示すグラフ図。
【図6】本発明の実施形態2に係る可変動弁装置を示す斜視図。
【図7】同装置の大リフト制御時におけるバルブリフトピーク時(a)及びリフト量零時(b)各々の状態を示す断面図。
【図8】同装置の小リフト制御時におけるバルブリフトピーク時(a)及びリフト量零時(b)各々の状態を示す断面図。
【図9】同装置の作動の説明図。
【符号の説明】
1,2 吸気バルブ
3 カムシャフト
4,5 揺動カム
6 偏心輪
7 外輪
8 連結リンク(リンク機構)
9 第1リンク
10 第2リンク
11 回動軸
12 コントロールアーム
13 規制リンク
21 タペット
30〜33 連結ピン

Claims (7)

  1. エンジンのクランク軸に同期して回転する偏心輪を有するカムシャフトと、
    上記カムシャフトを軸として揺動するように設けられた、バルブをリフトさせる揺動カムと、
    上記偏心輪に回転自在に外嵌めされた外輪と、
    上記揺動カムと外輪とを連結し、該外輪の変位を揺動カムに伝達するリンク機構と、
    上記外輪に連結され、上記偏心輪の回転に伴う該外輪の変位を、上記リンク機構を介して上記揺動カムが揺動するように規制する規制リンクと、
    エンジンの運転状態に応じて上記規制リンクの位置を変更するコントロール部材とを備え、
    上記リンク機構と上記規制リンクとは上記外輪を中間において連係し、
    上記コントロール部材は、上記揺動カムによる上記バルブのリフト量が変化するように、且つ小リフト制御時には大リフト制御時よりも上記カムシャフトの回転方向手前側の回転角度でバルブリフトのピークが現れるように、上記規制リンクの位置を変更することを特徴とするエンジンの可変動弁装置。
  2. 請求項1において、
    上記規制リンクは、上記カムシャフトに平行な軸を中心に回動自在に設けられて上記外輪に連結され、上記偏心輪の回転に伴って該外輪と上記リンク機構との連結点が往復円弧運動をするように該外輪の変位を規制し、
    上記コントロール部材は、上記連結点の往復円弧運動位置が上記カムシャフトの軸心回りにおいて周方向に変位するように、上記規制リンクの回動軸の位置を変更することを特徴とするエンジンの可変動弁装置。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    上記リンク機構は、上記揺動カムと外輪とを連結する1本のリンクで構成され、該リンク及び上記規制リンクは、各々の一端が上記外輪に回動自在に連結されていることを特徴とするエンジンの可変動弁装置。
  4. 請求項1又は請求項2において、
    上記リンク機構は、上記揺動カムに連結された第1リンクと、上記外輪に連結された第2リンクとによって構成され、該第1リンクと第2リンクとが回動自在に連結されており、
    上記第2リンクは上記外輪との連結点よりさらに上記第1リンクとは反対側に延長されて上記コントロール部材に連結されており、該第2リンクの延長部が上記規制リンクを形成していることを特徴とするエンジンの可変動弁装置。
  5. 請求項4において、
    上記コントロール部材は、上記カムシャフトに平行な軸を中心に回動するものであり、
    上記コントロール部材と上記第2リンクとの連結点と、上記揺動カムと上記第1リンクとの連結点とは、上記第2リンクと上記外輪との連結点を支点として互いに逆方向に移動するように配置されていることを特徴とするエンジンの可変動弁装置。
  6. 請求項1又は請求項2において、
    上記コントロール部材は、上記カムシャフトに平行な軸を中心に回動するものであり、
    上記外輪と上記リンク機構との連結点はカムシャフトの上方に配置され、
    上記コントロール部材の回動軸は上記連結点の側方に配置されていることを特徴とするエンジンの可変動弁装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一において、
    上記揺動カムは、直動式タペットに当接していることを特徴とするエンジンの可変動弁装置。
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