JP2004299440A - 車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置の大型化を回避しつつスポット吹出および面吹出を切り換えて冷房初期時および安定時の双方の空調快適性を発揮できる車両用空調装置の提供を図る。
【解決手段】スポット吹出口としてのセンタベント吹出口および前記サイドベント吹出口の間に開口し且つこれらスポット吹出口よりも開口面積が大きい面吹出口と、を設け、少なくとも1つのスポット吹出口と面吹出口とを選択的に開閉する1つのドア装置を設け、ドア装置は、スポット吹出口と前記面吹出口とに亘って配置され且つ複数の通気孔を備える固定パネルとスライドパネルとからなるため、ドア装置を配置するためのスペースを大きく割く必要がない。つまり、この実施形態の車両用空調装置によれば、装置の大型化を回避しつつ、スポット吹出および面吹出を切換えて冷房初期時および安定時の双方の空調快適性を発揮できる。
【選択図】 図2
【解決手段】スポット吹出口としてのセンタベント吹出口および前記サイドベント吹出口の間に開口し且つこれらスポット吹出口よりも開口面積が大きい面吹出口と、を設け、少なくとも1つのスポット吹出口と面吹出口とを選択的に開閉する1つのドア装置を設け、ドア装置は、スポット吹出口と前記面吹出口とに亘って配置され且つ複数の通気孔を備える固定パネルとスライドパネルとからなるため、ドア装置を配置するためのスペースを大きく割く必要がない。つまり、この実施形態の車両用空調装置によれば、装置の大型化を回避しつつ、スポット吹出および面吹出を切換えて冷房初期時および安定時の双方の空調快適性を発揮できる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車室内環境を快適にするための車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用空調装置には、冷房初期時および安定時の双方の空調快適性を発揮すべく、配風モードをスポット吹出と面吹出を切り換えるものがある(例えば特許文献1参照)。具体的には、(1)炎天下で長時間駐車していた車両の車室内を冷房する冷房初期時には、風速の高いスポット風で乗員および車室内の熱気を吹き飛ばし、(2)クールダウンを終えて車室内が熱的に安定した安定時には、面吹出で風速を落として乗員の体の一部が局部的に冷え過ぎることが防止する。これにより、冷房初期時および安定時の双方の空調快適性を満足できる。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−32119号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の車両用空調装置にあっては、スポット吹出と面吹出の切換装置が回転式のドアであるため、装置の大型化を招くおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記事情を考慮し、大型化を回避しつつスポット吹出および面吹出を切換えて冷房初期時および安定時の双方の空調快適性を発揮できる車両用空調装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の車両用空調装置は、インストルメントパネルの車幅方向中央部に設けられるスポット吹出口としてのセンタベント吹出口と、インストルメントパネルの車幅方向側端部に設けられるスポット吹出口としてのサイドベント吹出口と、前記スポット吹出口としてのセンタベント吹出口および前記サイドベント吹出口の間に設けられ且つこれらスポット吹出口よりも開口面積が大きい面吹出口と、を備え、
少なくとも1つの前記スポット吹出口と前記面吹出口とを選択的に開閉する1つのドア装置を設け、
前記ドア装置は、前記スポット吹出口と前記面吹出口とに亘って配置され且つ複数の通気孔を備える固定パネルと、前記固定パネルに対してスライド移動自在に積層配置され且つ所定のスライド位置で前記固定パネルの通気孔と合致する通気孔を有するスライドパネルと、を備えてなり、前記スポット吹出口と前記面吹出口とでの前記連通孔同士の合致位置が異なるように設定することで、スポット吹出と面吹出とを切換自在としたことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の車両用空調装置において、面吹出口に空調風の吹出速度を緩める緩衝部材を設けたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の車両用空調装置において、スポット吹出口に、空調風の吹出方向を変更自在な変向手段を設けたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の車両用空調装置において、ドア装置はスポット吹出口としてのサイドベント吹出口と前記面吹出口とに跨って配置されており、これらサイドベント吹出口および面吹出口がサイドベントダクトを介して空調ユニットのベント吹出口に接続され、且つ、前記サンタベント吹出口がサイドベントダクトと独立したセンタベントダクトを介して空調ユニットのベント吹出口に接続されていることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の効果】
請求項1記載の発明にあっては、スポット吹出口と面吹出口とを設け、このスポット吹出口と面吹出口を選択的に開閉する1つのドア装置を設けため、車室内の状況および乗員の要求などに応じて、スポット吹出および面吹出を切換えて、良好な空調快適性を発揮することができる。しかも、スポット吹出口と面吹出口とを切換自在とするドア装置は、固定パネルとスライドパネルからなるため、従来のような回転式の切換装置とことなり、ドア装置を配置するためのスペースを大きく割く必要がない。
【0011】
つまり、この請求項1記載の発明によれば、大型化を回避しつつスポット吹出および面吹出を切換えて冷房初期時および安定時の双方の空調快適性を発揮できる車両用空調装置を提供できる。
【0012】
請求項2記載の発明にあっては、 請求項1記載の発明の効果に加え、面吹出口に空調風の吹出速度を緩める緩衝部材を設けため、面吹出口からの吹出速度が低下してさらにマイルドな面吹出となる。そのため安定時の空調快適性がさらに高まる。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の発明の効果に加え、スポット吹出口に、空調風の吹出方向を変更自在な変向手段を設けたことをため、乗員の要望に応じて任意の位置にむけてスポット風を吹き出せる。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれかの発明の効果に加え、ドア装置はスポット吹出口としてのサイドベント吹出口と面吹出口とに跨って配置されており、これらサイドベント吹出口および面吹出口がサイドベントダクトを介して空調ユニットのベント吹出口に接続され、且つ、センタベント吹出口がセンタベントダクトを介して空調ユニットのベント吹出口に接続されているため、センタベント吹出口が面吹出口とは独立しているので、ドア装置による切換により面吹出口から面吹出を行いつつも、サンタベント吹出口からのスポット吹出が可能となり、配風自由度がさらに高まる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は本発明の第1実施形態の車両用空調装置に概略構成図、図2は同車両用空調装置の吹出口を備えるインストルメントパネルの概略斜視図、図3は同車両用空調装置のベントダクトを示す概略正面図、図4は図2中SA−SA線に沿う断面図、図5は同車両用空調装置のサイドベント吹出口および面吹出口に跨って配置されるドア装置の要部の斜視図、図6は同車両用空調装置のドア装置のスライドパネルのスライド量に伴う面吹出およびスポット吹出(サイドベント吹出)の配風比を示す説明図である。
【0017】
図1は、本実施形態の車両用空調装置1の概略構成図である。
【0018】
図1に示すように、車両用空調装置1は、内外気を選択的に導入する図示せぬインテークボックス11と、該インテークボックス11からの空気を後流に送るシロッコファン13を有するブロア15と、該ブロア15からの空気を温調して吹き出す空調ユニット20と、空調ユニット20の吹出口31、32、33からの空調風をインストルメントパネル40に開口する吹出口に向けて流すダクト35、36、37と、を備えて構成される。なお、図1中において、空調ユニット20のフット吹出口31に接続されるフロントフットダクトおよびリアフットダクトは省略してある。
【0019】
まず、取り入れた内外気を温調して吹き出す空調ユニット20について簡単に説明する。空調ユニット20のケース21内に形成される送風路中には、エバポレータ22およびエアミックスドア装置23およびヒータコア24およびドア31D、32D、33Dが、配置されている。
【0020】
冷却用熱交換器としてのエバポレータ22は、図示せぬ冷凍サイクルに介装され、内部に低温低圧状態の冷媒を循環させて該冷媒に熱を吸熱させることで、通風する空気を冷却除湿するものである。
【0021】
加熱用熱交換器としてのヒータコア24は、図示せぬ温水ラインに介装され、エンジンの排熱によって高温になったエンジン冷却水を熱源として放熱することで、通風する空気を加熱するものである。
【0022】
エアミックスドア装置23は、エバポレータ22の下流側且つヒータコア24の上流側に配設されていて、ドアケース25と、該ドアケース25内をスライド移動するエアミックスドア26と、を備えている。エアミックスドア26は、ドアケース25の後流壁に設けられた温風通路入口25aおよびバイパス通路入口25bに亘って上下方向にスライド作動することで、温風通路27とバイパス通路28とへの冷風量を分配調節する。
【0023】
これら温風通路27およびバイパス通路28の下流の合流部分は、冷風と温風をミックスするためのエアミックス空間29として設定される。
【0024】
エアミックス空間29には、温風通路出口30の上側に順次、フット吹出口31と、ベント吹出口32と、デフロスタ吹出口33と、が連設されている。これら各吹出口31、32、33には該吹出口31、32、33を開閉するドア31D、32D、33D設けられていて、このドア31D、32D、33Dの開閉により吹出口31、32、33が選択される。
【0025】
前記デフロスタ吹出口33にはインストルメントパネル40のデフロスタ吹出口47に連通するデフロスタダクト35が接続されており、デフロスタ吹出口33からの空調風は車両前面窓ガラスに向かうようになっている。
【0026】
また、前記ベント吹出口32にはインストルメントパネル40のベント吹出口41、42、43に連通するベントダクト(センタベントダクト36、サイドベントダクト37)が接続されており、このベント吹出口32からの空調風は前席乗員上半身に向かうようになっている。
【0027】
また、前記フット吹出口31には図示せぬフットダクトおよびリアフットダクトが接続され、このフット吹出口31からの空調風は前席および後席の乗員足下に向かうようになっている。
【0028】
そして、この実施形態では、図2、図3に示すように、インストルメントパネルに配置されるベント吹出口は、車幅方向中央部のセンタベント吹出口41と、幅方向両側部のサイドベント吹出口42と、に加えて、センタベント吹出口41とサイドベント吹出口42との間に開口する面吹出口43を備えている。
【0029】
なお、この実施形態では、インストルメントパネル40に配置されるセンタベント吹出口41は、インストルメントパネル40の車幅方向中央部に開口する接続開口40a(図2、3中仮想線)に嵌合固定されるセンタベントダクト36の後流端面に形成された開口として構成されている。また、インストルメントパネル40に配置されるサイドベント吹出口42および面吹出口43は、インストルメントパネル40の車幅方向両側に開口する接続開口40b(図2、3中仮想線)に嵌合されるサイドベントダクト37の後流端面に形成された開口として構成されている。
【0030】
上記面吹出口43は、図2、図3に示すように「スポット吹出口」としてのセンタベント吹出口41およびサイドベント吹出口42よりも開口面積が大きく、スポット吹出口41、42に比べ風速が遅くマイルド風を吹き出せるようになっている。しかも、面吹出口43は空調風の吹出速度を緩める「緩衝部材」としてのメッシュ44で覆われている。一方、「スポット吹出口」としてのセンタベント吹出口41およびサイドベント吹出口42には、空調風の吹出方向を変更自在な「変向手段」としてのグリル45、46が設けられている。
【0031】
そして、サイドベントダクト37には、図4、5に示すように、サイドベント吹出口42と面吹出口43とに切り換えるドア装置50が配置されている。このドア装置50は、スポット吹出口(サイドベント吹出口42)と面吹出口43とに亘って配置された固定パネル51と、この固定パネル51に積層された状態で該固定パネル51の両側端部に形成されたスライド溝53、53内にスライド移動自在に配置されるスライドパネル52と、このスライドパネル52をスライドさせる「駆動手段」としてにモータ54と、を備えてなる。
【0032】
モータ54の出力軸55は、図4、5に示すように、出力軸55と同軸上で固定パネル51の軸受部59に軸支されたシャフト60に、連結部材63によって連結固定されている。このシャフト60には両端部にピニオン61、61が固定されており、このピニオン61とスライドパネル52の背面に設けられたラック62、62とが噛み合っている。これにより、モータ54の出力軸55を回転させるとシャフト60とともにピニオン61が回転し、このピニオン61とラック62との噛み合いにより、スライドパネル52が上下方向にスライドするようになっている。
【0033】
固定パネル51およびスライドパネル52には、パネル全体に複数のスリット状の通気孔56(56A、56B)、57(57A、57B)が形成されている。これら固定パネル51とスライドパネル52の通気孔56、57同士は、所定のスライドパネル52の所定のスライド位置で互いに合致して空調風の通過を許容するものである。より具体的には、固定パネル51の通気孔56は、スライド方向に向けて所定間隔を空けて並んでおり、サイドベント吹出口の対応する通気孔56Aと面吹出口の対応する通気孔56Bとがスライド方向(上下方向)に対して同一高さに設定されている。一方、スライドパネル52の通気孔57は、スライド方向に向けて所定間隔を空けて並んでいるものの、サイドベント吹出口の対応する通気孔57Aと面吹出口の対応する通気孔57Bとがスライド方向(上下方向)に向けて互い違いに段差をもって設定されている。この実施形態では、サイドベント吹出口42で通気孔56A、57A同士が完全に一致しているときには、面吹出口43で通気孔56B、57B同士が完全に不一致となるように設定され、サイドベント吹出口で通気孔56A、57A同士が完全に不一致のときにには面吹出口43で通気孔56B、57B同士が完全に一致するように設定されている。すなわち、ドア装置50によるサイドベント吹出口42および面吹出口43の開閉は、サイドベント吹出口42が全開時には面吹出口43が全閉で、サイドベント吹出口42が全閉時には面吹出口43が全開となっている。なお、この実施形態では、サイドベント吹出口42と面吹出口43との配風比とスライドパネル52のスライド量(出力軸の回転角)との関係は図8のようになる。
【0034】
「作用」
次に作用を説明する(図1参照)。
【0035】
送風機13を作動させると、インテークボックス11を通じて内気または外気が選択的に吸入されて、エバポレータ22に向けて送り出される。エバポレータ22を通過する際、空気は除湿・冷却される。エバポレータ22を通過した空調風は、エアミックスドア26によって求める分量で温風通路27とバイパス通路28とに分配され、ヒータコア24を通過した温風とバイパス通路28を通過した冷風とがエアミックス空間29で混合されて、最終的に開放された少なくともいずれかの吹出口31、32、33から車内へ吹き出される。
【0036】
(i)冷房初期時(図4参照)
炎天下で長時間駐車していた車両の車室内を冷房する冷房初期時(クールダウン初期時)には、ドア装置50のモータ54の駆動によりスライドパネル52をスライドさせて、サイドベント吹出口42を全開とし且つ面吹出口43を全閉とする。これにより、スポット吹出口としてのサイドベント吹出口42から風速の高いスポット風を吹き出すことができる。結果、冷房初期時には車室内および乗員の熱気を吹き飛ばすことができ、早期に車室内を熱的に安定する状態に近づけることができる。
【0037】
(ii冷房安定時(図4参照)
クールダウンを終えて車室内が熱的に安定した安定時には、ドア装置50のモータ54の駆動によりスライドパネル52をスライドさせて、サイドベント吹出口42を全閉とし且つ面吹出口43を全開とする。これにより、面吹出口43から低速の空調風を吹き出すつことができる。結果、安定時には乗員の体の一部が局部的に冷え過ぎることが防止しつつ、マイルドな冷気を乗員に常時提供できる。
【0038】
「効果」
以下、この実施形態の車両用空調装置の効果を説明する。
【0039】
第1に、この実施形態の車両用空調装置によれば、(i)、(ii)に示すように、スポット吹出および面吹出を切換えて、冷房初期時および安定時の双方の空調快適性を発揮できる。
【0040】
しかも、スポット吹出と面吹出とを切り換えるドア装置50が、スポット吹出口(サイドベント吹出口)42と面吹出口43とに亘って配置され且つ複数の通気孔56、57を有する固定パネル51とスライドパネル52とからなるため、ドア装置50を配置するためのスペースを大きく割く必要がない。つまり、この実施形態の車両用空調装置1によれば、装置の大型化を回避しつつ、スポット吹出および面吹出を切換えて冷房初期時および安定時の双方の空調快適性を発揮できる。
【0041】
なお、上述の実施形態では、ドア装置50のスライドパネル52を、サイドベント吹出口42を全閉且つ面吹出口43を全開とするスライド位置と、サイドベント吹出口42を全開且つ面吹出口43を全閉とするスライド位置と、の二位置のみで使用した例であるが、本発明にあっては、勿論、サイドベント吹出口42を開且つ面吹出口43を開とするスライド位置で使用してもよい。この場合は、サイドベント吹出口42および面吹出口43の双方から低速でマイルドな空調風を吹き出すことができる。
【0042】
第2に、この実施形態の車両用空調装置によれば、面吹出口43に空調風の吹出速度を緩める「緩衝部材」としてのメッシュ44を設けたため、面吹出口43からの吹出速度が低下してさらにマイルドな面吹出となる。そのため安定時の空調快適性がさらに高まる。
【0043】
第3に、「スポット吹出口」としてのサイドベント吹出口42に、空調風の吹出方向を変更自在な「変向手段」としてのグリル46を設けたため、冷房初期時には乗員の要望に応じて任意の位置にむけてスポット風を吹き出せる。
【0044】
第4に、サイドベント吹出口42および面吹出口43がサイドベントダクト37を介して空調ユニット20のベント吹出口32に接続され、且つ、前記センタベント吹出口41がセンタベントダクト36を介して空調ユニット20のベント吹出口32に接続されているため、つまりセンタベント吹出口41が独立しているため、ドア装置50による切換により面吹出口43から面吹出を行いつつも、センタベント吹出口41からのスポット吹出が可能となり、配風自由度がさらに増える。よって空調快適性をさらに向上できる。
【0045】
以上要するに、この発明によれば、スポット吹出口としてのセンタベント吹出口および前記サイドベント吹出口の間に開口し且つこれらスポット吹出口よりも開口面積が大きい面吹出口を設け、すくなくとも1つのスポット吹出口と面吹出口とを選択的に開閉する1つのドア装置を設け、ドア装置は、スポット吹出口と面吹出口とに亘って配置され且つ複数の通気孔を備える固定パネルと、固定パネルに対してスライド移動自在に積層配置され且つ所定のスライド位置で前記固定パネルの通気孔と合致する通気孔を有するスライドパネルと、を備え、スポット吹出口と前記面吹出口とでの前記連通孔同士の合致位置が異なるように設定することで、スポット吹出と面吹出とを切換自在としたことを特徴とするため、
スポット吹出および面吹出を切り換えて良好な空調快適性を発揮することができる。しかも、スポット吹出と面吹出とを切り換えるドア装置が、スポット吹出口と面吹出口とに亘って配置された固定パネルとスライドパネルとからなるため、ドア装置を配置するためのスペースを大きく割く必要がない。つまり、この発明によれば、装置の大型化を招くことなく、スポット吹出および面吹出を切換えて冷房初期時および安定時の双方の空調快適性を発揮できる車両用空調装置とすることができる。
【0046】
なお、上述の実施形態では、スライドパネル52は固定パネル51に対して(上下方向に)直線的にスライドする構造であるが、本発明にあってはスライドパネル52は固定パネル51に対して回転式のスライドであってもよい。
【0047】
また、上述の実施形態では、ドア装置50がサイドベント吹出口42と面吹出口43との配風比を調整するもの構造であるが、本発明にあってはドア装置がセンタベント吹出口41と面吹出口43とに亘って配置されこれらセンタベント吹出口41と面吹出口43との配風比を調整する構造であってもよいし、またドア装置がセンタベント吹出口41と面吹出口43とサイドベント吹出口42の3つに亘って配置されこれら「スポット吹出口」としてのセンタベント吹出口41およびサイドベント吹出口42と面吹出口43との配風比を調整する構造であってもよい。
【0048】
また、上述の実施形態では、サイドベントダクト37からの空調風がサイドベント吹出口42および面吹出口43へ流れ且つセンタベントダクト36からの空調風がセンタベント吹出口41へ流れる構造であるが、本発明にあっては、一つのダクトでセンタベント吹出口41および面吹出口43およびサイドベント吹出口42に空調風を配風する構造であってもよいし、各吹出口41、42、43に対応して独立したダクトで配風する構造であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1実施形態の車両用空調装置に概略構成図。
【図2】図2は同車両用空調装置の吹出口を備えるインストルメントパネルの概略斜視図。
【図3】図3は同車両用空調装置のベントダクトを示す概略正面図。
【図4】図4は図2中SA−SA線に沿う断面図。
【図5】図5は同車両用空調装置のサイドベント吹出口および面吹出口に跨って配置されるドア装置の要部の斜視図。
【図6】図6は同車両用空調装置のドア装置のスライドパネルのスライド量に伴う面吹出およびスポット吹出(サイドベント吹出)の配風比を示す説明図。
【符号の説明】
1…車両用空調装置
20…空調ユニット
32…ベント吹出口(吹出口)
36…センタベントダクト
37…サイドベントダクト
40…インストルメントパネル
41…センタベント吹出口(スポット吹出口)
42…サイドベント吹出口(スポット吹出口)
43…面吹出口
44…メッシュ(緩衝部材)
46…グリル(変向手段)
50…ドア装置
51…固定パネル
52…スライドパネル
53…スライド溝
54…モータ
55…出力軸
56(56A、56B)…通気孔
57(57A、57B)…通気孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、車室内環境を快適にするための車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用空調装置には、冷房初期時および安定時の双方の空調快適性を発揮すべく、配風モードをスポット吹出と面吹出を切り換えるものがある(例えば特許文献1参照)。具体的には、(1)炎天下で長時間駐車していた車両の車室内を冷房する冷房初期時には、風速の高いスポット風で乗員および車室内の熱気を吹き飛ばし、(2)クールダウンを終えて車室内が熱的に安定した安定時には、面吹出で風速を落として乗員の体の一部が局部的に冷え過ぎることが防止する。これにより、冷房初期時および安定時の双方の空調快適性を満足できる。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−32119号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の車両用空調装置にあっては、スポット吹出と面吹出の切換装置が回転式のドアであるため、装置の大型化を招くおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記事情を考慮し、大型化を回避しつつスポット吹出および面吹出を切換えて冷房初期時および安定時の双方の空調快適性を発揮できる車両用空調装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の車両用空調装置は、インストルメントパネルの車幅方向中央部に設けられるスポット吹出口としてのセンタベント吹出口と、インストルメントパネルの車幅方向側端部に設けられるスポット吹出口としてのサイドベント吹出口と、前記スポット吹出口としてのセンタベント吹出口および前記サイドベント吹出口の間に設けられ且つこれらスポット吹出口よりも開口面積が大きい面吹出口と、を備え、
少なくとも1つの前記スポット吹出口と前記面吹出口とを選択的に開閉する1つのドア装置を設け、
前記ドア装置は、前記スポット吹出口と前記面吹出口とに亘って配置され且つ複数の通気孔を備える固定パネルと、前記固定パネルに対してスライド移動自在に積層配置され且つ所定のスライド位置で前記固定パネルの通気孔と合致する通気孔を有するスライドパネルと、を備えてなり、前記スポット吹出口と前記面吹出口とでの前記連通孔同士の合致位置が異なるように設定することで、スポット吹出と面吹出とを切換自在としたことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の車両用空調装置において、面吹出口に空調風の吹出速度を緩める緩衝部材を設けたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の車両用空調装置において、スポット吹出口に、空調風の吹出方向を変更自在な変向手段を設けたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の車両用空調装置において、ドア装置はスポット吹出口としてのサイドベント吹出口と前記面吹出口とに跨って配置されており、これらサイドベント吹出口および面吹出口がサイドベントダクトを介して空調ユニットのベント吹出口に接続され、且つ、前記サンタベント吹出口がサイドベントダクトと独立したセンタベントダクトを介して空調ユニットのベント吹出口に接続されていることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の効果】
請求項1記載の発明にあっては、スポット吹出口と面吹出口とを設け、このスポット吹出口と面吹出口を選択的に開閉する1つのドア装置を設けため、車室内の状況および乗員の要求などに応じて、スポット吹出および面吹出を切換えて、良好な空調快適性を発揮することができる。しかも、スポット吹出口と面吹出口とを切換自在とするドア装置は、固定パネルとスライドパネルからなるため、従来のような回転式の切換装置とことなり、ドア装置を配置するためのスペースを大きく割く必要がない。
【0011】
つまり、この請求項1記載の発明によれば、大型化を回避しつつスポット吹出および面吹出を切換えて冷房初期時および安定時の双方の空調快適性を発揮できる車両用空調装置を提供できる。
【0012】
請求項2記載の発明にあっては、 請求項1記載の発明の効果に加え、面吹出口に空調風の吹出速度を緩める緩衝部材を設けため、面吹出口からの吹出速度が低下してさらにマイルドな面吹出となる。そのため安定時の空調快適性がさらに高まる。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の発明の効果に加え、スポット吹出口に、空調風の吹出方向を変更自在な変向手段を設けたことをため、乗員の要望に応じて任意の位置にむけてスポット風を吹き出せる。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれかの発明の効果に加え、ドア装置はスポット吹出口としてのサイドベント吹出口と面吹出口とに跨って配置されており、これらサイドベント吹出口および面吹出口がサイドベントダクトを介して空調ユニットのベント吹出口に接続され、且つ、センタベント吹出口がセンタベントダクトを介して空調ユニットのベント吹出口に接続されているため、センタベント吹出口が面吹出口とは独立しているので、ドア装置による切換により面吹出口から面吹出を行いつつも、サンタベント吹出口からのスポット吹出が可能となり、配風自由度がさらに高まる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は本発明の第1実施形態の車両用空調装置に概略構成図、図2は同車両用空調装置の吹出口を備えるインストルメントパネルの概略斜視図、図3は同車両用空調装置のベントダクトを示す概略正面図、図4は図2中SA−SA線に沿う断面図、図5は同車両用空調装置のサイドベント吹出口および面吹出口に跨って配置されるドア装置の要部の斜視図、図6は同車両用空調装置のドア装置のスライドパネルのスライド量に伴う面吹出およびスポット吹出(サイドベント吹出)の配風比を示す説明図である。
【0017】
図1は、本実施形態の車両用空調装置1の概略構成図である。
【0018】
図1に示すように、車両用空調装置1は、内外気を選択的に導入する図示せぬインテークボックス11と、該インテークボックス11からの空気を後流に送るシロッコファン13を有するブロア15と、該ブロア15からの空気を温調して吹き出す空調ユニット20と、空調ユニット20の吹出口31、32、33からの空調風をインストルメントパネル40に開口する吹出口に向けて流すダクト35、36、37と、を備えて構成される。なお、図1中において、空調ユニット20のフット吹出口31に接続されるフロントフットダクトおよびリアフットダクトは省略してある。
【0019】
まず、取り入れた内外気を温調して吹き出す空調ユニット20について簡単に説明する。空調ユニット20のケース21内に形成される送風路中には、エバポレータ22およびエアミックスドア装置23およびヒータコア24およびドア31D、32D、33Dが、配置されている。
【0020】
冷却用熱交換器としてのエバポレータ22は、図示せぬ冷凍サイクルに介装され、内部に低温低圧状態の冷媒を循環させて該冷媒に熱を吸熱させることで、通風する空気を冷却除湿するものである。
【0021】
加熱用熱交換器としてのヒータコア24は、図示せぬ温水ラインに介装され、エンジンの排熱によって高温になったエンジン冷却水を熱源として放熱することで、通風する空気を加熱するものである。
【0022】
エアミックスドア装置23は、エバポレータ22の下流側且つヒータコア24の上流側に配設されていて、ドアケース25と、該ドアケース25内をスライド移動するエアミックスドア26と、を備えている。エアミックスドア26は、ドアケース25の後流壁に設けられた温風通路入口25aおよびバイパス通路入口25bに亘って上下方向にスライド作動することで、温風通路27とバイパス通路28とへの冷風量を分配調節する。
【0023】
これら温風通路27およびバイパス通路28の下流の合流部分は、冷風と温風をミックスするためのエアミックス空間29として設定される。
【0024】
エアミックス空間29には、温風通路出口30の上側に順次、フット吹出口31と、ベント吹出口32と、デフロスタ吹出口33と、が連設されている。これら各吹出口31、32、33には該吹出口31、32、33を開閉するドア31D、32D、33D設けられていて、このドア31D、32D、33Dの開閉により吹出口31、32、33が選択される。
【0025】
前記デフロスタ吹出口33にはインストルメントパネル40のデフロスタ吹出口47に連通するデフロスタダクト35が接続されており、デフロスタ吹出口33からの空調風は車両前面窓ガラスに向かうようになっている。
【0026】
また、前記ベント吹出口32にはインストルメントパネル40のベント吹出口41、42、43に連通するベントダクト(センタベントダクト36、サイドベントダクト37)が接続されており、このベント吹出口32からの空調風は前席乗員上半身に向かうようになっている。
【0027】
また、前記フット吹出口31には図示せぬフットダクトおよびリアフットダクトが接続され、このフット吹出口31からの空調風は前席および後席の乗員足下に向かうようになっている。
【0028】
そして、この実施形態では、図2、図3に示すように、インストルメントパネルに配置されるベント吹出口は、車幅方向中央部のセンタベント吹出口41と、幅方向両側部のサイドベント吹出口42と、に加えて、センタベント吹出口41とサイドベント吹出口42との間に開口する面吹出口43を備えている。
【0029】
なお、この実施形態では、インストルメントパネル40に配置されるセンタベント吹出口41は、インストルメントパネル40の車幅方向中央部に開口する接続開口40a(図2、3中仮想線)に嵌合固定されるセンタベントダクト36の後流端面に形成された開口として構成されている。また、インストルメントパネル40に配置されるサイドベント吹出口42および面吹出口43は、インストルメントパネル40の車幅方向両側に開口する接続開口40b(図2、3中仮想線)に嵌合されるサイドベントダクト37の後流端面に形成された開口として構成されている。
【0030】
上記面吹出口43は、図2、図3に示すように「スポット吹出口」としてのセンタベント吹出口41およびサイドベント吹出口42よりも開口面積が大きく、スポット吹出口41、42に比べ風速が遅くマイルド風を吹き出せるようになっている。しかも、面吹出口43は空調風の吹出速度を緩める「緩衝部材」としてのメッシュ44で覆われている。一方、「スポット吹出口」としてのセンタベント吹出口41およびサイドベント吹出口42には、空調風の吹出方向を変更自在な「変向手段」としてのグリル45、46が設けられている。
【0031】
そして、サイドベントダクト37には、図4、5に示すように、サイドベント吹出口42と面吹出口43とに切り換えるドア装置50が配置されている。このドア装置50は、スポット吹出口(サイドベント吹出口42)と面吹出口43とに亘って配置された固定パネル51と、この固定パネル51に積層された状態で該固定パネル51の両側端部に形成されたスライド溝53、53内にスライド移動自在に配置されるスライドパネル52と、このスライドパネル52をスライドさせる「駆動手段」としてにモータ54と、を備えてなる。
【0032】
モータ54の出力軸55は、図4、5に示すように、出力軸55と同軸上で固定パネル51の軸受部59に軸支されたシャフト60に、連結部材63によって連結固定されている。このシャフト60には両端部にピニオン61、61が固定されており、このピニオン61とスライドパネル52の背面に設けられたラック62、62とが噛み合っている。これにより、モータ54の出力軸55を回転させるとシャフト60とともにピニオン61が回転し、このピニオン61とラック62との噛み合いにより、スライドパネル52が上下方向にスライドするようになっている。
【0033】
固定パネル51およびスライドパネル52には、パネル全体に複数のスリット状の通気孔56(56A、56B)、57(57A、57B)が形成されている。これら固定パネル51とスライドパネル52の通気孔56、57同士は、所定のスライドパネル52の所定のスライド位置で互いに合致して空調風の通過を許容するものである。より具体的には、固定パネル51の通気孔56は、スライド方向に向けて所定間隔を空けて並んでおり、サイドベント吹出口の対応する通気孔56Aと面吹出口の対応する通気孔56Bとがスライド方向(上下方向)に対して同一高さに設定されている。一方、スライドパネル52の通気孔57は、スライド方向に向けて所定間隔を空けて並んでいるものの、サイドベント吹出口の対応する通気孔57Aと面吹出口の対応する通気孔57Bとがスライド方向(上下方向)に向けて互い違いに段差をもって設定されている。この実施形態では、サイドベント吹出口42で通気孔56A、57A同士が完全に一致しているときには、面吹出口43で通気孔56B、57B同士が完全に不一致となるように設定され、サイドベント吹出口で通気孔56A、57A同士が完全に不一致のときにには面吹出口43で通気孔56B、57B同士が完全に一致するように設定されている。すなわち、ドア装置50によるサイドベント吹出口42および面吹出口43の開閉は、サイドベント吹出口42が全開時には面吹出口43が全閉で、サイドベント吹出口42が全閉時には面吹出口43が全開となっている。なお、この実施形態では、サイドベント吹出口42と面吹出口43との配風比とスライドパネル52のスライド量(出力軸の回転角)との関係は図8のようになる。
【0034】
「作用」
次に作用を説明する(図1参照)。
【0035】
送風機13を作動させると、インテークボックス11を通じて内気または外気が選択的に吸入されて、エバポレータ22に向けて送り出される。エバポレータ22を通過する際、空気は除湿・冷却される。エバポレータ22を通過した空調風は、エアミックスドア26によって求める分量で温風通路27とバイパス通路28とに分配され、ヒータコア24を通過した温風とバイパス通路28を通過した冷風とがエアミックス空間29で混合されて、最終的に開放された少なくともいずれかの吹出口31、32、33から車内へ吹き出される。
【0036】
(i)冷房初期時(図4参照)
炎天下で長時間駐車していた車両の車室内を冷房する冷房初期時(クールダウン初期時)には、ドア装置50のモータ54の駆動によりスライドパネル52をスライドさせて、サイドベント吹出口42を全開とし且つ面吹出口43を全閉とする。これにより、スポット吹出口としてのサイドベント吹出口42から風速の高いスポット風を吹き出すことができる。結果、冷房初期時には車室内および乗員の熱気を吹き飛ばすことができ、早期に車室内を熱的に安定する状態に近づけることができる。
【0037】
(ii冷房安定時(図4参照)
クールダウンを終えて車室内が熱的に安定した安定時には、ドア装置50のモータ54の駆動によりスライドパネル52をスライドさせて、サイドベント吹出口42を全閉とし且つ面吹出口43を全開とする。これにより、面吹出口43から低速の空調風を吹き出すつことができる。結果、安定時には乗員の体の一部が局部的に冷え過ぎることが防止しつつ、マイルドな冷気を乗員に常時提供できる。
【0038】
「効果」
以下、この実施形態の車両用空調装置の効果を説明する。
【0039】
第1に、この実施形態の車両用空調装置によれば、(i)、(ii)に示すように、スポット吹出および面吹出を切換えて、冷房初期時および安定時の双方の空調快適性を発揮できる。
【0040】
しかも、スポット吹出と面吹出とを切り換えるドア装置50が、スポット吹出口(サイドベント吹出口)42と面吹出口43とに亘って配置され且つ複数の通気孔56、57を有する固定パネル51とスライドパネル52とからなるため、ドア装置50を配置するためのスペースを大きく割く必要がない。つまり、この実施形態の車両用空調装置1によれば、装置の大型化を回避しつつ、スポット吹出および面吹出を切換えて冷房初期時および安定時の双方の空調快適性を発揮できる。
【0041】
なお、上述の実施形態では、ドア装置50のスライドパネル52を、サイドベント吹出口42を全閉且つ面吹出口43を全開とするスライド位置と、サイドベント吹出口42を全開且つ面吹出口43を全閉とするスライド位置と、の二位置のみで使用した例であるが、本発明にあっては、勿論、サイドベント吹出口42を開且つ面吹出口43を開とするスライド位置で使用してもよい。この場合は、サイドベント吹出口42および面吹出口43の双方から低速でマイルドな空調風を吹き出すことができる。
【0042】
第2に、この実施形態の車両用空調装置によれば、面吹出口43に空調風の吹出速度を緩める「緩衝部材」としてのメッシュ44を設けたため、面吹出口43からの吹出速度が低下してさらにマイルドな面吹出となる。そのため安定時の空調快適性がさらに高まる。
【0043】
第3に、「スポット吹出口」としてのサイドベント吹出口42に、空調風の吹出方向を変更自在な「変向手段」としてのグリル46を設けたため、冷房初期時には乗員の要望に応じて任意の位置にむけてスポット風を吹き出せる。
【0044】
第4に、サイドベント吹出口42および面吹出口43がサイドベントダクト37を介して空調ユニット20のベント吹出口32に接続され、且つ、前記センタベント吹出口41がセンタベントダクト36を介して空調ユニット20のベント吹出口32に接続されているため、つまりセンタベント吹出口41が独立しているため、ドア装置50による切換により面吹出口43から面吹出を行いつつも、センタベント吹出口41からのスポット吹出が可能となり、配風自由度がさらに増える。よって空調快適性をさらに向上できる。
【0045】
以上要するに、この発明によれば、スポット吹出口としてのセンタベント吹出口および前記サイドベント吹出口の間に開口し且つこれらスポット吹出口よりも開口面積が大きい面吹出口を設け、すくなくとも1つのスポット吹出口と面吹出口とを選択的に開閉する1つのドア装置を設け、ドア装置は、スポット吹出口と面吹出口とに亘って配置され且つ複数の通気孔を備える固定パネルと、固定パネルに対してスライド移動自在に積層配置され且つ所定のスライド位置で前記固定パネルの通気孔と合致する通気孔を有するスライドパネルと、を備え、スポット吹出口と前記面吹出口とでの前記連通孔同士の合致位置が異なるように設定することで、スポット吹出と面吹出とを切換自在としたことを特徴とするため、
スポット吹出および面吹出を切り換えて良好な空調快適性を発揮することができる。しかも、スポット吹出と面吹出とを切り換えるドア装置が、スポット吹出口と面吹出口とに亘って配置された固定パネルとスライドパネルとからなるため、ドア装置を配置するためのスペースを大きく割く必要がない。つまり、この発明によれば、装置の大型化を招くことなく、スポット吹出および面吹出を切換えて冷房初期時および安定時の双方の空調快適性を発揮できる車両用空調装置とすることができる。
【0046】
なお、上述の実施形態では、スライドパネル52は固定パネル51に対して(上下方向に)直線的にスライドする構造であるが、本発明にあってはスライドパネル52は固定パネル51に対して回転式のスライドであってもよい。
【0047】
また、上述の実施形態では、ドア装置50がサイドベント吹出口42と面吹出口43との配風比を調整するもの構造であるが、本発明にあってはドア装置がセンタベント吹出口41と面吹出口43とに亘って配置されこれらセンタベント吹出口41と面吹出口43との配風比を調整する構造であってもよいし、またドア装置がセンタベント吹出口41と面吹出口43とサイドベント吹出口42の3つに亘って配置されこれら「スポット吹出口」としてのセンタベント吹出口41およびサイドベント吹出口42と面吹出口43との配風比を調整する構造であってもよい。
【0048】
また、上述の実施形態では、サイドベントダクト37からの空調風がサイドベント吹出口42および面吹出口43へ流れ且つセンタベントダクト36からの空調風がセンタベント吹出口41へ流れる構造であるが、本発明にあっては、一つのダクトでセンタベント吹出口41および面吹出口43およびサイドベント吹出口42に空調風を配風する構造であってもよいし、各吹出口41、42、43に対応して独立したダクトで配風する構造であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1実施形態の車両用空調装置に概略構成図。
【図2】図2は同車両用空調装置の吹出口を備えるインストルメントパネルの概略斜視図。
【図3】図3は同車両用空調装置のベントダクトを示す概略正面図。
【図4】図4は図2中SA−SA線に沿う断面図。
【図5】図5は同車両用空調装置のサイドベント吹出口および面吹出口に跨って配置されるドア装置の要部の斜視図。
【図6】図6は同車両用空調装置のドア装置のスライドパネルのスライド量に伴う面吹出およびスポット吹出(サイドベント吹出)の配風比を示す説明図。
【符号の説明】
1…車両用空調装置
20…空調ユニット
32…ベント吹出口(吹出口)
36…センタベントダクト
37…サイドベントダクト
40…インストルメントパネル
41…センタベント吹出口(スポット吹出口)
42…サイドベント吹出口(スポット吹出口)
43…面吹出口
44…メッシュ(緩衝部材)
46…グリル(変向手段)
50…ドア装置
51…固定パネル
52…スライドパネル
53…スライド溝
54…モータ
55…出力軸
56(56A、56B)…通気孔
57(57A、57B)…通気孔
Claims (4)
- インストルメントパネル(40)の車幅方向中央部に設けられるスポット吹出口としてのセンタベント吹出口(41)と、インストルメントパネル(40)の車幅方向側端部に設けられるスポット吹出口としてのサイドベント吹出口(42)と、前記スポット吹出口としてのセンタベント吹出口(41)および前記サイドベント吹出口(42)の間に設けられ且つこれらスポット吹出口(41、42)よりも開口面積が大きい面吹出口(43)と、を備え、
少なくとも1つの前記スポット吹出口(41,42)と前記面吹出口(43)とを選択的に開閉する1つのドア装置(50)を設け、
前記ドア装置(50)は、前記スポット吹出口(42)と前記面吹出口(43)とに亘って配置され且つ複数の通気孔(56)を備える固定パネル(51)と、前記固定パネル(51)に対してスライド移動自在に積層配置され且つ所定のスライド位置で前記固定パネル(51)の通気孔(56)と合致する通気孔(57)を有するスライドパネル(52)と、を備えてなり、
前記スポット吹出口(42)と前記面吹出口(43)とでの前記連通孔(56、57)同士の合致位置が異なるように設定することで、スポット吹出と面吹出とを切換自在としたことを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項1記載の車両用空調装置において、
前記面吹出口(43)に空調風の吹出速度を緩める緩衝部材(44)を設けたことを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項1または請求項2記載の車両用空調装置において、
前記スポット吹出口(42)に、空調風の吹出方向を変更自在な変向手段(46)を設けたことを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項記載の車両用空調装置において、
前記ドア装置(50)は前記スポット吹出口としてのサイドベント吹出口(42)と前記面吹出口(43)とに跨って配置されており、
これら前記サイドベント吹出口(42)および前記面吹出口(43)がサイドベントダクト(37)を介して空調ユニット(20)のベント吹出口(32)に接続され、且つ、前記センタベント吹出口(41)がセンタベントダクト(36)を介して空調ユニット(20)のベント吹出口(32)に接続されていることを特徴とする車両用空調装置。
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